JP3969843B2 - プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電を利用した自発光形式のフラットディスプレイであるカラー表示のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)における蛍光面の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にPDPは、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe,Xe等を主体とするガスを封入した構造になっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に露出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方式とメモリー駆動方式とに分類される。
【0003】
図1にAC型PDPの一構成例を示す。この図は前面板と背面板を離した状態で示したもので、図示のように2枚のガラス基板1,2が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板2上に互いに平行に設けられたリブ3により一定の間隔に保持されるようになっている。前面板となるガラス基板1の背面側には透明電極である維持電極4と金属電極であるバス電極5とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、さらにその上に保護層7(MgO層)が形成されている。また、背面板となるガラス基板2の前面側には前記複合電極と直交するようにリブ3の間に位置してアドレス電極8が互いに平行に形成されており、それを覆って誘電体層9が形成され、さらにリブ3の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光体10が設けられている。このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、空間に漏れた電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そしてこの放電により生じる紫外線により蛍光体10を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認するようになっている。
【0004】
上記の如きPDPにおける反射型の蛍光面を形成するに際しては、従来よりスクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法などの手段が採られている。このうちスクリーン印刷法による方法は、RGB3色のそれぞれの蛍光体ペーストについて、リブによって区画されるセル空間にスクリーン印刷によって選択的に蛍光体ペーストを充填する工程と、蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させる乾燥工程とを行い、最後に焼成工程を経て蛍光面を形成するものである。また、フォトリソグラフィー法による方法は、感光性の蛍光体ペーストをリブの上からベタでコーティングして乾燥させる工程と、パターン露光とこれに続く現像を行うことで所定のセル空間に蛍光体ペーストを残す工程とをRGB3色について行った後、焼成工程を経て蛍光面を形成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したスクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法のように、リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填する工程を行う蛍光面形成方法においては、各色ごとの蛍光体ペーストの乾燥工程は熱又は熱風を利用して行っている。しかしながら、いずれにしても熱乾燥により蛍光体ペーストの乾燥を行うと、溶媒が気化しない状態で熱が係るためにペーストの粘度が下がり、蛍光体ペーストPが図2(a)のように充填されていても図2(b)のように垂れてリブ3の壁面に十分な蛍光体を付着できないという問題がある。また、基板全体に渡って熱の掛かり方が均等ではなく、通常は大サイズの基板で±10℃程度のバラツキがあるため、蛍光体ペーストのセル底面の膜厚や壁面形状が面内で不均一になることから、十分な輝度が得られなかったり、画像ムラの原因になるという問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明は、蛍光体ペーストの粘度を低下させることなく、その溶媒を気化させるような乾燥手段を採用することとしている。そして、このような乾燥手段によりセル空間内に充填された蛍光体ペーストの乾燥を行えば、リブ壁面への蛍光体付着を向上させることができ、しかも基板面内で均一な蛍光面を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面とセル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むPDPの蛍光面形成方法において、前記乾燥工程を真空乾燥により行うようにしたものである。
【0008】
そして、真空乾燥だけでは蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させるのに時間が掛かり過ぎる場合には、前半だけ真空乾燥を行い、後半は通常の熱乾燥を行って完全に溶媒を気化させるようにしてもよい。或いは、真空乾燥と熱乾燥を同時に行って効率良く溶媒を気化させるようにしてもよい。後者の場合、熱を加え過ぎると、蛍光体ペーストの粘度が低下して壁面に蛍光膜を残せなくなるので、真空乾燥による気化熱を補足する程度の熱乾燥を加えるようにする。
【0009】
また、上記のように、リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填した基板における当該蛍光体ペーストを乾燥させるのに使用する乾燥装置としては、基板をその上の所定位置で停止させる架台と、この架台の上方で所定位置の基板を覆うように上下動する下方が開いた箱状の真空チャンバーと、該真空チャンバーの中の空気を吸引するための真空ポンプとを備えたものがある。また、熱乾燥を併用する場合には、基板を加熱するためのヒーターを架台の内部に設けておくようにする。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。使用する図面は図3であり、この図は蛍光面形成方法において蛍光体ペーストの乾燥工程を行う乾燥装置の概略図である。
【0011】
図3において11は下方が開いた箱状のチャンバーで、このチャンバー11は架台Bの上に載置される基板Gを覆うのに十分なサイズをしている。そして、チャンバー11の下方端縁にはゴム等の弾性部材からなるシール材12が設けられており、架台Bの上に載置された密閉状態において真空ポンプPにより中の空気を吸引されるようになっている。また、架台Bの内部にはヒーター14が設けられている。
【0012】
基板Gは、最終的には図1に示すような背面板となるもので、ガラス基板2の上にアドレス電極8とそれを覆って誘電体層9が形成され、さらにその上にリブ3が形成されており、そのリブ3によって区画されるセル空間内に蛍光体ペーストを充填した段階のものである。
【0013】
まず、セル空間内に塗布充填された蛍光体ペーストが未乾燥状態にある基板Gが図3(a)に示すように上位置にあるチャンバー11の下方に搬送されてくる。そして、基板Gが架台B上の所定位置にて停止した後、チャンバー11が下降し、図3(b)に示すようにシール材12が架台Bに密着してチャンバー11内が密閉される。この密閉状態においてバルブ13を開状態にし、真空ポンプPによりチャンバー11の中の空気を吸引してチャンバー11内を真空にする。このようにチャンバー11内が真空状態になると、蛍光体ペースト中の有機溶媒が気化して蒸発することでペーストが乾燥する。この真空による乾燥工程では、熱が掛かる訳ではないので、リブの壁面に塗布されたペーストが軟化して垂れることはない。
【0014】
なお、真空状態にして有機溶媒を完全に飛ばすには時間が掛かるので、乾燥工程の時間を短くしたい時には、真空乾燥により有機溶媒をある程度蒸発させた段階で、図示の例ではヒーター14による熱乾燥に切り換えて乾燥させるようにする。或いは、真空乾燥を行うのと同時にヒーター14による熱乾燥も行うようにしてもよいが、この場合は蛍光体ペーストの粘度が低下しない程度の熱を掛けるようにする。
【0015】
この蛍光体ペーストの充填と乾燥工程を所定の色数だけ繰り返した後、最後に焼成を行って蛍光体をリブ壁面及びセル底面に密着させる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、セル空間内に充填された蛍光体ペーストは熱を掛けることなく真空状態で有機溶媒を気化させられるので、リブ壁面の蛍光体ペーストが軟化して垂れることがなく、十分な輝度を得ることができ、しかも基板全体に渡ってペースト乾燥の均一化が図れるので、画像ムラのない蛍光面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネルの一構成例をその前面板と背面板を離間した状態で示す構造図である。
【図2】従来の蛍光面形成方法における不具合を説明するための図である。
【図3】蛍光体ペーストの乾燥工程を行う乾燥装置の概略図である。
【符号の説明】
1,2 ガラス基板
3 リブ
4 維持電極
5 バス電極
6 誘電体層
7 保護層(MgO層)
8 アドレス電極
9 誘電体層
10 蛍光体
11 チャンバー
12 シール材
13 バルブ
14 ヒーター
B 架台
G 基板
P 真空ポンプ
Claims (3)
- リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面とセル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工程を真空乾燥により行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法。
- リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面とセル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工程を真空乾燥とそれに続く熱乾燥により行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法。
- リブによって区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面とセル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工程を真空乾燥とその真空乾燥による気化熱を補足して蛍光体ペーストの粘度が低下しないようにする熱乾燥とにより行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法。
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- 1998-05-29 JP JP14862498A patent/JP3969843B2/ja not_active Expired - Fee Related
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