JP3985265B2 - 塗料用ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

塗料用ポリイソシアネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料用ポリイソシアネートの製造方法に関する。更に詳細には、肉持ち感、耐溶剤性、硬度発現性に優れた塗料用ポリイソシアネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗料用の硬化剤としては、有機ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるウレタン変性ポリイソシアネート、有機ジイソシアネートと水とを反応させて得られるビウレット変性ポリイソシアネート、有機ジイソシアネート又はウレタン変性ポリイソシアネートを三量化反応させて得られるイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が広く用いられている。例えば、特開平3−103485号公報では、トリレンジイソシアネートと特定のポリオールと反応させる塗料用ウレタンプレポリマーの製造方法が開示されている。また、特開平9−255916号公報では、ウレタンプレポリマーとカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートを併用した湿分硬化性一成分塗料が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の塗料用ポリイソシアネートでは、肉持ち感、耐溶剤性、硬度発現性等の全ての物性に優れたものは得られていなかった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑み、肉持ち感、耐溶剤性、硬度発現性等に優れた塗料用ポリイソシアネートの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の原料を用いる製造方法によって得られたポリイソシアネートが、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明は、以下に示す(A)、(B)、及び(C)を、固形分換算質量比で(A):(B)=6/4〜9/1、かつ、{(A)+(B)}:(C)=8/2〜4/6の割合で混合することを特徴とする、塗料用ポリイソシアネートの製造方法である。
(A):トリレンジイソシアネート(a1)と、公称官能基数2以上、数平均分子量200〜2,000のポリ(オキシプロピレン)系ポリオール(a2)を反応させて得られる、イソシアネート含量10〜20質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
(B):カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(b1)と、分子量250以下、官能基数2〜3の低分子ポリオール(b2)を反応させて得られる、イソシアネート含量15〜30質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
(C):トリレンジイソシアネート(c1)をイソシアヌレート変性して得られる、イソシアネート含量10〜20質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
【0007】
【発明の実施の手段】
本発明における(A)は、トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略称する)(a1)と、数平均分子量200〜2,000のポリ(オキシプロピレン)系ポリオール(以下、PPG系ポリオールと略称する)(a2)を反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーである。
【0008】
TDI(a1)は、2,4−トリレンジイソシアネート(以下、2,4−TDIと略称する)と2,6−トリレンジイソシアネート(以下、2,6−TDIと略称する)の単品又は任意の混合物である。工業的には、2,4−TDI/2,6−TDI=100/0〜65/35(質量比)のものが使用される。
【0009】
PPG系ポリオール(a2)は、公称官能基数2以上、数平均分子量が200〜2,000の水酸基含有ポリエーテルであり、好ましくは公称官能基数2、数平均分子量が500〜1,500のポリエーテルである。(a2)の数平均分子量が大きすぎる場合は、得られるポリイソシアネートのイソシアネート含量が小さくなり、これを塗料用硬化剤として用いると、塗膜強度が発現しにくい。また、数平均分子量が小さすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの主剤用ポリオールとの相溶性が小さくなる。公称官能基数が高すぎる場合、得られるポリイソシアネートの官能基数が高くなり、粘度が高くなる。なお「ポリ(オキシ)プロピレン系」とは、主とする繰り返し構造単位がオキシプロピレン基であるということであり、オキシエチレン基等、他のオキシアルキレン基を含んでいてもよいという趣旨であり、繰り返し単位におけるオキシプロピレン基が50質量%以上のものが好ましい。
【0010】
本発明における(B)は、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、液状MDIと略称する)(b1)と、分子量250以下、官能基数2〜3の低分子ポリオール(b2)を反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーである。
【0011】
液状MDI(b1)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する)をカルボジイミド化触媒の存在下で脱炭酸ガス反応により得られるものである。なお、MDI(b1)は、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,2′−MDIと略称する)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,4′−MDIと略称する)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4′−MDIと略称する)の単品又は任意の混合物である。工業的には、4,4′−MDI/(2,2′−MDI+2,4′−MDI)=100/0〜50/50(質量比)のものが使用される。
【0012】
低分子ポリオール(b2)としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート等の低分子ジオール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子トリオール類等が挙げられる。
【0013】
本発明における(C)は、TDI(c1)をイソシアヌレート化触媒の存在下でイソシアネート基の三量化反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーである。この(c1)は、前述の(a1)と同じであっても異なっていてもよい。
【0014】
なお、必要に応じて(A)には(a1)以外の有機ジイソシアネートを、(B)には(b1)以外の有機ジイソシアネートを、(C)には(c1)以外の有機ジイソシアネートを用いてもよい。また、同様に(A)には(a2)以外の活性水素基含有化合物を、(B)には(b2)以外の活性水素基含有化合物を用いてもよい。
【0015】
(a1)、(b1)、及び(c1)以外の有機ジイソシアネートとしては、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0016】
(a2)及び(b1)以外の活性水素基含有化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール等の低分子モノオール類、エチルアミン、アニリン等の低分子モノアミン類、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等の高分子ポリオール等が挙げられる。
【0017】
次に具体的な製造手順について説明する。
本発明は、(A)〜(C)を個別に製造し、最後にこれらを混合するという製造方法である。以下(A)〜(C)の製造方法について説明する。
【0018】
<(A)の製造方法>
TDI(a1)、PPG系ポリオール(a2)をイソシアネート基過剰の雰囲気下で反応させる。このときの反応条件は、温度:20〜120℃、時間:1〜10時間が好ましく、特に温度:50〜100℃、時間:1〜5時間が好ましい。なお、この反応の際、公知のジブチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン等のウレタン化触媒を用いることができる。
【0019】
このようにして得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート含量は、固形分換算で10〜20質量%であり、好ましくは10〜15質量%である。
【0020】
<(B)の製造方法>
液状MDI(b1)、低分子ポリオール(b2)をイソシアネート基過剰の雰囲気下で反応させる。このときの反応条件は、温度:20〜120℃、時間:1〜10時間が好ましく、特に温度:50〜100℃、時間:1〜5時間が好ましい。なお、この反応の際、公知のジブチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン等のウレタン化触媒を用いることができる。
【0021】
このようにして得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート含量は、固形分換算で15〜30質量%であり、好ましくは17〜28質量%である。
【0022】
<(C)の製造方法>
TDI(c1)をイソシアヌレート化触媒、必要に応じて助触媒の存在下、加熱して、イソシアヌレート化反応させる。この場合の温度は30〜70℃が好ましい。イソシアヌレート化触媒の添加方法としては、一括仕込み、分割仕込み等が挙げられる。分割仕込みの場合、各触媒仕込量は、同量でも異なっていてもよい。
【0023】
イソシアヌレート化触媒としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、酢酸テトラメチルアンモニウム塩、酢酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸テトラブチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド等のトリアルヒドロキシキルアンモニウムハイドロオキサイド、酢酸トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、酢酸トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の金属塩等、公知の物は全て使用可能である。
【0024】
イソシアヌレート化触媒の添加量は、(c1)に対して10〜10,000ppmの範囲から選択される。また、イソシアヌレート化反応が進みすぎると、ゲル化しやすくなるため、目的とする形状のものが得られなくなる。そのため、イソシアネート含量が固形分換算で10〜20質量%になったら、後述する触媒毒を仕込んでイソシアヌレート化反応を停止させる。
【0025】
イソシアヌレート化反応の停止に使用する触媒毒としては、リン酸、亜リン酸、リン酸エチル、リン酸ジエチル等の酸性リン酸エステル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル等の酸性亜リン酸エステル、硫黄、塩酸、硝酸、硫酸、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸エステル、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酢酸クロライド等の有機酸ハライド等が挙げられる。触媒毒の使用量は、イソシアヌレート化触媒に対して、0.8〜2当量が好ましい。
【0026】
<(A)〜(C)共通事項>
なお、(A)〜(C)を得る際、反応時に有機溶剤を用いたほうが反応制御、粘度低下の観点から好ましい。有機溶剤の仕込み時期は、少なくともイソシアヌレート化反応の前が好ましい。この有機溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤は1種又は2種以上使用することができる。
【0027】
イソシアヌレート化反応後、必要に応じて未反応のTDI等の有機ジイソシアネートを除去することができる。未反応のTDI等を除去する方法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げられる。
【0028】
<(A)〜(C)の混合>
(A)〜(C)の混合は、特に制限なく、公知の攪拌装置を用いることができる。(A)〜(C)の割合は、固形分換算の固形分換算質量比で(A):(B)=6/4〜9/1、かつ、{(A)+(B)}:(C)=8/2〜4/6であり、好ましくは(A):(B)=7/3〜9/1、かつ、{(A)+(B)}:(C)=7/3〜5/5である。(A)が多すぎる場合は塗膜強度が不十分となりやすい。(B)が多すぎる場合は貯蔵安定性が不十分となりやすい。(C)が多すぎる場合は、塗膜が脆くなりやすい。(A)が少なすぎる場合は、塗膜の柔軟性が不十分となりやすい。(B)が少なすぎる場合は、肉持ち感が不十分となりやすい。(C)が少なすぎる場合は、乾燥性が不十分となりやすい。
【0029】
本発明によって得られた塗料用ポリイソシアネートの25℃の粘度は2,000mm2 /s以下であり、好ましくは100〜1,800mm2 /sである。
【0030】
本発明によって得られたポリイソシアネートには、必要に応じて、酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
【0031】
本発明によって得られたポリイソシアネートは、二液ポリウレタン塗料用硬化剤に最適である。主剤には、二液ポリウレタン塗料分野で使用されるポリオールであり、例えば脂肪族炭化水素ポリオール類、フッ素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、及びアルキドポリオール類等の中の1種類またはその混合物などが挙げられる。特にフッ素ポリオール類やアクリルポリオール類は耐候性が優れているため、より好ましい。これらのポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有し、溶液重合や縮合反応等の公知の技術で製造されるものである。
【0032】
主剤用ポリオールは、1〜300mgKOH/g、好ましくは10〜150mgKOH/g、より好ましくは20〜100mgKOHの水酸基価を有するものが好ましい。水酸基価が1mgKOH/g未満の場合は、塗膜が脆弱となるため好ましくない。水酸基価が300mgKOH/gを超えると、塗膜の表面の平滑性が損なわれる場合や、塗膜が硬く脆くなる場合があり好ましくない。
【0033】
主剤ポリオールとポリイソシアネートの、イソシアネート基と水酸基の当量比は、イソシアネート基/水酸基=9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/8である。水酸基が上記範囲より過剰の場合は、塗膜が脆弱となる場合がある。イソシアネート基が過剰の場合は、架橋に関与しないポリイソシアネートが多量に存在するため、塗膜が脆くなる場合がある。
【0034】
【実施例】
本発明について、実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例において特に示さない限り、「%」は「質量%」を、比率は質量比を意味する。
【0035】
〔イソシアネート基含有プレポリマーの製造〕
各製造例に用いた原料は以下の通り。
Figure 0003985265
【0036】
製造例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、酢酸ブチルを300g、TDI−100を474g、PP−1000を91g、1,3−BDを22g、TMPを113g仕込み、80℃にて3時間ウレタン化反応させて、イソシアネート基含有プレポリマーNCO−A1を得た。NCO−A1は、外観:淡黄色液体、イソシアネート含量:9.4%、25℃の粘度:70,000mPa・s、固形分:70%であった。
【0037】
製造例2、3
表1に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、各イソシアネート基含有プレポリマーを得た。結果を表1に示す。
【0038】
製造例4
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:2Lの反応器に、TDI−90を500g、ナフテン酸マグネシウムを2g仕込み、50℃で10時間イソシアヌレート化反応させた。その後、リン酸を0.3g仕込み50℃で1時間イソシアヌレート化停止反応させて、イソシアネート基含有プレポリマーNCO−C1を得た。NCO−C1は、外観:淡黄色液体、イソシアネート含量:8.0%、25℃の粘度:900mPa・s、固形分:50%であった。
【0039】
製造例5
表1に示す原料を用いて、製造例4と同様にして、イソシアネート基含有プレポリマーNCO−C2を得た。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003985265
【0041】
実施例1〜3、比較例1〜2
表2に示す配合でイソシアネート基含有プレポリマーを混合し、塗料用ポリイソシアネートNCO−1〜5を調製した。
【0042】
【表2】
Figure 0003985265
【0043】
〔塗膜物性評価〕
応用実施例1〜3、応用比較例1〜2
主剤にアルキドポリオール、硬化剤にNCO−1〜5を用いて、塗膜物性を評価した。結果を表3に示す。
【0044】
Figure 0003985265
【0045】
Figure 0003985265
【0046】
【表3】
Figure 0003985265
【0047】
表3より、TDIのイソシアヌレート変性イソシアネート基含有プレポリマーを用いないものは、乾燥性が不十分であり、また塗膜硬度も低かった。また、液状MDIのイソシアネート基含有プレポリマーを用いないものは、塗膜の肉持ち感が不十分であり、耐溶剤性も不十分であった。一方、実施例においては、評価した物性については、全て良好な結果を示した。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によって得られた塗料用ポリイソシアネートは、塗膜外観(特に塗膜の肉持ち感)に優れ、乾燥性、耐溶剤性、硬度に優れた塗膜が得られるものであった。なお、本発明によって得られたポリイソシアネートは二液タイプの塗料用硬化剤のみならず、一液タイプの塗料用樹脂、接着剤用の樹脂原料、二液タイプの接着剤の硬化剤、シール材、目止め材、コーティング剤に対しても有用である。

Claims (1)

  1. 以下に示す(A)、(B)、及び(C)を、固形分換算質量比で(A):(B)=6/4〜9/1、かつ、{(A)+(B)}:(C)=8/2〜4/6の割合で混合することを特徴とする、塗料用ポリイソシアネートの製造方法。
    (A):トリレンジイソシアネート(a1)と、公称官能基数2以上、数平均分子量200〜2,000のポリ(オキシプロピレン)系ポリオール(a2)を反応させて得られる、イソシアネート含量10〜20質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
    (B):カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(b1)と、分子量250以下、官能基数2〜3の低分子ポリオール(b2)を反応させて得られる、イソシアネート含量15〜30質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
    (C):トリレンジイソシアネート(c1)をイソシアヌレート変性して得られる、イソシアネート含量10〜20質量%のイソシアネート基含有プレポリマー。
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