JP3984472B2 - 密封蓋対応紙カップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封蓋対応紙カップに関するものである。さらに詳しくは、紙カップにおいて、段差のあるフランジ部に蓋材をシールした時に、より密封性の高い紙カップを形成するように改良した密封蓋対応紙カップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、飲料などの包装分野において、近年、省資源化、ごみの減容積化、リサイクル性などの環境対応の観点から、紙カップが広く使用されている。さらに、食品、飲料などの内容物が充填された製品として販売されるようになっている。
【0003】
まず、紙にポリオレフィン系樹脂層を積層した積層体を打ち抜いて、図9に示すような胴部材ブランク31と底部材ブランク32とが製造される。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためになされた本発明の密封蓋対応紙カップは、少なくとも最内層に熱可塑性樹脂を有する胴部材ブランクの一方の側縁部を内側とし、他方の側縁部を外側にして胴貼り部分で貼り合わされた胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、前記胴部材の上端にフランジ部を形成し、内容物を充填後に前記フランジ部に蓋材をシールして密封する紙カップであって、内側になる前記側縁部にスカイブヘミング加工が施されている紙カップのスカイブ ( 削り取り)された削り面を該削り面の幅の中央線を最大深部として凹状になるように削り込んだ形状とし、前記削り面の両側縁部は平面とし、前記中央部によりヘミング(折り返し)して内側になる前記側縁部を端辺にいくに従って薄くなる形状として、外側となる前記側縁部と貼り合わせて胴貼り部分を形成し、そして、前記フランジ部を形成したことを特徴とする。
【0005】
つづいて、紙カップ成形機で、図10−bに示すように、胴部材1の下方から底部材ブランク32を嵌め込み、接着部分を熱風で加熱し、胴部材1の下端を内側に折り返して折り返し部13とし、図10−cに示すように、底部材ブランク32の外周縁部を折り曲げた屈曲部を挟み込んで胴部材1と底部材2とを接合する。
つづいて、図10−dに示すように、胴部材1の上端を外側にカールしトップカール部12を形成し、さらに、図10−eに示すように、トップカール部12をフランジプレス加工で潰して蓋材Fをシールさせるためのフランジ部Hを形成する。
【0006】
さらにまた、図10−fに示すように、内容物Iを充填した後に蓋材Fをフランジ部Hにシールし、内容物Iが充填された密封性のある製品が製造される。
【0007】
また、特に飲料などの液体を充填する紙カップでは、まず、紙にポリオレフィン系樹脂層を積層した積層体を打ち抜いて、図9に示すような胴部材ブランク31と底部材ブランク32とが製造されるが、胴部材ブランク31では、両側縁部同志を貼り合せて胴貼り部分を形成して筒状の胴部材1とした時に、内側となる側縁部の端面が内容物の液体と直に接する状態となり、液体が端面から紙層を伝わって紙の強度を弱めたり、さらには、内容物の液体が漏れ出すことがあるため、それらを防ぐために内側となる側縁部をスカイブヘミング加工を施すことが行なわれている。
【0008】
このスカイブヘミング加工は、図11−a、bに示すように、胴部材ブランク31の両側縁部を重ねて貼り合せた胴貼り部分Oの内側になるスカイブヘミング加工前の側縁部Pの端辺から略2/3に当たる削り領域Rの部分を積層体の厚みの半分だけ表側からスカイブ(削り取り)することによって薄肉部Sを形成し、薄肉部Sの幅の中間に押し罫で形成された中央線αによって図11−cに示すようにヘミング(折り返し)して接着する加工である。このスカイブヘミング加工を施すことにより元の厚みと略同じ厚みとした上で、スカイブヘミング加工を施こした側縁部Pを内側にして、胴部材ブランク31の両側縁部同志を重ねて胴貼り部分Oとした筒状の胴部材1とすることにより、紙カップCの内面に紙層の端面が露出しないようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、射出成形や真空成形で製造したプラスチックカップでは、フランジ部は段差もなく平坦な状態であるが、紙カップの場合は、上述したように胴部材ブランク31の内側になる側縁部Pと外側になる側縁部Qの両側縁部を胴貼りした胴貼り部分Oを形成した後にフランジ部Hを形成するが、図12に示すように、フランジ部Hにも同様に段差Dが生じることになる。
【0010】
この段差Dがフランジ部Hにあると、蓋材Fをフランジ部Hにシールした際に、図13に示すように、その部分がシール不良の原因となり、密封性が低下する。特に、飲料などを充填した場合、内容物Iが漏れてしまうという問題が発生する。また、食品の保存性、衛生性の点からも問題がある。
【0011】
これらの問題点を解決させるため、蓋材Fを改良して、容器の密着性を維持するため、蓋材Fと容器との接着強度を強くすると、蓋材Fの開封が困難になるという問題がある。従って、蓋材Fをシールした容器の密封性を上げるために、フランジ部Hにおける段差Dが小さい紙カップの開発が望まれていた。
【0012】
従って、本発明は、胴部材ブランクの両側縁部同志を貼り合せた筒状の胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、上端にフランジ部を形成した紙カップにおいて、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を上げるために、紙カップのフランジ部における段差を小さくした密封蓋対応紙カップを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために考え出されたものであり、胴部材ブランクの一方の側縁部を内側とし、他方の側縁部を外側にして胴貼り部分で貼り合わされた胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、前記胴部材の上端にフランジ部を形成し、内容物を充填後に前記フランジ部に蓋材をシールして密封する紙カップであって、内側になる前記側縁部を端辺にいくに従って薄くなる形状として、外側となる前記側縁部と貼り合わせて胴貼り部分を形成し、そして、前記フランジ部を形成したことを特徴とする密封蓋対応紙カップである。
【0014】
また、内側になる前記側縁部にスカイブヘミング加工が施されている紙カップのスカイブ(削り取り)された削り面を該削り面の幅の中央線を最大深部として凹状になるように削り込んだ形状とし、前記中央線によりヘミング(折り返し)したことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、胴部材ブランクの両側縁部同志を貼り合せた筒状の胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、上端にフランジ部を形成した紙カップにおいて、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を上げるために、胴部材ブランクの胴貼りで内側となる側縁部を先端にいくに従って薄くなる形状とすることによって、胴貼り後の胴貼り部分の内面における段差が小さくなり、そして、胴貼り部分の段差が小さくなることによって、紙カップのフランジ部における段差も小さくなり、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を高めた密封蓋対応紙カップを得ることができる。
【0016】
また、胴貼り部分の内側となる側縁部をスカイブヘミング加工した紙カップにおいても、スカイブ(削り取り)された削り面を該削り面の幅の中央線を最大深部として凹状になるように削り込んだ形状とし、前記中央部によりヘミング(折り返し)したことにより、胴部材ブランクの胴貼りで内側となる側縁部を先端にいくに従って薄くなる形状とすることができ、同様に密封性を高めた密封蓋対応紙カップを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の密封蓋対応紙カップの実施の形態について図面により詳細を説明する。
【0018】
本発明の密封蓋対応紙カップの第一の実施の形態の一実施例である密封蓋対応紙カップAは、胴部材ブランク31の両側縁部同志を貼り合せて筒状の胴部材1とし、底部材ブランク32を接合して一体に形成し、上端にフランジ部Hを形成した紙カップであって、蓋材Fをシールした容器の密封性を高めるためにフランジ部Hにおける段差Dを小さくするように改良したものである。前述のように、通常紙カップCでは、扇形の胴部材ブランク31の両側縁部をヒートシールなどで胴貼りして逆円錐形の筒状の胴部材1に成形し、その胴部材1の上端を外側にカールしトップカール部12を形成し、さらに、トップカール部12をフランジプレス加工で潰して蓋材Fをシールさせるためのフランジ部Hを形成しているため、胴部材ブランク31の両側縁部を重ね合わせた胴貼り部分Oの段差Dが、フランジ部Hにおいても、段差Dとして残ってしまう。そのために、図13に示すように、蓋材Fをシールした時に抜けによるシール不良が発生する原因となっている。
【0019】
本発明の密封蓋対応紙カップAでは、胴部材ブランク31において、胴貼り部分Oの内側になる側縁部Pの表面を斜めに削って、図1に示すような端辺に行くにしたがって薄くなる形状としている。この削り込んだ削り面Tは、本実施例では、図1−bに示すように斜めの平面としているが、曲面としてもよい。また、削る領域Rは、内側になる側縁部Pの外面の全面ではなく、図1−cに示すように、端辺からの一部分であってもよい。いずれにしろ、外側になる側縁部Qと貼り貼り合せて胴貼り部分Oを形成した時に、内側になる側縁部Pの端辺の段差Dが小さくなる形状であればよい。
【0020】
このように、胴貼り部分Oの内側になる側縁部Pの外面を端辺にいくに従って薄くなるように斜めに削った形状とすることによって、胴部材ブランク31の両側縁部P、Qを貼り合わせる胴貼りをした後では、図2に示すように、胴部材ブランク31の両側縁部P、Qを貼り合わせた胴貼り部分Oの内側になる側縁部Pの端辺における段差Dが小さくなる。
【0021】
また、この胴貼り部分Oの内面の段差Dが小さくなることによって、図3に示すように、成形した紙カップのフランジ部Hにおける段差Dが従来の紙カップCに比べて小さくなり、蓋材Fをシールした時に密封性の高い密封蓋対応紙カップAを得ることができる。
【0022】
つぎに、本発明の密封蓋対応紙カップAに使用する材料の構成は、紙を主強度材とし、最内層に熱可塑性樹脂を有することを基本としている。また、最外層も熱可塑性樹脂であることが好ましい。最内層は内容物を保護する機能を有する。一方、最外層はフランジプレス加工において、最外層同志が熱密着してフランジ部Hの強度を増すことになる。具体的な材料構成の例としては、紙/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン、ポリプロピレン/紙/ポリプロピレン、紙/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン、ポリエチレン/アルミニウム/紙/ポリエチレン、紙/ポリエチレン/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、紙/ポリエチレン/アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、紙/ポリエチレン/ナイロン/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/ナイロン/ポリエチレン、紙/ポリエチレン/シリカ蒸着ナイロンフィルム/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/シリカ蒸着ナイロンフィルム/ポリエチレンなどがあげられる。
【0023】
主強度材となる紙としては、紙カップ成形適性の良いカップ原紙を使用することが好ましい。坪量は、とくに限定されないが、紙カップ成形適性上、150〜350g/m2の範囲が好ましい。
【0024】
また、実際に内容物を充填した後に蓋材Fをシールするが、この蓋材Fとしては、特に限定されるものではないが、シーラント層として使用する熱可塑性樹脂層は、例をあげると、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、エチレンーαオレフィン共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸エステル共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステルなど様々である。また、これらの樹脂は必要に応じて単体で使用しても、ブレンドで使用しても良い。さらに、低分子量の石油樹脂などを粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合してもよい。
【0025】
本発明の密封蓋対応紙カップの第二の実施の形態の一実施例である密封蓋対応紙カップBは、胴貼り部分Oの内側になる側縁部Pにスカイブヘミング加工が施されており、そのスカイブヘミング加工を改良することにより、紙カップを成形した後のフランジ部Hにおける段差Dを小さくし、蓋材Fをシールした容器の密封性を高めたものである。
【0026】
従来のスカイブヘミング加工は、前述のように、胴部材ブランク31の両側縁部を重ねて接着した時のスカイブヘミング加工を行う前の内側になる側縁部Pの端辺から略2/3に当たる削る領域Rの部分を積層体の厚みの半分だけ表側からスカイブ(削り取る)することによって削り面Tが平面の薄肉部Sを形成し、その薄肉部Sの幅の中間に押し罫で形成された中央線αによってヘミング(折り返し)して接着する加工であり、このヘミングした部分が、図11−cに示すように、他の部分の厚みと略同じとなっている。
【0027】
本発明の密封蓋対応紙カップAにおけるスカイブヘミング加工では、薄肉部Sの削り面Tが平面ではなく、中央部を削り込んで、図4−bに示すように、断面において削り面Tの中央のヘミングするための中央線αの部分を最大深部として、平面から削り込んでいる。この削り込む形状は、本実施例では、図4−bに示すような三角形としているが、他の例として、円弧形、台形などとすることができる。そして、ヘミングする時に、削り面T同志を充分に接着することができるように、削り面Tの両側縁部t、tは平面とすることが好ましい。
【0028】
このように、削り面Tが削り込まれた形状とすることによって、図4−cに示すように、中央線αでヘミングした形状が、先端に行くに従って薄くなる形状となり、従って、胴部材ブランク31の両側縁部を貼り合わせる胴貼りをした後では、図5に示すように、胴部材ブランク31の両側縁部を貼り合わせた内側になる側縁部Pが先端に行くに従って薄くなり、段差Dが小さくなる。
【0029】
また、この胴貼りでの貼り合わせ部分Oの内面の段差Dが小さくなることによって、成形した紙カップのフランジ部Hにおける段差Dが、図6に示すような従来の紙カップCの場合と比べて小さくなり、蓋材Fをシールした時に密封性の高い密封蓋対応紙カップBを得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
【0031】
<実施例1>
まず、胴部材ブランクを、表面側から紙280g/m2/ポリエチレン25μmとなる構成の積層体を用い、底部材ブランクを、紙255g/m2/ポリエチレン25μmの構成からなる積層体を用いて打ち抜いて作製した。
【0032】
つぎに、胴部材ブランクの胴貼り部分の内側となる側縁部の表面を斜めに削った。本実施例では、図7に示すように、内側となる側縁部の幅を10mmとし、端辺から5mmを削り、胴部材ブランクの全体厚み0.3mmであるのに対して、先端にいくに従って薄くなり先端部の厚みを0.1mmとなる形状とした。
【0033】
つづいて、この内側になる側縁部を外側となる側縁部と貼りあわせて胴貼り部分を形成し筒状の胴部材を作製し、そして、紙カップ成形加工で底部材と接合して開口部にトップカール部を形成した紙カップとした。
【0034】
さらに、胴部材の上端のトップカール部をフランジプレス加工により、フランジ部に形成し、満注容量500ccの密封蓋対応紙カップAを作製した。
【0035】
本発明の密封蓋対応紙カップAの作製と同時に、同一材料を用いて、同一形状の従来の仕様の紙カップを作製し、密封性の比較を行った。
【0036】
内容物として食器洗い洗剤0.3%水溶液を充填し、表面側から紙80g/m2/ポリエチレン15μm/アルミニウム9μm/シーラント60μmとなる構成の蓋材を用いて、フランジ部においてシールした。シール状態は、ピール感、外観とも良好であった。シール条件は、シール温度170℃、シール圧力125kgf、シール時間1.25secとした。
【0037】
密封性(漏れの発生)を比較した結果、従来の仕様の紙カップでは、100個中4個にシール漏れが発生した。一方、本実施例の密封蓋対応紙カップAでは、100個中0個という結果であった。
【0038】
<実施例2>
まず、胴部材ブランクおよび底部材ブランクを、表面側からポリエチレン20μm/紙250g/m2/ポリエチレン20μm/アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/ポリエチレン60μmとなる構成の積層体を用いて打ち抜いて作製した。
【0039】
つぎに、胴部材ブランクの胴貼り部分の内側となる側縁部をスカイブヘミング加工した。本実施例では、図8に示すように、スカイブ加工を、削り面の幅を10mmとし、胴部材ブランクの全体厚み0.3mmのうち0.15mmを削り取り(スカイブ)、さらに、削り面の両側縁部2mmを残し、中央部16mmにおいて、中央線を最大深度0.05mmとした三角形状の凹状に削った。つづいて、ヘミング加工を、中央線から折り返す(ヘミング)ことにより、先端にいくに従って内側になる側縁部が薄くなり、先端部の厚みを0.1mmとなる形状とした。
【0040】
つづいて、この内側になる側縁部を外側となる側縁部と貼りあわせて胴貼り部分を形成し筒状の胴部材を作製し、そして、紙カップ成形加工で底部材と接合して開口部にトップカール部を形成した紙カップとした。
【0041】
さらに、胴部材の上端のトップカール部をフランジプレス加工により、フランジ部に形成し、満注容量500ccの密封蓋対応紙カップBを作製した。
【0042】
本発明の密封蓋対応紙カップBの作製と同時に、同一材料を用いて、通常のスカイブヘミング加工による同一形状の紙カップを作製し、密封性の比較を行った。
【0043】
内容物としてエージレスシールチェック液(三菱ガス化学社製)を充填し、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/延伸ポリプロピレン50μm/ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/シーラント50μmの構成からなる蓋材を用いて、フランジ部でシールした。シール状態は、ピール感、外観とも良好であった。シール条件は、シール温度170℃、シール圧力125kgf、シール時間1.25secとした。
【0044】
密封性(漏れの発生)を比較した結果、従来の仕様の紙カップでは、100個中3個にシール漏れが発生した。一方、本実施例の密封蓋対応紙カップBでは、100個中0個という結果であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の密封蓋対応紙カップによれば、胴部材ブランクの両側縁部同志を貼り合せた筒状の胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、上端にフランジ部を形成した紙カップにおいて、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を上げるために、胴部材ブランクを胴貼りした胴貼り部分の内側となる側縁部を先端にいくに従って薄くなる形状とすることによって、胴貼り後の胴貼り部分の内面における段差が小さくなり、そして、この胴貼り部分の段差が小さくなることによって、紙カップのフランジ部における段差も小さくなり、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を高めるという効果がある。
【0046】
また、胴部材とした時に内側となる側縁部をスカイブヘミング加工した紙カップにおいて、スカイブした削り面が凹状に削り込まれた形状とすることによって、中央線でヘミングした形状が、先端に行くに従って薄くなる形状となり、従って、胴部材ブランクの両側縁部を貼り合わせる胴貼りをした後では、段差が小さくなり、フランジ部における段差も小さくなり、蓋材をフランジ部にシールした容器の密封性を高めるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密封蓋対応紙カップの第一の実施の形態における胴貼り部分の内側になる側縁部の形状を示す概略断面図である。
【図2】本発明の密封蓋対応紙カップの第一の実施の形態における胴貼り部分の形状を示す概略断面図である。
【図3】本発明の密封蓋対応紙カップの第一の実施の形態において蓋材をシールした部分断面図である。
【図4】本発明の密封蓋対応紙カップの第二の実施の形態におけるスカイブヘミング加工を示す説明図である。
【図5】本発明の密封蓋対応紙カップの第二の実施の形態における胴貼り部分の概略断面図である。
【図6】本発明の密封蓋対応紙カップの第二の実施の形態において蓋材をシールした部分断面図である。
【図7】本発明の密封蓋対応紙カップの第一の実施の形態の一実施例における胴貼り部分の内側になる側縁部の形状を示す概略断面図である。
【図8】本発明の密封蓋対応紙カップの第二の実施の形態の一実施例におけるスカイブヘミング加工を示す説明図である。
【図9】紙カップを構成する部材のブランクを示す展開図である。
【図10】従来の紙カップを作製する工程の概略説明図である。
【図11】従来の紙カップにおけるスカイブヘミング加工を示す説明図である。
【図12】従来の紙カップにおける胴貼り部分の断面図である。
【図13】従来の紙カップに蓋材をシールした部分断面図である。
【符号の説明】
A 密封蓋対応紙カップ(第一の実施の形態)
B 密封蓋対応紙カップ(第二の実施の形態)
C 従来の紙カップ
D 段差
F 蓋材
H フランジ部
I 内容物
1 胴部材
11 胴部
12 トップカール部
2 底部材
31 胴部材ブランク
32 底部材ブランク
O 胴貼り部分
P 側縁部(胴貼りの内側部)
Q 側縁部(胴貼りの外側部)
R 削り領域
S 薄肉部
T 削り面
t 削り面側縁部
α 中央線

Claims (1)

  1. 少なくとも最内層に熱可塑性樹脂を有する胴部材ブランクの一方の側縁部を内側とし、他方の側縁部を外側にして胴貼り部分で貼り合わされた胴部材と、底部材とを接合して一体に成形し、前記胴部材の上端にフランジ部を形成し、内容物を充填後に前記フランジ部に蓋材をシールして密封する紙カップであって、
    内側になる前記側縁部にスカイブヘミング加工が施されている紙カップのスカイブ ( 削り取り)された削り面を該削り面の幅の中央線を最大深部として凹状になるように削り込んだ形状とし、前記削り面の両側縁部は平面とし、前記中央部によりヘミング(折り返し)して内側になる前記側縁部を端辺にいくに従って薄くなる形状として、外側となる前記側縁部と貼り合わせて胴貼り部分を形成し、そして、前記フランジ部を形成したことを特徴とする密封蓋対応紙カップ。
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