JP3975800B2 - 車両用調光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の表示パネルや操作パネルなどの照明コントロールに用いられる車両用調光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車のインストルメントパネルに設けられたスピードメータ等の計器類やエアコンスイッチ、ハザードスイッチ等のスイッチ類の照明において、夜間時やトンネル内走行時等に、ドライバーが計器類やスイッチ類を見易いように、明るさを調整する車両用調光装置が多く用いられている。
【0003】
このような従来の車両用調光装置について、図3及び図4を用いて説明する。
【0004】
図3は従来の車両用調光装置の回路図であり、同図において、1は所定の略三角波の電圧を出力する発振回路で、この発振回路1からの略三角波の電圧を基に、所定の略矩形波の電圧を出力する比較回路2や、比較回路2の略矩形波の電圧によりランプや発光ダイオードなどの発光部14や15への電源供給をON、OFFする時間を制御する、所謂デューティ駆動する駆動回路3によって車両用調光装置16は構成されている。
【0005】
そして、発振回路1には、電源端子4が直列の抵抗5及び6を介してグランドに接続されると共に、抵抗5と抵抗6の接続点5Aが増幅器7の非反転入力部7Aに接続されている。
【0006】
また、増幅器7の出力部7Cは帰還抵抗8を介して非反転入力部7Aに接続されると共に、出力部7Cは抵抗9及びコンデンサ10を直列に介しグランドに接続されている。
【0007】
さらに、抵抗9とコンデンサ10との接続点10Aが増幅器7の反転入力部7Bに接続されると共に、接続点10Aは比較回路2に接続されて発振回路1が形成されている。
【0008】
そして、比較回路2の増幅器11の反転入力部11Bに、発振回路1の接続点10Aが接続され、非反転入力部11Aには、電源端子4とグランドとの間に接続された可変抵抗器12の出力端子が接続されると共に、増幅器11の出力部11Cが駆動回路3に接続されて比較回路2が形成されている。
【0009】
また、トランジスター等(図示せず)からなる各駆動回路3には、発光部用電源端子13に接続するランプや発光ダイオードの発光部14や15が接続されて、車両用調光装置16は構成されている。
【0010】
このような構成の車両用調光装置16は、例えばヘッドライト用スイッチ(図示せず)をONにして、電源端子4から抵抗5を介して増幅器7の非反転入力部7Aに電源が供給されると、増幅器7はハイ出力となり例えば約7Vの電圧を出力部7Cから出力して、増幅器7の抵抗9を介してコンデンサ10に電流が流れコンデンサ10は充電される。
【0011】
そして、図4(a)の出力波形図に示す略三角波のように、電圧はA点からB点に上昇すると共に、この電圧が増幅器7の反転入力部7Bに出力される。
【0012】
一方、増幅器7の出力部7Cからの電流は、帰還抵抗8及び抵抗6を介して流れて、電源端子4の出力電圧と出力部7Cのハイ出力の電圧を基に、帰還抵抗8や抵抗5及び抵抗6によって、非反転入力部7Aの非反転入力電圧が例えば図4(a)上方の一点鎖線で示すようにVHとなる。
【0013】
そして、出力部7Cのハイ出力によりコンデンサ10が充電されて、反転入力部7Bの電圧が非反転入力電圧VHのB点になると、増幅器7はロー出力に反転する。
【0014】
この時、ロー出力に反転した出力部7Cは約0.6Vと低電圧となるため、コンデンサ10は放電して、抵抗9を介し増幅器7の出力部7Cに電流が流れ、図4(a)に示すように出力電圧はB点からC点に下降していく。
【0015】
さらに、この時、電源端子4からも、抵抗5及び帰還抵抗8を介し、増幅器7の出力部7Cに電流が流れて、電源端子4の出力電圧と出力部7Cのロー出力の電圧を基に、帰還抵抗8や抵抗6及び抵抗5によって、非反転入力部7Aの非反転入力電圧が図4(a)下方の一点鎖線で示すVLとなる。
【0016】
そして、反転入力部7Bに入力されたコンデンサ10の電圧が低下してVLになると、増幅器7はハイ出力に反転して、再び増幅器7の出力部7Cからコンデンサ10に電流が流れ充電していくことにより、図4(a)の実線で示すように、同一周期の略三角波の電圧が繰返し発生して、発振回路1から比較回路2に出力される。
【0017】
次に、比較回路2の増幅器11の反転入力部11Bに入力された略三角波の電圧は、可変抵抗器12の操作により設定され非反転入力部11Aに入力された比較電圧により比較される。
【0018】
即ち、例えば設定された比較電圧を図4(a)に実線で示すVSとすると、VSより略三角波の電圧が高ければ、図4(b)に示すように増幅器11の出力部11Cからローレベルの電圧が時間T2の間、出力され、略三角波の電圧がVSより低ければハイレベルの電圧が時間T2の間、出力されることより、略三角波の繰返しに対応して、図4(b)に示すような略矩形波が比較回路2から出力される。
【0019】
そして、次に、比較回路2から出力された略矩形波の電圧は駆動回路3に入力され、この略矩形波の電圧や時間に応じて、ランプ等の発光部14や発光ダイオード等の発光部15への電源供給がON、OFFされる。
【0020】
例えばONが時間T1及びOFFが時間T2のデューティ比で供給されて、発光部14や15は発光する。
【0021】
従って、可変抵抗器12を操作して増幅器11の非反転入力部11Aへの比較電圧の値を変えると、設定された比較電圧に応じて増幅器11の出力部11Cから出力される略矩形波のローレベル電圧とハイレベル電圧のそれぞれの時間の比が変化して、発光部14や15への電源供給のデューティ比が変化するために、発光部14や15の明るさが変わり調光することができるものである。
【0022】
具体的には、この従来例の場合、可変抵抗器12を操作して比較電圧を非反転入力電圧のVHに近づけると、ONのデューティ比が大きくなって発光部14や15は明るくなり、VLに近づけるとONのデューティ比が小さくなって暗くなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の調光装置においては、発振回路1の増幅器7は、半導体などで形成されており、一般的に半導体は温度が低くなると電圧降下が高くなるという負の温度特性を有し、冬季期間や車内温度が下がり冷えている低温時には増幅器7のロー出力の電圧が上昇する。
【0024】
そして、帰還抵抗8を介して増幅器7の出力部7Cに電流が流れることにより、ロー出力の電圧変動が非反転入力電圧にも影響を及ぼして、例えば非反転入力電圧のVLも図4(a)に破線で示す略三角波のようにVL1に変化して高くなる。
【0025】
従って、比較回路2の比較電圧がVSに設定されていた場合には、非反転入力電圧VLでは発光部14や15にOFF時間T1とON時間T2で電源供給されていたものが、非反転入力電圧がVL1に変化すると、図4(c)に示すようにOFF時間T3とON時間T4に変化してON時間が短くなり、最初に設定した明るさに対して暗くなるという課題があった。
【0026】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡易で安価な構成で、周囲温度による変化を少なく、安定した明るさを得ることができる車両用調光装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0028】
発振回路の増幅器の出力部を、ダイオードと接地抵抗を直列に介してグランドに接続すると共に、ダイオードのアノードを出力部に接続し、ダイオードのカソードと接地抵抗との接続点を、帰還抵抗を介して非反転入力部に接続して車両用調光装置を構成したものであり、発振回路の増幅器がロー出力の時に、帰還抵抗側から増幅器の出力部に流れる電流が、ダイオードに対し逆方向のため遮断されて、接地抵抗を介してグランドに流れ、非反転入力電圧は周囲温度の変化に伴うロー出力の電圧の変動に影響されず、安定した非反転入力電圧となるため、簡易で安価な構成で、周囲温度による変化が少なく、安定した明るさの車両用調光装置を得ることができるという作用を有する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
【0030】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0031】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による車両用調光装置の回路図であり、同図において、20は所定の略三角波の電圧を出力する発振回路で、この発振回路20からの略三角波の電圧を基に、所定の略矩形波の電圧を出力する比較回路2や、比較回路2の略矩形波の電圧によりランプや発光ダイオードなどの発光部14や15への電源供給をON、OFFする時間を制御する、所謂デューティ駆動する駆動回路3によって車両用調光装置24は構成されている。
【0032】
そして、発振回路20には、電源端子4が直列に並んだ抵抗5及び6を介してグランドに接続され、抵抗5と抵抗6の接続点5Aが増幅器7の非反転入力部7Aに接続されている。
【0033】
また、増幅器7の出力部7Cが、ダイオード22と接地抵抗23を直列に介してグランドに接続されると共に、ダイオード22のアノードは出力部7Cに接続され、ダイオード22のカソードと接地抵抗23との接続点22Aが、帰還抵抗21を介して非反転入力部7Aに接続されている。
【0034】
さらに、増幅器7の出力部7Cは、抵抗9及びコンデンサ10を直列に介してグランドに接続され、抵抗9とコンデンサ10との接続点10Aが増幅器7の反転入力部7Bに接続されると共に、接続点10Aは比較回路2に接続されて発振回路20は形成されている。
【0035】
そして、比較回路2の増幅器11の反転入力部11Bに、発振回路20の接続点10Aが接続され、非反転入力部11Aには、電源端子4とグランドとの間に接続された可変抵抗器12の出力端子が接続されると共に、増幅器11の出力部11Cが、駆動回路3に接続されて、比較回路2が形成されている。
【0036】
また、トランジスター等(図示せず)からなる駆動回路3には、発光部用電源端子13に接続するランプや発光ダイオードの発光部14や15が接続されて、車両用調光装置24は構成されている。
【0037】
このような構成の車両用調光装置24は、例えばヘッドライト用スイッチ(図示せず)をONにして、電源端子4から抵抗5を介して増幅器7の非反転入力部7Aに電源が供給されると、増幅器7はハイ出力となり例えば約7Vの電圧を出力部7Cから出力して、抵抗9を介してコンデンサ10に電流が流れコンデンサ10は充電される。
【0038】
そして、図2(a)の出力波形図に示す略三角波のように、電圧はA点からB点に上昇すると共に、この電圧が増幅器7の反転入力部7Bに出力される。
【0039】
一方、増幅器7の出力部7Cからの電流は、ダイオード22を通り接続点22Aから帰還抵抗21及び抵抗6を介して流れると共に、接地抵抗23へも流れる。
【0040】
この時、電源端子4の出力電圧と出力部7Cのハイ出力の電圧を基に、抵抗5,6や帰還抵抗21及び接地抵抗23によって、非反転入力部7Aの非反転入力電圧が例えば図2(a)上方の一点鎖線で示すようにVHとなる。
【0041】
そして、出力部7Cのハイ出力の電圧によりコンデンサ10が充電されて、反転入力部7Bの電圧が、非反転入力電圧のVHのB点になると、増幅器7はロー出力に反転する。
【0042】
次に、ロー出力に反転した出力部7Cは例えば約0.6Vと低電圧になるため、コンデンサ10は放電して抵抗9を介し増幅器7の出力部7Cに電流が流れ、出力電圧はB点からC点に下降していく。
【0043】
この時、電源端子4から抵抗5及び帰還抵抗21を介した電流は、ダイオード22に対して逆方向のために出力部7Cには流れず、接地抵抗23を介してグランドに流れるため、電源端子4の電圧のみを基に、抵抗5,6の帰還抵抗21及び接地抵抗23によって、非反転入力部7Aの非反転入力電圧は例えば図2(a)下方の一点鎖線で示すVLとなる。
【0044】
従って、非反転入力電圧は周囲温度の変化に伴う増幅器7のロー出力電圧の変動に影響されず、安定した非反転入力電圧VLとなる。
【0045】
そして、反転入力部7Bに入力されたコンデンサ10の電圧が低下して非反転入力電圧のVLになると、増幅器7はハイ出力に反転して、再び増幅器7の出力部7Cからコンデンサ10に電流が流れ充電していくことにより、図2(a)の実線で示すように、同一周期の略三角波の電圧が繰返し発生して、発振回路20から比較回路2に出力される。
【0046】
次に、比較回路2の増幅器11の反転入力部11Bに入力された略三角波の電圧は、可変抵抗器12の操作により設定され非反転入力部11Aに入力された比較電圧により比較される。
【0047】
即ち、例えば設定された比較電圧を図2(a)に実線で示すVSとすると、VSより略三角波の電圧が高ければ、図2(b)に示すように増幅器11の出力部11Cからローレベルの電圧が時間T1の間、出力され、略三角波の電圧が比較電圧VSより低ければハイレベルの電圧が時間T2の間、出力されることにより、略三角波の繰返しに対応して、図2(b)に示すように略矩形波が比較回路2から出力される。
【0048】
そして、次に、比較回路2から出力された略矩形波の電圧は駆動回路2に入力され、この略矩形波の電圧や時間に応じて、ランプ等の発光部14や発光ダイオード等の発光部15への電源がON、OFFされる。
【0049】
例えばONが時間T1及びOFFが時間T2のデューティ比で供給されて、発光部14や15は発光する。
【0050】
従って、可変抵抗器12を操作して増幅器11の非反転入力部11Aへの比較電圧の値を変えると、設定された比較電圧に応じて増幅器11の出力部11Cから出力される略矩形波のローレベル電圧とハイレベル電圧のそれぞれの時間の比が変化して、発光部14や15への電源供給のデューティ比が変化するために、発光部14や15の明るさが変わり調光することができる。
【0051】
このように本実施の形態によれば、発振回路20の増幅器7の出力部7Cを、ダイオード22と接地抵抗23を直列に介してグランドに接続すると共に、ダイオード22のアノードを出力部7Cに接続し、ダイオード22のカソードと接地抵抗23との接続点22Aを、帰還抵抗21を介して比反転入力部7Aに接続することによって、増幅器7がロー出力の時に、帰還抵抗21側から出力部7Cに流れる電流がダイオード22により遮断され、接地抵抗23を介してグランドに流れるため、非反転入力電圧は周囲温度の変化に伴うロー出力の電圧の変動に影響されず、安定した非反転入力電圧となって、発振回路20から安定した波形の略三角波の電圧を出力されるため、簡易で安価な構成で、周囲温度による変化が少なく、安定した明るさの車両用調光装置を得ることができるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡易で安価な構成で、周囲温度による変化が少なく安定した明るさの車載用調光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による車両用調光装置の回路図
【図2】同出力波形図
【図3】従来の車両用調光装置の回路図
【図4】同出力波形図
【符号の説明】
2 比較回路
3 駆動回路
4 電源端子
5,6,9 抵抗
5A,10A,22A 接続点
7,11 増幅器
7A,11A 非反転入力部
7B,11B 反転入力部
7C,11C 出力部
10 コンデンサ
12 可変抵抗器
13 発光部用電源端子
14,15 発光部
20 発振回路
21 帰還抵抗
22 ダイオード
23 接地抵抗
24 車両用調光装置
Claims (1)
- 増幅器、及びこの増幅器の出力部と非反転入力部の間に接続された帰還抵抗を有し、所定の略三角波の電圧を出力する発振回路と、入力された前記略三角波の電圧を基に所定の矩形波の電圧を出力する比較回路と、入力された前記略矩形波のハイレベル電圧の時間とローレベル電圧の時間によって発光部への電源供給をON,OFF制御する駆動回路からなり、前記発振回路の増幅器の出力部が、ダイオードと接地抵抗を直列に介してグランドに接続されると共に、前記ダイオードのアノードは前記出力部に接続され、前記ダイオードのカソードと前記接地抵抗との接続点が、前記帰還抵抗を介して前記非反転入力部に接続された車両用調光装置。
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