JP3969564B2 - フローセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路中を流れる流体の流速または流量計測に用いられるフローセンサ、特に熱式のフローセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
流体の流速や流量を計測する熱式のフローセンサとしては、従来から種々提案されている(例:特開平4−295724号公報、特公平6−25684号公報、特開平8−146026号公報等)。この種のフローセンサは、通常流速検出手段を備えた素子を配管内に計測すべき流体の流れに対して平行になるように設置し、発熱体(ヒーター)から出た熱による流体の空間的温度分布に流れによって偏りを生じさせ、これを温度センサで検出(傍熱型)するか、または流体により発熱体の熱が奪われることによる電力の変化や抵抗の変化を検出(自己発熱型)することで、流速または流量を計測するようにしている。
【0003】
ところで、従来のフローセンサは、主として非腐食性の気体に対して用いられていたが、最近では液体や腐食性の気体にも使用可能なものが開発されている。例えばその一例として、上記した特開平4−295724号公報に開示された流量センサが知られている。
【0004】
この流量センサは、シリコン基体の第1面に第1、第2の領域を設け、第1の領域に発熱体と温度センサを設け、第2の領域に周囲温度センサを設け、さらに第1、第2の領域を熱的に絶縁分離するために、これら両領域間に酸化した多孔性シリコン(絶縁層)からなる第3の領域を設け、シリコン基体の第2面を流体の流れを受け入れる面としている。また、第1面にシリコン製のキャップを固定し、シリコン基体の剛性を高めるとともに発熱体、温度センサおよび周囲温度センサを保護している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の流量センサは、シリコン基体が被測定流体に直接晒される構造であるため、半導体製造装置などで使用される腐食性の気体や液体などには使用できないという問題があった。
また、発熱体から周囲温度センサへの熱伝導を防止するための対策として、第1の領域と第2の領域を酸化した多孔性シリコンからなる第3の領域によって相互に熱絶縁しているものの、基体自体がシリコン製で熱伝導率が高く、発熱体の熱が絶縁層の下側を通って周囲温度センサに伝達されるため、発熱体による周囲温度センサへの熱的影響を十分に防止することができず、その結果として周囲温度センサの温度が上昇して流体の温度を正確に測定することができず、測定精度が低いという問題があった。また、シリコン基体を酸化炉内に配置して第3の領域を酸化させる工程が必要となるため、シリコン基体の製作も面倒である。
【0006】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、発熱体の熱が熱伝導によって周囲温度検出手段に伝わらず、流体の温度を高精度に検出することができ、流量検出精度を向上させたフローセンサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、流体が流れる流路を有するフローセンサにおいて、前記流路は、ステンレス、サファイアのうちのいずれか1つによって形成された薄肉板状の基板と、前記基板と接合された流路形成部材とによって形成されており、前記流路形成部材は、前記基板と接合された面に、前記基板より小さい凹部を形成しており、前記流路は、前記凹部と前記基板との間に形成された空間と、この空間に連通する流体供給口および流体排出口とで形成されており、前記基板の流路側とは反対側の面に設けられた発熱体を含む流速検出手段および周囲温度検出手段と、前記流速検出手段と前記周囲温度検出手段との間の空間を仕切るように前記基板の通路とは反対側の面に突設されたヒートシンクとを備え、前記流速検出手段と前記周囲温度検出手段と前記ヒートシンクとは同一基板上に設けられたものである。
【0008】
第2の発明は、前記流路形成部材が、ステンレス、サファイア、セラミックスのうちのいずれか1つによって形成されているものである。
【0011】
第1の発明において、流速検出手段の発熱体を加熱するとその熱は基板に伝わり基板の温度を上昇させる。発熱体と周囲温度検出手段との間にヒートシンクがない場合は、基板に伝わった熱が熱伝導により周囲温度検出手段に伝わるため、周囲温度検出手段の温度を上昇させる。発熱体と周囲温度検出手段との間にヒートシンクを設けておくと、基板に伝わった熱が熱伝導によりヒートシンクに伝わるため、ヒートシンクによりその熱を放熱する。したがって、周囲温度検出手段の温度は殆ど変化せず、流体の温度を正確に測定する。ヒートシンクの熱容量および放熱効果を大きくすればするほど、周囲温度検出手段への熱的影響は少ない。
基板の流路側とは反対側の面に発熱体を含む流速検出手段を設けているので、流体が流速検出手段に直接接触せず、基板の材料を選択することにより腐食性の気体や液体の測定に使用することができる。
流速検出手段は、流体に晒されないため、ごみが堆積したり、流体により抵抗値が変化したり、経年変化したりするおそれがなく、安定した性能を維持する。基板は薄肉板状体であるため、流体と流速検出手段を熱的に短絡させる。
【0013】
第2の発明においては、流路形成部材がステンレス、サファイアまたはセラミックスによって形成されているので、耐食性に優れ、腐食性の気体や液体の測定に用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1(a)、(b)、(c)は本発明に係るフローセンサの一実施の形態を示す正面図、断面図および背面図、図2はセンサ部の正面図である。これらの図において、全体を符号1で示すフローセンサは、基板4と、この基板4の表、裏面4a,4bに溶接、ろう付け、ねじなどによってそれぞれ接合されたプレート5および流路形成部材6等からなり、基板4の裏面4bと前記流路形成部材6とで被測定流体(以下、流体という)2の流路3の一部を構成している。
【0015】
前記基板4は、細長い矩形の薄肉板状に形成され、裏面4bの外周縁部が前記流路形成部材6の表面に接合されている。基板4の材質としては、熱伝導率がシリコンに比べて低く、耐熱性、耐食性および剛性の高い材料が好ましい。このため、本実施の形態においては、板厚が50〜150μm程度のステンレス製薄板によって形成し、その中央部をダイアフラム構造のセンサ部4Aとし、前記プレート5から離間させている。このため、前記プレート5の中央には貫通穴7が前記センサ部4Aに対応して形成されている。
【0016】
この場合、図2においては、ダイアフラム構造のセンサ部4Aを円形として示したが、図1に示すように流体の流れ方向に長い長円形に形成することが好ましい。その理由は、円形の場合、センサの熱バランスをよくために周囲温度センサ22とヒートシンク23との距離を大きくしようとすると、ダイアフラムの直径が大きく、ヒートシンク23の長さが長くなり、ダイアフラムの強度が低下するのに対し、流体の長れ方向に長円形の場合は、周囲温度センサ22とヒートシンク23との距離を大きくしてもダイアフラムの短軸方向の直径が大きくならず、ヒートシンク23の長さが長くならず、ダイアフラムの強度低下を円形に比べて軽減できるからである。
【0017】
基板4がステンレス製の場合、その板厚が50μm以下であると強度が低下するため好ましくない。また、150μm以上であると、基板4の厚さ方向、つまり流体2と後述する流速検出手段8との間の熱の伝導効率が低下するとともに、基板4の面と平行な方向の伝熱量(熱損出)が増加するため好ましくない。
【0018】
前記基板4の表面4aには、電気絶縁膜9が全面にわたって形成されている。また、電気絶縁膜9の表面で前記センサ部4Aに対応する中央部には、複数の電極パッド10および配線用金属薄膜11を含む前記流速検出手段8と周囲温度検出手段22が周知の薄膜成形技術によって形成されている。例えば、白金等の材料を電気絶縁膜9の表面に蒸着し、所定のパターンにエッチングすることにより形成され、流速検出手段8と周囲温度検出手段22が電極パッド10に配線用金属薄膜11を介してそれぞれ電気的に接続されている。
【0019】
前記電気絶縁膜9としては、例えば厚さが数千オングストローム程度の薄い酸化シリコン(SiO2 )膜か、または窒化シリコン膜からなる。酸化シリコン膜は、例えばスパッタリング、CVDまたは酸化シリコンを混入した溶剤を塗布して所定温度に加熱し、酸化シリコンを形成する。窒化シリコン膜は、スパッタリングやCVDによって形成される。
【0020】
前記流速検出手段8は、1つの発熱体(抵抗ヒータ)20と2つの温度センサ21A,21Bとを備え、傍熱型の流速検出手段を構成している。発熱体20はセンサ部4Aの略中央に位置している。2つの温度センサ21A,21Bは発熱体20を挟んで流体2の流れ方向の上流側と下流側にそれぞれ位置するように形成されている。周囲温度検出手段22は、周囲温度、つまり流体2の温度が変化したとき、その変化を補償するために用いられるもので、センサ部4Aの外周寄りで上流側の温度センサ21Aよりもさらに上流側に位置するように形成されている。発熱体20のパターンの線幅は10〜50μm、温度センサ21A,21Bおよび周囲温度検出手段22のパターンの線幅は5〜10μm程度が好ましい。
【0021】
また、前記センサ部4Aの表面4aには、ヒートシンク23が前記発熱体20(厳密には温度センサ21A)と前記周囲温度検出手段22との間の空間を仕切るように突設されている。ヒートシンク23は、放熱特性の良好な金属、例えばアルミニウムによって適宜な板厚を有する平板状(または筒状)に形成されてセンサ部4Aを横断し、両側端面が前記貫通孔7の穴壁に固定されている。また、ヒートシンク23としては、放熱効果を高めるために熱容量の大きいものが好ましい。なお、ヒートシンク23の前記配線用金属薄膜11と接触する箇所は、電気的に導通しないように絶縁膜によって被覆することが好ましい。
【0022】
前記プレート5は、中央に前記貫通孔7を有し、表面にプリント配線板30が密接して固定されている。このプリント基板30は、中央に前記プレート5の貫通穴7と略同一の大きさの穴30aを有し、表面側に配線パターン31が印刷形成されるとともにこの配線パターン31に電気的に接続された複数本のリードピン32が突設されている。配線パターン31には、前記流速検出手段8の電極パッド10がボンディングワイヤ33によって電気的に接続され、リードピン32には図示しない外部リード線が接続される。
【0023】
前記プレート5の材質としては、前記流路形成部材6と同様に構造材およびヒートシンクとしての役目を果たすために、熱伝導率、耐熱性、剛性が高い材料が好ましいが、流体2には直接接触しないので、耐食性はあまり必要ではない。
【0024】
前記流路形成部材6は、細長い板体36と、この板体36の背面側の長手方向両端部に接合された2本の筒体37A,37Bとで構成されている。ただし、板体36と筒体37A,37Bは一体に形成されたものであってもよい。前記板体36は、長手方向両端部に形成され前記筒体37A,37Bにそれぞれ連通する2つの貫通穴(流体供給口、流体排出口)38A,38Bと、これらの貫通穴38A,38Bを互いに連通させるように表面側に形成された長円形の凹部39を有している。前記凹部39は、幅が前記基板4の幅より若干小さく、深さが0.5〜数mm程度で、基板4の裏面4bとの間に形成された僅かな空間が前記流体2の流路3の一部3aを形成している。
【0025】
前記流路形成部材6の材質としては、構造材およびヒートシンクとしての役目を果たすため熱伝導率が高く、耐熱性、耐食性および剛性の高い材料が好ましい。また、フローセンサ1を腐食性流体に適用するには、流体2と接触する部分が全て耐食性を有する同一材料であることが好ましく、さらに各部材間の接合も接合用の異種材料を用いないで行うことが好ましい。このため、本実施の形態においては、プレート5および流路形成部材6を基板4と同一材料であるステンレス(特に、SUS316L)で形成している。このように、基板4、プレート5および流路形成部材6をステンレスで形成すると、YAGレーザー溶接等により異種金属を使用せずに接合することができる。また、ステンレスは、加工性も相対的に優れており、センサ用材料として好適である。ただし、ステンレスに限らず、サファイア、セラミックスなどの熱伝導率の高い材料であっても、その分薄く形成すれば面方向への熱の伝達を小さくできるので使用することが可能である。なお、300Kでのステンレス、サファイア、セラミックスの熱伝導率は、その組成にもよるがそれぞれ16.0、46.0、36.0[W/m・K]である。
【0026】
図3はフローセンサ1の定温度差回路を示す図である。同図において、発熱体20、周囲温度検出手段22および3つの固定抵抗R1 ,R2 ,R3 はブリッジ回路を形成し、これとオペアンプ(OP1 )とで定温度差回路を構成している。OP1 は、ブリッジ回路と、抵抗R1 と発熱体20の中点電圧を反転入力とするとともに、抵抗R2 と抵抗R3 の中点電圧を非反転入力とする。このOP1 の出力は、抵抗R1 ,R2 の一端に共通に接続されている。抵抗R1 ,R2 ,R3 は、発熱体20が周囲温度検出手段22よりも常に一定温度高くなるように抵抗値が設定されている。
【0027】
図4はフローセンサ1のセンサ出力回路を示す図である。同図において、2つの温度センサ21A,21Bと2つの固定抵抗R4 ,R5 はブリッジ回路を形成し、これとOP2 とでセンサ出力回路を構成している。
【0028】
このようなフローセンサ1において、図3に示す定温度差回路のブリッジ回路への通電によって発熱体20を周囲温度よりもある一定の高い温度に加熱した状態で流体2を図2の矢印方向に流すと、センサ部4Aは流体2によってその流速に比例して熱を奪われるため、発熱体20も熱を奪われて抵抗値が下がる。このため、ブリッジ回路の平衡状態が崩れるが、OP1によってその反転入力・非反転入力間に生じる電圧に応じた電圧がブリッジ回路に加えられるので、流体2によって奪われた熱を補償するように発熱体20の発熱量が増加する。その結果、発熱体20の抵抗値が上昇することにより、ブリッジ回路は平衡状態に戻る。したがって、平衡状態にあるブリッジ回路にはその流速に応じた電圧が加えられていることになるので、ブリッジ回路に加えられている電圧のうち、発熱体20の端子間電圧を電圧出力として出力して使用できる。
【0029】
流体2が発熱体20の熱を奪うと、発熱体20の上流側に位置する温度センサ21Aと下流側に位置する温度センサ21Bの間に温度差が生じるので、図4に示すセンサ出力回路によってその電圧差または抵抗値差を検出し、予め校正しておいた流速または流量と電圧差または抵抗値差の関係より流速または流量を計測することができる。
【0030】
このようなフローセンサ1にあっては、薄肉板状体からなる基板4の流体2が接する面とは反対側の面、すなわち表面4aに流速検出手段8と周囲温度検出手段22を設けているので、流速検出手段8、電極パッド10、配線用金属薄膜11、周囲温度検出手段22が流体2に直接接触して腐食したり劣化したり、またはごみ等が付着したりすることがなく、半導体製造装置などに使用されている腐食性の気体や液体の測定にも使用することができ、センサの信頼性、耐久性を向上させることができる。
【0031】
また、基板4は熱伝導率が低いステンレスによって薄肉板状体に形成されているので、面と平行な方向への熱伝導が少なく、基板4の厚さ方向、つまり流体2と流速検出手段8間の熱伝導が良好で、応答性を向上させることができる。また、ステンレスは、耐熱性、耐食性、加工性および剛性に優れ、センサ材料とて好適である。
【0032】
さらに、発熱体20(厳密には上流側の温度センサ21A)と周囲温度検出手段22との間にヒートシンク23を設けているので、発熱体20と周囲温度検出手段22を熱的に絶縁することができ、測定精度を向上させることができる。すなわち、図5(a)に示すようにヒートシンクを用いない場合は、発熱体20を加熱すると、その熱によって基板4の温度が上昇するため、周囲温度検出手段22の温度も熱伝導によって上昇し、この温度上昇が測定誤差となり流体2の温度を正確に測定できなくなる。
【0033】
一方、図5(b)に示すように発熱体20と周囲温度検出手段22との間にヒートシンク23を設けておくと、発熱体20の加熱によって基板4の温度が上昇しても、その熱はヒートシンク23に伝わって外部に放熱されることにより消散するため、ヒートシンク23から周囲温度検出手段22側には熱が殆ど伝わらず、周囲温度検出手段22の温度上昇を抑える。したがって、周囲温度検出手段22は流体2の温度を高精度に測定する。この場合、ヒートシンク23の熱容量を大きくしておくと、放熱効果も大きいため、発熱体20から基板4に伝導された熱を効果的に放熱し、周囲温度検出手段22への熱的影響を一層低減することができる。なお、40は等温線である。
【0034】
因みに、ヒートシンク23を設けない場合と設けた場合について実験を行なったところ、発熱体20を所定温度に加熱したとき、ヒートシンク23を設けない場合は周囲温度検出手段22の温度が5℃上昇したのに対し、ヒートシンク23を設けた場合は周囲温度検出手段22の温度が殆ど上昇しなかった。
【0035】
図6(a)、(b)、(c)は本発明の他の実施の形態を示す正面図、断面図および背面図である。なお、図1、図2に示した構成部材と同一のものについては同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。
【0036】
この実施の形態では、流体2の流路3を形成する配管を流路形成部材41として用い、この流路形成部材41にセンサ取付孔42を形成し、このセンサ取付孔42にヘッダタイプのフローセンサ43を取付け、基板4の裏面を流体2に接触させるようにしている。
【0037】
前記フローセンサ43は、カップ状に形成された鍔付きのケース45と、このケース45の背面開口部46を覆う前記基板4と、ケース45に組み込まれた複数本の電極50等からなり、前記ケース45が前記流路形成部材41のセンサ取付孔42にOリングなどのシール部材とともに嵌合され、ねじや接着剤等によって固定されている。背面開口部46は、流体2の流れ方向に長い長円形に形成されている。
【0038】
前記基板4は、ステンレスによって薄肉板状体に形成され、裏面中央部に図2に示した流速検出手段8、電極パッド10、配線用金属薄膜11、周囲温度検出手段22およびヒートシンク23が電気絶縁膜(図示せず)を介して設けられている。なお、基板4は正方形に限らず長円形等の他の形状であってもよい。
【0039】
前記ケース45はステンレス製で、前記流路形成部材41のセンサ取付孔42に取付けられ、フランジ45aが流路形成部材41の外周面にYAGレーザー溶接等によって接合されている。ケース45の背面と基板4の裏面は、流路形成部材41の内壁面41aと同一面を形成し、流路3の一部を構成している。
【0040】
前記電極50は、金属製フレーム51に複数本の端子ピン52をハーメチックガラス53によって封止したものが用いられ、各端子ピン52の一端が前記配線用金属薄膜11の電極パッド10にロー付け等によって接続されている。なお、このような金属製フレーム51を使用せず、ワイヤーボンドを使用し、電極パッド10との接続を行うことも可能である。
【0041】
このような構造からなるフローセンサ43においては、流路形成部材41にセンサ取付孔42を形成し、このセンサ取付孔42にフローセンサ43を嵌め込んで固定し、基板4の裏面を流体2に接触させるだけでよいので、特別な装置、部品等を用いる必要がなく、簡単に取付けることができる。
【0042】
また、ヒートシンク23を備えているので上記した実施の形態と同様に周囲温度検出手段22への熱的影響を軽減防止でき、センサの測定精度を向上させることができる。
【0043】
なお、本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、種々の変更、変形が可能である。例えば、上記した実施の形態においては、発熱体20から出た熱による流体2の空間的温度分布に流れによって偏りを生じさせ、これを2つの温度センサ21A,21Bで検出する傍熱型のセンサを用いた例を示したが、これに限らず流体2により発熱体20の熱が奪われることによる電力の変化や抵抗の変化を検出し、流量または流速を検出する自己発熱型のセンサを用いてもよい。
また、2つの温度センサ21A,21Bを用いたが、1つであってもよい。さらに、周囲温度検出手段22を2つ用い、流体2の流れ方向または流れ方向と直交する方向に対向させて配置してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るフローセンサによれば、流速検出手段から基板に伝達される熱をヒートシンクによって放熱するように構成したので、熱伝導による周囲温度検出手段の温度上昇を防止することができ、センサの測定精度を向上させることができる。
また、基板にヒートシンクを突設するだけでよいので、構造が簡単で容易に製作することができる。
また、流速検出手段と周囲温度検出手段が流体に直接接触しないので、基板の材質を選択することにより、液体や腐食性の気体の測定にも対応でき、信頼性および耐久性の高いセンサを提供することができる。
【0045】
また、基板の材質としては、ステンレス、サファイア、セラミックス等が挙げられ、この中で特にステンレスは耐食性、加工性、熱伝導率、剛性の面で非常に適した材料であり、また耐腐食性を特に高める必要がある場合はサファイアが好適である。また、基板の板厚としては、流体と流速検出手段間の熱伝導を良くするとともに基板内の横方向の熱伝導を少なくするためにできるだけ薄く形成することが好ましいが、条件としては加工性、強度、ハンドリング等の製作上の外的要因を考慮して決定する必要がある。このためステンレスの場合は、50〜150μm程度が最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)、(b)、(c)は本発明に係るフローセンサの一実施の形態を示す正面図、断面図および背面図である。
【図2】 センサ部の正面図である。
【図3】 フローセンサの定温度差回路を示す図である。
【図4】 センサ出力回路を示す図である。
【図5】 本発明による効果を説明するための図で、(a)はヒートシンクを設けない場合、(b)はヒートシンクを設けた場合の図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す正面図、断面図および背面図である。
【符号の説明】
1…フローセンサ、2…流体、3…流路、4…基板、4A…センサ部、5…プレート、6…流路形成部材、8…流速検出手段、20…発熱体(ヒータ)、21A,21B…温度センサ、22…周囲温度検出手段、23…ヒートシンク、41…流路形成部材、43…フローセンサ、45…ケース。
Claims (2)
- 流体が流れる流路を有するフローセンサにおいて、
前記流路は、ステンレス、サファイアのうちのいずれか1つによって形成された薄肉板状の基板と、前記基板と接合された流路形成部材とによって形成されており、
前記流路形成部材は、前記基板と接合された面に、前記基板より小さい凹部を形成しており、
前記流路は、前記凹部と前記基板との間に形成された空間と、この空間に連通する流体供給口および流体排出口とで形成されており、
前記基板の流路側とは反対側の面に設けられた発熱体を含む流速検出手段および周囲温度検出手段と、前記流速検出手段と前記周囲温度検出手段との間の空間を仕切るように前記基板の通路とは反対側の面に突設されたヒートシンクとを備え、
前記流速検出手段と前記周囲温度検出手段と前記ヒートシンクとは同一基板上に設けられたことを特徴とするフローセンサ。 - 請求項1記載のフローセンサにおいて、
前記流路形成部材が、ステンレス、サファイア、セラミックスのうちのいずれか1つによって形成されていることを特徴とするフローセンサ。
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