JP3982207B2 - スライドドア移動機構およびスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置 - Google Patents

スライドドア移動機構およびスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば縦型のCDプレーヤなどにおけるスライドドアをスライド移動させるためのスライドドア移動機構、およびそのようなスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、縦型のCDプレーヤには、ディスク回転部を覆うためにスライドドアが設けられており、このスライドドアは、鉛直方向に沿って上下移動させられることで開閉可能とされている。
【0003】
図11および図12は、スライドドアを移動させる従来の仕組みを説明するための説明図である。特に、図11は、スライドドアが閉じた状態の断面図、図12は、スライドドアが開いた状態の断面図であるが、内部構造が良く分かるように一部部材を透かして示している。これらの図に示すように、スライドドア100を移動させるためのスライドドア移動機構としては、ラック200およびピニオン300が一般的に用いられる。スライドドア100は、ラック200の下端部200Aがピニオン300と噛み合う位置で、ディスク回転部110を閉じた状態とする一方、ラック200の上端部200Bがピニオン300と噛み合う位置で、ディスク回転部110を開いた状態とする。つまり、スライドドア100の移動ストロークSは、ラック200の長さRに応じて一義的に決まっている。
【0004】
ところで、ラック200の下端部200Aおよび上端部200Bには、ピニオン300とのかかり代R1,R1が必要とされることから、スライドドア100の移動ストロークSよりもラック200の長さRの方が若干長い寸法とされる。そのため、筐体120の内部には、スライドドア100の移動ストロークSのほか、上下移動するラック200の長さRなどを考慮し、鉛直方向に縦寸法Hとした内部スペースが確保されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラック200およびピニオン300を用いたスライドドア移動機構では、上記したようにラック200の長さRに応じた縦寸法Hの内部スペースを確保する必要があり、このような寸法の制約を受ける上では筐体120のサイズをスライド方向に縮めることができず、装置全体の小型化を図ることができなかった。
【0006】
また、ラック200およびピニオン300にはロック機構がないため、ユーザが手で強制的にスライドドア100を押し下げることができる。そうすると、ディスク回転部110が開いた状態となって高速回転中のディスクDに手で触れられるおそれがあった。
【0007】
さらに、スライドドア100の動きを品位的に優れたものとするには、たとえばある程度の速度で動き始めた後、途中の位置から次第に減速して最終的に停止させるといった手法が用いられる。ところが、当然ながらラック200およびピニオン300では、一貫して等速運動による動きしかできない。そのため、スライドドア100の動きに変化をつけるためには、移動停止位置を検出するスイッチのほか、減速位置を検出するスイッチなどを設けてピニオン300の回転速度を途中で変化させなければならず、このような構成を採用する上ではコストアップを避けることができなかった。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、装置全体の小型化を可能とし、品位的に変化のあるスライドドアの動きや、確実なドアロックを安価に実現することができるスライドドア移動機構、およびスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置を提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
すなわち、本発明の第1の側面によれば、スライドドアを所定のスライド方向に沿って移動させるためのスライドドア移動機構であって、スライドドアに一体化され、このスライドドアのスライド方向に沿って移動自在とされたスライダフレームと、スライダフレームに設けられ、スライドドアのスライド方向とは直交する方向に沿って細長状に形成された案内溝と、案内溝に先端部が案内され、基端部を中心に回転自在とされた揺動アームと、揺動アームの基端部に回転駆動力を伝える駆動系とを有することを特徴とする、スライドドア移動機構が提供される。
【0011】
好ましい実施の形態によれば、案内溝は、2つの揺動アームの各先端部に対して従節となる2つの溝を、互いに同一直線上に沿って直列状に並べたものであり、2つの揺動アームは、これらの各先端部が2つの案内溝に案内されつつ、駆動系からの回転駆動力に応じて互いに反対方向に略半回転させられる。
【0012】
他の好ましい実施の形態によれば、2つの揺動アームは、これらの各基端部の回転中心が2つの案内溝に平行な同一直線上に位置するように配置されている。
【0013】
他の好ましい実施の形態によれば、案内溝は、2つの揺動アームの各先端部に対して従節となる2つの溝を、互いに一定の平行間隔をもって斜交い状に並べたものであり、2つの揺動アームは、これらの各先端部が2つの案内溝に案内されつつ、駆動系からの回転駆動力に応じて互いに反対方向に略半回転させられる。
【0014】
他の好ましい実施の形態によれば、2つの揺動アームは、これらの各基端部の回転中心を結ぶ直線が2つの案内溝に平行な直線と鋭角をなすように配置されている。
【0015】
他の好ましい実施の形態によれば、案内溝には、全体的に観て外寄りの末端部分に端折れした格好の端折れ部が形成されている。
【0016】
他の好ましい実施の形態によれば、駆動系は、2つの揺動アームの各基端部に設けられたアームギア、これらアームギアを互いに連結して反対方向に回転させる同期ギア、正逆両方向に回転自在として回転駆動力を発生する駆動モータ、および駆動モータからの回転駆動力を減速しつつ同期ギアまたはアームギアのいずれかへと伝える減速ギア列からなる。
【0017】
他の好ましい実施の形態によれば、スライドドアは、揺動アームの回転動作に連動して鉛直方向上下に往復移動させられる。
【0018】
本発明の第2の側面によれば、スライドドアを所定のスライド方向に沿って移動させるためのスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置であって、スライドドアに一体化され、このスライドドアのスライド方向に沿って移動自在とされたスライダフレームと、スライダフレームに設けられ、スライドドアのスライド方向とは交わる方向に沿って細長状に形成された案内溝と、案内溝に先端部が案内され、基端部を中心に回転自在とされた揺動アームと、揺動アームの基端部に回転駆動力を伝える駆動系とをスライドドア移動機構の構成として有することを特徴とする、スライドドア移動機構を備えたオーディオ装置が提供される。
【0019】
好ましい実施の形態によれば、スライドドアは、オーディオディスクを鉛直面内で回転させる縦型のディスク回転部を覆うためのものであって、揺動アームの回転動作に連動して鉛直方向上下に往復移動させられる。
【0020】
本発明によれば、2つの揺動アームが回転すると、各揺動アームの先端部が案内溝に案内されながら円弧を描くように変位し、この案内溝を従節としてスライダフレームとともにスライドドアがスライド方向に移動する。要するに、揺動アームの回転運動は、案内溝を介してスライドドアの直線運動に変換される。たとえば、揺動アームの基端部から先端部にかけての回転半径を、スライドドアの移動ストロークのほぼ半分相当とすると、揺動アームが略半回転するのに応じてスライドドアは、最上部の位置から最下部の位置まで直線的に上下移動する。このとき、移動中のスライドドアの動きとしては、揺動アームの先端部と案内溝との相対的な位置関係に応じて速い状態や遅い状態に変化する。
【0021】
したがって、内部スペースとしては、スライダフレームの移動空間などのほか、揺動アームが回転できるだけの空間サイズが必要とされるが、この内部スペースをスライド方向に沿って限りなく切り詰めて最小サイズとしても揺動アームを含む機構全体を十分収めることができるので、寸法の制約を受けることなく筐体サイズをスライド方向に縮めることができ、装置全体の小型化を図ることができる。
【0022】
また、揺動アームがスライド方向に沿ってほぼ真っ直ぐ停止した状態では、案内溝と揺動アームの先端部との掛かり具合からスライドドアが固定されるので、スライドドアを手で動かそうとしても動くことはなく、確実なドアロックを実現することができる。特に、案内溝を全体的に観て外寄りの末端部分に端折れした格好の端折れ部を形成した場合には、この端折れ部に添って揺動アームの先端部を位置させることにより、確実にスライドドアを固定した状態とすることができる。
【0023】
さらに、揺動アームの回転速度を一定としても、その先端部と案内溝との相対的な位置関係に応じてスライドドアの動きが速くなったり遅くなったり途中で変化するので、品位的に変化のあるスライドドアの動きを安価に実現することができる。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う発明の実施の形態の説明によって、より明らかになるであろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るオーディオ装置の一例を示す外観斜視図である。この図に例示するオーディオ装置Aは、縦型のCDプレーヤとして構成されたものであって、コンパクトディスク1を鉛直面内で回転させるための縦型のディスク回転部11を備える。ディスク回転部11の前面には、鉛直方向に沿って上下移動により開閉可能な平板状のスライドドア10が設けられている。スライドドア10は、ディスク回転部11においてコンパクトディスク1が回転する様子を外側から観ることができるよう、全体的あるいは部分的に透明とされている。もちろん、スライドドア10は、不透明であっても良く、それ自体の特性や構造に特徴を有するものではない。このようなスライドドア10を鉛直方向に沿って上下移動させるべく、オーディオ装置Aの筐体12内部には、図示しないスライドドア移動機構が内蔵されており、スライドドア10は、鉛直方向に沿うレール溝13,13を通じてスライドドア移動機構に組み付けられている。以下、図面を参照してスライドドア移動機構について詳述する。
【0027】
本発明に係るスライドドア移動機構の一実施形態としては、図2および図3に示され、図2は、スライドドア移動機構の内部構造を側方から示した側方断面図、図3は、スライドドア移動機構の内部構造を後方から示した後方断面図である。なお、図2および図3においては、内部構造が良く分かるように一部部材を透かして示し、便宜上、図示省略した部材あるいは部分もある。これらの図に示すように、スライドドア移動機構は、スライドドア10、スライダフレーム20、2つの案内溝21,22、2つの揺動アーム31,32、ならびに2つの揺動アーム31,32に対して回転駆動力を伝える駆動系40などを有して概略構成されている。
【0028】
スライダフレーム20は、スライドドア10に一体化され、スライドドア10が上下移動するスライド方向に沿って移動自在とされる。具体的に言うと、スライダフレーム20は、スライドドア10の左右両側部にレール溝13,13(図2および図3においては図示省略)を通して固定され、さらにディスク回転部11に干渉することなく内部奥方で左右方向に延伸一体状としたフレーム中央部20Aを有するものである。
【0029】
2つの案内溝21,22は、スライダフレーム20のフレーム中央部20Aに左右方向に沿って細長く開口形成されたものであり、互いに同一直線上に沿って直列状に並べた形態とされている。また、各案内溝21,22には、全体的に観て外寄りの末端部分に若干下方に向けて端折れした格好の端折れ部21A,22Aが形成されている。なお、案内溝21,22は、開口形成されたものではなく、フランジ形成されたものであっても良い。
【0030】
2つの揺動アーム31,32は、各案内溝21,22に先端部31A,32Aがクランクピン31B,32Bを介して添うように連結され、基端部31C,32Cが回転中心31D,32Dを支点として回転自在に支持されている。具体的に言うと、2つの揺動アーム31,32は、各先端部31A,32Aに固定されたクランクピン31B,32Bが2つの案内溝21,22に添って滑りながら、駆動系40からの回転駆動力に応じて互いに反対方向に略半回転させられるように対称配置されている。したがって、各揺動アーム31,32における基端部31C,32Cの回転中心31D,32Dは、2つの案内溝21,22に平行な同一直線上に位置する。また、基端部31C,32Cの回転中心31D,32Dから先端部31A,32Aのクランクピン31B,32Bまでとされる揺動アーム31,32の回転半径は、スライドドア10の移動ストロークのほぼ半分相当とされている。さらに、案内溝21,22の端折れ部21A,22Aは、揺動アーム31,32が回転する際にクランクピン31B,32Bが描く軌跡と一致すべく、揺動アーム31,32の回転半径とほぼ同じ曲率半径として部分的に湾曲形成されている。これにより、クランクピン31B,32Bが端折れ部21A,22Aに添って位置する状態では、スライドドア10に外力を加えてもスライダフレーム20は上下動しない。特に図3を参照して説明すると、左側の揺動アーム31は、先端部31Aを最上部に位置させた状態から、時計回りに略半回転して先端部31Aを最下部に位置させた状態まで回転可能とされる一方、右側の揺動アーム32は、先端部32Aを最上部に位置させた状態から、反時計回りに略半回転して先端部32Aを最下部に位置させた状態まで回転可能とされる。なお、左右両側の揺動アーム31,32は、互いに回転方向が異なるものとされるが、回転速度および回転角が同一とされる。
【0031】
駆動系40は、揺動アーム31,32の各基端部31C,32Cの外周に形成されたアームギア41,42、これらのアームギア41,42を互いに連結して反対方向に回転させる2つの同期ギア43,44、正逆両方向に回転自在として回転駆動力を発生する駆動モータM、ならびに駆動モータMからの回転駆動力を減速しつつ一方の同期ギア43へと伝える減速ギア列としてのベルト45、プーリギア46、2つの減速ギア47,48などにより構成される。特に図3を参照して説明すると、駆動系40においては、駆動モータMが時計回りに回転すると、ベルト45を介してプーリギア46が同じく時計回りに回転し、このプーリギア46と噛み合う減速ギア47が反時計回りに回転し、この減速ギア47と噛み合う他方の減速ギア48が時計回りに回転し、この減速ギア48と噛み合う左側の同期ギア43が反時計回りに回転し、この同期ギア43とアームギア41が噛み合うことで左側の揺動アーム31が時計回りに回転する。これと同時に、右側の同期ギア44は、左側の同期ギア43と噛み合うことで時計回りに回転し、この同期ギア44とアームギア42が噛み合うことで右側の揺動アーム32が反時計回りに回転するように設計されている。もちろん、駆動モータMが反時計回りに回転する場合には、上記とは逆方向として左右両側の揺動アーム31,32が同時に回転することとなる。なお、駆動モータMの回転方向は、スライドドア10の移動停止位置を検出するスイッチ(図示省略)などからの信号に応じて切り替えられる。
【0032】
次に、図2および図3のほか、他の図面も参照してスライドドア移動機構の動作について説明する。
【0033】
図4ないし図7は、スライドドア移動機構における一連の動きを説明するための説明図である。特に、先述の図2および図3は、スライドドア10が閉じた状態に対応する図、図4および図5は、スライドドア10が移動途中でほぼ半分開いた状態に対応する図、図6および図7は、スライドドア10が完全に開いた状態に対応する図である。これらの図のうち、全体の動きが最も分かり易い、図3、図5、および図7を主要参照図として以下に説明する。
【0034】
まず、図3に示すように、スライドドア10がディスク回転部11を完全に閉じた状態の場合、左右両側の揺動アーム31,32は、時計でたとえて言うと、それぞれ11時55分と12時5分とを概ね指す位置に停止した状態にあり、駆動モータMは、回転動作を停止した状態にある。このとき、クランクピン31B,32Bが案内溝21,22の端折れ部21A,22Aに入り込んだ状態とされることから、各揺動アーム31,32は、確実に固持された状態となる。
【0035】
つまり、案内溝21,22の端折れ部21A,22Aと揺動アーム31,32の先端部31A,32Aにおけるクランクピン31B,32Bとの掛かり具合から、たとえばスライドドア10を手で下方向に動かそうとしても、揺動アーム31,32が回転することなくスライドドア10が固定された状態で動くことはない。
【0036】
次に、図3の状態から駆動モータMが時計回りに回転すると、左右両側の揺動アーム31,32には、それぞれ所定方向に回転する駆動力が加わり、各揺動アーム31,32の先端部31A,32Aが斜め下方に向けて動き出そうとする。すると、先端部31A,32Aにおけるクランクピン31B,32Bが案内溝21,22に添って徐々に滑り移動し始め、この案内溝21,22を従節としてスライダフレーム20が下方向に移動し始める。したがって、スライダフレーム20に一体化されたスライドドア10も、下方向に移動し始める。
【0037】
このような移動開始直後は、クランクピン31B,32Bの案内溝21,22に添って左右方向に移動する量が上下方向の移動量に比べて大きいため、スライドドア10の移動速度は低速とされ、ゆっくりとスライドドア10が下降し始めることとなる。
【0038】
さらに駆動モータMが時計回りに回転し、左右両側の揺動アーム31,32がそれぞれ3時、9時を指す通過位置にて回転途中の状態となると、図5に示すように、先端部31A,32Aにおけるクランクピン31B,32Bが案内溝21,22に添って互いに最も近づいた状態となる。このとき、各揺動アーム31,32は、回転速度を一定として回転しているが、クランクピン31B,32Bの上下方向の移動量が最大となることから、スライドドア10の移動速度も最大となり、最も速い速度でスライドドア10が下降する。
【0039】
さらに駆動モータMが時計回りに回転し、左右両側の揺動アーム31,32が回転すると、クランクピン31B,32Bの上下方向の移動量がしだいに小さくなるため、スライドドア10の移動速度は徐々に低下し、ゆっくりと減速しながらスライドドア10が下降する。
【0040】
最終的には、図7に示すように、左右両側の揺動アーム31,32がほぼ6時を指す位置に至ると、クランクピン31B,32Bが再び案内溝21,22の端折れ部21A,22Aに入り込んだ状態となり、各揺動アーム31,32が確実に固持された状態でスライドドア10の移動が停止する。これにより、スライドドア10は、ディスク回転部11を完全に開放した状態となる。
【0041】
以上説明した一連の動作は、スライドドア10を閉じた状態から開いた状態へと下降させるのに伴うものであるが、逆に、スライドドア10を開いた状態から閉じた状態へと上昇させる場合には、上記した一連の動作を逆にたどれば良い。
【0042】
したがって、上記スライドドア移動機構によれば、図2ないし図7に明らかなに示すように、筐体12の内部スペースには、スライダフレーム20が移動できるだけの空間や駆動系40などの設置空間のほか、揺動アーム31,32が回転できるだけの空間を十分確保することができる。そのため、内部スペースを上下方向に限りなく切り詰めて最小寸法H1(図3参照)としても、揺動アーム31,32を含む全部品を内部スペースに十分収めることができるので、寸法の制約を受けることなく筐体12のサイズを上下方向に縮めることができ、オーディオ装置A全体の小型化を図ることができる。
【0043】
また、揺動アーム31,32が停止した状態では、案内溝21,22の端折れ部21A,22Aとクランクピン31B,32Bとの掛かり具合からスライドドア10が固定した状態とされるので、スライドドア10を手で上下に動かそうとしても動くことはなく、確実なドアロックを実現することができる。
【0044】
さらに、揺動アーム31,32の回転速度を一定とすべく駆動モータMの回転数を一定としても、移動開始直後や移動停止直前では、スライドドア10の移動速度が低速となる一方で、移動ストロークのほぼ中間を移動する状態では、その移動速度が高速となる。つまり、揺動アーム31,32と案内溝21,22との相対的な位置関係に応じてスライドドア10の移動速度が変動するので、品位的に変化のあるスライドドア10の動きを揺動アーム31,32などの機械的仕組みだけで安価に実現することができる。
【0045】
さらに、本発明に係るスライドドア移動機構の他の実施形態について説明する。
【0046】
本発明に係るスライドドア移動機構の他の実施形態としては、図8に基本的形態を示すが、この図に示すスライドドア移動機構も、先の実施形態と同様に、図1のオーディオ装置Aに内蔵されたものとする。図8は、本発明の他の実施形態として、スライドドア移動機構の内部構造を後方から示した後方断面図である。なお、図8においても、内部構造が良く分かるように一部部材を透かして示し、便宜上、図示省略した部材あるいは部分もある。また、先の実施形態と同様とする部材あるいは部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図8に示すように、他の実施形態に係るスライドドア移動機構は、スライドドア10、スライダフレーム20、2つの案内溝51,52、2つの揺動アーム31,32、ならびに2つの揺動アーム31,32に対して回転駆動力を伝える駆動系60などを有して概略構成されている。
【0048】
2つの案内溝51,52は、スライダフレーム20のフレーム中央部20Aに左右方向に沿って細長く開口形成されたものであるが、互いに一定の平行間隔Pをもって斜交い状に左上寄りと右下寄りに並べた形態とされている。また、各案内溝51,52には、全体的に観て外寄りの末端部分に若干下方に向けて端折れした格好の端折れ部51A,52Aが形成されている。これらの端折れ部51A,52Aも、揺動アーム31,32が回転する際にクランクピン31B,32Bが描く軌跡と一致すべく、揺動アーム31,32の回転半径とほぼ同じ曲率半径として部分的に湾曲形成されている。これにより、クランクピン31B,32Bが端折れ部51A,52Aに添って位置する状態では、スライドドア10に外力を加えてもスライダフレーム20は上下動しない。
【0049】
2つの揺動アーム31,32は、先の実施形態とほぼ同様のものであるが、各基端部31C,32Cの回転中心31D,32Dを結ぶ直線L1が案内溝51,52に平行な直線L2と鋭角をなすように左上寄りと右下寄りに偏って配置されている。
【0050】
駆動系60は、先の実施形態と一部一致するが、揺動アーム31,32の各基端部31C,32Cの外周に形成されたアームギア61,62、これらのアームギア61,62を互いに連結して反対方向に回転させる2つの同期ギア63,64、正逆両方向に回転自在として回転駆動力を発生する駆動モータM、ならびに駆動モータMからの回転駆動力を減速しつつ一方のアームギア61へと伝える減速ギア列としてのベルト45、プーリギア46、2つの減速ギア47,48などにより構成される。さらに具体的に説明すると、駆動系60においては、駆動モータMが反時計回りに回転すると、ベルト45を介してプーリギア46が同じく反時計回りに回転し、このプーリギア46と噛み合う減速ギア47が時計回りに回転し、この減速ギア47と噛み合う他方の減速ギア48が反時計回りに回転し、この減速ギア48と左側のアームギア61とが噛み合うことにより、左側の揺動アーム32が時計回りに回転する。これと同時に、アームギア61に噛み合う左側の同期ギア63が反時計回りに回転し、この同期ギア63と噛み合う右側の同期ギア64が時計回りに回転し、さらにこの同期ギア64と右側のアームギア62とが噛み合うことにより、右側の揺動アーム32が反時計回りに回転するように設計されている。
【0051】
なお、他の実施形態についても一連の動きは、駆動モータMの回転方向が逆とされる以外は先の実施形態とほぼ同様であるため、図8のほかに図9および図10に動作状態を単に示し、その説明を省略する。
【0052】
したがって、他の実施形態によるスライドドア移動機構によれば、図8ないし図10に明らかに示すように、2つの揺動アーム31,32が互いに干渉することなく回転可能とされ、先の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
特に図10に示すように、揺動アーム31,32の各基端部31C,32Cの回転中心31D,32Dに関し、左右方向に沿って隔てた中心間距離C1は、先の実施形態として図7に示す中心間距離Cよりも短くなるので、内部スペースを左右方向に切り詰めて筐体12のサイズを小さくすることができ、オーディオ装置A全体の小型化をより一層図ることができる。
【0054】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。
【0055】
オーディオ装置Aとしては、CDプレーヤに限らず、たとえばDVDやMDなどのプレーヤであっても良く、広く言えば、スライドドア移動機構は、オーディオ装置Aに限らず、他の電子機器の操作部前面などに設けられたスライドドアを開閉させるためのものとしても良い。
【0056】
スライドドア移動機構は、スライドドア10を上下方向に限らず、左右方向や水平方向に沿って移動させるように設計されたものであっても良い。もちろん、上記の各実施形態とは逆に、スライドドア10が上昇すれば開いた状態となり、下降することで閉じた状態となるように構成しても良い。
【0057】
図3、図5および図7に示す2つの案内溝21,22は、互いに同一直線上に沿って直列状に並べた形態としたが、これらが一続きとなった形態の1つの案内溝としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオーディオ装置の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態として、スライドドア移動機構の内部構造を側方から示した側方断面図である。
【図3】本発明の一実施形態として、スライドドア移動機構の内部構造を後方から示した後方断面図である。
【図4】スライドドア移動機構における一連の動きを説明するための説明図である。
【図5】スライドドア移動機構における一連の動きを説明するための説明図である。
【図6】スライドドア移動機構における一連の動きを説明するための説明図である。
【図7】スライドドア移動機構における一連の動きを説明するための説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態として、スライドドア移動機構の内部構造を後方か示した後方断面図である。
【図9】他の実施形態による一動作状態を示す状態図である。
【図10】他の実施形態による一動作状態を示す状態図である。
【図11】スライドドアを移動させる従来の仕組みを説明するための説明図である。
【図12】スライドドアを移動させる従来の仕組みを説明するための説明図である。
【符号の説明】
A オーディオ装置
1 コンパクトディスク
10 スライドドア
11 ディスク回転部
12 筐体
20 スライダフレーム
21,22 案内溝
21A,22A 端折れ部
31,32 揺動アーム
31A,32A 先端部
31B,32B クランクピン
31C,32C 基端部
31D,32D 回転中心
40 駆動系
41,42 アームギア
43,44 同期ギア
M 駆動モータ
45 ベルト
46 プーリギア
47,48 減速ギア
51,52 案内溝
51A,52A 端折れ部
60 駆動系
61,62 アームギア
63,64 同期ギア

Claims (10)

  1. スライドドアを所定のスライド方向に沿って移動させるためのスライドドア移動機構であって、
    前記スライドドアに一体化され、このスライドドアのスライド方向に沿って移動自在とされたスライダフレームと、
    前記スライダフレームに設けられ、前記スライドドアのスライド方向とは交わる方向に沿って細長状に形成された案内溝と、
    前記案内溝に先端部が案内され、基端部を中心に回転自在とされた揺動アームと、
    前記揺動アームの基端部に回転駆動力を伝える駆動系と、
    を有することを特徴とする、スライドドア移動機構。
  2. 前記案内溝は、2つの前記揺動アームの各先端部に対して従節となる2つの溝を、互いに同一直線上に沿って直列状に並べたものであり、前記2つの揺動アームは、これらの各先端部が前記2つの案内溝に案内されつつ、前記駆動系からの回転駆動力に応じて互いに反対方向に略半回転させられる、請求項1に記載のスライドドア移動機構。
  3. 前記2つの揺動アームは、これらの各基端部の回転中心が前記2つの案内溝に平行な同一直線上に位置するように配置されている、請求項2に記載のスライドドア移動機構。
  4. 前記案内溝は、2つの前記揺動アームの各先端部に対して従節となる2つの溝を、互いに一定の平行間隔をもって斜交い状に並べたものであり、前記2つの揺動アームは、これらの各先端部が前記2つの案内溝に案内されつつ、前記駆動系からの回転駆動力に応じて互いに反対方向に略半回転させられる、請求項1に記載のスライドドア移動機構。
  5. 前記2つの揺動アームは、これらの各基端部の回転中心を結ぶ直線が前記2つの案内溝に平行な直線と鋭角をなすように配置されている、請求項4に記載のスライドドア移動機構。
  6. 前記案内溝には、全体的に観て外寄りの末端部分に端折れした格好の端折れ部が形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のスライドドア移動機構。
  7. 前記駆動系は、前記2つの揺動アームの各基端部に設けられたアームギア、これらアームギアを互いに連結して反対方向に回転させる同期ギア、正逆両方向に回転自在として回転駆動力を発生する駆動モータ、および前記駆動モータからの回転駆動力を減速しつつ前記同期ギアまたは前記アームギアのいずれかへと伝える減速ギア列からなる、請求項2ないし6のいずれかに記載のスライドドア移動機構。
  8. 前記スライドドアは、前記揺動アームの回転動作に連動して鉛直方向上下に往復移動させられる、請求項1ないし7のいずれかに記載のスライドドア移動機構。
  9. スライドドアを所定のスライド方向に沿って移動させるためのスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置であって、
    前記スライドドアに一体化され、このスライドドアのスライド方向に沿って移動自在とされたスライダフレームと、
    前記スライダフレームに設けられ、前記スライドドアのスライド方向とは交わる方向に沿って細長状に形成された案内溝と、
    前記案内溝に先端部が案内され、基端部を中心に回転自在とされた揺動アームと、
    前記揺動アームの基端部に回転駆動力を伝える駆動系と、
    を前記スライドドア移動機構の構成として有することを特徴とする、スライドドア移動機構を備えたオーディオ装置。
  10. 前記スライドドアは、オーディオディスクを鉛直面内で回転させる縦型のディスク回転部を覆うためのものであって、前記揺動アームの回転動作に連動して鉛直方向上下に往復移動させられる、請求項9に記載のスライドドア移動機構を備えたオーディオ装置。
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