JP3976813B2 - 液混合装置及び方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品工業、化学工業、医農薬化粧品工業、石油化学工業等の諸産業において、複数液を所望の比率で連続的に混合・移送する液混合装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数液を混合・移送する液混合装置としては、所定の比率で供給された一定量の液体同士を撹拌・混合する撹拌タンクと、該撹拌タンクで処理した混合液を次のプロセスに移送する移送用ポンプとを組み合わせたバッチ処理式のもの、あるいは、供給された液体を撹拌・混合しながら圧送するラインミキサーと、該ラインミキサーに混合すべき液体を所定の比率で供給するための原料供給用ポンプとを組み合わせた連続処理式のもの等が、種々使用されている。
【0003】
しかし、前述の撹拌タンクを使用するバッチ処理式のものは、撹拌タンクの容量単位でしか処理ができず、処理量を任意量に調整することができないという不便があった。
また、撹拌タンクに原料の供給中は、混合・移送処理が中断するため、処理に時間がかかるという問題もあった。
【0004】
一方、ラインミキサーを利用する連続処理式のものは、処理量を任意量に調整することができ、しかも、混合・移送処理を中断することなく実行できるという長所があるが、ラインミキサー自体が液体相互を撹拌・混合するために一定以上の長さ寸法を必要とするため、装置のコンパクト化が難しいという問題があった。
また、液体相互の混合比率が、原料をラインミキサーに供給する各ポンプの吐出量によって設定されるため、混合比率の微調整が難しいという問題もあった。
【0005】
そこで、このような背景から、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプを使用した液混合装置が開発された。
この液混合装置は、前記内接形歯車ポンプの各吸込口に、それぞれ、原料液体を貯留した原料タンクを接続したもので、前記内接形歯車ポンプを連続稼働することにより連続的に混合・移送を行うことができ、ラインミキサーを使用した装置と比較してコンパクト化することができる。しかも、前記内接形歯車ポンプに供給される原料液相互の混合比率は、該内接形歯車ポンプに装備された調節弁によって、調整することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の内接形歯車ポンプを使用した従来の液混合装置は、前記調節弁が前記内接形歯車ポンプに外付けされた操作レバー等によって手動操作されるもので、各原料タンクにおけるサクションヘッドや各原料液の粘度を考慮して所定の混合比率が得られるように、運用前に、前記調節弁を操作することによって内接形歯車ポンプへの各原料液の流入量を調整している。
しかし、前記調節弁が手動操作であるがため、例えば、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化し、それによって混合比率が変動する場合には、混合比率が不安定になって、混合精度の低下等の問題が生じる虞が有った。
【0007】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、複数液の混合・移送処理を連続的に実施できると同時に装置のコンパクト化にも適し、しかも、運用中に、原料液の混合比率や粘度に変動が生じた時には、調節弁の位置を自動調整して、混合比率を初期の適性値に修正することができて、混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことのできる液混合装置及び方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段と、
前記流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置により達成される。
【0009】
また、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段と、
前記粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置によっても達成することができる。
【0010】
さらに、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率の調節を行うことを特徴とする液混合方法により達成される。
【0011】
そして、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、所定粘度の混合液を得ることを特徴とする液混合方法によっても達成することができる。
【0012】
本発明の上記構成によれば、内接形歯車ポンプを利用する方式により該内接形歯車ポンプを連続稼働させることで、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプの稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
【0013】
そして、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化した場合には、それらサクションヘッドの変動や原料液の粘度変化に基づく原料液の流入比の変化の発生が直ちに流量検知手段または粘度検出手段によって検知される。そして、これら検知手段の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプの調節弁を操作する制御手段が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁の位置を自動調整する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態により、本発明を説明する。
図1は、本発明に係る液混合装置の一実施形態における概略構成を示したものである。
本実施形態の液混合装置1は、図示のように、二つの吸込口3,4及び一つの吐出口6を有した内接形歯車ポンプ10と、原料液体12,13を貯留して前記内接形歯車ポンプ10の各吸込口3,4に接続されて各吸込口3,4に原料液体12,13を供給する二つの原料タンク15,16と、前記吸込口3側及び前記吐出口6側の二箇所に配設された流量検知手段18,19と、前記流量検知手段18,19の検知信号に基づいて前記内接形歯車ポンプ10の調節弁8の位置を調節して前記吸込口3,4からの液流入率(即ち、移送比率)を変更する制御手段21とを備えており、前記吸込口3,4に供給された原料液の移送・混合・移送比率の調節を行う。
【0015】
ここで、前記内接形歯車ポンプ10は、前記吸込口3,4及び吐出口6を有したポンプケーシング23と、リング状に装備される歯25a間に原料液が挿通可能なスリット25bが形成されて前記ポンプケーシング23内に回転自在に支持された外転ギヤ25と、この外転ギヤ25の内側で偏心した位置で外転ギヤ25に噛合するピニオンギヤ27と、前記ポンプケーシング23に固定装備されて前記ピニオンギヤ27を前記外転ギヤ25に対して偏心した位置に保つ断面三日月状の支持板29と、前記外転ギヤ25の外周に沿って移動可能に装備されて吸込口3,4の開口面積S1 ,S2 を変更することで移送比率を変更可能な調節弁8と、前記ピニオンギヤ27を回転駆動するモータ(図示略)とを備えた構成をなしており、前記ピニオンギヤ27の回転に伴って前記ピニオンギヤ27と外転ギヤ25との噛み合い量が変化することを利用して、吸込口3,4に供給された各原料液体12,13の吸引、撹拌・混合、移送を行う。
【0016】
前記原料タンク15内の原料液体12を吸込口3に導く管路31には、前記流量検知手段18よりも上流側に位置して、開閉弁33が装備されている。
また、前記原料タンク16内の原料液体13を吸込口4に導く管路35にも、該管路35を開閉する開閉弁36が装備されている。
そして、前記吐出口6に接続される混合液排出管路37には、前記流量検知手段19と、前記混合液排出管路37を開閉する開閉弁38が装備されている。この混合液排出管路37は、混合液に対して次のプロセス処理を実施する次プロセス装置39に接続されている。
【0017】
前記流量検知手段18,19は、本実施形態の場合は、いずれも、各管路における流量を非接触で検出して前記制御手段21に出力する電磁流量計であるが、流量が液圧に比例することを利用すれば、流量計の代りに圧力計を使用するようにしてもよい。
【0018】
前記制御手段21は、モータやソレノイド等をアクチュエータとして使って、前記調節弁8を無段階に移動調整すると共に、前記ピニオンギヤ27の回転数を制御する。
また、この制御手段21は、図示略の入力手段(制御手段21に接続されているキーボードなど)からの指示で、前記調節弁8の位置を任意位置に初期設定することができる。そして、内接形歯車ポンプ10が稼働されると、その初期に前記流量検知手段18,19における検出値を記憶し、以後の運用中は、前記流量検知手段18,19における検出値が一定値(一定範囲)に維持されるように、前記流量検知手段18,19の検知信号に基づいて、前記調節弁8の位置を自動調節すると同時に、前記外転ギヤ25の回転数を制御する。
【0019】
具体的には、前記制御手段21は、図2に示す如く、調節弁8の位置および外転ギヤ25の回転を調整する。
前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ101)。
次いで、前述の各流量検知手段18,19からの検出値に基づいて、実際の前記吸込口3への流入量qaと前記吐出口6からの吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、q/(q−qa)との大小関係を比較し(ステップ102)、その判断結果に応じて、A/Bがq/(q−qa)よりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ103,104)。
同様に、A/Bがq/(q−qa)よりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ110,111)。
また、A/Bがq/(q−qa)に等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ120)。
【0020】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の流量検知手段19によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ130)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ131,132)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ140,141)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ150)。
【0021】
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ102に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0022】
上述の液混合装置1では、内接形歯車ポンプ10を利用する方式により該内接形歯車ポンプ10を連続稼働させることで、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプ10の稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
また、内接形歯車ポンプ10を利用する方式のため、従来のラインミキサーを利用する方式のものと比較すると、装置をコンパクト化することができる。
【0023】
そして、運用中に、原料タンク15,16中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液12,13の粘度変化によって、内接形歯車ポンプ10の各吸込口3,4への原料液12,13の流入比が変化した場合には、それらの原料液12,13の流入比の変化の発生が直ちに流量検知手段18,19によって検知され、これら検知手段18,19の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプ10の調節弁8を操作する制御手段21が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁8の位置を自動調整する。
したがって、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
【0024】
なお、前記流量検知手段18,19の装備位置は、上述の実施形態の場合に限定するものではない。前記二つの吸込口3,4側及び吐出口6側の内の少なくとも二箇所の流量を検知することができれば、混合比率の変動を検知することができ、その検知信号に基づく前記調節弁8の制御や外転ギヤ25の回転数の制御によって、混合比率や吐出量を初期の設定値に戻すことが可能である。
したがって、図3(a)に示すように、内接形歯車ポンプ10の吸込口4側と吐出口6側との二箇所に流量検知手段41を装備するようにしてもよく、また、図3(b)に示すように、内接形歯車ポンプ10の二つの吸込口3,4側のそれぞれに流量検知手段41を装備するようにしてもよく、また、図3(c)に示すように、二つの吸込口3,4側および吐出口6側の全てに流量検知手段41を装備するようにしてもよい。
【0025】
図3(a)の構成とした場合の制御手段21における処理を図4に、図3(b)の構成とした場合の制御手段21における処理を図5に、図3(c)の構成とした場合の制御手段21における処理を図6に、それぞれ示す。
【0026】
図3(a)のように、吸込口4側と吐出口6側とに流量検知手段41を装備した場合には、上記実施形態の場合と同様であるが図4に示すように、前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ201)。
次いで、前述の各流量検知手段41,41からの検出値に基づいて、実際の前記吸込口4への流入量qbと前記吐出口6からの吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、(q−qb)/qとの大小関係を比較し(ステップ202)、その判断結果に応じて、A/Bが(q−qb)/qよりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ203,204)。
同様に、A/Bが(q−qb)/qよりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ210,211)。
また、A/Bが(q−qb)/qに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ220)。
【0027】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の吐出口6側の流量検知手段41によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ230)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ231,232)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ240,241)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ250)。
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ202に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0028】
図3(b)のように、二つの吸込口3,4のそれぞれに流量検知手段41を装備した場合には、図5に示すように、前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ301)。
次いで、前述の各流量検知手段41,41からの検出値に基づいて、二つの吸込口3,4への実際の流入量qa,qb及び吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、qa/qbとの大小関係を比較し(ステップ302)、その判断結果に応じて、A/Bがqa/qbよりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ303,304)。
同様に、A/Bがqa/qbよりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ310,311)。
また、A/Bがqa/qbに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ320)。
【0029】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の吐出口6側の流量検知手段41によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ330)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ331,332)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ340,341)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ350)。
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ302に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0030】
図3(c)のように、二つの吸込口3,4と吐出口6とのそれぞれに流量検知手段41を装備した場合には、制御手段21における処理としては、図3(b)の場合と同様でよい。ただし、吐出口6からの吐出量qが41によって直接検出されるため、吸込口3側に配置した流量検知手段41の検出値qaと吸込口4側に配置した流量検知手段41の検出値qbとの和を演算処理することで吐出量qを求める必要がなくなる。
【0031】
また、混合させるべき原料液体12,13が、互いに粘度の異なる液体の場合、混合比率が変動した場合には、それによって吐出される混合液の粘度が変化する。従って、図6に示すように、前述の流量検知手段の代りに粘度検知手段43を吐出口6側に装備し、該粘度検知手段43の検知信号に基づいて前記制御手段21が調節弁8の位置や外転ギヤ25の回転数を制御する構成とすることで、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
なお、粘度検知手段43としては、吐出口6から吐出される混合液の粘度を直接測定可能なインライン粘度計を用いることが好ましい。
【0032】
なお、前述の図6のように内接形歯車ポンプ10の吐出口6側に粘度検知手段43を装備した場合には、前記制御手段21における制御処理は、図7のようになる。ただし、この例では、吸込口3に流入する原料液体12の方が、吸込口4に流入される原料液体13よりも粘度が大きいものとする。
前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、所望する混合液の粘度ηを初期値として記憶する(ステップ401)。
次いで、稼働後に粘度検知手段43が逐次検知する粘度ηcと、初期値ηとの大小関係を比較し(ステップ402)、その判断結果に応じて、ηがηcよりも小さければ、粘度の高い原料液体12の流入割合が増えたことを意味しているため、前記調節弁8を吸込口3側に移動させて吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、粘度の変動を修正する(ステップ403,404)。
一方、ηがηcよりも大きい時には、吸込口4側の流入量が増えたことを意味するため、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、粘度の変動を修正する(ステップ410,411)。
また、ηがηcに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図り(ステップ420)、ステータ402に戻って以上の処理を繰り返す。
【0033】
このように、前記内接形歯車ポンプ10の調節弁8の位置を自動制御することで、混合液の粘度の変動をも防止することができる。
【0034】
なお、上述の実施形態は、いずれも、内接形歯車ポンプ10が一つで、二つの原料液を混合する場合を示したが、本発明の液混合装置及び方法は、前述の実施形態の液混合装置1を多段に接続して、三種以上の原料液を所望の比率で混合・移送するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の液混合装置及び方法によれば、内接形歯車ポンプを利用する方式で、該内接形歯車ポンプを連続稼働させることにより、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプの稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
また、内接形歯車ポンプを利用する方式のため、従来のラインミキサーを利用する方式のものと比較すると、装置をコンパクト化することができる。
そして、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化した場合には、それらのサクションヘッドの変動や原料液の粘度変化に基づく原料液の流入比の変化の発生は直ちに流量検知手段または粘度検出手段によって検知され、これらの検知手段の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプの調節弁を操作する制御手段が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁の位置を自動調整する。
したがって、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に基づく液混合装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した液混合装置の動作説明図である。
【図3】本発明に係る液混合装置における流量検知手段の装備位置例の説明図である。
【図4】図3(a)に示した構成の場合の動作説明図である。
【図5】図3(b)に示した構成の場合の動作説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態に基づく液混合装置の概略構成図である。
【図7】図6に示した構成の場合の動作説明図である。
【符号の説明】
1 液混合装置
3,4 吸込口
6 吐出口
8 調節弁
10 内接形歯車ポンプ
12,13 原料液体
15,16 原料タンク
18,19,41 流量検知手段
21 制御手段
43 粘度検知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品工業、化学工業、医農薬化粧品工業、石油化学工業等の諸産業において、複数液を所望の比率で連続的に混合・移送する液混合装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数液を混合・移送する液混合装置としては、所定の比率で供給された一定量の液体同士を撹拌・混合する撹拌タンクと、該撹拌タンクで処理した混合液を次のプロセスに移送する移送用ポンプとを組み合わせたバッチ処理式のもの、あるいは、供給された液体を撹拌・混合しながら圧送するラインミキサーと、該ラインミキサーに混合すべき液体を所定の比率で供給するための原料供給用ポンプとを組み合わせた連続処理式のもの等が、種々使用されている。
【0003】
しかし、前述の撹拌タンクを使用するバッチ処理式のものは、撹拌タンクの容量単位でしか処理ができず、処理量を任意量に調整することができないという不便があった。
また、撹拌タンクに原料の供給中は、混合・移送処理が中断するため、処理に時間がかかるという問題もあった。
【0004】
一方、ラインミキサーを利用する連続処理式のものは、処理量を任意量に調整することができ、しかも、混合・移送処理を中断することなく実行できるという長所があるが、ラインミキサー自体が液体相互を撹拌・混合するために一定以上の長さ寸法を必要とするため、装置のコンパクト化が難しいという問題があった。
また、液体相互の混合比率が、原料をラインミキサーに供給する各ポンプの吐出量によって設定されるため、混合比率の微調整が難しいという問題もあった。
【0005】
そこで、このような背景から、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプを使用した液混合装置が開発された。
この液混合装置は、前記内接形歯車ポンプの各吸込口に、それぞれ、原料液体を貯留した原料タンクを接続したもので、前記内接形歯車ポンプを連続稼働することにより連続的に混合・移送を行うことができ、ラインミキサーを使用した装置と比較してコンパクト化することができる。しかも、前記内接形歯車ポンプに供給される原料液相互の混合比率は、該内接形歯車ポンプに装備された調節弁によって、調整することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の内接形歯車ポンプを使用した従来の液混合装置は、前記調節弁が前記内接形歯車ポンプに外付けされた操作レバー等によって手動操作されるもので、各原料タンクにおけるサクションヘッドや各原料液の粘度を考慮して所定の混合比率が得られるように、運用前に、前記調節弁を操作することによって内接形歯車ポンプへの各原料液の流入量を調整している。
しかし、前記調節弁が手動操作であるがため、例えば、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化し、それによって混合比率が変動する場合には、混合比率が不安定になって、混合精度の低下等の問題が生じる虞が有った。
【0007】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、複数液の混合・移送処理を連続的に実施できると同時に装置のコンパクト化にも適し、しかも、運用中に、原料液の混合比率や粘度に変動が生じた時には、調節弁の位置を自動調整して、混合比率を初期の適性値に修正することができて、混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことのできる液混合装置及び方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段と、
前記流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置により達成される。
【0009】
また、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段と、
前記粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置によっても達成することができる。
【0010】
さらに、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率の調節を行うことを特徴とする液混合方法により達成される。
【0011】
そして、本発明の上記目的は、二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、所定粘度の混合液を得ることを特徴とする液混合方法によっても達成することができる。
【0012】
本発明の上記構成によれば、内接形歯車ポンプを利用する方式により該内接形歯車ポンプを連続稼働させることで、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプの稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
【0013】
そして、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化した場合には、それらサクションヘッドの変動や原料液の粘度変化に基づく原料液の流入比の変化の発生が直ちに流量検知手段または粘度検出手段によって検知される。そして、これら検知手段の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプの調節弁を操作する制御手段が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁の位置を自動調整する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態により、本発明を説明する。
図1は、本発明に係る液混合装置の一実施形態における概略構成を示したものである。
本実施形態の液混合装置1は、図示のように、二つの吸込口3,4及び一つの吐出口6を有した内接形歯車ポンプ10と、原料液体12,13を貯留して前記内接形歯車ポンプ10の各吸込口3,4に接続されて各吸込口3,4に原料液体12,13を供給する二つの原料タンク15,16と、前記吸込口3側及び前記吐出口6側の二箇所に配設された流量検知手段18,19と、前記流量検知手段18,19の検知信号に基づいて前記内接形歯車ポンプ10の調節弁8の位置を調節して前記吸込口3,4からの液流入率(即ち、移送比率)を変更する制御手段21とを備えており、前記吸込口3,4に供給された原料液の移送・混合・移送比率の調節を行う。
【0015】
ここで、前記内接形歯車ポンプ10は、前記吸込口3,4及び吐出口6を有したポンプケーシング23と、リング状に装備される歯25a間に原料液が挿通可能なスリット25bが形成されて前記ポンプケーシング23内に回転自在に支持された外転ギヤ25と、この外転ギヤ25の内側で偏心した位置で外転ギヤ25に噛合するピニオンギヤ27と、前記ポンプケーシング23に固定装備されて前記ピニオンギヤ27を前記外転ギヤ25に対して偏心した位置に保つ断面三日月状の支持板29と、前記外転ギヤ25の外周に沿って移動可能に装備されて吸込口3,4の開口面積S1 ,S2 を変更することで移送比率を変更可能な調節弁8と、前記ピニオンギヤ27を回転駆動するモータ(図示略)とを備えた構成をなしており、前記ピニオンギヤ27の回転に伴って前記ピニオンギヤ27と外転ギヤ25との噛み合い量が変化することを利用して、吸込口3,4に供給された各原料液体12,13の吸引、撹拌・混合、移送を行う。
【0016】
前記原料タンク15内の原料液体12を吸込口3に導く管路31には、前記流量検知手段18よりも上流側に位置して、開閉弁33が装備されている。
また、前記原料タンク16内の原料液体13を吸込口4に導く管路35にも、該管路35を開閉する開閉弁36が装備されている。
そして、前記吐出口6に接続される混合液排出管路37には、前記流量検知手段19と、前記混合液排出管路37を開閉する開閉弁38が装備されている。この混合液排出管路37は、混合液に対して次のプロセス処理を実施する次プロセス装置39に接続されている。
【0017】
前記流量検知手段18,19は、本実施形態の場合は、いずれも、各管路における流量を非接触で検出して前記制御手段21に出力する電磁流量計であるが、流量が液圧に比例することを利用すれば、流量計の代りに圧力計を使用するようにしてもよい。
【0018】
前記制御手段21は、モータやソレノイド等をアクチュエータとして使って、前記調節弁8を無段階に移動調整すると共に、前記ピニオンギヤ27の回転数を制御する。
また、この制御手段21は、図示略の入力手段(制御手段21に接続されているキーボードなど)からの指示で、前記調節弁8の位置を任意位置に初期設定することができる。そして、内接形歯車ポンプ10が稼働されると、その初期に前記流量検知手段18,19における検出値を記憶し、以後の運用中は、前記流量検知手段18,19における検出値が一定値(一定範囲)に維持されるように、前記流量検知手段18,19の検知信号に基づいて、前記調節弁8の位置を自動調節すると同時に、前記外転ギヤ25の回転数を制御する。
【0019】
具体的には、前記制御手段21は、図2に示す如く、調節弁8の位置および外転ギヤ25の回転を調整する。
前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ101)。
次いで、前述の各流量検知手段18,19からの検出値に基づいて、実際の前記吸込口3への流入量qaと前記吐出口6からの吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、q/(q−qa)との大小関係を比較し(ステップ102)、その判断結果に応じて、A/Bがq/(q−qa)よりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ103,104)。
同様に、A/Bがq/(q−qa)よりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ110,111)。
また、A/Bがq/(q−qa)に等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ120)。
【0020】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の流量検知手段19によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ130)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ131,132)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ140,141)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ150)。
【0021】
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ102に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0022】
上述の液混合装置1では、内接形歯車ポンプ10を利用する方式により該内接形歯車ポンプ10を連続稼働させることで、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプ10の稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
また、内接形歯車ポンプ10を利用する方式のため、従来のラインミキサーを利用する方式のものと比較すると、装置をコンパクト化することができる。
【0023】
そして、運用中に、原料タンク15,16中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液12,13の粘度変化によって、内接形歯車ポンプ10の各吸込口3,4への原料液12,13の流入比が変化した場合には、それらの原料液12,13の流入比の変化の発生が直ちに流量検知手段18,19によって検知され、これら検知手段18,19の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプ10の調節弁8を操作する制御手段21が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁8の位置を自動調整する。
したがって、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
【0024】
なお、前記流量検知手段18,19の装備位置は、上述の実施形態の場合に限定するものではない。前記二つの吸込口3,4側及び吐出口6側の内の少なくとも二箇所の流量を検知することができれば、混合比率の変動を検知することができ、その検知信号に基づく前記調節弁8の制御や外転ギヤ25の回転数の制御によって、混合比率や吐出量を初期の設定値に戻すことが可能である。
したがって、図3(a)に示すように、内接形歯車ポンプ10の吸込口4側と吐出口6側との二箇所に流量検知手段41を装備するようにしてもよく、また、図3(b)に示すように、内接形歯車ポンプ10の二つの吸込口3,4側のそれぞれに流量検知手段41を装備するようにしてもよく、また、図3(c)に示すように、二つの吸込口3,4側および吐出口6側の全てに流量検知手段41を装備するようにしてもよい。
【0025】
図3(a)の構成とした場合の制御手段21における処理を図4に、図3(b)の構成とした場合の制御手段21における処理を図5に、図3(c)の構成とした場合の制御手段21における処理を図6に、それぞれ示す。
【0026】
図3(a)のように、吸込口4側と吐出口6側とに流量検知手段41を装備した場合には、上記実施形態の場合と同様であるが図4に示すように、前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ201)。
次いで、前述の各流量検知手段41,41からの検出値に基づいて、実際の前記吸込口4への流入量qbと前記吐出口6からの吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、(q−qb)/qとの大小関係を比較し(ステップ202)、その判断結果に応じて、A/Bが(q−qb)/qよりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ203,204)。
同様に、A/Bが(q−qb)/qよりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ210,211)。
また、A/Bが(q−qb)/qに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ220)。
【0027】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の吐出口6側の流量検知手段41によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ230)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ231,232)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ240,241)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ250)。
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ202に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0028】
図3(b)のように、二つの吸込口3,4のそれぞれに流量検知手段41を装備した場合には、図5に示すように、前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、原料液体12,13の流量A,B(初期設定値)と、前記吐出口6における流量Q(初期設定値)とを記憶する(ステップ301)。
次いで、前述の各流量検知手段41,41からの検出値に基づいて、二つの吸込口3,4への実際の流入量qa,qb及び吐出量qを検知し、これらの検出値から、A/Bと、qa/qbとの大小関係を比較し(ステップ302)、その判断結果に応じて、A/Bがqa/qbよりも小さければ前記調節弁8を吸込口3側に移動させて、吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、流量比率の変動を修正する(ステップ303,304)。
同様に、A/Bがqa/qbよりも大きい時には、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、流量比率の変動を修正する(ステップ310,311)。
また、A/Bがqa/qbに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図る(ステップ320)。
【0029】
次いで、前記初期設定による吐出量Qと、稼働後の吐出口6側の流量検知手段41によって検出された実際の吐出量qとの大小を比較して(ステップ330)、Q<qであれば前記外転ギヤ25の回転を下げることで増大した流量を低減させ(ステップ331,332)、一方、Q>qであれば前記外転ギヤ25の回転を上げることで減少した流量の回復を図り(ステップ340,341)、Q=qであれば吐出量の変化がないため前記外転ギヤ25の回転をそのままに保って、現状の維持を図る(ステップ350)。
そして、以上の流量比率の修正及び吐出量の修正が終了したら、ステップ302に戻って、再び同様の処理を繰り返す。
【0030】
図3(c)のように、二つの吸込口3,4と吐出口6とのそれぞれに流量検知手段41を装備した場合には、制御手段21における処理としては、図3(b)の場合と同様でよい。ただし、吐出口6からの吐出量qが41によって直接検出されるため、吸込口3側に配置した流量検知手段41の検出値qaと吸込口4側に配置した流量検知手段41の検出値qbとの和を演算処理することで吐出量qを求める必要がなくなる。
【0031】
また、混合させるべき原料液体12,13が、互いに粘度の異なる液体の場合、混合比率が変動した場合には、それによって吐出される混合液の粘度が変化する。従って、図6に示すように、前述の流量検知手段の代りに粘度検知手段43を吐出口6側に装備し、該粘度検知手段43の検知信号に基づいて前記制御手段21が調節弁8の位置や外転ギヤ25の回転数を制御する構成とすることで、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
なお、粘度検知手段43としては、吐出口6から吐出される混合液の粘度を直接測定可能なインライン粘度計を用いることが好ましい。
【0032】
なお、前述の図6のように内接形歯車ポンプ10の吐出口6側に粘度検知手段43を装備した場合には、前記制御手段21における制御処理は、図7のようになる。ただし、この例では、吸込口3に流入する原料液体12の方が、吸込口4に流入される原料液体13よりも粘度が大きいものとする。
前記内接形歯車ポンプ10の稼働前に、所望する混合液の粘度ηを初期値として記憶する(ステップ401)。
次いで、稼働後に粘度検知手段43が逐次検知する粘度ηcと、初期値ηとの大小関係を比較し(ステップ402)、その判断結果に応じて、ηがηcよりも小さければ、粘度の高い原料液体12の流入割合が増えたことを意味しているため、前記調節弁8を吸込口3側に移動させて吸込口3の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を増大させて、粘度の変動を修正する(ステップ403,404)。
一方、ηがηcよりも大きい時には、吸込口4側の流入量が増えたことを意味するため、前記調節弁8を吸込口4側に移動させて、吸込口4の開口面積を少なくすることによって、相対的に、前記吸込口4からの流入量を減少させて、粘度の変動を修正する(ステップ410,411)。
また、ηがηcに等しい時には、前記調節弁8の位置は、そのままに保って、現状の維持を図り(ステップ420)、ステータ402に戻って以上の処理を繰り返す。
【0033】
このように、前記内接形歯車ポンプ10の調節弁8の位置を自動制御することで、混合液の粘度の変動をも防止することができる。
【0034】
なお、上述の実施形態は、いずれも、内接形歯車ポンプ10が一つで、二つの原料液を混合する場合を示したが、本発明の液混合装置及び方法は、前述の実施形態の液混合装置1を多段に接続して、三種以上の原料液を所望の比率で混合・移送するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の液混合装置及び方法によれば、内接形歯車ポンプを利用する方式で、該内接形歯車ポンプを連続稼働させることにより、複数液の混合・移送処理を連続的に実施でき、前記内接形歯車ポンプの稼働を制御することで、処理量を任意量に調整することができる。
また、内接形歯車ポンプを利用する方式のため、従来のラインミキサーを利用する方式のものと比較すると、装置をコンパクト化することができる。
そして、運用中に、原料タンク中の液面変化によるサクションヘッドの変動や温度等の影響による原料液の粘度変化によって、内接形歯車ポンプの各吸込口への原料液の流入比が変化した場合には、それらのサクションヘッドの変動や原料液の粘度変化に基づく原料液の流入比の変化の発生は直ちに流量検知手段または粘度検出手段によって検知され、これらの検知手段の検知信号に基づいて内接形歯車ポンプの調節弁を操作する制御手段が、元の適性な混合比率を維持すべく前記調節弁の位置を自動調整する。
したがって、運用中の混合比率の変動を防止し、高精度の混合・移送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に基づく液混合装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した液混合装置の動作説明図である。
【図3】本発明に係る液混合装置における流量検知手段の装備位置例の説明図である。
【図4】図3(a)に示した構成の場合の動作説明図である。
【図5】図3(b)に示した構成の場合の動作説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態に基づく液混合装置の概略構成図である。
【図7】図6に示した構成の場合の動作説明図である。
【符号の説明】
1 液混合装置
3,4 吸込口
6 吐出口
8 調節弁
10 内接形歯車ポンプ
12,13 原料液体
15,16 原料タンク
18,19,41 流量検知手段
21 制御手段
43 粘度検知手段
Claims (4)
- 二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段と、
前記流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置。 - 二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプと、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段と、
前記粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率を変更する制御手段とを備え、
複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合装置。 - 二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記各吸込口側及び前記吐出口側の少なくとも二箇所に配設された流量検知手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、複数液の移送比率の調節を行うことを特徴とする液混合方法。 - 二つの吸込口及び一つの吐出口を有すると共に、前記各吸込口の開口面積を変更して移送比率を変更可能な調節弁を備えた内接形歯車ポンプにより、複数液の移送・混合・移送比率の調節を行う液混合方法において、
前記吐出口側に配設された粘度検出手段の検知信号に基づいて前記調節弁を調節し、所定粘度の混合液を得ることを特徴とする液混合方法。
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