JP3985995B2 - 離型剤用溶剤型シリコーン組成物 - Google Patents

離型剤用溶剤型シリコーン組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙、ラミネート紙、プラスチックフィルムなどの表面に塗布し、非粘着性の硬化皮膜を形成することのできる離型剤用溶剤型シリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙やプラスチックフィルムなどの基材と粘着性物質との間の接着または固着を防止することを目的として、基材面にシリコーン組成物の硬化皮膜を形成させて剥離性を付与することが行われている。基材面にシリコーン組成物の硬化皮膜を形成する方法としては、(1)白金系化合物を触媒として、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させて、基材面に剥離性皮膜を形成する方法、(2)有機錫化合物などの有機酸金属塩触媒を使用し、水酸基またはアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを縮合反応させて、基材面上に剥離性皮膜を形成する方法などが知られている。
【0003】
これらシリコーン皮膜に要求される剥離特性としては、低速剥離での剥離特性に加えて、近年、高速での巻き戻しや,高速でのラベルのカス取りに対応するため、高速剥離で軽剥離の特性を備えたシリコーン皮膜を要求する声が大きくなってきている。硬化性に優れ、高速剥離で軽剥離の特性を備えたシリコーン皮膜を与える方法は、前記一般式(化1)のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させて、剥離性皮膜を形成する方法が使用される。この場合、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンの例としては、下記一般式(化6)で示される直鎖状のオルガノポリシロキサンが使用可能である。
【化3】
Figure 0003985995
(式中、R1はアルケニル基、R2は置換または非置換の1価の有機基、R3は置換または非置換の1価の飽和有機基であり、eは2,000〜20,000、fは2〜2,000である。)
【0004】
しかし、直鎖状のオルガノポリシロキサンを使用した場合は、低速及び高速剥離とも軽剥離の特性は得られないので、高速軽剥離や硬化性改良を目的として、RSiO3/2単位を含有する分岐構造を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを使用した組成物が特開昭63−251465号、特公平3−019267号、特開平9−078032号、特開平11―193366号各公報に提案されている。しかし、これら各公報で提案されている分岐構造を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを使用すると、高速剥離で軽剥離を呈する剥離紙を得ることはできるが、低速剥離で軽剥離を呈する剥離紙を得ることは困難である。
【0005】
近年、剥離紙用基材としてプラスチックフィルムが、品質が安定していること、平滑性が高く、薄膜化が容易であり、多様な品種が入手可能であることなどの理由から、使用量が増加している。剥離紙用基材としてプラスチックフィルムを使用する際、問題となるのは、基材フィルムとシリコーン皮膜との密着性に乏しいこと、プラスチックフィルム本来の性質である耐熱性の低さ(プラスチックフィルムの薄膜化が進んでいる現在では、この傾向が更に加速されている)の故にシリコーン剥離剤組成物の硬化温度を上げることができないことなどである。前記の各公報でも、分岐構造を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを使用した組成物の硬化性が優れていることが記載されているが、現状では更に低い温度での、硬化性の向上が求められている。基材フィルムとシリコーン皮膜との密着性については、特公平3−019267号に、分岐構造を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを使用した組成物の硬化性の向上効果が記載されているが、より低い硬化温度において、良好な密着性を得るには、未だ、不十分である。以上のように、硬化性に優れ、高速剥離で軽剥離である硬化皮膜を与え、しかも、剥離紙用基材としてプラスチックフィルムのような耐熱性の低い基材を使用した場合でも、基材に対して優れた密着性を示す、離型剤用溶剤型シリコーン組成物が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、硬化性に優れ、高速剥離で軽剥離である硬化皮膜を与え、しかも、剥離紙用基材としてプラスチックフィルムのような耐熱性の低い基材を使用した場合でも、基材に対して優れた密着性を示す、離型剤用溶剤型シリコーン組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
下記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)からなる離型剤用溶剤型シリコーン組成物。
(A)1分子中にアルケニル基を2個以上有し、下記一般式(1)で示される構造を有し、25℃における粘度が500Pa・s以上である分岐状オルガノポリシロキサン 100重量部、
【化4】
Figure 0003985995
〔式中、M1は一般式(2)、Tは一般式(3)、Dは一般式(4)、M2は一般式(5)で示される構造単位であり、式中の酸素原子は隣接する構造単位と共有されてシロキサン結合を形成するものとする。R1はアルケニル基、R2は置換または非置換の1価の有機基、aは2以上、bは5〜100の整数、cは2,000〜20,000の整数、dは0または正の整数であって、a+d= b+2を満たす数である。〕
【化5】
Figure 0003985995
(B)1分子中にけい素原子に結合する水素原子を3個以上有し、けい素原子に結合する水素原子のモル数が(A)中のアルケニル基の合計モル数の1〜5倍になるような量に相当する重量部、
(C)触媒量の白金系触媒
(D)付加反応制御剤 0.01〜10重量部、
(E)有機溶剤 100〜10,000〜重量部。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の組成物における(A)成分の1分子中にアルケニル基を2個以上有する分岐状オルガノポリシロキサンは、一般式(化1)で示される構造を有するものである。式中、R1はビニル、アリル、プロペニルなどのアルケニル基、R2はメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基; ビニル、アリル、プロペニルなどのアルケニル基;フェニル、トリルなどのアリール基またはこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などの置換または非置換の1価の炭化水素基、更には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシエトキシ基などのアルコキシ基、水酸基、エポキシ基などから選択される置換または非置換の1価の有機基である。R1はビニル基が工業的に好ましく、(A)成分の分岐状オルガノポリシロキサンに含有されるR2は少なくともその80モル%がメチル基であることが工業上も、特性上も好ましい。
【0009】
(A)成分の分岐状オルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するが、2個未満では,硬化後も未架橋分子が残る可能性が高く、硬化性が低下するため好ましくない。好ましくは分岐状オルガノポリシロキサン100g当たりのアルケニル基の含有量として0.001モルから0.1モルであり、0.001モル未満では硬化性が低下し、0.1モルを超えるとポットライフが短くなり使用できない。一般式(化1)のbは分岐状オルガノポリシロキサンの分岐構造を決める数であり、5〜100の整数であるが、5未満では分岐が少なく、高速剥離での剥離力を軽くする効果が十分ではなく、100を超えると工業的に安定な製造が困難になる。好ましくは6〜80である。cは2,000〜20,000であり、2,000未満では塗工性が悪く、20,000を超えると作業性が悪くなる。好ましくは5,000〜10,000である。
【0010】
a、dは分岐状オルガノポリシロキサンの分子末端に位置するシロキサン単位の数であるが、aは2以上、dは0または正の整数であり、分岐の数と分子末端の数の関係から、a+d=b+2を満たす必要がある。必ずアルケニル基を有する構造単位はM1のみであり、aが2以上であるのは、1分子中のアルケニル基の数が2以上であること、アルケニル基は分子鎖末端に優先して配置されること、を意味している。d=0でもa+d=b+2を満たすことができるのであれば、良好な硬化性を達成するためにはd=0がより好ましい。a+dがb+2よりも小さいとオルガノポリシロキサンの物性が安定せず、最悪の場合は溶剤に対する溶解性の乏しいゲル状物となるので好ましくない。
a、b、c、dの合計値で、分岐状オルガノポリシロキサンの重合度の範囲が限定されるが、実用上は粘度による表示が有用である。高重合度のポリマーの粘度としては、一般的に限界粘度ηrで示されるが、分岐状オルガノポリシロキサンの限界粘度ηrは1.0〜3.0の範囲が特に好ましく、ηrが1.0未満では塗工性が悪く、3.0を超えると作業性が低下する。
【0011】
(A)成分の分岐状オルガノポリシロキサンの合成方法は、例えば、アルキルトリメトキシシランを下記一般式(7)で示されるアルケニルシロキサンと酸性条件下で加水分解、縮合反応させた後、オクタメチルシクロテトラシロキサンとアルカリ触媒の存在下で重合させることにより得られる。ここで、R1、R2は前記と同じである。
【化6】
Figure 0003985995
【0012】
本発明における(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にけい素原子に結合する水素原子を3個以上有することが必要である他は、特に限定されない。分子構造は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。また、粘度は5mPa・s〜1000mPa・sの範囲内であればよい。
【0013】
本発明における(B)成分の具体例として(化7)に示される式を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【化7】
Figure 0003985995
〔但し、上記各式において、Meはメチル基、Xは下記一般式(8)、Yは下記一般式(9)で示される基であり、g、k、mは3〜500、l、p、sは1〜500、h、i、j、n、q、r、t、u、v、wは0〜500の数である。〕
【化8】
Figure 0003985995
【0014】
本発明における(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、含有されるけい素原子に結合する水素原子(以下ではSi−Hで示す)のモル数が(A)中のアルケニル基の合計モル数の1〜5倍になるような量である。(B)成分の配合量に含まれるSi−Hのモル数が(A)中のアルケニル基の合計モル数の1倍未満では硬化性が不十分であり、5倍を超えて配合しても、顕著な効果がみられず、かえって剥離性能の経時的低下の原因となる上、経済的にも不利である。上記、記載から導かれる(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの、(A)成分100重量部に対する配合量は0.1〜20重量部の範囲である。
【0015】
本発明における(C)成分の白金族系触媒は、(A)成分と(B)成分の付加反応を促進し、硬化皮膜を形成するために用いられる。このような白金族系触媒を例示すると、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸―オレフィンコンプレックス、塩化白金酸―アルコール配位化合物、ロジウム、ロジウム―オレフィンコンプレックス等が挙げられる。(C)成分の配合量は(A)成分と(B)成分の合計重量に対して,白金量またはロジウム量として、5〜1,000ppmが良好な硬化皮膜を形成する上で好ましいが、(A)、(B)両成分の反応性または所望の硬化速度に応じて、適宜増減させてもよい。
【0016】
本発明における(D)成分の付加反応制御剤は公知のものが使用できる。これを例示すると、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノ−ル等のアセチレン系アルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−イン等のアセチレン系化合物;これらのアセチレン系化合物とアルコキシシランまたはアルコキシシロキサンあるいはハイドロジェンシランまたはハイドロジェンシロキサンとの反応物;テトラメチルビニルシロキサン環状体などのビニルシロキサン;ベンゾトリアゾール等の有機窒素化合物及びその他の有機燐化合物;オキシム化合物,有機クロム化合物等が挙げられる。(D)成分の配合量は、本発明の組成物のポットライフが室温で12時間程度である、処理浴の安定性が得られる量であればよく、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部使用される。
【0017】
本発明における(E)成分の有機溶剤は、処理浴の保存安定性及び各種基材に対する組成物の塗工性の向上、塗工量及び処理浴粘度の調整を目的として配合される。これを例示すると、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン等の、本発明の組成物を均一に溶解させることが可能で、且つ、架橋剤、制御剤と反応しない有機溶剤が使用可能である。
【0018】
本発明の組成物は(A)、(B)、(C)、(D)の各成分を(E)中で均一に混合することによって容易に製造することができる。この混合に際しては、まず、(A)成分を(E)成分に均一に溶解させた後、(B)、(D)成分を混合するのが好適である。また、十分なポットライフを確保するために、(C)成分は剥離紙等を製造する直前に添加し、他成分を混合すべきである。本発明の組成物には必要に応じて、更に、シリカ等の無機充填剤または顔料を配合することもできる。
【0019】
本発明の組成物を使用して剥離紙等を製造するには、本発明の組成物を、直接または前記したような適当な有機溶剤で希釈した後、バーコーター、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、エアナイフコーターにより、更に、薄膜の塗工には、高精度のオフセットコーター、多段ロールコーター等の公知の塗布方法により、各種基材に塗布する。
本発明の組成物の基材への塗布量は塗布すべき基材の材質の種類によっても異なるが、固形分の量として0.1〜2.0g/m2の範囲の塗布量が剥離性能とコストとのバランスがよいので好ましい。このようにして、本発明の組成物を塗布した基材を80〜130℃で5〜30秒間加熱することにより、基材の表面に硬化皮膜を形成させ、所望の剥離力及び残留接着力等の特性を有する剥離紙を得ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0021】
(分岐状のオルガノポリシロキサンの調製)
1)原料シロキサンa(以後VMTと略記する)の調製
一般式(7)のR1がビニル基、R2がメチル基に相当するテトラメチルジビニルジシロキサン186g(1モル、以後VM2と略記する)、メチルトリメトキシシラン272g(2モル)を内容積1リットルのフラスコに仕込み、IPA(イソプロピルアルコール)30g、水70g、35%塩酸50gを滴下ロートに取り、0〜5℃に保持しつつ、攪拌しながら滴下して反応させた。引き続き0〜5℃で2時間熟成させた後、静置して、分離した酸性水層を除去し、水100gを加えて30分間攪拌後30分静置して,分離水層を除去する水洗操作を水層が、中性になるまで繰り返した。シロキサン層を2,000Paの減圧下に蒸留して、未反応物や溶剤を除去して、粘度20mm2/sのポリシロキサン300gを得た。
このポリシロキサンについて29Si―NMRで組成を確認したところ、一般式(2)のR1がビニル基、R2がメチル基に相当するシロキサン単位1モルと一般式(3)のR2がメチル基に相当するシロキサン単位1モルとからなるシロキサンであった。
【0022】
2)原料シロキサンb(以後MTと略記する)の調製
原料シロキサンaのテトラメチルジビニルジシロキサンの代わりに、一般式(7)のR1がメチル基、R2もメチル基に相当するヘキサメチルジシロキサン162g(1モル,以後M2と略記する)を使用する以外は原料シロキサンaの場合と同様にして調製し、粘度25mm2/sのポリシロキサン280gを得た。
このポリシロキサンについて29Si―NMRで組成を確認したところ、一般式(5)のR2がメチル基に相当するシロキサン単位1モルと式(3)のR2がメチル基に相当するシロキサン単位1モルとからなるシロキサンであった。
【0023】
3)分岐状のオルガノポリシロキサンの調製
オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、VMT、MT、VM2、M2を用いて、所望の分岐状オルガノポリシロキサンの組成比と一致するように配合してフラスコに仕込み、仕込んだシロキサンのSi原子1モルに対して0.05ミリモルのKOHを添加して、150℃で5時間重合反応させ、引き続き150℃で、2000Paの減圧下に蒸留して、未反応物や揮発分を除去し、分岐状オルガノポリシロキサンを得た。このオルガノポリシロキサンについて29Si―NMRで確認した組成は表1に、a、b、c、dで示す組成比の分岐状オルガノポリシロキサンM1 abc2 dであった。
【0024】
(限界粘度ηrの測定法)
i) 絶対粘度ηの測定
各種濃度のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液(g/リットル)を調製し、回転粘度計を用いて25℃における絶対粘度ηを測定する。トルエンのみの絶対粘度をη0とする。
ii) 比粘度への換算
上記で得られた絶対粘度η、η0用いて下式により比粘度を計算する。
比粘度=η/η0−1
iii) 限界粘度ηrの算出
各濃度における比粘度を濃度(g/リットル)に対しプロットし、得られた直線を濃度0g/リットルに外挿した極限値を限界粘度ηrとする。
【0025】
(実施例及び比較例)
〔剥離紙用シリコーン組成物の調製〕
攪拌装置を備えた内容積1リットルのフラスコに、(A)成分として、前記調製した分岐状のオルガノポリシロキサン30g、(E)成分として、トルエン570gを仕込み、20〜40℃で均一な溶液となるまで攪拌、溶解した。次いでこれに、(B)成分として、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、MeHSiO2/2で表される構造単位を95モル%含有し、粘度が25mPa・sであるメチルハイドロジェンポリシロキサンを、(A)成分が含有するビニル基のモル数に対し1.5倍のモル数の、MeHSiO2/2で表される構造単位を含有する重量部と、(D)成分の3―メチル―1―ブチン―3―オールを1g添加し、20〜40℃で1時間、攪拌混合した。基材に塗工する直前に、(C)成分の白金とビニルシロキサンとの錯塩を白金換算量で(A)成分に対して50ppm添加して、組成物の調製を終了した。この組成物について、表2の各特性を後記の各評価法に従って評価し、結果を表2に示した。
【0026】
以下に各特性の評価方法を記す。
1)硬化性
触媒添加後、10分経過したシリコーン組成物をPETフィルム(厚さ40μm)表面にバーコーターを用いて、固形分で0.5g/m2となる量を塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で所定時間加熱し、完全に硬化皮膜を形成するまでの時間を測定した。完全に硬化したかどうかの判定は、形成された硬化皮膜を指で数回擦り、曇り及び脱落のない状態になるまでの時間を測定し、この時間を以って硬化性とする。
【0027】
2)剥離力
触媒添加後10分経過したシリコーン組成物をPETフィルム(厚さ40μm)表面にバーコーターを用いて、固形分で0.5g/m2となる量を塗布し、100℃の熱風循環式乾燥機中で30秒間加熱処理して完全に硬化皮膜を形成し、評価用セパレータを作製した。このセパレータを25℃、50%RHの湿度に1日放置後、硬化皮膜表面に2液型アクリル系溶剤型粘着剤・オリバインBPS−5127(東洋インキ株式会社製)をウエットで厚さ100μm塗布し、100℃、3分間の加熱処理した。次ぎに、この処理面に、PETフィルム(厚さ40μm)を貼り合わせ、2kgローラーで1往復圧着し、25℃、20時間エージングさせた後、試料を50mm幅に切断し、引張り試験機を用いて180度の角度で、0.3m/分、60m/分の剥離速度で、貼り合わせ紙を引っ張り、剥離させるのに要する力(N)を測定した。なお、測定は株式会社島津製作所製オートグラフDCS−500型を用いて測定した。
【0028】
3)残留接着率
2)の剥離力測定用と同様の方法で作製した評価用セパレータの硬化皮膜表面にポリエステルテープ・ニットー31Bテープ(日東電工株式会社製商品名)を貼り合わせ、その上に20g/cm2の荷重をかけた状態のまま、70℃、20時間エージングした後、テープを剥がして、ステンレス板に貼り付けた。
次ぎに、このテープをステンレス板表面に対して180度の角度で0.3m/分の剥離速度で剥がし、剥離するのに要する力A(N)を測定した。一方、ブランクとしてポリエステルテープをテフロン板表面に貼り合わせ、同様の条件でエージングしたテープをテフロン板から剥離させるのに要する力B(N)を測定し、残留接着率=(A/B)×100の式により算出した。
残留接着率については、95%以上を○、95%未満で90%以上を△、90%未満を×とする基準で評価した。
【0029】
4)密着性
2)の剥離力測定用と同様の方法で作製したPETフィルム(厚さ40μm)を基材とするセパレータと、基材をOPPフィルム(40μm、コロナ処理済)に替えて、同様の方法で作製したセパレータとを、25℃、50%RH(相対湿度)に放置後、硬化皮膜表面を指で擦り、皮膜表面の曇り及び脱落がみられるまでの日数を調べた。
【0030】
5)セパレータ経時剥離力変化
2)の剥離力測定用と同様の方法で作製したPETフィルム(厚さ40μm)を基材とするセパレータを25℃、50%RH湿度に1日放置後、2)と同様の方法で剥離力を測定し、2)の剥離力測定値の50%以上である場合は○、50%未満である場合は×とする。
【0031】
6)ポットライフ
実施例で調製した剥離紙用シリコーン組成物溶液を室温で1日放置後の粘度上昇を調べ、50mm2/s未満を○、50mm2/s以上を×とした。
【0032】
【表1】
Figure 0003985995
【0033】
【表2】
Figure 0003985995
【0034】
【発明の効果】
本発明の離型剤用溶剤型シリコーン組成物は、使用するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを直鎖構造から、分岐状に変えることにより、側鎖アルケニル基よりも反応性の高い末端アルケニル基を増やし、加えて高重合度化することにより、低温での高速硬化が可能となった。硬化皮膜の架橋密度分布がより均一化することにより、基材との密着性が向上し、低温での高速硬化と併せて、プラスチックフィルムのような耐熱性の低く密着し難い基材への用途が拡大した。
また、本発明の離型剤用溶剤型シリコーン組成物は高速剥離で軽剥離の硬化皮膜を与え、硬化皮膜の経時による剥離力変化が小さく安定しているため、剥離力の調整が容易で取り扱い易い。

Claims (2)

  1. 下記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)からなる離型剤用溶剤型シリコーン組成物。
    (A)1分子中にアルケニル基を2個以上有し、下記一般式(化1)で示される構造を有し、かつ100g当たりのアルケニル基の含有量が0.001〜0 . 1モルである25℃における粘度が500Pa・s以上である分岐状オルガノポリシロキサン100重量部、
    Figure 0003985995
    〔式中、M1は一般式(2)、Tは一般式(3)、Dは一般式(4)、M2は一般式(5)で示される構造単位であり、式中の酸素原子は隣接する構造単位と共有されてシロキサン結合を形成するものとする。R1はアルケニル基、R2は置換または非置換の1価の有機基、aは2以上、bは6〜80の整数、cは5,000〜20,000の整数、dは0または正の整数であって、a+d=b+2を満たす数である。〕
    Figure 0003985995
    (B)1分子中にけい素原子に結合する水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、けい素原子に結合する水素原子のモル数が(A)中のアルケニル基の合計モル数の1〜5倍になるような量に相当する重量部、(C)触媒量の白金系触媒(D)付加反応制御剤
    0.01〜10重量部、(E)有機溶剤 100〜10,000重量部。
  2. (A)の限界粘度ηrが1.0〜3.0の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の離型剤用溶剤型シリコーン組成物。
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