JP3965502B2 - 固体酸化物形燃料電池スタック用導電性部材 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、複数の固体酸化物形燃料電池セルを電気的に接続して燃料電池スタックとする際に用いられる導電性部材、およびそれを用いた燃料電池スタックに関する。
背景技術
固体酸化物形燃料電池は、作動温度が高く(800〜1000℃)、効率の良い燃料電池として期待されている。固体酸化物形燃料電池は、通常、その複数(以下、一つの燃料電池単位を「燃料電池セル」という場合がある)を電気的に直列および/または並列に接続して束ねた、スタックと呼ばれる構造にして用いられる。
このスタック構造を形成するために、複数の燃料電池セルを電気的に接続する必要があり、そのための導電性部材としてニッケルからなるフェルトが用いられている。例えば、特開平11−25999号公報には、ニッケルを主成分とする金属繊維の集合体、すなわちニッケルフェルトからなる導電シートを複数回折り畳んで導電性部材とした燃料電池スタックが提案されている。この公報によれば、この構成の導電性部材は、燃料電池セル間の応力緩和に十分なクッション性を備えているとされている。
しかしながら、本発明者らの知る限りでは、このようなフェルト構造のクッション性には更に改善の余地がある。ニッケルフェルトは、そのままでは弾力性に優れるが、複数の繊維が絡まって構成されているため、一度圧縮力が加わると弾力性または復元性が十分でなくなってしまうことがある。その結果、一旦燃料電池セルの間に置かれ、押圧されて一定形状を有するものとなってしまった後に、燃料電池セルの間隔の調整に伴いその厚さを再調整することが難しい。また、燃料電池セルの間隔の再調整にあたり、繊維くずが発生してしまい、電極間を通電させてしまう恐れがある。さらに、一度焼き付け後または発電後には、ニッケルフェルトは繊維が複雑に絡み合うと共に、繊維同士の接触面積が大きいため、繊維が一体となって硬く焼結してしまい、その後に一部を取り替えることが困難である。その結果、メンテナンス性に劣るなどの点で改良の余地を残すものであった。
発明の概要
本発明者らは、今般、燃料電池スタックの導電材料として、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートを用いることで、上記課題が解決でき、良好な燃料電池スタックが構成出来るとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
よって、本発明は、良好な燃料電池スタックが構成可能な固体酸化物形燃料電池スタック用導電性部材の提供をその目的としている。
また、本発明、上記導電性部材を用いた固体酸化物形燃料電池スタックの提供をその目的としている。
そして、本発明による導電性部材は、固体酸化物形燃料電池の複数を、直列および/または並列に電気的に接続して、燃料電池スタックとするために用いられる導電性部材であって、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなることを特徴とするものである。
さらに本発明による燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池の複数を、上記本発明による導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなることを特徴とするものである。
は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックを構成する円筒形の固体酸化物形燃料電池セルの基本構造例を示す断面図である。この燃料電池セル1は、電解質2、空気極3、燃料極4、および空気極3に接続されたインターコネクタ5とから構成される。 は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックの基本構造の一例を示す図であり、燃料電池セル1が、導電性部材6により、直列または並列に電気的に接続され、空気極側電極7と、燃料極側電極8の間に電力が出力される。 は、本発明による導電性部材が有する連続した骨格からなる、三次元多孔構造の拡大模式図である。 は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックの基本構造の一例を示す図であり、燃料電池セル1が、導電性部材6と金属板9により、直列または並列に電気的に接続され、空気極側電極7と、燃料極側電極8の間に電力が出力される。 は、本発明による導電性部材を複数回折り畳んで積層し、燃料電池セルの間に置いた拡大図である。 は、本発明による導電性部材のプレス型による圧縮を説明する図である。 は、本発明による導電性部材を折り畳んで積層し、圧縮した後の断面を示す図である。 は、図7の導電性部材を、積層した層の界面において広げた状態を示す断面図である。 は、本発明による導電性部材が用いられる2並列3直列の燃料電池スタックの並列側面よりの構造を示す模式図である。 は、図9の燃料電池スタックのA−A断面に相当する、本発明による導電性部材を用いて2並列3直列の燃料電池スタックを積み上げて構成される燃料電池スタックの断面図である。 は、図9の燃料電池スタックのA−A断面に相当する、本発明による導電性部材を用いて2並列3直列の燃料電池スタックを積み上げ後、燃料電池スタックの周囲を断熱材により固定した構造を示す図である。 は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックを構成する筒形の固体酸化物形燃料電池セルであって、この燃料電池セル19は、電解質2、空気極3、燃料極4、および空気極3に接続されたインターコネクタ5とから構成され、かつ空気極3に二以上の円筒空間を有し、この内部Aの方向に酸素を含む空気を、燃料極4側のBの方向に燃料ガスを流すよう構成される。 は、図12に示される燃料電池セル19を、本発明による導電性部材6を使用して燃料電池スタックを構成する際の基本構造を示す図である。
発明の具体的説明
燃料電池スタックの基本構造
本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックの構造を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックを構成する固体酸化物形燃料電池セルの基本構造断面図である。この燃料電池セル1は、電解質2、空気極3、燃料極4、および空気極3に接続されたインターコネクタ5とから構成される。この構成の燃料電池セルにあっては、図中の空気極3の内部Aの方向に酸素を含む空気が、燃料極4の外部Bの方向に水素、一酸化炭素等を含む燃料ガスが流される。なお、燃料電池セルの空気極と燃料極は図1に示される場合と逆に構成することも可能である。
図2は、本発明による導電性部材が用いられる燃料電池スタックの基本構造を示す図であり、円筒形状の燃料電池セル1が複数積み重ねられてなる。図2に示されるとおり、これら燃料電池セル1は、導電性部材6により、直列および/または並列に電気的に接続される。すなわち、燃料極4とインターコネクタ5とが接続され、および/または燃料極4と燃料極4とが接続される。発電された電力は、空気極側電極7と、燃料極側電極8の間に出力される。さらにこの導電性部材6は、燃料電池スタックの形状を保持しうる程度に、燃料電池セル1に物理的に強固に結合されてなる。つまり、導電性部材6は、燃料電池セル1を電気的に接続すると同時に、これらを物理的に結合する役割も担うものである。
本発明にあっては、この導電性部材6として、以下に説明する金属シートを用いる。
本発明による導電性部材
本発明による導電性部材は、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートである。図3は、本発明による導電性部材である金属シートの拡大模式図である。本発明による金属シートは、この図に示されるように、いわゆるスポンジ類似の構造を有し、三次元の多孔構造または三次元の網目構造が、連続した柱を骨格としていることを特徴とする。この点で、独立した複数の金属繊維、すなわち非連続の金属繊維が複雑に絡み合って多孔構造または網目構造を構成するフェルトとは大きく異なり、この相違点が本発明による導電性部材の有利な特性、特徴を与える要因となっている。具体的には、従来のニッケル等よりなる金属繊維のフェルトは、複数の非連続の繊維が複雑に絡み合って構成されているため、一度圧縮力が加わると弾力性または復元性が十分でないことがあるが、本発明による金属シートは、連続した柱を骨格して三次元構造が構成されているため、立体的な強度を有し、弾性力および復元力に富む。その結果、燃料電池セルの製造が容易に行え、とりわけ間隔の調整に伴いその厚さを再調整することが容易に行えるとの利点が得られる。さらに具体的に述べれば次の通りである。
本発明による金属シートは、後記するように、積層し、好ましくは折り畳んで積層して使用される。その際、積層した層の界面は、圧縮されても剣先状のヤスリ等で外すことができる。金属フェルトのように、界面で繊維が絡み合わないからと考えられる。さらに、金属フェルトにあっては、繊維同士の接触面積が大きく、焼き付けまたは発電後、繊維が一体となって硬く焼結しまう傾向にあるが、本発明による金属シートは、金属繊維よりなるフェルトに比べて繊維同士あるいは柱同士が接触する接触面積が小さいため、焼結の程度は低い。その結果、後記するように、焼き付けまたは発電後であっても、その界面で容易に剥離し、メンテナンス性に優れるとの大きな利点が得られる。
また、この燃料電池セルを積み上げてスタックとする際、燃料電池セルの間隔が所望の間隔に近い値となるまで全体を圧縮して、導電性部材を燃料電池セルとなじませる。燃料電池セルは1m当たり2mm程度の反りを有していることがあり、この反りにより燃料電池セルの間隔が一定とならない箇所があっても、導電性部材の弾力性により良好な接続が確保できる。しかし、燃料電池セルと導電性部材との接続位置がずれたりし、誤って部分的に導電性部材を過剰に押圧したとき、金属フェルトでは復元力に欠け、積み上げをやり直したとき部分的な隙間を生じてしまうことが観察された。金属フェルトが復元力に欠けることと、燃料電池セルの間隔が一定とならない箇所があることとを考慮して、スタック全体をより大きな圧力で圧縮することも考えられるが、過剰な圧力は燃料電池セルを破損するおそれがある。そこで、金属フェルトを利用する場合は、一定の押圧の後、間隔が広い部分にはフェルトを追加し、狭い部分ではフェルトを削るといった間隔調整が行われていた。これはスタックの製造を複雑にし、作業負荷が大きくなる。一方、本発明による金属シートは、金属フェルトに比較して良好な弾力性または復元性を有しているため、燃料電池セルの積み上げをやり直しても、良好な接続を確保出来る。また、その良好な弾性力および復元力のため、小さな圧力で導電性部材を燃料電池セルとなじませることができ、金属フェルトで必要とされた間隔調整は不要となるか、あるいは後記するように折り畳んで導電性部材を構成した際には、簡便に間隔の調整が可能となる。また、その間隔の調整にあたり、繊維くずが発生して、電極を短絡させてしまう恐れもない。以上のとおり、本発明による導電性部材は、金属フェルトに比較して多くの有利な点を有するものである。
本発明による導電性部材を構成する金属シートは、図1に示されるように、導電性部材が燃料ガス中すなわち還元雰囲気に置かれる場合には、ニッケル、またはニッケルと、クロム、白金、ロジウム、パラジウム、インジウム、またはルテニウムの少なくとも1種以上とを含む合金により構成されてよく、好ましくはニッケルまたはそれを含む合金である。また、図1に示される場合と逆に、導電性部材が酸化雰囲気に置かれる場合は、銀、または銀と、白金、ロジウム、パラジウム、インジウム、ルテニウム、金、銀、モリブデン、またはタングステンの少なくとも1種以上とを含む合金により構成されてよい。
本発明の好ましい態様によれば、三次元多孔構造が有する空隙の直径は0.30〜0.80mmの範囲にあることが好ましく、より好ましい下限は0.35mmであり、また、より好ましい上限は0.65mmである。
また、三次元多孔構造の骨格となる柱の軸径は35〜80μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい下限は45μmであり、また、より好ましい上限は65μmである。
空隙の直径または柱の軸径が上記範囲にあることで、金属シートは、より良好な立体的な強度を有し、またより好ましい弾性力および復元力を有するものとなる。とりわけ、1mあたり約2mm程度の反りを有している燃料電池セルへ局部的な応力を与えずにそれを保持することが可能となり、接続不良や燃料電池セルの破損を有効に防止できる。また、空隙の直径が上記範囲にあることで、一度焼き付けまたは発電後にも、三次元多孔構造を依然として維持することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明による導電性部材は、厚さ10mmの材料に風速3m/secを与えたときに生ずる通気性(圧力損失)が約40〜60mmAqであるものが、燃料電池の導電性部材の接続表面における発電や温度拡散へ寄与できるという観点から好ましい。
本発明による導電性部材である金属シートの厚さは、燃料電池セルの反りに対する導電性部材の目付量や金属シートの弾性等を考慮して適宜決定されてよいが、0.3〜1.5mm程度の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0mmの範囲である。
本発明による導電性部材である金属シートは、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する樹脂に金属メッキを施すことにより得ることができる。例えば、連続した柱よりなる三次元網目構造を有するポリウレタン樹脂に非晶質炭素粒子を含むセルロース系、アクリル系の粘着塗料を浸漬し、乾燥して導電処理を行い、次いでこの導電処理を行ったポリウレタン樹脂を連続電気メッキ法により金属メッキ処理をし、水素気流中で約1000℃により還元処理することによって製造することができる。
また、本発明による導電性部材として、市販されている金属シートを用いることも可能であり、ニッケルからなるその具体例としては、住友電気工業株式会社から入手可能なセルメット#7、#8等が挙げられる。
燃料電池スタックの製造
本発明による導電性部材は、上記の通り、固体酸化物形燃料電池セルの複数を、直列および/または並列に電気的に接続し、燃料電池スタックを構成するために用いられる。図2に示される燃料電池スタックは、燃料電池セル1との間に本発明による導電性部材をおいてこれを固定することにより製造することができる。具体的には、燃料電池セル1の燃料極4と、インターコネクタ5との間、および燃料極4と、燃料極4との間に本発明による導電性部材を、好ましくはニッケルペーストまたは白金ペーストを介して、付着させる。
本発明の好ましい態様によれば、燃料電池スタックを組み立てる際、図4に示されるように金属板9を、燃料電池セル1と導電性部材6との間に挟み込みことが好ましい。この金属板9を基準とすることで、安定的に精度良く燃料電池スタックを組み立てができる。さらに、この金属板9は、燃料電池スタックへ燃料ガスを整流する作用を有する点でも有利である。さらに、燃料電池セルの並列接続のための導電性部材を不要とすることから、電極表面での燃料ガスの拡散が促進され、燃料ガス密度を平均化し、燃料電池セルの表面温度を均熱化することができる。その結果、発電効率を向上させることができるとの利点も有する。この金属板9は、金属板、金属シートであってよく、さらには、本発明による金属シートを用いることも可能である。金属板9の材料は、燃料ガス中、すなわち還元雰囲気に置かれる場合には、ニッケル、またはニッケルと、クロム、白金、ロジウム、パラジウム、インジウム、またはルテニウムの少なくとも1種以上とを含む合金により構成されてよい。酸化雰囲気に置かれる場合には、金属板9は、銀、または銀と、白金、ロジウム、パラジウム、インジウム、ルテニウム、金、モリブデン、またはタングステンの少なくとも1種以上とを含む合金により構成されてよい。この金属板9は高い密度を有し、体積抵抗が小さいことが好ましい。また、この金属板9の厚さは、0.1〜0.2mm程度とされるのが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、導電性部材は、燃料電池セル1の間に置かれる際、金属シートの複数を積層して構成してもよいが、それがばらばらに分離しないように一枚の金属シートを複数回折り畳んで積層した状態として置くことが好ましい。例えば、図5に示されるように、導電性部材である金属シートを複数回折り畳んで、燃料電池セル1の間に置くことが、燃料電池セル間の応力緩和(すなわち、クッション性)の観点から好ましい。導電性部材として置かれる金属シートを複数積層した厚さまたは折り畳んだ後の厚さは適宜決定されてよいが、本発明の好ましい態様によれば、例えば円筒形状の外径が約16.0mmの燃料電池セルの電気的な接続をする場合、導電性部材の厚さは約1.0mm〜約6.0mm程度であり、より好ましくは2.0〜5.0mm程度の厚さである。また、本発明による導電性部材である金属シートの目付量は、好ましくは約0.08〜1.20g/cmの範囲であり、より好ましくは0.45〜1.00g/cmの範囲である。目付量が上記範囲にあることで、低い体積抵抗値を確保し、また燃料電池セルへ局部的な応力を与えずにそれを保持することが可能となり、接続不良や燃料電池セルの破損を有効に防止できる。
また、燃料電池セルの寸法は厳格に管理されて製造されることが好ましいが、焼結等を繰り返すその製造工程に起因して反り等を伴うことがあり、複数の燃料電池セルを束ねた時、その間隔が一定ではないことがある。そのため、燃料電池セルと導電性部材との局部的な接続不良を防止し、また応力を緩和するため、この一定でない間隔に応じて導電性部材の厚さ、目付量を再調整する必要がある。このような場合にあっても、本発明による導電性部材によれば、金属シートを折り畳んで積層した後に、圧縮して金属シートの厚さと目付量を調整し、さらに、導電性部材の、折り畳んで積層された界面を部分的に剣先状のヤスリ等で広げ、バネのような弾力性を有する導電性部材として、隣り合うセル間に置くことにより、接触不良等を生じることなく、容易に燃料電池セルを接続することができる点で好ましい。より具体的には、次の通り行うことができる。まず、この導電性部材を折り畳んだものを、図6に示されるようなプレス型10で圧縮し、図7に示されるような、好ましくは燃料電池セルの曲面に合わせた凹面11を有する導電性部材6を作製する。そして、図7に示される、導電性部材の、折り畳んで積層された界面6aへ剣先状のヤスリ(図示せず)を差し込んで層状に広げることにより、図8に示されるような空間12を備えたバネのような弾力性を有する導電性部材6に加工する。
次に、このようにして得た導電性部材を用い、燃料電池スタックを製造する。本発明の好ましい態様によれば、導電性部材は、一つの燃料電池セルの軸方向のほぼ全長にわたり取り付けられてもよく、また幾つかに分割して、その間に間隙を設けてあるいは設けずに取り付けられてもよい。図9は、電気的な直列方向の導電性部材が幾つかに分割され、かつ分割された隣り合う導電性部材の間に間隙を設けて取り付けられ、さらに電気的な並列方向の導電性部材が、燃料電池セルの両端部にのみ取り付けられ、その中央部には設けられていない態様の模式図である。図中において、直列方向の導電性部材6は6分割されており、分割された直列方向の導電性部材6をそれぞれF1、F2、F3、F4、F5、およびF6と呼ぶこととする。導電性部材を分割して設けることは、一つの燃料電池セルの軸方向のほぼ全長にわたり一体に構成された導電性部材に比較して、設けられた箇所における間隔条件等に合わせた調整を容易に行えることから、燃料電池スタックの製造を容易にする点で有利である。さらに、その間隙を調整し、または分割した幾つかの導電性部材を設けないことにより、発電効率を向上させることができる等の利点が得られる。その詳細は後記する。また、本発明による導電性部材は、好ましい弾性力および復元力を有するものであることから、導電性部材が燃料電池セルの両端部にのみ取り付けられ、その中央部には設けられていなくとも、良好な接続および物理的強度を確保することが出来る。この態様の燃料電池スタックの製造は具体的には次のように行われる。まず導電性部材のズレを防いで機械的に積み上げることを可能にするため、好ましくは導電性部材の燃料電池セルとの接続面に粘着剤を表面に塗布し、各導電性部材6を燃料電池セル1へ取り付ける。続いて、図10に示されるように、燃料電池スタックが接する面を絶縁するセラミック板14を有する耐熱金属板13よりなるスタック固定板15の上に、導電性部材6、燃料電池セル1、導電性部材6、金属板9を順に積み上げ、これを繰り返し、燃料電池セルを3段積み上げた後、その上にスタック固定板15を配置する。さらに、図11に示されるように、燃料電池スタックの並列側電極に接続する導電性部材6と並列セラミック板16を配置した後、周囲を断熱材17により囲んだ。そして、この断熱材17の上から燃料電池スタックを圧縮し、寸法調整を行う。その後、断熱材を接着剤で固定する。
本発明にあっては、導電性部材自体が有する良好な弾性力および復元力により、さらにはそれを折り畳んだ後にも有するその弾性力および復元力により、複数の燃料電池セルを束ねた時、その間隔が一定ではない場所があっても、良好な接続を確保できる。一方、金属フェルトを導電性部材に用いた場合には、弾性力および復元力が十分でないため、間隔が拡がってしまいフェルトが不足する場所では、フェルトの薄いシートを別途用意しそれを追加し、あるいはフェルトが過剰の場所では燃料電池セルに過剰な応力が加わらないようフェルトを削り取る必要がある。この操作を、図9に示すような燃料電池セルの全ての段の組みあげにおいて、F1〜F6の各導電性部材に行う必要がある。よって、フェルトを導電性部材として用いることは、スタックの製造工程を複雑にし、作業負荷が大きくなる。さらに、この操作の際、金属繊維くずが発生してしまうことがある。本発明による導電性部材にあっては、製造工程の複雑さを大幅に削減でき、また金属繊維くずの発生がない点でも非常に有利である。
燃料電池セルを積み上げて組み立てた後、燃料電池セルと導電性部材とを固定するために、スタックは焼き付け工程に付される。具体的には、800〜1000度程度の温度に加熱することにより、ニッケルペーストまたは白金ペーストの融着により、燃料電池セルと導電性部材とを固着させる。その後、燃料電池スタックは発電に供される。一方、本発明の別の態様にあっては、焼き付け工程を特に設けず、スタックを組み立てた後直ちに発電に供することで、発電の初期の加熱により実質的に焼き付け工程を実施してもよい。従って、本明細書において、焼き付けまたは焼き付け工程の用語は、発電前に加熱する焼き付け工程のみならず、発電時に加熱されることで焼き付け工程と同様の結果を得ようとする場合も、特に区別される場合を除き、これを含む意味で用いる。
本発明による導電性部材は、この焼き付け後、すなわち800〜1000度の高温にさらされた後にあっても、金属シートの、折り畳んで積層された界面から剥離可能な層構造を有することを大きな特徴とする。ニッケルフェルトは、複数のニッケル繊維が複雑に絡み合って繊維同士の接触面積が大きく構成されるため、このような高温にさらされた後、堅く焼結または固着し、一様な金属層を形成してしまい、積層に起因する層構造は失われる。しかし、本発明による導電性部材にあっては、連続した金属の柱により細孔を構成してなるため、立体的な強度を有し、また、金属繊維よりなるフェルトに比べて繊維同士あるいは柱同士が接触する接触面積が小さいため、金属シートを積層した層構造の接触面積も小さくなり、層構造を依然として維持していると考えられる。その結果、例えば図5の6aで示される金属シートの、折り畳んで積層された界面より層の間に剣先状のヤスリ等を差し込むことにより、容易に層間が剥離する。その結果、焼き付けまたは発電後に、一部の燃料電池セルと導電性部材の接触不良等による故障を修復することが容易であり、さらにその取り替えも容易である。またさらに、燃料電池セルをセル単位で交換することも容易となる。本発明による導電性部材を用いた燃料電池スタックは、メンテナンス性において極めて有利である。従って、本発明の別の態様によれば、燃料電池スタックのメンテナンス方法が提供され、その方法は、固体酸化物形燃料電池セルの複数を、導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなる燃料電池スタックのメンテナンス方法であって、導電性部材が、上記した本発明による金属シートからなり、焼き付け後または発電後に、前記導電性部材および/または前記燃料電池セルを取替えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、燃料電池セルの形状は、以上の説明にあるような筒形状を基本とするが、例えば図12に示されるような、電解質2、空気極3、燃料極4、および空気極3に接続されたインターコネクタ5とから構成され、かつ空気極3に二以上の円筒空間を有し、この内部Aの方向に酸素を含む空気を流すよう構成されていてもよい。この図にあっては、燃料極4の外部Bの方向に水素、一酸化炭素等を含む燃料ガスが流される。このような構造の燃料電池セルを用いた場合であっても、図13に示されるように、本発明による導電性部材6を使用してスタックを構成することができる。
本発明には、上記したように、導電性部材を幾つかに分割して燃料電池セルに取り付けることができ、その間隙を調整し、または分割した幾つかの導電性部材を設けない態様が含まれる。この態様について、以下説明する。
まず、その一つの好ましい態様によれば、燃料ガス排出側において、この分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないものとする。より具体的には、例えば、図9に示される態様において、F1、F2、F3およびF6を残し、燃料ガス排出側のF4および/またはF5を設けずに(好ましくはF5を設けずに)構成する。ここで、好ましくは、F1、F2、F3、およびF4の隙間を空けない(すなわち図中のT1=T2=T3=0とする)。あるいは、F1、F2、F3、F4、F5およびF6を全て設けるが、燃料ガス供給側のF1、F2およびF3の隙間を空けず(すなわち図中のT1=T2=0とする)、一方で燃料ガス排出側のF4、F5およびF6の隙間を空けて(すなわち図中のT3=T4=T5=Tとする)構成する。ここで、F4、F5およびF6の隙間(すなわち、T3、T4およびT5)は同一であっても、異なっていてもよい。燃料ガス排出側において、分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないものとすることは、供給される燃料ガスの濃度および/または温度が高いときに有利である。すなわち、燃料ガス供給側では、供給されたばかりの燃料ガスの濃度が高く、燃料電池の温度も高くなるため、高効率で発電がされる。一方で、この燃料ガス供給側の高効率の発電の結果、燃料ガス排出側では、燃料電池スタック中において燃料ガスはその濃度を下げる。また、燃料電池セルより排出される排燃料ガスと排空気の燃焼量が減少し、この影響を受け、燃料電池が温度低下を起こしやすくなる。その結果、燃料ガス排出側での発電効率は大きく落ち込むことになりかねない。さらに、燃料電池セルの軸方向の温度差は、熱応力により燃料電池セルと導電性部材の接続不良や燃料電池セルの破損につながる恐れもある。しかしながら、本発明における、上記の態様にあっては、燃料ガス排出側において導電性部材を設けなかった分だけ燃料ガスの移動空間が広くなり、燃料ガスの流速が下がり、燃料電池セルとの接触面積および時間が大きくなる。その結果、燃料電池セルの軸方向において発電効率および温度分布を均一化できるため、極めて有利である。なおここで、燃料ガス供給側および燃料ガス排出側とは、図9のB−Bに示される、燃料電池セルの軸方向のほぼ中央よりも左側を燃料ガス供給側といい、右側を燃料ガス排出側という。
一方で、燃料ガス供給側において、分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないものとすることが有利な場合もある。すなわち、燃料ガス供給側では、直列方向で生じる電流の取り出しによる熱が燃料電池セルと導電性部材の接続部分において生じたり、電極反応による熱が生じる。燃料ガス供給側においては、導電性部材が設けなかった分だけ燃料ガスの移動空間が広くなり、燃料ガスの流速が下がり、燃料電池セルとの接触面積および時間が大きくなる。さらに、燃料供給側では、温度伝導性に優れる水素の濃度が高い。よって、上記熱は、燃料ガスにより拡散され、過剰な蓄熱を効果的に抑制できる。その結果、燃料電池セルの軸方向において発電効率および温度分布を均一化でき、極めて有利である。燃料ガス供給側において、分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないとの具体的構成は、上記の燃料ガス排出側において、この分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けない構成の逆であればよい。従って、例えば、図9に示される態様において、燃料ガス供給側のF2および/またはF3を設けず(好ましくはF2を設けず)、F1、F4、F5およびF6を残して構成する。ここで、好ましくは、F4、F5およびF6の隙間を空けない(すなわち図中のT4=T5=0とする)。あるいは、F1、F2、F3、F4、F5およびF6を全て設けるが、燃料ガス供給側のF1、F2およびF3の隙間を空け(すなわち図中のT1=T2=Tとする)、一方で燃料ガス排出側のF4、F5およびF6の隙間を空けずに(すなわち図中のT3=T4=T5=0とする)構成する。ここで、F1、F2およびF3の隙間(すなわち、T1およびT2)は同一であっても、異なっていてもよい。
燃料ガス排出側において分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないものとするか、燃料ガス供給側において分割した導電性部材の間隙を調整し、またはその一部を設けないものとするかは、燃料ガスの組成、温度、燃料電池セルの効率、燃料電池スタックの構成等を勘案して決定さればよいが、そのいずれも本発明の範囲に含まれるものである。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
例1
図9〜図12に示される構造を有した燃料電池セルを以下のとおり製造した。まず、燃料電池セルとして、外径約16.0mm、長さ660mmよりなり、電気的な直列および並列の接続面に厚さ約40±20μmのニッケル金属膜を形成したものを準備した。燃料電池スタックの目標寸法は、図10に示される直列方向Lを66.2mm、並列方向Dを45.5mmとした。導電性部材の目付量が約0.50〜1.00g/cmになるようにセルメット♯8(住友電気工業株式会社製、厚さ0.8mm、0.55g/cm)を、図10に示される導電性部材は6層に、また、直列方向の内部へ形成する導電性部材は3層に折り畳んで積層して、準備した。次に、図9に示すような燃料電池セルの全ての段数において、F1〜F6の直列方向の各導電性部材を、図6に示されるようなプレス型10で圧縮し、図7のような凹面11を有する導電性部材6を作成した。また、並列方向における導電性部材も同様に作製した。その後、図7に示される界面6aへ剣先状のヤスリを差し込んで層状に広げることにより、図8のような空間12を備えたバネのような弾力性を有する導電性部材6に加工した。このとき、焼き付け後の導電性部材の厚みに対して、層状に広げた弾性を有する導電性部材の厚みが約106%〜111%とやや大きくなるようにした。続いて、燃料電池スタックを組み立てる際、導電性部材のズレを防いで機械的に積み上げるため、導電性部材6の燃料電池セルとの接続面にアクリル系の粘着剤を表面に塗布し、各導電性部材6を燃料電池セル1へ取り付けた。
次に、図10に示されるように、燃料電池スタックが接する面をムライト製の直列セラミック板14を有するインコネル製の耐熱金属板13よりなるスタック固定板15の上に、導電性部材6、燃料電池セル1、導電性部材6、ニッケルからなる金属シート9を下から順に積み上げ、スタック固定板15を配置した。次に、図11に示されるように、燃料電池スタックの並列側電極へ導電性部材6とムライト製の並列セラミック板16を配置し、周囲を断熱材17(ニチアス株式会社製、18HD)により囲み、断熱材17の上から燃料電池スタックを圧縮し、焼き付け前の寸法調整を行った。このとき、焼き付け後の導電性部材の厚さに対して導電性部材の厚さは、104%〜105%まで圧縮され、残りの導電性部材の厚さ約4〜5%は焼き付け時のスタック固定板と断熱材との熱膨張差により調整されるものとした。次に、断熱材17の端部を接着剤18(東亜合成株式会社製、アロンセラミックD)で固定した。
燃料電池スタックの開口端周辺をアルミナ系のセラミック繊維を配置し、燃料電池セルの外側を水素による還元雰囲気、燃料電池セル1の内側を空気による酸化雰囲気により、約900〜950度で焼成して目的の燃料電池スタックを得た。
この燃料電池スタックを水素により燃料利用率75%、電流密度0.20A/cm2で発電した。その後、金属板9に接続される2つの燃料電池セルを、それぞれ導電性部材6の積層部の界面より剣先状のヤスリを差し込んで層状に密着された積層面を連続して広げ、層の中央部を開いた。そして、他の燃料電池セル1に影響を与えることなく、1つの燃料電池セル1を取り外すことができた。
例2(比較例)
例1と同様の燃料電池セルを用意し、同様の構造および大きさの燃料電池スタックを例1の製造法に準じて製造した。但し、導電性部材として、ニッケルフェルト(ベカルトアジア社製、繊維径12μm、厚さ1.0mm、目付量0.9g/cm)を用いた。フェルトの目付量は、約0.50〜1.50g/cmになるようにした。
なお、図9に示されるスタックの組みあげにあたり、ニッケルフェルトを薄く0.2〜0.5mmの範囲で削って薄いシートを作製して、各燃料電池セル1と導電性部材6の隙間が部分的に広い場合にはこれを追加した。また同間隔が狭く、燃料電池セルに応力がかかりすぎると思われる場所では、ニッケルフェルトを削って量を調整した。このような操作を、図9に示すような燃料電池セルの全ての段数において、F1〜F6の各導電性部材について行った。
この燃料電池スタックを水素により燃料利用率75%、電流密度0.20A/cm2で発電した。その後、金属板9に接続される2つの燃料電池セルをそれぞれ導電性部材の積層部の界面より剣先状のヤスリやカッターを差し込んで層状に密着された積層面を連続して広げ、層の中央部を開こうとしたが、インターコネクタ部が剥離を生じたり、導電性部材6が一体で剥がれて他の燃料電池セル1に影響せず、1つの燃料電池セル1を取り外すことはできなかった。

Claims (21)

  1. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、直列および/または並列に電気的に接続して、燃料電池スタックとするために用いられる導電性部材であって、
    連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、前記骨格の軸径が35〜80μmの範囲にあることを特徴とする、導電性部材。
  2. 前記三次元多孔構造が有する空隙の直径が0.30〜0.80mmの範囲にある、請求項1に記載の導電性部材。
  3. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、直列および/または並列に電気的に接続して、燃料電池スタックとするために用いられる導電性部材であって、
    連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、該金属シートが連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する樹脂に、金属メッキを施すことにより得られたものであることを特徴とする、導電性部材。
  4. 前記三次元多孔構造が有する空隙の直径が0.30〜0.80mmの範囲にある、請求項3に記載の導電性部材。
  5. 前記骨格の軸径が35〜80μmの範囲にある、請求項3または4に記載の導電性部材。
  6. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなる燃料電池スタックであって、
    前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、前記骨格の軸径が35〜80μmの範囲にあることを特徴とする、燃料電池スタック。
  7. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなる燃料電池スタックであって、
    前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、該金属シートが連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する樹脂に、金属メッキを施すことにより得られたものであることを特徴とする、燃料電池スタック。
  8. 前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートの複数を積層して構成されてなるものである、請求項6または7に記載の燃料電池スタック。
  9. 前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートを複数回折り畳んで構成されてなる、請求項6または7に記載の燃料電池スタック。
  10. 焼き付け後または発電後、前記金属シートの積層部分または折り畳み部分の界面から剥離可能な層構造を有するものである、請求項8または9に記載の燃料電池スタック。
  11. 前記積層構造の前記導電性部材の厚さが1.0mm〜6.0mmである、請求項6〜10のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  12. 前記固体酸化物形燃料電池セルが、電解質と、空気極と、燃料極と、前記空気極または燃料極に接続されてなるインターコネクタとを少なくとも備えてなり、筒形状を有するものである、請求項6〜11のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  13. 焼き付け後または発電後の請求項6〜12のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  14. 前記導電性部材が、燃料電池セルの軸方向の全長にわたり設けられてなる、請求項6〜13のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  15. 直列方向の前記導電性部材が、燃料電池セルの軸方向の全長にわたり設けられてなる、請求項14に記載の燃料電池スタック。
  16. 前記導電性部材が、複数に分割されて、燃料電池セルの軸方向の全長にわたり設けられてなる、請求項6〜13のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  17. 直列方向の前記導電性部材が、複数に分割されて、燃料電池セルの軸方向の全長にわたり設けられてなる、請求項16に記載の燃料電池スタック。
  18. 前記導電性部材が、燃料電池セルの一部にのみ設けられてなる、請求項6〜13のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
  19. 直列方向の前記導電性部材が、燃料電池セルの一部にのみ設けられてなる、請求項18に記載の燃料電池スタック。
  20. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなる燃料電池スタックのメンテナンス方法であって、
    前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、前記骨格の軸径が35〜80μmの範囲にあるものであり、
    焼き付け後または発電後に、前記導電性部材および/または前記燃料電池セルを取替えることを特徴とする、方法。
  21. 固体酸化物形燃料電池セルの複数を、導電性部材によって直列および/または並列に電気的に接続してなる燃料電池スタックのメンテナンス方法であって、
    前記導電性部材が、連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する金属シートからなり、該金属シートが連続した骨格からなる、三次元多孔構造を有する樹脂に、金属メッキを施すことにより得られたものであり、
    焼き付け後または発電後に、前記導電性部材および/または前記燃料電池セルを取替えることを特徴とする、方法。
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