JP3978669B2 - イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents

イオン交換膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械的強度とイオン伝導性に優れるイオン交換膜、特に高分子固体電解質膜に関し、さらには該高分子固体電解質膜を用いた電解質膜・電極接合体及び該電解質膜・電極接合体を用いた燃料電池に関するするものである。
【0002】
【従来技術】
近年、エネルギー効率や環境性に優れた新しい発電技術が注目を集めている。
中でも高分子固体電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池はエネルギー密度が高く、また、他の方式の燃料電池に比べて運転温度が低いため起動、停止が容易であるなどの特徴を有し、電気自動車や分散発電等の電源装置としての開発が進んできている。また、同じく高分子固体電解質膜を使用し、燃料としてメタノールを直接供給するダイレクトメタノール形燃料電池も携帯機器の電源などの用途に向けた開発が進んでいる。高分子固体電解質膜には通常プロトン伝導性のイオン交換樹脂膜が使用される。高分子固体電解質膜にはプロトン伝導性以外にも、燃料の水素等の透過を防ぐ燃料透過抑止性や機械的強度などの特性が必要である。このような高分子固体電解質膜としては例えば米国デュポン社製ナフィオン(商品名)に代表されるようなスルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜が知られている。
【0003】
固体高分子形燃料電池の高出力化や高効率化のためには高分子固体電解質膜のイオン伝導抵抗を低減させることが有効であり、その方策のひとつとして膜厚の低減が挙げられる。ナフィオンに代表されるような高分子固体電解質膜でも膜厚を低減させる試みが行われている。しかしながら、膜厚を低減させると機械的強度が小さくなり、高分子固体電解質膜と電極をホットプレスで接合させる際などに膜が破損しやすくなったり、膜の寸法の変動により、高分子固体電解質膜に接合した電極がはがれて発電特性が低下したりするなどの問題点を有していた。さらに、膜厚を低減させることで燃料透過抑止性が低下し、起電力の低下や燃料の利用効率の低下を招くなどの問題点を有していた。さらには、固体高分子形燃料電池の高出力化や触媒活性の向上、冷却システムの簡略化、排熱の利用などの目的で固体高分子形燃料電池をより高温で運転する試みが行われているが、ナフィオンに代表されるようなパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜では高温でのクリープ変形による電極の剥離を生じたり、膜の水分管理が困難になり、発電特性が低下するなどの問題点を有していた。
【0004】
高分子固体電解質膜は上記に示した燃料電池のイオン交換樹脂膜としての用途だけでなく、アルカリ電解や水からの水素製造のような電解用途、リチウム電池やニッケル水素電池などの種々の電池における電解質用途などの電気化学分野での用途、微小アクチュエータや人工筋肉のような機械的機能材料用途、イオンや分子等の認識・応答機能材料用途、分離・精製機能材料用途など幅広い用途にも適用が可能であり、それぞれの用途においても高分子固体電解質膜の高強度化や薄膜化、高耐熱性を達成することでこれまでにない優れた機能を提供することができると考えられる。
【0005】
高分子固体電解質膜の機械的強度を向上させ、寸法変化を抑制する方法として、高分子固体電解質膜に種々の補強材を組み合わせた複合高分子固体電解質膜が提案されている。特許文献1には、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜の空隙部にイオン交換樹脂であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーを含浸し、一体化した複合高分子固体電解質膜が記載されている。しかしながら、これらの複合高分子固体電解質膜は補強材がポリテトラフルオロエチレンでできているため、発電時の熱により補強材が軟化し、クリープによる寸法変化を生じやすく、特に、100℃を超えるような高温ではクリープによる寸法変化は顕著である。また補強材にパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーの溶液を含浸して乾燥する際に、補強材の空隙部分の容積がほとんど変化しないために補強材の空隙の内部で析出したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーが偏在しやすく、空隙が該ポリマーで完全に充填されるためにはイオン交換樹脂溶液の含浸と乾燥のプロセスを複数回繰り返すなどの複雑なプロセスが必要であり、また、空隙が残りやすいために燃料透過抑止性に優れた膜が得られにくいといった問題点を有していた。また、特許文献2にはパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーの膜内に補強材としてフィブリル化されたポリテトラフルオロエチレンが分散された複合高分子固体電解質膜が記載されている。しかしながら、このような複合高分子固体電解質膜は、補強材が不連続な構造のため十分な機械的強度が得られず、膜の変形が抑制できないために電極のはがれが生じるなどの問題点を有していた。
さらに、特許文献3には多官能化された側鎖を架橋させることによって耐熱性を向上させ、高温でのクリープ伸びを低減させた電解質が記載されている。しかしながら、この特許文献3における電解質のクリープ伸びは4分間と極めて短時間での変形から規定されたものであり、また、水分の影響については論じられておらず、長時間、高温、加湿雰囲気下にさらされた場合には導入した側鎖架橋構造の分解による耐熱性の低下や主鎖の二次構造の緩和による変形は避け難い。したがってこの特許文献3に記載されたような手段では、固体高分子形燃料電池の実用上重要な高温、加湿雰囲気下での長時間の荷重におけるクリープ変形の小さい電解質は達成できないという問題点を有していた。
【0006】
ポリベンゾオキサゾール(PBO)やポリベンズイミダゾール(PBI)のようなポリベンザゾール系ポリマーは高耐熱性、高強度、高弾性率の点で優れることから、高分子固体電解質膜の補強材料に適していることが期待される。特許文献4にはPBO多孔質膜と種々のイオン交換樹脂を複合化した高分子固体電解質膜が記載されている。しかしながら、これに記載されているような液晶性を示すドープから製膜したPBO溶液膜を直接水浴で凝固する方法で得られるPBO多孔質膜の表面には両面とも開孔部の少ない緻密な層が形成され、イオン交換樹脂を複合化させる際にイオン交換樹脂溶液が膜の内部に含浸されにくく、複合膜中のイオン交換樹脂の含有率が低くなり、イオン交換樹脂本来のイオン伝導性などの特性が大幅に低下するといった問題点を有していた。
【0007】
特許文献5にはPBI多孔質膜の空隙に酸をトラップした燃料電池用ポリマーフィルムの製造方法が記載されている。しかしながら、これに記載されているような方法で得られる遊離の酸をトラップしたフィルムは、100℃以下といった低温領域でのイオン伝導性が先述のナフィオンのようなイオン交換膜に比べて低いほか、酸が漏出しやすいなどの問題点を有していた。さらに、特許文献6には光学異方性のポリベンザゾール系ポリマー溶液を製膜してから吸湿による等方化の過程を経て凝固しポリベンザゾールフィルムを得る方法が開示されているが、これに記載されているような方法で得られるポリベンザゾールフィルムは透明な緻密性の高いフィルムであり、イオン交換樹脂を含浸してイオン交換膜とする目的には適していなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−162132号公報
【特許文献2】
特開2001−35508号公報
【特許文献3】
特開2002−324559号公報
【特許文献4】
国際公開第WO00/22684号パンフレット
【特許文献5】
国際公開第WO98/14505号パンフレット
【特許文献6】
特開2000−273214号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、機械的強度が高く、イオン伝導性に優れた高分子固体電解質膜として使用するのに適したイオン交換膜ならびに、その製造方法、さらに、前記イオン交換膜を用いた電解質膜・電極接合体及び該電解質膜・電極接合体を用いた燃料電池を提供するものであり、実際の燃料電池の運転で高温、加湿雰囲気となってもイオン交換膜の変形による破損や、イオン交換膜に接着させた電極層の剥離を抑制し、またイオン交換膜の膨潤によるイオン伝導性の低下を防止することができる燃料電池を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.0.3重量%以上3重量%以下のポリベンザゾール系ポリマーを含む等方性溶液を膜状に成型した後にポリベンザゾール系ポリマーの貧溶媒と接触させて凝固させることにより得られる、ポリベンザゾール系ポリマーのフィブリル状繊維から形成される立体網目構造からなり、三次元的に連続した空隙を有する多孔質膜を支持体膜とし、前記空隙にイオン交換樹脂が満たされた複合層を有する複合イオン交換膜であり、130℃の乾燥雰囲気中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが50%以下で、かつ130℃の水中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが60%以下あることを特徴とするイオン交換膜。
2.支持体膜の両面にイオン交換樹脂の表面層を有することを特徴とする前記1に記載のイオン交換膜。
3.0.3重量%以上3重量%以下のポリベンザゾール系ポリマーを含む等方性溶液を膜状に成型した後にポリベンザゾール系ポリマーの貧溶媒と接触させて凝固させることにより得られた多孔質膜を乾燥させずに、イオン交換樹脂溶液に浸漬し、該多孔質膜内部の液をイオン交換樹脂溶液に置換してから乾燥させることを特徴とする前記1又は2に記載のイオン交換膜の製造方法。
4.前記1又は2いずれかに記載のイオン交換膜を使用したことを特徴とする電解質膜・電極接合体。
5.前記4に記載の電解質膜・電極接合体を使用したことを特徴とする燃料電池。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のイオン交換膜においては、130℃の乾燥空気雰囲気中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが50%以下であり、該クリープ伸びは、好ましくは30%以下である。ここでの130℃の乾燥空気雰囲気中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びとは、幅5mmの短冊状の膜試料を、初期のチャック間距離L=25mmとなるようにしてクリープ試験機にセットし、膜試料の初期の断面積に対して1MPaとなるように調整した一定の負荷荷重を2時間かけたときのチャック間距離Lから以下の計算式により求めたものである。
クリープ伸び[%]={(L−L)/L}×100
乾燥雰囲気とは露点−30℃以下となるように乾燥させた空気または窒素雰囲気である。また負荷荷重とは、膜試料に与える応力を膜試料の荷重方向に直交する断面の初期の断面積で除したものである。上記で示した条件で測定した乾燥空気雰囲気下でのクリープ伸びが上記で示した範囲よりも大きいと、イオン交換膜を固体高分子形燃料電池に使用した場合に、発電時の熱や圧力により大幅な膜の変形がおこり、イオン交換膜の破損やイオン交換膜に接着させた電極層の剥離などを生じるため好ましくない。また、先に示した先行技術のような電解質の架橋により耐熱性を向上させたイオン交換膜では、4分程度の短時間の負荷荷重によるクリープに対しては耐性を示すものの、長時間の負荷荷重に対してはクリープ伸び抑制の効果は十分とは言えず好ましくない。さらに本発明のイオン交換膜においては、130℃の水中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが60%以下であり、好ましくは40%以下である。ここでの130℃の水中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びとは、幅5mmの短冊状の膜試料を、初期のチャック間距離L=25mmとなるようにセットし、膜試料の初期の断面積に対して1MPaとなるように調整した一定の負荷荷重をかけて内部が観察可能な耐圧性の装置に満たした水中に入れ、130℃で2時間加熱したときに測定したチャック間距離Lから上記のクリープ伸びの計算式により求めたものである。上記で示した条件で測定した水中でのクリープ伸びが上記で示した範囲であれば、実際の燃料電池の運転で高温、加湿雰囲気となってもイオン交換膜の変形による破損や、イオン交換膜に接着させた電極層の剥離を抑制し、またイオン交換膜の膨潤によるイオン伝導性の低下を防止することができる。水中でのクリープ伸びが上記で示した範囲よりも大きいと、高温、加湿雰囲気での燃料電池の運転においてイオン交換膜が大きく変形したり、イオン伝導性が低下したりするため好ましくない。
【0012】
さらに、本発明のイオン交換膜においては、ポリベンザゾール系ポリマーのフィブリル状繊維から形成される立体網目構造で、三次元的に連続した空隙を有するポリベンザゾール系ポリマーからなる多孔質膜を支持体膜とし、前記空隙にイオン交換樹脂が満たされた複合層を有する。イオン交換膜が該複合層を有することで、イオン交換膜に使用されるイオン交換樹脂自体の耐熱性や寸法安定性が低い場合でもクリープ伸びを効果的に抑制することができる。さらに、本発明においては、該支持体膜が空隙を有するポリベンザゾール系ポリマーからなる多孔質膜である。耐熱性の低いポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマーのほか、100℃を越える高温でのクリープ変形の大きいポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマーは本発明の支持体膜として好ましくない。本発明の支持体膜として使用されるポリベンザゾール系ポリマーとは、ポリマー鎖中にオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を含む構造のポリマーをいい、下記一般式で表される繰り返し単位をポリマー鎖中に含むものをいう。
【0013】
【化1】
Figure 0003978669
【0014】
ここで、Ar1,Ar2,Ar3は、芳香族単位を示し、各種脂肪族基、芳香族基、ハロゲン基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基等の置換基を有していても良い。これら芳香族単位は、ベンゼン環などの単環系単位、ナフタレン、アントラセン、ピレンなどの縮合環系単位、それらの芳香族単位が2個以上任意の結合を介してつながった多環系芳香族単位でも良い。また、芳香族単位におけるNおよびXの位置はベンザゾール環を形成できる配置であれば特に限定されるものではない。さらに、これらは炭化水素系芳香族単位だけでなく、芳香環内にN,O,S等を含んだヘテロ環系芳香族単位でも良い。XはO,S,NHを示す。
上記Ar1は、下記一般式で表されるものが好ましい。
【0015】
【化2】
Figure 0003978669
【0016】
ここで、Y1、Y2はCHまたはNを示し、Zは直接結合、−O−,−S−,−SO2−,−C(CH32−,−C(CF32−,−CO−を示す。
Ar2は、下記一般式で表されるものが好ましい。
【0017】
【化3】
Figure 0003978669
【0018】
ここで、Wは−O−,−S−,−SO2−,−C(CH32−,−C(CH32−,−CO−を示す。
Ar3は、下記一般式で表されるものが好ましい。
【0019】
【化4】
Figure 0003978669
【0020】
これらポリベンザゾール系ポリマーは、上述の繰り返し単位を有するホモポリマーであっても良いが、上記構造単位を組み合わせたランダム、交互あるいはブロック共重合体であっても良く、例えば米国特許第4703103号、米国特許第4533692号、米国特許第4533724号、米国特許第4533693号、米国特許第4539567号、米国特許第4578432号等に記載されたものなども例示される。
【0021】
これらポリベンザゾール系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0022】
【化5】
Figure 0003978669
【0023】
【化6】
Figure 0003978669
【0024】
【化7】
Figure 0003978669
【0025】
【化8】
Figure 0003978669
【0026】
【化9】
Figure 0003978669
【0027】
【化10】
Figure 0003978669
【0028】
【化11】
Figure 0003978669
【0029】
さらに、これらポリベンザゾール系構成単位だけでなく、他のポリマー構成単位とのランダム、交互あるいはブロック共重合体であっても良い。この時、他のポリマー構成単位としては耐熱性に優れた芳香族系ポリマー構成単位から選ばれることが好ましい。具体的には、ポリイミド系構成単位、ポリアミド系構成単位、ポリアミドイミド系構成単位、ポリオキシジアゾール系構成単位、ポリアゾメチン系構成単位、ポリベンザゾールイミド系構成単位、ポリエーテルケトン系構成単位、ポリエーテルスルホン系構成単位などを挙げることができる。
【0030】
ポリイミド系構成単位の例としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
【0031】
【化12】
Figure 0003978669
【0032】
ここで、Ar4は4価の芳香族単位で表されるが、下記構造で表されるものが好ましい。
【0033】
【化13】
Figure 0003978669
【0034】
また、Ar5は二価の芳香族単位であり、下記構造で表されるものが好ましい。ここで示される芳香環上には、メチル基、メトキシ基、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基等の各種置換基が存在していても良い。
【0035】
【化14】
Figure 0003978669
【0036】
これらポリイミド系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0037】
【化15】
Figure 0003978669
【0038】
【化16】
Figure 0003978669
【0039】
ポリアミド系構成単位の例としては、下記構造式で表されるのもが挙げられる。
【0040】
【化17】
Figure 0003978669
【0041】
ここで、Ar6,Ar7,Ar8はそれぞれ独立に下記構造から選ばれるものが好ましい。ここで示される芳香環上には、メチル基、メトキシ基、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基等の各種置換基が存在していても良い。
【0042】
【化18】
Figure 0003978669
【0043】
これらポリアミド系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0044】
【化19】
Figure 0003978669
【0045】
ポリアミドイミド系構成単位の例としては、下記構造で表されるものが挙げられる。
【0046】
【化20】
Figure 0003978669
【0047】
ここで、Ar9は上記Ar5の具体例として示される構造から選ばれるものが好ましい。
【0048】
これらポリアミドイミド構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0049】
【化21】
Figure 0003978669
【0050】
ポリオキシジアゾール系構成単位の例としては、下記構造式で表されるものが挙げられる。
【0051】
【化22】
Figure 0003978669
【0052】
ここで、Ar10は上記Ar5の具体例として示される構造から選ばれるものが好ましい。
【0053】
これらポリオキシジアゾール系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0054】
【化23】
Figure 0003978669
【0055】
ポリアゾメチン系構成単位の例としては、下記構造で表されるものが挙げられる。
【0056】
【化24】
Figure 0003978669
【0057】
ここで、Ar11,Ar12は、上記Ar6の具体例として示される構造から選ばれるものが好ましい。
【0058】
これらポリアゾメチン系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0059】
【化25】
Figure 0003978669
【0060】
ポリベンザゾールイミド系構成単位の例としては、下記構造式で表されるものが挙げられる。
【0061】
【化26】
Figure 0003978669
【0062】
ここで、Ar13、Ar14は上記Ar4の具体例として示される構造から選ばれるものが好ましい。
【0063】
これらポリベンザゾールイミド系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0064】
【化27】
Figure 0003978669
【0065】
ポリエーテルケトン系構成単位、ポリエーテルスルホン系構成単位は、一般に芳香族ユニットをエーテル結合とともにケトン結合やスルホン結合で連結した構造を有するものであり、下記構造式から選択される構造成分を含む。
【0066】
【化28】
Figure 0003978669
【0067】
ここで、Ar15〜Ar23はそれぞれ独立に下記構造で表されるものが好ましい。ここで示される芳香環上には、メチル基、メトキシ基、ハロゲン基、トリフルオロメチル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基等の各種置換基が存在していても良い。
【0068】
【化29】
Figure 0003978669
【0069】
これらポリエーテルケトン系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
【0070】
【化30】
Figure 0003978669
【0071】
これらポリベンザゾール系ポリマー構成単位と共に共重合できる芳香族ポリマー構成単位は、厳密にポリマー鎖内の繰り返し単位を指しているのではなく、ポリマー主鎖中にポリベンザゾール系構成単位と共に存在できる構成単位を示しているものである。これら共重合できる芳香族ポリマー構成単位は一種だけでなく二種以上を組み合わせて共重合することもできる。このような共重合体を合成するには、ポリベンザゾール系ポリマー構成単位からなるユニット末端にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基等を導入して、これらの芳香族系ポリマーの合成における反応成分として重合しても良いし、これらの芳香族系ポリマー構成単位を含むユニット末端にカルボキシル基を導入してポリベンザゾール系ポリマーの合成における反応成分として重合しても良い。
【0072】
前記ポリベンザゾール系ポリマーは、ポリ燐酸溶媒中で縮合重合されポリマーが得られる。ポリマーの重合度は極限粘度で表され、15dL/g以上が好ましく、より好ましくは20dL/g以上である。この範囲を下回った場合、得られる支持体膜の強度が低く好ましくない。また極限粘度は、35dL/g以下が好ましく、26dL/g以下がより好ましい。この範囲を上回った場合、等方性の溶液が得られるポリベンザゾール系ポリマー溶液の濃度範囲が限られ、等方性の条件での製膜が困難となるため好ましくない。
【0073】
ポリベンザゾール系ポリマー溶液の製膜方法としては、ドクターブレード等を用いてポリマー溶液を基体上にキャスティングする流延法と呼ばれる製膜方法のほかにも、直線状スリットダイから押し出す方法や円周状スリットダイからブロー押し出しする方法、二枚の基体に挟んだポリマー溶液をローラーでプレスするサンドイッチ法、スピンコート法など、溶液を膜状に成型するあらゆる方法が使用できる。本発明の目的に適した好ましい製膜方法は流延法、サンドイッチ法である。流延法の基板やサンドイッチ法の基体にはガラス板や金属板、樹脂フィルム等の他、凝固時の支持体膜の空隙構造を制御する等の目的で種々の多孔質材料を基板、基体として好ましく用いることができる。
【0074】
本発明で用いるポリベンザゾール系ポリマー溶液は、均一でかつ空隙率の大きな支持体膜を得るために等方性条件の組成で製膜することが重要であり、ポリベンザゾール系ポリマー溶液の好ましい濃度範囲は、0.3%以上であり、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは0.8%以上である。この範囲よりも濃度が低いとポリマー溶液の粘度が小さくなり、適用できる製膜方法が限られるほか、得られる支持体膜の強度が小さくなるため好ましくない。またさらに、濃度範囲は、3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。この範囲よりも濃度が高いと空隙率の大きな支持体膜が得られないばかりか、ポリベンザゾール系ポリマーのポリマー組成や重合度によっては溶液が異方性を示すため好ましくない。
【0075】
ポリベンザゾール系ポリマー溶液の濃度を上記で示したような範囲に調整するには次に示すような方法をとる事ができる。すなわち、重合されたポリベンザゾール系ポリマー溶液から一旦ポリマー固体を分離し、再度溶媒を加えて溶解することで濃度調整を行なう方法。さらには、ポリ燐酸中で縮合重合されたままのポリマー溶液からポリマー固体を分離することなく、そのポリマー溶液に溶媒を加えて希釈し、濃度調整を行なう方法。さらにはポリマーの重合組成を調整することで上記濃度範囲のポリマー溶液を直接得る方法などである。
【0076】
ポリマー溶液の濃度調整に用いるのに好ましい溶媒としては、メタンスルホン酸、ジメチル硫酸、ポリ燐酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などがあげられ、あるいはこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒を用いることもできる。中でも特にメタンスルホン酸、ポリリン酸が好ましい。
【0077】
支持体膜の多孔質構造を実現する手段としては、製膜された等方性のポリベンザゾール系ポリマー溶液を、貧溶媒と接触させて凝固する方法を用いる。貧溶媒はポリマー溶液の溶媒と混和できる溶媒であって、液相状態であっても気相状態であっても良い。さらに、気相状態の貧溶媒による凝固と液相状態の貧溶媒による凝固を組み合わせることも好ましく用いることができる。凝固に用いる貧溶媒としては、水、酸水溶液や無機塩水溶液の他、アルコール類、グリコール類、グリセリンなどの有機溶媒等を利用することができるが、使用するポリベンザゾール系ポリマー溶液との組み合わせによっては、支持体膜の表面開孔率や空隙率が小さくなったり、支持体膜の内部に不連続な空洞ができたりするなどの問題が生じるため、凝固に用いる貧溶媒の選択には特に注意が必要である。本発明における等方性のポリベンザゾール系ポリマー溶液の凝固においては、水蒸気、メタンスルホン酸水溶液、リン酸水溶液、グリセリン水溶液の他、塩化マグネシウム水溶液などの無機塩水溶液などの中から貧溶媒と凝固条件を選択することにより支持体膜表面および内部の構造、空隙率を制御するに至った。特に好ましい凝固の手段は水蒸気と接触させて凝固する方法や、凝固の初期において水蒸気に短時間接触させた後に水に接触させて凝固する方法、メタンスルホン酸水溶液に接触させて凝固する方法などである。
【0078】
ポリマーの凝固が進むと、支持体膜は収縮しようとする。凝固が進行する間は支持体膜の不均一な収縮によるシワの発生などを抑制する目的でテンターや固定枠を用いる場合もある。また、ガラス板などの基板上に成型したポリマー溶液を凝固する場合には、基板面の粗さを制御することで基板上での収縮を制御する場合もある。
【0079】
上記のようにして凝固された支持体膜は、残留する溶媒によるポリマーの分解の促進や、複合電解質膜を使用する際に残留溶媒が流出するなどの問題を避ける目的で、十分に洗浄することが望ましい。洗浄は支持体膜を洗浄液に浸漬することで行なうことができる。特に好ましい洗浄液は水である。水による洗浄は、支持体膜を水中に浸漬したときの洗液のpHが5〜8の範囲になるまで行なうことが好ましく、さらに好ましくはpHが6.5〜7.5の範囲である。
【0080】
上記に述べた特定の濃度範囲のポリベンザゾール系ポリマー等方性溶液を用い、上記に述べたような方法から選ばれた適当な凝固手段を用いることにより本発明の目的に適した構造を有するポリベンザゾール系ポリマーよりなる支持体膜が得られる。すなわち、支持体膜の少なくとも一方の表面に開口部を持つ連続した空隙を有する多孔質の支持体膜である。支持体膜はポリベンザゾール系ポリマーのフィブリル状繊維から形成される立体網目構造からなり、三次元的に連続した空隙を有することを、実施例に示したような原子間力顕微鏡を用いる水中での支持体膜表面の観察、および、エポキシ包埋−脱エポキシにより水中の構造を保持した支持体膜の透過型電子顕微鏡観察による断面観察から確認した。特開2002−203576には膜の厚さ方向に貫通する連通孔を有する膜支持体にイオン伝導性物質が導入された電解質膜が記載されているが、これに記載されているような連通孔の方向性が主に膜の厚さ方向に限定されている支持体を燃料電池の電解質膜に用いた場合、膜の面方向のイオン伝導性物質の連続性が小さいために燃料電池のイオン交換膜に用いた場合に燃料ガスの濃度分布や電極触媒の付着量など面方向に不均一な状態が生じるとイオン交換膜の局所的な劣化が生じやすいなどの問題があるため好ましくない。
【0081】
本発明の支持体膜の空隙率は90体積%以上であることが好ましく、さらに好ましくは95体積%以上である。空隙率がこの範囲よりも小さいと、イオン交換樹脂を複合化させた場合のイオン交換樹脂の含有率が小さく、イオン導電性が低下するため好ましくない。
【0082】
本発明の支持体膜は、少なくとも一方の面の開孔率が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上である。少なくとも一方の面の開孔率がこの範囲よりも小さいと、支持体膜とイオン交換樹脂を複合化させる際に支持体膜の空隙内部にイオン交換樹脂が含浸されにくくなるため好ましくない。
【0083】
上述のような方法で得られたポリベンザゾール系ポリマーよりなる多孔質の該支持体膜にイオン交換樹脂を複合化させ、複合イオン交換膜を得る方法について説明する。即ち、該支持体膜を乾燥させずに、イオン交換樹脂溶液に浸漬し、該支持体膜内部の液をイオン交換樹脂溶液に置換してから乾燥させる方法により複合イオン交換膜を得る方法である。支持体膜内部の液がイオン交換樹脂溶液の溶媒組成と異なる場合には、その溶媒組成にあわせてあらかじめ内部の液を置換しておく方法も採られる。
【0084】
本発明の支持体膜は乾燥により空隙内部の液体の体積が減少するのにしたがって空隙構造が収縮し、支持体膜の見かけの体積が大幅に減少するという特徴を有する。該支持体膜の内部にイオン交換樹脂を含浸することなく金属の枠などに固定して面方向の収縮を制限して乾燥させた場合には、収縮は膜厚方向に起こり、該支持体膜の乾燥後の見かけの膜厚は、乾燥前の膜厚の0.5%から10%の範囲である。本発明の支持体膜以外の多孔質支持体膜、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレンポリマー多孔質膜からなる支持体膜ではこのような大幅な収縮は起こらない。
【0085】
該支持体膜のこのような特徴により、該支持体膜の空隙内部の液をイオン交換樹脂溶液に置換してから乾燥させた場合、空隙内部に含浸された該イオン交換樹脂溶液の溶媒が蒸発して、該イオン交換樹脂溶液の体積が減少するにつれて該支持体膜も収縮するので、該支持体膜内部の空隙が析出したイオン交換樹脂によって満たされた緻密な複合膜構造を容易に得ることができる。この複合膜構造により、本発明のイオン交換膜は優れた燃料透過抑止性を示す。本発明の支持体膜以外の多孔質支持体膜、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレンポリマー多孔質膜からなる支持体膜では空隙内部に含浸されたイオン交換樹脂溶液の溶媒が蒸発して該イオン交換樹脂溶液の体積が減少しても、それに伴う支持体膜の収縮が少ないため、乾燥後の複合膜内部にはイオン交換樹脂で満たされていない空隙が多数できるため好ましくない。
【0086】
該イオン交換膜はまた、該支持体膜が大幅に収縮するため、該イオン交換樹脂溶液の濃度や粘度、溶媒の揮発性などの物性と、該支持体膜の膜厚や空隙率等の組み合わせを調整することで、該イオン交換樹脂が該支持体膜の内部空隙を満たした複合層を形成するのと並行して該支持体膜の両面に付着していた過剰なイオン交換樹脂溶液や、該支持体膜の収縮に伴って該支持体膜内部から排出されたイオン交換樹脂溶液が該支持体膜の表面外部で乾燥して該支持体を含まないイオン交換樹脂層を形成することにより、結果として該複合層を挟む形で該複合層の両面に支持体膜を含まないイオン交換樹脂の表面層を形成した構造を容易に実現することができる。
【0087】
本発明の支持体膜以外の膜、例えばポリテトラフルオロエチレンポリマーからなる多孔質支持体膜は上記で述べたように、大幅な収縮が起こらないため、イオン交換樹脂溶液を含浸して乾燥する際に支持体膜内部にイオン交換樹脂が析出しても空隙が残ったままの状態となる。この状態を解消するためにはイオン交換樹脂溶液の含浸、乾燥を複数回繰り返す必要があり、工程が複雑になるため好ましくない。
【0088】
本発明の複合イオン交換膜に使用されるイオン交換樹脂は特に限定されるものではなく、前述のパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー以外にも、例えばポリスチレンスルホン酸、ポリ(トリフルオロスチレン)スルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリビニルスルホン酸ポリマーの少なくとも一つのアイオノマー、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンザゾール及びポリアラミドポリマーなどの芳香族ポリマーの少なくとも一つがスルホン化、ホスホン化またはカルボキシル化されたアイオノマー等が適用できる。ここでいうポリスルホンポリマーにはポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン及びポリフェニレンスルホンポリマーの少なくとも一つが含まれる。また、ここでいうポリエーテルケトンポリマーにはポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン−ケトン、ポリエーテルエーテルケトン−ケトンおよびポリエーテルケトンエーテル−ケトンポリマーの少なくとも一つが含まれる。
【0089】
上記に記述したイオン交換樹脂溶液の溶媒はポリベンザゾール系ポリマー支持体膜を溶解、分解あるいは極端に膨潤させず、かつイオン交換樹脂を溶解できる溶媒の中から選ぶことができる。ただし、イオン交換樹脂溶液を支持体膜に含浸させた後に溶媒を除去してイオン交換樹脂を析出させる為、溶媒は加熱や減圧などの手段を用いて蒸発させるなどして除去することができるものであることが好ましい。ここで、本発明のポリベンザゾール系ポリマー支持体膜は高い耐熱性を有することから、100℃程度の温度からクリープを生じるポリテトラフルオロエチレン製の支持体膜を用いる複合イオン交換膜の作製では使用できない高沸点の溶媒を含むイオン交換樹脂溶液を使用して複合イオン交換膜を作製できることも、多くの種類のイオン交換樹脂が選択できるという観点から優れた特徴である。
【0090】
上記に記述したイオン交換樹脂溶液の濃度および、イオン交換樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、イオン交換樹脂の種類や得ようとする複合イオン交換膜の膜厚などに応じて適宜選択される。
【0091】
上記のようにして得られる複合イオン交換膜に占めるイオン交換樹脂の含有率は50重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは80重量%以上である。この範囲より小さい含有率の場合、膜の導電抵抗が大きくなったり、膜の保水性が低下したりして、十分な発電性能が得られないため好ましくない。
【0092】
イオン交換膜は機械的強度やイオン伝導性、表面に形成されるイオン交換樹脂層の耐剥離性などの特性をさらに向上させる目的で、イオン交換膜を適当な条件で熱処理する方法も好ましく用いることができる。また、表面に形成されるイオン交換樹脂の表面層の厚みを調整するために、該イオン交換膜をさらにイオン交換樹脂溶液に浸漬したり、該イオン交換膜にイオン交換樹脂溶液を塗布したりしてから乾燥することによりイオン交換樹脂層の付着量を増加させたり、あるいは、イオン交換樹脂溶液に浸漬した後に支持体膜の表面に付着したイオン交換樹脂溶液の一部をスクレーパー、エアナイフ、ローラーなどで掻き落としたり、ろ紙やスポンジのような溶液吸収性のある材料で吸収したりすることにより、イオン交換樹脂層の付着量を減少させたりする方法も用いることができる。あるいは、熱プレスをかけることによりイオン交換樹脂層の密着性をさらに向上させるなどの方法を併せて用いることもできる。
【0093】
さらに本発明は、上記イオン交換膜を利用したことを特徴とする電解質膜・電極接合体である。本発明のクリープ伸びの小さいイオン交換膜と電極触媒層を接合させることで、高温や加湿の条件においても従来のイオン交換膜に比べてイオン交換膜の変形が少ないため、電極の剥離が起こりにくい電解質膜・電極接合体とすることができる。ここで、電解質膜・電極接合体の作製方法としては、イオン交換膜上にスキージやスクリーン印刷、スプレーなどを用いて直接電極ペーストを塗布する方法、イオン交換膜上に別途調整した電極層シートをヒートプレス等を用いて密着させる方法、その他、イオン交換膜上に電極を接合させるあらゆる方法をとることができる。
【0094】
さらに本発明は、上記電解質膜・電極接合体を使用したことを特徴とする燃料電池である。該電解質膜・電極接合体を使用した燃料電池は、高温、高圧、加湿の条件で運転した場合においても、従来の電解質膜・電極接合体を用いた燃料電池に比べて電解質膜の破損や電極の剥離が起こりにくいため優れた耐久性を有する。
【0095】
本発明のイオン交換膜は高いイオン伝導性を有しながら、耐熱性に優れる。また、その特性を生かして、イオン交換膜特に固体高分子形燃料電池の高分子固体電解質膜として利用することができる。
【0096】
実施例
以下に本発明の実施例を示すが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
評価法・測定法
<透過型電子顕微鏡による構造観察>
透過型電子顕微鏡(TEM)による膜の断面構造の観察は以下の方法で行った。まず、観察用試料切片を次のようにして作成した。すなわち、水洗後の支持体膜試料内部の水をエタノールに置換、さらにエポキシモノマーに十分置換した。試料はそのままエポキシモノマー中で45℃、6時間保持した後、さらに60℃、20時間熱処理することでエポキシを硬化させた(エポキシ包埋)。このようにしてエポキシ包埋された試料はダイヤモンドナイフを備えたミクロトームを用いて、干渉色が銀から金色を示す程度の厚みの超薄切片に調製し、KOH飽和エタノール溶液で15分処理することでエポキシを除去した(脱エポキシ)。さらにエタノール、続いて水で洗浄し、RuO4で染色した試料にカーボン蒸着し、JEOL製TEM(JEM−2010)を用いて加速電圧200kVで観察した。
【0097】
<原子間力顕微鏡による構造観察>
原子間力顕微鏡(AFM)による構造観察は以下の方法で行った。すなわち、Seiko Instruments社製のAFM(SPA300[観察モード:DFMモード、カンチレバー:SI−DF3、スキャナー:FS−100A])を使用し、水中の試料ステージに保持した未乾燥の支持体膜の表面構造を観察した。
【0098】
<走査型電子顕微鏡による構造観察>
走査型電子顕微鏡(SEM)による構造観察は以下の方法で行った。まず、水洗した支持体膜内部の水をエタノールに置換、さらに酢酸イソアミルに十分置換した後、日立製臨界点乾燥装置(HCP−1)を用いて、CO2臨界点乾燥を施した。このようにして臨界点乾燥した支持体膜に厚さ150オングストロームの白金コートを施し、日立製SEM(S−800)を用いて加速電圧10kV、試料傾斜角度30度で観察を行った。
【0099】
<極限粘度>
メタンスルホン酸を溶媒として、0.5g/Lの濃度に調整したポリマー溶液の粘度をウベローデ型粘度計を用いて25℃恒温槽中で測定し、算出した。
【0100】
<イオン導電率>
イオン導電率σは次のようにして測定した。自作測定用プローブ(ポリテトラフルオロエチレン製)上で幅10mmの短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽中に試料を保持し、白金線間の10kHzにおける交流インピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を10mmから40mmまで10mm間隔で変化させて測定し、極間距離と抵抗測定値をプロットした直線の勾配Dr[Ω/cm]から下記の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルして算出した。
σ[S/cm]=1/(膜幅×膜厚[cm]×Dr)
【0101】
<電解質膜・電極接合体の作製および発電試験>
デュポン社製20%ナフィオン(商品名)溶液(品番:SE−20192)に、白金担持カーボン(カーボン:Cabot社製ValcanXC−72、白金担持量:40重量%)を、白金とナフィオンの重量比が2.7:1になるように加え、撹拌して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストをイオン交換膜に白金の付着量が1mg/cm2になるように塗布、乾燥して、電極触媒層付きイオン交換膜を作成した。2枚の東レ製カーボンペーパーTGPH−060の間に、イオン交換膜を、電極触媒層が膜試料に接するように挟み、ホットプレス法により120℃、2MPaにて3分間加圧、加熱することにより電解質膜・電極接合体を作製した。作製した電解質膜・電極接合体を耐圧性の評価用燃料電池セルに組み込んでセル温度130℃、ガス加湿温度120℃、ガス圧力0.3MPa、燃料ガスとして水素300mL/min、酸化ガスとして空気1000mL/minのガス流量において発電試験を行った。
【0102】
実施例1
ポリ燐酸中にIV=24dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを14重量%含んだドープにメタンスルホン酸を加えて希釈し、ポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾール濃度1重量%の等方性溶液を調製した。この溶液を、70℃に加熱したガラス板上にクリアランス300μmのアプリケータを用いて製膜速度5mm/秒で製膜した。このようにしてガラス板上に製膜したドープ膜をそのまま25℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中において10分間凝固したのち、さらに25℃の純水中にて15分間凝固を行い、生成した膜を洗液がpH7±0.5を示すまで水洗を行って支持体膜を作成した。作成した支持体膜は両面に開口部を持つ連続した空孔を有する多孔質の膜であることを原子間力顕微鏡による表面形態観察および、透過型電子顕微鏡による断面形態観察により確認した。この支持体膜を水中でステンレス製のフレームに固定し、支持体膜の内部の水をイオン交換樹脂溶液であるデュポン社製20%ナフィオン(商品名)溶液(品番:SE−20192)の溶媒組成とほぼ同じ水:エタノール:1−プロパノール=26:26:48(重量比)の混合溶媒で置換した。この支持体膜を20%ナフィオン(商品名)溶液に25℃で15時間浸漬した後溶液から取り出し、膜の内部に含浸および膜表面に付着したナフィオン(商品名)溶液の溶媒を風乾により揮発させ乾燥させた。乾燥させた膜は60℃のオーブン中で1時間予備熱処理して残留した溶媒を除いた後、窒素雰囲気下、150℃で1時間熱処理を行なうことにより実施例1のイオン交換膜を調製した。
【0103】
比較例1
比較例1として、市販されているデュポン社製ナフィオン112(商品名)膜を用いた。この膜は実施例1で用いた20%ナフィオン溶液に含まれるナフィオンポリマーと同じパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーからなるプロトン交換膜であり、固体高分子形燃料電池用のプロトン交換膜として広く用いられているものである。
【0104】
比較例2
膜厚20μm、空隙率89%の延伸多孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートをステンレス製のフレームに固定し、20%ナフィオン(商品名)溶液に25℃で15時間浸漬した後溶液から取り出し、膜の内部に含浸および膜表面に付着したナフィオン(商品名)溶液の溶媒を風乾により揮発させ乾燥させた。この含浸−風乾を5回繰り返して、延伸多孔質PTFE膜の空隙部及び表面にナフィオン(商品名)樹脂が充填された膜を形成した。乾燥させた膜は60℃のオーブン中で1時間予備熱処理して残留した溶媒を除いた後、窒素雰囲気下、150℃で1時間熱処理を行なうことにより比較例2のイオン交換膜を調製した。
【0105】
実施例1および比較例2のイオン交換膜について、電解質膜・電極接合体を作製し、上記に示した高温の発電試験条件において、セル電圧0.5Vで100時間の発電を行った後、電解質膜・電極接合体を取り出して、電極の接合状態を調べたところ、実施例1のイオン交換膜の接合状態は良好であったのに対して、比較例2のイオン交換膜については電極の一部が複合イオン交換膜から剥離していた。
【0106】
実施例1比較例1の物性値を表1に示す。
【0107】
【表1】
Figure 0003978669
【0108】
実施例1のイオン交換膜は比較例1である市販のナフィオン112膜、および比較例2のイオン交換膜と対比して高温でのクリープ伸びの小さいイオン交換膜であることがわかる。また実施例1のイオン交換膜は内部に支持体を有するにもかかわらず、支持体を含まない比較例1に比べてイオン導電率の大幅な低下を起こすことがないことがわかる。
【0109】
さらに、実施例1のイオン交換膜は比較例2のイオン交換膜に比して高温発電時の電極の密着性が良好であった。実施例1のイオン交換膜は高温でのクリープ伸びが小さいため高温での発電時に膜の寸法変化が小さく、電極の剥離が起こらなかったものと推定される。このように本発明のイオン交換膜は高温での燃料電池の高分子固体電解質膜として優れた特性を備えていることがわかる。
【0110】
【発明の効果】
耐熱性が高く、イオン伝導性に優れた高分子固体電解質膜を提供することができ、さらに、該高分子固体電解質膜と電極との接合体及び該高分子固体電解質膜・電極接合体を用いた燃料電池において、燃料電池の運転で高温、加湿雰囲気となってもイオン交換膜の変形による破損や、イオン交換膜に接着させた電極層の剥離が抑制でき、またイオン交換膜の膨潤によるイオン伝導性の低下を防止することができる。

Claims (5)

  1. 0.3重量%以上3重量%以下のポリベンザゾール系ポリマーを含む等方性溶液を膜状に成型した後にポリベンザゾール系ポリマーの貧溶媒と接触させて凝固させることにより得られる、ポリベンザゾール系ポリマーのフィブリル状繊維から形成される立体網目構造からなり、三次元的に連続した空隙を有する多孔質膜を支持体膜とし、前記空隙にイオン交換樹脂が満たされた複合層を有する複合イオン交換膜であり、130℃の乾燥雰囲気中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが50%以下で、かつ130℃の水中において1MPaの負荷荷重を2時間かけたときのクリープ伸びが60%以下あることを特徴とするイオン交換膜。
  2. 支持体膜の両面にイオン交換樹脂の表面層を有することを特徴とする請求項1に記載のイオン交換膜。
  3. 0.3重量%以上3重量%以下のポリベンザゾール系ポリマーを含む等方性溶液を膜状に成型した後にポリベンザゾール系ポリマーの貧溶媒と接触させて凝固させることにより得られた多孔質膜を乾燥させずに、イオン交換樹脂溶液に浸漬し、該多孔質膜内部の液をイオン交換樹脂溶液に置換してから乾燥させることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン交換膜の製造方法。
  4. 請求項1又は2いずれかに記載のイオン交換膜を使用したことを特徴とする電解質膜・電極接合体。
  5. 請求項4に記載の電解質膜・電極接合体を使用したことを特徴とする燃料電池。
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