JP3982121B2 - ヒートシンク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートシンク装置に関するものである.
【0002】
【従来の技術】
従来のヒートシンク装置について図24に示す。図24は、特開昭62−49700号公報に記載のヒートシンクであり、ヒートシンクベース21と、前記ヒートシンクベース21に直接固定した駆動モータ22と、前記駆動モータ22により回転する軸流ファン23と、前記ファン23の側面の少なくとも一部と直接対向し、しかも前記ファン23を囲むとように設けられた一様な肉厚を有するフィン24を有する。本従来例は、ファン23により駆動された気流が、隣接し合うフィン24により形成される風路を通過する間に該フィン23との間で熱交換を行い、ヒートシンクベース21が冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本従来例によれば、ファン23により駆動された気流は、ファン直下のヒートシンクベース21に衝突した後、ヒートシンクベース面に沿った方向に偏向させられ、ヒートシンクベース21の端部に向かって流れ去るので、偏向される際に遠心力の作用でヒートシンクベース面側に縮流して速度が増加し、実質的な気流通過断面が減少する。したがって、フィン24の高さ方向の内で実際に気流が通過するのは、ヒートシンクベース21の近傍のみであり、実質的な伝熱面積は小さい。したがって、フィン24の高さを増しても実質的な伝熱面積を増加させられないため、性能向上には限界があるという問題点があった。
【0004】
このような問題を回避するため、フィンの枚数を増やす、あるいはフィンの厚みを増して相対的に風路幅を減少させ摩擦抗力を増大化させることにより、フィンの上部に気流を導くことが考えられるが、使用環境中に存在する粉塵などが風路上に堆積してフィン間風路が閉塞するおそれがあること、またフィンの製造上の制約によりフィンの枚数が制限されることから、このような方法には限界がある。また、風路幅を一様に減少させると、全体として圧力損失が大きくなり風量が低下するため、結局満足な性能が得られないという問題点があった。
【0005】
本願発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒の通路における冷媒の流速分布が、ヒートシンクベース表面に垂直な方向において、ほぼ均一となるヒートシンク装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るヒートシンク装置は、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路における上記冷媒の流れが、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベース表面から離れた部分に当たるものである。
【0007】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路における上記冷媒の流れを上記ヒートシンクベース表面から離れる方向に変化させる障害物を設けたものである。
【0008】
又、障害物はヒートシンクベース表面から突出しているものである。
【0009】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記一対のフィンのいずれか一方のヒートシンクベース近傍における幅は、上記ファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が広く、かつ、このファンから離れた部分におけるフィンの幅は、上記ヒートシンクベース表面から離れるにつれて狭くなるものである。
【0010】
又、ファンから離れた部分におけるフィンの幅は、ヒートシンクベース表面から離れるにつれて階段状に減少するものである。
【0011】
又、ファンから離れた部分におけるフィンの幅はヒートシンクベース表面から離れるにつれて折れ線状に単調減少し、かつ、この折れ線を形成する線分は上記ヒートシンクベース表面から離れるほど傾きが緩やかになるものである。
【0012】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路のヒートシンクベース近傍における幅はファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が狭く、かつ、このファンから離れた部分における通路の幅は上記ヒートシンクベースから離れるほど広くなるものである。
【0013】
又、通路のファンから離れた部分におけるヒートシンクベースの表面には、該ヒートシンクベースを基準とする高さが一対のフィンのいずれよりも低く、かつ該一対のフィンとは異なるフィンが立設されているものである。
【0014】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ファンと対向する位置から上記フィンが立設された位置にかけて、上記ヒートシンクベースの厚さは上記ファンから離れるにつれ薄くなり、しかも、上記ヒートシンクベースの上記ファンと対向する位置における厚さよりも、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベースを基準とする高さと上記ヒートシンクベースの該フィンが立設された部分の厚さとの和の方が大きいものである。
【0015】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路の上記ヒートシンクベース表面を基準とする高さの略中間位置に、遮蔽板が挿入されているものである。
【0016】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ヒートシンクベース表面の上記ファンと対向する位置に突起物が複数立設されるとともに、該ヒートシンクベースの突起物が立設された位置よりも上記ファンから離れた位置に上記一対のフィンが立設されるものである。
【0017】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ヒートシンクベースの厚さは、上記ファンからの距離の増加に伴い単調増加し、該距離が所望の距離に達すると減少するものである。
【0018】
又、ファンが有する冷媒の取り込み口の縁から延在し一対のフィンを覆う隔壁板を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1(a)及び図1(b)は、本発明の第1の実施の形態によるヒートシンク装置の平面模式及び断面模式図である。図1において、1は裏面にパワーモジュールなどの被冷却体である発熱体が取り付けられるヒートシンクベース、2はヒートシンクベース1に対向して設けられた駆動モータ、3はヒートシンクベース1の表面に対向して設置され、駆動モータ2により駆動されることで風を送り込むファン、4はヒートシンクベース1の表面に立設されたフィンである。
【0020】
フィン4はヒートシンク中央部から外周に向かって複数立設されており、フィン4のフィン厚さはヒートシンクベース1からの距離の増加に伴って直線的に減少している。加えて、フィン4で囲まれた風路の外周に向かって、フィン4の先端部と底部のフィン厚さの割合が変化し、外周側ではフィン4の底部の厚さがより厚くなっている。
【0021】
以下に、フィン厚さの変化について、図2を用いて詳述する。尚、図2(a)はファン3に近い、風路の内周側(即ち、上流側)におけるフィン4及びヒートシンクベース1に関する図1(a)のA−A線断面図、図2(b)はファン3から離れた、風路の外周側(即ち、下流側)におけるフィン4及びヒートシンクベース1に関する図1(a)のB−B線断面図である。ここで、図2(a)における、内周側でのフィン最上部の風路幅dt1とフィン最下部の風路幅db1との関係はdt1>1.5×db1であり、図2(b)における、外周側でのフィン最上部の風路幅dt2とフィン最下部の風路幅db2の関係についてもdt2>1.5×db2の条件をみたしている。
【0022】
このとき、フィン間に形成された風路の幅は、ヒートシンクベース1からの垂直方向距離に応じて拡大し、かつ、前記風路に沿った方向にdt1/db1およびdt2/db2などの拡大率がフィン3端からの距離の増加に伴って増大する。
【0023】
尚、本実施の形態では、フィンの長さは70mm、フィン高さは30mm、フィン間風路の平均風速は最下流位置で4m/s、最下流位置でのフィン間風路幅の最大値は5mmである。
【0024】
次に、動作について説明する。ファン3から吹き出された気流は、ファン直下のヒートシンクベース1に衝突して方向を変え、フィン間の風路の内周部より流入し、外周に向かって流れる。従来、外周に向かって流れる気流のフィン高さ方向に沿った風速分布は、ヒートシンクベース付近で局所的に風速が速かったが、本実施の形態では、フィン間風路が底部で狭く先端部で広く、かつ外周部に向かって風路の底部側に対する先端側の幅の比率が拡大するため、フィン側面で生じる摩擦力による流体抵抗は風路幅の狭い底部付近で増加し(即ち、下流側でのフィン4の幅の増大分が気流に対する障害物として作用し)、底部付近に集中した気流がフィン間風路内でフィン高さ方向に拡散して、相対的にヒートシンクベース付近の風速が減少し、フィン先端部付近の風速が増加して、風速分布がフィン高さ方向で均一化する。
【0025】
また、使用環境中に存在する粉塵などが風路底部に堆積してフィン間風路が一部閉塞しても、フィン4の上部付近では風路が確保され、気流は風路上部を迂回して流れ、下流では再びフィン全体に拡がって流れることができる。
【0026】
本実施の形態は以上のように構成されているため、上記ヒートシンクベース1の表面近傍に偏っていた気流が、下流ほどヒートシンクベース1から離れる方向に移動するため、フィン間風路における風速分布が均一化する。そのため、フィン4の高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0027】
加えて、フィン4の幅は下流側ほど広くなっているので、それに伴い、フィン効率も大きくなる。そのため、気流の速度が風路を進むにつれて低下することによる冷却性能の低下を、下流側のフィン効率の増加により相殺でき、全体としての冷却性能を維持できるという効果を奏する。
【0028】
尚、ここで、フィン効率φは以下の計算式で表現される。
φ=tanh(u)/u
u=W・(h/(λ・y))1/2
【0029】
但し、W:フィンの高さ(m)
h:空気の熱伝達率(W/m2K)
λ:フィン材の熱伝導率(W/mK)
y:平均フィン厚さの半分(m)
である。
【0030】
尚、y=(a+b)/4
但し、a:トップのフィンの厚さ(m)
b:ボトムのフィンの厚さ(m)
である。
【0031】
本実施の形態では、フィン最上部の風路幅dtとフィン最下部の風路幅dbの関係について、dt>1.5×dbの条件を満たすように設定しているが、、フィン高さ、フィン間風路幅の平均値、フィン間風速の平均値、風路長などの条件に応じて適切な値の範囲が変化することは言うまでもない。
【0032】
また本実施の形態においては、フィン4はファン3から吹き出す気流の流れに沿って内周から外周に向かって略放射状に設けられているが、図3及び図4に示すように、フィンが直線的に並べられた場合についても同様の効果を奏する。ここで、図3はファン3がヒートシンクベース1のほぼ中央の位置に対向して設けられている場合、図4はファン3がヒートシンクベースの端部と対向するように設けられている場合を、それぞれ示す模式図である。
【0033】
又、本実施の形態では、ファン3から離れるにつれ、フィン4の最下部の幅が徐々に増大しているが、図5に示すように、フィン4の最下部の幅を階段状に増加させても良いことは言うまでもない。ここで、図5はフィン4をヒートシンク表面に垂直な方向から見た平面図である。
【0034】
さらに、図6に示すごとく、ファン3がヒートシンクベース1に対して傾斜して対向するように設けられた場合でも、同様の効果を奏する。また、本実施の形態では、図1(b)に示すように、ファン3はフィン4の最上部よりもヒートシンクベース1から離れて設置されていたが、図7に示すように、ファン3のヒートシンクベース1に対する面のヒートシンクベース表面からの距離が、フィンの最上部のヒートシンクベース表面からの距離よりも短くなるように、低い位置に設けられていても同様の効果を奏することは言うまでもない。尚、図6及び7はヒートシンク装置の上記変形例をそれぞれ示す断面模式図である。
【0035】
実施の形態2.
図8は、本発明の第2の実施の形態によるヒートシンク装置のフィンの断面形状を示す横断面図である。本実施の形態においては、フィン4の厚さをヒートシンクベース1からの距離の増加に伴って階段状に減少させている。尚、本実施の形態において、フィンの断面形状以外の構成については実施の形態1と同様である。
【0036】
図8(a)は、フィン4の内周側の断面であり、図8(b)は外周側の断面である。フィン底部でのフィン間風路幅dbに対するフィン先端部でのフィン間風路幅dtの比率は、同一フィン間風路において内周部から外周部に向かって増大する。本実施の形態では、ヒートシンクベース1からの高さHの位置でステップ41を設けており、ステップの高さHは同一フィンの内周から外周側に向かって一定である。
【0037】
本実施の形態は以上のように構成されているので、フィン間風路の下方ほど風路が狭くて流動抵抗が大きいため(つまり、気流に対する障害物として作用するため)、ヒートシンクベース面近傍に偏っていた気流がフィンの上方に拡散してフィン間の風速分布が均一化し、フィンの高さ方向全体にわたって伝熱面積が有効に確保されるので、実質的な冷却性能が向上し同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。また、粉塵などによるフィン間風路の閉塞に対しても迂回する風路が確保され、性能低下の度合いが小さいという効果を奏する。
【0038】
なお、本実施の形態では、ヒートシンクベース1からの高さHの位置で1つのステップ41を設けており、このステップ41の高さHは内周から外周側に向かって不変であるが、ステップ41は必要に応じて複数設けても良い。
また、図9に示すごとく、ステップ41の高さは外周に向かって徐々に高くなるように(即ち、HA<HBとなるように)変化してもよいことは言うまでもない。尚、図9(a)は内周側のフィン4の断面、図9(b)は外周側のフィン4の断面をそれぞれ示す断面模式図である。
【0039】
実施の形態3.
図10は本発明の第3の実施の形態によるヒートシンク装置のフィンの断面形状を示す横断面図である。本実施の形態においては、フィン4の厚さを、ヒートシンクベース1からの距離の増加に伴って、ヒートシンクベース1に対する傾きの異なる複数の線分からなる折れ線状に単調減少させている。尚、本実施の形態において、フィンの断面形状以外の構成については実施の形態1と同様である。
ここで、図10(a)はフィンの内周側の断面であり、図10(b)は外周側の断面をそれぞれ示す断面図である。実施の形態1と同様、フィン4の底部でのフィン間風路幅dbとフィン先端部でのフィン間風路幅dtの比率は内周部から外周部に向かって増大する。
【0040】
本実施の形態は以上のように構成されているため、ヒートシンクベース表面近傍に偏っていた気流が、フィン4の上方に移動してフィン間の風速分布が均一化しフィンの高さ方向全体にわたって伝熱面積が有効に確保されるので、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0041】
特に、図10に示されるように、折れ線を形成する線分がヒートシンクベース表面から離れるほど傾きが緩やかになる場合に、フィン間の風速分布がより均一化される。また、粉塵などの堆積による風路閉塞に対しても迂回する風路が確保され、性能低下の度合いが小さいという効果を奏する。
【0042】
実施の形態4.
図11は本発明の第4の実施の形態によるヒートシンク装置を表す平面模式図である。風路の幅が、底面部において上流側よりも下流側の方が狭く、しかも、ヒートシンクベース表面からの高さが高いほど広くなるようにするため、本実施の形態においては、フィンの枚数を風路に沿った上流側より下流側で増加させるとともに、増加されたフィンのヒートシンクベースからの高さを、風路を形成するフィンよりも低くしている。
【0043】
即ち、本実施の形態においては、フィンの高さは2種類であり、背の高いフィン4aと背の低いフィン4bとを交互に立設している。加えて、フィンの長さを、背の高いフィン4aが背の低いフィン4bよりも長くなるように設定している。又、フィン厚さはヒートシンクベースからの距離の増加に伴い直線的に減少し、風路幅はフィン先端部よりもフィン底部付近のほうが狭くなるよう設定されている。図12に、上記フィン4a及び4bの配置及び形状について、側面やや上方から見た拡大斜視図を示す。ここで、モータ2やファン3は省略している。
【0044】
つぎに、動作について説明する。フィン間の風路を流れる気流は、内周側では風路幅がフィン底部に近いほど狭いため、実施の形態1に示したごとくフィンの高さ方向の風速分布が改善される。さらに、外周側では、背の低いフィン4b(障害物)を追加して設けているため、フィン枚数が相対的に多いヒートシンクベース1に近傍では抵抗が大きいために風量が低下し、フィン4aの上端に近い側で相対的にフィン枚数が少なく、そのため、フィンの上部の風量が増加する。
【0045】
本実施の形態は以上のように構成されているので、ヒートシンクベース面近傍に偏っていた気流がフィンの上方に移動して、フィン間の風速分布が均一化し、フィンの高さ方向全体にわたって伝熱面積が有効に確保されるので、実質的な冷却性能が向上し同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0046】
なお、本実施の形態では、フィンの高さは2種類であるが、必要に応じて複数種類の高さを有するフィンを交互に立設するようにしてもよい。また本実施の形態では、一定の高さの背の低いフィン4bを内周側(即ち、下流側)には設けないで外周側にのみ設ける方法を採用しているが、このフィン4bの高さを内周側から外周側へ徐々に高くしてもかまわない。
【0047】
実施の形態5.
図13は本発明の第5の実施の形態によるヒートシンク装置を表す断面模式図である。本実施の形態においては、ファン3の直下からフィン4が立設された位置にかけて、ヒートシンクベース1の厚さが略階段状に減少し、しかも、ヒートシンクベース1のファン直下の位置における厚さh1よりも、フィン高さとその下のヒートシンクベース厚さとの和h2の方が大きいことを特徴とし、その他の点は実施の形態1と同様である。
【0048】
次に動作について述べる。ファン3からヒートシンクベース1に向かう気流は該ヒートシンクベース1に沿って流れ、フィン内周部より流入してフィン間風路に導入される。このとき、ヒートシンクベース1により、気流が外周側に押し出されるため、外周に向かって流れる速度ベクトルがより上流側で形成され、ヒートシンクベースの厚さが内周から外周にかけて一定の場合に比べ、フィン4の上方部への気流の導入が促進される。
【0049】
本実施の形態は以上のように構成されているので、気流がフィンの上方にも供給されフィン間の風速分布が均一化し、フィンの高さ方向全体にわたって伝熱面積が有効に確保されるので実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0050】
加えて、ファン直下のフィン4の存在しないヒートシンクベース面の肉厚が増加するので、ヒートシンクベース1が裏面から被冷却体である発熱素子などにより局所加熱されても、ヒートシンクベース1が厚いためヒートシンクベース面に沿った方向の熱伝導性が良好となり、周囲のフィン4が存在する領域に熱が効率的に拡散するため、局所的な温度上昇を引き起こしにくいという効果を奏する。
【0051】
特に、ヒートシンクベース1のファン直下の位置における厚さh1よりも、フィン高さとその下のヒートシンクベース厚さとの和h2の方が大きいので、ファンから送り込まれた直後の気流が、フィン4の最も内周側の上部にも当たりやすく、この部分における冷却性能が高くなる。そのため、このヒートシンクベース1のファン直下の部分から熱が良好に伝導されるフィン4の最も内周側の部分が、ファン3から送り込まれた直後の冷媒により冷却されるため、冷却性能がさらに向上するという効果も有する。
【0052】
さらに、ファン3からの気流がモータ2の直下に巻き込まれて渦を発生し、ファン3の特性が悪化して風量が低下するという問題が発生しないという効果も有する。
【0053】
実施の形態6.
図14は、本発明の第6の実施の形態によるヒートシンク装置を示す断面模式図である。本実施の形態においては、ファン3の直下からフィン4が立設された位置にかけて、ヒートシンクベース1の厚さが折れ線状に減少している。尚、本実施の形態において、ヒートシンクベースの断面形状以外の構成については実施の形態5と同様である。このように構成することで、実施の形態5に比べ、気流がスムーズに流れるという利点がある。
【0054】
さらに、ヒートシンクベース1の厚さの変化を曲線状に減少させてもよいことは言うまでもない。また、ヒートシンクベース1の厚さは、冷却すべき被冷却体が発生する熱量の増加に応じて増加させることは言うまでもない。
【0055】
実施の形態7.
図15は本発明の第7の実施の形態によるヒートシンク装置を表す要部模式図である。フィン4の高さ方向の略中間位置にヒートシンクベース1と略平行に、ファン直下部分が開口された遮蔽板5を挿入している。図15(a)は要部側面図、(b)はフィン4及び遮蔽板5のファン直下近傍の斜視図である。
【0056】
次に、動作について述べる。ファン3により下方に吹き出された風の一部は、ファン直下の空間に張り出した遮蔽板5の先端部分に衝突して偏向され、遮蔽板5により分割された風路の上方側に導入される。
【0057】
本実施の形態は以上のように構成されているので、ファン3からヒートシンクベース1に向かう気流の一部が風路の上方側にも供給されるため、フィン間の風速分布が均一化しフィンの高さ方向の全体にわたって伝熱面積が有効に確保されるので、実質的な冷却性能が向上し同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0058】
また、遮蔽板5の材質をたとえばアルミニウムなどの良熱伝導性材料とし、フィン3に機械的に嵌合させることにより、風速分布の制御のみならず伝熱面積の拡大という効果も奏する。
【0059】
なお、本実施の形態では、遮蔽板5はフィン高さ方向の略中間位置に1段のみ設置したが、フィン3の高さに応じて、遮蔽板5を多段に設置すればより効果が高められることは言うまでもない。また遮蔽板5のファン直下空間への張り出し距離を適切に設定することで、各遮蔽板5で囲まれた空間への所望の風量分配比を実現できることは言うまでもない。
【0060】
実施の形態8.
図16は本発明の第8の実施の形態によるヒートシンク装置を表す平面模式図である。ここで、ファン3及びモータ2は省略している。又、図17はファン対向位置近傍における突起物及びフィンの形状を示す斜視図である。本実施の形態においては、ファン3直下のヒートシンクベース表面に、障害物である柱状の突起物7を複数立設している。又、本実施の形態は、突起物7が設けられている点を除いて、その他の点は実施の形態1と同様である。尚、フィン4の幅は一定であってもかまわない。
【0061】
次に動作を説明する。ファンから吹き出す気流が柱状の突起物7の設けられたヒートシンクベース表面に衝突し、突起物7の間を通過する際、空気と突起物7の間で熱伝達が行われる。このとき、柱状の突起物7により気流の乱れが生じるため、突起物表面およびヒートシンクベース表面での熱伝達が促進される。加えて、外周に向かう気流に対する流体抵抗が増すため、フィン4の高さ方向に気流が拡がり外周に向かう風速が均一化する効果も有する。
【0062】
本実施の形態は以上のように構成されているので、突起物7が気流に対する抵抗体としてはたらき、フィン間の風速分布を均一化する効果を増加させるとともに、拡大伝熱面としてはたらきヒートシンクの冷却性能がより向上するという効果を奏する。
【0063】
なお、本実施の形態においては突起物の形状を柱状としたが、拡大伝熱面として有効な総面積を持ち、また抵抗体として働きさえすれば、角柱、円錐、角錐などの形状であってよいことは言うまでもない。
【0064】
実施の形態9.
図18は、本発明の第9の実施の形態によるヒートシンク装置に適用されるフィンの形状を表す模式図である。本実施の形態においては、フィン表面から風路に向けて突起物10を突出させている。フィン4の形状を除きその他の点は実施の形態1と同様である。
【0065】
つぎに、図19を用いて動作について説明する。図19は、フィン間風路を流れる気流の様子を示す模式図である。図に示すように、気流は突起物10の存在により風路が狭められるため風速が増加し、フィン高さ方向の風速分布が均一化され易い。加えて、前記突起物10に衝突して乱流化し熱伝達率が増加する。また、流れが蛇行してフィン側面に向かう流れが生じるため熱伝達率が増加する。
【0066】
本実施の形態は以上のように構成されているため、フィン間の風速分布均一化を助長するとともに、突起物10がフィン間の気流の乱れを増大化させ熱伝達を促進すると同時に、拡大伝熱面として働き冷却性能を向上させるという効果を奏する。さらに、ダイキャスト等で製作する際の離型のための抜きピンとして、突起物10を兼用できるという効果を奏する。
【0067】
実施の形態10.
図20は本発明の第10の実施の形態によるヒートシンク装置の断面図である。本実施の形態においては、ヒートシンクベース1のフィンが立設されていない部分からフィン4の立設されている部分の内周側にかけて、気流の下流に向かってヒートシンクベースから突出する傾斜面11(障害物)をヒートシンク中央を中心とする位置に、円周上に設けている。
【0068】
次に動作について説明する。ファン3から吹き出された気流はヒートシンクベース1に衝突した後、フィン間風路に流入し、ヒートシンクベース1から突出した傾斜面11に沿って斜め上方に偏向される。傾斜面11の下流では、剥離が生じて圧力が下がりヒートシンクベース側にも気流が拡がり、風速分布が均一化する。
【0069】
本実施の形態は以上のように構成されているので、傾斜面11に沿って気流が斜め上に偏向されフィンの上方まで気流が到達し、風速分布が均一化するという効果を奏する。
【0070】
なお、本実施の形態においては傾斜面11を一カ所配置したものとしたが、気流が拡がるように配置すればよく、複数の円周上に設けてもよいことは言うまでもない。傾斜面11が平面でなく、曲面などであってもよいことは言うまでもない。
【0071】
実施の形態11.
図21は第11の実施の形態によるヒートシンク装置の断面模式図である。本実施の形態における構造は、隔壁板9をファン3の吸い込み口に、例えばねじ(図示せず)で固着したものであることを特徴とする。その他の点については、実施の形態1と同様である。
【0072】
次に、動作について述べる。ファン3から吹き出た気流は、ファン直下のヒートシンクベース1に衝突して方向を変えフィン間内周部より流入し、外周に向かって流れる。このとき、実施の形態1にて示したように、気流は外周側でフィンの上部へ拡散するよう設定されているため、隔壁板9は過度に気流が拡散して風速が低下するのを防止することができる。
【0073】
また、隔壁板9を用いることによって、熱交換によって加熱した空気が上部へ回り込み、再びファン3の吸入口から吸い込まれて、空気の温度が上昇して熱交換効率が低下してしまうことを防止することができる。
【0074】
実施の形態12.
図22は第12の実施の形態によるヒートシンク装置の平面模式図である。本実施の形態における構造は、ヒートシンクベース1の中央から偏った位置に対向して、ファン3が取り付けられていることを特徴とする。その他の点については、実施の形態1と同様である。
【0075】
本実施の形態は以上のように構成されているので、発熱体6(被冷却体)を、ファン3の直下ではなく、フィン1が立設する位置の裏面に設置することができる。そのため、この発熱体全体から、冷却性能の高いフィン3を介して効率的に熱を放散することが可能となる。
【0076】
実施の形態13.
図23は本発明の第13の実施の形態によるヒートシンク装置の平面図である。本実施の形態における構造は、ヒートシンクベース1が長方形であって、フィン4の全長が短い部分では、フィン4同志の間隔を狭くし、反対に、フィン4の全長が長い部分では、フィン4同志の間隔を広くすることを特徴とする。その他の点については、実施の形態1と同様である。
【0077】
本実施の形態は以上のように構成されているので、風速分布がフィン4の全長が長い方で速くなり、短い方で遅くなるので、風路の終端部における風速分布が均一化し、冷却性能が向上するという効果を有する。
【0078】
尚、上記実施の形態1乃至13の説明では、ヒートシンクベース側を下、フィンの先端側を上として説明したが、これは、単に説明の便宜を図るためであり、ヒートシンク装置自体の取り付け方によっては、その位置関係が上下逆、もしくは左右となったりすることがあることは言うまでもなく、又それだけに限られるものではない。
【0079】
【発明の効果】
この発明に係るヒートシンク装置は、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路における上記冷媒の流れが、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベース表面から離れた部分に当たるので、フィンの高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0080】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路における上記冷媒の流れを上記ヒートシンクベース表面から離れる方向に変化させる障害物を設けたので、上記冷媒の流れが障害物に当たり、上記ヒートシンクベース表面近傍に偏っていた該冷媒の流れが、ヒートシンクベース表面から離れる方向に移動するため、上記通路における冷媒の流れのヒートシンクベース表面に垂直な方向の速度分布がより均一化する。そのため、フィンの高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0081】
又、障害物はヒートシンクベース表面から突出しているので、当該ヒートシンク装置を容易に製造することが可能となる。
【0082】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記一対のフィンのいずれか一方のヒートシンクベース近傍における幅は、上記ファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が広く、かつ、このファンから離れた部分におけるフィンの幅は、上記ヒートシンクベース表面から離れるにつれて狭くなるので、上記ヒートシンクベース表面近傍に偏っていた冷媒の流れが、上記通路を進むにつれて、ヒートシンクベース表面から離れる方向に移動するため、上記通路における冷媒の流れのヒートシンクベース表面に垂直な方向の速度分布がより均一化する。そのため、フィンの高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。加えて、上記ヒートシンクベース近傍におけるフィンの幅は、上記ファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が広いので、上記通路の下流側ほど、フィン効率は大きくなっている。そのため、上記冷媒の流速が通路を進むにつれて低下することによる冷却性能の低下を、通路下流側のフィン効率の増加により相殺して、全体としての冷却性能を向上できるという効果を奏する。
【0083】
又、ファンから離れた部分におけるフィンの幅は、ヒートシンクベース表面から離れるにつれて階段状に減少するので、該フィンを形成しやすく、そのため、当該ヒートシンク装置を容易に製造することが可能となる。
【0084】
又、ファンから離れた部分におけるフィンの幅はヒートシンクベース表面から離れるにつれて折れ線状に単調減少し、かつ、この折れ線を形成する線分は上記ヒートシンクベース表面から離れるほど傾きが緩やかになるので、上記フィンの平均厚さが増大し、そのため、フィン効率が向上し、これにより、冷却性能が向上する。
【0085】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路のヒートシンクベース近傍における幅はファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が狭く、かつ、このファンから離れた部分における通路の幅は上記ヒートシンクベースから離れるほど広くなるので、上記ヒートシンクベース表面近傍に偏っていた冷媒の流れが、上記通路を進むにつれて、ヒートシンクベース表面から離れる方向に移動するため、上記通路における冷媒の流れのヒートシンクベース表面に垂直な方向の速度分布がより均一化する。そのため、フィンの高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。
【0086】
又、通路のファンから離れた部分におけるヒートシンクベースの表面には、該ヒートシンクベースを基準とする高さが一対のフィンのいずれよりも低く、かつ該一対のフィンとは異なるフィンが立設されているので、容易に、通路のヒートシンクベース近傍における幅をファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が狭くなるようにし、しかも、このファンから離れた部分における通路の幅を上記ヒートシンクベースから離れるほど広くする構造を実現できる。
【0087】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ファンと対向する位置から上記フィンが立設された位置にかけて、上記ヒートシンクベースの厚さは上記ファンから離れるにつれ薄くなり、しかも、上記ヒートシンクベースの上記ファンと対向する位置における厚さよりも、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベースを基準とする高さと上記ヒートシンクベースの該フィンが立設された部分の厚さとの和の方が大きいので、ヒートシンクベースのファン直下のフィンが設けられていない部分の厚さが、その部分の周囲のフィンが立設された部分に比べて厚く、そのため、該ファン直下の部分が裏面から被冷却体により加熱されても、その部分の厚さが厚いために、ベース面に水平な方向の熱伝導性が良好となり、フィンが立設された領域に熱が拡散しやすくなるので、局所的な温度上昇を引き起こしにくいという効果を奏する。
さらに、ファンからの気流がモータ直下に巻き込まれて渦を発生し、ファンの特性が悪化して風量が低下するという問題を解決できるという効果も有する。
又、特に、上記ヒートシンクベースの上記ファンと対向する位置における厚さよりも、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベースを基準とする高さと上記ヒートシンクベースの該フィンが立設された部分の厚さとの和の方が大きいので、ファンから送り込まれた直後の冷媒が上記フィンのファンに近い部分に当たりやすく、このフィンのファンに近い部分における冷却性能が高くなる。そのため、上記ヒートシンクベースのファン直下の厚い部分から良好に熱が伝される上記フィンのファンに近い部分が、上記ファンから送り込まれた直後の冷媒により冷却されるため、冷却性能がさらに向上するという効果も有する。
【0088】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路の上記ヒートシンクベース表面を基準とする高さの略中間位置に、遮蔽板が挿入されているので、ファンからヒートシンクベースに向かう冷媒の流れの一部が、フィンのヒートシンクベースに垂直な方向の上方側にも供給されるため、上記通路における冷媒の流れのヒートシンクベース表面に垂直な方向の速度分布がより均一化する。そのため、フィンの高さ方向にわたって伝熱面積が有効に確保され、実質的な冷却性能が向上し、同一体積での冷却性能が著しく向上するという効果を奏する。また、遮蔽板の材質をたとえばアルミニウムなどの良熱伝導性材料とし、フィンに機械的に嵌合させることにより、流速分布の制御のみならず、伝熱面積の拡大という効果も奏する。
【0089】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ヒートシンクベース表面の上記ファンと対向する位置に突起物が複数立設されるとともに、該ヒートシンクベースの突起物が立設された位置よりも上記ファンから離れた位置に上記一対のフィンが立設されるので、複数の突起物が冷媒の流れに対する抵抗体としてはたらき、フィン間の風速分布をさらに均一化させるとともに、拡大伝熱面としてもはたらき、ヒートシンクの冷却性能がより向上するという効果を奏する。
【0090】
又、裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ヒートシンクベースの厚さは、上記ファンからの距離の増加に伴い単調増加し、該距離が所望の距離に達すると減少するので、このヒートシンクベースの厚さの変化により形成される斜面に沿って、冷媒の流れがヒートシンクベースから離れる方向に偏向され、ヒートシンクベース表面に垂直な方向における冷媒の流速分布がより均一化するとともに、ファンから所望の距離離れたところで冷媒の流れがヒートシンクベース表面から剥離し、それよりも下流側において上記冷媒の流れの一部がヒートシンクベース側にも拡散するので、冷媒の流速分布がさらに均一化し、そのため、さらなる冷却性能の向上が実現できるという効果を奏する。
【0091】
又、ファンが有する冷媒の取り込み口の縁から延在し一対のフィンを覆う隔壁板を備えたので、熱交換して温度が上昇した冷媒が、再びファンの吸い込み口から流入して冷却効率が低下することを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を表す模式図である。
【図2】 実施の形態1におけるフィン形状を示す断面模式図である。
【図3】 ファン取り付け位置の他の例を示す模式図である。
【図4】 ファン取り付け位置の他の例を示す模式図である。
【図5】 フィン形状の他の例を示す平面模式図である。
【図6】 ファン取り付け状態の他の例を示す模式図である。
【図7】 ファン取り付け状態の他の例を示す模式図である。
【図8】 実施の形態2におけるフィン形状を示す断面模式図である。
【図9】 フィン形状の他の例を示す断面模式図である。
【図10】 実施の形態3におけるフィン形状を示す断面模式図である。
【図11】 実施の形態4を表す平面模式図である。
【図12】 実施の形態4におけるフィン形状を示す斜視図である。
【図13】 実施の形態5を表す断面模式図である。
【図14】 実施の形態6を表す断面模式図である。
【図15】 実施の形態7を表す模式図である。
【図16】 実施の形態8を表す模式図である。
【図17】 実施の形態8におけるファン対向位置近傍における突起物及びフィンの形状を示す斜視図である。
【図18】 実施の形態9におけるフィン形状を示す斜視図である。
【図19】 実施の形態9における気流の状態を示す模式図である。
【図20】 実施の形態10を表す断面模式図である。
【図21】 実施の形態11を表す断面模式図である。
【図22】 実施の形態12を表す平面模式図である。
【図23】 実施の形態13を表す平面模式図である。
【図24】 従来例を表す模式図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンクベース、 2 モータ、 3 ファン、 4 フィン、
4a 背の高いフィン, 4b 背の低いフィン、 5 遮蔽板、
6 発熱体、 7 突起物、 9 隔壁板、 10 突起物、
11 傾斜面、 21 ヒートシンクベース、 22 モータ、
23 ファン、 24 フィン、 41 ステップ。
Claims (8)
- 裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記一対のフィンのいずれか一方のヒートシンクベース近傍における幅は、上記ファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が広く、かつ、このファンから離れた部分におけるフィンの幅は、上記ヒートシンクベース表面から離れるにつれて狭くなることを特徴とするヒートシンク装置。
- ファンから離れた部分におけるフィンの幅は、ヒートシンクベース表面から離れるにつれて階段状に減少することを特徴とする請求項1記載のヒートシンク装置。
- ファンから離れた部分におけるフィンの幅はヒートシンクベース表面から離れるにつれて折れ線状に単調減少し、かつ、この折れ線を形成する線分は上記ヒートシンクベース表面から離れるほど傾きが緩やかになることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク装置。
- 上記フィンの最上部の風路幅をdt、上記フィンの最下部の風路幅をdbとした場合、dt>1.5×dbの条件を満たすように上記フィンが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒートシンク装置。
- 裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ファンと対向する位置から上記フィンが立設された位置にかけて、上記ヒートシンクベースの厚さは上記ファンから離れるにつれ薄くなり、しかも、上記ヒートシンクベースの上記ファンと対向する位置における厚さよりも、上記一対のフィンのいずれか一方の上記ヒートシンクベースを基準とする高さと上記ヒートシンクベースの該フィンが立設された部分の厚さとの和の方が大きく、かつ、ファンから離れた部分におけるフィンの幅はヒートシンクベース表面から離れるにつれて折れ線状に単調減少し、かつ、この折れ線を形成する線分は上記ヒートシンクベース表面から離れるほど傾きが緩やかになることを特徴とするヒートシンク装置。
- 裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記通路の上記ヒートシンクベース表面を基準とする高さの略中間位置に、遮蔽板が挿入されていることを特徴とするヒートシンク装置。
- 裏面において被冷却体に近接するヒートシンクベースと、上記ヒートシンクベースの表面に立設された一対のフィンと、上記ヒートシンクベースの表面に対向して設置され、かつ上記一対のフィンとヒートシンクベースに囲まれた通路に冷媒を送り込むファンとを備えたヒートシンク装置において、上記ヒートシンクベース表面の上記ファンと対向する位置に突起物が複数立設されるとともに、該ヒートシンクベースの突起物が立設された位置よりも上記ファンから離れた位置に上記一対のフィンが立設され、かつ、上記一対のフィンのいずれか一方のヒートシンクベース近傍における幅は、上記ファンに近い部分よりも該ファンから離れた部分の方が広く、かつ、このファンから離れた部分におけるフィンの幅は、上記ヒートシンクベース表面から離れるにつれて狭くなることを特徴とするヒートシンク装置。
- ファンが有する冷媒の取り込み口の縁から延在し、一対のフィンを覆う隔壁板を備えた請求項1乃至7のいずれか1項に記載のヒートシンク装置。
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