JP3967187B2 - 地図データ作成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーション装置等における経路探索処理を行う際に用いられる地図データの作成を行う地図データ作成装置および情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用のナビゲーション装置には、車両の現在位置を出発地として所定の目的地までの最適な経路を探索する経路探索機能が備わっている。この経路探索機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな経路を、ダイクストラ法や横形探索(BFS)法等のシミュレーションを行って自動探索し、この探索した経路が誘導経路として記憶される。そして、車両走行中に、地図画面上にこの誘導経路を他の道路と色を変えて太く描画したり、車両が進路を変更すべき交差点の一定距離内に近づいたときに、この交差点を拡大表示して進行方向を示す矢印を表示したりすることにより、運転者を目的地まで案内する経路誘導動作が実現されている。
【0003】
特に、上述した経路探索機能は、運転者が車両に乗り込んだ後に行われるものであり、車両の走行前に処理が終了していることが望ましいため、従来から処理の高速化に関する提案がなされている。例えば、特開平9−218047号公報には、出発地エリアから目的地エリアまでの経路が予め計算された出発地エリアルートネットワークを用いることにより経路探索処理の高速化を図った「車両経路算出装置」が開示されている。この出発地エリアルートネットワークは、車両の現在位置を含む出発地エリアと他の全ての目的地エリアとの間で実際に経路探索を行った結果の論理和をとったものである。この出発地エリアネットワークは、EWSによって予めオフライン算出されてCD−ROM等に記憶されており、必要に応じて読み出されて作業用メモリに格納され、所定の出発地と目的地との間の経路探索処理に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特開平9−218047号公報に開示された経路探索処理で用いられる出発地エリアルートネットワークは、全ての目的地エリアを対象にして作られているため、車両走行時に一の目的地を対象に経路探索処理を行う場合には無駄が多く、CD−ROM等から読み出して作業用メモリに転送するデータ量が多くなってしまうという問題があった。
【0005】
また、経路探索処理の対象となるリンクの本数を減らすために、出発地エリアあるいは目的地エリアの近傍に枝刈りゾーンが設けられているため、この枝刈りゾーンに含まれる全てのリンクを対象に経路探索処理を行う場合に比べて、最適なリンクが処理の対象外になるおそれがある。また、出発地エリアと目的地エリアとを結ぶように出発地エリアルートネットワークが作成されるが、一の出発地エリアと一の目的地エリアとに着目すると、これらの間をつなぐ経路が1本あるいは2本に限定されており、それ以外の経路については出発地エリアルートネットワークを作成する段階で排除されているため、出発地エリア内の出発地の位置あるいは目的地エリア内の目的地の位置によってはそれ以外の経路がコスト最少の最適経路になる場合があっても、実際の経路探索処理ではこの最適経路が選択されることはない。このように、従来の車両経路算出装置において出発地エリアルートネットワークを用いる場合には、最適な経路の探索を行うことができない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、最適な経路探索を行うために読み込むデータ量を削減可能な地図データを作成することができる地図データ作成装置および情報記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の地図データ作成装置は、階層化されたレベル1領域およびレベル2領域と、2つのレベル2領域の各組合せに対応して用意された専用ネットワークとを有する階層化構造の地図データを作成しており、一のレベル1領域に着目し、レベル1領域に含まれるリンクを用いて、この着目しているレベル1領域から実際に探索枝を延ばして、着目しているレベル1領域を包含するレベル2領域あるいはこのレベル2領域に隣接する他のレベル2領域に含まれる上位ノードに到達する経路を検出し、着目した一のレベル1領域に対応させた第1の経路情報を作成する第1の経路情報作成手段と、2つのレベル2領域に着目し、これらのレベル2領域をつなぐ経路をレベル2領域に含まれるリンクを用いて実際に探索して、着目した2つのレベル2領域の組合せに対して用意された専用ネットワークに対応する第2の経路情報を作成する第2の経路情報作成手段とを備えている。本発明の地図データ作成装置を用いて作成された地図データに含まれる第1の経路情報を用いることにより、確実にレベル2領域のノードに探索枝を延ばすことができるため、最適な経路探索を行うことが可能になる。しかも、この第1の経路情報は、探索枝を延ばす元のレベル1領域との対応付けがなされているため、CD−ROM等から経路探索処理に必要な部分の地図データの読み出しを行う際に、出発地や目的地が含まれるレベル1領域のデータを読み出すときにこのレベル1領域に対応した第1の経路情報のみを一緒に読み出すことが可能になり、読み込むデータ量や読み込み回数の削減が可能になる。
【0008】
また、上述した第1の経路情報作成手段は、着目している一のレベル1領域を所定個数に分割して、各分割領域に対応する論理メッシュを生成する論理メッシュ生成手段と、論理メッシュ生成手段によって生成された論理メッシュのそれぞれについて、論理メッシュの境界にまたがるリンクと、この論理メッシュが含まれるレベル2領域以外の他のレベル2領域の境界ノードとの間をつなぐ経路を探索することにより上位ノードに至るまでの経路を検出した結果について、他のレベル2領域を変更して論理和をとることにより、論理メッシュ内の任意の地点から探索枝を延ばした際に上位ノードに必ず到達することができる範囲である上層移行探索範囲矩形を特定するとともに、上位ノードに到達するまでの経路を特定する第1の経路情報を作成する上層移行探索範囲矩形作成手段とを備えている。第1の経路情報を用いてレベル2領域に含まれる上位ノードに至る経路を探索する際に上層移行探索範囲矩形の範囲内で探索を行うことにより、確実に上位ノードを抽出することが可能になり、効率的な経路探索処理が可能になる。
【0009】
また、上述した上層移行探索範囲矩形作成手段は、探索対象となっている論理メッシュとレベル2領域とが重複あるいは接近しているときに、このレベル2領域を所定個数に分割した複数の仮想メッシュを設定し、レベル2領域に代えて複数の仮想メッシュのそれぞれと論理メッシュとの間をつなぐ経路の探索を行うことが望ましい。これにより、経路探索処理の対象となる出発地と目的地とが接近している場合についても効率的な経路探索処理を行うことが可能な地図データの作成が可能になる。
【0010】
また、上述した2つの論理メッシュに着目してこれら2つの論理メッシュをつなぐ経路を実際に探索し、この探索された経路にレベル1領域のみに含まれるリンクがあったときに、このリンクをレベル2領域に含まれるリンクに格上げする処理を行う格上げ処理手段をさらに備えることが望ましい。これにより、レベル1領域に含まれるリンクをレベル2領域のリンクに格上げし、第2の経路情報作成手段によって専用ネットワークを作成する際にこの専用ネットワークを構成する経路に含ませることが可能になるため、最適な経路探索処理を行うことが可能な地図データを作成することができる。
【0011】
また、上述した論理メッシュのそれぞれについて、内包されるノードおよびリンクの数が所定値以上になる範囲をレベル1探索範囲として設定するレベル1探索範囲設定手段をさらに備え、格上げ処理手段は、2つの論理メッシュをつなぐ経路であってこれら2つの論理メッシュのそれぞれに対応するレベル1探索範囲に包含されないリンクを対象に格上げ処理を行うことが望ましい。同じ大きさのレベル1領域や論理メッシュであってもリンク数やノード数が大きく異なるため、リンク数等がほぼ一定となるレベル1探索範囲を設定して用いることにより、ほぼ一定のリンク数等を考慮した格上げ処理が可能になり、地域差等による品質の偏りがない地図データを作成することができる。
【0012】
また、上述した第2の経路情報作成手段は、2つのレベル2領域をつなぐ経路を複数の探索条件を用いて探索し、探索の結果得られた経路を構成する各リンクがどの探索条件に対応しているかを示す探索条件情報を含む第2の経路情報を作成することが望ましい。これにより、専用ネットワークを用いた探索処理を行う際に処理対象となるリンク数を削減することが可能な地図データを作成することができる。
【0013】
また、上述した第2の経路情報作成手段は、2つのレベル2領域のそれぞれをつなぐ経路を探索して専用ネットワークを構成する経路に対応する第2の経路情報を作成する専用ネットワーク作成手段と、専用ネットワークに含まれる経路について、特定の条件を満たす複数のリンクを集約して1本の集約リンクを作成する集約リンク作成手段とを備えることが望ましい。これにより、専用ネットワークを用いた探索処理を行う際の処理対象となるリンク数をさらに削減することが可能な地図データを作成することができる。
【0014】
また、本発明の情報記録媒体は、上述した地図データ作成装置によって作成された第1および第2の経路情報が記録されており、これら第1および第2の経路情報が経路探索処理を行う装置によって読み出し可能になっている。本発明の情報記録媒体に記録されている地図データを用いて経路探索処理を行うことにより、処理対象となるデータ量の削減による処理の高速化、最適な経路の抽出が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の地図データ作成装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の地図データ作成装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の地図データ作成装置10は、一般的なコンピュータとしての構成を有しており、CPU12、ROM14、RAM16およびハードディスク装置(HD)18を備えている。ハードディスク装置18に格納された所定の地図データ編集プログラムを実行することにより、本実施形態における地図データ作成動作が行われる。
【0016】
また、ハードディスク装置18には、本実施形態の地図データ作成装置10を用いて作成された地図データ20が格納されている。このハードディスク装置18は、地図データ20が記録された情報記録媒体であって、これ自体が取り外されて車載用のナビゲーション装置や、経路探索機能を有する地図ソフトウエアがインストールされたパーソナルコンピュータ等に接続される場合もあるが、通常は、この地図データ20の内容が、DVD−ROMやCD−ROM等の流通に適した情報記憶媒体に複写される。
【0017】
本実施形態で用いられる地図データ20は、所定の経度および緯度で区切られた矩形形状のリージョン(領域)を単位として、読み出しが行われる。また、この地図データは、表示縮尺に対応した道路情報の詳細度に応じて5つのレベルの階層化がなされており、最も詳細な表示に対応する下位レベル(最も下位はレベル1)になるほど詳細な道路情報が含まれている。また、下位レベルの地図データほど、より小さな面積のリージョンが設定され、反対に、上位レベルの地図データほど、より大きな面積のリージョンが設定されている。なお、本実施形態では、下位側から順番にレベル1、レベル2、レベル3、レベル4、レベル5の5種類のリージョンが設定されており、この中で、レベル1、2のリージョンの地図データとこれらとは別に用意された専用ネットワークの地図データとを用いて経路探索処理が行われる。
【0018】
図2は、本実施形態の地図データ20のフォーマットを示す図である。図2に示すように、本実施形態の地図データ20は、レベル1〜5の各リージョンの基本部と専用ネットワークを備えている。レベル1〜5のリージョンの各基本部には、それぞれのレベルのリージョンに対応した地図表示処理を行うために必要な地図描画情報の他に、マップマッチング等に必要なリンク情報やノード情報が含まれている。また、専用ネットワークには、任意の2つのレベル2リージョンの組合せに対応して、これら2つのリージョンをつなぐ経路を特定する経路情報が格納されている。
【0019】
また、上述したレベル1〜5リージョンおよび専用ネットワークの中で、レベル1、2および専用ネットワークのそれぞれには、経路探索処理を高速に行うために必要な拡張部が付加されている。
具体的には、レベル1リージョンの基本部には、「拡張経路計算隣接データフレーム」が拡張部として付加されている。これらの基本部と「拡張経路計算隣接データフレーム」は、例えば経路探索処理の出発地が含まれる特定のレベル1リージョンの地図データを読み出す際に、ひとまとまりの地図データとして読み出される。
【0020】
また、レベル2リージョンの基本部には、「専用ネットワークへのアドレスデータフレーム」が拡張部として付加されている。これらの基本部と「専用ネットワークへのアドレスデータフレーム」は、特定のレベル2リージョンの地図データを読み出す際に、ひとまとまりの地図データとして読み出される。
【0021】
また、専用ネットワークでは、「境界ノード対応データフレーム」、「上位ノード対応データフレーム」、「集約リンク展開データフレーム」、「上層移行探索範囲データフレーム」が拡張部として付加されている。2つのレベル2リージョンの組合せを特定して、この組合せに対応する専用ネットワークを指定することにより、レベル2リージョン間をつなぐ経路情報とともに「境界ノード対応データフレーム」、「上位ノード対応データフレーム」、「集約リンク展開データフレーム」、「上層移行探索範囲データフレーム」が、ひとまとまりの地図データとして読み出される。
【0022】
上述した地図データの中でレベル1〜5リージョンの各基本部に対応する内容が予め用意されており、本実施形態の地図データ作成装置10は、さらにこの中のレベル1、2の各基本部の地図データを用いて、専用ネットワークや各拡張部の地図データを作成するものとする。上述したレベル1、2リージョンおよび専用ネットワークに対応するそれぞれの拡張部の詳細については後述する。
【0023】
図3は、本実施形態の地図データ作成装置10を機能ブロックで示した構成図である。図3に示す本実施形態の地図データ作成装置10は、専用ネットワークや各拡張部を含む地図データ20を作成するために、論理メッシュ生成部30、レベル1探索範囲設定部32、格上げ処理部34、上層移行探索範囲矩形作成部36、専用ネットワーク作成部38、集約リンク作成部40を含んで構成されている。
【0024】
上述した論理メッシュ生成部30、上層移行探索範囲矩形作成部36が第1の経路情報作成手段に、論理メッシュ生成部30が論理メッシュ生成手段に、上層移行探索範囲矩形作成部36が上層移行探索範囲矩形作成手段にそれぞれ対応する。また、専用ネットワーク作成部38、集約リンク作成部40が第2の経路情報作成手段に、専用ネットワーク作成部38が専用ネットワーク作成手段に、集約リンク作成部40が集約リンク作成手段に、それぞれ対応する。さらに、レベル1探索範囲設定部32がレベル1探索範囲設定手段に、格上げ処理部34が格上げ処理手段にそれぞれ対応する。
【0025】
本実施形態の地図データ作成装置10は、このような構成を有しており、次にその詳細な動作を説明する。図4は、本実施形態の地図データ作成装置10の動作手順を示す流れ図である。
論理メッシュの生成(ステップ100)
まず、論理メッシュ生成部30は、各レベル1リージョン毎に論理メッシュを生成する処理を行う。ここで、論理メッシュとは、レベル1リージョンを所定個数に分割した区分領域である。
【0026】
図5は、論理メッシュの具体例を示す図である。図5に示す例では、例えば、1つのレベル1リージョンAの縦方向と横方向がそれぞれ4等分されており、レベル1リージョンA全体に対応して16個の論理メッシュBが生成される。
レベル1探索範囲の設定(ステップ101)
次に、レベル1探索範囲設定部32は、上述したステップ100の処理において生成された全ての論理メッシュについて、レベル1探索範囲を設定する。ここで、レベル1探索範囲とは、論理メッシュを中心として所定本数のリンクが含まれる範囲であり、各論理メッシュ毎に設定される。
【0027】
図6は、レベル1探索範囲の具体例を示す図である。図6に示すように、論理メッシュBの上下左右を拡大する距離Lを1kmずつ拡大し、その都度その拡大された範囲に含まれるリンク数がカウントされ、このカウント値が所定本数(例えば1000本)を超えたか否かが判定される。カウント値が所定本数を超えない場合にはさらに距離Lを1km増加させ、同じカウント動作、判定動作が繰り返される。そして、カウント値が所定本数を超えたときの距離Lによって決まる大きさの矩形領域がレベル1探索範囲Pとして設定される。当然ながら、このレベル1探索範囲Pは、各論理メッシュ毎に設定されるため、一般にレベル1探索範囲Pの大きさは論理メッシュB毎に異なっている。
【0028】
リンクの格上げ処理(ステップ102)
次に、格上げ処理部34は、レベル1リージョンに含まれていてレベル2リージョンに含まれていないリンクの中から、コストの削減が可能なリンクを抽出して、レベル1からレベル2のリンクに格上げする処理を行う。レベル1リージョンのみに含まれているリンクよりもレベル1、2リージョンの両方に含まれるリンクの方が、一般には道路幅が広いため、他の細街路に比べて各種条件下でのコストは小さいと考えられるが、広域農道のようにレベル1リージョンのみに含まれるリンクを走行した場合の方が経路全体のコストが小さくなる場合もある。格上げ処理では、このようなレベル1リージョンのみに含まれるリンクを抽出して、レベル2リージョンの基本部に追加する処理を行う。これにより、レベル2リージョンに含まれるリンクを対象に探索処理を行う場合であっても、従来であれば、レベル1リージョンのみに含まれていたようなリンクであってコスト低減が可能なリンクを用いた経路探索処理が可能になる。
【0029】
図7および図8は、格上げ処理の具体例を示す図である。まず、格上げ処理部34は、処理対象となる論理メッシュBについて、その中に含まれるノードの中から代表ノードDを抽出する。この代表ノードDは、論理メッシュBの中心に最も近いノードが選ばれる。図7では、代表ノードDにはハッチングが付されており、それ以外のノード(白丸)と区別されている。このようにして全てのレベル1リージョンに含まれる全ての論理メッシュBのそれぞれについて代表ノードDが設定される。
【0030】
次に、格上げ処理部34は、一の論理メッシュBの代表ノードDを起点として他の論理メッシュBに含まれる全ての代表ノードDに対して、ダイクストラ法を用いて、レベル1リージョンに含まれるリンクによる探索枝が伸ばせなくなるまで探索を行う。探索種別(条件)は、推奨ルート(時間優先)、一般道優先、道幅優先の3種類で行われる。なお、この探索種別の設定は一例であって、例えばこれ以外の探索種別を含めたり、この3種類の探索条件の中から1つあるいは2つを用いるようにしてもよい。このような探索処理が、全ての論理メッシュの代表ノードDを起点として行われる。
【0031】
このようにして全ての代表ノード間の探索処理が終了した後、格上げ処理部34は、探索結果を用いて格上げリンクを抽出する。この格上げリンクの抽出は、上述したステップ101の処理において設定されたレベル1探索範囲Pを用いて行われる。この抽出処理では、図8に示すように、2つの論理メッシュBのそれぞれに含まれる2つの代表ノードDをつなぐ探索リンクに着目し、それぞれの論理メッシュBに対応するレベル1探索範囲Pに含まれない範囲を格上げ範囲として設定し、この格上げ範囲に含まれるレベル1リージョンのリンクが格上げリンクとして選択される。
【0032】
但し、経路探索の開始代表ノード側のレベル1探索範囲Pに一部が含まれるリンクは、探索方向で見た始端ノードがこのレベル1探索範囲に入っていなければ、レベル2への格上げリンクとして抽出するものとする。また、経路探索の目的地代表ノード側に一部が含まれるリンクは、探索方向で見た終端ノードがこのレベル1探索範囲に入っていなければ、格上げリンクとして抽出するものとする。
【0033】
このようにして全ての代表ノード間についてレベル2への格上げリンクの抽出が終了した後、格上げ処理部34は、これらの抽出された格上げリンクを結合する処理を行う。
図9および図10は、格上げリンクの結合処理の具体例を示す図である。上述した格上げ処理で抽出された格上げリンクが元々レベル2リージョンに含まれている場合であって、図9に示すように、途中に新たな交差点が追加されていない場合には、抽出された格上げリンクを採用せずに、元々レベル2リージョンに含まれるリンクが用いられる。
【0034】
また、上述した格上げ処理で抽出された格上げリンクが元々レベル2リージョンに含まれているが、図10に示すように、途中に交差点が発生した場合には、その交差点に至るまでの複数の格上げリンクや、その交差点の先に存在する複数の格上げリンクを別々に結合する処理が行われる。
【0035】
このようにして、格上げ処理部34は、レベル1リージョンに含まれるリンクの中から格上げリンクの抽出を行い、結合処理を行った場合には結合された後のリンクを、結合処理が行われなかった場合には元の格上げリンクをレベル2リージョンのリンクとしてレベル2リージョンの基本部に追加する。
【0036】
なお、レベル2に元々存在しないレベル1リージョンのリンクの結合条件としては、
・リンクIDが差分で表現できること、
・リンクコストレコードの「リンク属性」が同じであること、
・有料区間、無料区間の属性が同じであること、
・バイパスフラグが同じであること、
・2差路であること(分岐がないこと)、などがあげられる。
【0037】
レベル1上層移行探索範囲矩形の設定処理(ステップ103)
従来から、出発地の周辺についてレベル1リージョンのリンクを用いてレベル2リージョンに含まれるノードに至る経路を探索し、さらに遠隔地にある目的地等に対してレベル2リージョンのリンクを用いて階層的に探索を行う手法が知られている。この手法において、経路探索の出発地が含まれるレベル1リージョンからレベル2リージョンに探索枝を延ばす場合の探索終了条件は、従来は、探索リンク本数や抽出上位ノード数、距離等が用いられている。
【0038】
また、このような手法を用いてレベル2リージョンに含まれるノードに至る経路を探索する際に、CD−ROM等から地図データを読み込む回数を減らして処理の高速化を図るために、一のレベル1リージョンの地図データに、これらの探索終了条件を満たす隣接レベル1リージョンのリンクのデータを含ませておく方法がある。
【0039】
しかし、どの程度探索枝を延ばしたときに、レベル2リージョンのノードに到達するかは、都市部や郊外のように道路密度が異なる場合に一定していない。したがって、全ての道路密度に対応できるように、探索終了条件を満たす探索リンク本数等を多く設定すると、不要なリンクについて探索を行うことになって、処理に無駄が生じる。一方、探索終了条件を満たす探索リンク数を少なく設定すると、探索対象となるリンクが少なくなって、最適な経路を探索することができないことになる。
【0040】
本実施形態では、1つのレベル1リージョンの地図データ(基本部と拡張部)を読み込むだけで、確実に最適なリンクを辿ってレベル2リージョンのノードに到達することができるリンクの抽出を行っている。以下、このようなリンクが含まれる範囲を「レベル1上層移行探索範囲矩形」と称する。
【0041】
このレベル1上層移行探索範囲矩形は、各論理メッシュに着目し、全ての仮想メッシュに対して実際に探索処理を実行した結果を用いて作成される。ここで、「仮想メッシュ」とは、基本的にはレベル2リージョンがこれに相当する。但し、着目している論理メッシュが含まれるレベル2リージョンと、探索対象のレベル2リージョンとが接近している場合や同一の場合には、この探索対象のレベル2リージョンを分割し、各分割領域が仮想メッシュとして設定される。
【0042】
上層移行探索範囲矩形作成部36は、着目する一の論理メッシュから、探索対象となるレベル2リージョンに対応する仮想メッシュあるいはレベル2リージョンの分割領域に対応する仮想メッシュに対して探索を行う。
図11は、一の論理メッシュBからレベル2リージョンに対応する仮想メッシュCに対して探索を行う場合の具体例を示す図である。この探索は、論理メッシュBから正方向と逆方向のそれぞれについて(出発地から目的地に向かう方向を正方向、反対に目的地から出発地に向かう方向を逆方向とする)について、推奨ルートと一般道優先のそれぞれの探索条件で行われる。また、探索の対象は、論理メッシュBの境界にまたがる全てのリンクのそれぞれと、レベル2リージョンに対応する仮想メッシュCの各境界ノードとをつなぐリンクである。この探索処理が、レベル1リージョンに含まれるリンクを用いて行われる。
【0043】
図12は、一の論理メッシュBからレベル2リージョンの分割領域に対応する仮想メッシュC’に対して探索を行う場合の具体例を示す図である。この探索は、論理メッシュBから正方向と逆方向のそれぞれについて、推奨ルートと一般道優先のそれぞれの探索条件で行われる。この点は、図11に示した場合と同じである。また、探索の対象は、論理メッシュBの境界にまたがる全てのリンクのそれぞれと、仮想メッシュC’よりも一回り大きな最大矩形にまたがるリンクとをつなぐリンクである。
【0044】
図13は、図12に示した仮想メッシュC’に対応して設定される最大矩形Qの説明図である。レベル2リージョン全体が1つの仮想メッシュCに対応している場合には、その境界と交差する道路については必ず境界ノードが存在するため、探索の対象をこの境界ノードに限定することができる。ところが、レベル2リージョンを所定個数に等分割(例えば16分割)した場合には、各分割領域の境界にノードが存在するとは限らない(存在しない場合が多い)。また、このような仮想メッシュC’を用いる場合とは、探索対象となる論理メッシュBと仮想メッシュC’とが非常に接近している場合であるため、ある程度レベル1探索範囲を考慮する必要がある。このため、本実施形態では、レベル2リージョンの分割領域に対応して生成される仮想メッシュC’を用いる場合には、この仮想メッシュC’に全部あるいは一部が含まれる全ての論理メッシュBを抽出するとともに、これらの抽出された各論理メッシュBに対応するレベル1探索範囲Pを包含するように、上述した最大矩形Qが設定されている。
【0045】
具体的には、上層移行探索範囲矩形の設定処理が以下の(1)〜(3)で示す手順で行われる。
(1)まず、上層移行探索範囲矩形作成部36は、着目している論理メッシュBの境界にまたがる一のリンクから、仮想メッシュの境界ノードあるいは最大矩形にまたがるリンクに対して探索を行う。この探索において、仮想メッシュの境界ノードあるいは最大矩形にまたがるリンクの数に対応する最適経路の探索結果が得られる。
【0046】
(2)次に、上層移行探索範囲矩形作成部36は、探索結果毎に、仮想メッシュ側の探索終了ノードから論理メッシュ側の探索開始ノードに辿っていって、レベル2リージョンに含まれるリンクからレベル1リージョンにのみ含まれるリンクに延びている経路のノードを検出する。
【0047】
図14は、探索結果と検出ノードとの関係を示す図である。図14において、Sが論理メッシュ側の探索開始ノードを、Eが仮想メッシュ側の探索終了ノードを、それ以外の数字0〜4が途中のノードの番号をそれぞれ示している。また、Lv2はレベル2リージョンに含まれるリンクを、Lv1はレベル1リージョンのみに含まれておりレベル2リージョンには含まれていないリンクをそれぞれ示している。図14に示す例では、探索終了ノードEから辿っていくと、ノード2を経由したときに、レベル2リージョンに含まれるリンクからレベル1リージョンにのみ含まれるリンクに経路が延びている。
【0048】
上層移行探索範囲矩形作成部36は、図14に示した探索結果に対応してこのノード2を抽出して上位移行ノードとして記憶するとともに、この上位移行ノードから論理メッシュ側の探索開始ノードSまでの経路を保持する。なお、このような上位移行ノードが見つからなかった場合には、検索結果全体の経路(探索終了ノードEから探索開始ノードSまで)が保持される。
【0049】
上述した上位移行ノードの記憶動作と経路の保持動作は、着目している論理メッシュの境界にまたがるリンクのそれぞれから、仮想メッシュの境界ノードあるいは最大矩形にまたがるリンクのそれぞれに対応して得られた全ての探索結果について繰り返される。また、(1)、(2)に関する同じ動作は、探索条件を変えて繰り返し行われる。
【0050】
(3)一の論理メッシュBに関して、全ての上位移行ノードに対応する経路の保持動作が終了すると、次に、上層移行探索範囲矩形作成部36は、保持された経路の全てを包含するような最大範囲を抽出して、着目している一の論理メッシュBと一の仮想メッシュとの組合せに対応する上層移行探索範囲矩形Fを設定する。また、このようにして設定された上層移行探索範囲矩形Fを特定するデータは、専用ネットワークの拡張部に含まれる上層移行探索範囲データフレームに格納される。
【0051】
上述した(1)〜(3)に示した一連の処理が、論理メッシュと仮想メッシュの全ての組合せについて行われる。
図15は、このようにして設定される上層移行探索範囲矩形の具体例を示す図である。図15に示すように、論理メッシュBの境界にまたがる複数のリンクaから上位移行ノードbまでのリンクcが多数検出されたときに、これらのリンクcが全て含まれるような上層移行探索範囲矩形Fが設定される。
【0052】
拡張経路計算隣接データフレームの作成処理(ステップ104)
次に、上層移行探索範囲矩形作成部36は、レベル1リージョンの拡張部である「拡張経路計算隣接データフレーム」を作成し、該当するレベル1リージョンに対応させて格納する。このデータの作成は、上述した上層移行探索範囲矩形を設定する際に抽出された各論理メッシュの境界にまたがるリンクから上位移行ノードに至るまでの経路に関するデータに基づいて行われる。
【0053】
図16は、レベル1基本部に対応する拡張経路計算隣接データフレームに格納するデータの説明図である。図16に示す例では、レベル1リージョンAが16個の論理メッシュBからなっており、全ての論理メッシュBに対応して抽出された上位移行ノードまでの経路が抽出される。なお、このとき、レベル1リージョンの外部に延びる経路のみが、重複しないように抽出される。図16において、レベル1リージョンAの周囲に延びている枝部分が、このようにして抽出された経路を示している。
【0054】
図17は、隣接するレベル1リージョンに延びた経路に関するデータのフォーマットを示す図である。例えば、図17(A)に示すように、処理対象となるレベル1リージョン(対象リージョン)から、隣接するレベル1リージョン * 、3 * 、5 * (上付きの*が付された数字は図17において丸数字を示しているものとする)に延びる経路に着目して拡張経路計算隣接データフレームに格納するデータを作成する場合には、図17(B)に示すように、対象リージョンの基本部に対して、リージョン * 、3 * 、5 * に対応する対象リージョン拡張部が拡張経路計算隣接データフレームとして付加される。なお、図18に示すように、上位ノードRに接続されたレベル2リージョンのリンクa1が存在する場合には、このリンクa1のデータも拡張経路計算隣接データフレームに格納される(レベル1リージョンのみに含まれるリンクa2については格納しない)。これは、リンクの規制を上位レベル移行時にそのまま用いることを可能にするためである。また、図17に示した例では、対象リージョンに隣接する3つのレベル1リージョン * 、3 * 、5 * について作成された対象リージョン拡張部について説明したが、一般には、対象リージョンに直接隣接するあるいはさらにその外側に隣接する各レベル1リージョンに対応する対象リージョン拡張部が存在し、これらの全体が対象リージョンの拡張経路計算隣接データフレームに格納される。
【0055】
上位ノード対応データフレームの作成処理(ステップ105)
次に、上層移行探索範囲矩形作成部36は、専用ネットワークの拡張部である「上位ノード対応データフレーム」を作成する。この上位ノード対応データフレームには、上述したステップ103において検出された上位移行ノードのデータが格納される。但し、この上位移行ノードに至る経路の途中にレベル2リージョンのノードが存在した場合であっても、上位ノード対応データフレームへはこの上位移行ノードのデータのみが格納される。
【0056】
専用ネットワークの作成処理(ステップ106)
上述したように、専用ネットワークとは、レベル2リージョンの全ての組合せ毎に、これらのレベル2リージョンを相互に接続する経路の探索に必要なリンクやノードの情報のみを格納したネットワークデータである。2つのレベル2リージョン間での経路探索に必要となるリンクのみが格納されるため、経路探索の計算量が通常よりもかなり少なくなり、経路探索処理の高速化を図る上では非常に有効である。
【0057】
専用ネットワーク作成部38は、2つのレベル2リージョンの組合せ毎に、正方向と逆方向のそれぞれについて探索を行う。この探索は、2つのレベル2リージョンのそれぞれに対応する境界ノードと格上げノードを用いて行われる。
図19は、格上げノードの説明図である。格上げノードとは、レベル1リージョンの外部に存在する上位移行ノードであって、このレベル1リージョンが含まれるレベル2リージョンの外部に位置するものをいう。図19に示す例では、レベル1リージョンの外部に位置する2つの上位移行ノードR1、R2の中で、一方の上位移行ノードR1のみが格上げノードとなる。
【0058】
全ての探索条件で探索した結果を重複しないようにネットワーク化したものが専用ネットワークである。また、このときに、どの探索条件で利用したリンクかを全て記憶しておいて、地図データ20をフォーマット化する際に(地図データ20の専用ネットワークを作成する際に)、どの探索条件のときに用いられたリンクであるかを示す探索条件情報としてのフラグが各リンクに対応するように格納される。これにより、探索条件毎に必要なリンク数を削減することが可能になり、専用ネットワークを用いた探索処理を高速化することができる。
【0059】
集約リンクの作成処理
次に、集約リンク作成部40は、専用ネットワークを用いた探索処理をさらに高速化するために、2差路のみのリンクについて、リンクIDを無視して結合する処理を行う。このようにして結合されたリンクを「集約リンク」という。以下に示す非結合条件に該当しない全ての2差路リンクが結合対象となる。
(非結合条件)
・フェリー属性リンクは結合しない。ここで、フェリー属性リンクとはフェリー航路上のリンクであり、このリンクは結合対象から除外される。
・格上げノードは結合しない。
・VICS反映距離以内のリンクは結合しない。
・基本部の境界ノードから指し示す専用ネットワーク内の隣接ノードは集約しない。
【0060】
このようにして結合された集約リンクについては、専用ネットワーク毎に集約リンクIDが0から昇順で付与される。また、集約リンクのコストについては、探索種別毎に予めコスト計算した結果が対応づけられる。
このように、集約リンク作成部40は、専用ネットワークに含まれるリンクを対象に集約リンクを作成して、2つのレベル2リージョンを相互に接続する経路に関する一部の情報を更新する(ステップ107)。
【0061】
また、リンクの結合に際してどのリンクを結合して集約リンクを作成したかがわかるように、集約リンクIDに対して結合対象となった複数のリンクIDの情報を記憶しておく必要がある。このために、集約リンク作成部40は、専用ネットワークの拡張部である「集約リンク展開データフレーム」を作成し、該当する専用ネットワークに対応させて格納する(ステップ108)。集約リンクが探索結果として抽出された経路に含まれている場合には、この集約リンク展開データフレームに含まれる情報に基づいて、図20に示すように集約リンクから通常のリンクへの展開が行われ、展開された後のレベル2リージョンのリンクを用いた案内処理や描画処理を行うことが可能になる。
【0062】
その他のデータフレームの作成
次に、専用ネットワーク作成部38は、専用ネットワークの拡張部である「境界ノード対応データフレーム」を作成し、該当する専用ネットワークに対応させて格納する(ステップ109)。
【0063】
レベル2リージョンの基本部に含まれる隣接ノード情報は、隣接するレベル2リージョンに関するものである。したがって、いずれかのレベル2リージョンから専用ネットワークに探索枝を延ばすためには、レベル2リージョンの隣接ノード情報に専用ネットワーク内のどのノードが対応しているかを知る必要がある。
【0064】
図21は、隣接ノード情報の説明図である。図21(A)に示すように、隣接ノード情報とは、レベル2リージョンの一の境界ノードに着目したときに、この境界ノードを介して隣接する他のレベル2リージョン(隣接リージョン)内の隣接ノードN1を特定するデータである。
【0065】
専用ネットワーク作成部38は、図21(B)に示すように、レベル2リージョンの隣接ノード情報に対応する専用ネットワーク内のノードN2を特定して、この専用ネットワークの拡張部である「境界ノード対応データフレーム」を作成する。なお、一のレベル2リージョンと専用ネットワークの境界ノードとの対応関係は1:N(Nが専用ネットワークの数)なので、レベル2リージョンから専用ネットワークに探索枝を延ばす際には、新たに作成された境界ノード対応データフレームを用いたデータの変換が必要になるが、各専用ネットワークに含まれる境界ノード情報は一のレベル2リージョンに対応するため、このような変換の必要はない。
【0066】
また、上述したように、専用ネットワークの拡張部である「上位ノード対応データフレーム」には上位移行ノードの情報が格納されているが、この上位移行ノードの情報では、この上位移行ノードがどのレベル2リージョンに含まれるどのノードに対応しているかが示されている。したがって、図19に示した格上げノードR1のように、上位移行ノードが、着目しているレベル1リージョンが含まれるレベル2リージョン以外の隣接する他のレベル2リージョンに含まれている場合には、この上位移行ノードが専用ネットワーク内のどのノードに対応しているかを特定する必要がある。専用ネットワーク作成部38は、格上げノードに対応する専用ネットワーク内のノードを特定する情報を追加して、上述したステップ105で作成した「上位ノード対応データフレーム」の内容を更新し、該当する専用ネットワークに対応させて格納する(ステップ110)。
【0067】
また、上述した専用ネットワークは、レベル1〜5の各リージョンの基本部とは別に新規に作成されるものである。したがって、いずれかのレベル2リージョンから一の専用ネットワークに探索枝を延ばす際には、この専用ネットワークのデータを読み込むためのアドレス情報が必要になる。専用ネットワーク作成部38は、専用ネットワークを作成した際にその拡張部としてそのアドレス情報が含まれる「専用ネットワークへのアドレスデータフレーム」を作成し、この専用ネットワークに対応させて格納する(ステップ111)。
【0068】
このように、本実施形態の地図データ作成装置10を用いて作成された地図データ20の拡張経路計算隣接データフレームを用いることにより、確実にレベル2リージョンのノードに探索枝を延ばすことができるため、最適な経路探索を行うことが可能になる。しかも、この拡張経路計算隣接データフレームは、探索枝を延ばす元のレベル1リージョンとの対応付けがなされているため、車載用のナビゲーション装置等においてCD−ROM等から経路探索処理に必要な部分の地図データの読み出しを行う際に、出発地や目的地が含まれるレベル1リージョンのデータを読み出すときにこのレベル1リージョンに対応したデータのみを一緒に読み出すことが可能になり、読み込むデータ量や読み込み回数の削減が可能になる。
【0069】
次に、上述した地図データ作成装置10によって作成された地図データ20を用いて、例えば車載用のナビゲーション装置を用いて行われる経路探索処理について説明する。
図22は、経路探索処理の動作手順を示す流れ図である。また、図23は経路探索処理の概要を示す図である。
【0070】
ナビゲーション装置の利用者によって経路探索動作が指示されると、まず、経路探索の対象となる出発地と目的地が設定される(ステップ200)。例えば、その時点における車両位置が出発地として設定される。また、利用者によって指定された特定施設等が目的地として設定される。
【0071】
次に、出発地および目的地のそれぞれが含まれるレベル1、レベル2リージョンの基本部と拡張部の地図データと、出発地が含まれるレベル2リージョンと目的地が含まれるレベル2リージョンの組合せに対応する専用ネットワークとその拡張部の地図データの読出しが行われる(ステップ201)。
【0072】
図23に示すように、出発地Sが特定されると、この出発地Sが含まれるレベル1リージョンA1と、このレベル1リージョンA1が含まれるレベル2リージョンC1が特定される。同様に、目的地Eが特定されると、この目的地Eが含まれるレベル1リージョンA2と、このレベル2リージョンA2が含まれるレベル2リージョンC2が特定される。また、専用ネットワークは、2つのレベル2リージョンの組合せ毎に予め用意されているため、出発地と目的地のそれぞれが含まれる2つのレベル2リージョンが特定されると、この組合せによって決まる専用ネットワークが特定される。このようにして、レベル1、2リージョンと専用ネットワークが特定されて、それらの拡張部を含む地図データが読み出される。
【0073】
次に、出発地および目的地のそれぞれに対応する上層移行探索範囲矩形内で探索処理が行われ、それぞれの上層移行探索範囲矩形に含まれる上位ノードが抽出される(ステップ202)。
次に、出発地側に対応して抽出された各上位ノードから探索枝を延ばし、目的地側に対応して抽出された各上位ノードまでの最適な経路が探索される(ステップ203)。この探索は、レベル2リージョンと専用ネットワークの地図データを用いて行われる。また、この探索は、出発地と目的地とをつなぐ最適な走行経路が決定するまで継続される。
【0074】
次に、ステップ203の探索によって抽出された最適な経路に集約リンクが含まれる場合に、これを元のリンクに戻す展開処理が行われる(ステップ204)。
【0075】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、作成された地図データに含まれる第1の経路情報を用いることにより、確実にレベル2領域のノードに探索枝を延ばすことができるため、最適な経路探索を行うことが可能になる。しかも、この第1の経路情報は、探索枝を延ばす元のレベル1領域との対応付けがなされているため、CD-ROM等から経路探索処理に必要な部分の地図データの読み出しを行う際に、出発地や目的地が含まれるレベル1領域のデータを読み出す際に、このレベル1領域に対応した第1の経路情報のみを一緒に読み出すことが可能になり、読み込むデータ量や読み込み回数の削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の地図データ作成装置の構成を示す図である。
【図2】地図データの詳細内容を示すフォーマット図である。
【図3】本実施形態の地図データ作成装置を機能ブロックで示した構成図である。
【図4】本実施形態の地図データ作成装置の動作手順を示す流れ図である。
【図5】論理メッシュの具体例を示す図である。
【図6】レベル1探索範囲の具体例を示す図である。
【図7】格上げ処理の具体例を示す図である。
【図8】格上げ処理の具体例を示す図である。
【図9】格上げリンクの結合処理の具体例を示す図である。
【図10】格上げリンクの結合処理の具体例を示す図である。
【図11】一の論理メッシュBからレベル2リージョンに対応する仮想メッシュCに対して探索を行う場合の具体例を示す図である。
【図12】一の論理メッシュBからレベル2リージョンの分割領域に対応する仮想メッシュC’に対して探索を行う場合の具体例を示す図である。
【図13】図12に示した仮想メッシュC’に対応して設定される最大矩形Qの説明図である。
【図14】探索結果と検出ノードとの関係を示す図である。
【図15】上層移行探索矩形の具体例を示す図である。
【図16】レベル1基本部に対応する拡張経路計算隣接データフレームに格納するデータの説明図である。
【図17】隣接するレベル1リージョンに延びた経路に関するデータのフォーマットを示す図である。
【図18】隣接するレベル1リージョンに延びた経路の説明図である。
【図19】格上げノードの説明図である。
【図20】集約リンクの展開の具体例を示す図である。
【図21】隣接ノード情報の説明図である。
【図22】経路探索処理の動作手順を示す流れ図である。
【図23】経路探索処理の概要を示す図である。
【符号の説明】
10 地図データ作成装置
12 CPU
14 ROM
16 RAM
18 ハードディスク装置(HD)
20 地図データ
30 論理メッシュ生成部
32 レベル1探索範囲設定部
34 格上げ処理部
36 上層移行探索範囲矩形作成部
38 専用ネットワーク作成部
40 集約リンク作成部

Claims (4)

  1. 階層化されたレベル1リージョンとレベル2リージョンとが設定されており、前記レベル2リージョンは前記レベル1リージョンよりも大きな面積に対応し、前記レベル1リージョンに対応する地図データには前記レベル2リージョンに対応する地図データよりも詳細な道路情報が含まれており、経路探索の対象となる2つの地点をつなぐ最適な経路を探索するために必要な地図データを作成する地図データ作成装置であって、
    前記2つの地点の一方から他方に対してレベル1リージョンの地図データに含まれるリンクを辿ってレベル2リージョンの地図データに含まれるノードに到達する経路に関するデータを、前記2つの地点の一方が含まれる1つのレベル1リージョンに対応させる処理を行う手段と、
    前記2つの地点のそれぞれが含まれる2つのレベル2リージョンが特定されたときに、これら2つのレベル2リージョンを相互に接続する経路を探索する際に必要なリンクやノードの情報を格納したネットワークデータである専用ネットワークの地図データを前記レベル1リージョンおよび前記レベル2リージョンの地図データとは別に作成する専用ネットワーク作成手段と、を備え、
    前記ノードに到達する経路に関するデータを前記2つの地点の一方が含まれる1つのレベル1リージョンに対応させる処理を行う手段は、
    レベル1リージョンを所定個数に分割して、各分割領域に対応する論理メッシュを生成する論理メッシュ生成手段と、
    着目している1つのレベル1リージョンに対応する複数の前記論理メッシュのそれぞれの境界にまたがるリンクと、着目している1つのレベル1リージョンを含むレベル2リージョンを除く他のレベル2リージョンの境界ノードとの間の最適な経路を経路探索によって求めることにより、この最適な経路に沿って前記他のレベル2リージョンの境界ノードから前記論理メッシュのそれぞれの境界にまたがるリンクに向かって辿っていったときにレベル1リージョンのみに含まれるリンクに延びている経路のノードを上位移行ノードとして検出し、前記論理メッシュの境界にまたがるリンクから前記上位移行ノードまでの経路の抽出を行い、このようにして抽出された経路が含まれる範囲を上層移行探索範囲矩形として設定するとともに、前記上層移行探索範囲矩形の設定処理の際に、着目している1つのレベル1リージョンに対応して検出された前記上位移行ノードに至るまでの経路であってこの着目しているレベル1リージョンの外部に延びる経路に関するデータをこの着目しているレベル1リージョンに対応させるとともに、前記上層移行探索範囲矩形の設定処理の際に検出した前記上位移行ノードのデータを、この上位移行ノードの検出に用いられた着目している1つのレベル1リージョンを含むレベル2リージョンと他のレベル2リージョンの組み合わせに対応する前記専用ネットワークに対応させる処理を行う上層移行探索範囲矩形作成手段と、
    を備えることを特徴とする地図データ作成装置。
  2. 請求項1において、
    前記上層移行探索範囲矩形作成手段は、探索対象となっている前記論理メッシュと前記レベル2リージョンとが重複あるいは接近しているときに、このレベル2リージョンを所定個数に分割した複数の仮想メッシュを設定し、それぞれの仮想メッシュについて少なくとも一部が含まれる全ての前記論理メッシュを抽出するとともにこれら抽出されたそれぞれの論理メッシュを中心としてその周囲に存在する所定本数のリンクが含まれる範囲を全て包含する最大矩形を設定し、前記レベル2リージョンの代わりに前記複数の仮想メッシュのそれぞれに対応する複数の前記最大矩形を用いて経路探索を行うこと特徴とする地図データ作成装置。
  3. 請求項1または2において、
    2つの前記論理メッシュに着目してこれら2つの論理メッシュをつなぐ経路を経路探索によって求め、この探索された経路に前記レベル1リージョンのみに含まれるリンクがあったときに、このリンクを前記レベル2リージョンに含まれるリンクに格上げする処理を、前記ノードに到達する経路に関するデータを前記2つの地点の一方が含まれる1つのレベル1リージョンに対応させる処理の前に行う格上げ処理手段をさらに備えることを特徴とする地図データ作成装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記専用ネットワークに含まれる経路について、非結合条件に該当しない2差路リンクを集約して1本の集約リンクを作成する集約リンク作成手段をさらに備えることを特徴とする地図データ作成装置。
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