JP3980105B2 - 静磁場発生装置及び磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

静磁場発生装置及び磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)などに用いられる静磁場発生装置に係り、特に静磁場発生装置が作る静磁場の磁場均一度を改善するための磁場補正手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間の身体の構造を非破壊的に検査する手段としては、X線CT装置や超音波画像診断装置などが広く利用されている。それらの中で、核磁気共鳴(以下、NMRという)現象を用いて人体内部を画像化することができるMRI装置は、放射線の被曝がなく良質な画像が得られるという特徴をもっている。
【0003】
ここで、NMR現象について概略を述べると、人体内部の固有の磁気モーメントをもつ原子核の集団は、静磁場中に置かれたときに、その静磁場と同じ方向を向き、特定の周波数で回転する。この回転運動はラーモア歳差運動と呼ばれ、静磁場の磁束密度をB、特定の周波数(ラーモア周波数)をfとした場合、両者の間には式(1)の関係がある。
【数1】
f=γB(γ:核磁気回転比)…(1)
この静磁場と垂直な方向に高周波磁場を加えると、上記の原子核の集団は励起され、検出器を静磁場と垂直な方向に置くことにより、特定の原子核から放出されるNMR信号が得られる。
【0004】
MRI装置の場合には、上記の手順のみでは位置情報が得られないため、式(1)を利用して静磁場に一時的に磁場傾斜を与える傾斜磁場を加えることで位置情報を付与し、位置情報に対応する周波数ごとに人体内部から放出されるNMR信号の強度分布データを収集し、そのNMR信号をフーリエ変換することで人体内部の画像化を行う。そのため、MRI装置によって作られる画像は、静磁場、傾斜磁場、高周波磁場の3つの磁場の磁場特性によって直接的に影響を受ける。たとえば、傾斜磁場の特性が悪いと画像の歪みが生じ、高周波磁場の特性が悪いと画像のぼけが生じる。その中にあって、静磁場の特性は、画像の歪み、画像のぼけ、S/Nに直接影響を与え、MRI装置における基本性能を決める最重要な特性である。そのため、撮影空間(計測空間ともいう)内の静磁場としては、数100ppmオーダーの高均一性と高安定性が要求されている。この高均一で安定度の高い静磁場を発生するために静磁場発生装置が使用される。
【0005】
静磁場発生装置では、撮影空間内に高い静磁場を発生させることにより、装置外部に多くの磁場が漏洩するという問題が生じる。一般に、これを漏洩磁場と呼んでいる。この漏洩磁場が大きい場合には、この影響を受けて、装置の周囲にある電気的または磁気的機器、部品などが正常に動作しなくなる。例えば、MRI装置のディスプレイ、コンピュータ、時計などが誤動作する場合がある。特に、病院では、心臓病の患者が多いため、心脈数を制御するペースメーカーを持ち歩いている人たちにとっては生死にかかわる問題であり、漏洩磁場に関しては特に配慮が必要である。
【0006】
そこで、漏洩磁場を低減するために、磁場発生源から発した磁束線の通路(磁路)を作り、その磁路に磁束線を収束することにより装置外部への磁場の漏洩を少なくしようとしている。一般に、この磁束線の通路のことを磁気回路と呼んでいる。
【0007】
図21には従来の静磁場発生装置の一例を示す。図21は静磁場発生装置の全体斜視図である。図21において、静磁場発生装置1は撮影空間2を間に挾んで上下に配置された静磁場発生源3により撮影空間2内に高い静磁場を発生させている。静磁場発生源3は超電導コイル4とこれを超電導状態まで冷却する冷却容器5から構成されている。上下の超電導コイル4が発生する上下方向の磁束線BZ は静磁場発生源3の上下に配置された板状の強磁性体6によって受け止められ、さらに静磁場発生源3の側方に設けられた柱状の強磁性体7を帰路として超電導コイル4に戻るように磁気回路が構成されている。また、柱状の強磁性体7は、磁束線の帰路としての役割とともに、撮影空間2の上下に配置された構造物を機械的に支持する働きもしている。板状の強磁性体6や柱状の強磁性体7の材料としては、機械的な強度や原価の面から一般に鉄が使用されている。
【0008】
図21に示した従来例では、前方と後方の2方向が開放されているため、撮影空間2に挿入された被検体は閉塞感を受けずに済み、検査者も前方または、後方から容易に被検体にアクセスすることができる。また、柱状の強磁性体7が撮影空間2に発生される磁束線の帰路となっているために、磁束が装置から離れて遠くまで広がることがなく、漏洩磁場を少なくすることができる。
しかし、柱状の強磁性体7のような複数の帰路をもつ磁気回路においては、この柱状の強磁性体7が撮影空間2内の磁場均一性を阻害する要因となる。
【0009】
従来の水平磁場方式の静磁場発生装置では、磁気回路がソレノイド形状をしており、帰路が対称に配置されているので、柱状部の磁気モーメントも周方向に一様になっている。これに対し図21のような柱状の強磁性体7からなる帰路をもつ磁気回路の場合には、磁束線の分布が柱状の強磁性体7の有る方向と無い方向とで異なるため、周方向の磁場分布が変化する。その結果、この周方向の磁場分布の変化に起因して撮影空間2内の静磁場が不均一となるので、設計段階から、この不均一磁場成分の補正が考慮されており、図21の従来例では、冷却容器5の表面に強磁性体片8を配置して磁場補正が行われている。
【0010】
磁場均一度の評価方法としては、静磁場内の評価する球面上に測定点をとり、その測定点における磁場の値を式(2)のルジャンドル関数で展開して評価する方法が良く知られている。
【数2】
Figure 0003980105
ここで、(r、θ、φ)は球面座標系を意味し、rは座標中心からの距離、θはZ軸となす角度、φはZ軸を中心とする回転角度である。
式(2)において、A(m、n)項の値が、静磁場項A(0、0)の値に対して小さければ小さい程、磁場均一度が良いことになる。以下、「A(0、0)項に対する各展開項の係数の比」のことを展開係数比と呼ぶことにする。
【0011】
式(2)から発生する磁場の成分は、大きく分けて「軸対称成分」と「軸非対称成分」とに分けることができる。軸対称成分とは、Z軸(静磁場方向)に関して対称な磁場成分で、(r、θ)の座標のみに依存する。数学的には、ルジャンドル関数のm=0の項のことである。軸非対称成分とは、(r、θ、φ)の全ての座標に依存し、ルジャンドル関数のm≠0の項のことである。
【0012】
一般的には、静磁場の磁場均一度を補正する手段として、対向する冷却容器5の対向する側の表面に、強磁性体片(鉄を用いているので、以下鉄片と呼ぶ)8を配置する。鉄片8の位置は、不均一磁場成分を消去するように決定される。そのため、不均一磁場成分が大きい程、鉄片8の量が多く必要となり、鉄片8を配置するための広い領域が必要となる。その結果、傾斜磁場コイル(GC)や高周波コイル(RFコイル)などを配置する領域(クリアボア)内を有効に利用できなくなる。
【0013】
この対応策として、冷却容器5の対向間隔を広げることで、鉄片8を配置する領域を大きくすることも考えられるが、冷却容器5の対向間隔が広くなるとその中の超電導コイル4の対向間隔も広くなってしまう。超電導コイル4の対向間隔が大きくなると、その大きさの3乗〜5乗に比例して、所望の静磁場強度を発生させるための起磁力が増加する。この起磁力が増加すると、機械的な構造も複雑化し、コスト的にも上昇し大きな問題となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した如く、従来の静磁場発生装置では、鉄片8によって静磁場内の不均一磁場を精度良く補正しようとすると、補正のための領域が大きくなり、装置外形が大型化し、製造コストも上昇するという問題があった。
本発明では、静磁場を補正する鉄片の総重量および鉄片を配置する領域を最小限にとどめ、かつ磁場均一度の良好な静磁場発生装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の静磁場発生装置は、有限の領域に第1の方向に向かう静磁場を発生させる電流を流す電流搬送手段と、該電流搬送手段を収容し支持する容器とを有する静磁場発生源と、第1の方向とほぼ直交するように配置されて前記静磁場発生源が発生する磁束線を集めるための1対の磁束収束手段と、前記1対の磁束収束手段を磁気的に接続して磁束線を通す磁気回路を形成する少なくとも1個以上の磁束通過手段とを具備する静磁場発生装置において、前記静磁場発生源の外部であって前記磁束収束手段の前記静磁場発生源に対向する領域の少なくとも一部を含む領域に前記有限の領域の静磁場の磁場補正する磁場補正手段が設けられ、前記磁場補正手段は、少なくとも1個以上の比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴を有している
【0016】
この構成では、磁束収束手段の一部に磁場補正手段である比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴を設けることにより、磁束収束手段内の磁束線の流れが変化し、その結果として撮影空間である有限の領域内の静磁場が磁場補正される。
【0017】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または空隙穴は円形状で、前記磁束収束手段のほぼ中心部に、ほぼ第1の方向に沿って設けられているこの構成では、磁場補正手段が円形状のものであるので、加工性が良く、コスト低減に寄与し、補正効果も大きいという効果がある。
【0018】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記比透磁率の低い物質で充填した部分または空隙穴は楕円形状または長方形状で、前記磁束収束手段のほぼ中心部に、ほぼ第1の方向に沿って設けられているまた、前記磁束通過手段が前記静磁場発生源の第1の方向に沿った中心軸に対し左右に配置されており、前記楕円形状のものまたは長方形状のものの長手方向が前記磁束通過手段の存在する方向にほぼ平行になるように構成されている
【0019】
この構成では、磁場補正手段が楕円形状または長方形状で、その長手方向が磁束通過手段の有る側と平行になるので、磁束線の流れの変化が大きく、磁場補正効果が大きい。
【0020】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴が、前記静磁場の中心を通り前記第1の方向に平行な軸を中心軸として半径方向に前記中心軸から離れた位置に複数個設けられているまた、前記の比透磁率の低い物質で充填した部分または/および空隙穴がほぼ第1の方向に沿って設けられた扇形状のものまたは円形状のものでありあるいは前記中心軸に関し対称の位置に配置されている
【0021】
この構成では、磁場補正手段が半径方向に中心軸から離れた位置に設けられているので、局部的な磁場補正に有効である。また、磁場補正手段が複数個設けられ、さらに対称の位置に配置されると大きな磁場補正が可能となる。
【0022】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記空隙穴の1個以上をねじ穴とし、該ねじ穴のうちの1個以上に、全体または一部が強磁性体からなるボルトを挿入したものであるこの構成では、磁場補正手段であるねじ穴に強磁性体からなるボルトを挿入して、ねじ穴部に存在する強磁性体の量を調整して磁場補正するものであり、磁場の微調整が可能となる。強磁性体の量が多くなれば磁場補正量は大きく、強磁性体の量が少なくなれば磁場補正量は小さくなる。
【0023】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴の深さ方向にテーパ加工または段付き加工などの断面積を変化させる加工を施したものであるこの構成では、テーパ加工または段付き加工を行うことで、単純な穴などの場合よりも、調整幅のある磁場補正をすることができる。
【0024】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記円形の直径前記楕円形または長方形の長径および短径前記比透磁率の低い物質で充填した部分または/および空隙穴の個数、位置、大きさ前記ねじ穴の個数、位置、ねじ穴に挿入する強磁性体の量前記テーパ加工部または段付加工部の断面積前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められている。
【0025】
磁場補正手段の上掲の諸元の変化が、磁束収束手段内の磁束線の流れを変化させ、その結果として静磁場の磁場補正が行われることに鑑み、この構成では、磁束収束手段の磁束線の流れと関連付けて、上掲の諸元を決めるようにしたものである。
【0026】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記電流搬送手段として超電導体を用い、前記容器として前記超電導体を超電導状態にまで冷却し維持する冷媒を内包する冷却容器を用い、前記冷却容器を冷却するための冷凍機を具備するものであるまた、前記冷凍機は、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または空隙穴中に配置したものであるこの構成では、静磁場発生源を超電導方式とすることにより、高強度かつ高均一の静磁場を実現すると共に、磁場補正手段を冷凍機の取付け場所として活用している。
【0027】
本発明の磁気共鳴イメージング装置は上記の本発明の静磁場発生装置を用いたものである
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を用いて具体的に説明する。
本発明の静磁場発生装置の第1の実施例を図1〜図3に示す。図1は全体斜視図、図2は上面図、図3は縦断面図である。本実施例の静磁場発生装置1は垂直磁場方式の超電導磁石を有するもので、先ず、撮影空間2に静磁場を発生するための超電導コイル4を内包する静磁場発生源3が、撮影空間2の上下に対向して配置されている。超電導コイル4は冷却容器5内に保持され、所定の超電導特性が得られる温度に冷却される。超電導コイル4は一般に複数個のコイルの組合せからなり、冷却容器5内に支持体にて保持されているが、図では簡単のため支持体を省略してある。超電導コイル4の材料としては多くの場合NbTi線材が使用されているので、冷却容器5は冷媒としての液体ヘリウムを収納する冷媒容器を具備し、その他に熱の対流を防ぐために冷媒容器全体を内包する真空容器と、熱の輻射を防ぐための熱シールド(図示せず)などから構成されている。超電導コイル4はこの冷却容器5の中に収納された状態で使用される。
【0029】
複数の円形コイルからなる超電導コイル4は装置中央部の均一磁場発生領域である撮影空間2を挾んで上下方向に対称に配置される。それに応じて、超電導コイル4を収納する冷却容器5も円筒形状のものが上下対称に配置され、両冷却容器5はその間にある支柱14によって所定の距離を維持して支持される。この支柱14は、上下の冷却容器5を機械的に支える働きをしているが、必要によっては、上下の冷媒容器を熱的に接続させる働きを持たせてもよい。そうすることで、冷凍機13を上下に1台ずつ設置する必要はなくなり、システムに1台の冷凍機13で間に合わせることが可能になる。また、支柱14の本数も図示の2本に限定する必要はなく、3本、4本と増やすこともできるし、開放感を得るためには、片持ちの1本の支柱14としてもよい。
【0030】
図3では、超電導コイル4は4個ずつのコイルの組からなる。その働きは装置中央部の撮影空間2内に高強度でかつ均一度の良い静磁場を発生させることである。コイル断面の最も大きい超電導コイル(以下、主コイルという)4Aにより主な静磁場を発生しておき、コイル断面の小さい超電導コイル(以下、調整コイルという)4Bによって磁場の均一性が得られるように各コイルの配置および起磁力の設定をしている。また、調整コイル4Bの電流の向きは、主コイル4Aによって発生する磁場の不均一成分に応じて各コイル毎に決定すればよく、一定方向に限定する必要はない。さらに、超電導コイル4のコイルの個数は図示の4個ずつに限定されることはなく、磁場の不均一成分と製造原価との兼ね合いで最適となるように決定される。一般に、主コイル4Aの直径が大きいほど磁場不均一成分は少なくなるので、調整コイル4Bの個数、あるいは起磁力を少なくすることができる。
【0031】
次に、板状の強磁性体11と柱状の強磁性体7によって、従来例の場合と同様に、装置外部に発生する漏洩磁場が効果的に低減されている。さらに、本実施例では、板状の強磁性体11の中心部に上下方向に沿って円形の穴12が設けられている。この穴12は、撮影空間2内の静磁場の磁場補正のために設けられたものである。この穴12を設けることにより、板状の強磁性体11内の磁束密度の分布が変化し、その結果として、撮影空間2内の磁場分布が変化する。従って、この穴12の直径を変化させることで、撮影空間2内の静磁場の磁場分布を調整することができる。この穴12の働きは、以下に説明する如く、超電導コイル4のうちの主コイル4Aとは逆向きの電流を流す調整コイル4Bと同様な働きである。発明者達は、この穴12の働きを確認するために、図3に示される磁気回路において、板状の強磁性体11の中心に円形の穴12をあけ、穴径を364〜900mmの範囲で変化させた場合の解析を行った。
【0032】
静磁場における不均一磁場の評価方法としては、撮影空間として半径22.5cmの球を考え、この球表面および内部(12層の球面を設定)の評価点における磁場強度を計算し、その結果をルジャンドル関数(式(2)参照)で展開して評価値を出すことにした。
【0033】
評価を行う展開係数比C(m、n)(=A(m、n)/A(0、0)またはB(m、n)/A(0、0))としては、以下の項のものを選択した。
軸対称成分 :A(0、2)項、A(0、4)項
軸非対称成分:A(2、2)項、A(2、4)項、A(4、4)項
静磁場成分 :A(0、2)項
【0034】
また、穴12の効果を明確にするために、穴12の無いモデルに対する差分値を図5(a)〜図5(c)にグラフ化した。図5(a)は軸対称成分を、図5(b)は軸非対称成分を、図5(c)は静磁場成分をそれぞれ示している。各図で、軸対称成分と軸非対称成分についてはppm単位で、静磁場成分についてはガウス単位で表示されている。
【0035】
また、穴径の変化による漏洩磁場の変化についての評価を図6に示す。漏洩磁場の評価は通常5ガウスラインの位置で行われるが、今回の評価では漏洩磁場の変化が微量であったため、図6(a)に示す如く磁場中心からZ=2.5mの位置での磁場強度で評価し、その結果を図6(b)に示した。
【0036】
評価結果を纏めると以下の如くなる。
図5(a)軸対称成分について
板状の強磁性体11の中心に直径364mmの穴12を設けることで、A(0、2)項は約2,500ppm程度減少する。また、穴径をさらに大きくすると、穴径にほぼ比例して、−26.7ppm/mmの割合で大きく減少して行く。一方、A(0、4)項はその減少量がA(0、2)項の1/10以下で、−2.2ppm/mm程度しか変化しない。以上のことから、穴12を用いて、その直径を適当に選択することにより、軸対称成分A(0、2)項を効果的に補正することができることがわかる。
【0037】
図5(b)軸非対称成分について
穴12の穴径を364mmから900mmまで変化させることで、A(2、2)項は90ppm程度増加する。一方、A(2、4)項、A(4、4)項は、2ppm程度しか変化しない。軸非対称成分の穴径の変化による変化量は少なく、軸対称成分と比べてオーダー的に見て2桁以上少なくなっていることが分かる。
【0038】
図5(c)静磁場成分について
直径364mmの穴12を設けることで、静磁場中心の磁場強度(約0.75テラス)が40ガウス程度低下した。穴径をさらに大きくすると、磁場強度の低下の割合が増加し、直径900mmの穴12の場合には、400ガウス程度の低下を生じている。静磁場強度を100ガウス程度上昇させる場合には超電導コイル4の電流を上昇することで対応できるので、穴径は500mm以下とした方がよい。一方、静磁場強度を100ガウス以上上昇する場合には、強磁性体内の磁束線量が変化し磁気飽和などの現象が起こることもあるので、磁気回路を見直し、必要な場合は再設計した方がよい。
【0039】
図6(b)漏洩磁場について
穴12の直径を大きくすると、板状の強磁性体11の中心部で受け止められるはずの磁束線がZ軸方向に漏れるため、Z軸方向の漏洩磁場が増加する。穴12の直径が500mm以下では、漏洩磁場は最大2.5ガウス程度でほとんど変化しないが、穴12の直径を700mm以上にすると急激に増加する。
【0040】
以上説明した如く、本実施例の場合、板状の強磁性体11の中心に設けた穴12の直径を変化させることで、静磁場の軸対称成分A(0、2)項を1,000ppmオーダーで制御することができ、穴径を500mm程度までに制限すれば漏洩磁場の増加量も少なく、静磁場強度にも殆ど影響を与えることなく、効果的な磁場補正を行うことができる。
【0041】
また、板状の強磁性体11の中心に穴12を設けた構造の静磁場発生装置では、撮影空間2の静磁場強度を従来と同じとしたとき、静磁場発生源3の超電導コイル4の総起磁力を従来より下げることができる。この理由を以下に説明する。図3に示される超電導コイル4において、主コイル4Aは、正のA(0、2)項を発生する。一般に、主コイル4Aによって発生された正のA(0、2)項を打ち消すように、主コイル4Aの内側に逆向きの電流を流す調整コイル4Bが設けられる。これに対し、本実施例の場合、板状の強磁性体11に穴12を設けることにより、正のA(0、2)項を打ち消すような働きをさせることができる。このことは、板状の強磁性体11に穴12を設けることが、主コイル4Aとは逆向きの電流を流す調整コイル4Bを設けることに相当し、負のA(0、2)項を発生し、A(0、2)項の不均一磁場成分を消去することができることを意味する。
【0042】
この結果、上記の負のA(0、2)項を発生する調整コイル4Bの起磁力を下げることができるので、超電導コイル4の総起磁力も下げることができる。調整コイル4Bの起磁力を下げることにより、コイルの寸法も小さくでき、従って、静磁場発生源3も小さくできるので、静磁場発生装置の設置スペースも小さくなる。
【0043】
また、本実施例のように静磁場発生源3として超電導コイル4を用いる静磁場発生装置の場合には、冷却容器5の外部に冷凍機13が取り付けられる。この冷凍機13を板状の強磁性体11の下側に配置すると、この冷凍機13のスペース部分だけ無駄な領域ができ、静磁場発生装置の寸法が大きくなってしまう。
【0044】
そこで、本実施例では、板状の強磁性体11に設けた穴12の中に冷凍機13を配置したものである。設計の段階で、穴12の位置および直径を、撮影空間2内の磁場均一度が良好になるように決定した後、この穴12の中に冷凍機13が全部または部分的に入るようにすることで、効果的なスペース配置を行うことができ、装置も大きくならず、静磁場の磁場均一度も良好にすることができる。
【0045】
図4は、本発明の第1の実施例の変更例である。この変更例では、第1の実施例と同様に、板状の強磁性体11に円形の穴12を設け、この穴12に比透磁率の低い物質15を充填したものである。ここで、比透磁率の低い物質を充填した部分15は、空隙穴12と同じ働きをするので、第1の実施例と同じ効果をあげることができる。従って、空隙穴12と比透磁率の低い物質を充填した部分15とは磁場補正効果上同一視することができる。本変更例では、更に比透磁率の低い物質を充填した部分15の中に冷凍機13を埋設したものである。このような構造にすることにより、冷凍機13の固定が容易に行うことができる。また、この変更例では、比透磁率の小さい円板15に冷凍機13を取り付けて、この円板15を穴12に挿入してもよい。
【0046】
本発明の静磁場発生装置の第2の実施例を図7〜図9に示す。図7は全体斜視図、図8は上面図、図9は縦断面図である。本実施例は、板状の強磁性体11の中心軸に対し対称の位置に4個の扇状の穴12Aを設けたもので、他の部分は第1の実施例と同様である。本実施例では、扇状の穴12Aの大きさおよび位置を変化させることで、撮影空間2内の静磁場の磁場補正を行うことができる。図8には、扇状の穴12Aの大きさおよび位置の一例を示す。扇状の穴12Aの位置は内径R2と、開放側の軸線からの角度θとで表わされ、穴12Aの大きさは内径R2と外径R1と角度θ1とで表わされる。図示の例では、R1=546mm、R2=425mm、θ1=11.25°である。
【0047】
参考までに、図10に板状の強磁性体11に穴12をあけた場合の磁場解析例を示す。図10(a)は中心のみに円形穴12をあけたモデルのもの、図10(b)は中心の円形穴12と扇状の穴12Aとをあけたモデルのものである。これらの図は、板状の強磁性体11および柱状の強磁性体7の強磁性体として鉄材を用いた場合のもので、対称形状の板状の強磁性体11を4分割した部分における磁束密度の等高線と磁束線の向きを示している。図10(b)においては、半径方向に設けた扇状の穴12Aの周辺で磁束線の向きが歪められる傾向がある。この効果によって、撮影空間2内の静磁場の磁場補正を行うことができる。
【0048】
本実施例においても、第1の実施例の場合と同様の方法で、静磁場における不均一磁場の評価を行った。評価結果を図11および図12に示す。穴12Aの効果を明確にするために、穴12Aが無いモデルに対する差分値を図11(a)〜図11(c)にグラフ化した。図11(a)は軸対称成分を、図11(b)は軸非対称成分を、図11(c)は静磁場成分を、それぞれ示している。各図で、軸対称成分と軸非対称成分についてはppm単位で、静磁場成分についてはガウス単位で表示されている。
【0049】
また、穴寸法および穴位置によって変化する漏洩磁場の評価については、図6(a)と同様に磁場中心からZ=2.5mの位置での磁場強度で評価し、その結果を図12に示した。
【0050】
図11(a)軸対称成分について
穴の位置を開放側から柱側に変化させると、A(0、2)項が+8ppmから−30ppmに減少する。また、A(0、4)項は穴の位置を変化させても変化量は小さく、2.5ppmしか変動しない。穴の位置をθ=25°の付近に設ければ、A(0、2)項を変化させずに、A(0、4)項のみを調整できるという効果も得られる。
【0051】
図11(b)軸非対称成分について
穴の位置を開放側から柱側に変化させると、A(2、2)項が+100ppmから−78ppmに減少し、変化量は178ppmで最も大きい。この項は、X、Y座標に対しては対称性があるので、中間の45°付近で0になっている。また、A(2、4)項は34ppm程度、A(4、4)項は7ppm程度の変化であった。
【0052】
この結果を第1の実施例の円形穴の場合と比較すると、第1の実施例ではA(2、2)項の変化量が大きいだけでなく、軸対称項の変化量も大きくなっている。このため、A(2、2)項を制御するのには本実施例の方が利用しやすい。
【0053】
本実施例についての上記の評価では、中心軸から扇形穴12Aまでの距離R2を固定しているが、この距離R2を変化させることによっても軸非対称成分の発生比率を変化させることができる。この場合、距離R2を大きくすると軸対称成分にも大きな影響を与えるので、軸非対称成分のみの補正を行う場合には、距離R2を小さくした方が微小な補正が可能となる。
【0054】
図11(c)静磁場成分について
穴の位置を開放側から柱側に変化させたときの変化量は−3ppmから−6ppmまでの間にあり、非常に少ないので、漏洩磁場に対する影響も小さくなっている。
【0055】
図12漏洩磁場について
穴の位置を柱側から開放側に変化させても、漏洩磁場は0.3ガウス程度しか変化がなく、第1の実施例よりも漏洩磁場への影響は非常に小さい。また、本実施例の場合でも穴12Aを大きくすると漏洩磁場は増加する。特に、板状の強磁性体11と柱状の強磁性体7とが接続される部分付近には磁束線が集中しているため、この付近に穴12Aを設けると漏洩磁場への影響が大きくなるので、このような場合には穴12Aの大きさを小さくした方がよい。
【0056】
本実施例についての以上の説明では、板状の強磁性体11に設ける穴12Aは4個の扇形の穴であったが、この穴の形状、個数はこれに限定されることはない。 穴の形状は、円形、三角形、四角形、多角形などでもよく、図13、図14に示す如くテーパを持っている穴12Bでもよく、また、図15に示す如く段付きの穴12Cであってもよい。穴の大きさを変化させてよいことも当然である。加工性の面からは円形のものがよい。穴の形状を図14のテーパ穴12Bや図15の段付き穴12Cの如くすることにより、磁束線の流れを制御し、さらに複雑な磁場補正をすることができる。
【0057】
穴の個数は4個より多くしても、少なくしてもよい。この個数は、補正したい展開係数項に合わせて設定するのがよい。
また、上記の穴12A〜12Cには比透磁率の低い物質を充填して、穴を埋めた構造にしてもよい。穴があいていると具合の悪い場合には有効である。
【0058】
穴の位置は、図13に示す如く開放側また柱側の軸線上に配置してもよい。また、穴の個数が増加する場合には、他の穴と同じ半径方向に設けてもよいし、他の方向に設けてもよい。また、穴の大きさも、第2の実施例では同一としたが、異なる寸法のものを配置してもよい。また、穴の方向は通常上下方向に沿ってあけられるが、磁束線の流れを調整する上で必要な場合には斜めの方向にあけてもよい。
【0059】
さらに、第1の実施例と第2の実施例とを組み合わせて実施すること、すなわち中心部に円形の穴、半径方向に複数個の扇状の穴を設けることで磁場補正することが可能である。
【0060】
本発明の静磁場発生装置の第3の実施例を図16、図17に示す。図16は上面図、図17は縦断面図である。全体斜視図は第1の実施例の図1とほぼ同じであるので省略した。本実施例では板状の強磁性体11に上下方向に沿って楕円形の穴12Dが設けられている。この楕円形の穴12Dは柱側が長軸P1で、開放側が短軸P2である。本実施例では、長軸P1と短軸P2の大きさおよび両者の相対比を変化させることにより、静磁場の磁場補正を行うことができ、円形の穴12の場合よりも広い範囲の補正を行うことができる。これは、穴の形状を楕円形にしたことにより、磁束線の流れが柱側方向と開放側方向とで非対称で流れるため、軸非対称成分への影響も大きくすることができるためである。
【0061】
また、本実施例と同様な効果を得るためには、穴の形状を長方形や、楕円形に近い形状の多角形にしてもよい。さらに、本実施例と第2の実施例を組み合わせることも可能である。
また、本実施例においても、楕円形の穴12Dに比透磁率の低い物質を充填して穴を埋めることや、穴12Dの中に冷凍機を配置してよいことは言うまでもない。
【0062】
本発明の静磁場発生装置の第4の実施例を図18〜図20に示す。図18は上面図、図19は縦断面図、図20は一部品であるボルトの全体斜視図である。装置の全体斜視図は第3の実施例の場合と同様省略した。本実施例では、板状の強磁性体11にねじ穴15を設け、このねじ穴15に板状の強磁性体11の外側から強磁性体のボルト16をねじ込み、そのねじ込み長さを調整することで、静磁場の磁場補正を行うものである。従って、本実施例での磁場補正は、ねじ穴の個数、位置、大きさ、ボルトのねじ込み長さを調整することによって行うことができる。図20は本実施例で適用するボルトの例を示したもので、図20(a)のボルト16は全体が強磁性体からなるもの、図20(b)のボルト16Aはねじ頭からねじ切り部までを非磁性の物質または比透磁率の低い物質で作り、先端部に鉄片などの強磁性体片17を取り付けたものである。ボルト16の材料を板状の強磁性体11の材料と同じものを使用した場合、ねじ込むときに機械的に噛んでしまい出し入れができなくなることがあるので、そのような場合にはねじ切り部の材料が異なるボルト16Aを使用するとよい。
【0063】
ボルト16Aを使用する場合、その先端に強磁性体片17を取り付けることになるが、この強磁性体片17の長さは補正する磁場の大きさに合わせて調整する。この強磁性体片17は、長さの短い小片を作っておき、必要な長さに応じて複数個重ねて取り付けてもよい。
【0064】
本実施例の場合、板状の強磁性体11に同じ材料の強磁性体ボルト16を出し入れして、そのねじ込み長さによって磁束線の流れを調整するものであるから、静磁場の微調整が可能である。これに対し、第1〜第3の実施例における穴は大きな磁場補正を目的とするものであり、設計段階で穴の位置を設定する必要がある。従って、第1〜第3の実施例と第4の実施例を組み合わせることにより、大きな磁場補正は穴を設けることで行い、小さな磁場補正は本実施例のねじの調整機構を設けることで行うことができる。特に、製作誤差により非対称な磁場が発生した場合などに、本実施例により後からでも微小な磁場補正ができるという効果がある。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、撮影空間内の静磁場の磁場補正を、板状の強磁性体上で行うことができるので、撮影空間の近くに配置する磁場補正のための鉄片の量およびその配置する領域を激減させ、最小限度にとどめることができ、かつ磁場均一度も向上させることができる。その結果、広い撮影空間をもち、磁場均一度の良い静磁場発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の全体斜視図。
【図2】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の上面図。
【図3】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の縦断面図。
【図4】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の変更例。
【図5】第1の実施例の円形穴の磁場補正効果を示す図。
【図6】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例での漏洩磁場。
【図7】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の全体斜視図。
【図8】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の上面図。
【図9】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の縦断面図。
【図10】板状の強磁性体に穴をあけた場合の磁場解析例。
【図11】第2の実施例の扇形穴の磁場補正効果を示す図。
【図12】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例での漏洩磁場。
【図13】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の変更例1の上面図。
【図14】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の変更例1の縦断面図。
【図15】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の変更例2の縦断面図。
【図16】本発明の静磁場発生装置の第3の実施例の上面図。
【図17】本発明の静磁場発生装置の第3の実施例の縦断面図。
【図18】本発明の静磁場発生装置の第4の実施例の上面図。
【図19】本発明の静磁場発生装置の第4の実施例の縦断面図。
【図20】本発明の静磁場発生装置の第4の実施例に適用するボルトの例。
【図21】従来の静磁場発生装置の一例。
【符号の説明】
1 静磁場発生装置
2 撮影空間(計測空間)
3 静磁場発生源
4 超電導コイル
4A 主コイル
4B 調整コイル
5 冷却容器
6,11 板状の強磁性体
7 柱状の強磁性体
8 強磁性体片(鉄片)
12,12A,12B,12C,12D 穴
13 冷凍機
14 支柱
15 ねじ穴
16,16A ボルト
17 強磁性体片

Claims (12)

  1. 有限の領域に第1の方向に向かう静磁場を発生させる電流を流す電流搬送手段と、該電流搬送手段を収容し支持する容器とを有する静磁場発生源と、第1の方向とほぼ直交するように配置されて前記静磁場発生源が発生する磁束線を集めるための1対の磁束収束手段と、前記1対の磁束収束手段を磁気的に接続して磁束線を通す磁気回路を形成する少なくとも1個以上の磁束通過手段とを具備する静磁場発生装置において、
    前記静磁場発生源の外部であって前記磁束収束手段の前記静磁場発生源に対向する領域の少なくとも一部を含む領域に、前記有限の領域の静磁場の磁場補正する磁場補正手段が設けられ、
    前記磁場補正手段は、少なくとも1個以上の比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴を有し、
    前記比透磁率の低い物質を充填した部分または空隙穴はほぼ円形状で、前記磁束収束手段のほぼ中心部に、ほぼ第1の方向に沿って設けられていることを特徴とする静磁場発生装置。
  2. 有限の領域に第1の方向に向かう静磁場を発生させる電流を流す電流搬送手段と、該電流搬送手段を収容し支持する容器とを有する静磁場発生源と、第1の方向とほぼ直交するように配置されて前記静磁場発生源が発生する磁束線を集めるための1対の磁束収束手段と、前記1対の磁束収束手段を磁気的に接続して磁束線を通す磁気回路を形成する少なくとも1個以上の磁束通過手段とを具備する静磁場発生装置において、
    前記静磁場発生源の外部であって前記磁束収束手段の前記静磁場発生源に対向する領域の少なくとも一部を含む領域に、前記有限の領域の静磁場の磁場補正する磁場補正手段が設けられ、
    前記磁場補正手段は、少なくとも1個以上の比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴を有し、
    前記比透磁率の低い物質で充填した部分または空隙穴は楕円形状または長方形状で、前記磁束収束手段のほぼ中心部に、ほぼ第1の方向に沿って設けられていることを特徴とする静磁場発生装置。
  3. 有限の領域に第1の方向に向かう静磁場を発生させる電流を流す電流搬送手段と、該電流搬送手段を収容し支持する容器とを有する静磁場発生源と、第1の方向とほぼ直交するように配置されて前記静磁場発生源が発生する磁束線を集めるための1対の磁束収束手段と、前記1対の磁束収束手段を磁気的に接続して磁束線を通す磁気回路を形成する少なくとも1個以上の磁束通過手段とを具備する静磁場発生装置において、
    前記静磁場発生源の外部であって前記磁束収束手段の前記静磁場発生源に対向する領域の少なくとも一部を含む領域に、前記有限の領域の静磁場の磁場補正する磁場補正手段が設けられ、
    前記磁場補正手段は、少なくとも1個以上の比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴を有し、
    前記比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴が、前記静磁場の中心を通り前記第1の方向に平行な軸を中心軸として半径方向に前記中心軸から離れた位置に複数個設けられていると共に、ほぼ第1の方向に沿って設けられた扇形状のものまたは円形状のものであることを特徴とする静磁場発生装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静磁場発生装置において、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴の深さ方向にテーパ加工または段付き加工などの断面積を変化させる加工を施したことを特徴とする静磁場発生装置。
  5. 請求項2記載の静磁場発生装置において、前記磁束通過手段が前記中心軸に対し左右に 配置されており、前記楕円形状のものまたは長方形状のものの長手方向が前記磁束通過手段の存在する方向とほぼ平行になるように構成されていることを特徴とする静磁場発生装置。
  6. 請求項1記載の静磁場発生装置において、前記円形の直径が前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められていることを特徴とする静磁場発生装置。
  7. 請求項2又は5記載の静磁場発生装置において、前記楕円形または長方形の長径および短径が前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められていることを特徴とする静磁場発生装置。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静磁場発生装置において、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または/および空隙穴の個数、位置、大きさが前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められていることを特徴とする静磁場発生装置。
  9. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静磁場発生装置において、前記空隙穴の1個以上をねじ穴とし、該ねじ穴のうちの1個以上に、全体または一部が強磁性体からなるボルトが挿入され、前記ねじ穴の個数、位置、ねじ穴に挿入する強磁性体の量が前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められていることを特徴とする静磁場発生装置。
  10. 請求項4記載の静磁場発生装置において、前記テーパ加工部または段付き加工部の断面積が前記磁束収束手段における磁束線の流れと関連付けて決められていることを特徴とする静磁場発生装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の静磁場発生装置において、前記電流搬送手段として超電導体を用い、前記容器として前記超電導体を超電導状態にまで冷却し維持する冷媒を内包する冷却容器を用い、前記冷却容器を冷却するための冷凍機を具備し、前記比透磁率の低い物質を充填した部分または空隙穴の中に前記冷凍機を配置したことを特徴とする静磁場発生装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の静磁場発生装置を備えていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
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