JP3976396B2 - ドラム缶用高強度鋼板およびその製造方法ならびに鋼製ドラム缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼製ドラム缶に係り、鋼製ドラム缶用素材として好適な熱延鋼板、冷延鋼板およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼製ドラム缶は、JIS Z 1600に鋼製オープンドラムとして規定されているオープン型ドラムと、JIS Z 1601に液体用鋼製ドラムとして規定されている密封型ドラムの2種に大別される。これらのドラム缶は、天板、地板および胴板から構成されており、密封型ドラムでは円筒状に曲げ成形しシーム溶接して接合した胴板の両端に、円盤状の天板および地板をそれぞれ巻き締めて製造され、オープン型ドラムでは胴板と地板のみ巻き締めして天板は着脱可能に製造される。これらのドラム缶は外面および必要に応じて内面に化成処理や塗装が施される。
【0003】
ドラム缶には製缶の精度および溶接部、接合部、巻き締め部の健全性が要求され、JIS 規格には気密試験(水圧試験)、落下試験、積み重ね試験等を実施することが規定されている。また運送等で外力を受けた際に変形すると積み重ね等に支障を生じ外観も損なうため、缶体強度が要求される。
ドラム缶素材として使用される鋼板は、JIS G 3131に規定される熱間圧延軟鋼板および鋼帯、あるいはJIS G 3141に規定される冷間圧延鋼板あるいは鋼帯とされており、その板厚は0.5 〜1.6mm であって、例えば良く用いられる 200リットルの密封型ドラム缶(1級H級)で1.6mm とされている。
【0004】
素材として一般には低炭素アルミキルド冷延鋼板の箱焼鈍材あるいは連続焼鈍材が用いられおり、その典型的組成は重量比率で、0.05〜0.10%C− 0.2〜0.5 %Mn−〜0.05%Si−0.04〜0.10%Al−0.0015〜0.0030%Nである。また、この鋼板は概ね降伏応力(YS):225MPa、引張強度(TS):340MPa、伸び(EL):42%程度である。なお、割合は少ないが一部の板厚の厚いドラム缶材には熱延材も適用されることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
最近、缶製造コストを低減するために、ドラム缶用素材の板厚を薄くしようとする試みがなされてきている。そのためには缶体強度の確保のため鋼板強度を従来より高めなければならない。しかしながら、ドラム缶用鋼板の高強度化には、一般的に要求される溶接性や成形性等の確保の他に、特に解決しなければならない以下の諸課題がある。
【0006】
(1)巻き締め性の向上
一般に鋼板の高強度化は加工性の低下を伴うため、巻き締め部の健全性(巻き締めの不完全な部分がないこと)が確保できなくなり、特に最も過酷といわれる落下試験に合格するのが困難となる。近年、加工法において巻き締め性の問題を解決すべく、従来の天板・地板と胴板を2重に巻き締める方式を、多重巻き方式、すなわち3重に巻き締める方式に変更するという手段が採用されることもある。しかし、この方式では巻き締め工程が複雑化するうえ、素材鋼板の使用量が増加するなどの欠点も有するため、素材の鋼板の特性改善によって巻き締め部の健全性を維持する、言い換えれば素材鋼板の巻き締め性を向上することが求められている。また、多重巻き方式を採用するにしても素材鋼板の巻き締め性向上により、より巻き締め部の健全性を確保したいという要請がある。しかしながら、巻き締め性の向上は、加工性の劣化を伴う高強度化とは相反するのが通常である。なお、本発明者らの知見によれば、巻き締め性を改善するには延性を35%以上とすることを要する。
【0007】
(2)高温強度の向上
ドラム缶は1回のみの使用ではなく、一度内容物を入れて使用されたのち内部を洗浄して再度あるいは再々度、平均的には4〜5回繰り返して使用されるのが一般的である。再使用するに当たっては、内面の付着物や外面の塗装を一旦除去する必要があり、通常、ショットブラストによる除去作業を行う。このショットブラスト処理により缶体に発生する変形量が大きい場合には、そのドラム缶は積み重ねができず、再生利用に不適となる。したがって、このショットブラスト処理による缶体の変形量の大小は再生利用の可否および再生利用回数(再生利用性)を決定する一つの因子となっている。
【0008】
本発明者らがさらに詳しく調査した結果、このショットブラスト処理による缶体の変形は、使用する鋼板の室温強度のみを増加しても防止しうるものではないことが新たに判明した。
すなわち、ショットブラスト処理の前に、内容物を焼却して除去するために缶体を約800 ℃に加熱する焼却処理が実施されるのが一般的であるが、その後、缶体が完全に冷却しないうちに温間でショットブラスト処理を行うことが多い。本発明者らは、上記したショットブラスト処理による缶体の変形量が少ないことに加えて、高温加熱時の変形やその後の冷却過程でのショットブラスト処理による変形が少ないことが再生利用を決定する重要な因子となっていることを新たに知見した。このようなことから、缶体が概ね300 〜 600℃の温度域において高い高温強度を有することも要求される。
【0009】
(3)低温靱性の確保
従来のドラム缶においては低温における缶体特性は特に考慮されていないが、最近では、−40℃という低温の地域や設備で使用されるドラム缶も増えつつあり、低温において落下試験を行っても内容物の洩れ発生がないことがドラム缶の信頼性の一つの指標として要求されることが考えられる。
【0010】
このことは、ドラム缶用鋼板において低温靱性、特に巻き締め加工後の低温靱性(巻き締め部の信頼性)が確保されなければならないことを意味するが、一般的に、靱性の確保は高強度化と相反する。
しかしながら、従来知られている高強度化において上記の材質要請を全て満足することは困難であった。すなわち、高強度化手段としては多量の合金元素の添加による固溶強化や、加工強化(特開昭56− 77039号公報に参照)、析出硬化などが知られているが、いずれも一般に、低温靱性の低下や延性の低下による巻き締め性の低下を招き、また高温強度を十分確保することも困難である。また結晶粒の細粒化や低温変態生成物(ベーナイトなど)を利用した強化法も知られているが、溶接あるいは前記の内容物焼却処理により、強度もしくは靱性の低下が生じやすい。
【0011】
このようにドラム缶用として素材に要求される特性をすべて満足する適切な鋼板の高強度化の方法がなく、素材の薄肉化が達成できていないのが現状である。
本発明の第1の目的は、上記した問題を有利に解決し、従来は素材として冷延鋼板が主流であったが、処理工程の少ない熱延鋼板を利用して、薄肉化が達成でき軽量で低コストで、しかも再生利用回数を増加でき、低温域でも使用できるドラム缶を製造するために、ドラム缶用素材として、高強度(TS: 370MPa 以上、好ましくは 410MPa 以上、以下同じ)で伸び35%以上を有し靱性に優れかつ成形性、溶接性、巻き締め性、高温強度に優れたドラム缶用熱延鋼板およびその製造方法を提案することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、薄肉化が達成でき軽量で低コストで、しかも再生利用回数を増加でき、低温域でも使用できるドラム缶を製造するために、ドラム缶用素材として、高強度で伸び35%以上を有し靱性に優れかつ成形性、溶接性、巻き締め性、高温強度に優れたドラム缶用冷延鋼板およびその製造方法を提案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋼板組成、製造方法について種々検討した結果、ドラム缶用素材として、低炭素アルミキルド鋼に微量のNbを添加しかつ製造条件を最適化して組織を細粒化した鋼板を使用するすることにより、高温から低温までの広い範囲で高い缶体強度を有しかつ従来材と同等以上の巻き締め性、再生利用性、溶接性および溶接部成形性を有し、低温域まで使用可能なドラム缶とすることができることを新規に見いだした。
【0014】
本発明は上記した知見に基づいて構成されたものである。
すなわち、第1の目的を達成するための本発明は、重量%で、C:0.025 %以上0.10%以下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、結晶粒径が7μm 以下であることを特徴とするドラム缶用高強度熱延鋼板であり、前記組成に加えて、さらに重量%で、Ti:0.005 〜0.10%を含有してもよく、また、前記熱延鋼板は黒皮付き熱延鋼板としてもよく、また前記黒皮はマグネタイトを体積率で80%以上含む被膜とするのが好ましく、また前記黒皮の厚さは5μm 以下とするのが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記した熱延鋼板を胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いたことを特徴とする鋼製ドラム缶であり、従来より薄肉化による軽量化が期待できるうえ、巻締め部信頼性に優れるという特長をも有するものである。
また、本発明は、重量%で、C:0.025 %以上0.10%以下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 〜0.10%を含有し、好ましくは残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材に、仕上圧延温度を750 ℃以上とする熱間圧延加工を施し、該熱間圧延加工終了後、2 sec 以内に強制冷却を開始し巻取り温度:500 ℃超700 ℃以下で巻取り、熱延板とすることを特徴とする結晶粒径が7μm 以下の靱性に優れたドラム缶用高強度熱延鋼板の製造方法であり、前記組成に加えて、さらに重量%で、Ti:0.005 〜0.10%を含有するのが好ましく、また、前記熱延板に必要に応じて酸洗処理を施したのち、さらに調質圧延を施してもよい。
【0016】
また、第2の目的を達成するための本発明は、重量%で、C:0.025 %以上0.10%以下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、結晶粒径が5μm 以下であることを特徴とするドラム缶用高強度冷延鋼板であり、前記組成に加えて、さらに重量%で、Ti:0.005 〜0.10%を含有するのが好ましい。
【0017】
また、本発明は、上記したドラム缶用高強度冷延鋼板を胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いたことを特徴とする鋼製ドラム缶であり、軽量化が期待でき、巻き締め部の信頼性にも優れるものである。
また、本発明は、重量%で、C:0.025 %以上0.10%以下、Si:0.20%以下、Mn:1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.150 %以下、N:0.0050%以下、Nb:0.005 〜0.10%を含み、あるいはさらにTi:0.005 〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼素材に、仕上圧延温度を750 ℃以上とする熱間圧延加工を施し、該熱間圧延加工終了後、2 sec 以内に強制冷却を開始し、巻取り温度:500 ℃超700 ℃以下で巻取り熱延板としたのち、必要に応じて該熱延板を酸洗し、ついで冷間圧延により冷延板とし、該冷延板に再結晶温度以上の温度で焼鈍を行い、あるいはさらに調質圧延を施すことを特徴とする結晶粒径が5μm 以下のドラム缶用高強度冷延鋼板の製造方法である。
【0018】
なお、本発明において結晶粒径は、鋼板の断面(圧延方向に直角をなす面)における最表面を除く全厚での平均粒径を指すものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の鋼板の化学組成の限定理由について説明する。
C:0.025 %以上0.10%以下
Cは、基地中に固溶し鋼板の強度を増加させるが、0.10%を超えると炭化物を多量に形成し延性を劣化させるとともに、溶接部の硬化が顕著になり、ドラム缶製缶時のフランジ成形工程において割れが多発する。このため、本発明では成形性の観点からC含有量の上限を0.10%とした。なお、さらに成形性の観点からはC含有量は0.08%以下とするのが好ましい。また、C含有量は、強度確保の観点から0.025 %以上の含有とする。
【0020】
Si:0.20%以下
Siは、強化元素として有用であるが、多量に含有すると熱間圧延性および冷間圧延性の劣化が顕著となるほか、表面処理性(特に化成処理性)、耐食性も劣化する。さらに、多量に含有すると溶接部の硬化も顕著となり好ましくない。このため、Si含有量は0.20%以下に限定した。なお、とくに耐食性が要求される用途に用いる場合にはSi含有量は0.10%以下に限定するのが好ましい。
【0021】
Mn:1.0 %以下
Mnは、Sによる熱間割れを防止する元素であり、S含有量に応じて添加する。また、Mnは結晶粒を微細化する作用を有しており、Mnの添加は材質上好ましい。しかし、多量に添加すると、耐食性が劣化する傾向となるうえ、鋼板を硬質化させ冷間圧延性を劣化させる。さらにMnの多量添加は溶接性、溶接部の成形性をも劣化させる傾向となるため、Mn含有量は1.0 %以下に制限した。なお、良好な耐食性、成形性が要求される場合にはMn含有量は0.60%以下とするのが好適である。
【0022】
P:0.04%以下
Pは、多量に含有すると鋼を著しく硬質化させ、ドラム缶製造時のフランジ加工性やネック加工性を劣化させるとともに、耐食性を著しく劣化させる。また、Pは鋼中で偏析する傾向が強く、溶接部の脆化をもたらす。このようなことからPは0.04%以下に制限した。なお、好ましくは0.02%以下である。
【0023】
S:0.01%以下
Sは、鋼中では主として介在物として存在するため、鋼板の延性、曲げ、曲げ戻し等の加工性を減少させ、さらに耐食性を低下させるため、できるだけ低減するのが好ましいが、0.01%までは許容できる。なお、良好な加工性が要求される場合には0.007 %以下とするのが望ましい。
【0024】
Al:0.150 %以下
Alは、脱酸元素として添加され鋼の清浄度を向上させる有用な元素であり、さらに組織を微細化させる作用も有しており、本発明のドラム缶用鋼板には積極的に含有させる。しかし、Al含有量が0.150 %を超えると鋼板表面性状が劣化する。このため、Al含有量は0.150 %以下に限定した。なお、材質の安定という観点からは0.010 〜0.080 %の範囲が好ましい。
【0025】
N:0.0050%以下
本発明では、Nによる固溶強化を利用しないため、Nはとくに高める必要はなく、むしろNb添加による材質改善効果が阻害されたり、固溶Nによって巻き締め部の低温靱性が低下したりするためできるだけ低減するのが望ましい。しかし、0.0050%までは許容できるため、N含有量は0.0050%以下に限定した。なお、缶体の強度、低温靱性向上の観点からはN含有量は0.0040%以下とするのが望ましい。
【0026】
Nb:0.005 〜0.10%
Nbは、本発明において重要な元素であり、微量の添加で組織を微細化し、強度および巻き締め部の低温靱性を顕著に改善する。また、ドラム缶胴部のシーム溶接部における組織粗大化を抑制する顕著な効果を有する。シーム溶接部の組織微細化は、溶接後の巻き締めのための予成形としてのフランジ成形時の割れ防止に有効である。さらに、Nbの微量添加により、300 〜600 ℃の温度域での鋼板の高温強度が増加し、ドラム缶体としての高温クリープ強度、高温耐圧強度が増加する。また、巻取り後にNb炭化物の析出強化が生じるため、熱延中は相対的に強度が低く熱延クラウンが大きくなることはない。このような効果は、0.005 %以上の含有で認められるが、0.10%を超えると、熱間変形抵抗の増加による熱間圧延性の低下が顕著となる。このようなことから、Nb含有量は0.005 〜0.10%に限定した。なお、鋼板製造の容易さ、すなわち変形抵抗の上昇の抑制のためには、Nb含有量は0.005 〜0.030 %とするのが好ましい。
【0027】
Ti:0.005 〜0.10%
Tiは、スラブの割れ発生を防止するために有効であり、必要に応じ添加することができる。この効果は、0.005 %以上の含有で認められるが、0.10%を超えて含有するとドラム缶溶接部の成形性が劣化し、とくにドラム缶の巻締め性を低下させる。このため、Ti含有量は0.005 〜0.10%の範囲に限定するのが望ましい。
【0028】
その他、残部はFeおよび不可避的不純物からなるが、不可避的不純物としては、Cu:0.2 %以下、Ni:0.2 %以下、Cr:0.2 %以下、Mo:0.2 %以下の範囲に制限するのが好ましい。これら元素が含有されることにより鋼板強度は増加するが、溶接性、溶接部の加工性および化成処理性が著しく劣化するため上記範囲に限定するのが望ましい。
【0029】
つぎに、鋼板の製造条件の限定理由について説明する。
上記した組成の溶鋼を転炉、電気炉等通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法、造塊法、薄スラブ鋳造法等公知の方法で、凝固させ鋼素材とするのが好ましい。なかでもマクロ偏析を防止するため連続鋳造法が好ましい。
上記した組成の鋼素材に、熱間圧延を施す。
【0030】
鋼素材を所定温度に加熱したのち圧延加工を施し熱延板とするのが望ましい。素材の加熱温度は、とくに限定しないが、材質の安定のため1000〜1300℃の範囲とするのが好適である。1300℃を超えると結晶粒が粗大化し、伸び特性が劣化する。また、1000℃未満では、変形抵抗が高くなり圧延荷重が増加して圧延が困難となる。
【0031】
また、本発明では、スラブに鋳造後、一旦室温まで冷却しその後上記したように再加熱する方法以外に、室温まで冷却せず温片のままで加熱炉に装入し加熱する方法、あるいはわずかの保熱を行ったのち直ちに圧延する直送圧延、直接圧延などの方法を適用してもなんら問題はない。
熱間圧延の仕上圧延温度を750 ℃以上とする。
【0032】
仕上圧延温度を750 ℃以上とすることにより、均一で微細な熱延板組織が得られ、これにより最終製品(冷間圧延−焼鈍工程を経た場合も含める。以下同じ)の組織も均一微細化が図れる。さらに、Nbの不均一な析出を防止でき最終製品の機械的特性も安定する。なお、仕上圧延温度が1000℃を超えると、スケールの発生が著しくなりスケール起因の疵が多発し鋼板表面の健全性が低下するため、表面の健全性が要求されるドラム缶用としては好ましくない。このため仕上圧延温度は1000℃以下とするのが望ましい。なお、材質の均一性から仕上圧延温度は800 〜920 ℃の範囲が好ましい。
【0033】
熱間圧延加工終了後、熱延板を強制冷却するのが望ましい。圧延による加工歪に加え、圧延後の強制冷却により、熱延板組織のより微細化が達成され、それにより最終製品(冷延鋼板)の組織微細化が図れるからである。
圧延終了後、速やかに強制冷却を開始する。強制冷却は、水冷あるいはミスト冷却が好ましく、冷却速度として50℃/s以上が好ましい。強制冷却の開始は、熱延製品の細粒化により常温強度および高温強度を向上させるために、圧延終了後2sec 以内とする。また、強度増加、スケール厚みの安定制御という観点からは強制冷却は熱間圧延終了後1 sec以内に開始するのが好ましい。さらに、黒皮付き熱延鋼板における黒皮厚さを5μm 以下とするためには、強制冷却は、圧延後0.5s以内に開始するのが望ましい。
【0034】
巻取り温度を500 ℃超700 ℃以下とする。
巻取り温度が700 ℃を超えると、熱延板組織が粗大化し、さらに巻取り直後に不可避的に導入される不均一歪により異常粒成長が生じ、表面性状が劣化する危険性は増大する。一方、巻取り温度が400 ℃未満では、熱延鋼板の形状が悪化するうえ、鋼板幅方向の硬度差が顕著となり、冷延鋼板の形状が劣化し、その結果ドラム缶の形状が不均一となり、容器としての機能が低下する恐れがある。このため、巻取り温度は700 ℃以下 500℃超えとする。なお、黒皮付き熱延鋼板における黒皮厚さを5μm 以下とするためには、巻取り温度は600 ℃以下の低温とするのが好ましい。
【0035】
熱延板は、巻取られたのち、好ましくは調質圧延を施される。
熱延板の調質圧延、あるいはスキンパス圧延は、降伏点伸びを消滅、あるいは軽減し、さらに鋼板表面粗度の調整および原板の形状均一性の改善(例えば耳のび、腹のび等の低減)のために実施するのが好ましい。調質圧延の圧下率は5%以下とするのが好ましい。圧下率が5%を超えると鋼板の延性が劣化するうえ、降伏点の変動が大きくなり、製缶時のスプリングバック量がばらつくなどの問題を生じる。なお、表面粗度の調整のためには1%以上5%以下とするのが好ましい。
【0036】
熱延板では、圧延のままの黒皮付きでドラム缶製造に適用するのが好ましい。この場合、とくに素地のまま状態(無処理の状態)で使用しても、ドラム缶の内表面には緻密な酸化鉄相が付着しているため耐食性、耐摩耗性は良好である。缶外面には塗装が施されるが、リン酸亜鉛、リン酸鉄などの化成処理を行ったのち、あるいは化成処理を行わずに直接有機樹脂塗装を施してもなんら使用上の問題はない。これは内面についても同様である。
【0037】
黒皮付き熱延板の黒皮は、マグネタイトを体積率で80%以上含む被膜とするのが望ましい。これにより、耐食性、耐摩耗性が優れた熱延板となる。黒皮中のマグネタイト量は、巻取り温度および雰囲気の制御によりウスタイトからの変態を促進することで調整できる。黒皮中のマグネタイト含有量が80%未満では、黒皮の剥離性の悪化が顕著になり、実用に耐えるドラム缶とならない。黒皮付き熱延鋼板で製造したドラム缶を再生利用する際には、再生処理で表面酸化層は容易に剥離されるため、黒皮の存在は再生利用の妨げとならない。また、黒皮の厚さが5μm を超えると、黒皮の剥離性が増加する傾向にあり、黒皮付き熱延鋼板の黒皮厚さは5μm 以下とするのが望ましい。
【0038】
なお、黒皮を除去して使用してもよいことは言うまでもない。黒皮の除去は、酸洗処理を施し除去するのが好ましい。 熱延板の酸洗条件はとくに規定する必要はなく表面スケールが除去できればよく、通常公知の方法、例えば、塩酸、硫酸等の酸で表面スケールを除去すればよい。なお、酸洗後、発錆を防止するため、熱延鋼板には塗油するのが望ましい。酸洗によりスケールを除去したのち上記した条件の調質圧延を施される。
【0039】
さらに黒皮を除去された熱延板には、必要に応じ、表面処理が施される。施される表面処理としては、錫めっき、クロムめっき、ニッケルめっき、ニッケル・クロムめっき、亜鉛めっき等のめっき、さらにリン酸亜鉛、リン酸鉄などの化成処理など通常ドラム缶に適用される表面処理がいずれも好適に適用できるのは言うまでもない。また、これらのめっき後、塗装あるいは有機樹脂フィルムを貼って製缶してもなんら問題はない。
【0040】
上記した製造条件に従い製造した熱延鋼板は、35%以上の高い伸びを示し、平均結晶粒径7μm 以下の均一な微細な結晶組織を有する鋼板となる。なお、所望する強度が高い場合には、C、MnおよびNbの添加量と巻取り温度を制御して、平均結晶粒径を7μm 以下とする。
このような熱延鋼板を用いて製缶したドラム缶は、従来の鋼板を用いた場合にくらべ、製缶後に高い常温強度と、高温域(具体的には300 〜600 ℃)での高い高温強度と、−40℃での落下試験においても内容物の洩れがない優れた低温靱性を有するドラム缶となる。
【0041】
上記した条件で製造された熱延板は、熱延ままの状態からさらに、酸洗(必要に応じ)と、冷間圧延を施し、冷延板としてもよい。冷延板とされる熱延母板の適正板厚は、3.7 〜1.8mm が推奨される。熱延板の酸洗条件はとくに規定する必要はなく表面スケールが除去できればよく、通常公知の方法、例えば、塩酸、硫酸等の酸で表面スケールを除去できればよい。冷間圧延における圧下率は、60〜85%とするのが好ましい。なお、酸化層厚を5μm 以下とした薄スケール鋼板は、酸洗を省略しそのまま冷間圧延を施してもよい。
【0042】
上記の冷延板はついで、焼鈍を施される。
焼鈍は、再結晶終了温度以上の温度で行う。焼鈍温度が再結晶終了温度未満の場合には、得られる鋼板の組織は未再結晶あるいは部分再結晶組織となり、強度は高いが延性に乏しく、高温で顕著に軟化する傾向を有し、さらに鋼板の幅方向、長手方向で材質が不均一となり、用途が極めて限定されることになる。本発明で使用する焼鈍サイクルは、とくに過時効処理を施す必要はなく、単純な加熱冷却処理を行うサイクルを適用するのが好適である。しかし、過時効処理を行っても時効性が低下する他は材質には顕著な変化は生じないため、過時効を行う焼鈍サイクルを適用しても何ら問題はない。
【0043】
焼鈍を施された冷延焼鈍板には、必要に応じ調質圧延が施される。
調質圧延、あるいはスキンパス圧延は、降伏点伸びを消滅、あるいは軽減し、さらに鋼板表面粗度の調整および原板の形状均一性の改善(例えば耳のび、腹のび等の低減)のために実施するのが好ましい。調質圧延の圧下率は5%以下とするのが好ましい。圧下率が5%を超えると鋼板の延性が劣化するうえ、降伏点の変動が大きくなり、製缶時のスプリングバック量がばらつくなどの問題を生じる。なお、表面粗度の調整のためには1%以上5%以下とするのが好ましい。
【0044】
ドラム缶の製缶を安定して行うためには缶素材の延性が重要な因子であり、伸び値が35%以上の鋼板であれば、安定した製缶が可能である。伸び値の測定は、引張試験により行うが、試験片の採取方向はドラム缶成形時に円周方向となる方向とする。
上記した製造条件に従い製造した冷延鋼板は、35%以上の高い伸びを示し、結晶粒径5μm 以下の均一な微細な結晶組織を有する鋼板となる。なお、強度が高い場合には、C、MnおよびNb添加量と巻取り温度を制御して、結晶粒径を5μm 以下とする。
【0045】
さらに冷延焼鈍板には、必要に応じ、表面処理が施される。施される表面処理としては、錫めっき、クロムめっき、ニッケルめっき、ニッケル・クロムめっき、亜鉛めっき等のめっき、さらにリン酸亜鉛、リン酸鉄などの化成処理など通常ドラム缶に適用される表面処理がいずれも好適に適用できるのは言うまでもない。また、これらのめっき後、塗装あるいは有機樹脂フィルムを貼って製缶してもなんら問題はない。また、製缶後、塗装を行ってもよいのは言うまでもない。
【0046】
このような冷延鋼板を用いて製缶したドラム缶は、従来の鋼板を用いた場合にくらべ、製缶後に高い常温強度と、高温域(具体的には300 〜600 ℃)での高い高温強度と、−40℃での落下試験においても内容物の洩れがない優れた低温靱性を有するドラム缶となる。なお、高温強度は、クリープ強度を含む300 〜600 ℃の範囲における強度であり、測定方法は、通常の高温引張試験(クロスヘッド速度1mm/min程度)で得られた値を用いる。
【0047】
ドラム缶は、胴板、天板、地板から構成されている。本発明の黒皮付き熱延鋼板あるいは黒皮を除去した熱延鋼板、あるいは冷延鋼板を素材として胴板、天板、地板を加工し、さらに胴板を曲げ成形し、その両端部をシーム溶接あるいは他の接合法により接合し缶胴部とし、缶胴部の両端に地板(および密封型では天板)を巻締め(2重でも多重でもよい)により装着してドラム缶を形成する。ドラム缶に成形したのち、必要に応じ天板を巻締める前に内面に化成処理−塗装処理を施す。地板、天板を巻締めた後、外面塗装を行う。また、天板、地板は別ラインで処理され組立てられる。なお、胴板、天板、地板の全てに本発明の鋼板を用いるのが好ましいが、これらのいずれか1つか2つかに本発明の鋼板を用いても有効である。
【0048】
缶胴部の接合は、従来主として利用されているマッシュシーム溶接が好適であるが、それ以外の突き合わせ溶接であるプラズマ溶接、レーザー溶接、あるいはフラッシュバット溶接がいずれも適用できる。また、溶接を用いずに「かしめる」方法でもよい。
【0049】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で 260mm厚のスラブ(鋼素材)とした。ついで、これらスラブを表2に示す条件で熱間圧延を施し、冷却した後、表2に示す温度で巻取った。ついで、これら熱延板に必要に応じ調質圧延を施して最終仕上板厚3.5mm 厚の熱延板とした。なお、熱延後の冷却速度は以下の実施例を通じ60℃/sとした。
【0050】
ついで、これら熱延板に、酸洗処理を施したのち、表2に示す条件で冷間圧延を施し冷延板とした。その後これら冷延板に、表2に示す条件で連続焼鈍を施し、表2に示す条件で調質圧延を施し、1.2 mm厚の冷延焼鈍板とした。
これら冷延鋼板について、平均結晶粒径、引張特性(常温および 600℃における引張強さ)、および曲げ特性・繰り返し曲げ特性を調査した。
【0051】
結晶粒径(平均結晶粒径)は、鋼板圧延直角方向の断面について光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡写真から求めた。また、引張特性は、ドラム缶の成形時に円周方向となる方向から採取したJIS 5号試験片を用いた。600 ℃における高温引張強さは、通常の高温引張試験で得られた値を用いた。曲げ特性・繰り返し曲げ特性調査は巻き締め加工性の評価のために行い、圧延直角方向から採取した曲げ試験片を密着曲げと密着曲げ戻しを行い破断の有無で評価した。なお、表中には破断無しを○、破断有りを×として表示している。
【0052】
それらの結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
本発明範囲の鋼板(鋼板No.1-2〜No.1-4)は、7μm 以下の平均結晶粒径を有し、かつ41%以上の伸びを示している。さらに、延性の低下を伴うことなく常温強度、および 600℃における高温強度が、Nb無添加の冷延鋼板(従来例)に比べ増加している。また、本発明例は曲げ特性も良好であり、巻き締め性に問題はなかった。
【0056】
ついで、これら鋼板から天板、地板をプレス加工した。一方、胴板を円筒状に曲げ成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両端に天板、地板を巻き締め(2重巻締め方式)により装着し容量 200リットルの密封型ドラムとした。なお、外面には通常の塗装(エポキシ系塗料)を施し、内面は燐酸亜鉛による化成処理を施した。製缶に際し、製缶時の曲げ加工性、形状凍結性、溶接性等を調査し製缶性とした。
【0057】
また、これらドラム缶について、強度特性を調査するため、内部を空のままとし、軸方向および円周方向から圧縮し、マクロな圧縮座屈を生じる荷重を座屈荷重として測定した。
また、これらドラム缶について内部に油類を充填し、-40 ℃に冷却し1.2mの高さから落下させ漏れおよび変形量を調査する落下試験を実施した。なお、落下試験における変形量は、従来例(鋼板No.1-5)の変形量を1.00とし、従来例に対する比で示している。なお、JIS に規定される室温における高さ 1.8mからの落下試験については、上記低温落下試験に合格するドラム缶であれば問題なく合格することを確かめたので省略した。
【0058】
これらの結果を缶体特性として表2に示す。
表2から、本発明例(鋼板No.1-2〜No.1-4)は、製缶性も問題なく、強度特性試験における座屈荷重も比較例にくらべ高く、さらに低温の落下試験における変形量も従来例(鋼板No.1-5)にくらべ減少し、缶体の高強度化が達成されていることがわかる。また、低温の落下試験では、本発明例で、高強度化したにもかかわらず漏れを生じることもなく、内容物を安全に確保でき巻締め部の信頼性が向上していることがわかる。本発明の鋼板では、2重巻締め、3重巻締めといった巻締め方式によらず、また、低温という厳しい条件下においても常に巻締め部の信頼性を向上させることができる。
(実施例2)
0.035 wt%C−0.01wt%Si−0.25wt%Mn−0.006wt %P−0.005wt %S−0.0030wt%N−0.035wt %Al−0.015wt %Nbを含み残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材(スラブ)を用い、表3に示す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷し、表3に示す温度で巻取り3.4 〜2.5 mm厚の熱延板とし、ついで、これら熱延板に酸洗処理を施したのち、表3に示す条件で冷間圧延を施し冷延板とした。その後これら冷延板に、表3に示す条件で連続焼鈍を施し、酸洗および表3に示す条件で調質圧延を施し、 1.0mm厚の冷延焼鈍板とした(鋼板No.2-1〜2-7 )。なお、連続焼鈍においては、過時効帯の炉温を 350℃以下として実質的に過時効処理なしとした。
【0059】
なお、0.035 wt%C−0.01wt%Si−0.25wt%Mn−0.006wt %P−0.005wt %S−0.0020wt%N−0.035wt %Al− 0.005wt%Nbを含み残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを用い、表3に示す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷し、表3に示す温度で巻取り 2.6mm厚の熱延板とした(鋼板No.2-8)。ついで、この熱延板に酸洗を施したのち、冷間圧延を施して 1.0mm厚の冷延板とした。この冷延板に、焼鈍として、700 ℃×40sec の均熱を施したのち50℃/sの冷却速度で冷却し400 ℃×60sec の過時効処理を施し、冷延焼鈍板として比較例とした。
【0060】
これら冷延鋼板から実施例1と同じ要領で天板、地板を加工し、胴板を曲げ成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両端に天板、地板を巻き締めにより装着し容量200 リットルの密封型ドラムとし、製缶性を調査した。製缶後、外面にはエポキシ系塗装を施し、内面には化成処理のみを施した。
これらドラム缶について、常温(15℃)で、ドラム缶外部から、円周方向の圧縮応力となるように集中荷重を負荷して、その際生じる缶体の変形量を測定した。その結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
本発明範囲の鋼板を用いたドラム缶(鋼板No.2-1〜No.2-7)では、荷重負荷により生じる変形量は、比較例(鋼板No.2-8) くらべ著しく減少することがわかる。すなわち、顕著な高強度化が達成されている。また実施例1と同様に低温での落下試験も実施したが洩れ等を生ずることはなかった。
なお、ドラム缶内部の圧力を高くした場合の缶体の変形量についても、測定した。外部からの圧縮応力負荷に比べ大きな相違はみられないが、本発明例のドラム缶の変形量が比較例の変形量にくらべ少ない傾向は同様に確認できた。
(実施例3)
表4に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとしたのち、表5に示す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷しあるいは水冷なしとし、表5に示す温度で巻取り2.9 〜3.4 mm厚の熱延板とし、ついで、これら熱延板に酸洗処理を施したのち、表5に示す条件で冷間圧延を施し冷延板とした。その後これら冷延板に、表5に示す条件で連続焼鈍を施し、表5に示す条件で調質圧延を施し、1.0 mm厚の冷延焼鈍板とした。なお、連続焼鈍は過時効処理なしとした。
【0063】
これら冷延鋼板を胴板、天板に加工したのち、胴板を曲げ成形し両端部をシーム溶接した。なお、胴板のシーム溶接条件を最適化するため、従来の低炭素アルミキルド鋼板(1.0mm 厚)を溶接する条件(溶接1次電流: 220A、溶接速度:15m/min 、シリンダー圧力で調整する電極加圧力:530kgf(シリンダー圧力3.0kgf/cm2相当))を基本として、1次溶接電流を変化した溶接条件で胴板シーム溶接を行い、通常の製缶工程にしたがい、フランジ成形および輪帯のエキスパンド成形を行って割れ等の不具合発生を調査し、不具合発生のない適正溶接電流の範囲の幅を決定した。
【0064】
また、適正範囲内の溶接電流でシーム溶接を行い、容量200 リットルの密封型ドラム缶(天板、地板とも2重巻き)に製缶した。これらドラム缶について、缶体圧縮試験(軸方向の静的圧縮試験)を実施し、静的圧潰強度を求めた。
それらの結果を、鋼板の結晶粒径、機械的特性とともに表5に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
表5から、本発明例(鋼板No.3-1〜No.3-3)は、従来例(鋼板No.3-6)に比べ高い強度を有しているにもかかわらず、従来例と同等の溶接可能電流範囲を有し、製缶性、溶接性ともに問題を生じていない。また、本発明例は、静的圧潰強度も従来例に比べ高く、鋼板強度の増加と対応する。
本発明範囲の高強度冷延鋼板をドラム缶用素材として適用すれば、溶接性の劣化を伴わず缶体強度の増加が達成できる。とくに、本発明例の巻締め部は、同一変形量を強制的に与えた場合でも、より大きな歪域まで気密性を確保できる。
(実施例4)
表6に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で 260mm厚のスラブ(鋼素材)とした。ついで、これらスラブを表7に示す条件で熱間圧延を施した後冷却し、表7に示す温度で巻取り、1.22mm厚の熱延板とした。ついで、これら熱延板に必要に応じ酸洗または調質圧延を施して最終仕上板厚1.20mm厚の熱延鋼板とした。
【0068】
これら熱延鋼板について、結晶粒径、引張特性(常温および 600℃における引張強さ)、および曲げ特性・繰り返し曲げ特性を調査した。
結晶粒径(平均結晶粒径)は、鋼板圧延直角方向の断面について光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡写真から求めた。また、同じ断面写真より黒皮厚を求めた。引張特性は、ドラム缶の成形時に円周方向となる方向から採取したJIS 5号試験片を用いた。600 ℃における引張強さは、通常の高温引張試験で得られた値を用いた。曲げ特性・繰り返し曲げ特性は、圧延直角方向から採取した曲げ試験片を密着曲げと密着曲げ戻しを行い破断の有無で評価した。なお、表中には破断無しを○、破断有りを×として表示している。
【0069】
それらの結果を表7に示す。なお、比較として、実施例1で示したD鋼(表1)の冷延鋼板についての試験結果(表2の鋼板No.1-4)を従来例として示した。
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
本発明範囲の鋼板(本発明例No.4-1〜No.4-4)は、10μm 以下の平均結晶粒径を有し、かつ38%以上の伸びを示している。さらに、延性の低下を伴うことなく常温強度、および 600℃における高温強度が、比較例の鋼板(No.1-4)に比べ増加している。また、曲げ特性も良好であった。
ついで、これら鋼板から天板、地板をプレス加工した。一方、胴板を円筒状に曲げ成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両端に天板、地板を巻き締め(通常の2重巻締め方式)により装着し容量 200リットルの密封型ドラムとした。なお、外面にはエポキシ系塗料で塗装を施し、内面は燐酸亜鉛による化成処理を施した。製缶に際し、製缶時の曲げ加工性、形状凍結性、溶接性等を調査し製缶性とした。
【0073】
また、これらドラム缶について、強度特性を調査するため、内部を空のままとし、軸方向および円周方向から圧縮し、マクロな圧縮座屈を生じる荷重を座屈荷重として測定した。
また、これらドラム缶についても内部に油類を充填し、-40 ℃に冷却し1.2mの高さから落下させ漏れおよび変形量を調査する落下試験を実施した。なお、落下試験における変形量は、従来例(No.1-5)の変形量を1.00とし、従来例に対する比で示している。
【0074】
これらの結果を缶体特性として表7に示す。
表7から、本発明例は、製缶性も問題なく、強度特性試験における座屈荷重も比較例にくらべ高く、さらに低温の落下試験における変形量も比較例にくらべ減少し、缶体の高強度化が達成されていることがわかる。また、本発明例は、低温の落下試験で漏れを生じることもなく、内容物を安全に確保でき巻締め部の信頼性が確保されていることがわかる。本発明の鋼板では、2重巻締め、3重巻締めといった巻締め方式によらず、また低温という厳しい条件下においても常に巻締め部の信頼性を向上させることができる。
(実施例5)
0.032 wt%C−0.01wt%Si−0.15wt%Mn−0.003wt %P−0.004wt %S−0.045wt %Al−0.017wt %Nb−0.0021wt%Nを含み残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材(スラブ)を用い、表8に示す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷し、表8に示す温度で巻取り熱延板とした。ついで、これら熱延板に酸洗を施したのち調質圧延を施し最終仕上板厚 2.3mm厚の熱延鋼板とした。
【0075】
これら熱延鋼板から実施例4と同じ要領で天板、地板を加工し、胴板を曲げ成形し両端部をシーム溶接して缶胴部とし、缶胴部の両端に天板、地板を巻き締めにより装着し容量200lの密封型ドラムとし、製缶性を調査した。製缶後、外面にはエポキシ系の塗装を施した。
これらドラム缶について、常温(15℃)でドラム缶外部から、円周方向の圧縮応力となるように集中荷重を負荷して、その際生じる缶体の変形量を測定した。その結果を表8に示す。
【0076】
【表8】
【0077】
本発明範囲の鋼板を用いたドラム缶(本発明例No.5-1〜No.5-7)では、荷重負荷により生じる変形量は、高温および常温とも著しく減少することがわかる。本発明の範囲をはずれる比較例(鋼板No.5-8)では、荷重負荷により生ずる変形量が大きい。
なお、ドラム缶内部の圧力を高くした場合の缶体の変形量についても、測定した。外部からの圧縮応力負荷に比べ大きな相違はみられないが、本発明例のドラム缶の変形量が比較例の変形量にくらべ少ない傾向は同様に確認できた。
(実施例6)
表9に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとしたのち、表10に示す条件で熱間圧延を施して熱延板とし、酸洗処理および必要に応じ調質圧延を施して最終仕上板厚1.0mm の黒皮なし(表面にスケールの存在しない)熱延鋼板とした。
【0078】
なお、0.035 wt%C−0.01wt%Si−0.18wt%Mn−0.006wt %P−0.005wt %S−0.045wt %Al−0.0021wt%Nを含み残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブ(表9鋼J)を用い、表10に示す条件で熱間圧延を施し、圧延終了後水冷した後、巻取り 2.9mm厚の熱延板とし、ついで、この熱延板に酸洗を施したのち、冷間圧延を施して1.01mm厚の冷延板とした。この冷延板に、焼鈍を施し、冷延焼鈍板として従来例(鋼板No.6-6)とした。焼鈍条件は、690 ℃×40sec の均熱を施したのち30℃/sの冷却速度で冷却し、実質的に過時効処理を施さなかった。
【0079】
これら熱延鋼板(従来例は冷延鋼板)を用いて、胴板、天板を加工し、胴板を曲げ成形し両端部をシーム溶接した。なお、胴板のシーム溶接条件を最適化するため、従来の低炭素アルミキルド鋼板(1.0mm 厚)を溶接する条件(溶接1次電流: 220A、溶接速度:15m/min 、電極加圧力:530kgf(シリンダー圧力3.0kgf/cm2相当))を基本として、1次溶接電流を変化した溶接条件で胴板シーム溶接を行い、フランジ成形および輪帯のエキスパンド成形を行って割れ等の不具合発生を調査し、不具合発生のない適正溶接電流の範囲の幅を決定した。また、適正範囲内の溶接電流でシーム溶接を行い、容量200 リットルの密封型ドラム缶に製缶した。これらドラム缶について、缶体圧縮試験(軸方向の静的圧縮試験)を実施し、静的圧潰強度を求めた。それらの結果を、鋼板の結晶粒径、機械的特性とともに表5に示す。
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
表10から、本発明例は、従来例に比べ高い強度を有しているにもかかわらず、従来例と同等の溶接可能電流範囲の幅(上下限はシフトする)を有し、製缶性、溶接性ともに問題を生じていない。また、本発明例は、静的圧潰強度も従来例に比べ高く、鋼板強度の増加と対応する。
本発明範囲の高強度熱延鋼板をドラム缶用素材として適用すれば、溶接性の劣化を伴わず缶体強度の増加が達成できる。とくに、本発明例の素材を用いたドラム缶の巻締め部は、同一変形量を強制的に与えた場合でも、より大きな歪域まで気密性を確保できることを確認した。これは低温での過酷な条件でも変わらない。
(実施例7)
表6に示す化学組成の鋼Kを転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとしたのち、表11に示す条件で熱間圧延を施して 1.1mm厚の熱延板とした。酸洗処理を省略し黒皮(表面スケール)付き熱延鋼板としたこれら鋼板を用いて前述の如く、通常のドラム缶製造工程にしたがって、容量200 リットルのドラム缶を製造した。なお、胴部のシーム溶接は、黒皮なしの場合にくらべ溶接電流を低下させて溶接した。また、ドラム缶への塗装は、化成処理を省略して直接塗装したが何ら問題は生じなかった。
【0083】
これら熱延鋼板の製缶性について、熱延条件、結晶粒径、黒皮(酸化層)厚さおよび黒皮組成(マグネタイト量)とともに表11に示す。なお、マグネタイト量はX線回折法により測定した。
【0084】
【表11】
【0085】
表11から、酸化層(黒皮)厚みが厚く、マグネタイト量が少ない場合には、製缶時やや剥離が多いが、酸化層厚が5μm 以下とすることにより、製缶時の剥離は問題ない程度まで減少した。また、酸化層厚が比較的厚い場合には、黒皮なしの場合にくらべ缶胴部のシーム溶接時、電極の損耗がやや増加する傾向がみられた。しかし、酸化層厚みを5μm 以下とすることにより、電極損耗は、冷延鋼板並となり、大幅に改善された。酸化層厚みを5μm 以下とするには、仕上げ圧延温度を920 ℃以下、仕上げ圧延終了から冷却開始までの時間を0.5sec以下、巻取り温度を600 ℃以下とすることが好適である。
【0086】
このように、本発明の高強度冷延鋼板および高強度熱延鋼板をドラム缶素材として、ドラム缶を製造すれば、製缶性の低下もなく、常温および高温の缶体強度の増加が図れるため、板厚を薄くすることにより低コスト化、軽量化が図れる。さらに、巻締め部の信頼性も向上する。
以上、容量 200リットルの密封型ドラムについてのみ説明したが、さらに小容量のドラム缶に対して適用しても同様な効果があることはいうまでもない。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、製缶性の低下を伴うことなく、ドラム缶の大幅な強度増加が達成でき、内容物に対する信頼性が向上し、再生利用回数の大幅な増加が見込めるなど産業上格段の効果を奏する。さらに、鋼板の薄肉化が達成でき、製缶コストの低減および軽量化にも寄与できるという効果もある。また、本発明によれば、缶胴部のシーム溶接性、およびその後の伸びフランジ特性が顕著に改善され、さらに、低温における衝撃的な応力負荷に対しても液洩れ等の発生はなく、巻締め部の信頼性が著しく向上するという効果が期待できる。
Claims (12)
- 重量%で、
C:0.025 %以上0.10%以下、 Si:0.20%以下、
Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.150 %以下、
N:0.0050%以下、 Nb:0.005 〜0.10%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつ結晶粒径が7μm 以下であることを特徴とするドラム缶用高強度熱延鋼板。 - 前記組成に加えて、さらに重量%で、Ti:0.005 〜0.040 %を含有することを特徴とする請求項1に記載のドラム缶用高強度熱延鋼板。
- 前記熱延鋼板が黒皮付き熱延鋼板である請求項1または2に記載のドラム缶用高強度熱延鋼板。
- 前記黒皮が、マグネタイトを体積率で80%以上含む被膜であることを特徴とする請求項3に記載のドラム缶用高強度熱延鋼板。
- 前記黒皮の厚さが、5μm 以下である請求項3または4に記載のドラム缶用高強度熱延鋼板。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のドラム缶用高強度熱延鋼板を胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いたことを特徴とする鋼製ドラム缶。
- 重量%で、
C:0.025 %以上0.10%以下、 Si:0.20%以下、
Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.150 %以下、
N:0.0050%以下、 Nb:0.005 〜0.10%
を含有する組成の鋼素材に、仕上圧延温度を750 ℃以上とする熱間圧延加工を施し、該熱間圧延加工終了後、2 sec 以内に強制冷却を開始し、巻取り温度:500 ℃超700 ℃以下で巻取り、熱延板とすることを特徴とする結晶粒径が7μm 以下のドラム缶用高強度熱延鋼板の製造方法。 - 前記熱延板に、さらに調質圧延を施すことを特徴とする請求項7に記載のドラム缶用高強度熱延鋼板の製造方法。
- 重量%で、
C:0.025 %以上0.10%以下、 Si:0.20%以下、
Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.150 %以下、
N:0.0050%以下、 Nb:0.005 〜0.10%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、かつ結晶粒径が5μm 以下であることを特徴とするドラム缶用高強度冷延鋼板。 - 前記組成に加えて、さらに重量%で、Ti:0.005 〜0.10%を含有することを特徴とする請求項9に記載のドラム缶用高強度冷延鋼板。
- 請求項9または 10に記載のドラム缶用高強度冷延鋼板を胴板、天板および地板のうちの少なくとも1つに用いたことを特徴とする鋼製ドラム缶。
- 重量%で、
C:0.025 %以上0.10%以下、 Si:0.20%以下、
Mn:1.0 %以下、 P:0.04%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.150 %以下、
N:0.0050%以下、 Nb:0.005 〜0.10%
を含有する鋼素材に、仕上圧延温度を750 ℃以上とする熱間圧延加工を施し、該熱間圧延加工終了後2 sec 以内に強制冷却を開始し、巻取り温度:500 ℃超700 ℃以下で巻取り熱延板としたのち、該熱延板を酸洗し、ついで冷間圧延により冷延板とし、該冷延板に再結晶温度以上の温度で焼鈍を行い、あるいはさらに調質圧延を施すことを特徴とする結晶粒径が5μm 以下のドラム缶用高強度冷延鋼板の製造方法。
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