JP3972869B2 - 車輪用転がり軸受の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪用転がり軸受の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輪用転がり軸受装置の加工方法としては、特開2002−370104号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この車輪用転がり軸受装置の加工方法は、車輪用転がり軸受の外輪と内輪と複数の転動体とを組み付けた後、車輪用転がり軸受装置の中心軸を鉛直方向に向けた状態で、上記外輪の鉛直方向の下側の一端部に形成されたフランジのフランジ面を、車輪用転がり軸受装置の固定台に固定する一方、上記内輪の鉛直方向の上側の一端部に内嵌したスピンドルを回転させることによって、上記内輪の鉛直方向の上側の一端部に形成されたフランジのフランジ面を回転させて、この回転しているフランジ面を精密加工バイトに接触させて、上記内輪のフランジ面を研磨している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−370104号公報(第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車輪用転がり軸受装置の加工方法では、上記外輪を固定した上で、回転している上記内輪の上記フランジ面を精密加工バイトに接触させて、内輪の上記フランジ面を研磨しているので、内輪の上記フランジ面を研磨している最中に、上記内外輪と上記玉との間に隙間ができることがあり、この隙間のために上記内輪が上記外輪と独立に回転して、車輪用転がり軸受装置の中心軸の上記フランジ面に対する直角度が悪くなることがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、車輪用転がり軸受装置の中心軸に対する被研磨フランジ面の直角度を優れたものにできる車輪用転がり軸受装置の加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法は、外輪と内輪と複数の転動体とを備え、上記外輪または上記内輪は、ブレーキディスクを直接的または間接的に取り付けるブレーキディスク取り付け用フランジを備えている車輪用転がり軸受装置を加工する車輪用転がり軸受装置の加工方法であって、
上記外輪と上記内輪と上記複数の転動体とを組み付けた後、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えている上記外輪または上記内輪を所定位置に周方向に回転不可に取り付ける一方、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪に、上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に荷重をかけると共に、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪を回転させた状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジのブレーキディスクが直接的または間接的に取り付けられるブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させて、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨することを特徴としている。
【0007】
上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面には、ブレーキディスクが、直接的に取り付けられても、他部材を介して間接的に取り付けられても良い。
【0008】
また、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えている上記外輪または上記内輪は、少なくとも周方向に回転不可にされれば良く、周方向に加えて、軸方向および径方向の少なくとも一方を移動不可にしても良い。
【0009】
上記請求項1の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、上記ブレーキディスク取り付け用フランジに荷重がかかるように、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪に荷重をかけ、かつ、上記内輪または外輪を回転させた状態で、周方向に回転不可に取り付けられている上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させて、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨するので、上記荷重によって上記内外輪と上記玉との間に隙間が生じないようにすることができて、上記内外輪と上記玉との間に隙間がない状態で上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨できる。したがって、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面の研磨中に、上記外輪と上記内輪とを、常に転動体を介して互いに位置決めするようにすることができて、この状態で上記内輪または外輪を回転させて、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨するので、車輪用転がり軸受装置の中心軸が、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面に垂直になっている状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨できて、車輪用転がり軸受装置の中心軸の被研磨フランジ面に対する直角度を優れたものにできる。
【0010】
また、請求項2の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法は、請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪は、車体取り付け用フランジを備え、この車体取り付け用フランジに、上記車体取り付け用フランジのブレーキディスク取り付け用フランジ側と反対側のフランジ面から上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に向けて荷重をかけることを特徴としている。
【0011】
上記請求項2の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪の車体取り付け用フランジに、上記車体取り付け用フランジのブレーキディスク取り付け用フランジ側と反対側のフランジ面から上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に荷重をかけるようにしたので、車体に車輪用転がり軸受装置を固定するために形成される上記車体取り付け用フランジをうまく利用して、上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に、簡単安価に荷重をかけることができる。
【0012】
また、請求項3の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法は、請求項1または2に記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを、そのブレーキディスク取り付け用フランジの径方向の移動を所定範囲に制限するように、ブレーキディスク取り付け用フランジ支持部材で支持した状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させることを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを、そのフランジの径方向の移動を所定範囲に制限するように、フランジ支持部材で支持した状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させるので、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面の研磨中に、車輪用転がり軸受装置がぐらついて暴れる(移動する)のを防止できる。
【0014】
また、請求項4の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法は、請求項1乃至3のいづれか1つに記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、上記砥石を、上記内輪または上記外輪の回転方向と反対方向に回転させることを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の発明の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、上記砥石を、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えない上記内輪または上記外輪の回転方向と反対方向に回転させて、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨するので、車輪用転がり軸受装置を安定させた状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法で加工されている車輪用転がり軸受装置1を示す図である。
【0018】
上記車輪用転がり軸受装置1は、内輪2と、外輪3と、内輪2の外周面に設けられた2列の軌道溝と、外輪3の内周面に設けられた2列の軌道溝の間に配置された転動体の一例としての複数の玉4とを備える。
【0019】
上記内輪2は、軸方向の一端部に、ブレーキディスク(図示せず)を直接または間接的に取り付ける径方向に広がる円板状のブレーキディスク取り付け用フランジ5を有する。このブレーキディスク取り付け用フランジ5の同心円上には、複数のボルト貫通穴が形成されており、複数のボルト10が、その軸部を車輪用転がり軸受装置1の軸方向の外側に向けた状態で、このボルト貫通穴に挿通されている。
【0020】
上記外輪3は、軸方向の一端部に、径方向に広がる円板状の車体取り付け用フランジ8を有する。この円板状の車体取り付け用フランジ8の同心円上には、車体取り付け用フランジ8を車体に取り付けるボルトを挿入するためのボルト貫通穴9が複数形成されている。
【0021】
上記車輪用転がり軸受装置1の矢印Aで示す鉛直方向の下側には、固定台15が配置されている。上記固定台15は、図1に矢印Cで示す方向に回転可能な構造になっている。上記車輪用転がり軸受装置1は、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ5の軸方向の外側のブレーキディスク取り付け用フランジ面11を鉛直方向下側に向けた状態で、固定台15に載置されている。詳細には、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面11におけるボルト10が挿通されている場所よりも径方向の外側部分が、固定台15の表面にボルト12で固定されて、固定台15から鉛直方向上方に突出している環状の砥石17の上面に載置されている。また、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ5の外周円筒面27を、ブレーキディスク取り付け用フランジ支持部材の一例であるワークガイド30の内周円筒面28で支持している。上記ワークガイド30は、周方向に回転できない構造になっている。上記ワークガイド30は、ボルト10の軸部と砥石17が接触しないように、ブレーキディスク取り付け用フランジ5の径方向の移動を、所定範囲に制限している。このように、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ5の径方向の移動を所定範囲に制限した状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ5に挿通されているボルト10の頭を、ワークガイド30に固定されて、周方向に回転不可になっている回り止め部材18で係止して、内輪2を固定台15の所定位置に周方向に回転不可に取り付けている。
【0022】
一方、上記車輪用転がり軸受装置1の鉛直方向上方には、荷重付加装置20が配置されている。上記荷重付加装置20は、本体部21とこの本体部21に連なる土台部22とを有し、図1に矢印Bで示す方向に回転自在で、かつ、軸方向に移動可能な構造になっている。上記荷重付加装置20の土台部22の環状の端面を外輪3の車体取り付け用フランジ8の鉛直方向上側のフランジ面に接触させて、上記荷重付加装置20を、車輪用転がり軸受装置1に載置している。
【0023】
上記構成において、上記車輪用転がり軸受装置1の上方に位置する荷重付加装置20を、矢印Aで示す鉛直方向下側に所定距離軸方向に移動させながら、矢印Bで示す周方向に回転させて、上記車輪用転がり軸受装置1の上方から車輪用転がり軸受装置1の外輪3に所定の荷重をかけてブレーキディスク取り付け用フランジ面11を砥石17に所定圧力で押圧すると共に、外輪3を矢印B方向に回転させる一方、上記車輪用転がり軸受装置1の下方に位置する固定台15を、矢印Cで示す矢印B方向と反対方向に回転させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を、矢印C方向に回転している砥石17に接触させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11の研磨を行う。
【0024】
本発明者は、以下に▲3▼で示す本発明の一実施形態の方法と、以下に▲1▼、▲2▼および▲4▼で示す比較例の方法を用いて、夫々の方法において3つのサンプルでブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨し、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度修正量と、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の振れ修正量を測定した。
【0025】
表1は、それらの方法を用いて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の研磨を行ったときの、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の振れ修正量と、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度修正量を示す表である。また、図2は、表1のブレーキディスク取り付け用フランジ面の振れ修正量をグラフ化したものであり、図3は、表1のブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度修正量をグラフ化したものである。
【0026】
【表1】
【0027】
上記表1において、比較例▲1▼の方法は、車輪用転がり軸受装置を固定台に押し付ける荷重を小さく設定すると共に、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有さない外輪を固定した状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有する内輪を回転させて、更に、ブレーキディスク取り付け用フランジ面と接触している環状砥石を、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の回転方向と逆の方向に回転させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨する方法である。
【0028】
また、比較例▲2▼の方法は、比較例▲1▼の方法から車輪用転がり軸受装置を固定台に押し付ける荷重を大きく設定した点のみを変化させた方法である。
【0029】
また、▲3▼の方法は、上記説明をした本発明の一実施形態の方法であり、車輪用転がり軸受装置を固定台に押し付ける荷重を大きく設定すると共に、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有する内輪を所定位置に周方向に回転不可に取り付けた状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有さない外輪を回転させて、更に、ブレーキディスク取り付け用フランジ面と接触している環状砥石を、外輪の回転方向と逆の方向に回転させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨する方法である。
【0030】
また、比較例▲4▼の方法は、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有する内輪を所定位置に周方向に回転不可に取り付けると共に、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を有さない外輪をフリーな状態にして、車輪用転がり軸受装置の自重のみを用いて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を、回転している環状砥石に押し付けて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨する方法である。
【0031】
上記表1に示すように、本発明の一実施形態である▲3▼の方法は、3つのサンプルの振れ修正量の平均値が15.7μmで、これは、比較例▲1▼の方法の3つのサンプルの振れ修正量の平均値である12.0μmおよび比較例▲4▼の方法の3つのサンプルの振れ修正量の平均値である11.3μmよりも大幅に大きくなっており、比較例▲2▼の方法の3つのサンプルの振れ修正量の平均値である16.0μmと略同等の値になっている。
【0032】
上記4つの方法における3つのサンプルの振れ修正量の平均値、および、図2に示すように、本発明の一実施形態の▲3▼の方法を用いると、比較例▲1▼および比較例▲4▼の方法を用いた場合よりも、車輪用転がり軸受装置の中心軸に対するブレーキディスク取り付け用フランジ面の直角度をはるかに優れたものにでき、比較例▲2▼の方法を用いた場合と同程度の車輪用転がり軸受装置の中心軸に対するブレーキディスク取り付け用フランジ面の直角度を得ることができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態である▲3▼の方法は、3つのサンプルの平面度修正量の平均値が、14.4μmで、比較例▲1▼の方法の3つのサンプルの平面度修正量の平均値12.2μmおよび比較例▲4▼の方法の3つのサンプルの平面度修正量の平均値9.8μmよりも大きくなっており、比較例▲2▼の方法の3つのサンプルの平面度修正量の平均値である16.0μmよりも若干小さな値になっている。
【0034】
上記4つの方法における3つのサンプルの平面度修正量の平均値、および、図3に示すように、本発明の一実施形態の▲3▼の方法を用いると、比較例▲1▼の方法および比較例▲4▼の方法を用いた場合よりも、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度が優れたものになり、比較例▲2▼の方法を用いた場合よりも、ブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度が若干劣ったものになることがわかる。
【0035】
この原因は、上記表1に示すように、比較例▲2▼の方法では、砥石回転が500min−1で、かつ、内輪フランジ回転が−500min−1であるので、研磨する研磨面を有する内輪フランジに対する砥石の相対回転が1000min−1になる一方、本発明の一実施形態の▲3▼の方法では、砥石回転が500min−1で、かつ、内輪フランジを回転させないので、研磨する研磨面を有する内輪フランジに対する砥石の相対回転が500min−1であるからである。本発明の方法では、砥石の回転数を500min−1より少し上げることによって、比較例▲2▼の方法を用いた場合のブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度以上の平面度を簡単に得ることができる。また、本発明の一実施形態の▲3▼の方法と比較例▲2▼の方法の砥石の減り方を比較した場合、研磨する研磨面を有する内輪フランジに対する砥石の相対回転の大きな違いにより、比較例▲2▼の方法の砥石の減りが、本発明の一実施形態の▲3▼の方法の砥石の減りよりも極端に速い。
【0036】
したがって、本発明の一実施形態の▲3▼の方法は、振れ修正および平面度修正が最も大きい比較例▲2▼の方法と略同程度の振れ修正および平面度修正ができる一方、砥石の寿命が比較例▲2▼の方法よりもはるかに長く、最も優れた方法である。
【0037】
上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、ブレーキディスク取り付け用フランジ5を備えていない外輪3に、ブレーキディスク取り付け用フランジ5の方に荷重をかけた状態で、外輪3を回転させて、周方向に回転不可に取り付けられている上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面11と、回転している砥石17とを接触させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨するので、上記荷重によって内外輪2,3と玉4との間に隙間が生じないようにすることができて、内外輪2,3と玉4との間に隙間がない状態でブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨できる。したがって、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面11の研磨中に、内輪2と外輪3とを、常に玉4を介して互いに位置決めするようにすることができて、この状態で外輪3を回転させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨するので、車輪用転がり軸受装置の中心軸が、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11に垂直になっている状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨できて、車輪用転がり軸受装置1の中心軸のブレーキディスク取り付け用フランジ面11に対する直角度を優れたものにできる。
【0038】
また、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ5を備えていない外輪3の車体取り付け用フランジ8に、車体取り付け用フランジ8のブレーキディスク取り付け用フランジ5側と反対側のフランジ面からブレーキディスク取り付け用フランジ5の方に荷重をかけるようにしたので、車体に車輪用転がり軸受装置1を固定するために形成される車体取り付け用フランジ8をうまく利用して、ブレーキディスク取り付け用フランジ5の方に簡単安価に荷重をかけることができる。
【0039】
また、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、ブレーキディスク取り付け用フランジ5を、そのフランジの径方向の移動を所定範囲に制限するように、ワークガイド30で支持した状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11と、回転している砥石17とを接触させるので、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11の研磨中に、車輪用転がり軸受装置1がぐらついて暴れる(移動する)のを防止できる。
【0040】
また、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法によれば、砥石17を、ブレーキディスク取り付け用フランジ5を備えない外輪3の回転方向Bと反対方向の回転方向Cに回転させて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨するので、車輪用転がり軸受装置1を安定させた状態で、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11を研磨できる。
【0041】
尚、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法では、内輪2の外周面と、外輪3の内周面に複列の軌道溝を有する車輪用転がり軸受装置1に、この発明を適用したが、内輪の外周面と、外輪の内周面に単列の軌道溝を有する車輪用転がり軸受装置に、この発明を適用しても良い。また、転動体が玉4である車輪用転がり軸受装置1に、この発明を適用したが、転動体がころである車輪用転がり軸受装置に、この発明を適用しても良い。
【0042】
また、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法では、ブレーキディスクを直接的または間接的に取り付けるブレーキディスク取り付け用フランジ面11を内輪2に有する車輪用転がり軸受装置1に、この発明を適用したが、ブレーキディスクを直接的または間接的に取り付けるブレーキディスク取り付け用フランジ面を外輪に有する車輪用転がり軸受装置に、この発明を適用しても良い。
【0043】
また、上記実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法では、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11におけるボルト10が挿通されている場所よりも径方向外側部分を砥石17で研磨するようにしたが、固定台15にブレーキディスク取り付け用フランジ面11におけるボルト10が挿通されている場所よりも径方向内側部分に接触する環状の砥石を取り付けて、ブレーキディスク取り付け用フランジ面11におけるボルト10が挿通されている場所よりも径方向内側部分と径方向外側部分の両方を研磨するようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明によれば、車輪用転がり軸受装置の中心軸の被研磨フランジ面に対する直角度を優れたものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の車輪用転がり軸受装置の加工方法で加工されている車輪用転がり軸受装置を示す図である。
【図2】 表1のブレーキディスク取り付け用フランジ面の振れ修正量をグラフ化した図である。
【図3】 表1のブレーキディスク取り付け用フランジ面の平面度修正量をグラフ化した図である。
【符号の説明】
1 車輪用転がり軸受装置
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 ブレーキディスク取り付け用フランジ
8 車体取り付け用フランジ
10 ボルト
11 ブレーキディスク取り付け用フランジ面
15 固定台
17 砥石
18 回り止め部材
20 荷重付加装置
30 ワークガイド
Claims (4)
- 外輪と内輪と複数の転動体とを備え、上記外輪または上記内輪は、ブレーキディスクを直接的または間接的に取り付けるブレーキディスク取り付け用フランジを備えている車輪用転がり軸受装置を加工する車輪用転がり軸受装置の加工方法であって、
上記外輪と上記内輪と上記複数の転動体とを組み付けた後、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えている上記外輪または上記内輪を所定位置に周方向に回転不可に取り付ける一方、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪に、上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に荷重をかけると共に、上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪を回転させた状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジのブレーキディスクが直接的または間接的に取り付けられるブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させて、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面を研磨することを特徴とする車輪用転がり軸受装置の加工方法。 - 請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、
上記ブレーキディスク取り付け用フランジを備えていない上記内輪または上記外輪は、車体取り付け用フランジを備え、この車体取り付け用フランジに、上記車体取り付け用フランジのブレーキディスク取り付け用フランジ側と反対側のフランジ面から上記ブレーキディスク取り付け用フランジの方に荷重をかけることを特徴とする車輪用転がり軸受装置の加工方法。 - 請求項1または2に記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、
上記ブレーキディスク取り付け用フランジを、そのブレーキディスク取り付け用フランジの径方向の移動を所定範囲に制限するように、ブレーキディスク取り付け用フランジ支持部材で支持した状態で、上記ブレーキディスク取り付け用フランジ面と、回転している砥石とを接触させることを特徴とする車輪用転がり軸受装置の加工方法。 - 請求項1乃至3のいづれか1つに記載の車輪用転がり軸受装置の加工方法において、
上記砥石を、上記内輪または上記外輪の回転方向と反対方向に回転させることを特徴とする車輪用転がり軸受装置の加工方法。
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