JP3969600B2 - C/c複合材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量でかつ耐熱・耐食性に優れたC/C複合材(炭素繊維/炭素複合材)およびその製造方法に係わり、例えば、宇宙航空機器や化学装置,溶解装置などの耐熱性や耐食性や非汚染性等に優れていることが要求される部品・部位等の素材として好適に利用されるC/C複合材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維を強化材とし、炭素をマトリックスとしたC/C複合材は、通常の炭素材料に比べて高強度・高弾性であり、耐熱・耐食性に優れていることから、宇宙航空機器の分野においては飛翔体のリーディングエッジ,ロケットのノズル,航空機のブレーキなどの素材として利用され、その他ガスタービン機関のタービンブレードや高速車両のブレーキなどの素材として、あるいはまた各種化学装置や非汚染溶解装置などの素材としても利用されている。
【0003】
このようなC/C複合材を構成する炭素繊維としては、PAN系繊維,ピッチ系繊維,レーヨン系繊維などが使用され、マトリックスとなる炭素としては、ピッチのほか、フェノール樹脂,エポキシ樹脂,フラン樹脂,イミド樹脂などの熱硬化性樹脂を炭化処理ないしは炭化処理および黒鉛化処理したものが使用されている。
【0004】
従来、この種のC/C複合材を製造するに際しては、図10に示すように、炭素繊維として、高強度(HT)品とする場合には例えばPAN系の炭素繊維を使用し、高弾性(HM)品とする場合には例えばピッチ系の炭素繊維を使用し、この炭素繊維にマトリックス材として、ピッチや、熱硬化性樹脂である例えばフェノール樹脂を含浸させることによってプリプレグシートを得たのちこのプリプレグシートを積層するようにしていた。
【0005】
次いで、この積層したプリプレグシートを例えば500〜900℃程度の温度で焼成することによって炭化処理し、場合によってはさらに2000〜3000℃程度の温度で焼成することによって黒鉛化処理し、さらに場合によっては緻密化して密度をさらに向上させるために、ピッチ含浸と、HIP(熱間等方圧圧縮;圧力1000kgf/cm2程度、温度600〜700℃程度)による高圧炭化処理と、さらには2000〜3000℃程度の温度での黒鉛化処理を適宜繰返すことによってC/C複合材を得るようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして製造されたC/C複合材は、前述したように、軽量でかつ耐熱・耐食性に著しく優れ、るつぼとして使用した場合の非汚染溶解にも適したものであるが、それでもなお、従来よりもさらに破壊応力(曲げ強度や層間剪断強度など)が大であって耐久性により一層優れたC/C複合材の開発が望まれているという課題があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされたものであって、曲げ強度や層間剪断強度などの強度特性が従来以上にさらに向上したものとなり、破壊応力をより一層増大させたものとすることができ、耐久性により一層優れたC/C複合材を提供できるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるC/C複合材は、請求項1に記載しているように、内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在している構成としたことを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係わるC/C複合材の実施態様においては、請求項2に記載しているように、炭素繊維の繊維体積率が全体の40〜70体積%であるものとすることができ、また、請求項3に記載しているように、炭素質フィラー材はカーボンブラック,コロイダルグラファイトのうちから選ばれるものとすることができ、請求項4に記載しているように、炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内にあるものとすることができ、請求項5に記載しているように、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量が1〜20重量%であるものとすることができる。
【0010】
同じく、本発明に係わるC/C複合材の実施態様においては、請求項6に記載しているように、るつぼ形状をなすものとすることができる。
【0011】
本発明に係わるC/C複合材の製造方法は、請求項7に記載しているように、内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在しているC/C複合材を製造するに際し、炭素繊維と炭素質マトリックス材とでプリプレグシートを形成したのち、前記プリプレグシートに炭素質フィラー材を付着させ、前記フィラー材を付着したプリプレグシートを積層して、炭化処理ないしは炭化処理および黒鉛化処理を施すようにしたことを特徴としている。
【0012】
そして、本発明に係わるC/C複合材の製造方法の実施態様においては、請求項8に記載しているように、炭素質フィラー材はカーボンブラック粒子,コロイダルグラファイト粒子のうちから選ばれるものとすることができ、請求項9に記載しているように、炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内のものであるようになすことができ、請求項10に記載しているように、炭素質マトリックス材はピッチからなるものとすることができ、請求項11に記載しているように、炭素質マトリックス材は熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。
【0013】
同じく、本発明に係わるC/C複合材の製造方法の実施態様においては、請求項12に記載しているように、ピッチ含浸と高圧炭化処理と黒鉛化処理を繰返し施してさらに緻密化するようになすことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるC/C複合材の模型的拡大断面構造を示すものであって、このC/C複合材1は、内部に炭素繊維2が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックス3が積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス3同士の積層界面部分4に炭素質フィラー材5が介在している構造を有するものである。
【0015】
このような構造を有する本発明によるC/C複合材1を製造するに際しては、図2に示すように、まず、炭素繊維とマトリックス材とでプリプレグシートを成形する。
【0016】
この場合、炭素繊維(CF)としては、高強度(HT)のC/C複合材を得る場合には例えばPAN系(ポリアクリロニトリル系)のものを使用し、高弾性(HM)のC/C複合材を得る場合には例えばピッチ系のものを用いることができる。
【0017】
そして、この炭素繊維は、C/C複合材中に40〜70体積%の配合量となるようにすることがより望ましく、繊維量が40体積%よりも少ないと高強度ないしは高弾性のC/C複合材を得がたい傾向となり、70体積%よりも多いとマトリックスである炭素の特性を得がたい傾向となる。
【0018】
また、炭素質マトリックス材としては、ピッチや、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂,エポキシ樹脂,フラン樹脂,イミド樹脂などを用いることができる。
【0019】
そして、プリプレグシートを成形したのち、このプリプレグシートに炭素質フィラー材を塗布して付着させる。この場合、炭素質フィラー材を適宜の溶媒に分散させたものをプリプレグシートに塗布して付着させるようになすことができる。
【0020】
この場合、炭素質フィラー材としては、カーボンブラック粒子やコロイダルグラファイト粒子などを用いることができ、このような炭素質フィラー材の付着量としては炭化ないしは黒鉛化後における炭素質マトリックス同士の積層界面部分において炭素質フィラー材が1〜20重量%分散する量とすることがより望ましい。ここで、炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックス同士の積層界面部分で分散する炭素質フィラー材の分散量が1重量%よりも少ないと、C/C複合材の炭素質マトリックス同士の積層界面部分での曲げ強度や層間剪断強度を向上させる作用が少なく、20重量%よりも多いと炭素質マトリックス同士の積層界面部分での引張強度や靭性などの特性が低下する傾向となる。
【0021】
また、炭素質フィラー材の粒径としては0.01〜2.0μm程度のものを用いることがより望ましく、粒径を0.01μmよりも小さいものとすることは製造性を低下させる傾向となり、2.0μmよりも大きいものとすることは炭素質マトリックス同士の積層界面部分での強度および靭性を低下させる傾向となる。
【0022】
次に、上記のごとくしてプリプレグシートの積層体を得たのちは、例えば500〜900℃程度の温度で炭化処理を行い、場合によってはさらに2000〜3000℃程度の温度で焼成することによって黒鉛化処理を行う。
【0023】
そして、さらに緻密化して密度をより一層向上させるようにする場合には、ピッチ含浸とHIP(熱間等方圧圧縮;圧力1000kgf/cm2程度、温度600〜700℃程度)による高圧炭化処理を行い、次いで2000〜3000℃程度の温度で焼成することによって黒鉛化処理を行い、必要に応じてこのような緻密化工程を繰返えし施すことによって高密度化したC/C複合材を得る。
【0024】
このようにして得たC/C複合材は、従来と同様に、軽量でかつ耐熱・耐食性に著しく優れたものであるが、それに加えて、炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー粒子が混入されて分散しているものとなっていることから、積層界面部分における炭素質マトリックスの組織がより一層微細化されたものとなり、その結果、破壊過程での亀裂進展が炭素質マトリックス同士の積層界面部分で分散されることとなって破壊応力が上昇し、積層界面部分での曲げ強度や層間剪断強度がより一層向上した耐久性に著しく優れたC/C複合材となる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によるC/C複合材は、内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在させてなるものであるから、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における曲げ強度や層間剪断強度などの特性がさらに向上したものとなり、破壊応力をより一層増大させたものとすることが可能であって、耐久性により一層優れたC/C複合材を提供することが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0026】
そして、請求項2に記載しているように、炭素繊維の繊維体積率が全体の40〜70体積%であるものとすることによって、炭素繊維がもつ高強度ないしは高弾性特性を十分に活かしたC/C複合材を提供することが可能であるという優れた効果がもたらされる。
【0027】
また、請求項3に記載しているように、炭素質フィラー材はカーボンブラック,コロイダルグラファイトのうちから選ばれるものとすることによって、炭素質マトリックス同士の積層界面部分での破壊応力を増大したものとすることが可能となり、請求項4に記載しているように、炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内にあるものとすることによって、製造性を低下させることなく炭素質マトリックス同士の積層界面部分での曲げ強度および層間剪断強度を増大させることが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0028】
さらに、請求項5に記載しているように、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の含有量が1〜20重量%であるものとすることによって、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における引張強度や靭性を低下させることなく破壊応力を増大させることが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0029】
さらに、請求項6に記載しているように、るつぼ形状をなすものとすることによって、高純度材料の非汚染溶解に適するるつぼとなすことができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0030】
本発明に係わるC/C複合材の製造方法は、内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在しているC/C複合材を製造するに際し、炭素繊維と炭素質マトリックス材とでプリプレグシートを形成したのち、前記プリプレグシートに炭素質フィラー材を付着させ、前記フィラー材を付着したプリプレグシートを積層して、炭化処理ないしは炭化処理および黒鉛化処理を施すようにしたから、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における曲げ強度や層間剪断強度をより一層向上させたものとし、破壊応力をより一層増大させたものとして、耐久性により優れたC/C複合材を製造することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0031】
そして、請求項8に記載しているように、炭素質フィラー材はカーボンブラック粒子,コロイダルグラファイト粒子のうちから選ばれるものとすることによって、炭素質マトリックス同士の積層界面部分における破壊応力が増大したC/C複合材を製造することが可能であり、請求項9に記載しているように、炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内のものであるようになすことによって、製造性を低下させることなく炭素質マトリックス同士の積層界面部分における曲げ強度および層間剪断強度を増大させたC/C複合材を製造することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0032】
また、請求項10に記載しているように、炭素質マトリックス材はピッチからなるものとすることによって、FRP状態を経ることなくC/C複合材の製造を行うことが可能となり、請求項11に記載しているように、炭素質マトリックス材は熱硬化性樹脂からなるものとすることによって、耐熱・耐食性に著しく優れたC/C複合材を製造することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0033】
さらに、請求項12に記載しているように、ピッチ含浸と高圧炭化処理と黒鉛化処理を繰返し施してさらに緻密化するようになすことによって、強度がより一層増大したC/C複合材を製造することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0034】
【実施例】
実施例1
炭素繊維として高弾性炭素繊維(東レ(株)製 商品記号:M40)を使用すると共に炭素質マトリックス材として熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を使用してプリプレグシートを作製した。
【0035】
次いで、水100重量部と、カーボンブラック粒子15重量部と、分散剤2重量部と、固定剤3重量部を配合したカーボンブラック粒子分散液を調製したのち、前記プリプレグシートに上記カーボンブラック粒子分散液を塗布することによって、プリプレグシートに炭素質フィラー材としてのカーボンブラック粒子を付着させ、このようにして炭素フィラー材であるカーボンブラック粒子を付着したプリプレグシートを14層積層した。このとき、炭素繊維の方向は0°方向と90°方向が交互となるように積層した。
【0036】
続いて、上記のプリプレグシート積層体に対して温度700℃で炭化処理を行い、さらに温度2500℃で黒鉛化処理を行った。
【0037】
さらに、より一層緻密化して密度を向上させるために、ピッチ含浸と、圧力1000kgf/cm2,温度650℃での高圧炭化処理と、温度2500℃での黒鉛化処理を3回繰返し行って本発明実施例1のC/C複合材を得た。
【0038】
実施例2
炭素繊維として高弾性炭素繊維(東レ(株)製 商品記号:M40)を使用すると共に炭素質マトリックス材として熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂を使用してプリプレグシートを作製した。
【0039】
次いで、水100重量部と、コロイダルグラファイト粒子15重量部と、分散剤2重量部と、固定剤3重量部を配合したコロイダルグラファイト粒子分散液を調製したのち、前記プリプレグシートに上記コロイダルグラファイト粒子分散液を塗布することによって、プリプレグシートに炭素質フィラー材としてのコロイダルグラファイト粒子を付着させ、このようにして炭素フィラー材であるコロイダルグラファイト粒子を付着したプリプレグシートを14層積層した。このとき、炭素繊維の方向は0°方向と90°方向が交互となるように積層した。
【0040】
続いて、上記のプリプレグシート積層体に対して温度700℃で炭化処理を行い、さらに温度2500℃で黒鉛化処理を行った。
【0041】
さらに、より一層緻密化して密度を向上させるために、ピッチ含浸と、圧力1000kgf/cm2,温度650℃での高圧炭化処理と、温度2500℃での黒鉛化処理を3回繰返し行って本発明実施例2のC/C複合材を得た。
【0042】
評価試験
◎ 実施例1,2で得たC/C複合材と炭素質フィラー材を積層界面部分に介在させない従来例のC/C複合材について、見かけ密度をアルキメデス法により測定したところ、図3に示す結果であった。
【0043】
図3に示すように、炭素質フィラー材の介在量によってC/C複合材の見かけ密度はほとんど変化しないものとなっていた。
【0044】
◎ 実施例1,2で得たC/C複合材と炭素質フィラー材を介在させない従来例のC/C複合材について、図4に示す形状の曲げ試験片11を用い、この曲げ試験片11を左右の支点12A,12Bで支えた状態にして圧子13で加圧する曲げ試験を行ったところ、図5に示す結果であった。
【0045】
図5に示すように、炭素質フィラー材を介在させることによって炭素質マトリックス同士の積層界面部分の曲げ強度が増大することが確かめられ、カーボンブラック粒子の場合には3〜10重量%でより大きな曲げ強度を得ることができ、コロイダルグラファイト粒子の場合には10〜20重量%程度でより大きな曲げ強度を得ることができることが認められた。
【0046】
◎ 実施例1,2で得たC/C複合材と炭素質フィラー材を介在させない従来例のC/C複合材について、図6に示す層間剪断試験片14を用い、この層間剪断試験片14を左右の支点15A,15Bで支えた状態にして圧子16で加圧する層間剪断試験を行ったところ、図7に示す結果であった。
【0047】
図7に示すように、炭素質フィラー材の介在量を増大することによってC/C複合材の炭素質マトリックス同士の積層界面部分での層間剪断強度をかなり向上できることが認められた。
【0048】
◎ 実施例1,2で得たC/C複合材と炭素質フィラー材を介在させない従来例のC/C複合材について、図8に示す形状の引張試験片17を用いることによって、引張試験を行ったところ、図9に示す結果であった。
【0049】
図9に示すように、炭素質フィラー材を介在させることによって炭素質マトリックス同士の積層界面部分での引張強度が低下する傾向もみられ、したがって、他の部材・部位との引張強度バランスを取る際に炭素質フィラー材の介在量を調整する手法を採用することも可能であることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるC/C複合材の断面構造を模型的に示す説明図である。
【図2】 本発明によるC/C複合材の製造工程を例示する説明図である。
【図3】 本発明の実施例において炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量による見かけ密度(かさ密度)および気孔率への影響を調べた結果を例示するグラフである。
【図4】 本発明の評価試験において用いた曲げ試験片および曲げ試験要領の正面説明図(図4の(A))ならびに曲げ試験片の側面説明図(図4の(B))である。
【図5】 本発明の実施例において炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量による曲げ強度への影響を調べた結果を例示するグラフである。
【図6】 本発明の評価試験において用いた層間剪断試験片および層間剪断試験要領の正面説明図(図6の(A))ならびに層間剪試験片の側面説明図(図6の(B))である。
【図7】 本発明の実施例において炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量による層間剪断強度への影響を調べた結果を例示するグラフである。
【図8】 本発明の評価試験において用いた引張試験片の平面説明図である。
【図9】 本発明の実施例において炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量による引張強度への影響を調べた結果を例示するグラフである。
【図10】 従来例におけるC/C複合材の製造工程を例示する説明図である。
【符号の説明】
1 C/C複合材
2 炭素繊維(束)
3 炭素質マトリックス
4 炭素質マトリックス同士の積層界面部分
5 炭素質フィラー材
Claims (12)
- 炭素繊維と炭素質マトリックス材とでプリプレグシートを形成したのち、前記プリプレグシートに炭素質フィラー材を付着させ、前記フィラー材を付着したプリプレグシートを積層して、炭化処理ないしは炭化処理および黒鉛化処理を施し、
内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在しているようにしたことを特徴とするC/C複合材。 - 炭素繊維の繊維体積率が全体の40〜70体積%である請求項1に記載のC/C複合材。
- 炭素質フィラー材はカーボンブラック,コロイダルグラファイトのうちから選ばれる請求項1または2に記載のC/C複合材。
- 炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内にある請求項1ないし3のいずれかに記載のC/C複合材。
- 炭素質マトリックス同士の積層界面部分における炭素質フィラー材の介在量が1〜20重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載のC/C複合材。
- るつぼ形状をなす請求項1ないし5のいずれかに記載のC/C複合材。
- 内部に炭素繊維が配向しかつ炭化ないしは黒鉛化した炭素質マトリックスが積層した構造を有し、前記炭素質マトリックス同士の積層界面部分に炭素質フィラー材が介在しているC/C複合材を製造するに際し、
炭素繊維と炭素質マトリックス材とでプリプレグシートを形成したのち、前記プリプレグシートに炭素質フィラー材を付着させ、前記フィラー材を付着したプリプレグシートを積層して、炭化処理ないしは炭化処理および黒鉛化処理を施すことを特徴とするC/C複合材の製造方法。 - 炭素質フィラー材はカーボンブラック粒子,コロイダルグラファイト粒子のうちから選ばれる請求項7に記載のC/C複合材の製造方法。
- 炭素質フィラー材は粒径が0.01〜2.0μmの範囲内のものである請求項7または8に記載のC/C複合材の製造方法。
- 炭素質マトリックス材はピッチからなるものとする請求項
7ないし9のいずれかに記載のC/C複合材の製造方法。 - 炭素質マトリックス材は熱硬化性樹脂からなるものとする請求項7ないし9のいずれかに記載のC/C複合材の製造方法。
- ピッチ含浸と高圧炭化処理と黒鉛化処理を繰返し施してさらに緻密化する請求項7ないし11のいずれかに記載のC/C複合材の製造方法。
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