JP3976036B2 - 高分子フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所謂、流延製膜法による高分子フィルムの製造方法に関する。
高分子フィルムの製造方法として、流延製膜法が公知である。流延製膜法は、溶剤に高分子化合物を溶解してなる溶液を支持体上に塗布することで支持体上に前記高分子化合物を含む塗膜を形成する工程と、前記支持体上の塗膜を乾燥する工程とを有する方法である。流延製膜法は、実験室規模から工業的規模にいたる様々な規模にて広く実施されている(特許文献1〜4)。
流延製膜法が工業的規模で行われる場合には、支持体として鏡面研磨した金属ロールや所謂エンドレスベルトが用いられる(特許文献5〜7)。支持体として金属のベルトを用いる方法は、塗布後の乾燥工程長を長くすることが容易であるため、流延製膜法にて広く用いられている。流延製膜法の生産性を上げるためには乾燥速度を上げることが効果的であり、そのためには、乾燥温度を高くする、乾燥風量を大きくする、という手段を講じることが考えられる。しかし、乾燥温度を高くしすぎると、乾燥の際の溶媒の揮発速度が上がりすぎ、気泡を発生することがある。また、乾燥風量を大きくしすぎると、塗膜表面に風紋状のシワが発生する場合があったり、支持体ベルト自体の風による振動に起因する塗膜全体のウネリが発生する場合がある。このように、得られるフィルムの品質という観点からは、上述の手段は必ずしも効果的ではない。
このように、流延製膜法において生産性とフィルムの品質とを共に向上させるのは困難であったが故に、従来は、高品質のフィルムを生産する場合には乾燥速度を落とす、換言すると、長時間かけて緩やかに乾燥せざるをえなかった。
特開2003−260715号公報 特開平5−237928号公報 特開平6−56992号公報 特表平11−504369号公報 特開平9−207151号公報 特開平9−29852号公報 特開平9−57772号公報
しかし、長時間を要する乾燥工程は、単に生産性の低下のみならず、乾燥中の不所望な副反応を引き起こすという別の問題を表面化させることになる。とりわけ、ポリイミドフィルムの製造の場合ように、流延製膜法により得られる前駆体フィルム(ポリアミド酸を含むフィルム)を、さらに熱処理してフィルム化する必要がある場合において上記別の問題が深刻になる。なぜならば、前駆体フィルムの前駆体(化合物)は化学的安定性が必ずしも高くないからである。例えば、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミド酸フィルムのポリアミド酸は加水分解を生じやすいので、乾燥工程において、溶媒の揮発と、ポリアミド酸の加水分解による分子量低下とが同時に生じる。よってポリアミド酸フィルムを得る際に長時間乾燥させると、最終的に得られるポリイミドの分子量が低下してしまい、機械的強度が低下する原因となる。
本発明では、高品質のフィルムを高い生産性で製造し得る流延製膜法の提供、とりわけ、ポリイミドフィルムの前駆体の製膜に適用した場合に分子量の低下に伴う機械特性、電気特性の悪化を防止できる流延製膜法の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の発明を完成した。
(1)主鎖にイミド結合またはアミド結合を有する高分子化合物を含む溶液を支持体上に塗布することで支持体上に前記高分子化合物を含む塗膜を形成する工程と、前記支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記塗膜の下側の雰囲気温度が10〜50℃高い条件下で上記塗膜を乾燥する工程とを有する、高分子フィルムの製造方法。
)上記高分子化合物がポリイミド前駆体である、上記(1)記載の高分子フィルムの製造方法。
)上記溶液に含まれる高分子化合物が主鎖にベンザゾール環を有する、上記(1)または(2)記載の高分子フィルムの製造方法。
)上記支持体が長手方向および幅方向のいずれの方向についても3GPa以上の引張弾性率を有する有機高分子フィルムからなる、上記(1)〜()のいずれかに記載の高分子フィルムの製造方法。
本発明の高分子フィルムの製造方法は、流延製膜における乾燥過程で気泡発生などといったフィルム品質上の弊害を抑制し、かつ、短時間で乾燥を終えることができる。このため、長時間乾燥にて危惧される乾燥時の副反応を最低限に抑えることができる。
本発明の製法は、乾燥過程での温度制御に特徴をもつ流延製膜法による高分子フィルムの製造方法である。流延製膜法とは、高分子化合物を含む溶液を支持体上に塗布することで支持体上に前記高分子化合物を含む塗膜を形成する工程と、前記支持体上の塗膜を乾燥する工程とを有する高分子フィルムの製造方法である。
本発明において支持体上に高分子化合物を含む塗膜を形成する工程は、高分子化合物を含む溶液を支持体上に塗布すればよく、支持体の種類や塗布方法などは従来公知の技術を適宜取り入れることができる。
塗布方法としては、スキージコーティング、バーコーティング、コンマコーティング、リバースコーティング、連続スクリーン印刷、グラビアコーティングなどを、溶液の粘度、得ようとするフィルムの厚み、厚み精度に応じて適宜選択して使用すればよい。
高分子化合物を含む溶液を塗布する支持体は、ベルト、ドラムなど特に限定はなく、好ましくは、厚さが5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下の湾曲可能な素材からなるエンドレスベルトである。支持体の厚さが厚すぎると湾曲性に難点がある場合がある。支持体の幅と長さは特に限定されず、幅が好ましくは30cm以上、より好ましくは50〜200cmであり、長さが好ましくは100cm以上、より好ましくは300〜5000cmである。支持体がエンドレスベルトである場合、「支持体の長さ」とは、エンドレスベルトの1周の長さである。
本発明で用いる支持体の材質は、金属、非金属を問わず、フィルムにしようとする高分子の乾燥温度において、顕著な変形や寸法変化を生じない材質であれば、特に限定されない。金属素材としては、鉄、ステンレス(SUS)、ニッケル、チタン、タンタル、銅、ハステロイ等がある。さらにベルトの表面には、耐食性、硬度の向上や粘着性低下等のために、必要に応じてクロム、金、銀、ニッケルなどのメッキや表面処理を施してもよい。表面処理の例としてはクロムの薄膜酸化水和物皮膜形成、シリコーンあるいはフッ素皮膜形成などがある。
以下、支持体が有機高分子フィルムである場合の態様を詳しく記載する。有機高分子フィルムとは、有機高分子を主体成分とするフィルムである。前記有機高分子は特に制限はなく、具体的には、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらのポリエステル系樹脂は、他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合していてもよい。本発明で用いる支持体は、異なる有機樹脂フィルムの積層体であってもよい。耐熱性に優れ、安価であり、加工がし易く、耐薬品性に優れる点から、支持体は、ポリエステルフィルムからなることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなることがより好ましい。
本発明で支持体として用いる有機高分子フィルムの厚さは好ましくは3〜300μmである。有機高分子フィルムが300μmより厚いと取り扱い難く、3μmより薄いと流延製膜法の実施中にシワが生じ易くなる。寸法安定性、強度を考慮すると、有機高分子フィルムの厚さは、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上である。
本発明で支持体として用いる有機高分子フィルムの中心線平均粗さ(Ra)は、好ましくは0.1〜1.0nmである。Raが上記範囲内であれば、本発明の製造方法で得られる高分子フィルムは不所望な凹凸が少ない高品質なものとなる。Raの測定方法は実施例の欄に記載する。
本発明で支持体として用いる有機高分子フィルムの引張弾性率は、長手方向および幅方向のいずれの方向についても、3GPa以上であり、好ましくは4GPa以上である。引張弾性率が3GPa未満であると、寸法安定性に劣るが故に搬送時に当該有機高分子フィルムが変形したり、得られる高分子フィルムのカール、たるみ、シワの原因となる。引張弾性率の上限は特に定められるものではないが、支持体としての取り扱い易さや入手のし易さを考慮すると20GPaなどが挙げられる。引張弾性率の測定方法は実施例の欄に記載する。
本発明で支持体として用いる有機高分子フィルムの線膨張係数は、長手方向および幅方向のいずれの方向についても、好ましくは2〜30ppm/℃である。前記範囲内の線膨張係数を呈する有機樹脂フィルムであれば、乾燥のための加熱による寸法変化が小さいので、本発明の製造方法で得られる高分子フィルムにカール、たるみ、シワなどが生じにくくなる。上記線膨張係数はより好ましくは2〜25ppm/℃である。線膨張係数の測定方法は実施例の欄に記載する。
上述した各物性を呈する有機樹脂フィルムは公知である。そのような有機樹脂フィルムは、流延製膜法とは全く異なる技術分野に属する光学用のフィルムなどとして使用されている。本発明で支持体として用い得る市販のフィルムとして、光学用ポリエチレンテレフタレートフィルムである、コスモシャイン A4100(東洋紡績株式会社製)などを挙げることができる。
支持体上に塗布する溶液に含まれる高分子化合物は乾燥工程を経ることでフィルムを形成するような高分子化合物であれば特に制限はない。支持体上に塗布する溶液に含まれる高分子化合物の具体例としては、ポリアミドイミド、ポリイミド前駆体、溶剤に可溶なポリイミドなどといった主鎖にイミド結合またはアミド結合を有する高分子化合物、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アラミド類などが挙げられる。ポリイミド前駆体とは、加熱などの処理によりポリイミドに変換し得る化合物であり、典型的にはポリアミド酸である。好ましくは、上記高分子化合物は主鎖にベンザゾール環を有する。ベンザゾール環はアゾール環とベンゼン環との縮合環であり、前記アゾール環は好ましくはオキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環である。特に好ましくは上記高分子化合物はポリイミドベンゾオキサゾールの前駆体、換言すると、主鎖にベンゾオキサゾール環を有するポリアミド酸である。
本発明で用いる高分子化合物の溶液を調製するための溶剤は特に制限はなく、従来の流延製膜法において用いられる溶剤などを適宜用いてよい。溶剤の具体例として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、メタクレゾールなどが挙げられる。
具体的な溶剤の選定指針としては、高分子化合物を溶解し、かつ、支持体を溶解しないような溶剤を選択する指針が一般的である。高分子化合物を含む溶液の好適例として、ポリアミドイミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液およびN,N−ジメチルアセトアミド溶液、ポリアミド酸(ポリイミドの前駆体)のN−メチル−2−ピロリドン溶液、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミド溶液、溶剤に可溶なポリイミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液およびN,N−ジメチルアセトアミド溶液、酢酸セルロースの塩化メチレン溶液およびメタノール溶液、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液およびメタクレゾール溶液、ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液ならびにアラミド類のN−メチル−2−ピロリドン溶液などが挙げられる。
中でも、本発明の製造方法は、ポリイミドベンゾオキサゾールの前駆体であるポリアミド酸のN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶液に適用することが好ましい。以下、ポリイミドベンゾオキサゾールの前駆体であるポリアミド酸を含む溶液を得る手段を詳しく説明する。しかし、本発明の製造方法は以下の高分子を含むフィルムの製造以外にも適用できる。
この態様では、支持体上に塗布する高分子溶液の調製のために、溶剤中でベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供する。そのようにして得られた高分子溶液(ポリアミド酸溶液)を支持体上に塗布して乾燥せしめ、その後、さらに、脱水縮合(イミド化)させることでポリイミドフィルムを得ることができる。
<芳香族ジアミン類>
本発明で用いるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
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これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましく、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールがより好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全ジアミンの30モル%以下であれば下記に例示されるベンゾオキサゾール構造を有しないジアミン類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
<芳香族テトラカルボン酸無水物類>
本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物は芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
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これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%以下であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上を併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであり、かつ、後述する支持体を溶解しないものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の重量は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
次に、支持体上に形成した塗膜を乾燥する工程について説明する。本発明の製造方法では、支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記塗膜の下側の雰囲気温度が1〜55℃高い条件下で塗膜を乾燥する。雰囲気温度の説明においては、塗膜から支持体へ向う方向を下方向、その逆を上方向として方向を定義する。このような上下方向の記載は着目すべき領域の位置を簡潔に表現するためになされるものであり、実際の製造における塗膜の絶対的な方向を特定するためのものではない。
「塗膜の上側の雰囲気温度」とは、塗膜の直上から塗膜の上方30mmに至る領域(通常は空間部分)の温度であり、塗膜から上方向に5〜30mm離れた位置の温度を熱電対などで計測することで、塗膜の上側の雰囲気温度を求めることができる。
「塗膜の下側の雰囲気温度」とは、塗膜の直下(支持体部分)から塗膜の下方30mmに至る領域(支持体および支持体の下方の部分を含むことが多い)の温度であり、塗膜から下方向に5〜30mm離れた位置の温度を熱電対などで計測することで、塗膜の下側の雰囲気温度を求めることができる。
乾燥時に、塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記塗膜の下側の雰囲気温度を1〜55℃高くすれば、乾燥温度自体を高くして塗膜の乾燥速度を高めても高品質なフィルムを得ることができる。塗膜の上側の雰囲気温度よりも塗膜の下側の雰囲気温度が低いか、あるいは、塗膜の上側の雰囲気温度と塗膜の下側の雰囲気温度の差が1℃未満であると、塗膜の上面付近が先に乾燥してフィルム化して「蓋」のようになってしまい、その後に、支持体付近から蒸発すべき溶剤の蒸散を妨げて、フィルムに不所望な穴が開いたり、表面が荒れたりすることが懸念される。塗膜の下側の雰囲気温度が塗膜の上側の雰囲気温度よりも高く、その温度差が55℃より大きくすることは、装置上、経済上に不利となり望ましくない。さらに大きな温度差になるとフィルムの表面が荒れる場合もある。好ましくは、乾燥時に、塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記塗膜の下側の雰囲気温度を10〜50℃高くし、より好ましくは、15〜45℃高くする。
上記のような雰囲気温度の設定は、塗膜の乾燥の全工程にわたってなされてもよいし、塗膜の乾燥の一部の工程でなされてもよい。塗膜の乾燥をトンネル炉等の連続式乾燥機で行う場合、乾燥有効長の、好ましくは10〜100%、より好ましくは15〜100%の長さにおいて、上述の雰囲気温度を設定すればよい。
従来は乾燥時の温度は塗膜の上側、下側で同じになるようになされていた。上記のような温度制御を実現する手段自体は従来の加熱手段を援用でき、そのような手段の具体例として、赤外線加熱、温風加熱、マイクロ波加熱などが挙げられる。
本発明の製造方法により製造する高分子フィルムがポリイミドフィルムである場合には、上記の乾燥によってポリイミド前駆体を含むフィルムが得られるので、前記ポリイミド前駆体をイミド化させることによりポリイミドフィルムを得ることができる。イミド化については公知の技術を適宜援用して実施することができる。
本発明において塗膜の乾燥における雰囲気温度自体は、高分子溶液の種類などによって適宜決定することができる。本発明の製造方法では、従来よりも高温にて乾燥して乾燥速度を増しても良好な品質のフィルムが得られる。例えば、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有するフィルムを製造する場合、塗膜の乾燥における塗膜の下側の雰囲気温度は、好ましくは80〜140℃であり、より好ましくは90〜120℃である。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.フィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のフィルムを、長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張強度及び引張破断伸度を測定した。
4.フィルムの融点、ガラス転移温度
測定対象のフィルムについて、下記条件で示差走査熱量測定(DSC)を行い、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 600℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
5.乾燥時の雰囲気温度
支持体の上下両面からそれぞれ5mm離れた位置に下記熱電対の検出部を設置した。尚、熱電対は幅方向の中央付近に設けた。乾燥ゾーン内で実際の塗布−乾燥工程と同様の乾燥速度(乾燥時間)で支持体を搬送し、その際の各ゾーンでの検出温度を記録した。
熱電対:K熱電対(φ;1.0mm, 長さ12m)
データ取り込み装置:キーエンス(株)製 NR−250
6.フィルムの品質(気泡)
目視によりフィルム表面付近の気泡の有無を確認した。
7.支持体の中心線平均粗さ(Ra)
マイクロマップ社製三次元非接触表面形状計測システムを用い、133.1μm×133.1μmの範囲においてRaの測定を行った。
8.フィルムの線膨張係数(CTE)
測定対象のフィルムについて、下記条件にてMD方向TD方向の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を100℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 30℃
昇温終了温度 ; 100℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
(実施例1)
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、500重量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、5000重量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、485重量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて48時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.5であった。
(ポリアミド酸のフィルムの製造)
得られたポリアミド酸溶液を、鏡面仕上げ(表面粗さ Ra:0.5nm)したエンドレスのステンレスベルト上にスキージを用いてコーティングした(スキージ/ベルト間のギャップは、650μm)。3つのゾーンを有する連続式の乾燥炉を用いて、表1記載の条件で乾燥した。表1中、「ゾーン上」は塗膜の上側の雰囲気温度を意味し、「ゾーン下」は塗膜の下側の雰囲気温度を意味する。乾燥により得られた自己支持性のポリアミド酸フィルムを支持体から剥離した。このようにして、幅650mm、長さ60m、厚さ40μmのポリアミド酸フィルムを得た。
(ポリイミドフィルムの製造)
得られたポリアミド酸フィルムを連続式の熱処理炉に通し、表1に記載の条件にて2段階の加熱処理を施すことによってイミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却して、褐色を呈するポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表3に記載する。表1における「熱処理条件」の欄で、例えば、「200 ℃×5 min → 450 ℃×5 min」であるのは、支持体より剥離したフィルムを200℃で5分間処理した後に、450℃で5分間処理することを意味する。
(実施例2)
ポリアミド酸フィルムを得るための乾燥条件を表1記載の条件に変えたことのほかは実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。
(実施例3)
480重量部のピロメリット酸無水物と、480重量部の4,4’−ジシアノジフェニルエーテルとを5000重量部のジメチルアセトアミドに溶解して、温度を20℃以下に保ちながら48時間攪拌することでポリアミド酸溶液を得た。得られた溶液の還元粘度(ηsp/C)は4.5であった。このポリアミド酸溶液を用いたことの他は実施例1と同様の操作により、ポリイミドフィルムを得た。
(実施例4)
上述のポリアミド酸溶液の代わりに、1モルのトリメリット酸無水物に対して、0.25モルの2,4−トリレンジイソシアネート、0.75モルのo−トリジンジイソシアネートが反応してなるポリアミドイミド樹脂を20wt%含有するn−メチル−2−ピロリドン溶液を用いた。その他は実施例1の操作に準じて表1記載の条件によりポリアミドイミドフィルムを得た。
(実施例5)
乾燥工程において、ステンレスベルトに代えて、ポリエステルフィルム コスモシャインA−4100(東洋紡績(株)製)を支持体として用いた。前記ポリエステルフィルムの長手方向の線膨張係数は20ppm/℃であり、幅方向の線膨張係数は18ppm/℃であり、Raは0.5nmであり、長手方向の引張弾性率は4.1GPaであり、幅方向の引張弾性率は4.2GPaである。前記ポリエステルフィルムの無滑剤面にポリアミド酸溶液を塗布した。エンドレスのステンレスベルトの場合とは異なり、上記ポリエステルフィルムを巻き出す装置と巻き取り装置とを乾燥機に設置した。以上の条件以外は実施例1と同様の操作によりポリイミドフィルムを製造した。
(比較例1〜3)
ポリアミド酸フィルムを得るための乾燥条件を表2記載の条件に変えたことのほかは実施例1と同様の操作によりポリイミドフィルムを得た。
(比較例4)
実施例5と同様のポリエステルフィルムを支持体に用いて、表2記載の条件によりポリイミドフィルムを得た。比較例1〜4にて得られたポリイミドフィルムの物性を表4にまとめる。
以下の表から明らかなように、本発明の実施例では機械的強度および品質に優れたフィルムを得ることができ、一方、比較例では機械的強度が低く、かつ、気泡が生じるなど品質の低下も認められた。
Figure 0003976036
Figure 0003976036
Figure 0003976036
Figure 0003976036

Claims (4)

  1. 主鎖にイミド結合またはアミド結合を有する高分子化合物を含む溶液を支持体上に塗布することで支持体上に前記高分子化合物を含む塗膜を形成する工程と、前記支持体上の塗膜の上側の雰囲気温度よりも前記塗膜の下側の雰囲気温度が10〜50℃高い条件下で上記塗膜を乾燥する工程とを有する、高分子フィルムの製造方法。
  2. 上記高分子化合物がポリイミド前駆体である、請求項1記載の高分子フィルムの製造方法。
  3. 上記溶液に含まれる高分子化合物が主鎖にベンザゾール環を有する、請求項1または2記載の高分子フィルムの製造方法。
  4. 上記支持体が長手方向および幅方向のいずれの方向についても3GPa以上の引張弾性率を有する有機高分子フィルムからなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子フィルムの製造方法。
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