JP3982390B2 - データ伝送方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、特定のディジタル映像信号を構成する輝度信号データ系列及び色差信号データ系列、もしくは、緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列に基づいて1系統もしくは複数系統のワード列データを得るとともに、それらについてのシリアルデータへの変換を行い、その結果得られるシリアルデータを伝送すべく送出するデータ伝送方法、及び、斯かる方法が実施されるデータ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号の分野においては、伝達情報の多様化及び再生画像の高品質化を実現する観点等からのディジタル化が図られており、例えば、映像信号情報をあらわすディジタルデータによって形成されるディジタル映像信号を扱う高精細度テレビジョン(High Definition Television :HDTV)システム等が提案されている。HDTVシステムのもとにおけるディジタル映像信号(以下、HD信号という)は、例えば、BTA(Broadcasting Technology Association :放送技術開発協議会)により制定された規格(非特許文献1参照。)に従って形成され、Y,CB /CR 形式のものとG,B,R形式のものとがある。Y,CB /CR 形式の場合、Yは輝度信号を意味し、CB 及びCR は色差信号を意味する。また、G,B,R形式の場合、G,B及びRは夫々緑色原色信号,青色原色信号及び赤色原色信号を意味する。
【0003】
このようなHD信号は、例えば、フレームレートを30Hzとし、各フレームにおける全ライン数を1125ライン,フレームあたりの有効ライン数を1080ライン,各ラインにおける全データサンプル数を2200サンプル、各ラインにおける映像データ部のデータサンプル数(ラインあたりの有効データサンプル数)を1920サンプルとし、サンプリング周波数を74.25MHzとするものされる。
【0004】
そして、Y,CB /CR 形式の場合、色差信号データ系列(CB /CR データ系列)を成すCB データ系列及びCR データ系列の夫々のサンプリング周波数が、輝度信号データ系列(Yデータ系列)のサンプリング周波数の1/2とされる。以下おいては、必要に応じて、Y,CB /CR 形式を4:2:2形式と表現する。また、G,B,R形式の場合、緑色原色信号データ系列(Gデータ系列),青色原色信号データ系列(Bデータ系列)及び赤色原色信号データ系列(Rデータ系列)の夫々のサンプリング周波数が同一とされる。以下おいては、必要に応じて、G,B,R形式を4:4:4形式と表現する。
【0005】
4:2:2形式のHD信号は、全ライン数を1125ラインとし有効ライン数を1080ラインとするフレームについてのフレームレートが、例えば、30Hzとされたもとで、各フレーム画像が第1フィールド画像と第2フィールド画像とに分けられて、フィールドレートを60Hzとする飛び越し走査用の信号とされ、図7に示される如くのデータフォーマットに従うものとされる。図7には、飛び越し走査用とされた4:2:2形式のHD信号における1ライン期間分が示されている。
【0006】
図7に示される如くのデータフォーマットは、映像信号における輝度信号情報をあらわすY信号データを含んだYデータ系列と、映像信号における色差信号情報をあらわすCB /CR 信号データを含んだCB /CR データ系列とから成る。斯かるYデータ系列及びCB /CR データ系列の夫々は、量子化ビット数を10ビットとし、従って、それを形成するワードデータの各々が10ビット構成とされていて、パラレルデータインターフェースは10ビット×2=20ビットであり、また、ワード伝送レートは、例えば、74.25MBpsとされる。
【0007】
Yデータ系列にあっては、全体で2200サンプルの1ライン期間分が、ラインブランキング部とそれに連なる1920サンプルの映像データ部とで形成される。そして、各映像データ部の直前に、4ワードから成るタイミング基準コードデータ(SAV: Start of Active Video )が配されるとともに、各映像データ部の直後に、4ワードから成るタイミング基準コードデータ(EAV: End of Active Video )が配される。
【0008】
同様にして、CB /CR データ系列にあっても、各ライン分がラインブランキング部に映像データ部が連なって形成され、映像データ部の直前に、4ワードから成るタイミング基準コードデータSAVが配されるとともに、映像データ部の直後に、4ワードから成るタイミング基準コードデータEAVが配される。Yデータ系列中のタイミング基準コードデータEAV及びSAVの夫々は、Yデータ系列における各ラインブランキング部に配され、また、CB /CR データ系列中のタイミング基準コードデータEAV及びSAVの夫々は、CB /CR データ系列における各ラインブランキング部に配される。
【0009】
Yデータ系列及びCB /CR データ系列の夫々のラインブランキング部におけるタイミング基準コードデータEAVとタイミング基準コードデータSAVとの間には、ライン番号データ,誤り検出信号データ、補助データ等が配される。
【0010】
また、4:4:4形式のHD信号も、全ライン数を1125ラインとし有効ライン数を1080ラインとするフレームについてのフレームレートが、例えば、30Hzとされたもとで、各フレーム画像が第1フィールド画像と第2フィールド画像とに分けられて、フィールドレートを60Hzとする飛び越し走査用の信号とされ、図8に示される如くのデータフォーマットに従うものとされる。図8には、飛び越し走査用とされた4:4:4形式のHD信号における1ライン期間分が示されている。
【0011】
図8に示される如くのデータフォーマットにあっては、映像信号における緑色原色信号情報をあらわすG信号データを含んだGデータ系列と、映像信号における青色原色信号情報をあらわすB信号データを含んだBデータ系列と、映像信号における赤色原色信号情報をあらわすR信号データを含んだRデータ系列とから成る。斯かるGデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々も、量子化ビット数を10ビットとし、従って、それを形成するワードデータの各々は、10ビット構成とされていて、パラレルデータインターフェースは10ビット×3=30ビットであり、また、ワード伝送レートは、例えば、74.25MBpsとされる。
【0012】
Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々にあっては、全体で2200サンプルの1ライン期間分が、ラインブランキング部とそれに連なる1920サンプルの映像データ部とで形成される。そして、各映像データ部の直前に、4ワードから成るタイミング基準コードデータSAVが配されるとともに、各映像データ部の直後に、4ワードから成るタイミング基準コードデータEAVが配される。Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々におけるタイミング基準コードデータEAV及びSAVの各々は、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における各水平ブランキング部に配される。
【0013】
現行のHDTVシステムにあっては、上述の如くのフレームレートが30Hzとされたもとでの飛び越し走査用とされた4:2:2形式もしくは4:4:4形式のHD信号が用いられているが、これに対して、次世代のHDTVシステムとして、フレームレートが60Hzもしくは60/1.001Hz(本願においてはこれらのいずれをも60Hzという。)とされたもとで、各フレーム画像が第1及び第2フィールドに分けられることなく形成される順次走査用とされた、Yデータ系列とCB /CR データ系列とで成るY,CB /CR 形式(4:2:2形式)、もしくは、Gデータ系列とBデータ系列とRデータ系列とで成るG,B,R形式(4:4:4形式)のHD信号を用いるシステムが提案されている。順次走査用とされた、4:2:2形式もしくは4:4:4形式のHD信号は、プログレッシブ(Progressive)方式のHD信号と称される。以下、プログレッシブ方式のHD信号を、プログレッシブHD信号と呼ぶ。
【0014】
フレームレートが60HzとされたプログレッシブHD信号を成すディジタルデータは、米国のSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers:映画及びテレビジョン技術者協会)により制定された規格:SMPTE 274Mによる規格化(非特許文献2参照。)が図られたデータフォーマットに従うものとされる。
【0015】
この SMPTE 274M に準拠したデータフォーマットにあっては、フレームレート: 60Hzの他、各フレームにおける全ライン数:1125ライン,フレームあたりの有効ライン数:1080ライン,各ラインにおける全データサンプル数:2200サンプル,ラインあたりの有効データサンプル数:1920サンプル,サンプリング周波数:148.5MHzもしくは148.5/1.001MHz(本願においては、これらのいずれをも148.5MHzという),量子化ビット数:8ビットもしくは10ビット等々が決められている。そして、パラレルデータインターフェースは、4:2:2形式の場合、8ビット×2=16ビットもしくは10ビット×2=20ビットであり、4:4:4形式の場合、8ビット×3=24ビットもしくは10ビット×3=30ビットである。
【0016】
また、こうしたプログレッシブHD信号とは別に、フレームレートを24Hzもしくは24/1.001Hz(請求の範囲の記載を含めて本願においてはこれらのいずれをも24Hzという。),25Hz,30Hzもしくは30/1.001Hz(請求の範囲の記載を含めて本願においてはこれらのいずれをも30Hzという。),50Hzもしくは60Hzとし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに設定され、また、各ラインにおける有効データサンプル数が1280サンプルに設定されたプログレッシブ方式のディジタル映像信号(本願においては、斯かるディジタル映像信号を720P信号と呼ぶ)も提案されている(非特許文献3参照。)。
【0017】
このような720P信号を成すディジタルデータは、例えば、図9及び図10に示される如くのデータフォーマットに従うものとされる。図9は、4:2:2形式の720P信号の一例における1ライン期間分を示し、さらに、図10は、4:4:4形式の720P信号の一例における1ライン期間分を示す。
【0018】
図9及び図10に示される如くの720P信号を成すディジタルデータにあっては、SMPTEにより制定された規格:SMPTE 296M によるフォーマットの規格化が図られている。斯かる SMPTE 296M により規格化されたフォーマットにあっては、フレームレート: 24Hz,25Hz,30Hz,50Hzもしくは60Hz, フレームあたりの有効ライン数:720ライン,ラインあたりの有効データサンプル数:1280サンプルのみならず、各フレームにおけるライン数:750ライン,各ラインにおけるデータサンプル数1650サンプル,サンプリング周波数:74.25MHz,量子化ビット数:8ビットもしくは10ビット等々が決められている。そして、パラレルデータインターフェースは、4:2:2形式の場合、8ビット×2=16ビットもしくは10ビット×2=20ビットであり、4:4:4形式の場合、8ビット×3=24ビットもしくは10ビット×3=30ビットである。
【0019】
720P信号は、元来、ディジタル映像信号の分野におけるHD信号への移行期において提案されたものである。そして、フレームあたりの有効ライン数及びラインあたりの有効データサンプル数が、HD信号が1080ライン及び1920サンプルであるのに対して、720ライン及び1280サンプルとされて、HD信号の場合の2/3であるので、それに基づいて再生される画像の解像度においてはHD信号に比して劣るものの、フレームレートが60Hzである場合には、動きの速い画像をあらわす信号としての利用に適している。
【0020】
上述の如くのHD信号もしくは720P信号を形成するディジタルデータについては、その実用にあたり、伝送が不可欠とされる。そして、HD信号もしくは720P信号を形成するディジタルデータの伝送にあたっては、伝送路が簡略化されること等の利点が得られることからして、伝送されるべきデータがシリアルデータに変換されて伝送される、シリアル伝送が望まれることになる。しかしながら、現状のもとにあっては、量子化ビット数を8ビットもしくは10ビットとする4:2:2形式のHD信号もしくは720P信号を形成するディジタルデータについて、前述のSMPTEにより制定された規格であるSMPTE 292M(非特許文献4参照。)によるHD−SDIを用いてシリアル伝送を行うことが規格化されているに過ぎない。
【0021】
即ち、量子化ビット数を8ビットもしくは10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号もしくは720P信号を形成するディジタルデータとは異なる形式のディジタルデータである、4:4:4形式のHDディジタル映像信号もしくは720P信号を形成するディジタルデータについてのシリアル伝送については、規格化されていないのである。
【0022】
量子化ビット数を8ビットもしくは10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータについてのHD−SDIを用いてのシリアル伝送が行われるにあたっては、例えば、図7に示される如くの1ライン期間分が連なって成るディジタルデータのYデータ系列とCB /CR データ系列とにおける各ワードが、ワード単位で交互に多重され、図11に示される如くの1ライン期間分が連なって成る多重ワード列データが形成される。図11に示される1ライン期間分は、全データサンプル数が2200×2=4400サンプルとされ、CB 信号データワード,Y信号データワード及びCR 信号データワードが順次繰り返し配列されて成る映像データ部のデータサンプル数、即ち、ラインあたりの有効データサンプル数が1920×2=3840サンプルとされ、量子化ビット数は10ビットとされている。そして、斯かる多重ワード列データが、その各ワードに最下位ビット(LSB)から最上位ビット(MSB)まで順に所定の条件のもとで伝送用符号化が施されてビットシリアルデータが形成され、そのビットシリアルデータが送出される形をもって、シリアル伝送される。
【0023】
また、量子化ビット数を8ビットもしくは10ビットとする4:2:2形式の720P信号を形成するディジタルデータについてのHD−SDIを用いてのシリアル伝送が行われるにあたっては、例えば、図9に示される如くの1ライン期間分が連なって成るディジタルデータのYデータ系列とCB /CR データ系列とにおける各ワードが、ワード単位で交互に多重され、図12に示される如くの1ライン期間分が連なって成る多重ワード列データが形成される。図11に示される1ライン期間分は、全データサンプル数が1650×2=3300サンプルとされ、CB 信号データワード,Y信号データワード及びCR 信号データワードが順次繰り返し配列されて成る映像データ部のデータサンプル数、即ち、ラインあたりの有効データサンプル数が1280×2=2560サンプルとされ、量子化ビット数は10ビットとされている。そして、斯かる多重ワード列データが、その各ワードに最下位ビット(LSB)から最上位ビット(MSB)まで順に所定の条件のもとで伝送用符号化が施されてビットシリアルデータが形成され、そのビットシリアルデータが送出される形をもって、シリアル伝送される。
【0024】
【非特許文献1】
放送技術開発協議会規格 BTA S−002 1125/60 高精細度テレビジョン方式スタジオディジタル映像規格(第5次案),1992年2月,放送技術開発協議会,P1〜31
【非特許文献2】
SMPTE STANDARD for Television - 1920×1080 Scaninng and Analog and Parallel Digital Interface for Multiple Picture Rates(SMPTE 274-1998),THE SOCIETY OF MOTION PICTURE AND TELEVISION ENGINEERS, 1998, P1 〜24
【非特許文献3】
SMPTE STANDARD for Televisionー1280×720 Progressive Image Sample Structure−Analog and Digital Representation and Analog Interface (SMPTE 296M-2001), THE SOCIETY OF MOTION PICTURE AND TELEVISION ENGINEERS, 2001, P1 〜14
【非特許文献4】
SMPTE STANDARD for TelevisionーBit-Serial Digital Interface for High-Definition Television Systems (SMPTE 292M-1998), THE SOCIETY OF MOTION PICTURE AND TELEVISION ENGINEERS, 1998, P1〜9
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたもとで、例えば、図8に示される如くの1ライン期間分が連なって成る4:4:4形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータ、もしくは、例えば、図10に示される如くの1ライン期間分が連なって成る4:4:4形式720P信号を形成するディジタルデータについても、その伝送にあたっては、前述の如くにシリアル伝送が望まれる。そして、そのシリアル伝送が、HD−SDIを用いてのシリアル伝送とされることが、例えば、送受信回路を構成するにあたって、HD−SDIに準拠したデータ伝送システムに用いられる既存の集積回路ディバイス(ICディバイス)を有効に利用できるという観点等から、強く要望されるところとなる。
【0026】
特に、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについては、各ライン期間分の映像データ部の信号量が、4:4:4形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータに比して少ないことからして、HD−SDIに準拠した一系統のビットシリアルデータとして、効率の良いシリアル伝送を行えるようにされることが求められる。
【0027】
しかしながら、従来にあっては、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについてのシリアル伝送を、HD−SDIに準拠した一系統のビットシリアルデータを形成して、それを送出するようにすることにより、効率良く行うことができるようにされた伝送システムの具体例は見当たらない。また、このような伝送システムに関する技術について記載された文献等も見出せない。
【0028】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについて、例えば、フレームレートを60Hzとし量子化ビット数を10ビットとする、4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータの場合と同様に、HD−SDIに準拠した一系統のビットシリアルデータが形成されて、それが送出されるようにされることによる、効率の良いシリアル伝送を行うことができるデータ伝送方法、及び、それが実施されるデータ伝送装置を提供する。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法は、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、それにおける緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1920サンプルとされた720ライン分の10ビットデータに変換することにより、または、それにおける緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1280サンプルとされた1080ライン分の10ビットデータに変換することにより、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、斯かる2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上述の2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成し、それに基づくシリアルデータを得て、そのシリアルデータを伝送すべく送出するものとされる。
【0030】
また、本願の特許請求の範囲における請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置は、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、それにおける緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1920サンプルとされた720ライン分の10ビットデータに変換することにより、または、それにおける緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1280サンプルとされた1080ライン分の10ビットデータに変換することにより、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、斯かる2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上述の2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成するデータ処理部と、データ処理部から導出される多重ワード列データに基づくシリアルデータを得るパラレル/シリアル変換部と、パラレル/シリアル変換部から得られるシリアルデータを伝送すべく送出するデータ送出部と、を備えて構成される。
【0031】
上述の如くの本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法、あるいは、請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置にあっては、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部が、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換され、それらに基づいて、各々が映像データ部データとタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1及び第2のワード列データが得られ、さらに、得られた第1及び第2のワード列データに多重化処理が施されて、1系統の多重ワード列データが形成される。そして、多重ワード列データに基づくシリアルデータが得られて、それが伝送されるべく送出される。
【0032】
このことは、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータが、それに基づいて前述のHD−SDIに準拠した1系統のビットシリアルデータが形成され、それが送出されることにより、シリアル伝送されることに他ならない。
【0033】
従って、本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法、あるいは、請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置においては、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについて、例えば、フレームレートを30Hzとし量子化ビット数を10ビットとする、4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータの場合と同様に、HD−SDIに準拠した1系統のビットシリアルデータが形成されて、それが送出されるようにされることによる、効率の良いシリアル伝送が行われることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法の例が実施される、本願の特許請求の範囲における請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置の例を含んだデータ送受装置を示す。
【0035】
図1に示されるデータ送受装置においては、本願の特許請求の範囲における請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置の例を構成する送信側において、ディジタル映像信号を成すディジタルデータDVXがデータ処理部11に供給される。
【0036】
ディジタルデータDVXは、図2にあらわされた720P信号を形成するディジタルデータについての一覧表において、データDTA〜DTDのいずれかとして示される、フレームレートを24Hz,25Hz,30Hzもしくは50Hzとし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに設定されるとともに、各ラインにおける映像データ部のデータサンプル数、即ち、ラインあたりの有効データサンプル数が1280サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式のディジタル映像信号を成すディジタルデータであって、そのワード伝送レートを、例えば、74.25MBpsとするものとされる。
【0037】
データDTA〜DTDのいずれかとされるディジタルデータDVXは、図10に示される如くに、各々がワード伝送レートを74.25MBpsとする10ビットワード列データとされた、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列とが、フレーム同期及びライン同期がとられたもとでパラレル多重されて得られる、ワード伝送レートを74.25MBpsとする30ビットワード列データとして、データ処理部11に供給される。
【0038】
データ処理部11にあっては、図10に示される如くにして供給されるディジタルデータDVXに、それに対する処理の一例として、各ライン期間分におけるGデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワード、即ち、Gデータ系列におけるワードGD0〜GD1279,Bデータ系列におけるワードBD0〜BD1279及びRデータ系列におけるワードRD0〜RD1279を、2系統のデータ系列に順次振り分けて、図3に示される如くの、第1の映像データ部データDWS1及び第2の映像データ部データDWS2を形成する処理を施す。
【0039】
第1の映像データ部データDWS1は、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワードが、ワードGD0,RDO,BD1,GD2,RD2,BD3,GD4,・・・・・,RD1278,BD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1920サンプルとするものとされる。また、第2の映像データ部データDWS2は、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワードが、ワードBD0,GD1,RD1,BD2,GD3,RD3,BD4,・・・・・,GD1279,RD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1920サンプルとするものとされる。そして、このような第1の映像データ部データDWS1と第2の映像データ部データDWS2との組を1ライン分を形成するのものとして、ディジタルデータDVXの各フィールド期間を成す720ライン分により、720ライン分の第1の映像データ部データDWS1と第2の映像データ部データDWS2との組が形成される。
【0040】
即ち、この場合、ディジタルデータDVXにおけるGデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の3系統の夫々の映像データ部の各々についての、1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分(1フレーム分)の10ビットデータが、第1の映像データ部データDWS1と第2の映像データ部データDWS2との2系統の、1ラインあたり1920サンプルとされた720ライン分の10ビットデータに変換されることになる。斯かるデータ変換は、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の3系統から成るディジタルデータDVXにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部が、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに設定されるとともに、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2方式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に相当する、2系統の映像データ部データ、即ち、第1の映像データ部データDWS1と第2の映像データ部データDWS2とに変換されることになる。
【0041】
続いて、データ処理部11にあっては、第1の映像データ部データDWS1に基づき、その第1の映像データ部データDWS1と、例えば、タイミング基準コードデータEAV,ライン番号データ、誤り検出符号データ,補助データ,タイミング基準コードデータSAV等が配されたラインブランキング部とを含んだ、全データサンプル数を2200サンプルとする第1のライン期間分データを形成し、斯かる第1のライン期間分データが連なって成る第1のワード列データを得る。また、それとともに、第2の映像データ部データDWS2に基づき、その第2の映像データ部データDWS2と、例えば、タイミング基準コードデータEAV,ライン番号データ,誤り検出符号データ,補助データ,タイミング基準コードデータSAV等が配されたラインブランキング部とを含んだ、全データサンプル数を2200サンプルとする第2のライン期間分データを形成し、斯かる第2のライン期間分データが連なって成る第2のワード列データを得る。
【0042】
さらに、データ処理部11にあっては、第1のワード列データと第2のワード列データとに、それらを形成する各ワードを、ワード単位で交互に多重して、図4に示される如くの1ライン期間分が連なって成る多重ワード列データを形成し、さらに、それにフレームブランキング部を成す一連のブランキングラインデータを加えて、全ライン数を1125ラインとする各フレーム期間分を形成する、HD−SDIに準拠した処理を施す。上述のように形成される多重ワード列データの図4に示される1ライン期間分は、全データサンプル数が2200×2=4400サンプルとされ、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワードが順次配されて成る映像データ部のデータサンプル数、即ち、有効データサンプル数が1920×2=3840サンプルとされ、ワード伝送レートが74.25MBps×2=148.5MBpsとされる。そして、各フレーム期間分にあっては、このような1ライン期間分が720個連なるものとされる。
【0043】
データ処理部11は、このようにして得た、図4に示される如くの1ライン期間分が連なって成る多重ワード列データと一連のブランキングラインデータとを、10ビットワード列データDP(10)として送出する。
【0044】
また、データ処理部11にあっては、図10に示される如くにして供給されるディジタルデータDVXに、それに対する処理の他の例として、上述の処理とは異なる処理も行い得るものとされる。斯かる他の例の処理を行う際にも、データ処理部11は、ディジタルデータDVXの各ライン期間分におけるGデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワード、即ち、Gデータ系列におけるワードGD0〜GD1279,Bデータ系列におけるワードBD0〜BD1279及びRデータ系列におけるワードRD0〜RD1279を、2系統のデータ系列に順次振り分け、それにより、図5に示される如くの、第1の映像データ部データDWS1aと第2の映像データ部データDWS2aとの組,第1の映像データ部データDWS1bと第2の映像データ部データDWS2bとの組、及び、第1の映像データ部データDWS1cと第2の映像データ部データDWS2cとの組を形成する。
【0045】
第1の映像データ部データDWS1aは、Gデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードGD0,GD1,GD2,GD3,・・・・・,GD1278,GD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされ、第2の映像データ部データDWS2aは、Bデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードBD0,BD1,BD2,BD3,・・・・・,BD1278,BD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされる。また、第1の映像データ部データDWS1bは、Rデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードRD0,RD1,RD2,RD3,・・・・・,RD1278,RD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされ、第2の映像データ部データDWS2bは、Gデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードGD0,GD1,GD2,GD3,・・・・・,GD1278,GD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされる。さらに、第1の映像データ部データDWS1cは、Bデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードBD0,BD1,BD2,BD3,・・・・・,BD1278,BD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされ、第2の映像データ部データDWS2cは、Rデータ系列における映像データ部を形成するワードが、ワードRD0,RD1,RD2,RD3,・・・・・,RD1278,RD1279 というように順次配されて成る、データサンプル数を1280サンプルとするものとされる。
【0046】
そして、このような、第1の映像データ部データDWS1aと第2の映像データ部データDWS2aとの組,第1の映像データ部データDWS1bと第2の映像データ部データDWS2bとの組、及び、第1の映像データ部データDWS1cと第2の映像データ部データDWS2cとの組は、繰り返して形成されていき、各組を1ライン分を形成するのものとして、ディジタルデータDVXの各フィールド期間を成す720ライン分により、1080ライン分の第1の映像データ部データDWS1aと第2の映像データ部データDWS2aとの組,第1の映像データ部データDWS1bと第2の映像データ部データDWS2bとの組、及び、第1の映像データ部データDWS1cと第2の映像データ部データDWS2cとの組が形成される。
【0047】
即ち、この場合、ディジタルデータDVXにおけるGデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の3系統の夫々の映像データ部の各々についての、1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分(1フレーム分)の10ビットデータが、第1の映像データ部データDWS1a,DWS1b及びDWS1cと第2の映像データ部データDWS2a,DWS2b及びDWS2cとの2系統の、1ラインあたり1280サンプルとされた1080ライン分の10ビットデータに変換されることになる。斯かるデータ変換は、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の3系統から成るディジタルデータDVXにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部が、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに設定されるとともに、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2方式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に相当する、2系統の映像データ部データ、即ち、第1の映像データ部データDWS1a,DWS1b及びDWS1cと第2の映像データ部データDWS2a,DWS2b及びDWS2cとに変換されることになる。
【0048】
続いて、データ処理部11にあっては、第1の映像データ部データDWS1a,DWS1b及びDWS1cの夫々に基づき、その第1の映像データ部データDWS1a,DWS1bもしくはDWS1cと、例えば、タイミング基準コードデータEAV,ライン番号データ、誤り検出符号データ,補助データ,タイミング基準コードデータSAV等が配されたラインブランキング部とを含んだ、全データサンプル数を2200サンプルとする第1のライン期間分データを形成し、斯かる第1のライン期間分データが連なって成る第1のワード列データを得る。また、それとともに、第2の映像データ部データDWS2a,DWS2b及びDWS2cの夫々に基づき、その第2の映像データ部データDWS2a,DWS2bもしくはDWS2cと、例えば、タイミング基準コードデータEAV,ライン番号データ、誤り検出符号データ,補助データ,タイミング基準コードデータSAV等が配されたラインブランキング部とを含んだ、全データサンプル数を2200サンプルとする第2のライン期間分データを形成し、斯かる第2のライン期間分データが連なって成る第2のワード列データを得る。
【0049】
さらに、データ処理部11にあっては、斯かる第1のワード列データと第2のワード列データとに、それらを形成する各ワードを、ワード単位で交互に多重して、図6に示される如くの1ライン期間分が順次繰り返して連なって成る多重ワード列データを形成し、さらに、それにフレームブランキング部を成す一連のブランキングラインデータを加えて、全ライン数を1125ラインとする各フレーム期間分を形成する、HD−SDIに準拠した処理を施す。上述のように形成される多重ワード列データの図6に示される1ライン期間分の夫々は、全データサンプル数が2200×2=4400サンプルとされ、Gデータ系列,Bデータ系列及びRデータ系列の夫々における映像データ部を形成するワードが順次配されて成る映像データ部のデータサンプル数、即ち、有効データサンプル数が1280×2=2560サンプルとされ、ワード伝送レートが74.25MBps×2=148.5MBpsとされる。そして、各フレーム期間分にあっては、このような1ライン期間分が1080個連なるものとして形成される。
【0050】
データ処理部11は、このようにして得た、図6に示される如くの1ライン期間分が連なって成る多重ワード列データと一連のブランキングラインデータとを、10ビットワード列データDP(10)として送出する。
【0051】
データ処理部11から送出されるワード伝送レートを148.5MBpsとする10ビットワード列データDP(10)は、データ挿入部12に供給される。データ挿入部12にあっては、10ビットワード列データDP(10)に、必要に応じた補助データDAAを挿入し、補助データDAAが挿入された10ビットワード列データDP’(10)を形成する。データ挿入部12における10ビットワード列データDP(10)に対する補助データDAAの挿入は、10ビットワード列データDP(10)の各ライン期間分におけるラインブランキング期間部に対してなされる。
【0052】
データ挿入部12から得られる10ビットワード列データDP’(10)は、パラレル/シリアル(P/S)変換部13に供給される。P/S変換部13にあっては、10ビットワード列データDP’(10)にP/S変換を施して、10ビットワード列データDP’(10)に基づくビット伝送レートを148.5MBps×10=1.485GbpsとするシリアルデータDSを形成し、そのシリアルデータDSを電光変換部(E/O変換部)14に供給する。
【0053】
E/O変換部14においては、シリアルデータDSに電光変換処理を施し、シリアルデータDSに基づく中心波長を、例えば、略1.3μmとする光信号OZを、ビット伝送レートを1.485Gbpsとするものとして形成し、それを伝送信号として送出する。斯かるもとで、E/O変換部14は、P/S変換部13から得られるシリアルデータDSを伝送すべく送出するデータ送出部を形成している。
【0054】
E/O変換部14から送出される伝送信号である光信号OZは、光コネクタ15を通じて光ファイバー伝送路16に導かれ、光ファイバー伝送路16を通じて受信側へと伝送される。光ファイバー伝送路16は、例えば、石英系シングルモードファイバー(石英系SMF)が用いられて形成される。
【0055】
受信側においては、光ファイバー伝送路16を通じて伝送された光信号OZが、光コネクタ17を通じて光電変換部(O/E変換部)18へと導かれる。O/E変換部18にあっては、中心波長を略1.3μmとする光信号OZに光電変換処理を施して、ビット伝送レートを1.485Gbpsとし、中心波長を略1.3μmとする光信号OZに基づく、ビット伝送レートを1.485GbpsとするシリアルデータDSを再生する。そして、再生されたシリアルデータDSは、シリアル/パラレル(S/P)変換部19に供給される。
【0056】
S/P変換部19にあっては、シリアルデータDSにS/P変換を施して、シリアルデータDSに基づく、ワード伝送レートを148.5MBpsとする10ビットワード列データDP’(10)を再生し、それをデータ分離部20に供給する。データ分離部20にあっては、10ビットワード列データDP’(10)から、補助データDAAが分離されて、10ビットワード列データDP(10)と補助データDAAとが個別に送出され、10ビットワード列データDP(10)は、データ再生処理部21に供給される。
【0057】
データ再生処理部21にあっては、10ビットワード列データDP(10)に対して、送信部側におけるデータ処理部11においてディジタルデータDVXに対して施される処理とは逆の処理を施し、それによってディジタルデータDVXを再生する。
【0058】
このようにして、図1に示されるデータ送受装置によれば、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについて、例えば、フレームレートを30Hzとし量子化ビット数を10ビットとする、4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータの場合と同様に、HD−SDIに準拠した1系統のビットシリアルデータが形成されて、それが送出されるようにされることによる、効率の良いシリアル伝送が行われることになる。
【0059】
上述の例にあっては、データ伝送路が光ファイバー伝送路16によって形成されているが、データ伝送路を、光ファイバー伝送路16に代えて、他の形式の伝送路、例えば、同軸ケーブル伝送路とすることも、勿論可能である。その際には、図1に示されるE/O変換部14、光コネクタ15及び17、O/E変換部18等に代えて、同軸ケーブル伝送路用のデータ送出部、データ受信部等が用いられる。
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法、あるいは、請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置にあっては、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部が、量子化ビット数を10ビットとする4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換され、それらに基づいて、各々が映像データ部データとタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1及び第2のワード列データが得られ、さらに、得られた第1及び第2のワード列データに多重化処理が施されて、1系統の多重ワード列データが形成され、その多重ワード列データに基づくシリアルデータが得られて、それが伝送されるべく送出される。
【0060】
このことは、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータが、それに基づいて前述のHD−SDIに準拠した1系統のビットシリアルデータが形成され、それが送出されることにより、シリアル伝送されることに他ならない。従って、本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法、あるいは、請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置によれば、フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし量子化ビット数を10ビットとする、4:4:4形式の720P信号を形成するディジタルデータについて、例えば、フレームレートを30Hzとし量子化ビット数を10ビットとする、4:2:2形式のHDディジタル映像信号を形成するディジタルデータの場合と同様に、HD−SDIに準拠した1系統のビットシリアルデータを形成して、それを伝送すべく送出することによる、効率の良いシリアル伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の特許請求の範囲における請求項1または2に記載された発明に係るデータ伝送方法の例が実施される、本願の特許請求の範囲における請求項3または4に記載された発明に係るデータ伝送装置の例を含んだデータ送受装置を示すブロック接続図である。
【図2】 図1に示されるデータ送受装置におけるデータ処理部に供給されるディジタルデータの説明に供される表図である。
【図3】 図1に示されるデータ送受装置におけるデータ処理部の動作説明に供されるデータをあらわす概念図である。
【図4】 図1に示されるデータ送受装置におけるデータ処理部の動作説明に供されるデータをあらわす概念図である。
【図5】 図1に示されるデータ送受装置におけるデータ処理部の動作説明に供されるデータをあらわす概念図である。
【図6】 図1に示されるデータ送受装置におけるデータ処理部の動作説明に供されるデータをあらわす概念図である。
【図7】 HDディジタル映像信号を形成するディジタルデータのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【図8】 HDディジタル映像信号を形成するディジタルデータのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【図9】 720P信号を形成するディジタルデータのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【図10】 720P信号を形成するディジタルデータのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【図11】 HDディジタル映像信号を形成するディジタルデータに基づく多重ワード列データのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【図12】 720P信号を形成するディジタルデータに基づく多重ワード列データのデータフォーマットの一例の説明に供される概念図である。
【符号の説明】
11・・・データ処理部, 12・・・データ挿入部, 13・・・P/S変換部, 14・・・E/O変換部, 15,17・・・光コネクタ, 16・・・光ファイバー伝送路, 18・・・O/E変換部, 19・・・S/P変換部, 20・・・データ分離部, 21・・・データ再生処理部
Claims (4)
- フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1280サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、緑色原色信号データ系列と青色原色信号データ系列と赤色原色信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、上記緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1920サンプルとされた720ライン分の10ビットデータに変換することにより、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、輝度信号データ系列と色差信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、
該2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上記2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、
上記第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成し、
該多重ワード列データに基づくシリアルデータを得て、
該シリアルデータを伝送すべく送出するデータ伝送方法。 - フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1280サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、緑色原色信号データ系列と青色原色信号データ系列と赤色原色信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、上記緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1280サンプルとされた1080ライン分の10ビットデータに変換することにより、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、輝度信号データ系列と色差信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、
該2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上記2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、
上記第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成し、
該多重ワード列データに基づくシリアルデータを得て、
該シリアルデータを伝送すべく送出するデータ伝送方法。 - フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1280サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、緑色原色信号データ系列と青色原色信号データ系列と赤色原色信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、上記緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデー タを、2系統の1ラインあたり1920サンプルとされた720ライン分の10ビットデータに変換することにより、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、輝度信号データ系列と色差信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、該2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上記2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、上記第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成するデータ処理部と、
該データ処理部から導出される多重ワード列データに基づくシリアルデータを得るパラレル/シリアル変換部と、
該パラレル/シリアル変換部から得られるシリアルデータを伝送すべく送出するデータ送出部と、
を備えて構成されるデータ伝送装置。 - フレームレートを24Hz以上であって50Hz以下とし、各フレームにおける有効ライン数が720ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1280サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、緑色原色信号データ系列と青色原色信号データ系列と赤色原色信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部を、上記緑色原色信号データ系列,青色原色信号データ系列及び赤色原色信号データ系列の各々についての1ラインあたり1280サンプルとされた720ライン分の10ビットデータを、2系統の1ラインあたり1280サンプルとされた1080ライン分の10ビットデータに変換することにより、各フレームにおける有効ライン数が1080ラインに、かつ、各ラインにおける有効データサンプル数が1920サンプルに設定され、量子化ビット数を10ビットとする、輝度信号データ系列と色差信号データ系列とを含んで成るディジタル映像信号を形成するディジタルデータにおける各ライン期間分に含まれる映像データ部に相当する、2系統の映像データ部データに変換するとともに、該2系統の映像データ部データの一方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第1のワード列データと、上記2系統の映像データ部データの他方とタイミング基準コードデータとを含んだ新たなライン期間分データが連なって成る第2のワード列データとを得て、上記第1及び第2のワード列データに多重化処理を施して1系統の多重ワード列データを形成するデータ処理部と、
該データ処理部から導出される多重ワード列データに基づくシリアルデータを得るパラレル/シリアル変換部と、
該パラレル/シリアル変換部から得られるシリアルデータを伝送すべく送出するデータ送出部と、
を備えて構成されるデータ伝送装置。
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