JP3971151B2 - 微生物の固体培養方法及び固体培養装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物の固体培養方法と固体培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物の固体培養を行うには、培養温度が一定にかつ均一になるように管理することが重要である。そのため、例えば製麹を行う場合にも、麹を決して分厚い大きな塊状にせず、多くは約5cmの薄い層状にひろげて行われている。このようにすることによって、麹の層の表面と中心部と底面とでは多少の温度差は発生するが、麹のどこをとっても概ね一定の温度に管理できることが知られている。しかし、このように、麹を薄さ約5cmの層状にひろげ、それを工業的に行うには、相当の広い面積が必要である。したがって、限られた一定の狭い敷地面積では、大量に製麹を行うことは困難であるというのが現状である。
【0003】
そこで、微生物の固体培養方法に関して、減圧して培養温度を調節する方法が試みられている。たとえば、微生物の固体培養方法に関して、特開昭57−138381号公報及び特開平09−121843号公報に、減圧して培養温度を調節する方法が開示されている。また、培養装置に関して、特開平07−107966号公報に、減圧または加圧の出来る培養装置が開示されている。
一般に、液体の沸点は、減圧によって低下する。培養温度を減圧して調節する固体培養方法とは、減圧することによって蒸発潜熱を奪い、培養する微生物の温度を低圧下での沸点まで下げようとするものである。一定の圧力下での沸点は原理的には一定であるから、培養する微生物の温度は一定に保たれるはずであるというものである。また、それによって麹等を約5cmの層状に広い面積にひろげなくても、分厚い大きな塊状のままで培養温度を一定に保持できるはずであるというものである。
【0004】
しかしながら、かかる減圧培養方法を現実に実施してみると、一定の減圧を行った場合に、達成される温度はその沸点よりも実際には更に低いことが多く、また、温度低下はしばしば局所的に不均一であることが多い。しかも、実際には非常に幅広い不均一な温度分布を示して温度低下が起ることが多い。
その原因は、恐らく、減圧によって固体培養温度は沸点まで下がるものの、更に乾燥によって蒸発潜熱が奪われ、それによって更に温度が低下すると共に、乾燥むらによって温度低下の局所的な不均一が起るものと考えられるが、このような原因については、殆ど知られていない。また、それに対して何らかの解決手段が考えられたことも殆どない。
【0005】
したがって、単に減圧するだけでは、温度を正しく均一に調節することが困難である。更に、培養固体の水分含有率が不均一なものとなることが多い結果、培養物の性質や品質を一定にすることも困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、培養物の温度を設定値通りに調節することが困難である前記の問題、及び培養物の温度低下が不均一である前記の問題、更に培養物の水分含有率が不均一である前記の問題を解決した、微生物の固体培養方法と固体培養装置を提供することを目的とする。
本発明は、更に、麹を約5cmの薄い層に広い面積にわたって広げて製麹を行わなければならない等の前記の問題を解決し、微生物の固体培養を工業的に大量におこなった場合にも、微生物のどこをとっても一定の温度が得られる固体培養方法と固体培養装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、微生物の固体培養において、培養温度が減圧によって低下するとき、周囲の相対湿度の分布によっては減圧したときの沸点よりも低い温度になる傾向があることと、特に微生物の固体培養においては、局所的な温度むらが起りやすいことと、更に乾燥むらが起りやすいこと等を注意深く観察した結果、ついにこれらの問題を解決して本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明の態様は以下の通りである。
(1) 微生物及び基質を密閉容器内に保持し、減圧して行う固体培養方法において、前記密閉容器内の相対湿度を調節することによって培養温度を調節することを特徴とする微生物の固体培養方法。
(2) 密閉容器の外界との熱伝導を遮断又は調節することを特徴とする上記(1)に記載の微生物の固体培養方法。
(3) 密閉容器内部の酸素濃度を調整することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の微生物の固体培養方法。
【0009】
(4) 密閉容器内部の炭酸ガス濃度を調整することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の微生物の固体培養方法。
(5) 前記密閉容器に対して第二の密閉容器を連通させ、第二の密閉容器内の水温を調節することにより前記相対湿度の調節を行うことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物の固体培養方法。
(6) 微生物及び基質を保持するための密閉容器と、減圧手段と、蒸発による培養温度の低下を調節するための相対湿度調節手段を有することを特徴とする微生物の固体培養装置。
(7) 密閉容器が外界との熱伝導を遮断又は調節できる手段を有することを特徴とする上記(6)に記載の微生物の固体培養装置。
【0010】
(8) 密閉容器内部の酸素濃度を調整する手段を有することを特徴とする上記(6)または(7)に記載の微生物の固体培養装置。
(9) 密閉容器内部の炭酸ガス濃度を調整する手段を有することを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の微生物の固体培養装置。
(10) 前記相対湿度調節手段が前記密閉容器と連通する第二の密閉容器と該第二の密閉容器内の温度を調節する手段であることを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の微生物の固体培養装置。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0011】
本発明の微生物の固体培養方法は、微生物及び基質を密閉容器内に保持して減圧すると共に、容器内の相対湿度を調節することによって微生物培養温度を調節する固体培養方法である。(前記(1)の態様)
また、本発明の微生物の固体培養装置は、微生物及び基質を保持するための密閉容器と、減圧手段と、蒸発による培養温度の低下を調節するための相対湿度調節手段を有する固体培養装置である。(前記(6)の態様)
本発明において、微生物とは、細菌、酵母、糸状菌等の微小生物の一群を称する。また、呼吸、生育、増殖等によって温度が上昇し、且つ水分の蒸発によって温度が降下するものであれば、全て本発明が適用できる。微生物は、一般には好気性のものが種類が多いが、本発明は、好気性の微生物にも嫌気性の微生物にも適用できる。
【0012】
基質とは、微生物培養時の栄養源になる固形物であれば良い。一般的には米、麦、大豆、ふすま等の有機物であり、微生物の消化吸収が良いように通常は加熱処理や蒸煮処理されたものが使用される。
密閉容器とは、減圧できる容器であれば、その形状や大きさについては特に限定しない。ただし、密閉容器内の気体を置換する際に、減圧だけでなく加圧によって置換したり、または、基質を密閉容器内で加熱処理したり、蒸煮処理する等の場合には、その加圧に耐えられるだけの耐圧容器であることが必要である。
【0013】
減圧は、通常の真空ポンプやエジェクター等で行えばよい。減圧の程度は、減圧時の水の沸点が、微生物を培養しようとする温度になるまで減圧出来、維持出来るものであれば良く、更により低圧に減圧出来るものであればなお良い。一般的に微生物の培養温度は30〜40℃の範囲のものが多く、これに相当する気圧は40〜73hPaである。培養温度調節時間を短縮する為に、一定時間、より低圧に減圧してもよい。
【0014】
減圧の操作は、固体培養温度をモニターし、設定温度より高くなった時に減圧を開始し、蒸発潜熱を奪って温度低下を促し、設定温度に到達した時にそれより高い圧に戻すという操作を繰り返すことでよい。
本発明の微生物の固体培養方法において、密閉容器の外界との熱伝導を遮断または調節することが望ましい。(前記(2)の態様)
本発明の微生物の固体培養装置において、密閉容器は外界との熱伝導を遮断又は調節できる手段を有することが望ましい。(前記(7)の態様)
【0015】
密閉容器を用いて減圧すると、培養固体の水分は活発に蒸発し、潜熱を奪い、培養固体の温度は低下する。一方、培養固体は、密閉容器との間で熱伝導の影響を受ける。また、密閉容器自体も外界との間で熱伝導の影響を受ける。結局、培養固体の温度に外界温度が影響を及ぼすこととなる。これを制御する為の手段として、例えば密閉容器を断熱材で被服することが好ましい。また、外界温度の影響を制御するために、例えば、ジャケット付きの二重密閉容器や蛇管付きの密閉容器を用いて、温水や冷水等の温度制御された媒体をジャケットや蛇管に流したり、電気式吸発熱パネルを取りつけて外界との熱収支を調節してもよい。
【0016】
培養固体の温度を蒸発潜熱で調節する場合には、微生物の総発熱量に相当する水分量だけ培養固体が乾燥することとなる。すると、培養固体の水分活性が徐々に低下する結果、水分含有率や水分活性が微生物の培養条件として不適切なものになることが起り得る。そこで、例えば、ジャケット付き二重密閉容器等を用いて、ジャケット温度と固体培養温度の差異を調節することにより、培養固体の水分含有率や水分活性を調整してもよい。
【0017】
培養固体を攪拌することは、培養固体の蒸発潜熱を効率良く奪うためにも、また、培養固体の温度分布を均一化する上でも好ましい。攪拌は、密閉容器内に攪拌羽根を設けて行っても良く、密閉容器ごと回転して中身培養固体を攪拌してもよい。
密閉容器内の湿度を調節するには、例えば、減圧装置と接続されている培養固体の入った密閉容器(以下主容器という)に対して第二の密閉容器(以下従容器という)を連通し、従容器内の水温を温度調節手段により調節して行ってもよい。
【0018】
(前記(5)及び(10)の態様)
すなわち、従容器には水を入れておき、水温度を自由に調節出来るように水温検知器と加熱装置を取り付けておく。そこで従容器の水温を培養温度と同一の温度に設定した場合には、従容器は主容器と同一の低圧下で常に沸騰を続け、水蒸気を主容器に供給する。その結果、主容器の相対湿度は常に100%に維持される。
【0019】
主容器を減圧して常圧から所定の低圧に到達するまでの途中の過程においても、従容器の水温を所定の低圧の沸点に調節すれば、従容器内の水は沸騰を続ける結果、主容器をこの過程を通して常に相対湿度100%に維持することが出来る。
この湿度調節により、培養温度は減圧時の沸点以下には下がらない為、培養固体内の局部的な温度むらがたとえ発生しても、一定の低圧を維持して相対湿度を調節することにより、全ての部分において均一に設定温度にすることが出来る。
【0020】
従容器を主容器に対して2つ以上接続すれば、相対湿度をより一層確実に調節することが出来る。特に、従容器を主容器に対して2つ以上直列に接続すれば、総体湿度を非常に正確に調節することが出来る。
真空ポンプやエジェクター等の真空システムと主密閉容器との間に蒸気捕集用の蒸気冷却凝集装置を用いることは好ましい。
密閉容器を低圧より常圧に戻す場合、供給する気体としては一般的には空気であるが、この場合には設定温度と同じ温度で、しかも相対湿度100%の空気が望ましい。相対湿度100%の空気を作るには、上記の従容器を用いた方法と同様にすればよい。また、低圧より常圧に戻す時は、気体が密閉容器内に吸引されるが、密閉容器中へ目的とする気体を強制的に供給してもよい。
【0021】
本発明の微生物の固体培養方法において、密閉容器内部の酸素濃度及び/または炭酸ガス濃度を調整することが望ましい。(前記(3)及び(4)の態様)
本発明の微生物の固体培養装置において、密閉容器内部の酸素濃度及び/または炭酸ガス濃度を調整する手段を有することが望ましい。(前記(8)及び(9)の態様)
微生物培養中の炭酸ガス濃度や酸素濃度は、培養状況に影響する重要な要因である。培養する微生物の特性に合わせて密閉容器中の炭酸ガスや酸素の濃度を計測し、炭酸ガスや酸素の濃度を調整することにより、一層管理された固体培養が出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれらの具体例によって何ら技術的範囲が限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】
70%精米を水洗浄して水浸漬した後、蒸気で60分間蒸して放冷した蒸米に対して清酒用種麹菌今野NO4(今野もやし株式会社製)を所定の量で均一に振りかけて製麹を行った。このとき、品温度32℃の種麹菌付きの蒸米1Kgを8リットルの密閉容器(主容器)に塊状にして入れ、その密閉容器を恒温槽に入れて、恒温槽内温度を制御できようにした。
【0024】
密閉容器内には温度センサー6本を取り付け、品温度を常時測定できるようにした。品温度の上昇に応じて密閉容器を真空ポンプで減圧した。このとき、真空ポンプと密閉容器との間に自動真空制御ユニット(株式会社東京理化製)を取りつけ、減圧の状況を制御できるようにした。また、密閉容器と自動真空制御ユニットの間に第1電磁弁を取りつけ、密閉容器内の品温度による電磁弁開閉制御を行った。密閉容器を500gの水の入った2リットルの第二の密閉容器(従容器)とパイプで連結した。
【0025】
従容器は、温度制御できる電気ヒーターにて加熱し、加熱条件を制御した。従容器には第2電磁弁を取りつけ、電気信号により開閉できるようにした。
自動真空制御ユニットは、固体培養時間である48時間にわたって経時的に制御できるようにし、減圧の程度は固体培養温度が沸点に相当するようにした。第1電磁弁と第2電磁弁は、品温度センサーの1本を指標にし、目標の品温度より1℃以上高い場合には閉にし、それ以外では開にした。従容器の電気ヒーターは、電磁弁が閉の時は目標の品温度と同一になるように調節した。主容器の入った恒温槽の温度を目標の品温度と同一になるようにした。
【0026】
第1電磁弁の開閉時の取り込み空気としては、恒温槽内の空気を取り込んだ。真空ポンプと自動真空制御ユニットとの間には蒸気冷却コンデンサーを取り付けた。目標の品温度として、開始後20時間は32℃を維持し、その後1時間に約0.4℃の昇温速度で24時間かけて42℃にし、その後は42℃を維持するプログラムとした。途中数回中身の麹を攪拌してほぐした。
【0027】
出来た麹について酵素力価を測定したところ、麹1g当たり、アルファーアミラーゼ820単位、グルコアミラーゼ150単位、酸性プロテアーゼ2,900単位、酸性カルボキシペプチターゼ4,000単位であった。これらの値は、麹が塊状にして製麹されたにもかかわらず、サンプリングの箇所によらず非常に一定していた。酵素力価測定は、第三回改正国税庁所定分析法注解に準じて行った。固形培養の間に、6本の品温度センサーは終始非常に均一に安定した温度履歴を示していたことが確認された。
【0028】
【実施例2】
主密閉容器への空気の供給時に酸素濃度が常に30%になるように調整した以外は実施例1と全く同一の条件で製麹を行った。その結果、麹の生育が非常に活発になり、出来た麹の酵素力価も一定しており、全体的に高いものであった。すなわち、麹1g当たり、アルファーアミラーゼ1,350単位、グルコアミラーゼ210単位、酸性プロテアーゼ3,600単位、酸性カルボキシペプチターゼ6,200単位であった
【0029】
【実施例3】
恒温槽の温度プログラムを常に目標の品温度より3℃低目になるよう調節したことと、主密閉容器への空気の供給時に、酸素濃度を常に30%になるように調整したこと以外は、実施例1と全く同一の条件で製麹を行った。その結果、出来た麹は水分が適性程度に高くなり、良好で均質な麹が出来ることが確認された。麹1g当たり、アルファーアミラーゼ1,250単位、グルコアミラーゼ210単位、酸性プロテアーゼ4,000単位、酸性カルボキシペプチターゼ5,500単位であった。
【0030】
【実施例4】
品温度の設定値として開始後20時間は32℃を維持し、その後1時間に約0.5℃の昇温速度で6時間かけて35℃にして8時間維持し、その後1時間に0.5℃の昇温速度で42℃まで上昇させた。このようにして総計48時間固体培養を行った。この品温度の設定値以外は全て前記実施例3と全く同一の条件により製麹を行った。
出来た麹の品質は一定しており、35℃で長時間培養したことにより、プロテアーゼ類の力価を高くできた。すなわち、麹1g当たり、アルファーアミラーゼ1,150単位、グルコアミラーゼ190単位、酸性プロテアーゼ4,300単位、酸性カルボキシペプチターゼ6,500単位であった
【0031】
【発明の効果】
本発明は、微生物及び基質を密閉容器内に保持して減圧するに当たり、容器内の相対湿度を調節することによって、培養温度を目標設定通りの値にしかも均一になるように調節することができ、更に水分含有率も調整することができる為、微生物の性質を非常に安定させることができ、微生物の生産する酵素の組成や力価等も高く一定させることの出来る固体培養方法と固体培養装置を得たものである。
本発明は、また、従来の製麹において麹等を薄い層に広い面積にひろげて行わなければならない等の問題を解決し、微生物の固体培養を大量におこなった場合にも、微生物のどこをとっても一定の温度が得られる固体培養方法と固体培養装置を得たものである。
Claims (2)
- 微生物及び基質を密閉容器内に保持し、減圧して行う固体培養方法において、前記密閉容器に対して第二の密閉容器を連通させ、第二の密閉容器内の水温を調節することにより前記密閉容器内の相対湿度の調節を行うことによって培養温度を調節することを特徴とする微生物の固体培養方法。
- 微生物及び基質を保持するための密閉容器と、減圧手段と、蒸発による培養温度の低下を調節するための相対湿度調節手段を有し、この相対湿度調節手段が前記密閉容器と連通する第二の密閉容器と該第二の密閉容器内の水温を調節する手段であることを特徴とする微生物の固体培養装置。
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