JP3982954B2 - 車両の開閉扉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のほぼ前後方向に移動して、車体に形成された開口を閉鎖し、又は開放する開閉扉を備えた車両の開閉扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体の前後方向に移動する所謂引き戸式の開閉扉を備えた開閉扉装置は従来より周知である。従来のこの種の開閉扉は、車体の側部に形成された開口、例えば乗降口を閉鎖する全閉位置と、その開口を開放する全開位置との間を車体の前後方向に直線運動するように車体に支持されている。かかる開閉扉が全開位置を占めたとき、その開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置し、その車体外壁部によって外部から隠蔽される。
【0003】
上述のように、従来の開閉扉は、車体外壁部によって隠蔽される全開位置と、開口を閉鎖する全閉位置との間を直線運動するように構成されているため、開閉扉が全閉位置にあるとき、その開閉扉は、車体外壁面よりも車室内側に大きく入り込んだ位置を占める。このように全閉位置を占めた開閉扉の車外側面が、その開閉扉のまわりの車体外側面よりも車内側に大きく入り込んでいると、車両全体の外観が低下するだけでなく、車両走行時の空力特性が低下し、しかも開閉扉の車外側面近傍に生じる空気の乱流によって、開閉扉の車外側面に空気中の汚れが付着しやすくなる欠点を免れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の欠点を除去することのできる車両の開閉扉装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、車体に形成された開口を閉鎖又は開放する開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設けられた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後方向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在に嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置と該開口を開放する全開位置との間を移動するように、該開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が全開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉扉装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイドローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連結すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその全閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第1のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分を、車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉が全閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換手段を具備し、該変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とにそれぞれ揺動可能に枢着された中間部材と、車体に固定されていて、前記第1のガイドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通るとき、前記中間部材に係合して、該中間部材の回転中心を構成する係合ピンとを有し、前記開閉扉が全閉位置へ向けて移動し、第1のガイドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通るとき、前記係合ピンに係合した前記中間部材は、前記駆動装置からの力により、前記係合ピンのまわりに、車体幅方向車外側に向けて回動し、開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧することを特徴とする車両の開閉扉装置を提案する(請求項1)。
【0006】
同じく、本発明は、上記目的を達成するため、車体に形成された開口を閉鎖又は開放する開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設けられた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後方向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在に嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置と該開口を開放する全開位置との間を移動するように、該開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が全開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉扉装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイドローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連結すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその全閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第1のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分を、車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉が全閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換手段を具備し、該変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とにそれぞれ揺動可能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位置を占めたとき、開閉扉の前記一端側が車体幅方向車外側に加圧される向きの力として前記駆動装置からの力を該開閉扉に伝達する中間部材を有していることを特徴とする車両の開閉扉装置を提案する(請求項2)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0009】
図1は車両の一例であるバスの側面図であり、その車体1の側部に乗客の乗降口となる開口2が形成されている。この開口2は、図1に示すように開閉扉3によって閉鎖される。この開閉扉3は、車体1のほぼ前後方向Xに移動可能であり、開閉扉3が図1に鎖線で示した全開位置に移動することによって開口2が開放され、この開口2を通して乗客がバスの室内に乗り込み、又は室内から降りることができる。開閉扉3は、扉本体4と、その上部に固設された窓ガラス5を有している。また本明細書における車体の前後方向Xとは、車両前進方向を前方X1、その反対方向を後方X2としたときの前後方向を意味する。
【0010】
図2乃至図4は上述した開閉扉3を含む開閉扉装置6の概略水平断面図であり、図2は、開閉扉3が全閉位置を占めたときの様子を示し、図3は開閉扉3が全閉位置と全開位置の間の中間位置にあるときの状態を示しており、さらに図4は開閉扉3が全開位置に移動したときの様子を示している。また、図5は図3のV−V線拡大断面図であり、図6は図3のVI−VI線拡大断面図である。これらの図に符号Oで示す側が車外側であり、符号Iで示す側が車内側である。また符号Wは、車体の幅方向を示している。
【0011】
図1乃至図6に示すように、扉本体4の上部の車体前後方向Xの一端側と他端側には、第1及び第2のブラケット7,8がそれぞれ固定され、その各ブラケット7,8には、ローラ支持部材9,10が水平面内を回転可能に支持され、その各ローラ支持部材9,10の上端部に、第1及び第2のガイドローラ11,12が、その水平軸線のまわりに回転自在に支持されている。これらのガイドローラ11,12は、その各ローラ支持部材9,10と共に、その垂直軸線のまわりに回転自在に、すなわち水平面内を回転自在に各ブラケット7,8にそれぞれ支持されている。第1及び第2のガイドローラ11,12は、ほぼ水平方向に首振り自在に開閉扉3に連結されているのである。
【0012】
上述の第1及び第2のガイドローラ9,10は、車体1に固定された第1及び第2のガイドレール13,14にそれぞれ転動自在に嵌合している。第1及び第2のガイドレール13,14は、車体1のほぼ前後方向Xに延びていて、図示した例では、第1のガイドレール13が第2のガイドレール14よりも車体1の前方X1側に位置している。各ガイドレール13,14は、図7に拡大して示すように、上壁15と、その幅方向端縁から下方に垂下する一対の側壁16,16と、その各側壁16,16の下端から互いに接近する向きに突出するフランジ17,17とから成り、その両フランジ17,17の間をローラ支持部材9,10がそれぞれ上方に延び、各フランジ17,17の上面にガイドローラ11,12がそれぞれ転動自在に載置されている。このように、開閉扉3は、ローラ支持部材9,10とガイドローラ11,12を介して、各ガイドレール13,14に懸架されている。
【0013】
上述の如く、本例の車両の開閉扉装置は、車体1に形成された開口2を閉鎖又は開放する開閉扉3と、この開閉扉上部の車体前後方向Xの一端側に設けられた第1のガイドローラ11と、開閉扉上部の車体前後方向Xの他端側に設けられた第2のガイドローラ12と、車体1のほぼ前後方向Xに延びていて、その車体1に固定され、かつ第1のガイドローラ11が転動自在に嵌合した第1のガイドレール13と、車体1のほぼ前後方向に延びていて、その車体1に固定され、かつ第2のガイドローラ12が転動自在に嵌合した第2のガイドレール14とを有している。
【0014】
また、第1のガイドレール13に隣接してガイドロッド18が位置し、このガイドロッド18は、その長手方向各端部が車体1に固定され、第1のガイドレール13に対して平行に、すなわち車体1のほぼ前後方向Xに延びている。かかるガイドロッド18には、開閉扉3を駆動する駆動装置19が摺動自在に嵌合している。図に一例として示した駆動装置19は、それ自体周知なエアシリンダにより構成され、かかる駆動装置19にエアを給排することによって、当該駆動装置19は、ガイドロッド18に沿って、図2に示した位置と図4に示した位置との間を車体1のほぼ前後方向Xに移動する。
【0015】
駆動装置19は、後述する中間部材20を介して開閉扉3の第1のブラケット7に連結され(図8及び図9も参照)、駆動装置19が上述のように移動することにより、開閉扉3が図2に示した全閉位置と図4に示した全開位置の間を移動する。すなわち、今、開閉扉3が図4に示した全開位置にあったとし、この状態で駆動装置19が作動を開始してガイドロッド18に沿って車体1の後方X2に向けて移動すると、開閉扉3は、その第1のブラケット7が、中間部材20を介して駆動装置19により押され、車体1の後方X2に向けて移動する。このとき、第1及び第2のガイドローラ11,12が、第1及び第2のガイドレール13,14をそれぞれ転動しながら、その各ガイドレール13,14によって案内され、開閉扉3は、図3に示した中間位置を通って、図2に示した全閉位置に至る。このようにして、車体1に形成された開口2が閉鎖される。駆動装置19が車体1の前方X1へ向けて移動することにより、開閉扉3は図4に示した全開位置に移動することができる。
【0016】
上述のように、本例の車両の開閉扉装置6は、車体1のほぼ前後方向に移動して、開閉扉3が開口2を閉鎖する全閉位置とその開口2を開放する全開位置との間を移動するように、該開閉扉3を駆動する駆動装置19を具備している。
【0017】
開閉扉3が図4に示した全開位置を占めたとき、その開閉扉3は、これに隣接する車体外壁部1Aよりも、車体幅方向Wにおける車内側Iに位置する。
【0018】
ここで、図2乃至図4に示すように、第1のガイドレール13の一方の端部領域、図の例では車体後方側の端部領域が車体幅方向Wにおける車外側Oに向けて湾曲形成されている(図8及び図9も参照)。すなわち、全閉位置へ向けて移動する開閉扉3が、その全閉位置に近い位置(ほぼ図3に示す位置)から全閉位置へ移動するとき第1のガイドローラ11が転動する第1のガイドレール13の部分13Aが、車体幅方向車外側Oへ向けて湾曲形成されている。
【0019】
上記構成により、図2から判るように、開閉扉3が全閉位置に至ったとき、その開閉扉3の一端側、すなわち第1のガイドローラ11が付設された開閉扉3の端部側が、車体幅方向Wにおける車外側Oに大きく移動した位置を占める。このため、全閉位置を占めた開閉扉3は、その近傍の車体外側面、すなわち車体外壁部1Aの車外側面に対してほぼ連続した面一状態となる。これにより、車両全体の外観が高められ、しかも車両走行時の空力特性が向上する。さらに、車両の走行時に、全閉位置を占めた開閉扉3の車外側近傍に空気の乱流が生じることが抑えられ、開閉扉3の車外側面に空気中の汚れが付着する不具合を抑制することができる。
【0020】
第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを第1のガイドローラ11が転動するとき、図2及び図3から判るように、開閉扉3の姿勢が変化するが、前述のように第1のガイドローラ11と第2のガイドローラ12は、ほぼ水平方向に首振り自在に開閉扉3に連結されているので、第1のガイドローラ11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを通るとき、その湾曲形態に合せて第1のガイドローラ11が水平方向に回転し、同じく第2のガイドローラ12が回転するので、開閉扉3は支障なくその姿勢を変化させながら全閉位置へ移動し、またその全閉位置から全開位置へ向けて移動することができる。
【0021】
図8は図3の部分拡大図であり、図9は図2の部分拡大図である。図5及び図8に示すように、駆動装置19には、ピン21が突設され、このピン21は、前述の中間部材20に形成された長孔22に、相対回転自在かつ相対摺動自在に嵌合している。また開閉扉3の第1のブラケット7に突設されたピン23は、中間部材20に形成された孔24に相対回転自在に嵌合している。このように、中間部材20は、ピン21,23と、これが嵌合した孔22,24を介して、駆動装置19と開閉扉3とにそれぞれ揺動可能に枢着されている。
【0022】
図4に示した全開位置にあった開閉扉3が、車体の後方X2に向けて移動を開始した駆動装置19によって加圧されたとき、その力は、中間部材20を介してそのまま開閉扉3に伝えられ、開閉扉3は車体1のほぼ後方X2に向けて移動する。そして、その開閉扉3が図3に示した位置に至ると、図8に拡大して示すように、中間部材20に形成された円弧状の係合部25が、車体1に固定された丸棒状の係合ピン26に係合する。
【0023】
駆動装置19が車体1の後方X2に向けてさらに移動すると、第1のガイドローラ11は第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを通るが、このとき、中間部材20は、その係合部25が係合ピン26に係合しているため、駆動装置19からの力を受けながら、係合ピン26のまわりに、図8における時計方向、すなわち車体幅方向Wにおける車外側Oに向けて回動する。
【0024】
次いで開閉扉3が図2及び図9に示す全閉位置に至ると、中間部材20は図9に示す姿勢を占める。このとき開閉扉3は全閉位置を占め、その縁部が車体1の開口2のまわりに設けられた弾性材より成るウェザストリップ27(図2乃至図6には図示せず)に当接して停止する。このため、駆動装置19も図9に示した位置に停止するが、このとき駆動装置19の作動は停止しない。これにより、中間部材20には係合ピン26のまわりの回転モーメントが加えられ、当該中間部材20は、開閉扉3の一端側、すなわち第1のガイドローラ11が設けられた側の開閉扉部分を車体幅方向車外側Oへ押圧する。中間部材20は、駆動装置19からの力が、開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として開閉扉3に作用するように、駆動装置19からの力の向きを変換するのである。このため、全閉位置に至った開閉扉3は、その全閉位置に確実に保持され、車外側から開閉扉3を押したとしても、開閉扉3は開放されずにその閉位置に留められる。
【0025】
上述のように、本例の車両の開閉扉装置6は、開閉扉3が全閉位置を占めたとき、駆動装置19からの力が開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側Oに加圧する力として当該開閉扉3に作用するように、駆動装置19からの力の向きを変える変換手段を具備している。そして図示した例では、その変換手段が、駆動装置19と開閉扉3とにそれぞれ揺動可能に枢着された中間部材20と、車体1に固定されていて、第1のガイドローラ11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを通るとき、中間部材20に係合して、その中間部材20の回転中心を構成する係合ピン26とを有していて、開閉扉3が全閉位置へ向けて移動し、第1のガイドローラ11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを通るとき、係合ピン26に係合した中間部材20は、駆動装置19からの力により、係合ピン26のまわりに、車体幅方向車外側Oに向けて回動し、開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側Oに加圧するように構成されている。
【0026】
上述の変換手段を設けることにより、駆動装置19の作動によって、開閉扉3をその全閉位置に確実に保持することができ、また上述のように、中間部材20と係合ピン26を有する変換手段を採用すると、係合ピン26のまわりに回動した中間部材20が、駆動装置19からの力を、開閉扉3を車体幅方向車外側へ向く力として、開閉扉3に効率よく伝達し、開閉扉3をより確実にその全閉位置に保持することができる。
【0027】
また、本例の開閉扉装置6には、図5及び図6に示すように、開閉扉3が前述の如く全開位置と全閉位置の間を移動するとき、その開閉扉3の下部をガイドする第1及び第2の案内レール28,29が設けられている。図10は、図5及び図6に示した第1及び第2の案内レール28,29を上方から見た平面図であり、図11は図10の部分拡大図である。これらの図には、全閉位置にある開閉扉3を破線で、中間位置にある開閉扉3を一点鎖線で、全開位置にある開閉扉3を二点鎖線でそれぞれ示してある。図5、図6及び図10から判るように、第1及び第2の案内レール28,29は車体1の床面に固定され、それぞれ第1のガイドローラ11と第2のガイドローラ12に対向して位置している。第1の案内部材28は、上部が開放したほぼU字形横断面の細長部材より成り、第2の案内部材29は、薄い板材の細長部材から成る。また、開閉扉3の下部の車体前後方向一端側には、ロアガイドローラ30が回転自在に支持され、開閉扉3の下部の車体前後方向他端側には、下側に開放されたガイド溝31が形成されたガイド部片32が固定されている。
【0028】
開閉扉3が図10及び図11に二点鎖線で示した全開位置にあるとき、ロアガイドローラ30は第1の案内レール28に嵌合し、ガイド部片32のガイド溝31は第2の案内レール29に嵌合している。開閉扉3が車体1の後方X2に向けて移動し、図10及び図11に一点鎖線で示した位置に至り、次いで、前述のように、第1のガイドローラ11が第1のガイドレール13の湾曲した部分13Aを転動しながら移動し始めたとき、ロアガイドローラ30は第1の案内レール28の後端部28Aから外れる。ガイド部片32のガイド溝31は、開閉扉3が全閉位置に至ったときも、第2の案内レール29に嵌合したままである。
【0029】
上述のように、開閉扉3がその全開位置と全閉位置の間を移動するとき、その下部の側が第1及び第2の案内レール28,29によってガイドされるので、開閉扉3が車体幅方向Wに振らつき、これが不安定となる不具合を阻止できる。
【0030】
図12及び図13は、図8及び図9に示した変換手段とは異なる形態の変換手段を有する開閉扉装置6の第2の実施形態例を示し、これらの図は図8及び図9に相当する図である。また図14はこの第2の形態の実施形態例の、図5に相当する断面図である。
【0031】
図12乃至図14に示すように、第2の実施形態例の変換手段は、棒状の中間部材120を有し、その各長手方向端部が、ボールジョイント33,34を介して、駆動装置19と開閉扉3の第1のブラケット7に揺動可能に連結されている。第2の形態の変換手段は、図8及び図9に示した係合ピン26は有していない。図12乃至図14に示した開閉扉装置6の他の構成は、図1乃至図11に示した開閉扉装置と変りはない。
【0032】
第2の実施形態例においても、駆動装置19が車体1の後方X2に向けて移動し、その力が中間部材120を介して開閉扉3の第1のブラケット7に伝えられ、開閉扉3がその全開位置から全閉位置へ向けて移動する。開閉扉3が図13に示した全閉位置に至り、その縁部が車体1のウェザストリップ27に当接したとき、駆動装置19は依然として作動を続けながら移動を停止するが、このときの駆動装置19からの力は、中間部材120を介して開閉扉3の一端側の第1のブラケット7に伝えられる。このとき、開閉扉3は、中間部材120から、矢印Fで示すように、開閉扉3の一端側が車体幅方向Wにおける車外側Oに加圧される向きの力を受ける。このため、前述の第1の実施形態例の場合と同様に、開閉扉3はその全閉位置に強固に保持され、この状態で車外側から開閉扉3を車内側へ向けて押圧する力が作用しても、開閉扉3はその全閉位置に保持される。
【0033】
上述のように、第2の実施形態例の変換手段も、開閉扉3が全閉位置を占めたとき、駆動装置19からの力が開閉扉3の一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉3に作用するように、駆動装置19からの力の向きを変える用をなし、しかも、この変換手段は、駆動装置19と開閉扉3とにそれぞれ揺動可能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位置を占めたとき、開閉扉3の一端側が車体幅方向車外側Oに加圧される向きの力として駆動装置19からの力を開閉扉3に伝達する中間部材120を有している。この例の変換手段によれば、係合ピン26が不要であるため、その構成を簡素化でき、かつそのコストの低減を達成できる。
【0034】
本発明は、バス以外の各種自動車、或いは鉄道車両などの車両にも広く適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】
請求項1及び2に係る発明によれば、開閉扉が全閉位置を占めたとき、その車外側面を当該開閉扉の近傍の車体外面とほぼ面一状態にすることが可能であり、これにより車両全体の外観を向上させ、車両走行時の空力特性を高めることができる。しかも、開閉扉が全閉位置を占めたとき、駆動装置からの力が開閉扉の一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換手段を有しているので、駆動装置の作動力によって、開閉扉をその全閉位置に確実に保持することができる。
【0036】
また請求項1に係る発明によれば、変換手段によって、駆動装置の作動力を、車体幅方向車外側へ効率よく変換でき、開閉扉をその全閉位置により確実に保持することができる。
【0037】
さらに、請求項2に係る発明によれば、変換手段の構成を簡素化でき、そのコストの低減を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バスの側面図である。
【図2】開閉扉が全閉位置にあるときの開閉扉装置の概略水平断面図である。
【図3】開閉扉が中間位置にあるときの開閉扉装置の概略水平断面図である。
【図4】開閉扉が全開位置にあるときの開閉扉装置の概略水平断面図である。
【図5】図3におけるV−V線拡大断面図である。
【図6】図3におけるVI−VI線拡大断面図である。
【図7】ガイドレールとこれに嵌合したガイドローラの拡大図である。
【図8】図3の部分拡大図である。
【図9】図2の部分拡大図である。
【図10】開閉扉の下部をガイドする第1及び第2案内レールの概略平面図である。
【図11】図10の部分拡大図である。
【図12】第2の実施形態例の変換手段を示す、図8と同様な水平断面図である。
【図13】第2の実施形態例の変換手段を示す、図9と同様な水平断面図である。
【図14】第2の実施形態例の、図5と同様な断面図である。
【符号の説明】
1 車体
1A 車体外壁部
2 開口
3 開閉扉
6 開閉扉装置
11 第1のガイドローラ
12 第2のガイドローラ
13 第1のガイドレール
13A 部分
14 第2のガイドレール
19 駆動装置
20 中間部材
26 係合ピン
120 中間部材
I 車内側
O 車外側
W 車体幅方向
X 前後方向
Claims (2)
- 車体に形成された開口を閉鎖又は開放する開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設けられた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後方向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在に嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置と該開口を開放する全開位置との間を移動するように、該開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が全開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉扉装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイドローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連結すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその全閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第1のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分を、車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉が全閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換手段を具備し、該変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とにそれぞれ揺動可能に枢着された中間部材と、車体に固定されていて、前記第1のガイドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通るとき、前記中間部材に係合して、該中間部材の回転中心を構成する係合ピンとを有し、前記開閉扉が全閉位置へ向けて移動し、第1のガイドローラが第1のガイドレールの湾曲した部分を通るとき、前記係合ピンに係合した前記中間部材は、前記駆動装置からの力により、前記係合ピンのまわりに、車体幅方向車外側に向けて回動し、開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧することを特徴とする車両の開閉扉装置。
- 車体に形成された開口を閉鎖又は開放する開閉扉と、該開閉扉上部の車体前後方向の一端側に設けられた第1のガイドローラと、開閉扉上部の車体前後方向の他端側に設けられた第2のガイドローラと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第1のガイドローラが転動自在に嵌合した第1のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に延びていて、該車体に固定され、かつ前記第2のガイドローラが転動自在に嵌合した第2のガイドレールと、車体のほぼ前後方向に移動して、前記開閉扉が前記開口を閉鎖する全閉位置と該開口を開放する全開位置との間を移動するように、該開閉扉を駆動する駆動装置とを具備し、前記開閉扉が全開位置を占めたとき、該開閉扉は、これに隣接する車体外壁部よりも車体幅方向車内側に位置する車両の開閉扉装置であって、前記第1のガイドローラと第2のガイドローラをほぼ水平方向に首振り自在に前記開閉扉に連結すると共に、全閉位置へ向けて移動する開閉扉がその全閉位置に近い位置から全閉位置へ移動するとき前記第1のガイドローラが転動する第1のガイドレール部分を、車体幅方向車外側へ向けて湾曲形成し、前記開閉扉が全閉位置を占めたとき、前記駆動装置からの力が開閉扉の前記一端側を車体幅方向車外側に加圧する力として当該開閉扉に作用するように、駆動装置からの力の向きを変える変換手段を具備し、該変換手段が、前記駆動装置と開閉扉とにそれぞれ揺動可能に枢着され、かつ開閉扉が全閉位置を占めたとき、開閉扉の前記一端側が車体幅方向車外側に加圧される向きの力として前記駆動装置からの力を該開閉扉に伝達する中間部材を有していることを特徴とする車両の開閉扉装置。
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Family Applications (1)
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