JP3979515B2 - 可変光学素子とその可変光学素子を備えたピックアップ装置並びにそのピックアップ装置を備えた情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば回折効率などの光学特性を変化させることが可能な可変光学素子と、その可変光学素子を備えたピックアップ装置と、そのピックアップ装置を備えて情報記録媒体への情報記録又は情報記録媒体からの情報再生を行う情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高密度且つ大容量の情報記録媒体として、再生専用の情報記録媒体の他、記録可能な相変化(phase change)型の情報記録媒体が注目されている。相変化型の情報記録媒体では、情報の追記録が可能な追記型光ディスクと、情報の消去と再記録が可能な書換え型光ディスクが注目されている。
【0003】
これら相変化型の情報記録媒体は、例えば、図13の断面図に示すように、いわゆるピックアップ装置に備えられた対物レンズからの光ビームを入射する光入射層と、保護層で保護された結晶又はアモルファスの記録層と、反射層及び基板を備えた積層構造から成り、光ビームの光エネルギーで記録層を相変化させることにより情報を記録する構造となっている。また、情報再生は、記録層に光ビームを照射することで生じる反射光を対物レンズで集光し、その反射光をピックアップ装置内の光検出器で検出することによって行われる。
【0004】
また、追記型光ディスクは光エネルギーに応じて相変化(非可逆変化)する記録層を備えることで、情報を1回に限って記録するという特徴を有し、書込え型光ディスクは光エネルギーに応じて相変化(可逆変化)する記録層を備えることで情報の書込えを可能にするという特徴を有している。また、これらの情報記録媒体は、記録層におけるトラックピッチを狭少化することで高密度化が図られ、また、記録層を多層化することで更なる大容量化が図られている。
【0005】
一方、こうした高密度の情報記録媒体に対応する情報記録再生装置を実現するため、ピックアップ装置に設けられている対物レンズの開口数(numerical aperture:NA)を大きくすることによって照射径の小さな光ビームを記録層に照射することが考えられている。
【0006】
また、情報記録媒体のトラックピッチの狭少化等に対応して対物レンズの開口数NAを大きくするとはいっても、限りある対物レンズの開口数NAの範囲内で高密度の情報記録と適切な情報再生を行うことが重要である。この課題に対応するために、情報再生を行う際にクロストークキャンセラ技術を適用することの有用性が注目されている。
【0007】
クロストークキャンセラ技術は、情報が記録されているトラック(主トラックという)に光ビーム(主ビームという)を照射してその情報を読み取るだけでなく、主トラックに隣接しているトラック(隣接トラックという)にも光ビーム(副ビームという)を照射してその隣接トラックの情報を読み取り、主ビームによって得られた主信号と副ビームによって得られた副信号とに基づいて所定の演算処理を行うことで、主信号中に含まれているクロストーク成分を抑制して、情報を精度よく再生するものである。
【0008】
また、上記主ビームと副ビームを生成するために、レーザ光源から射出されるレーザ光を回折格子で回折し、それによって生じる0次光を主ビーム、±1次光を副ビームとして対物レンズを介して各トラックに照射する方法が考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記クロストークキャンセラ技術を適用した場合、DVD−ROMなどの再生専用の情報記録媒体から情報を再生する際には、精度よく情報を再生するのに有効であるが、DVD−RWなどの相変化型の情報記録媒体に記録されている情報を再生する際には、次のような問題があった。
【0010】
相変化型の情報記録媒体は、光エネルギーに応じて記録層が相変化する。このため、相変化型の情報記録媒体から情報を再生する際、再生専用の情報記録媒体で用いられている上記主ビームと副ビームを相変化型の情報記録媒体の主トラックと副トラックにそれぞれ照射すると、主トラック又は副トラックの記録層が相変化してしまい、記録されていた情報を消去又は破壊してしまう等の問題があった。つまり、同じ光ビームを再生専用の情報記録媒体と相変化型の情報記録媒体に適用すると、一方の情報記録媒体には適していても、他方の情報記録媒体に不適切な場合が生じるという問題があった。
【0011】
こうした問題を回避するのに、相変化型の情報記録媒体に情報を記録する場合と、相変化型の情報記録媒体から情報を再生する場合と、相変化型ではない再生専用の情報記録媒体から情報を再生する場合とで、それぞれ回折効率の異なった回折格子に入れ替えることにより、主ビームと副ビームの光エネルギーを調節する方法が考えられるが、これでは、複数の回折格子を入れ替えるための大がかりな機構が必要になるという問題を招くことになる。
【0012】
また、回折格子を入れ替えると、上記対物レンズ等を含む光学系の光学特性が不安定になるという問題が生じる。
【0013】
また、回折格子の入れ替えには時間がかかるため、例えば、相変化型の情報記録媒体への情報記録と情報再生とを交互に繰り返すような場合に、情報記録と情報再生を迅速に行えなくなる等の応答性の問題も発生する。
【0014】
本発明はこうした従来の問題を克服するためになされたものであり、情報記録媒体への情報記録又は情報記録媒体からの情報再生を適切に行うことを可能にする可変光学素子と、その可変光学素子を備えたピックアップ装置と、そのピックアップ装置を備えた情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、クロストークキャンセラ技術を適用する場合でも、相変化型の情報記録媒体と再生専用の情報記録媒体に対し、互換性をもって情報記録又は情報再生を行うことを可能にする可変光学素子とピックアップ装置並びに情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光源からの光を反射及び回折させ、情報記録媒体の主トラックに照射する主ビームと隣接トラックに照射する副ビームとをパワー調整して生じさせる可変光学素子であって、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変光学素子において、前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造であること、を特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、光源からの光を反射及び回折させ、情報記録媒体の主トラックに照射する主ビームと隣接トラックに照射する副ビームとパワー調整して生じさせる可変光学素子であって、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明は、情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置であって、光を射出する光源と、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで主ビームと副ビームとを生じさせる可変光学素子と、
前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備え、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のピックアップ装置において、前記可変光学素子の前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造であること、を特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の発明は、情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置であって、光を射出する光源と、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせ可変光学素子と、前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備え、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0027】
請求項7に記載の発明は、情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置を備えた情報記録再生装置であって、光を射出する光源と、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで主ビームと副ビームとを生じさせる可変光学素子と、前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備えた前記ピックアップ装置と、前記印加電圧を調整する電圧制御手段と、を具備し、前記電圧制御手段によって調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報記録再生装置において、前記可変光学素子の前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造を有し、前記電圧制御手段は、前記それぞれ別個の印加電圧の調整を行うこと、を特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の発明は、情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置を備えた情報記録再生装置であって、光を射出する光源と、基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせ可変光学素子と、前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備えた前記ピックアップ装置と、前記印加電圧を調整する電圧制御手段と、を具備し、前記電圧制御手段によって調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、を特徴とする。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9の何れか1項に記載の情報記録再生装置において、前記主ビームと副ビームとの照射によって前記主トラックと隣接トラックで反射される各々の反射光を受光し、前記主ビームによる反射光を示す第1の電気信号と、前記副ビームによる反射光を示す第2の電気信号とを生成する光検出手段と、前記第1の電気信号を前記第2の電気信号で相殺することで、前記主トラックで反射される前記主ビームの反射光に生じて前記第1の電気信号に生じることとなったクロストーク成分を抑制し、該クロストーク成分を抑制した読取り信号を生成する雑音除去手段と、を更に備え、前記読取り信号に基づいて前記主トラックの情報を再生すること、を特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変光学素子とピックアップ装置と情報記録再生装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0033】
尚、図1はピックアップ装置の構成を示す構成図、図2は可変光学素子の構造を示す図、図3は可変光学素子の製造方法を示す図、図4は可変光学素子及びピックアップ装置の動作を説明するための図、図5は情報記録再生装置の構成を示すブロック図、図6は情報記録再生装置に備えられたクロストークキャンセラ回路の構成を示すブロック図である。
【0034】
図1において、本ピックアップ装置100は、レーザ光Haを射出する光源1、第1のビームスプリッタ2、第1のビームスプリッタ2の両側に対向する1/4波長板3,4、1/4波長板3の外側に対向する可変光学素子5、1/4波長板4の外側に対向する反射板6、第2のビームスプリッタ7、コリメータレンズ8、1/4波長板9、情報記録媒体13に対向する対物レンズ10、集光レンズ11、光検出器12を備えて構成され、これらの構成要素1〜12は、光軸OAに沿って配設されている。
【0035】
光源1は、光軸OAに沿って向けられた半導体レーザ(図示省略)を備え、その半導体レーザから第1のビームスプリッタ2側に、直線偏光のレーザ光Haを射出する。
【0036】
光源1から射出される上記レーザ光Haは、第1のビームスプリッタ2で反射され、1/4波長板3を透過して可変光学素子5に入射し、更に可変光学素子5で反射される。その反射されたレーザ光Hbは、再び1/4波長板3を透過すると共に、第1のビームスプリッタ2を透過し、更に1/4波長板4を透過して反射板6に入射し、反射板6で反射される。そして、反射板6で反射されたレーザ光Hcは、1/4波長板4を再び透過し、第1のビームスプリッタ2で反射されて第2のビームスプリッタ7側に射出される。
【0037】
すなわち、光源1から射出されるレーザ光Haは、第1のビームスプリッタ2によって1/4波長板3側へ反射される。1/4波長板3側から第1のビームスプリッタ2に入射するレーザ光Hbは、1/4波長板3を2回透過して戻ってくる光であるため、第1のビームスプリッタ2を透過して1/4波長板4側へ入射する。更に、1/4波長板4側から第1のビームスプリッタ2に入射するレーザ光Hcは、1/4波長板4を2回透過して戻ってくる光であるため、第1のビームスプリッタ2によって第2のビームスプリッタ7側へ反射される。
【0038】
こうして第1のビームスプリッタ2から第2のビームスプリッタ7側へ射出されるレーザ光Hcは、第2のビームスプリッタ7を透過し、コリメータレンズ8で平行光にされて1/4波長板9を通り、更に対物レンズ10で収束されることで、後述の光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)となって情報記録媒体13に合焦状態で照射される。
【0039】
また、光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)が情報記録媒体13で反射されることで生じる各反射光RMB(0),RSB(-1),RSB(+1)が、対物レンズ10、1/4波長板9、コリメータレンズ8を通り、更に第2のビームスプリッタ7で反射されて集光レンズ11側へ射出される。そして、集光レンズ11が第2のビームスプリッタ7からのこれら反射光RMB(0),RSB(-1),RSB(+1)を集光して光検出器12側へ射出し、光検出器12がこれら反射光RMB(0),RSB(-1),RSB(+1)を受光してそれぞれ電気信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)に光電変換して出力するようになっている。
【0040】
ここで、可変光学素子5は、図2(A)〜(D)に示す構造を有している。すなわち、図2(A)の斜視図に示すように、基準媒質としての半導体基板5a上に反射型のグレーティング部5bが一体形成された構造を有し、グレーティング部5bに形成された電極5cと半導体基板5aの裏面に形成された電極層5dとの間に、電圧制御回路14によって適宜の電圧Vが印加されるようになっている。
【0041】
更に、図2(B)の平面図に示すように、グレーティング部5bには、複数のスリット状の矩形溝16と、各矩形溝16に隣接する複数の凸部(以下、凸条部という)17とが一定のピッチ間隔Dで周期的に形成され、これにより、複数の凸条部17を有する第1の領域と、複数の矩形溝16を有する第2の領域が形成されている。
【0042】
更に又、図2(C)の縦断面図(図2(B)のX−Xに沿った縦断面図)に示すように、それぞれの凸条部17は、半導体基板5a上に積層された歪み効果を有する圧電媒質である圧電半導体(piezoelectric semiconductor)やその他の圧電媒質によって形成される圧電素子層17aと電極層17bと光反射用の誘電体反射層17aとの積層構造によって構成され、それぞれの矩形溝16の底部には、半導体基板5a上に積層された光反射用の誘電体反射層16aが形成されている。また、上記の電極5cが電極層17bの上面に形成され、電極層5dが半導体基板5aの裏面に蒸着によって形成されている。
【0043】
そして、電極5cと電極層5dの間に電圧Vが印加されると、その印加電圧Vによる電界に応じて圧電半導体層17aがピエゾ効果(piezo electric effect)による厚み変化を生じることにより、図2(D)の縦断面図(図2(C)の一部分を代表して示す縦断面図)に示す矩形溝16の誘電体反射層16aに対する凸条部17の誘電体反射層17cの高さHが変化する。
【0044】
次に、可変光学素子5の製造方法を、図3(A)〜(G)に示す断面図を参照して、製造工程順に説明する。
【0045】
可変光学素子5は半導体製造プロセスによって製造されている。まず、P型又はN型のシリコン半導体基板5aを用意し(同図(A))、その半導体基板5a上に、ZnO、ZnS、CdS、CdTe、InSb、BaTiO3(チタン酸バリウム)、KNaC4H4O6 (ロッシェル塩)などの歪み効果を有する媒質から成る圧電素子層17aをスパッタリングによって形成し(同図(B))、次に、圧電素子層17a上に金属の電極層17bをスパッタリングによって積層する(同図(C))。尚、本実施形態では、圧電素子層17aの厚みを約120μmに設定している。
【0046】
次に、電極層17b上に、リソグラフィによってホトレジストパターンPLをパターンニングする(同図(D))。ここで、ホトレジストパターンPLは、矩形溝16の幅と凸条部17の幅が共にピッチ間隔Dの1/2となるようにパターンニングする。本実施形態では、ピッチ間隔Dが約25μmとなるように設定している。
【0047】
次に、ホトレジストパターンPLをマスクとして、ドライエッチング(RIE)によって電極層17b及び圧電素子層17aを半導体基板5aまで除去し、ホトレジストパターンPLでマスキングされた電極層17b及び圧電素子層17aの部分を残す(同図(E))。
【0048】
次に、ホトレジストパターンPLを除去剤によって除去した後(同図(F))、電極層17bに電極5cを形成する。
【0049】
次に、露出した電極層17bと半導体基板5aの上面に、誘電体反射層を蒸着することで、図2(C)に示した矩形溝16の誘電体反射層16aと、凸条部17の誘電体反射層17cを積層し(同図(G))、これによって、グレーティング部5bを完成する。
【0050】
そして、最後に、半導体基板5aの裏面に金属の電極層5dを蒸着することで、可変光学素子5を完成する。
【0051】
こうして製造された可変光学素子5が、図1に示したように、グレーティング部5bを1/4波長板3に向けて配置されると共に、1/4波長板3を透過して入射するレーザ光Haの偏光方向に対して、矩形溝16と凸条部17の配列方向が直交するように配置されている。
【0052】
再び図1において、光源1から射出される光ビームHaがビームスプリッタ2及び1/4波長板3を通って可変光学素子5に入射すると、可変光学素子5は、1/4波長板3からの光ビームHaを単に反射するのではなく、グレーティング部5bの矩形溝16と凸条部17によって決まる1次回折効率ηに基づいて回折し、それによって生じる0次光と−1次回折光と+1次回折光を1/4波長板3側へ射出する。すなわち、レーザ光H1は、0次光と−1次回折光と+1次回折光となる。
【0053】
したがって、対物レンズ10で収束されて情報記録媒体13に照射される光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)は、上記0次光と−1次回折光と+1次回折光に基づいて生成され、図4の平面図に示すように、0次光によって生成される光ビーム(以下、主ビームという)MB(0)と、−1次回折光によって生成される光ビーム(以下、副ビームという)SB(-1)と、+1次回折光によって生成される光ビーム(以下、副ビームという)SB(+1)との3つの光ビームが情報記録媒体13に照射される。また、これらの光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)が情報記録媒体13で反射されて生じる各反射光RMB(0),RSB(-1),RSB(+1)が、図1中の光検出器12によって検出される。
【0054】
尚、図4は、光入射層13aと記録層13bと基板13cとの積層構造を有する相変化型の円盤状情報記録媒体13に各光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)を照射した場合を示しており、情報記録時と情報再生時におけるグルーブ(Groove)Gとランド(Land)Lに対する、各光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)の照射位置を示している。また、便宜上、グルーブG1は、情報記録又は情報再生が行われる主トラックに相当し、グルーブG2,G3は、隣接トラックに相当するものとして示している。また、情報記録と情報再生が行われる際にピックアップ装置100が相対移動する線走査方向をθs、線走査方向θsに対し直交する方向(以下、半径方向という)をθrで示している。
【0055】
ここで、各光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)の各パワーP(0),P(-1),P(+1)は、可変光学素子5に形成されているグレーティング部5bの1次回折効率ηに従って決まり、光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)の合計パワーをPad、光源1から射出されるレーザ光HaのパワーをPa、レーザ光Haが情報記録媒体13に到達するまでの減衰率をαとすると、次式(1)(2)(3)のようになる。
【0056】
P(0) ≒(1−2×η)×Pad≒(1−2×η)×α×Pa …(1)
P(-1)≒η×Pad≒η×α×Pa …(2)
P(+1)≒η×Pad≒η×α×Pa …(3)
また、1次回折効率ηは、図2(B)に示したグレーティング部5bに形成されている矩形溝16と凸条部17とのピッチ間隔Dと、図2(D)に示した誘電体反射層17c,16a間の高さHに基づいて決まる係数であり、更に、印加電圧Vに応じて圧電素子層17aの厚みが変化し、高さHも変化するため、印加電圧Vを制御することで1次回折効率ηを変化させることが可能となり、それに伴って各パワーP(0),P(-1),P(+1)を調節できるようになっている。
【0057】
ちなみに、圧電素子層17aの厚みを約120μm、凸条部17の幅をピッチ間隔D(約25μm)の1/2にした結果、印加電圧Vを0ボルトから約60ボルトに切替えると、上記高さHが約15nm増加する。これにより、光源1に青色半導体レーザを用いた場合、そのレーザ光Haに対する1次回折効率ηを約25パーセント変化させることができる。
【0058】
尚、本実施形態では、情報再生時には、いわゆるメインビームのパワーを0.5mW、サブビームを0.1mW程度にしており、これを実現するのに回折効率ηを約20%にしている。また、情報記録時には、メインビームを6mW、サブビームを0.6mW程度にしており、これを実現するのに、回折効率ηを約10%以下にしている。
【0059】
次に、図5及び図6を参照して、可変光学素子5を備えたピックアップ装置100によって情報記録と情報再生を行う情報記録再生装置200の構成を説明する。尚、図5は情報記録再生装置200の構成を示すブロック図、図6は情報記録再生装置200に設けられたクロストークキャンセラ回路300の構成を示すブロック図である。
【0060】
図5において、情報記録再生装置200は、情報記録媒体13を支持しつつ回転駆動する駆動モータ18と、図1に示したピックアップ装置100、ピックアップ装置100に設けられている可変光学素子5に電圧Vを印加する電圧制御回路14、クロストークキャンセラ回路300、記録/再生処理回路19、サーボ回路20、システムコントローラ21を備えて構成されている。
【0061】
記録/再生処理回路19は、情報記録時には、供給されるコンテンツ信号Sinに対してエンコード等の処理を行って、ピックアップ装置100に設けられている光源1に供給し、レーザ光HaのパワーPaを記録用のパワーPawに設定して射出させる。また、情報再生時には、光源1にレーザ光HaのパワーPaを再生用のパワーParに設定して射出させ、情報記録媒体13から読み取られてクロストークキャンセラ回路300を介して供給される読取り信号Soに対してデコード等の処理を行うことで、再生信号Soutを生成して出力する。
【0062】
サーボ回路20は、駆動モータ18の回転速度を制御すると共に、ピックアップ装置100を情報記録媒体13の半径方向θrに進退移動させる搬送機構(図示省略)を制御することで、情報記録媒体13に対しピックアップ装置100を所定の線速度で移動させる。
【0063】
システムコントローラ21には、情報記録再生装置200全体の動作を制御するマイクロプロセッサ(MPU)が備えられている。
【0064】
かかる構成の情報記録再生装置200おいて、ユーザー等が相変化型の情報記録媒体13を装着してシステムコントローラ21に情報記録開始の指令を行うと、情報記録が開始される。
【0065】
この情報記録時には、電圧制御回路14が可変光学素子5に所定電圧Vwを印加することで、グレーティング部5bを情報書記録用の1次回折効率ηwに設定する。更に、この1次回折効率ηwの状態で、記録/再生処理回路19が記録すべき信号を光源1に供給して記録用パワーPawのレーザ光Haを射出させる。
【0066】
これにより、図4に示した主トラックG1上に主ビームMB(0)、隣接トラックG2,G3上に副ビームSB(-1),SB(+1)が照射され、主ビームMB(0)による主トラックG1への情報記録が行われる。
【0067】
ここで、レーザ光HaのパワーPawとグレーティング部5bの1次回折効率ηwは、情報記録媒体13の種類に応じて決められる。
【0068】
すなわち、情報記録媒体13の記録層13bを相変化させそれによって情報を記録させ得るパワー(以下、記録パワーという)をPwt、情報記録媒体13の記録層13bを相変化させそれによって既に記録されている情報を消去させ得るパワー(以下、消去パワーという)をPer、主ビームMB(0)のパワーをP(0)、副ビームSB(-1)のパワーをP(-1)、副ビームSB(+1)のパワーをP(+1)とすると、次式(4)〜(8)の条件を満足するように、レーザ光HaのパワーPawが設定されると共に、電圧Vwによって1次回折効率ηwが設定される。
【0069】
Pwt≦P(0) …(4)
P(-1)<Pes …(5)
P(+1)<Pes …(6)
ηw<Pes/Pwt …(7)
Paw={P(0)+P(-1)+P(+1)}/α …(8)
このように、レーザ光HaのパワーPawとグレーティング部5bの1次回折効率ηwを設定すると、副ビームSB(-1),SB(+1)が隣接トラックG2,G3の情報を消去或いは破壊させることなく、適切なパワーP(0)の主ビームMB(0)によって主トラックG1に情報を記録することができる。
【0070】
次に、ユーザー等が相変化型の情報記録媒体13を装着し、システムコントローラ21に対し情報再生開始の指令を行うと、情報再生が開始される。
【0071】
この情報再生時には、電圧制御回路14が可変光学素子5に所定電圧Vrを印加することで、グレーティング部5bを情報再生用の1次回折効率ηrに設定し、この1次回折効率ηrの状態で、光源1に再生用のパワーPrのレーザ光Haを射出させる。
【0072】
これにより、図4に示した主トラックG1上に主ビームMB(0)、隣接トラックG2,G3上に副ビームSB(-1),SB(+1)が照射され、主ビームMB(0)によって主トラックG1からの情報読み取りが行われる。
【0073】
ここで、レーザ光HaのパワーParとグレーティング部5bの1次回折効率ηrは、情報記録媒体13の種類に応じて決められる。すなわち、各光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)の合計パワーPad(=P(0)+P(-1)+P(+1))と、消去パワーPer、主トラックG1から情報を読み取るのに必要なパワーPrdに基づいて、次式(8)〜(12)の条件を満足するように、レーザ光HaのパワーParが設定されると共に、電圧Vrによって1次回折効率ηrが設定される。
【0074】
P(0)≒Prd …(8)
P(-1)<Per …(9)
P(+1)<Per …(10)
ηr>(1−Per/Pad)/2 …(11)
Par={P(0)+P(-1)+P(+1)}/α …(12)
このようにレーザ光HaのパワーParとグレーティング部5bの1次回折効率ηrを設定すると、主ビームMB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)が各トラックG1,G2,G3の情報を消去或いは破壊することなく、主ビームMB(0)によって主トラックG1の情報読み取ることができる。
【0075】
更に、主ビームMB(0)によって生じる反射光RB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)によって生じる各反射光RMB(0),RSB(-1),RSB(+1)を光検出器12が受光し、電気信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)を図6に示すクロストークキャンセラ回路300に供給する。
【0076】
クロストークキャンセラ回路300は、光検出器12から出力される電気信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)を2値の論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)に波形成形する波形成形回路22,23,24と、波形成形された論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)をそれぞれ一時的に格納するFIFO(first in first out)メモリとしてのCCDメモリ25,26,27と、同期検出回路28と、タイミング調整回路29、及び雑音除去回路30を備えて構成されている。
【0077】
ここで、同期検出回路28は、論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)に含まれているグルーブG1,G2,G3の各物理アドレス情報を検出し、その検出結果に基づいて、図4に示した線走査方向θrにおける光ビームMB(0)に対する光ビームSB(-1)の遅延時間τdと、光ビームMB(0)に対する光ビームSB(+1)の進み時間τfを判定する。そして、光ビームMB(0)を基準とする上記遅延時間τdと進み時間τfを示す同期信号CKを生成して、タイミング調整回路29に供給する。
【0078】
タイミング調整回路29は、同期信号CKのタイミングに基づいて、CCDメモリ25に記録されている論理信号SMB(0)を読み出し、その論理信号SMB(0)を論理信号S(0)として雑音除去回路30へ転送する。更に、CCDメモリ26から、論理信号SMB(0)の読み出しタイミングより遅延時間τd分だけ早いタイミングで論理信号SSB(-1)を読み出し、その論理信号SSB(-1)をタイミング調整を施した論理信号S(-1)として雑音除去回路30へ転送する。更に、CCDメモリ27から、論理信号SMB(0)の読み出しタイミングより進み時間τf分だけ遅いタイミングで論理信号SSB(+1)を読み出し、その論理信号SSB(+1)をタイミング調整を施した論理信号S(+1)として雑音除去回路30へ転送する。
【0079】
このように、CCDメモリ25,26,27に記憶された論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)を遅延時間τdと進み時間τfに基づいてタイミング調整して雑音除去回路30へ転送することで、図4に示したグルーブG1,G2,G3の半径方向θrにおける隣接位置の情報を含んだ論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)を雑音除去回路30へ供給する。
【0080】
つまり、実際には光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)は線走査方向θsにおいて位相がずれているが、タイミング調整回路29が同期信号CKに基づいて上記のタイミング調整を行うことで、見かけ上、光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)が線走査方向θsにおいて同位相で(別言すれば、半径方向θrに並んで)照射された場合に得られる論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)が雑音除去回路30に供給されるようになっている。
【0081】
つまり、実際には光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)は線走査方向θsにおいて位相がずれているが、タイミング調整回路29が同期信号CKに基づいて上記のタイミング調整を行うことで、見かけ上、光ビームMB(0),SB(-1),SB(+1)が線走査方向θsにおいて同位相で(別言すれば、半径方向θrに並んで)照射された場合に得られる論理信号SMB(0),SSB(-1),SSB(+1)が雑音除去回路30に供給されるようになっている。なお、図6では、説明の便宜上、タイミング調整回路29でタイミング調整されて雑音除去回路30に供給される上述の各論理信号S MB(0) ,S SB(-1) ,S SB(+1) が符号S (0) ,S (-1) ,S (+1) で表されている。
【0082】
尚、相変化型でない再生専用の情報記録媒体から情報再生を行う場合にも、上記相変化型の情報記録媒体13から情報再生を行うのと同様にして、情報再生が行われ、クロストーク成分を抑制した再生信号Soutを生成することができる。
【0083】
このように、本実施形態のピックアップ装置と情報記録再生装置は、印加電圧Vに応じて1次回折効率ηが変化する可変光学素子5を備え、その1次回折効率ηを情報記録時と情報再生時で調節するようにした。これにより、情報記録時には、情報記録媒体13の隣接トラックG2,G3に、情報を消去或いは破壊することのない低パワーP(-1),P(+1)の副ビームSB(-1),SB(+1)をそれぞれ照射しつつ、適切なパワーP(0)の主ビームMB(0)によって主トラックG1に情報を記録することができる。
【0084】
つまり、可変光学素子5は、印加電圧Vに応じて1次回折効率ηを変化させるという特性を有しており、印加電圧Vを下げると1次回折効率ηが低下し、印加電圧Vを上げると1次回折効率ηが上昇する。そして、1次回折効率ηが低下すると、−1次回折光と+1次回折光のパワーを減少させ、相対的に0次光のパワーを増加させ、1次回折効率ηが上昇すると、−1次回折光と+1次回折光のパワーを増加させ、相対的に0次光のパワーを減少させるという特性を有している。
【0085】
したがって、情報記録時に、低い記録用電圧Vwによって1次回折効率ηを下げるように制御することで、−1次回折光と+1次回折光のパワーを低下させ、それに伴って0次光のパワーを上昇させることが可能となり、主ビームMB(0)を情報記録に適したパワーに設定し、副ビームSB(-1),SB(+1)を情報の消去或いは破壊を生じさせない低パワーに設定することができる。
【0086】
また、情報再生時には、情報記録媒体13の主トラックG1と隣接トラックG2,G3に、情報を消去或いは破壊することのない低パワーP(0),P(-1),P(+1)の主ビームMB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)をそれぞれ照射させつつ、適切なパワーP(0)の主ビームMB(0)によって主トラックG1から情報を再生することができる。特に、隣接トラックG2,G3に既に記録されている情報を消去或いは破壊することが無いので、クロストークキャンセル技術を有効に適用することが可能となる。
【0087】
つまり、上記したように、可変光学素子5は、印加電圧Vに応じて1次回折効率ηを変化させ、−1次回折光と+1次回折光のパワーと0次光のパワーを相対的に変化させるという特性を有しているので、情報再生時に、高い再生用電圧Vrによって1次回折効率ηを上げるように制御することで、−1次回折光と+1次回折光のパワーを上昇させ、それに伴って0次光のパワーを減少させることが可能となる。従って、1次回折効率ηを適切に制御すると、主ビームMB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)を情報の消去或いは破壊を生じさせない適切なパワーに設定して、情報再生を行うことが可能となる。
【0088】
また、相変化型の情報記録媒体に情報を記録又は情報を再生する場合と、相変化型でない再生専用の情報記録媒体から情報を再生する場合に、可変光学素子5の1次回折効率ηを調節することで、容易にそれぞれの情報記録媒体に適したパワーの主ビームMB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)を生成することができる。このため、互換性の高いピックアップ装置と情報記録再生装置を提供することができる。
【0089】
また、可変光学素子5の圧電素子層17bは、印加電圧Vに応じて高速にその厚みを変化させる特性(歪み特性)を有しているため、情報記録と情報再生を交互に切替えるような場合でも、応答性の良い情報記録と情報再生を行うことができる。
【0090】
また、本実施形態では、可変光学素子5を適切なパワーの主ビームMB(0)と副ビームSB(-1),SB(+1)を生成するための反射型グレーティングとして用いた場合を説明したが、この可変光学素子5は、他の用途の光変調素子として利用することができるものである。また、本実施形態では、図1に示したように、可変光学素子5を入射光ビームHaに対して直交するように配置したが、光学系に応じて斜めに配置するような利用も可能である。
【0091】
尚、以上の実施形態では、可変光学素子5に凸条部17に、圧電素子層17aを1層だけ形成する場合を説明したが、図7の縦断面図に示すように、電極層17bと誘電体反射層17cの間に圧電素子層17a’と電極層17b’を更に形成し、電極層17b’,17b間に第1の印加電圧V1、電極層17b,15d間に第2の印加電圧V2を印加するようにしてもよい。かかる構造によると、印加電圧V1,V2に応じて、圧電素子層17a,17a’の厚み変化を大きくすることができるため、より大きな範囲で1次回折効率ηを制御することができ、より多様な情報記録媒体への情報記録と情報再生が可能となる。例えば、1層の記録層を有する情報記録媒体と、多層構造の複数の記録層を有する情報記録媒体への情報記録と情報再生を同一のピックアップ装置で行うことが可能となる。また、複数の記録層の一方の記録層への情報記録と情報再生と、残りの記録層への情報記録と情報再生とを高速で切替えることが可能となる。
【0092】
また、図7に示した圧電素子層17a’と電極層17b’を更に多数組積層することで、更に大きな範囲で1次回折効率ηを制御することができる。
【0093】
また、図2と図7に示した可変光学素子5では、光を反射させるために誘電体反射層16a,17cが設けられているが、図8に示すように、凸条部17の電極層17bと、矩形溝16となる半導体基板5aの上面に、透明な媒質PEをスピンコート塗布し、矩形溝16を媒質PEによって埋める構造にしてもよい。かかる構造によると、印加電圧Vに応じて、1次回折が発生しない状態と、1次回折が発生する状態に切替えることが可能となり、図2又は図7に示した可変光学素子5と同様の機能を発揮する可変光学素子を実現することができる。
【0094】
また、図2には、細い長方形の矩形溝16と凸条部17が周期的に形成されたグレーティング部5bを有する可変光学素子5を示したが、これに限らず、図9の斜視図に示すように、回折光に与えるべき波面に従った折れ線状の溝31と凸条部32を周期的に形成した構造のグレーティング部5bにしてもよい。
【0095】
また、図2には、細い長方形の矩形溝16の周囲を凸条部17と同じ凸部で囲った構造のグレーティング部5bを有する可変光学素子5を示したが、これに限らず、図10の斜視図に示すように、櫛歯状の凸部によって矩形溝16と凸条部17を形成するようにしてもよい。
【0096】
また、図11の斜視図に示すように、各凸条部17を個々に分離し、各凸条部17に形成した電極に印加電圧Vを印加するようにしてもよい。また、図11において、各凸条部17に共通の印加電圧Vを印加するのではなく、各凸条部17毎に独立して電圧を印加するようにしてもよい。この独立して電圧を印加すると、各凸条部17の厚みをそれぞれ独立して制御することができるため、多様な光学特性を発揮する可変光学素子を実現することができる。
【0097】
また、図3等に示したように、上記の可変光学素子5では、凸条部17に圧電素子層17aと反射層17cが形成され、矩形溝16には反射層16aだけが形成された構造を有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0098】
変形例として、図12(a)に示すように、圧電素子層17aより厚みの薄い圧電素子層17a”を形成してその上面に反射層16aを設けることによって、凸条部17より低い矩形溝16を形成するようにしてもよい。
【0099】
かかる構造はリソグラフィ技術やエッチング技術、スパッタリング技術、気相成長法等によって実現することが可能であるが、例えば、図3(E)に示したエッチングの際に、矩形溝16に該当する圧電素子層17aの領域のエッチング量を少な目にして、薄い厚さで残った圧電素子層の部分を上記の薄い圧電素子層17a”にすることができる。
【0100】
そして、薄い圧電素子層17a”と厚い圧電層17aに個別に接続する配線を形成し、各配線に個別の電圧を印加してそれぞれの歪みの発生量を制御したり、薄い圧電素子層17a”と厚い圧電層17aに共通に接続する配線を形成し、その配線に共通の制御電圧を印加することで、電圧は共通していても厚みの差に応じて歪みの発生量を制御することができる。
【0101】
また、図8に示した可変光学素子5の変形例として、図12(b)に示すように、図12(a)の場合と同様に矩形溝16の領域に圧電素子層17aより厚みの薄い圧電素子層17a”を形成し、全体を透明な媒質PEで覆うようにしてもよい。かかる図12(b)の構造も、図12(a)の場合と同様に上記エッチング量を適宜に調整することで実現できる。
【0102】
また、図12(b)の構造において、各圧電素子層17aと17a”に個別に配線を形成して個別に電圧制御するようにしてもよい。また、圧電素子層17aと17a”に共通の配線を形成して、共通の電圧を印加するようにしてもよい。つまり、制御電圧は共通であっても圧電素子層17aと17a”の厚みの差に応じて歪みの発生量を制御するようにしてもよい。また、共通の制御電圧を印加する場合には、透明な媒質PEとして透明電極(ITO)を形成し、この透明電極に共通の制御電圧を印加するように構成してもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の可変光学素子は、圧電媒質層の歪効果によって生じる第1,第2の領域の光学特性の変化に基づいて、第1,第2の領域に入射する光の波面に光学変化を与えて反射する構造としたので、圧電媒質層の歪効果を制御することにより、入射する光に様々な光学変化を与えることができ、例えば情報記録又は情報再生のために情報記録媒体に照射される光ビームの光学特性を適切に制御する等の利用が可能となる。
【0104】
また、本発明のピックアップ装置は、可変光学素子の第1,第2の領域側へ光を射出する光源と、可変光学素子によって上記光が回折されることで生じる回折光と非回折光に基づいて情報記録用光ビーム又は情報再生用光ビームを生成する光学系とを備えたので、例えば可変光学素子に印加する電圧を制御することで、情報記録媒体に情報を記録するのに適したパワー、すなわち、情報記録媒体に既に記録されている情報を消去或いは破壊等を生じさせることのないパワーの情報記録用光ビームを生成したり、情報記録媒体から情報を再生するのに適したパワー、すなわち、情報記録媒体に既に記録されている情報を消去或いは破壊等を生じさせることのないパワーの情報再生用光ビームを生成することができる。
【0105】
また、本発明の情報記録再生装置は、可変光学素子を備えるピックアップ装置を備えることで、情報記録用光ビームの照射によって情報記録媒体から反射されてくる反射光を光検出器で検出し、その検出結果に基づいて、適切な情報記録処理を行うための制御信号等、例えばトラッキングエラー信号等を生成することを可能にする。その際、情報記録媒体に既に記録されている情報を消去或いは破壊等を生じさせることのないパワーの情報記録用光ビームを生成することができる。また、情報再生用光ビームの照射によって情報記録媒体から反射されてくる反射光を光検出器で検出し、その検出結果に基づいて、適切な情報記再生処理を行うための制御信号等を生成することを可能にする。その際にも、情報記録媒体に既に記録されている情報を消去或いは破壊等を生じさせることのないパワーの情報再生用光ビームを生成することができる。また、光検出器の検出に基づいてクロストーク成分を抑制した情報を再生することができる。
【0106】
また、これらの可変光学素子とピックアップ装置と情報記録再生装置によれば、相変化型の情報記録媒体に情報を記録又は情報を再生する場合と、相変化型でない再生専用の情報記録媒体から情報を再生する場合に、それぞれの情報記録媒体に適した光ビームを生成することができるため、互換性の高いピックアップ装置と情報記録再生装置を提供することができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るピックアップ装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る可変光学素子の構造を示す図である。
【図3】本実施形態に係る可変光学素子の製造方法を示す図である。
【図4】本実施形態に係るピックアップ装置と情報記録再生装置の動作を説明するための図である。
【図5】本実施形態に係る情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】情報記録再生装置に備えられたクロストークキャンセラ回路の構成を示すブロック図である。
【図7】可変光学素子の他の構造を示す断面図である。
【図8】可変光学素子の更に他の構造を示す断面図である。
【図9】可変光学素子の更に他の構造を示す断面図である。
【図10】可変光学素子の更に他の構造を示す断面図である。
【図11】可変光学素子の更に他の構造を示す断面図である。
【図12】可変光学素子の更に他の構造を示す断面図である。
【図13】情報記録媒体の構造を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1…光源
2…第1のビームスプリッタ
3,4,9…1/4波長板
5…可変光学素子
5a…半導体基板
5b…グレーティング部
6…反射板
7…第2のビームスプリッタ
8…コリメータレンズ
10…対物レンズ
11…集光レンズ
12…光検出器
13…情報記録媒体
14…電圧制御回路
16…矩形溝
17…凸条部
17a,17a’,17a”…圧電素子層
17b,17b’,5b…電極層
17c,16a…誘電体反射層
31…折れ線状の溝
32…折れ線状の凸条部
100…ピックアップ
200…情報記録再生装置
300…クロストークキャンセラ回路
MB(0),SB(-1),SB(+1)…光ビーム
G,G1,G2,G3…グルーブ
L…ランド
PE…透明な媒質
Claims (10)
- 光源からの光を反射及び回折させ、情報記録媒体の主トラックに照射する主ビームと隣接トラックに照射する副ビームとをパワー調整して生じさせる可変光学素子であって、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、
調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とする可変光学素子。 - 前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造であること、
を特徴とする請求項1に記載の可変光学素子。 - 光源からの光を反射及び回折させ、情報記録媒体の主トラックに照射する主ビームと隣接トラックに照射する副ビームとパワー調整して生じさせる可変光学素子であって、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、
調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とする可変光学素子。 - 情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置であって、
光を射出する光源と、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで主ビームと副ビームとを生じさせる可変光学素子と、
前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備え、
調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とするピックアップ装置。 - 前記可変光学素子の前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造であること、
を特徴とする請求項4に記載のピックアップ装置。 - 情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと 副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置であって、
光を射出する光源と、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせ可変光学素子と、
前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備え、
調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とするピックアップ装置。 - 情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置を備えた情報記録再生装置であって、
光を射出する光源と、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層の上面と溝の底部に光反射用の誘電体層が積層された構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで主ビームと副ビームとを生じさせる可変光学素子と、
前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備えた前記ピックアップ装置と、
前記印加電圧を調整する電圧制御手段と、を具備し、
前記電圧制御手段によって調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とする情報記録再生装置。 - 前記可変光学素子の前記凸条の圧電媒質層は、それぞれ別個の印加電圧が印加される複数の圧電媒質層が積層された構造を有し、
前記電圧制御手段は、前記それぞれ別個の印加電圧の調整を行うこと、
を特徴とする請求項7に記載の情報記録再生装置。 - 情報記録媒体に設けられた主トラックと隣接トラックに、主ビームと副ビームをパワー調整して照射し、情報記録又は情報再生を行うピックアップ装置を備えた情報記録再生装置であって、
光を射出する光源と、
基準媒質の上面に、印加電圧に応じて歪み効果による厚み変化を生じる凸条の圧電媒質層と前記圧電媒質層を有さない溝とが互いに隣接して所定ピッチ間隔で周期的に複数形成されると共に、前記複数の圧電媒質層と溝の上面全体が透明な媒質で埋められた構造を有し、調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記 主ビームと副ビームとを生じさせ可変光学素子と、
前記可変光学素子で生成される前記主ビームと副ビームとを集光し、前記主トラックと隣接トラックに照射する対物レンズと、を備えた前記ピックアップ装置と、
前記印加電圧を調整する電圧制御手段と、を具備し、
前記電圧制御手段によって調整される前記印加電圧に応じて前記複数の圧電媒質層に歪み効果による厚み変化を生じさせて、前記複数の圧電媒質層と溝とによる回折効率を設定させ、入射する前記光源からの光の波面に光学変化を与えて反射することで、前記印加電圧に応じたパワーで前記主ビームと副ビームとを生じさせること、
を特徴とする情報記録再生装置。 - 前記主ビームと副ビームとの照射によって前記主トラックと隣接トラックで反射される各々の反射光を受光し、前記主ビームによる反射光を示す第1の電気信号と、前記副ビームによる反射光を示す第2の電気信号とを生成する光検出手段と、
前記第1の電気信号を前記第2の電気信号で相殺することで、前記主トラックで反射される前記主ビームの反射光に生じて前記第1の電気信号に生じることとなったクロストーク成分を抑制し、該クロストーク成分を抑制した読取り信号を生成する雑音除去手段と、を更に備え、
前記読取り信号に基づいて前記主トラックの情報を再生すること、
を特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の情報記録再生装置。
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