JP3975787B2 - 固体撮像素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ部の上方に色フィルタと減光フィルタをそれぞれ形成して成る固体撮像素子に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、固体撮像素子のダイナミックレンジを拡大するために、一部画素の受光センサ上に減光フィルタを設けて、受光部に入射する光量を制限することが提案されている。
【0003】
そして、センサ上に色フィルタが形成された構成の固体撮像素子において、例えば色フィルタの上に減光フィルタを設けるようにしている。
【0004】
この減光フィルタとしては、例えばいわゆるNDフィルタ(Neutral Density Filter)や金属薄膜等が挙げられる。
特に金属薄膜(金属薄膜から成るNDフィルタも含む)を用いた場合には、薄膜で充分な減光効果が得られ、固体撮像素子の総膜厚をあまり増大させないという利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、色フィルタ上に金属薄膜を設けて減光フィルタとした場合には、実際の固体撮像素子への適用において問題を生じることになる。
即ち、金属薄膜は、その表面が金属光沢を有して反射率が比較的高くなっているため、輝度の高い被写体を撮影した場合に、フレアを発生するという問題である。
【0006】
このフレアの発生の問題を、図6を参照して説明する。
この図6は、減光フィルタを色フィルタ上に設けたCCD固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
このCCD固体撮像素子は、半導体基体21内にセンサ部22と転送チャネル23とが形成されている。センサ部22は画素となるもので、多数のセンサ部22が設けられてCCD固体撮像素子が構成される。
半導体基体21より上方には、ゲート絶縁膜24を介して例えば多結晶シリコンからなる転送電極25が形成され、この転送電極25及び転送チャネル23により、CCD構造の電荷転送部が構成される。
また、転送電極25上には層間絶縁膜26を介して遮光膜27が形成されている。この遮光膜27はセンサ部22上に開口を有し、この開口を除く全面に形成されている。遮光膜27上にはパッシベーション膜28を介して平坦化膜29が形成され、その上に色フィルタ30(この図では原色系のカラーフィルタのBlueとGreenの2色を示している)が設けられている。さらに、色フィルタ30の上方に、表面がレンズ形状の曲面とされたオンチップレンズ31が形成されている。
そして、多数のセンサ部22のうち一部において、色フィルタ30上に減光フィルタ32が設けられている。
【0007】
この構造において、減光フィルタ32として、半導体プロセスで一般的に使用されるAl膜を用いると、輝度の高い被写体を撮影する際に、フレアを発生してしまう。
これは、Al膜から成り高い反射率を有する減光フィルタ32の表面で、入射光L1が反射して、この反射した光L1Rが再度別の光路を経て他のセンサ部22に到達したことにより、フレアとなったと解釈することができる。
【0008】
このフレアの発生への対策としては、図7に示すように、色フィルタ30の下に(色フィルタ30よりセンサ部22側に)減光フィルタ33を設けた構造とすることが考えられる。
これにより、入射光L1は、減光フィルタ33へ達する前に色フィルタ30を通ることにより減衰し、さらに減光フィルタ33で反射した光も色フィルタ30を通ることにより減衰するため、その結果、フレアの要因となる反射光L1Rの光量が図6の構造よりも大幅に低減される。
【0009】
しかしながら、この図7の構造において、転送電極を覆う遮光膜27と減光フィルタ33に、半導体プロセスに一般に使用されるAl膜を用いると、減光フィルタ33のない隣接画素への入射光L2が遮光膜27の上面と減光フィルタ33の下面との間で反射して、減光フィルタ33を通した光を入射させるべきセンサ部22に、減光フィルタ33を通っていない光L2が入射して画素間の混色を発生してしまう。
尚、混色の発生要因には、この他に減光フィルタ33のサイジングや位置精度も考えられるが、本質的には図7に示す遮光膜27と減光フィルタ33の底面との間の多重反射によるものと考えられる。
【0010】
上述した問題の解決のために、本発明においては、フレアや混色の発生を防いで良好な画像が得られ、かつダイナミックレンジを大きくすることができる固体撮像素子を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体撮像素子は、複数のセンサ部を有するものであって、センサ部の上方にセンサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、一部のセンサ部の直上に、固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成された、減光フィルタが設けられ、この減光フィルタが、遮光膜のセンサ部上に形成された開口内を埋めているものである。
【0012】
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、一部のセンサ部の直上に減光フィルタが設けられているので、減光フィルタに入射光を通過させることによりセンサ部に入射する光量を低減させて、強度の強い入射光に対しても飽和しないで検出することが可能になる。
さらに、減光フィルタが固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成されていることにより、減光フィルタの表面で反射する光の光量が低減され、フレアの要因となる反射光の光量が低減される。また、減光フィルタが遮光膜のセンサ部上に形成された開口内を埋めているので、遮光膜と減光フィルタとが略水平方向に並んで配置される。これにより、遮光膜と減光フィルタとの間の多重反射が発生しないため、例えばこの多重反射に起因する混色や他の画素への光の混入の発生を低減することができる。
【0013】
本発明の固体撮像素子は、複数のセンサ部を有するものであって、センサ部の上方にセンサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、一部のセンサ部の直上に減光フィルタが設けられ、この減光フィルタが固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成され、遮光膜と減光フィルタが同一材料により一体化して形成され、遮光膜よりも減光フィルタが薄く形成されているものである。
【0014】
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、一部のセンサ部の直上に減光フィルタが設けられているので、入射光を減光フィルタを通過させることによりセンサ部に入射する光量を低減させて、強度の強い入射光に対しても飽和しないで検出することが可能になる。
また、減光フィルタは、固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成されていることにより、減光フィルタの表面で反射する光の光量が低減され、フレアの要因となる反射光の光量が低減される。
さらに、遮光膜と減光フィルタが同一材料により一体化して形成され、遮光膜よりも上記減光フィルタが薄く形成されているので、遮光膜と減光フィルタとが略水平方向に並んで配置される。これにより、遮光膜と減光フィルタとの間の多重反射が発生しないため、例えばこの多重反射に起因する混色や他の画素への光の混入の発生を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数のセンサ部を有する固体撮像素子であって、センサ部の上方にセンサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、一部のセンサ部の直上に、固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成された、減光フィルタが設けられ、減光フィルタが、遮光膜のセンサ部上に形成された開口内を埋めている固体撮像素子である。
【0016】
また本発明は、上記固体撮像素子において、減光フィルタが、W,WSi,TiONから選ばれる材料を用いて形成されている構成とする。
【0017】
また本発明は、上記固体撮像素子において、遮光膜及び減光フィルタの上方に、色フィルタが形成されている構成とする。
また本発明は、上記固体撮像素子において、減光フィルタが、一部のセンサ部上において、遮光膜の開口を下側から埋めている構成とする。
また本発明は、上記固体撮像素子において、固体撮像素子が検出すべき波長範囲が、可視光域である構成とする。
【0018】
また本発明は、上記固体撮像素子において、さらに遮光膜が、可視光域の光に対する空気中における反射率が50%以下である材料により形成されている構成とする。
【0019】
また本発明は、上記固体撮像素子において、さらに遮光膜と減光フィルタが同一材料により形成されている構成とする。
【0020】
本発明は、複数のセンサ部を有する固体撮像素子であって、センサ部の上方にセンサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、一部のセンサ部の直上に減光フィルタが設けられ、この減光フィルタが固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成され、遮光膜と減光フィルタが同一材料により一体化して形成され、遮光膜よりも減光フィルタが薄く形成されている固体撮像素子である。
【0021】
また本発明は、上記固体撮像素子において、固体撮像素子が検出すべき波長範囲が、可視光域である構成とする。
【0022】
また、本発明は、上記固体撮像素子において、遮光膜及び上記減光フィルタの上方に、色フィルタが形成されている構成とする。
【0023】
また、本発明は、上記固体撮像素子において、減光フィルタが、W,WSi,TiONから選ばれる材料を用いて形成されている構成とする。
【0024】
また本発明は、上記固体撮像素子において、さらに遮光膜が、可視光域の光に対する空気中における反射率が50%以下である材料により形成されている構成とする。
【0025】
図1は、固体撮像素子の一形態の概略構成図(断面図)を示す。
【0026】
図1に示す固体撮像素子は、半導体基体1内にセンサ部2と転送チャネル3とが形成されている。センサ部2は画素となるもので、多数のセンサ部2が設けられてCCD固体撮像素子が構成される。
半導体基体1より上方にはゲート絶縁膜4を介して例えば多結晶シリコンからなる転送電極5が形成され、この転送電極5及び転送チャネル3により、CCD構造の電荷転送部が構成される。
また、転送電極5上には層間絶縁膜6を介して遮光膜7が形成されている。遮光膜7はセンサ部2上に開口を有し、この開口を除く全面に形成されている。遮光膜7上にはパッシベーション膜8を介して平坦化膜9が形成され、その上に色フィルタ10(この図では原色系のカラーフィルタのBlueとGreenの2色を示している)が設けられている。さらに、色フィルタ10の上方に、表面がレンズ形状の曲面とされたオンチップレンズ11が形成されている。
【0027】
そして、多数のセンサ部2のうち一部に対して、センサ部2の上方に減光フィルタ12を設け、この減光フィルタ12を色フィルタ10の下即ちセンサ部2側に配置している。
【0028】
ここで、一般的な金属、例えばAg,Al,Ni,Cr,Mo,Au,Pt及びこれらの合金は、可視光域(400〜700nm)における反射率が60%以上あるため、前述したように色フィルタ上にこれらの金属の薄膜からなる減光フィルタを設けると、図6に示したようにフレアの問題が発生する。
また、これらの金属の薄膜からなる減光フィルタを、単に色フィルタの下に設ける構成としただけでは、図7に示したように混色の問題が発生する。
【0029】
そこで、本形態では、上述のように色フィルタ10の下即ちセンサ部2側に減光フィルタ12を設けるだけでなく、さらに減光フィルタ12の可視光域(400〜700nm)における反射率(空気中での反射率)を50%以下とする。
【0030】
尚、このように減光フィルタ12の可視光域における反射率を50%以下とするために、金属酸化膜等を複数積層した多層膜により減光フィルタ12を構成することも可能である。
しかしながら、このように減光フィルタ12を多層膜とした場合には、製造工程数が増加し、また膜の加工が単層膜よりも難しくなるため、工業的には好ましいとは言えない。
従って、なるべく単層膜によって、可視光域における反射率が50%以下の減光フィルタ12を構成することが望ましい。
【0031】
ある種の金属又は金属化合物は、単層膜で可視光域における反射率(空気中における反射率)が50%以下の減光フィルタ12を構成することが可能であり、また成膜や加工が容易で、工業的に極めて有用な減光フィルタ12の材料となりうる。
このような金属としては例えばWが挙げられ、金属化合物としては例えばWSiやTiONを挙げることができる。
【0032】
これらの各材料W(膜厚30nm)、WSi(膜厚60nm)、TiON(膜厚60nm)の波長範囲400〜700nmにおける透過率と反射率(空気中における反射率)の測定値を、それぞれ図2A及び図2Bに示す。
【0033】
図2Aより、いずれの材料も、この膜厚では可視光域全体にわたり透過率が6%程度以下であり、数十分の1程度に減光することができ、減光フィルタの材料として好適であることがわかる。
また図2Bより、いずれの材料も空気中における反射率が50%以下と比較的小さくなっていることがわかる。
尚、図2Aに示す透過率は膜厚に応じて変化し、膜厚が厚くなると吸収が増えるため透過率が小さくなるが、図2Bに示す反射率は膜厚の影響が小さい。
【0034】
即ちこれらW,WSi,TiONから選ばれる材料を用いて減光フィルタ12を構成することにより、減光フィルタ12の可視光域における反射率を50%以下にできることがわかる。
【0035】
また、前述した混色の発生を抑制するためには、減光フィルタ12の反射率を低くする他に、遮光膜7自体の反射率を低くすることも同時に有効であり、減光フィルタ12と同様に、遮光膜7も可視光域において空気中における反射率を50%以下とすることが好ましい。
【0036】
従って、W(タングステン)は、遮光膜7の材料としても極めて有用である。
さらに、遮光膜7と減光フィルタ12とを同一の材料例えばWにより形成することも可能である。
【0037】
上述の本形態によれば、減光フィルタ12を色フィルタ10の下(センサ部2側)に設けたことにより、光が一旦色フィルタ10を通ることによって減衰されてから減光フィルタ12に入射し、減光フィルタ12の上面で反射した光も色フィルタ10を通って減衰されるため、反射光の光量が大幅に低減される。
これにより、フレアの発生を抑制することができる。
【0038】
また、本形態によれば、減光フィルタ12の可視光域における反射率(空気中での反射率)を50%以下としたことにより、上述の減光フィルタ12の上面で反射した光の光量を少なくできるためフレアの発生をより効果的に抑制すると共に、遮光膜7と減光フィルタ12の下面との間で多重反射した光を低減することができる。
これにより、多重反射に起因する混色の発生を抑制することができる。
【0039】
そして、多数のセンサ部2のうちの一部において、入射光を減光フィルタ12を通過させることにより、センサ部2に入射する光量を低減させて、強度の強い入射光に対しても飽和しないで検出することが可能になり、ダイナミックレンジを大きくとることができる。
【0040】
従って、本形態により、フレアや混色の発生を防いで、良好な画像が得られると共に、減光フィルタ12の作用によりダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0041】
ところで、遮光膜と減光フィルタとの間の多重反射を本質的に発生しないようにするためには、センサ部の直上の遮光膜内に減光フィルタを設けるようにすればよい。
本発明の実施の形態として、このように構成した実施の形態を以下にいくつか示す。
【0042】
続いて、本発明の一実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図3に示す。本実施の形態は、本発明をCCD固体撮像素子に適用した場合である。
本実施の形態の固体撮像素子では、特に層間絶縁膜6上に形成された遮光膜7のセンサ部2上に形成された開口を埋めるように、減光フィルタ13が設けられている。
即ち遮光膜7のセンサ部2上に形成された開口を上から埋めるように、遮光膜7の上層に減光フィルタ13が設けられている。
そして、本実施の形態においても、減光フィルタ13を、可視光域における反射率(空気中における反射率)が50%以下である構成とする。
【0043】
本実施の形態の減光フィルタ13の構成は、次のようにして作製することができる。
まず、半導体基体1にセンサ部2及び転送チャネル3を形成すると共に、層間絶縁膜6までの各層を形成する。
次に、層間絶縁膜6上に遮光膜7を成膜し、その後遮光膜7のセンサ部2上の部分に開口を形成する。
続いて、遮光膜7の開口を埋めるように、全面的に減光フィルタ13を構成する材料の膜を成膜し、さらにこれを遮光膜7の開口内を含むようにパターニングする。
このようにして、本実施の形態の減光フィルタ13を作製することができる。
【0044】
本実施の形態によれば、減光フィルタ13の可視光域における反射率が50%以下であるため、先に図1に示した形態と同様に、フレアや混色の発生を防いで、良好な画像が得られると共に、減光フィルタ13の作用によりダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0045】
特に本実施の形態によれば、減光フィルタ13が遮光膜7のセンサ部2上の開口を埋めるように配置され、これら減光フィルタ13及び遮光膜7が略水平方向に並んでいるため、遮光膜7と減光フィルタ13との間に図7に示した多重反射が発生することがなく、混色の発生をより効果的に防止することができる。
【0046】
また、本発明のさらに他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図4に示す。本実施の形態も、本発明をCCD固体撮像素子に適用した場合である。
図3に示した先の実施の形態では、減光フィルタ13が遮光膜7上にあったが、本実施の形態では、遮光膜7より下層に減光フィルタ14を設けている。
即ち一部のセンサ部2に対して、遮光膜7のセンサ部2上の開口を下側から埋めるように、センサ部2上に減光フィルタ14が設けられている。
本実施の形態においても、減光フィルタ14を、可視光域における反射率(空気中における反射率)が50%以下である構成とする。
【0047】
本実施の形態の減光フィルタ14の構成は、次のようにして作製することができる。
まず、先の実施の形態と同様に、層間絶縁膜6までの各層を形成する。
次に、層間絶縁膜6上に減光フィルタ14を構成する材料の膜を成膜する。さらに、これを所定の(減光フィルタ14が設けられる)センサ部2上にだけ残るようにパターニングして減光フィルタ14を形成する。
続いて、減光フィルタ14を覆って全面的に遮光膜7を成膜し、その後遮光膜7のセンサ部2上の部分に開口を形成する。
【0048】
本実施の形態によれば、減光フィルタ14の可視光域における反射率が50%以下であるため、前述した各実施の形態と同様に、フレアや混色の発生を防いで、良好な画像が得られると共に、減光フィルタ14の作用によりダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0049】
特に本実施の形態によれば、減光フィルタ14が遮光膜7のセンサ部2上の開口を下から埋めるように配置され、これら減光フィルタ14及び遮光膜7が水平方向にほぼ並んでいるため、図3に示した実施の形態と同様に、混色の発生をより効果的に防止することができる。
【0050】
さらに、本発明の別の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図5に示す。本実施の形態も、本発明をCCD固体撮像素子に適用した場合である。
本実施の形態では、減光フィルタ15を遮光膜7と同じ材料により遮光膜7と一体化して、かつ受光部2の直上に形成している。
減光フィルタ15の部分7Aは、他の部分の遮光膜7よりも薄くなっていて、強度の弱い光は遮断されるが強度の強い光はセンサ部2に入射するようにしている。即ち転送電極5を覆う遮光膜7よりも薄くすることにより、減光フィルタ15としての作用を生じるようにしている。
【0051】
本実施の形態においては、減光フィルタ15及び遮光膜7を構成する膜を、可視光域における反射率(空気中における反射率)が50%以下である構成とする。
このような材料としては、前述したW(タングステン)膜等が好適である。
【0052】
本実施の形態の減光フィルタ15の構成は、次のようにして作製することができる。
まず、半導体基体1にセンサ部2及び転送チャネル3を形成すると共に、層間絶縁膜6までの各層を形成する。
次に、層間絶縁膜6上に遮光膜7を成膜する。
その後、減光フィルタ15を形成しないセンサ部2上の部分の遮光膜7に、エッチングにより開口を形成する。また、減光フィルタ15を形成するセンサ部2上の遮光膜7(7A)をエッチングにより薄くする。このとき、マスクを用いて2段階のエッチングを行って、遮光膜7に開口と減光フィルタ15をそれぞれ形成する。例えば全てのセンサ部2上の遮光膜を第1のエッチングにより薄くしてから、第2のエッチングにより減光フィルタ15を形成しないセンサ部2上に開口を形成する方法と、例えば開口を形成するエッチングと遮光膜を薄くするエッチングとをそれぞれマスクを用いて別々に行う(どちらが先でもよい)方法等が考えられる。
このようにして、本実施の形態の減光フィルタ15を作製することができる。
【0053】
本実施の形態によれば、減光フィルタ15の可視光域における反射率が50%以下であるため、前述した各実施の形態と同様に、フレアや混色の発生を防いで、良好な画像が得られると共に、減光フィルタ15の作用によりダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0054】
特に本実施の形態によれば、減光フィルタ15が遮光膜7を薄くして形成されているため、遮光膜7の可視光域における反射率も50%以下となっていると共に、これら減光フィルタ15及び遮光膜7が水平方向にほぼ並んでいるため、図3及び図4に示した実施の形態と同様に、混色の発生をより効果的に防止することができる。
【0055】
上述の各実施の形態では、本発明をCCD固体撮像素子に適用したが、その他の構成の固体撮像素子、例えばCCD構造以外の電荷転送部を有する固体撮像素子やMOS型固体撮像素子にも、同様に本発明を適用することができる。
そして、他の構成の固体撮像素子においても同様に、一部のセンサ部の上方(色フィルタよりもセンサ部側)に、減光フィルタを設ける、より好ましくは可視光域における反射率が50%以下の減光フィルタを設けるようにすればよい。
【0056】
また、図3、図4及び図5に示した各実施の形態の構成は、色フィルタのない固体撮像素子(例えば白黒用や単色用、ラインセンサ、赤外線検出用や紫外線検出用等)にも適用することが可能であり、それぞれの構成においてフレアの発生を抑制して良好な画像を得ると共に、ダイナミックレンジを大きくすることができる。
この場合は色フィルタが設けられないため、前述した混色の問題は生じないが、他の画素への光の混入を防止することができる効果を有する。
【0057】
尚、赤外線検出用又は紫外線検出用に適用する場合には、減光フィルタの構成を、その固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光(赤外線域又は紫外線域)に対する空気中における反射率が50%以下となるようにする。
【0058】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0059】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、減光フィルタにより一部のセンサ部に入射する光量を低減させて、強度の強い入射光に対しても飽和しないで検出することが可能になり、ダイナミックレンジを大きくとることができる。
さらに、減光フィルタの反射率を50%以下と小さくしている。
これにより、反射光の光量が大幅に低減され、フレアの発生を抑制することができる。
【0060】
また、本発明によれば、減光フィルタの反射率を50%以下と小さくしたことにより、遮光膜と減光フィルタとの間の多重反射に起因する混色等の発生を抑制することができる。
従って、本発明によれば、フレアや混色の発生を防いで良好な画像が得られ、かつダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0061】
特に、一部のセンサ部の直上に遮光膜内を埋めるように減光フィルタを設けた構成としたときには、遮光膜と減光フィルタとが略水平方向に並ぶことから、遮光膜と減光フィルタとの間の多重反射を生じることがなく、この多重反射に起因する混色や他の画素への光の混入等の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体撮像素子の一形態の概略構成図(断面図)である。
【図2】A 図1の減光フィルタの透過率の波長分布を示す図である。
B 図1の減光フィルタの反射率の波長分布を示す図である。
【図3】 本発明の一実施の形態の固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
【図5】本発明の別の実施の形態の固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
【図6】色フィルタ上に減光フィルタを設けたCCD固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
【図7】色フィルタの直下に金属薄膜から成る減光フィルタを設けた固体撮像素子の概略構成図(断面図)である。
【符号の説明】
2 センサ部、7 遮光膜、8 パッシベーション膜、10 色フィルタ、12,13,14,15 減光フィルタ
Claims (8)
- 複数のセンサ部を有する固体撮像素子であって、
上記センサ部の上方に上記センサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、
一部の上記センサ部の直上に、上記固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成された、減光フィルタが設けられ、
上記減光フィルタが、上記遮光膜の上記センサ部上に形成された開口内を埋めている
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 複数のセンサ部を有する固体撮像素子であって、
上記センサ部の上方に上記センサ部以外への光の入射を遮る遮光膜が形成され、
一部の上記センサ部の直上に、上記固体撮像素子が検出すべき波長範囲の光に対する空気中における反射率が50%以下の材料により形成された、減光フィルタが設けられ、
上記遮光膜と上記減光フィルタが同一材料により一体化して形成され、上記遮光膜よりも上記減光フィルタが薄く形成されている
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 上記遮光膜及び上記減光フィルタの上方に、色フィルタが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子。
- 上記減光フィルタが、一部の上記センサ部上において、上記遮光膜の上記開口を下側から埋めていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 上記減光フィルタが、W,WSi,TiONから選ばれる材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子。
- 上記固体撮像素子が検出すべき波長範囲が、可視光域であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子。
- 上記遮光膜が、可視光域の光に対する空気中における反射率が50%以下である材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子。
- 上記遮光膜と上記減光フィルタが同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
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