JP3728167B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は磁気共鳴イメージング(以下MRIと称する)装置に係わり、特に、被検者に圧迫感を与えない開放型の超電導磁石を採用し、かつ、その検査空間の磁場安定度を改善したMRI装置と手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核磁気共鳴(NMR)現象を利用して人体の断層画像を得るMRIは広く医療機関で利用されている。このMRIは正確に被検体の検査部位の内部構造を反映する必要から、検査部位を含む空間に均一な磁場強度を発生する磁石を必要としている。原理的に、均一な磁場空間は無限長のソレノイドコイル内で得られることから、MRI装置に用いられる磁石の多くは細長い筒状のソレノイドコイルと磁場均一度を改善するシム機構が組込まれた構造となっている。
【0003】
細長い空間に被検者を配設する磁石構造のMRI装置は被検者に対して圧迫感を与えるので閉所恐怖症者や小児の検査に対しては適当ではなかった。そこで、比較的発生磁場の低い磁石において、その側面に開口部を設けたり、磁石前面の被検者搬入部を広くした磁石構造を採用したMRI装置が開発され近年普及している。
【0004】
開放型構造の磁石で、その発生磁場強度を向上する技術として、従来の永久磁石や常電導コイルを用いたものから、超電導コイルを組込んだ磁石の開発が進められている。これに関連した技術として、特開平10-179546号公報、特開平11-155831号公報や特開平11-197132号公報がある。
【0005】
上述の超電導コイルを組込んだ開放型磁石の発生磁場強度は1.0テスラを達成することが可能である。これは従来の永久磁石や常電導コイルを用いた磁石の5倍の磁場強度である。この結果、NMR信号強度も磁場強度比とほほ同じ 5倍の値が得られ、リアルタイム計測で十分な画質を確保することができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、超電導コイルを配置したクライオを開放的な構造とすることで、クライオが振動に影響を受けやすい問題が発生した。即ち、開放型の超電導磁石では、被検者が配設される空間を挟んで二つに分割したクライオ(それぞれに超電導コイルが封じ込められている)を配置した構造のため、それぞれのクライオの振動に差異を生じることになる。この振動の差異が、その発生磁場を変化させる。
【0007】
クライオを振動させる原因には、磁石を設置した建屋からの振動とパルス駆動する傾斜磁場発生手段やへリウム冷凍機などの装置自身の振動があり、例えばへリウム冷凍機では所定の動作周期で圧縮機から又圧縮機へヘリウムが移動するため、この動作周期に対応した一定の周期の振動が発生する。このような周期的な振動は画像に擬像を生じ、画質に与える影響が大きい。
【0008】
即ち、規則正しい間隔(1/ω)で振動した場合は、計測されたNMR信号が振動周波数ωで変調される。変調された信号を画像やスペクトルに変換処理すると、本来の画像とは別にω毎にシフトした位置に擬像が現出したり、本来のスペクトルの両脇に側帯波として擬似ピークが出現する。磁場変動は微少であっても、変動が規則正しいことにより、明確に擬像や擬似ピークとして現われる。
【0009】
この周期的な振動はクライオにへリウム冷凍機を取付けた場合に発生する。これを防止するために、米国特許公報5,363,077号に記載されているように、ヘリウム冷凍機の振動がクライオ内に伝わらないように機械的なたわみ構造材(ベローズ)を挿入することも試みられている。
【0010】
また米国特許公報5,952,734号に記載されているように、誤差磁場を検出するセンサーを組込み、センサーの信号の誤差成分がゼロになるようフィードバック・ループ制御を組込んだMRI装置も提案されている。
【0011】
しかし、ヘリウム冷凍機の機械振動の変位振動は、たわみ構造材(ベローズ)で大幅に除去できるが、慣性による力変位に対しては効果がない。また、磁場センサーには本来MRI検査に用いる傾斜磁場のパルス動作や高周波磁場による信号が誘起することにより、ヘリウム冷凍機の機械振動による微弱な磁場(0.05ppm程度)を検出することが困難であった。
【0012】
本発明は上記観点に鑑みてなされたもので、特に開放型の高磁場MRI装置の振動による磁場変化を防止して、得られる検査結果の信頼性を向上するMRI装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のMRI装置は、一定の磁場強度を発生する静磁場発生手段と、磁場強度勾配を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を処理し、その結果を表示する手段とを備えたMRI装置であって、前記静磁場発生手段は振動による磁場変動を補正する磁場補正手段を備え、前記磁場補正手段は前記振動の周波数に対応する周波数の補正磁場を発生する手段を備えている。
【0014】
振動の周波数に対応する周波数の補正磁場を発生することにより、磁場変動自体を検出しなくても、周期的振動に起因する磁場変動を効果的にキャンセルすることができる。これにより振動による擬像や擬似ピークの発生をなくすことができる。
【0015】
本発明のMRI装置において、具体的には磁場補正手段は、補正磁場を発生する磁場発生コイルと、磁場発生コイルに駆動する電源とを備え、電源は振動の発生源の動作信号を入力し、その信号に基づき前記磁場発生コイルを駆動する。
【0016】
また本発明のMRI装置の一態様において、静磁場発生手段は、静磁場を発生する超電導コイルと、超電導コイルを組込む冷凍機付のクライオを有し、補正磁場発生手段は、冷凍機の発生する振動によって生じる磁場変動を補正する。
【0017】
この態様のMRI装置によれば、冷凍機駆動の動作信号を直接、冷凍機の駆動源から取り出し、それを補正磁場発生手段に与えることにより、振動の周波数に対応する周波数の補正磁場を発生し、冷凍機の発生する振動に起因する磁場変動をキャンセルすることができる。
【0018】
本発明のMRI装置は、静磁場発生手段として、被検者の配設空間を挟んで、少なくとも一対からなる超電導コイルを配する構造を備えたものに、好適に適用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明を適用したMRI装置の全体構成図である。このMRI装置は被検体1が置かれる空間を挟むように配置された静磁場発生磁石2と、この静磁場発生磁石2の内側にそれぞれ配置された傾斜磁場コイル3と、さらにその内側に配置された高周波コイル5と、被検体1から発生するNMR信号を検出する検出コイル7とを備えている。さらに各コイルの動作タイミングを制御するシーケンサ9と装置の制御を行うとともにNMR信号を処理し画像やスペクトルとする計算機10を備えている。
【0020】
静磁場発生磁石2は、図示する実施例では超電導コイルを収めた上部クライオ16と下部クライオ17と、上部クライオ16と下部クライオ17を連結するクライオ連結管18から構成され、被検体1の周りにその体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させる。その静磁場の磁束の方向は矢印19に示すように床から天井に向っており、その磁場均一度は被検体1が配設される球空間で例えば約5ppm以下になるように調整されている。この磁場均一度の調整は、本実施例のMRI装置では上部クライオ16と下部クライオ17の表面に複数の磁性体小片(図では記載されていない)を貼り付けるパッシブシミング方式が用られている。補正磁場コイルに電流を流して、不均一を解消するアクティブシミング方式も採用することが可能である。
【0021】
更に、液体ヘリウムの蒸発量を低減するため、上部クライオ16にはへリウム冷凍機20が組込まれいる。冷凍機20は、ヘリウムガスを供給する圧縮機21と高圧パイプ22で接続されている。
【0022】
傾斜磁場コイル3は、互いに直交するx、y、zの3軸方向に磁束密度を変化させるように巻かれた3組の傾斜磁場コイル3からなり、それぞれ傾斜磁場電源4に接続され、傾斜磁場発生手段を構成する。シーケンサ9からの制御信号に従って傾斜磁場電源4を駆動して傾斜磁場コイル3に流れる電流値を変化させることにより3軸からなる傾斜磁場Gx、Gy、Gz を被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場は、被検体1の検査部位から得られるNMR信号の空間的な分布を把握するのに用いられる。
【0023】
高周波コイル5は、高周波コイル5に高周波電流を流すための高周波電力アンプ6に接続され、被検体1の検査部位の原子核(通常、水素原子核が用いられている)を共鳴励起するための高周波磁場を発生する。高周波電力アンプ6もシーケンサ9の制御信号で制御されている。
【0024】
検出コイル7は受信器8に接続されており、被検体1が発生するNMR信号を検出する手段を構成する。受信器8は検出コイル7で検出したNMR信号を増幅・検波するとともに、計算機10による処理が可能なディジタル信号に変換する。受信器8もシーケンサ9でその動作タイミングが制御されている。
計算機10はディジタルに変換されたNMR信号を用いて画像再構成、スペクトル計算等の演算を行うとともに、シーケンサ9を介してMRI装置の各ユニットの動作を定められたタイミングで制御する。計算機10とデータを記憶する記憶装置11と処理後のデータを表示するディスプレイ装置12とで演算処理系が構成される。
【0025】
さらにこのMRI装置は、上述した各要素に加え、静磁場発生磁石2の発生する磁場強度を維持するための磁場補正系が設けられている。磁場補正系は磁場強度の変化(磁場変動)に対応した補正電流を出力する磁場補正電源13と、その出力電流を流して補正磁場(付加的磁場)を発生する補正磁場コイル14とからなる。この実施例では磁場変動として上部クライオ16に組込まれたへリウム冷凍機20の振動に伴う周期的磁場変動を補正するように構成されている。このため、補正磁場電源13はへリウム冷凍機20に圧縮ヘリウムを供給する駆動する圧縮機21と信号ケーブル15で接続されている。これにより圧縮機21からの動作信号を取り出し、補正磁場コイル14の駆動に利用する。また補正磁場電源13はシーケンサ9を介して計算機10に接続されており、その動作が制御される。計算機10は検査と同期して補正磁場を発生するように補正磁場電源13の駆動の開始・終了を制御する。
【0026】
図2に図1で用いられている静磁場発生磁石2の内部構造を示す。上部クライオ16と下部クライオ17はクライオ連結管18で接続されている。上部クライオ16、下部クライオ17とクライオ連結管18の内部には連続したアルミニウム板で構成された熱シールドケース23と連続したアルミニウム板で構成されたへリウム槽24が組込まれている。ヘリウム槽24内には上部超電導コイル25と下部超電導コイル26が配置されている。図では一対のコイルの場合を示したが、磁場均一度を向上するため複数のコイル対が組込まれる場合もある。ヘリウム槽24内は上部超電導コイル25と下部超電導コイル26の超電導状態を維持するため、4.2kの温度の液体ヘリウム27が満たされている。
【0027】
上部クライオ16にはへリウム冷凍機20が取付けられている。ヘリウム冷凍機20は多段のステージからなる。図示する例では第1ステージ28及び第2ステージ29からなり、第1ステージ28が熱シールドケース23と、第2ステージ29がへリウム槽24とそれぞれ熱接触している。一方、ヘリウム冷凍機20には圧縮機21より圧縮されたへリウムガスが高圧パイプ22を経て供給され、断熱膨張後再び圧縮機21に戻る動作が例えば1秒周期で繰返される。これにより、ヘリウム冷凍機20の第1ステージ28と熱シールドケース23は50Kの温度に、第2ステージ29とへリウム槽24は4.2kに冷却される。この結果、ヘリウム槽24内の液体ヘリウム 27の蒸発量をほぼゼロで維持することができる。
【0028】
この高圧縮ヘリウムガスの移動により、ヘリウム冷凍機20内の圧力は圧縮機の動作周期、即ち1秒周期で変化し、第1ステージ28と熱シールドケース23の熱接触部位および第2ステージ29とへリウム槽24の熱接触部位で振動運動が発生する。この振動により、被検者1を配設する空間30で発生する磁場は図3に示すように1秒周期で規則正しく変化する。
【0029】
磁場補正系は、このような変動磁場をキャンセルする磁場、即ち大きさが同じで位相が逆である磁場を発生する。このため前述のように補正磁場電源は、振動の発生原因である圧縮機21の動作信号を取り込み、これを用いて補正磁場コイル14を駆動する。
【0030】
補正磁場電源回路の一例を図4に示す。図示するように補正磁場電源回路は、圧縮機21からの動作信号S1を入力する端子41、信号S1の位相をシフトするための位相回路42、矩形波である動作信号S1を正弦波形に成形する波形成形回路43、波形成形回路43からの信号の振幅を適切な振幅に調整するための振幅制御回路44、振幅制御回路44からの信号レベルに対応した定電流を発生する定電流回路45、及びシーケンサ9からの制御信号を入力し、各回路を制御する制御回路46を備えている。定電流回路45が発生する電流は出力端子47を介して補正磁場コイル14に印加される。
【0031】
位相回路42は、信号S1の位相を180°シフトし、圧縮機21からの信号S1と逆位相の信号を発生する。振幅制御回路44は、振動によって生じる磁場と同じ大きさの磁場を補正磁場コイル14が発生するように信号の振幅を調整する。振幅の調整は、例えば、予め調整用の均一な物質(ファントム)を用いて画像を計測し、その画像の擬像が目視判定で最少になるように振幅制御回路44の調整をしておくことにより実現できる。通常、ヘリウム冷凍機20の振動は被験者毎に変化することがないので、装置の初期設定時にこのような調整を行っておくことができ、簡便である。振幅調整法としてはさらに検査毎に精度の高い調整を行うことも可能である。これについては後述する。
【0032】
制御回路46は、各回路に制御信号を送り、補正磁場電源が、検査を行っているときに動作するように制御する。また位相回路42、波形成形回路43、振幅制御回路44は、実際の検査によって得た画像やスペクトル信号の誤差成分を判定しながら調整することが可能である。この場合、制御回路46には動作制御信号による制御の他、これら自動調整に必要な制御を行う機能をもたせることも可能である。
【0033】
補正磁場コイル14は、図1に示すような上下に一対の超電導コイルを配置した構造のMRI装置の場合、図3に示す磁場変動は静磁場の方向(Z方向)であるので、Z方向の線形磁場を発生するコイルが用いられる。図1に示す実施例では、上下一対のクライオに対応して一対の補正磁場コイル14が配置されているが、補正磁場コイルは一方、例えば上部クライオ16のみに設けられていてもよい。
【0034】
次にこのような構成の補正磁場電源の動作を説明する。まず検査が開始されるとシーケンサ9からの信号によって制御回路46が動作し、補正磁場電源をスタートさせる。これにより補正磁場電源は、圧縮機21からその動作に同期した動作信号S1を入力し、位相回路42でその位相を反転した後、波形成形し正弦波にする。この正弦波の振幅値を予め設定された所定値に変換した後、定電流に変換して出力端子47を介して電流を一対の補正磁場コイル14に流す。これによって補正磁場コイル14には周期的に磁場の強度が反転する磁場が発生する。この磁場の変動の周波数は圧縮機21の動作信号S1の周波数と同じであり、位相は逆転している。また最大磁場強度は図3に示す変動磁場の振幅と同じになるように調整されている。即ち、補正磁場コイル14は図3に示す変動磁場を打ち消すような補正磁場を発生する。その結果、静磁場発生磁石2の磁場の変動分は図5に示すグラフのようにヘリウム冷凍機20の振動の影響が除去される。
【0035】
このような補正磁場の発生は、検査が行われている間、継続し、検査が終了するとシーケンサ9からの制御信号により補正磁場発生電源は非駆動となる。このようにして得られるMR画像は、静磁場発生磁石2(クライオ)の振動による磁場変動が補正されているので、振動に伴う擬像や擬似ピークのない画質の改善された画像となる。
【0036】
次に補正磁場発生電源の振幅調整の他の方法を図6を参照して説明する。この方法では、振幅調整回路44において、変動磁場を打ち消す磁場を発生させるのに適切な振幅を、検査毎に自動的に設定する。
【0037】
まず図6のフローチャートに示すように、振幅制御回路44には初期値としてAが設定されている(ステップ61)。この値は、例えば前述したようにファントムを用いた計測によって経験的に求めたものを用いることができる。補正磁場発生電源は、振幅制御回路44の設定値の「A」に対応した電流を定電流回路45より補正磁場コイル14に供給する。この状態で、調整のための撮像シーケンスを開始する。このシーケンスは静磁場不均一の影響を受けにくいシーケンスが好ましく、例えば図7に示すようなスピンエコー型のシーケンスを用いることができる。
【0038】
即ち、スライス傾斜磁場71を印加した状態でπ/2高周波磁界パルス72を被検体1に加える。これにより、被検体1の特定部位(通常は磁石の中心部位)の核スピンを励起する。τ時間経過した時点で、スライス傾斜磁場73を印加した状態でπ高周波磁界パルス74を被検体1に加える。これにより、先に励起された核スピンを反転させることになり、τ時間経過した時点で、スピンエコー信号75として検出される。信号の検出は例えば、256点のサンプリングデータとして、計算機10に記録される。繰返し時間TR後に同様にしてスピンエコー信号76を検出する(62)。
【0039】
図7の計測を例えば256回繰返すことにより、図8Aに示す256×256マトリクスデータが計算機10のメモリーに記録される。このデータをフーリエ変換等の処理を行って図8Bに示す位相マトリクス図を得る(ステップ63)。
【0040】
この位相マトリクス図の中心線81上の位相値82は、静磁場強度の変化が皆無であれば、すべてのスピンエコー信号75、76、………について全く同じ値の信号が得られることになり、その位相値82も同じ値となる。ここで磁場の変動があると、位相値も変動する。変動が周期的な変動であれば、同図に拡大して示すように、位相値も周期的に変動する。
【0041】
そこで計算機10は、すべての信号について各位相値の平均からのずれ(変化量)を計算し、この変化量が所定値以下であるかを判定する(ステップ64)。所定値は、画像にした場合に擬像が問題とならない範囲であり、例えば±3度とする。
【0042】
この判定によって位相値82の変化量が±3度以下であった場合は、振幅制御回路44の調整法は終了する(ステップ65)。一方、位相値82の変化量が±3度以上であった場合は、ステップ61に戻り、振幅制御回路44の設定値を「A+ΔA」に変更して再び調整を行う。このように微調整を繰り返すことにより最終的に位相の変化量を±3度以内に収斂させることができる。通常は、位相と振幅制御回路44の調整値「A」との関係が予め調べられていることから、2回の調整でほぼ±3度以内に収斂させることが可能である。
【0043】
この調整法は予め計算機10のプログラムに組込むことができるので、実際の検査において自動的にかつ高精度に調整することができる。
以上、ヘリウム圧縮機による周期振動を補正する磁場補正系を備えたMRI装置について説明した。
【0044】
本実施例によれば、検査に伴なう傾斜磁場や高周波磁場の変化に影響されることなく、へリウム冷凍機による振動周期を正確に補正磁場に同期させることができる。また補正磁場電源13の動作をシーケンサ9を介して計算機10の制御信号で制御するように構成しているので、MRI検査時のみ補正磁場を発生することができる。さらに、これらの調整を計算機により自動調整することも可能であり、常に安定した検査磁場を提供することができる。
【0045】
尚、以上の実施例では周期的振動としてヘリウム冷凍機の圧縮機の振動を例に説明したが、本発明のMRI装置はこのような装置自体が発生する周期的振動のみならず、MRI装置が設置される建屋に置かれた他の装置等において生じる振動であってMRI装置の静磁場に磁場変動を与えるような振動に対し有効である。
【0046】
また、上下に静磁場発生磁石を配置した構造のMRI装置に限定されず、例えば被検体の体軸方向左右に静磁場発生磁石を配置した構造のものにも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、開放型で高磁場を発生する磁石を用いたMRI装置で、振動に影響されることなく安定な磁場強度を被験者の配設空間に発生することができる。これにより、精度の高い検査結果を得ることができる。
【0048】
また本発明によれば、振動やそれによる磁場変動を検出するための機構が不要であり、またそのような機構による検出誤差の影響を受けることなく振動による磁場変動補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図。
【図2】図1の静磁場発生磁石の内部構造図。
【図3】磁場強度の時間変化を示す図。
【図4】磁場補正電源の詳細図。
【図5】補正後の磁場強度の時間変化を示す図。
【図6】補正磁場の振幅調整法の一実施例を示すフロー図。
【図7】補正磁場の振幅自動調整に用いるパルスシーケンスの一例を示す図。
【図8】補正磁場の振幅調整を説明する図。
【符号の説明】
1……被検体
2……静磁場発生磁石
3……傾斜磁場コイル
5……高周波コイル
7……検出コイル
9……シーケンサ
10……計算機
13……補正磁場電源
14……補正磁場コイル
20……ヘリウム冷凍機
21……圧縮機
Claims (4)
- 一定の磁場強度を発生する静磁場発生手段と、磁場強度勾配を発生する傾斜磁場発生手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を処理し、その結果を表示する手段と、前記静磁場発生手段に取り付けられ、前記静磁場発生源に機械的振動を引き起こす振動発生源とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
前記静磁場発生手段は、前記振動による磁場変動を補正する磁場補正手段を備え、前記磁場補正手段は、補正磁場を発生する磁場発生コイルと、前記磁場発生コイルを駆動する電源とを備え、前記電源には前記振動の発生源の動作信号が入力され、その信号に基づき前記磁場発生コイルを駆動し、前記振動の周波数に対応する周波数の補正磁場を発生させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記静磁場発生手段は、静磁場を発生する超電導コイルと、前記超電導コイルを組込む冷凍機付のクライオを有し、前記振動は、前記冷凍機の発生する振動であることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記静磁場発生手段は被検者の配設空間を挟んで、少なくとも一対からなる超電導コイルを配する構造を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 被検体の配置される空間に、静磁場、傾斜磁場および補正磁場をそれぞれ発生する静磁場発生源、傾斜磁場発生源および補正磁場発生源と、
前記静磁場発生源に取り付けられ、前記静磁場発生源に機械的振動を引き起こす振動発生源と、
前記振動発生源の動作信号が入力され、その信号に基づき前記補正磁場源を駆動する補正回路とを有し、
前記補正回路は、前記補正磁場源に対して前記少なくとも前記静磁場の機械的振動による磁場変動を打ち消す補正磁場を発生させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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