JP3976499B2 - 呼気スイッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、呼気を利用して各種のスイッチ操作及び意志伝達を行う呼気スイッチ装置に関し、特に、上記呼気によりスイッチ操作及び意志伝達を行う際に操作性を向上させた呼気スイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に室内の照明や空調装置の操作等は手動により所定スイッチを操作して行われる。また、所望の意志伝達は声を発することにより行う。しかしこのような操作や意志伝達は、一般の人々にとっては容易なことであるが、例えば、寝たきりの人達や声を出すのが困難な人々にとっては極めて困難なことである。そこで、呼気スイッチ装置の炭酸ガスセンサに対して息を吹き付けることによりスイッチ制御や表示により意志伝達をする呼気スイッチ装置が、実開平4−134061号公報等で公開されている。
【0003】
しかしながら、この種の従来の呼気スイッチ装置では、所望のスイッチ制御や意志伝達をする際には、予め決められた複数の呼気パターンから所望の呼気パターンが選択されて呼気がセンサに吹き付られることになるが、このような呼気パターンを使い分けて吹き付けることは非常に困難であることはもちろん、所望の意志伝達をするための呼気パターンを知るためには、そのための呼気パターンを予め記憶しておいたり、呼気スイッチ装置とは別体のモニタ装置に複数の呼気パターンを表示しながら、このうちから所望の呼気パターンを選択する等の必要性があり、使い勝手が非常に悪かった。
【0004】
以下、図6〜図8を用いてこの問題、及びこの種の呼気スイッチ装置の動作原理を説明する。図6は、従来の呼気スイッチ装置の一例を示すブロック図である。
【0005】
図6に示すように、この従来の呼気スイッチ装置は、(炭酸ガス)CO2センサ101、センサ駆動回路102、センサ出力変換回路103、スイッチング回路104、表示パネル105から構成される。
【0006】
CO2センサ101は、固体電解質型炭酸ガスセンサ等が用いられる。このCO2センサ101は、雰囲気中及び呼気中の炭酸ガス濃度を検知して濃度を電圧値で示す濃度検知信号を出力する。センサ駆動回路102は、AC電源等所定電源等を利用して、図示しない電源スイッチオンに応答して、CO2センサ101に含まれるヒータを所定温度に加熱するための加熱回路やCO2センサ101に駆動電力を供給する定電圧回路等を有する。センサ出力変換回路103は、微分回路を有し、CO2センサ101からの濃度検知信号を微分処理した結果と予め設定されたスレシュホールドレベルS/Hとの比較結果に基づいて、操作信号を出力する。
【0007】
スイッチング回路104は、センサ出力変換回路103からの操作信号を受けると、図示しない照明装置等の電気機器のオンオフ等のスイッチング操作を行う。またスイッチング回路104の替わりに表示パネル105が装備される場合、この表示パネル105は、センサ出力変換回路103からの操作信号の内容に応じた、「ありがとう」「トイレ」「誰か呼んで下さい」等のメッセージを表示する。但し、この場合使用者は予め定められた呼気の吹き付けパターンによって、メッセージの内容を指定することになる。
【0008】
このような構成の従来の呼気スイッチ装置において、CO2センサ101に息が吹き付けられると、CO2センサ101は濃度検知信号を出力する。この濃度検知信号を受けたセンサ出力変換回路103は、炭酸ガス濃度が急激に変化したことに応答して鋭い微分波形を生成し、微分処理結果が上記スレシュホールドレベルS/Hを超えたことを検出して上記操作信号を出力する。この操作信号を受けたスイッチング回路104又は表示パネル105は、スイッチング操作やメッセージ表示を行う。
【0009】
上述のような微分処理結果に基づいて、上記操作信号を生成する方法について、図7及び図8に示すグラフを用いて説明する。図7は、雰囲気中の炭酸ガス濃度が緩やかに変化した場合のセンサ出力及び微分出力の時間特性を示すグラフである。図8は、急激に炭酸ガス濃度が変化した場合のセンサ出力及び微分出力の時間特性を示すグラフである。なお、ここでいうセンサ出力は、前述の濃度検知信号と等価と考えてよい。
【0010】
雰囲気中の炭酸ガス濃度が緩やかに増大した場合、CO2センサ101によるセンサ出力も、図7のSXで示すように緩やかに増大する。このように炭酸ガス濃度は増大するもの、緩やかに増大したセンサ出力SXを受けたセンサ出力変換回路103の微分回路は、同図のCXで示すように、あまり大きな変化のない微分出力を生成する。このような微分出力は、同図に示すような上記操作信号を出力する基準となる予め定められたスレシュホールドレベルS/Hを超えることはない。
【0011】
一方、例えば図8のPYに示すタイミングで急激に呼気をCO2センサ101に吹き付けた場合、同図のSYに示すようにセンサ出力は瞬時に増大する。このような急激に増大したセンサ出力SYを受けると、これに応答してセンサ出力変換回路103の微分回路は、同図のCYで示すように瞬時に大きな変化した微分出力を生成する。このような微分出力は、同図に示すような予め定められたスレシュホールドレベルS/HをPZで示すタイミングで超える。
【0012】
このように炭酸ガス濃度が緩やかに増大した場合及び急激に増大した場合におけるそれぞれの微分出力CX及びCYのパターンに差異が発生する。そこで、上述のように適当な微分出力値にスレシュホールドレベルS/Hを設けることによって、炭酸ガス濃度が緩やかに増大した場合と急激に増大した場合との区別が可能になり、これを利用して上記被制御装置のスイッチング操作やメッセージ表示を行うことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の呼気スイッチ装置では、所望のスイッチ制御や意志伝達をする際には、予め決められた複数の呼気パターンから所望の呼気パターンが選択されて呼気がセンサに吹き付られることになるが、このように細分化された複数のパターンの呼気を使い分けて吹き付けることは非常に困難であることはもちろん、所望の意志伝達をするための呼気パターンを知るためには、所望の意志伝達をするための呼気パターンを予め記憶しておいたり、呼気スイッチ装置とは別体のモニタ装置に複数の呼気パターンを表示しながら、このうちから所望の呼気パターンを選択する等の必要性がある。
【0014】
上述のように、呼気スイッチ装置とは別体のモニタ装置を見ながら所望の呼気パターンを選択するためには、使用者は、モニタ装置に合わせて自分の姿勢を合わせたり、モニタ装置を移動させなければならない等、疲労発生、使い勝手の悪さが大きな問題となる。特に、使用者が患者である場合には、細分化された複数のパターンの呼気を使い分けて吹き付けることは更に困難になるうえ、上記疲労発生、使い勝手の悪さは大きな問題となる。これは初心者にとっても同様である。
【0015】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、操作性を向上させ使い勝手のよい呼気スイッチ装置を提供することを課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の呼気スイッチ装置は、図1に示すように、雰囲気中及び呼気中の炭酸ガス濃度を検知して、この炭酸ガス濃度を示す濃度検知信号を出力する炭酸ガスセンサと、前記濃度検知信号を受けて、特定パターンの前記炭酸ガス濃度の変化を検出し、この変化検出に基づいて前記呼気中の炭酸ガスを分別して、呼気検知信号を生成する呼気検知信号生成手段と、予め定められた意志表示を示すメッセージのリストから、所定時間毎に特定のメッセージをひとつリストアップしてメッセージ表示部12に表示させる表示制御手段30と、前記呼気検知信号が生成された時の、前記メッセージ表示部に表示されているメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成する外部制御信号生成手段と、前記外部制御信号に応答して、前記メッセージの内容に対応した報知を行う報知手段とを有する呼気スイッチ装置であって、前記炭酸ガスセンサと前記メッセージ表示部とが、使用者が前記炭酸ガスセンサに呼気を吹き付ける際に前記炭酸ガスセンサと前記メッセージ表示部を同時に視認できるような位置に、一体化されて設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項1記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11は雰囲気中及び呼気中の炭酸ガス濃度を検知して、この濃度を示す濃度検知信号を出力する。この濃度検知信号を受けて、呼気検知信号生成手段2は特定パターンの炭酸ガス濃度の変化を検出し、この変化検出に基づいて呼気中の炭酸ガスを分別して、呼気検知信号を生成する。表示制御手段30は、予め定められた意志表示を示すメッセージのリストから、所定時間毎に特定のメッセージをひとつリストアップしてメッセージ表示部12に表示させる。外部制御信号生成手段31は、呼気検知信号が生成された時の、メッセージ表示手段に表示されているメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成する。この外部制御信号に応答して、報知手段7はメッセージの内容に対応した報知を行う。そして、炭酸ガスセンサ11及び前記メッセージ表示部12は、使用者が前記炭酸ガスセンサ11に呼気を吹き付ける際に前記炭酸ガスセンサ11と前記メッセージ表示部12を同時に視認できるような位置に、一体化されて設けられている。
【0018】
このように請求項1記載の発明によれば、メッセージ表示部12には所定時間毎に意志表示を示すメッセージがメッセージリストからひとつリストアップされてメッセージ表示制御手段に表示されるので、使用者はこれを見ながら所望のメッセージが表示されたタイミングで呼気を炭酸ガスセンサ11に吹き付けることにより、所望のメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成させることができるようになる。そして、この外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した報知が行われる。特に、上記炭酸ガスセンサ11及びメッセージ表示部12は、炭酸ガスセンサ11及び前記メッセージ表示部12は、使用者が前記炭酸ガスセンサ11に呼気を吹き付ける際に前記炭酸ガスセンサ11と前記メッセージ表示部12を同時に視認できるような位置に、一体化されて設けられているので、本呼気スイッチ装置の使用者は、容易に所望の意志伝達ができるようになる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の呼気スイッチ装置は、図1に示すように、請求項1記載の呼気スイッチ装置において、前記報知手段7に替えて、前記外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4を有することを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、報知手段7に替えて、外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4を有しているので、呼気に基づき生成される外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した外部電気機器をオンオフ制御することができるようになる。また請求項1の発明と同様に炭酸ガスセンサ11及びメッセージ表示部12は近設されているので、本呼気スイッチ装置の使用者は、容易に所望の外部電気機器をオンオフ制御することができるようになる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の呼気スイッチ装置は、図1に示すように、請求項1記載の呼気スイッチ装置において、前記外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4を更に有することを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、外部制御信号に応答して、メッセージの内容に対応した報知を行う報知手段7及び外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4の両方を有しているので、更に使い勝手が更に向上する。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の呼気スイッチ装置は、図2に示すように、請求項1〜3いずれか記載の呼気スイッチ装置において、前記炭酸ガスセンサ11A及び前記メッセージ表示部12Aは、円形開口部を有するおわん型をした、前記呼気を集約する呼気集約部1Aの内側に、前記円形開口部から外に向かうようにして収容されていることを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11A及びメッセージ表示部12Aは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部の内側に、円形開口部から外に向かうようにして収容されているので、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになる。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の呼気スイッチ装置は、図3(A)に示すように、請求項1〜3いずれか記載の呼気スイッチ装置において、前記炭酸ガスセンサ11Bは、円形開口部を有するおわん型をした、前記呼気を集約する呼気集約部1Bの内側に、前記円形開口部から外に向くようにして収容されており、前記メッセージ表示部12Bは、前記円形開口部縁にその表示面が外を向くようにして埋設されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11Bは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部1Bの内側に、円形開口部から外に向くようにして収容されており、メッセージ表示部12Bは、円形開口部縁にその表示面が外を向くようにして埋設されている。すなわち、呼気集約部1Bの円形開口部縁を利用して、ここにメッセージ表示部12Bが一体化されている。したがって、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになる。更に、メッセージ表示部12が円形開口部縁に収容されたことにより、呼気集約部1Bの内側には基本的に炭酸ガスセンサ11Bのみを収容すればよくなるので、呼気集約力も更に向上する。
【0027】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の呼気スイッチ装置は、図3(B)に示すように、請求項1〜3いずれか記載の呼気スイッチ装置において、前記炭酸ガスセンサ11Cはフレキシブル管で形成されたアーム部9によって本体ケース部8に支持されており、前記メッセージ表示部12Cは前記炭酸ガスセンサ11Cに吊設されていることを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11Cはフレキシブル管で形成されたアーム部9によって本体ケース部8に支持されており、メッセージ表示部12Cは炭酸ガスセンサ11Cに吊設されているので、炭酸ガスセンサ11Cを使用者の最適な位置にセットしやすく、メッセージの視認性が向上してメッセージの選択が容易になる。更に、構成が簡単になるので安価な製品が提供できるようになる。
【0029】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の呼気スイッチ装置は、請求項4〜6いずれか記載の呼気スイッチ装置において、前記メッセージ表示部12は、ドットマトリクスにより前記メッセージを表示する液晶表示装置であることを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、メッセージ表示部12は、ドットマトリクスによりメッセージを表示する液晶表示装置なので、メッセージが見やすく、かつ軽量になる。
【0031】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の呼気スイッチ装置は、図1に示すように、請求項1〜7いずれか記載の呼気スイッチ装置において、前記呼気検知信号が生成された時に、前記メッセージ表示部12に表示されているメッセージを一定時間だけ表示保持する表示保持手段32を更に有することを特徴とする。
【0032】
請求項8記載の発明によれば、呼気検知信号が生成された時に、表示されているメッセージが一定時間だけ表示保持される。すなわち、所望のメッセージを呼気により確定した後、そのメッセージがすぐに消え去ることがないので、確定メッセージの確認が容易かつ確実になるうえ、万が一、不適当なメッセージを確定した場合でもそれを認識できるので、余計な混乱がなくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図2及び図3を用いて、本呼気スイッチ装置の概観を説明する。
【0034】
図2は、本発明の呼気スイッチ装置の実施形態を示す概観図である。図3(A)及び(B)はそれぞれ本発明の呼気スイッチ装置の他の実施形態を示す概観図である。
【0035】
図2に示す実施形態において、本呼気スイッチ装置は、呼気集約部1A、CO2センサ11A、メッセージ表示部12A、本体ケース部8、及び呼気集約部1Aと本体ケース部8とを接続するアーム部9を含んで構成される。なお、ここで示す呼気集約部1A、CO2センサ11A、及びメッセージ表示部12Aはそれぞれ、後述の図4で示す呼気集約部1、CO2センサ11、及びメッセージ表示部12に相当するものである。
【0036】
上記呼気集約部1Aは、おわん型で、軽量で弾力性のあるゴム又はプラスティックの成形により作られており、一端側は使用者の鼻及び口に対応する円形開口部、これに対向する他端側は縮径部を有する略漏斗状に形成されている。この呼気集約部1Aの内側には、上記縮径部に支持され、炭酸ガスを検知するCO2センサ11Aが配置されている。このCO2センサ11Aは、センサ素子が網で覆われており、呼気を供給しやすいように使用者の口に対応する位置に配置されている。また、メッセージ表示部12Aはこの呼気集約部1Aの内壁に固定され、上記円形開口部から外に向かうようにして収容されている。このメッセージ表示部12Aはドットマトリクスによりメッセージを表示する液晶表示装置なので、メッセージが見やすく、かつ軽量になる。また、細かな内容が数多くスクロール表示できるようになる。
【0037】
またこの呼気集約部1Aと本体ケース部8とはアーム部9によって接続されたアームスタンド型をしている。このアーム部9は、呼気集約部1Aが回転可能で、横方向に変移可能、曲げ変移可能な、例えば公知のフレキシブル管により形成される。このアーム部9は、機械的に呼気集約部1Aを任意の位置に変位させて固定する他、内部に呼気集約部1Aと本体ケース部8とを電気的に接続するリード線等を収容する。
【0038】
なお、上記のように呼気集約部1Aは本体ケース部8に直接接続される他、専用の呼気集約部固定手段に上記のようなフレキシブル管を介して接続するようにしてもよい。更に、この呼気集約部固定手段としてベッド等に固定できるクリップ部を用いるようにしてもよい。
【0039】
一方、本体ケース部8は、例えば、金属製又はプラスティック製の箱状をしており、内部に、後述するセンサ出力変換回路2、制御部3、スイッチング回路4、センサ駆動回路6等の電気回路を収容する。そして、本体ケース部8の一面には、電源スイッチ81、オンオフモニタ用LED82が配設されている。なお、これら電源スイッチ81及びオンオフモニタ用LED82は他面に配設してもよい。
【0040】
上記電源スイッチ81は、電灯線等から供給される所定電源を各回路に供給するための公知のスイッチであり、スイッチ81がオンされるとその上部に配置されたオンオフモニタ用LED82が点灯し、オフされると消灯する。更に、このスイッチ81のオンに応答して、上記メッセージ表示部12Aのメッセージの自動スクロール表示が開始される。
【0041】
また、本体ケース部8の背面からは、AC電源プラグ付電源線83、電源制御線84及び報知制御線85が出ている。AC電源プラグ付電源線83は、背面から出る電源線及びこれに接続され本呼気スイッチ装置を構成する各電気回路に電源を供給するための基本電源となるAC電源に接続されるAC電源プラグを有する。なお、このAC電源プラグ付電源線83を介して供給されるAC電源は、前述の電気機器5の電源としても利用され、この本体ケース部8に内蔵されるスイッチング回路4によって電気機器5への電源供給が制御される。電源制御線84は、本体ケース部8の背面から出て、AC電源プラグ付電源線83から供給されるAC電源を、前述の外部信号制御信号に基づいて電気機器5に伝送する線である。報知制御線85はこの本体ケース部8に内蔵される制御部3と音声報知部7との間に介在する制御線である。
【0042】
上記アーム部9に収容されるリード線は、呼気集約部1Aと本体ケース部8に内蔵される電気回路とを電気的に接続する。例えば、このリード線は、本体ケース部8に収容されるセンサ駆動回路6から呼気集約部1Aに収容されるCO2センサ11Aに対してセンサ駆動電源やヒータ電源を供給したりする電源線や、逆にCO2センサ11Aから濃度検出信号を本体ケース部8に収容されるセンサ出力変換回路2に供給するための伝送線等を含むものである。また、制御部3とメッセージ表示部12Aとを結ぶ信号伝送線もここに収容される。
【0043】
使用者は、ベッド脇等の所定場所にこのような構造の本呼気スイッチ装置を設置し、スイッチ操作の必要時にはCO2センサ11Aからやや離れたところから、このCO2センサ11Aに呼気を吹き付ける。
なお、本呼気スイッチ装置を構成する各電気回路は、電池によって必要な電源を得るようにしてもよい。
【0044】
上述のように、CO2センサ11A及びメッセージ表示部12Aは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部の内側に、円形開口部から外に向かうようにして収容されているので、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになる。したがって、より簡単に確実に所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになる。また、呼気集約部1Aの構成はシンプルなので、製造も容易である。
【0045】
図3(A)に示す実施形態においても、呼気集約部1Bは、ほぼおわん型で、軽量で弾力性のあるゴム又はプラスティックの成形により作られており、一端側は使用者の鼻及び口に対応する円形開口部、これに対向する他端側は縮径部を有する略漏斗状に形成されている。但し、円形開口部の上方縁はメッセージ表示部12Bを埋設するためにやや分厚くなっている。
【0046】
この呼気集約部1Bの内側には、上記縮径部に支持され、炭酸ガスを検知するCO2センサ11Bが配置されている。このCO2センサ11Bは、前述したようにセンサ素子が網で覆われており、呼気を供給しやすいように使用者の口に対応する位置に配置されている。また、メッセージ表示部12Bはやや分厚くなった円形開口部の上方縁に、表示面が外を向くようにして埋設されている。
【0047】
この呼気集約部1Bを支持するアーム部9及び本体ケース部8は、図2で説明したと同様であるのでここでは説明を割愛する。なお、この実施形態において、呼気集約部1B、CO2センサ11B、及びメッセージ表示部12Bはそれぞれ、後述の図4で示す呼気集約部1、CO2センサ11、及びメッセージ表示部12に相当するものである。
【0048】
上述のように、CO2センサ11Bは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部1Bの内側に、円形開口部から外に向くようにして収容されており、メッセージ表示部12Bは、円形開口部縁にその表示面が外を向くようにして埋設されている。すなわち、呼気集約部1Bの円形開口部縁を利用して、ここにメッセージ表示部12Bが一体化されている。したがって、図2で示した実施形態同様、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになるので、簡単に確実に所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになるうえ、組立時のメッセージ表示部12の位置決めが簡単で組立作業が容易になる。更に、メッセージ表示部12が円形開口部縁に収容されたことにより、呼気集約部1Bの内側には基本的にCO2センサ11Bのみを収容すればよくなるので、呼気集約力も更に向上する。
【0049】
図3(B)に示す実施形態においては、呼気集約部は用いられず直接CO2センサ11Cがアーム部9に接続されている。そして、このCO2センサ11Cにメッセージ表示部12Cが吊設されている。なお、この実施形態において、CO2センサ11C、及びメッセージ表示部12Cはそれぞれ、後述の図4で示すCO2センサ11、及びメッセージ表示部12に相当するものである。
このようにシンプルな構成にすることにより、軽量化及び呼気集約部が不要になりコスト削減の効果が得られる。
【0050】
上述のように、CO2センサ11Cはフレキシブル管形成されたアーム部9によって本体ケース部8に支持されており、メッセージ表示部12CはCO2センサ11Cに吊設されているので、CO2センサ11Cを使用者の最適な位置にセットしやすく、メッセージの視認性が向上してメッセージの選択が容易になる。したがって、所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになる。更に、構成が簡単になるので安価な製品が提供できるようになる。
【0051】
次に、本呼気スイッチ装置の概要を図4を基本にして、再度、図8を参照しながら説明する。図4は、本発明の呼気スイッチ装置の実施形態を示すブロック図である。図8は前述した通りである。
【0052】
図4に示すように、本呼気スイッチ装置は、呼気集約部1、センサ出力変換回路2、制御部3、電気機器5に接続されたスイッチング回路4、センサ駆動回路6及び音声報知部7を有する。
【0053】
上記呼気集約部1は、近設されたCO2センサ11及びメッセージ表示部12を含む。CO2センサ11は、例えば上記実開平4−134061号公報に開示されている公知の固体電解質型炭酸ガスセンサ等を用いることができる。このCO2センサ11は、ベーズ部に固定されたセンサ素子が円筒状の金網で覆われたような構成になっている。CO2センサ11は、雰囲気及び呼気中の炭酸ガス濃度を検知して、この濃度を示す濃度
検知信号を出力する。
【0054】
メッセージ表示部12は、後述する制御部3に制御されて、予め定められた意志表示を示すメッセージのリストから、特定のメッセージを自動的に所定時間だけリストアップしながら順次スクロールして表示する。これらのメッセージは、例えば、「誰か来て下さい」、「トイレに行きたい」、「水を下さい」、「消灯/点灯」等、予めリストアップされた頻度の高い意志表示を示すメッセージである。このうち、「誰か来て下さい」、「トイレに行きたい」、「水を下さい」は、音声報知部7から音声出力されるメッセージの候補であり、「消灯/点灯」はスイッチング回路4により電気機器5をオンオフ制御するためのものである。そして、このメッセージ表示部12は、前述したように軽量化のためドットマトリクスにより上記メッセージを表示する液晶表示装置により具現化される。なお、本発明では、メッセージ表示部12はこのような液晶表示装置に限定するものではなく、固定アイテムの表示内容でも取り付けることが可能であればよく、表示部の位置を微妙に角度調整できる機能があれば更に好ましい。
【0055】
センサ出力変換回路2は基本的に微分回路21を有し、この微分回路21により生成される微分出力に基づき、雰囲気中の炭酸ガスと意図的な呼気中の炭酸ガスを分別して、呼気中の炭酸ガスを検知すると呼気検知信号を生成する。この微分回路21は、コンデンサ及び抵抗を含む既知の回路構成をしており、上記濃度検知信号はこの微分回路21を通り、応答性のよい呼気の濃度検知信号は、図8のCYで示したような鋭いパルス波形に成形され、これが入力された時だけその呼気に対応した呼気検知信号が出力される。このセンサ出力変換回路2は、請求項の呼気検知信号生成手段に相当する。
【0056】
すなわち、図8に示すように、上記CO2センサ11からの濃度検知信号に応答して微分回路21が生成する微分出力に基づき、センサ出力変換回路2は炭酸ガス濃度の増加率が予め定められたスレシュホールドレベルS/Hよりも小さい値から、このレベルS/Hを超えた値へと変化したことを検知することにより呼気中の炭酸ガスを分別検知して、呼気検知信号が出力される。
【0057】
上述のように、炭酸ガス濃度の増加率を検出するために微分回路21を用いるようにしているので、簡単な回路で、雰囲気中の炭酸ガスと呼気中の炭酸ガスを分別することができるようになる。
【0058】
制御部3は、マイコンによって具現化されるもので、図5で後述する本発明に関わる処理等を行う。すなわち、制御部3は、メッセージ表示部12に意志表示を示す複数のメッセージを所定時間毎に切り替えながら循環的に表示させ、上記呼気検知信号が生成された時に、上記メッセージ表示部12に表示されているメッセージ、例えば、「水を下さい」の内容に対応する外部制御信号を生成する。換言すれば、所定時間毎に順次切替表示されるメッセージ表示部12上のメッセージに対して、使用者は所望のメッセージが表示された時に呼気をCO2センサ11に吹き付けることにより、所望のメッセージを確定でき、この確定されたメッセージの内容に対応する外部制御信号が生成される。このような外部制御信号に応答して、音声報知部7は所定のメッセージを音声出力したり、スイッチング回路4は電気機器5をオンオフ制御したりする。
【0059】
また、この制御部3は、上述の「誰か来て下さい」、「トイレに行きたい」、「水を下さい」、「消灯/点灯」等の頻度の高いメッセージのメッセージリストを格納する格納手段を備えている。これは例えば、RAMにより具現化される。
なお、この制御部3には電源スイッチ81及びオンオフモニタ用LEDが接続されている。
【0060】
スイッチング回路4(請求項のスイッチング手段に相当)は、制御部3からの上記外部制御信号に応答して、電気機器5をオンオフ制御する外部接点回路である。このスイッチング回路4は、外部から電気機器5の電源となるAC電源と電気機器5との間に介在し、上記外部制御信号に応答して、AC電源の電気機器5への供給を制御する。
【0061】
電気機器5は、例えば照明装置51であり、上記スイッチング回路4に電源制御線84を介して接続される。この電気機器5は、既成の装置であり上記スイッチング回路4により電源供給制御がされることによりオンオフ制御が行われる。
【0062】
センサ駆動回路6は、制御部3に接続され、電源スイッチ81のオンに応答して、AC電源等所定電源を利用して、CO2センサ11に含まれるヒータを所定温度に加熱するための加熱回路やCO2センサ11に駆動電力を供給する定電圧回路等を含む。
【0063】
音声報知部7は、制御部3からの上記外部制御信号に応答して、所定のメッセージ、例えば、「水を下さい」等を音声出力する。この音声報知部7は、外部制御信号に対応するメッセージ信号を生成する音声生成装置及びこれを音声出力するスピーカによって具現化される。この音声報知部7は、請求項の報知手段に相当する。
【0064】
なお、上記スイッチング回路4及び音声報知部7は用途によって、両方装備するようにしてもよいし、いずれか一方のみを備えるようにしてもよい。
【0065】
上述のような構成の呼気スイッチ装置において、所望のメッセージがメッセージ表示部12に表示されたタイミングに同期して、炭酸ガス濃度検知手段1のCO2センサ11に息が吹き付けられると、CO2センサ11は濃度検知信号を出力する。この濃度検知信号を受けたセンサ出力変換回路2では、その微分回路21が炭酸ガス濃度が急激に変化したことに応答して鋭い微分波形を生成し、これに基づいて上記呼気検知信号が出力される。
【0066】
この上記呼気検知信号を受けた制御部3は、メッセージ表示部12に表示されているメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成し、これに応答して音声報知部7は所定のメッセージを音声出力したり、スイッチング回路4は電気機器5をオンオフ制御したりする。
【0067】
このように、使用者はメッセージ表示部12上に循環的に表示されるメッセージを見ながら所望のメッセージが表示されたタイミングで呼気を炭酸ガスセンサ11に吹き付けることにより、所望のメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成させることができるようになる。そして、この外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した報知や外部電気機器をオンオフ制御することができるようになる。
【0068】
更に図5を用いて、本発明に関わる処理例を説明する。
図5は、図4の制御部3が行う本発明に関わる一処理例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、電源スイッチ81がONされることによりこの制御部3に電源が供給され、所定の初期処理が終了した状態からスタートするものとする。
【0069】
ステップS1においては、ON状態にある電源スイッチ81がOFFされることが検知され、ここでOFFされると所定の終了処理を経て一連の処理は終了し(ステップS1のY)、さもなければ特定のメッセージを表示すべくステップS2に移行する(ステップS1のY)。
【0070】
ステップS2において、制御部3は上記RAMに格納されるメッセージリストのうちから特定のメッセージをひとつリストアップして、メッセージ表示部12に表示させるように制御して、処理をステップS3に移行する。
【0071】
ステップS3において、制御部3は、使用者がCO2センサ11に意図的に呼気を吹きかけたことに基づいてセンサ出力変換回路2から供給される呼気検知信号を受信するため、所定時間、例えば、1秒間だけ待機する。ここで、この時間内に呼気検知信号の受信がないと制御部3はメッセージをスクロールすべくステップS6に移行する(ステップS3のN)。ここで、所定時間内に呼気検知信号を受信すると制御部3はメッセージを確定すべく処理をステップS4に移行する(ステップS3のY)。
【0072】
ステップS4において、制御部3は、呼気検知信号を受信した時にメッセージ表示部12上に表示されているメッセージを確定し、つまり、使用者がこのメッセージを出力する意志があるものと判断し、一定時間、例えば、5秒間だけこのメッセージをメッセージ表示部12上に表示保持する。そして、この一定時間が経過すると、制御部3は処理をステップS5に移行させる。
【0073】
ステップS4の処理により、所望のメッセージが呼気により確定メッセージがすぐに消え去ることがないので、確定メッセージの確認が容易かつ確実になるうえ、万が一、不適当なメッセージを確定してした場合でもそれを認識できるので、余計な混乱がなくなる。このステップS4の処理は、請求項の表示保持手段に対応する。
【0074】
ステップS5において、制御部3は、ステップS4で確定したメッセージの内容に対応する外部制御信号を出力する。例えば、確定したメッセージの内容が「誰か来て下さい」、「トイレに行きたい」、「水を下さい」等の音声報知部7から音声出力されるべきメッセージに相当するものであれば、この内容に対応する外部制御信号を生成して、これを音声報知部7に供給する。また、確定したメッセージの内容が「消灯/点灯」に相当すれば、制御部3は電気機器5をオンオフ制御するための外部制御信号を生成して、これをスイッチング回路4に供給する。なお、これらの外部生後信号に応答した、音声報知部7及びスイッチング回路4の動作は前述の通りである。そして、このステップS5が終了すると処理はステップS6に移行される。
なお、このステップS5は、請求項の外部制御信号生成手段に相当する。
【0075】
ステップS6においては、制御部3は現在メッセージ表示部12上に表示している特定のメッセージを消去して、上記RAMに格納されるメッセージリストのうちから次の特定のメッセージをひとつリストアップして、メッセージ表示部12に表示させるように制御する。例えば、「水を下さい」というメッセージが消去された後は、「消灯/点灯」のメッセージが表示されることになる。表示されたメッセージがRAMに格納されるメッセージリストのうちの最後のメッセージであれば、次に表示されるメッセージは最初の格納メッセージになり、このようにして複数のメッセージが循環的に表示されることになる。そして、このステップS6が終了すると処理はステップS1に戻され、上述の処理を電源スイッチ81がOFFされない限り繰り返す。
なお、このステップS6と上記ステップS2は、請求項の表示制御手段に相当する。
【0076】
以上説明したように、上記実施形態によれば、メッセージ表示部12には所定時間毎に意志表示を示すメッセージが循環的に表示されるので、使用者はこれを見ながら所望のメッセージが表示されたタイミングで呼気を炭酸ガスセンサ11に吹き付けることにより、ステップS5で所望のメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成させることができるようになる。そして、この外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した報知又は外部電気機器の制御を行うことができるようになる。特に、使用者が患者の場合には、図2及び図3で説明したCO2センサ11及びメッセージ表示部12の一体化構造により、無理な姿勢でモニタを見ながら炭酸ガスセンサ11に呼気を吹き付ける必要がなくなるので、安全で使い勝手が非常に向上する。また、使用者が初心者の場合でも、特別な訓練なしに本呼気スイッチ装置を使用できるようになる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、メッセージ表示部12には所定時間毎に意志表示を示すメッセージが 所定時間毎に特定のメッセージがメッセージリストからひとつリストアップしてメッセージ表示部に表示されるので、使用者はこれを見ながら所望のメッセージが表示されたタイミングで呼気を炭酸ガスセンサ11に吹き付けることにより、所望のメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成させることができるようになる。そして、この外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した報知が行われる。特に、上記炭酸ガスセンサ11及びメッセージ表示部12は使用者が前記炭酸ガスセンサ11に呼気を吹き付ける際に前記炭酸ガスセンサ11と前記メッセージ表示部12を同時に視認できるような位置に、一体化されて設けられている。したがって、本呼気スイッチ装置の使用者は、容易に所望の意志伝達ができるようになる。特に、使用者が患者の場合には、無理な姿勢でモニタを見ながら炭酸ガスセンサ11に呼気を吹き付ける必要がなくなるので、安全で使い勝手が非常に向上する。使用者が初心者の場合でも、特別な訓練なしに本呼気スイッチ装置を使用できるようになる。
【0078】
請求項2記載の発明によれば、報知手段7に替えて、外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4を有しているので、呼気に基づき生成される外部制御信号に応答してメッセージの内容に対応した外部電気機器をオンオフ制御することができるようになる。また請求項1の発明と同様に炭酸ガスセンサ11及びメッセージ表示部12は近設されているので、本呼気スイッチ装置の使用者は、容易に所望の外部電気機器をオンオフ制御することができるようになる。特に、使用者が患者や初心者の場合には、請求項1の発明の効果で説明したように、非常に効果的である。
【0079】
請求項3記載の発明によれば、外部制御信号に応答して、メッセージの内容に対応した報知を行う報知手段7及び外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段4の両方を有しているので、請求項1及び2で記載した両方の効果が得られるようになり、更に使い勝手が更に向上する。
【0080】
請求項4記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11A及びメッセージ表示部12Aは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部の内側に、円形開口部から外に向かうようにして収容されているので、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになる。したがって、より簡単に確実に所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになる。また、呼気集約部1Aの構成はシンプルなので、製造も容易である。
【0081】
請求項5記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11Bは、円形開口部を有するおわん型をした、呼気を集約する呼気集約部1Bの内側に、円形開口部から外に向くようにして収容されており、メッセージ表示部12Bは、円形開口部縁にその表示面が外を向くようにして埋設されている。すなわち、呼気集約部1Bの円形開口部縁を利用して、ここにメッセージ表示部12Bが一体化されている。したがって、請求項4の発明同様、メッセージの視認性が向上し、かつより効果的に呼気を集約できるようになるので、簡単に確実に所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになるうえ、組立時のメッセージ表示部12の位置決めが簡単で組立作業が容易になる。更に、メッセージ表示部12が円形開口部縁に収容されたことにより、呼気集約部1Bの内側には基本的に炭酸ガスセンサ11Bのみを収容すればよくなるので、呼気集約力も更に向上する。
【0082】
請求項6記載の発明によれば、炭酸ガスセンサ11Cはフレキシブル管で形成されたアーム部9によって本体ケース部8に支持されており、メッセージ表示部12Cは炭酸ガスセンサ11Cに吊設されているので、炭酸ガスセンサ11Cを使用者の最適な位置にセットしやすく、メッセージの視認性が向上してメッセージの選択が容易になる。したがって、所望の意志伝達及び/又は外部機器制御ができるようになる。更に、構成が簡単になるので安価な製品が提供できるようになる。
【0083】
請求項7記載の発明によれば、メッセージ表示部12は、ドットマトリクスによりメッセージを表示する液晶表示装置なので、メッセージが見やすく、かつ軽量になる。また、細かな内容が数多くスクロール表示できるようになる。したがって、請求項7記載の発明によれば、更に使い勝手が向上する。
【0084】
請求項8記載の発明によれば、呼気検知信号が生成された時に、表示されているメッセージが一定時間だけ表示保持される。すなわち、所望のメッセージを呼気により確定した後、そのメッセージがすぐに消え去ることがないので、確定メッセージの確認が容易かつ確実になるうえ、万が一、不適当なメッセージを確定した場合でもそれを認識できるので、余計な混乱がなくなる。この結果、請求項8記載の発明によれば、更に使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の呼気スイッチ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の呼気スイッチ装置の実施形態を示す概観図である。
【図3】図3(A)及び(B)はそれぞれ本発明の呼気スイッチ装置の他の実施形態を示す概観図である。
【図4】本発明の呼気スイッチ装置の実施形態を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4の制御部が行う本発明に関わる一処理例を示すフローチャートである。
【図6】従来の呼気スイッチ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図7】雰囲気中の炭酸ガス濃度が緩やかに変化した場合のセンサ出力及び微分出力の時間特性を示すグラフである。
【図8】急激に炭酸ガスが濃度変化した場合のセンサ出力及び微分出力の時間特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1、1A、1B 呼気集約部
2 呼気検知信号生成手段
4 スイッチング回路(スイッチング手段)
7 音声報知部(報知手段)
8 本体ケース部
9 アーム部
11、11A、11B、11C (炭酸ガス)CO2センサ
12、12A、12B、12C メッセージ表示部
21 微分回路
30 表示制御手段
31 外部制御信号生成手段
32 表示保持手段
81 電源スイッチ
82 オンオフモニタ用LED
83 AC電源プラグ付電源線
84 電源制御線
85 報知制御線
Claims (8)
- 雰囲気中及び呼気中の炭酸ガス濃度を検知して、この炭酸ガス濃度を示す濃度検知信号を出力する炭酸ガスセンサと、
前記濃度検知信号を受けて、特定パターンの前記炭酸ガス濃度の変化を検出し、この変化検出に基づいて前記呼気中の炭酸ガスを分別して、呼気検知信号を生成する呼気検知信号生成手段と、
予め定められた意志表示を示すメッセージのリストから、所定時間毎に特定のメッセージをひとつリストアップしてメッセージ表示部に表示させる表示制御手段と、
前記呼気検知信号が生成された時の、前記メッセージ表示部に表示されているメッセージの内容に対応する外部制御信号を生成する外部制御信号生成手段と、
前記外部制御信号に応答して、前記メッセージの内容に対応した報知を行う報知手段とを有する呼気スイッチ装置であって、
前記炭酸ガスセンサと前記メッセージ表示部とが、使用者が前記炭酸ガスセンサに呼気を吹き付ける際に前記炭酸ガスセンサと前記メッセージ表示部を同時に視認できるような位置に、一体化されて設けられていることを特徴とする呼気スイッチ装置。 - 前記報知手段に替えて、前記外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段を有することを特徴とする請求項1記載の呼気スイッチ装置。
- 前記外部制御信号に応答して、外部電気機器をオンオフ制御するスイッチング手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の呼気スイッチ装置。
- 前記炭酸ガスセンサ及び前記メッセージ表示部は、円形開口部を有するおわん型をした、前記呼気を集約する呼気集約部の内側に、前記円形開口部から外に向かうようにして収容されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の呼気スイッチ装置。
- 前記炭酸ガスセンサは、円形開口部を有するおわん型をした、前記呼気を集約する呼気集約部の内側に、前記円形開口部から外に向くようにして収容されており、前記メッセージ表示部は、前記円形開口部縁にその表示面が外を向くようにして埋設されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の呼気スイッチ装置。
- 前記炭酸ガスセンサはフレキシブル管で形成されたアーム部によって本体ケース部に支持されており、前記メッセージ表示部は前記炭酸ガスセンサに吊設されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の呼気スイッチ装置。
- 前記メッセージ表示部は、ドットマトリクスにより前記メッセージを表示する液晶表示装置であることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項に記載の呼気スイッチ装置。
- 前記呼気検知信号が生成された時に、前記メッセージ表示部に表示されているメッセージを一定時間だけ表示保持する表示保持手段を更に有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の呼気スイッチ装置
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