JP3962935B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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JP3962935B2 JP00746398A JP746398A JP3962935B2 JP 3962935 B2 JP3962935 B2 JP 3962935B2 JP 00746398 A JP00746398 A JP 00746398A JP 746398 A JP746398 A JP 746398A JP 3962935 B2 JP3962935 B2 JP 3962935B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性、密着性、耐衝撃性、耐薬品性等に優れ、さらに脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶剤に可溶で、優れた塗膜が得られるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エポキシ樹脂を主剤とする組成物は一般的に機械物性質、耐水性、耐食性、密着性、耐化学薬品性、耐熱性、電気特性などの優れた効果を発現する為、接着剤、塗料、積層板、IC封止材、成形材料など幅広い分野で使用されている。
【0003】
なかでも、塗料用途においては、通常、溶媒に溶解させて使用するため、使用される希釈溶媒としては、毒性が低く、また、補修用塗料として旧塗膜上に塗装した場合にリフティング等の塗膜欠陥を起こさないものが求められている。
【0004】
そこで、低毒性で、かつ、補修塗装時の耐リフティング性に優れた希釈溶媒としてミネラルスピリットに代表される脂肪族炭化水素を主成分とする溶剤が多く使用される様になってきている。
【0005】
このミネラルスピリットへの溶解性に優れ、補修用塗料として有用なエポキシ樹脂としては、例えば、特開平9−227825号公報には、炭化水素原子数5以上のアルキル基を芳香核上の置換基として有するノボラック型樹脂と1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂との反応物を用いミネラルスピリットに溶解した塗料組成物が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平9−227825号に記載のエポキシ樹脂組成物は、塗装環境並びに塗装作業性、更に補修用塗料として旧塗膜上に塗装した場合のリフティングの問題を解決できるものの、得られる硬化塗膜の硬化塗膜の耐衝撃性、耐食性、硬化性に劣るものであった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、脂肪族炭化水素を主成分とする溶剤を用いた場合の相溶性に優れる為に、取り扱いの安全性や塗料用途における耐リフティング性が良好であると共に、硬化物の耐衝撃性及び耐食性に著しく優れるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を結果、特定構造のエポキシ樹脂を用いた結果、硬化物の耐衝撃性及び耐食性が向上する共に、更に脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤との相溶性が著しく改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するノボラック型エポキシ樹脂(a1)を、多官能性フェノール類(a2)で鎖伸長した構造を有するエポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)とを必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
【0010】
本発明で使用する炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するノボラック型エポキシ樹脂を、多官能性フェノール類で鎖伸長した構造を有するエポキシ樹脂(A)は、既述の通り脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)に良好に溶解されるため、当該有機溶剤(C)並びに硬化剤(B)と組合せた塗料は塗装環境、塗料作業性がよく、更に旧塗膜に塗り重ねても旧塗膜を溶解もしくは膨潤させず、リフティング等の塗膜欠陥の発生が防止出来、かつ、耐衝撃性、耐薬品、耐食性、密着性等の優れた塗膜が得られる。
【0011】
本発明で使用する炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するノボラック型エポキシ樹脂(a1)は、その構造が特に限定されるものではないが、例えばフェノール性水酸基を有する芳香族類の芳香環上に脂肪族炭化水素基を置換基として有するノボラック樹脂とエピハロヒドリンとを反応せしめて得られる構造を有するものが挙げられる。
【0012】
この様な炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するノボラック型樹脂とエピハロヒドリンとの反応物であるエポキシ樹脂(a1)は、例えば、以下の方法によって製造できる。
【0013】
即ち、脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノール類とケトン類とを反応させ、ノボラック樹脂を得、次いで、これとエピハロヒドリンと反応させてグリシジル化し、炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するエポキシ樹脂(a1)を得ることができる。
【0014】
脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノール類とケトン類とを反応させて得られるノボラック樹脂は、最終的に得られるエポキシ樹脂(A)の溶液中の適正な粘度を保持するために、芳香核の平均核体数が2〜6核体のものが好ましく、なかでも2〜4核体のものが好ましい。
【0015】
ここで用いる脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノール類としては、脂肪族炭化水素置換基の位置及び置換数は任意であればよく、脂肪族炭化水素置換基は直鎖状、分岐状の何れでもよいが、脂肪族炭化水素置換基一つあたりの炭素原子数は4〜18である。この様なフェノール類としては、例えば、ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール等のアルキルフェノールが挙げられる。また、本発明において、前記フェノール類は1種単独でも使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0016】
また、当該反応で使用するケトン類としては特に限定しないが、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、ベンズアルデヒド等があり、好ましくはホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが挙げられる。
【0017】
脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノール類とケトン類との反応に用いられる触媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、リン酸、サリチル酸、安息香酸、シュウ酸等の如き酸性触媒、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の如き塩基性触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の如き金属塩触媒が挙げられる。
【0018】
また、次にノボラック樹脂とエピハロヒドリンとの反応条件は、特に制限されるものではないが、例えば、前記ノボラック樹脂の水酸基の1当量に対し、エピハロヒドリンを0.3〜10当量添加し、塩基の存在下に、40〜100℃で常圧または、減圧下で、場合によっては反応溶媒として、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を用いることが不純物ハロゲン原子を低減できる点から好ましい。
【0019】
グリシジル化の際に用いる塩基は特に限定されるものではなく、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられるが、中でも水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが好ましい。また、これら塩基は、反応系内で、水溶液、固形のいずれであっても良い。
【0020】
本発明に係わるエピハロヒドリンとしては特に限定はしないが、好ましくはエピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられるが、なかでも反応性の点からエピクロルヒドリンが好ましい。
【0021】
この様にして得られるエポキシ樹脂(a1)は、300〜1000g/eqであることが、最終的に得られるエポキシ樹脂(A)の、有機溶剤(C)への溶解性、及び、塗膜性能の点から好ましい。
【0022】
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、上記エポキシ樹脂(a1)を、多官能性フェノール類(a2)で鎖伸長することによって得られる。多官能性フェノール類(a2)としては、例えば、上記フェノールノボラック類または、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールF等のビスフェノール類、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂類、t−ブチルカテコール等のジヒドロキシベンゼン類が挙げられる。エポキシ樹脂(a1)と多官能性フェノール類(a2)との反応条件は特に制限されるものではないが、第四級オニウム塩、アルカリ金属水酸化物等の塩基性触媒の存在下に、130〜200℃の温度条件下に行うことができる。ここで、エポキシ樹脂(a1)と多官能性フェノール類(a2)との反応比率は特に制限されるものではないが、得られるエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量を適正範囲に調整できる点からエポキシ樹脂(a1)/多官能性フェノール類(a2)の重量比で100/1〜100/85の範囲が好ましい。
【0023】
この様にして得られるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量300〜5000g/eqの範囲が、硬化塗膜の耐衝撃性、耐食性、そして硬化性が著しく良好となる点から好ましい。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分としてここまで記した(A)の成分のみならず、更に他のエポキシ樹脂を配合してもよい。
【0025】
他のエポキシ樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0026】
本発明の樹脂組成物の(B)成分として用いられる硬化剤は、従来からエポキシ樹脂用硬化剤として通常使用されているものが特に制限なく利用出来るが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノールノボラック樹脂、ポリアミン類、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、ポリアミド樹脂類が挙げられる。
【0027】
これらのなかでも脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)との相溶性の点から炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するフェノールノボラック樹脂、および、相溶性、耐衝撃性、反応性、密着性、耐食性、耐湿性等の塗膜性能に著しく優れる点からポリアミド樹脂が好ましい。
【0028】
このポリアミド樹脂としては、特に制限されるものではないが、肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)との相溶性の点から、例えば、脂肪族系多官能性アミンと脂肪族ジカルボン酸とから形成されるものが好ましく、脂肪族系多官能性アミンとして、ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、トール油脂肪酸などの、リノレン酸、リノール酸等からなるダイマー酸等が挙げられる。
【0029】
この硬化剤(B)の使用量は特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基に対する、硬化剤(B)中の活性水素が0.6〜1.0当量となる範囲であることが好ましい。
【0030】
また、本発明においては、上記硬化剤(B)に加え、更に硬化促進剤を併用してもよい。硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、DBU等の第三級アミン類、2メチル4エチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類が挙げられる。
【0031】
本発明の樹脂組成物の成分として用いられる脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等のアルカン、シクロヘキサン、デカリン等のシクロアルカン、もしくは、これらを主成分とする、工業用ガソリンであるJIS K 2201の4号(ミネラルスピリット:引火点30℃以上、50%留出温度180℃以下、蒸留終点205℃以下)、工業用ガソリンJIS K 2201の5号(クリーニングソルベント:引火点38℃以上、50%留出温度180℃以下、蒸留終点210℃以下)等の有機溶剤が挙げられる。
【0032】
これらのなかでも引火点が高く塗装環境が良好である点また、補修用塗料として使用した場合のリフティング等の塗膜欠陥の防止効果が良好である点からJIS K 2201の4号またはJIS K 2201の5号が好ましい。
【0033】
脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)の使用量としては特に制限されるものではなく、寧ろ優れた相溶性を有する為に、所望の固形分含量に設定できるものであるが、特に塗料用組成物としては、塗装作業性の点から組成物中の不揮発分(フィラー等の添加剤を除く樹脂成分)の含有率で50〜98重量%であることが好ましい。
【0034】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)のみならず、必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で、従来からエポキシ樹脂用溶剤として通常使用されているその他の有機溶剤を併用してもよい。
【0035】
その他の有機溶剤としては、例えばトルエン等の芳香族炭化水素系、メチルエチルケトン等のケトン類、1−ブタノール等のアルコール類、ブチルセロソルブ等のエステル類等が挙げられる。
【0036】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に塗料用途としては、防錆顔料、着色顔料、体質顔料などの各種フィラーや各種添加剤等を配合することが好ましい。
【0037】
前記防錆顔料としては亜鉛粉末、リンモリブチン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、クロム酸バリウムあるいはアルミニウム、グラファイト等の鱗片状顔料が、着色顔料としてはカーボンブラック、酸化チタン、硫化亜鉛、ベンガラ、体質顔料としては硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等が代表的なものとして挙げられる。
【0038】
これらのフィラーの配合量は特に特定されないが、エポキシ樹脂組成物中約20〜70重量%となる範囲であることが塗料としての塗装性、塗膜性能の点から好ましい。
【0039】
前記添加剤としては、例えばハジギ防止剤、ダレ止め剤、流展剤、消泡剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中「部」、「%」は重量基準である。
【0041】
合成例1[p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンからのエポキシ樹脂の合成]
温度計、適下ロート、冷却管、撹拌機、邪魔板を備えた、下部に分液コック付きの5リットルのセパラブルフラスコに、p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂(平均核体数2.1)500g、エピクロルヒドリン450g、イソプロピルアルコール125gを仕込、撹拌、溶解させ、40℃に加熱した。その後適下ロートより、20%水酸化ナトリウム水溶液の 705gを3時間かけて適下した。適下終了後30分間撹拌を続け、反応を完結させた。その後撹拌を停止し静置し、下層の食塩水を分液し除いた。次に、過剰のエピクロルヒドリン、イソプロピルアルコール、水を蒸留回収した。得られた粗樹脂をトルエン675gで溶解させ、5%水酸化ナトリウム水溶液を125g加え、80℃、3時間撹拌した。その後水洗により生成した塩、及びアルカリを油水分離させて、除去し、脱水、濾過を経てトルエンを蒸留回収させてエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は307g/eqであった。
【0042】
合成例2[p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンからのエポキシ樹脂の合成]
エピクロルヒドリンの量を225g用いるように変更した以外は合成例1と同様にしてエポキシ樹脂(b)を得た。得られたエポキシ樹脂(b)のエポキシ当量は356g/eqの樹脂であった。
【0043】
合成例3[p−セカンダリーブチルフェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンからのエポキシ樹脂の合成]
p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂に代えてp−セカンダリーブチルフェノールノボラック樹脂(平均核体数2.1)500g用い、かつ、エピクロルヒドリンの量を225g用いるように変更した以外は合成例1と同様にしてエポキシ樹脂(c)を得た。得られたエポキシ樹脂(c)のエポキシ当量は360g/eqの樹脂であった。
【0044】
合成例4[ノボラック型エポキシ樹脂と多官能性フェノール類との鎖伸長物の合成]
温度計、冷却管、撹拌器、邪魔板を備えた、2リットルのセパラブルフラスコに、合成例1で得られたエポキシ樹脂(a)300gと、p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂(平均核体数2.1)40gを仕込、撹拌、溶解させ、80℃に加熱した。そこにテトラメチルアンモニウムクロライド50%水溶液を0.5g添加し、140℃で6時間加熱してエポキシ樹脂(d)を得た。得られたエポキシ樹脂(d)のエポキシ当量は470g/eqの樹脂であった。
【0045】
合成例5[ノボラック型エポキシ樹脂と多官能性フェノール類との鎖伸長物の合成]
合成例2で得られたエポキシ樹脂(b)300gと、p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂(平均核体数2.1)30gを用いるように変更した以外は合成例4と同様にしてエポキシ樹脂(e)を得た。得られたエポキシ樹脂(e)のエポキシ当量は510g/eqの樹脂であった。
【0046】
合成例6[ノボラック型エポキシ樹脂と多官能性フェノール類との鎖伸長物の合成]
p−ターシャリブチルフェノールノボラック樹脂を、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂(日本石油化学社製 日石特殊フェノールDPP−M)20gに変更した以外は合成例5と同様にしてエポキシ樹脂(f)を得た。得られたエポキシ樹脂(f)のエポキシ当量は470g/eqの樹脂であった。
【0047】
合成例7[ノボラック型エポキシ樹脂と多官能性フェノール類との鎖伸長物の合成]
合成例3で得られたエポキシ樹脂(c)300gと、p−セカンダリーブチルフェノールノボラック樹脂(平均核体数2.1)30gを用いるように変更した以外は合成例4と同様にしてエポキシ樹脂(g)を得た。得られたエポキシ樹脂(g)のエポキシ当量は520g/eqの樹脂であった。
【0048】
合成例8[比較用、変性エポキシ樹脂の合成]
温度計、撹拌機及び冷却管を取り付けた反応器にミネラルスピリット(不揮発分として60%となる量)となる、ようにノニルフェノールノボラック樹脂を溶解させ、「EPICLON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量=188g/eq、粘度12,500mmPa・s)を、エポキシ樹脂のモル数/ノボラック樹脂のフェノール性水酸基数の比を、1.5/2になるように仕込み、水酸化カリウムを全樹脂料に対して0.01%添加し150℃でエポキシ当量が680g/eq(固形分値)となるまで、撹拌しながら反応させた。その後40℃に冷却した。得られた変性エポキシ樹脂(h)のエポキシ当量は685g/eqであり、樹脂溶液は透明であった。
【0049】
[エポキシ樹脂の脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤への溶解性の評価]
実施例1〜8
合成例4〜7で得られたエポキシ樹脂に、硬化剤として「ラッカマイド N−153−IM65」(大日本インキ化学工業(株)製、ポリアミド樹脂:活性水素当量=470)を当量配合し、この各樹脂組成物の脂肪族系有機溶剤への溶解性をテストした。テスト結果を表−1に示す。
【0050】
比較例1、2
合成例8で得られたエポキシ樹脂に、硬化剤として「ラッカマイド N−153−IM65」(大日本インキ化学工業(株)製、ポリアミド樹脂:活性水素当量=470)を当量配合し、実施例1〜8と同様に脂肪族系有機溶剤への溶解性をテストした。テスト結果を表−1に示す。
【0051】
比較例3、4
「EPICLON 850」(大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ当量=188g/eq、粘度12500mmPa・S(25℃)、以下これを「エポキシ樹脂(i)と略記する」)に、硬化剤として「ラッカマイド N−153−IM65」(大日本インキ化学工業(株)製、ポリアミド樹脂:活性水素当量=470)を当量配合し、実施例1〜6と同様に脂肪族系有機溶剤への溶解性をテストした。テスト結果を表−1に示す。
【0052】
ここで、実施例1〜8及び比較例1〜4における溶解性テストは以下の方法に従って行った。
[70%溶液の低温溶解性]
エポキシ樹脂(d)〜(i)の70部に対して、脂肪族炭化水素系有機溶剤を30部と、所定量の硬化剤を配合したエポキシ樹脂溶液を、5℃で24時間静置し、透明性を判定した。
○ 透明 × 白濁
【0053】
[希釈価]
エポキシ樹脂(d)〜(i)に、各脂肪族炭化水素系有機溶剤及び硬化剤をそれぞれ加え、白濁に要する溶剤の重量を求め、次式により算出した。
【0054】
【式1】
Figure 0003962935
但し、希釈価=1000となるまで溶剤を加えても透明な場合は1000↑と表記した。
【0055】
【表1】
Figure 0003962935
【0056】
表−1からも明かな通り、本発明で使用するエポキシ樹脂組成物である実施例1〜8及び、比較例1,2は透明性が良く、(すなわち、脂肪族系有機溶剤によく溶解し)貯蔵安定性が良かった。一方、比較例3,4は白濁し、溶媒への溶解性が悪く塗料用として実用上、使用出来ないものであった。すなわち、脂肪族系有機溶剤が使用できないものであった。
【0057】
次に、実施例1〜8で得られたワニス(各脂肪族炭化水素系有機溶剤による70%溶液)につき、表−2に示す成分を配合し、塗料を調整した。この塗料の乾燥性、硬化性、及び、塗膜の耐食性、耐薬品性、耐衝撃性の試験をし、その結果を表−2に示した。
【0058】
また、比較例1、2で得られたワニス(各脂肪族炭化水素系有機溶剤による70%溶液)に、表−3に示す成分を配合し、塗料を調整した。この塗料の塗装状態、硬化性、塗膜の耐食性、耐薬品性、耐衝撃性、乾燥性の試験をし、結果を表−3に示した。
【0059】
ここで、実施例1〜8及び比較例1、2における塗装状態、耐食性及び耐薬品性、耐衝撃性、乾燥性及び硬化性の各テストは以下の方法に従って行った。
[塗装状態]
3本ロールミルで混練した塗料の粘度を95±5KU(25℃)に調整した後、20℃、5時間放置し、塗料状態を観察した。
【0060】
○:異常なし。
×:ワニス分離。
【0061】
[耐食性及び耐薬品性]
作製した塗料を、冷間熱延鋼板:JIS,G,3141(SPCC,SB)、0.8×70×150mmのサンドペーパー#240表面処理板にバーコーターにて膜厚40μになるように塗布し、25℃、7日間硬化、乾燥させ試験片を作製した。
【0062】
次いで、JIS K5400−7,8に準拠して塩水噴霧試験(300時間)した。
○:異常なし。
△:フクレ発生、錆なし。
×:著しいフクレ、錆発生。
【0063】
また、前記試験片を10%NaOH水溶液、10%塩酸水溶液に、25℃、7日間浸漬した。
○:異常なし。
△:フクレ発生、錆なし。
×:著しいフクレ、錆発生。
【0064】
[耐衝撃性]
JIS K5400−7,8に準拠してデュポン式衝撃試験を、荷重1kgで実施した。
【0065】
◎:50cm異常なし。
○:45cmまで異常なし。
△:40cmまで異常なし。
×:35cmまで異常なし。
××:30cm以下。
【0066】
[乾燥性及び速硬化性]
作製した塗料を、ガラス板にドクターブレードにて膜厚40μになるように塗布し、塗膜硬化速度試験機にて、25℃での乾燥、硬化時間を測定した。
【0067】
【表2】
Figure 0003962935
【0068】
【表3】
Figure 0003962935
【0069】
表−2からも明らかの通り、実施例1〜6は、いずれも塗料安定性がよく乾燥性、硬化性に優れ、また得られる塗膜は耐食性、耐衝撃性、耐薬品性ともに優れていた。
【0070】
一方、表−3から比較例1、2は塗料安定は優れるものの、乾燥性、硬化性、及び塗膜の耐食性、耐衝撃性、耐薬品性に劣る。
【0071】
また、実施例1〜8の塗料を塩化ゴム系旧塗膜(1ヶ年間屋外曝露したもの)及びアルキド樹脂系旧塗膜(1ヶ年間屋外曝露したもの)にそれぞれ塗布し、5時間後観察したところ異常は全く認められなっかった。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、脂肪族炭化水素を主成分とする溶剤を用いた場合の相溶性に優れ、取り扱いの安全性や塗料用途における耐リフティング性が良好であると共に、硬化物の耐衝撃性及び耐食性に著しく優れるエポキシ樹脂組成物を提供できる。

Claims (6)

  1. 炭素原子数4〜18の脂肪族炭化水素基を芳香核上の置換基として有するノボラック型エポキシ樹脂(a1)を、多官能性フェノール類(a2)で鎖伸長した構造を有するエポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、脂肪族炭化水素系有機化合物を主成分とする有機溶剤(C)とを必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(a1)が、エポキシ当量300〜1000g/eqのものである請求項1記載の組成物。
  3. 有機溶剤(C)が、ミネラルスピリットまたはクリーニングソルベントである請求項記載の組成物。
  4. 硬化剤(B)が、ポリアミド樹脂である請求項1〜の何れか記載の組成物。
  5. (A)〜(C)の各成分に加え、さらに硬化促進剤(D)を含有する請求項1〜の何れか1つに記載の組成物。
  6. 組成物中の不揮発分含有量が50〜98重量%となる範囲である請求項1〜の何れか1つに記載の組成物。
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