JP3962347B2 - 回路基板および半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロストリップ線路を用いた回路基板、及びチップ実装を用いた半導体装置と実装方法に関するものであり、特に準ミリ波〜ミリ波領域で使用する高周波半導体装置およびその集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信分野の進展は著しく、扱う周波数帯もマイクロ波帯からミリ波帯へとより高い周波数への展開が図られている。それに伴ってこれらの通信機器に用いられるトランジスタの高速化も著しく、最近ではヘテロ接合化合物半導体トランジスタなどで100GHzを越えるカットオフ周波数をもつデバイスが実現されている。ところが、このようなマイクロ波〜ミリ波の高周波になると、トランジスタ特性もさることながら、回路実現のための実装方法が問題になる。たとえば実装工程を経た後に寄生容量や寄生インダクタンスが新たに生じることが多く、これらの寄生成分が通信機器に与える影響は周波数に比例して大きくなるため、高周波になればなるほどこれら寄生リアクタンス成分を小さく抑える必要がある。また、マイクロ波〜ミリ波の周波数帯を扱う通信機器においては、回路を構成する部材間に存在する接続要素等の寸法が波長に対して無視できない大きさとなるので、設計時には構成要素の物理的寸法を十分考慮する必要が生じる。また、当然のことながら、受動素子や線路などの回路部品には極めて正確な精度が要求される。
【0003】
このような問題に対処しながら、低コスト・高性能で、かつ応用範囲の広い準ミリ波〜ミリ波半導体集積回路を実現するための従来技術として、非特許文献1等に示されるMFIC(Millimeter-wave Flip-chip IC)と呼ばれる技術が提案されている。この技術はマイクロバンプボンディング法(以下MBB法と書く)とよばれるフリップチップ実装技術を用いて寄生効果を抑えたIC(モジュール)技術であり、半導体プロセスの精密性・量産性を活かしながら設計自由度をも確保し、高性能なミリ波帯ICを低コストで実現できるのが特徴である。
【0004】
図13は、このMFICの構造の一部を示す断面図である。同図において、符号と部材の関係は以下の通りである。550は回路基板、500はSi等の基板、501は基板500の主面上に形成されたAu膜からなる接地導体膜、502はSiO2膜からなる誘電体膜、503は誘電体膜502上に導電性材料を堆積した後パターニングして形成された第1の配線導体膜をそれぞれ示す。上記第1の配線導体膜503,接地導体膜501及び誘電体膜502によりマイクロストリップ線路が構成されている。なお、504は第1の配線導体膜503中の電極パッドを示す。また、回路基板550上の配線導体膜503中には、NiCrからなる抵抗体膜509が介設されている。また、回路基板550上には、第1の配線導体膜503を下部電極とし、SiNからなる層間絶縁膜510を容量部とし、Auからなる第2の配線導体膜511を上部電極とするMIM構造のキャパシタ512が形成されている。さらに、誘電体膜502の一部に形成されたバイアホールに上記第2の配線導体膜511を構成する金属が埋め込まれてなる埋め込み部材513が設けられており、この埋め込み部材513を介して第2の配線導体膜511が接地導体膜501に接続されている。
【0005】
そして、回路基板550には、化合物半導体等で構成された高周波トランジスタを内蔵する半導体チップ508が主面側を下方に向けた状態でフリップチップ接続されている。すなわち、半導体チップ508の主面側には電極パッド507が設けられており、この電極パッド507と回路基板550上の電極パッド504とがマイクロバンプ506を介して接続されている。
【0006】
なお、半導体チップ508と回路基板550との間には光硬化性絶縁樹脂505が介在しており、この光硬化性絶縁樹脂505により半導体チップ508が回路基板550上に固定され、かつ光硬化性絶縁樹脂505の収縮力によりマイクロバンプ506による接続状態が強固なものとなっている。このようなフリップチップ実装法はMBB法とよばれ、実装後のバンプの高さが数μm以下と非常に小さくでき、かつ信頼性が高いのが特徴である。
【0007】
以上のように、MFICはMBB法によるフリップチップ実装技術を利用することにより、マイクロバンプ506の厚みを数μm以下にすることができるので、マイクロバンプ506が介在することによる寄生インダクタンスは極めて低いレベル(数pH)に抑えることができ、ミリ波帯においても十分使用できる。また、MFIC内のマイクロストリップ線路は半導体プロセスを用いて作製できるので、アルミナ基板等の上に印刷技術を応用して配線を行う通常のハイブリッドICに比べてはるかに高精度のパターニングが実現できる。すなわち、図13に示されるように、半導体プロセスでマイクロストリップ線路だけでなく抵抗体やMIMキャパシタのような受動素子を基板上に集積することが可能である。さらに、同じく半導体プロセスを用いるMMIC(Millimeter-wave Monoloithic IC)に比べても、MFICにおいては、受動回路を化合物半導体基板上ではなくSi等の安価な基板上に形成できるので大幅な低コスト化が可能になる。
【0008】
しかし、MFICでは薄膜誘電体膜を用いてマイクロストリップ線路を用いるために、マイクロストリップ線路の損失が比較的大きくなるという問題があった。そこで、非特許文献2等に示されるように、マイクロストリップ線路を構成する誘電体膜502にBCB(ベンゾシクロブテン)等の有機膜を用いるという技術が提案されている。BCBは液状の原材料を基板表面にスピンコートしてベーキングするという簡単な工程で誘電体膜を容易に形成できる。しかも、BCB膜の誘電損失はCVD等で作製したSiO2に比べて1桁近く低く、SiO2より厚い膜(10μm以上)が容易に作製できる。膜厚が厚ければ同一インピーダンスを実現する線路幅が広くなるので、線路の抵抗成分が小さくなり、損失が低減する。すなわち、BCBを用いることでMFIC基板の生産性が大きく向上するだけでなく、誘電損失も導体損失も減らすことができ、MFICのマイクロストリップ線路の損失を大きく低減することができる。
【0009】
【非特許文献1】
電子情報通信学会1994年秋季大会講演論文集第39項
【0010】
【非特許文献2】
電子情報通信学会1996年総合大会講演論文集エレクトロニクス1巻第78項
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、BCB膜等の有機樹脂膜を用いたMFICによると上記の問題は解決できるが、以下に示すような新たな問題が発生する。
【0012】
第1の問題は、抵抗体膜が断裂することである。MFIC基板上の抵抗体はNiCr等の金属薄膜を所望の抵抗値になるようにパターンニングして形成されるが、その厚さは後述する理由により数10nm〜数100nmと非常に薄い。一方、その下部にある有機樹脂は熱伝導率が低く、熱が逃げにくい性質を持っている。従って実使用状態で抵抗体膜に電流を流して抵抗が発熱した際、熱が逃げにくいため抵抗体下方の有機樹脂膜の温度が局部的に上昇する。この温度上昇により有機樹脂膜が熱膨張して厚みが増すために、薄く堅い抵抗体膜の発熱する中央部が下から押し上げられる形になり、つまり抵抗体膜が曲げ応力を受ける。また、一般的に有機樹脂の熱膨張率は大きいので、抵抗体が引っ張り応力を受ける。このような曲げ応力や引っ張り応力によって、抵抗体が断裂を起こしてしまうという問題があった。
【0013】
我々の実験では、例えば厚みが26μmのBCB膜の上に大きさ50μm×50μm、厚さ100nmのNiCr膜で抵抗体膜を形成した場合、わずか数mAの電流を流すと断線してしまうことが分かった。抵抗体膜の膜厚を厚くすることで断裂を起こしにくくすることも考えられるが、そうすると抵抗体膜のシート抵抗値が小さくなってしまうため同じ抵抗値を実現するのに長いパターンが必要になる。ところが、抵抗体膜の長さがあまりに長くなるとインダクタンスなどの寄生成分の増加を招いてしまうので、膜厚増加には限度がある。
【0014】
第2の問題も、有機樹脂膜の放熱性の悪さに起因する半導体チップの温度上昇の問題である。MFICのたとえばパワーアンプ等への応用を考えた場合、パワーアンプの最高電力値を上昇させるのに、半導体チップからの発熱をどれだけ放熱できるかが大きな鍵となるが、従来の半導体装置のごとくフェースダウンで実装された半導体チップの下方に熱伝導率が低い有機樹脂膜が存在していると、熱が放散せず、半導体装置チップの温度が過上昇して、トランジスタ等の特性を悪化させるおそれがあった。
【0015】
本発明の第1の目的は、抵抗体膜の発熱を効率よく放散させる手段を講じることより、抵抗の断裂のない、信頼性の高い回路基板を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、MFIC基板の構成および実装方法を改良することにより、実装チップの放熱特性を向上させ、パワーアンプのように大電力を扱うことのできるMFICを実現することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の回路基板は、少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、上記接地用導体部の上に形成され一部に厚みの薄い凹部を有する誘電体膜と、上記誘電体膜の凹部において上記誘電体膜の上で上記誘電体膜を挟んで上記接地用導体部と対抗するように形成され、導体又は半導体からなる発熱性膜と、上記発熱性膜に接続され上記誘電体膜及び上記接地用導体部と共にマイクロストリップ線路を構成する配線導体膜とを備えている。
【0018】
これにより、発熱性膜が誘電体膜の薄くなった部分を挟んで接地導体部に対抗しているので、発熱性膜からの熱が接地用導体膜に拡散し、発熱性膜の下方における誘電体膜の局部的な熱膨張が抑制される。また、誘電体膜の厚みが薄くなっているので、熱膨張による誘電体膜の厚みの増大量が小さくなり、発熱性膜が受ける曲げ応力等は極めて小さいものとなる。したがって、以上の2つの作用により、発熱性膜の断裂が防止される。
【0019】
また、本発明の第2の回路基板は、少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、上記接地用導体部の上に形成され、一部が全厚みに亘って除去されてなる凹部を有する誘電体膜と、上記誘電体膜の凹部内の上記接地用導体部を少なくとも覆うように形成された層間絶縁膜と、上記誘電体膜の凹部において上記層間絶縁膜の上に上記誘電体膜を挟んで上記接地用導体部と対抗するように形成され、導体又は半導体からなる発熱性膜と、上記発熱性膜に接続され上記誘電体膜及び上記接地用導体部と共にマイクロストリップ線路を構成する配線導体膜とを備えている。
【0020】
これにより、発熱性膜の下方には誘電体膜が存在していないので、誘電体膜の局部的な熱膨張による発熱性膜の断裂は生じることがない。ただし、発熱性膜の下方には、接地用導体膜とのショートを回避すべく層間絶縁膜が存在するが、この層間絶縁膜の厚みは極めて薄くてもよく、材質も熱伝導率の高いものや熱膨張率の小さなものを選択できるので、発熱性膜の受ける熱応力を極めて小さくすることが可能となる。したがって、発熱性膜の断裂がより確実に防止される。
【0021】
本発明の第3の回路基板は、なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、上記接地用導体部の上に形成され一部に凹部を有する誘電体膜と、上記誘電体膜の上で上記凹部を跨ぎ両端で上記誘電体膜に支持されるようにブリッジ状に形成された導体又は半導体からなる発熱性膜と、上記発熱性膜に接続された配線導体膜とを備えている。
【0022】
本発明の第4の回路基板は、少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、上記接地用導体部の上に形成された誘電体膜と、上記誘電体膜の上に形成され、一部が除去されて断線するように形成された配線導体膜と、上記配線導体膜の断線している部分を跨ぎ両端で上記配線導体膜に支持されるようにブリッジ状に形成された導体又は半導体からなる発熱性膜とを備えている。
【0023】
第3又は第4の回路基板により、発熱性膜で発生する熱は空間に放出されるので、熱の放散機能が大きくなる。また、空間を介して発熱性膜に対峙している誘電体膜が多少局部的に熱膨張したとしても、誘電体膜とは接していない発熱性膜が熱膨張による応力を受けることはない、したがって、発熱性膜の断裂がより確実に防止される。
【0024】
上記層間絶縁膜は、酸化シリコン,窒化シリコン及び酸窒化シリコンのうち少なくともいずれか1つにより構成されていることにより、層間絶縁膜が、下方の誘電体膜の局部的な熱膨張に対する抗力の大きいかつ熱膨張率の小さい膜で構成されるので、発熱性膜の断裂が効果的に防止される。
【0025】
上記誘電体膜は有機樹脂、特に、BCB(ベンゾシクロブテン)、ポリイミド、アクリルのうち少なくともいずれか1つにより構成されていることにより、損失の少ないマイクロストリップ線路が得られる。そして、これらの有機樹脂からなる誘電体膜は熱伝導率が低いので、発熱性膜の下地となる部分では、局部的熱膨張を生じて発熱性膜の断裂を招きやすいが、上記各回路基板の作用により、発熱性膜の断裂が防止される。
【0026】
【発明実施の形態】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、放熱用導体膜によって発熱性膜で発生した熱を広い範囲に放散させるようにした回路基板の構造に関するものである。
【0027】
図1(a)は、第1の実施形態に係る回路基板50の一部を示す断面図である。図1(a)において符号と部材の関係は以下の通りである。1はSiやガラス等からなる基板、2は基板1の上に形成された例えばAuからなる接地導体膜、3はBCB(ベンゾシクロブテン)からなる第1の誘電体膜としてのBCB膜、4はBCB膜3の上にたとえばTi,Auを積層してなる放熱用導体膜、5は放熱用導体膜4の上に形成され後述の抵抗体膜と放熱用導電膜4とを電気的に絶縁するための例えばシリコン酸化膜からなる第2の誘電体膜としての層間絶縁膜、6は所定の抵抗値になるようにパターニングされた例えばNiCrからなる発熱性膜である抵抗体膜、7は例えばTi,Auを積層してなる配線導体膜である。上記配線導体膜7と、BCB膜3と、層間絶縁膜5と、接地導体膜2とによりマイクロストリップ線路が構成されている。また、配線導体膜7と抵抗体膜6とは任意の2カ所において互いに接続されており、抵抗体膜6のうち配線導体膜との2つの接続部の間の領域が実質的に抵抗体R1として機能している。以下、この領域を実質抵抗部という。
【0028】
本実施形態では、抵抗体膜6の下方に薄い層間絶縁膜5を挟んで放熱用導体膜4が設けられているので、抵抗体膜6に電流が流れて発熱を生じた場合、この熱は放熱用導体膜4全体からその周囲に速やかに拡散されるため、BCB膜3が局所的に急激な温度上昇することがない。すなわち、抵抗体膜6の下地膜となっているBCB膜3は熱伝導率が低いので、抵抗体膜6で発生した熱によってBCB膜3が局所的に加熱されると、その部分だけが急激に熱膨張するために抵抗体膜6に局部的に大きな応力(特に曲げ応力)が作用して、抵抗体膜6が断裂するおそれがある。しかし、本実施形態のごとく、抵抗体膜6の下方において層間絶縁膜5とBCB膜3との間に放熱用導体膜4を介在させることにより、抵抗体膜6から下方に伝導する熱が速やかに広範囲に拡散してしまうので、放熱性に乏しいBCB膜3への熱の局所集中を緩和することができ、BCB膜3の局部的な熱膨張を抑制することができる。よって、抵抗体膜6に作用する曲げ応力等が小さくなり、抵抗体膜6の断裂を有効に防止することができる。
【0029】
本実施形態の効果を顕著にするために、つまり抵抗体膜6の熱を速やかに放熱用導体膜4に伝えるためには、層間絶縁膜5の厚さを電気的絶縁性を保てる範囲内でできる限り薄くしておくことが好ましい。また、層間絶縁膜5の厚みが薄いことは、層間絶縁膜5自体の熱膨張により抵抗体膜6にストレスを与えないためにも好ましい。
【0030】
また、平面的に見たときの放熱用導体膜4の存在範囲は、抵抗体膜6の実質抵抗部と少なくとも一致する領域、できれば実質抵抗部を含みさらに広い領域であることが好ましく、放熱用導体膜4をこのように広く形成することによって、抵抗体膜6から発する熱を有効に放熱することができる。
【0031】
次に、図1(b)は、第1の実施形態の変形例に係る回路基板50の構造を示す断面図である。図1(b)に示すように、基板1の上には、接地導体膜2と、BCB膜3と、放熱用導体膜4と、層間絶縁膜5と、抵抗体薄膜6と、3つの部分7a,7b,7cからなる配線導体膜7とが形成されている。これらの部材を構成する材料は図1(a)に示す回路基板50についてすでに説明したものとほぼ同じであるが、層間絶縁膜5については、後述するキャパシタの容量を考慮して誘電率の高いシリコン窒化膜により構成することが好ましい場合もある。
【0032】
図1(b)に示す構造の特徴は、BCB膜3の上において、放熱用導体膜4と配線導体膜7bとが埋め込み部材9を介して接続されており、放熱用導体膜4の一部が配線としても機能するように構成されている点と、配線導体膜7cを上部電極とし層間絶縁膜5を容量部とし放熱用導体膜4を下部電極とするキャパシタC1が構成されている点である。なお、上記図1(a)に示す回路基板50の構造と同様に、放熱用導体膜4の上方において、層間絶縁膜5の上に抵抗体膜6が形成されており、両端でそれぞれ配線導体膜7a,7bに接続されている。
【0033】
図1(c)は、図1(b)に示す回路基板50の等価回路図である。図1(b),1(c)に示すように、配線導体膜7の2つの点X−Y間に抵抗素子R1とキャパシタC1とが介設された構造となっている。
【0034】
本実施形態では、放熱用導体膜4が抵抗体膜6の発熱を放散する機能を有するとともに、ある部分では配線として機能し、他のある部分ではキャパシタの下部電極として機能している。したがって、放熱用導体膜の利用用途の拡大を図ることができる。
【0035】
なお、変形例を含む本実施形態では接地導体膜2の上に第1の誘電体膜としてBCB膜3を設けているが、本発明は斯かる実施形態に限定されるものではなく、BCB膜3の代わりに、熱伝導率の低い材質例えば有機樹脂などからなる誘電体膜を設けた場合にも、放熱用導体膜を設けることにより、上方の発熱性膜の断裂を防止するという効果が得られる。これは、後述の各実施形態についても同様である。
【0036】
また、変形例を含む本実施形態及び後述の第2〜第5の実施形態において、発熱性膜は抵抗体として機能させるために設けたものに限定されるものではない。配線や電極として使用すべく設けた導体膜においても、材質や形状によって全体あるいは局部的に大きな熱を生じることがあり、その場合にも本発明の放熱用導体膜を設けることで、下地の局部的な熱膨張による当該導体膜自身の断裂を有効に防止することができる。
【0037】
さらに、変形例を含む本実施形態及び後述の第2の実施形態において、層間絶縁膜5が基板上の全面に形成されているが、必ずしも層間絶縁膜が全面に形成されている必要はなく、図1(a)に示す断面以外の部分において、配線導体膜7と、BCB膜3と、接地導体膜2とによりマイクロストリップ線路が構成されていてもよいものとする。
【0038】
また、後述の第2の実施形態においても同様であるが、抵抗体膜6と放熱用導体膜4との間に介設される層間絶縁膜5の材質は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜に限定されるものではない。ただし、この層間絶縁膜5(第2の誘電体膜)の材質は、第1の誘電体膜(BCB膜3)よりも高い熱伝導率を有していることが好ましい。
【0039】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、発熱性膜からの熱を放熱用導体膜から広く拡散するとともに、熱伝導を利用してさらに効果的に熱を逃すようにした回路基板の構造に関するものである。
【0040】
図2は、第2の実施形態に係る回路基板50の一部を示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る回路基板50の構造は、上記第1の実施形態における図1(a)に示す回路基板50の構造とほぼ同じであるが、本実施形態に係る回路基板50の特徴は、放熱用導体膜8と接地導体膜2とが埋め込み部材8により接続されている点である。すなわち、BCB膜3に形成された接続孔内に放熱用導体膜4を構成するTi,Auが埋め込まれており、この埋め込み部材8を介して放熱用導体膜4と接地導体膜2とが熱伝導率の高い材料からなる埋め込み部材8により接続されていることになる。図2に示す回路基板50のその他の部分の構造は、図1(a)についてすでに説明した通りなので、図2については説明を省略する。
【0041】
上述の第1の実施形態では、抵抗体膜6からの発熱を放熱用導体膜4全体から広い範囲に放散することでBCB膜3への熱の局所集中を防ぎ、局所的なBCB膜3の熱膨張を防止するものであったが、本実施形態では、上記第1の実施形態よりも一歩進んで、この熱をさらに迅速に外部に逃がしてしまうものである。すなわち、放熱用導体膜4がさらに大きなヒートシンクとなる接地導体膜2に接続されているため、放熱用導体膜4に伝わった熱は速やかにこのヒートシンクに逃がされ、抵抗体膜6付近のBCB膜3の温度上昇はほとんど起こらない。すなわち、基板1にSiや金属等の熱伝導率の高い材料を用いるといっそう効果的である。
【0042】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、上述の第1,第2の実施形態における回路基板の構造よりも簡単な構造で、上述の第1,第2の実施形態と同等あるいはそれ以上の放熱効果を得るための回路基板の構造に関するものである。
【0043】
図3は、第3の実施形態に係る回路基板50の一部を示す断面図である。図3において符号と部材の関係は、第1の実施形態における図1に示す関係と同様である。ただし、本実施形態では第1および第2の実施形態で用いた放熱用導体4も、これと抵抗体膜6を絶縁する層間絶縁膜5も設けられていない。つまり、BCB膜3と抵抗体膜6及び配線導体膜7とは直接接触している。そして、本実施形態の特徴は、抵抗体膜6の直下方におけるBCB膜3の厚みが他に比べて薄くなった凹部10が形成されており、この凹部10におけるBCB膜3の上に抵抗体膜6が形成されている点である。すなわち、この薄くなった部分を介して抵抗体膜6の発熱を速やかに接地導体膜2に逃がすように構成されている。
【0044】
本実施形態では、発熱性膜である抵抗体膜6と接地導体膜2とを近接させたことにより、第1、第2の実施形態において用いた放熱用導体膜の機能を接地導体膜2が果たすため、より簡単な構造で上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
本実施形態において、抵抗体膜6の直下方におけるBCB膜3の厚さは、熱が速やかに接地導体膜に伝わるようにできる限り薄いことが好ましい。また、抵抗体膜6の直下方におけるBCB膜3の厚みが薄いことにより、BCB膜3の熱膨張した部分と熱膨張していない部分との厚みの差が小さくなるので、BCB膜3の局部的な熱膨張によって抵抗体膜6が受ける曲げ応力等も低減される。
【0046】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態と同様の効果を別の構成で実現しようとするものである。
【0047】
図4は第4の実施形態に係る回路基板50の一部を示す断面図である。図4に示すように、本実施形態の回路基板50の構造は、上記第3の実施形態における図3に示す回路基板50の構造において、抵抗体膜6の直下方におけるBCB膜3を除去するとともに、抵抗体膜6と接地導体膜2との間にシリコン窒化膜からなる層間絶縁膜12を介在させたものである。すなわち、抵抗体膜6で発生した熱を層間絶縁膜12を介して接地導体膜2に逃すようにしている。
【0048】
本実施形態では、第3の実施形態に比べ、発熱性膜である抵抗体膜6と接地導体膜2との間に層間絶縁膜12のみを介在させているので、この層間絶縁膜12を構成するための材料としてBCB膜3よりも熱伝導率の高い絶縁材料を選択して(本実施形態ではシリコン窒化膜)使用することで、第3の実施形態に係る回路基板50の構造よりもさらに高い放熱効果を発揮することができる。また、層間絶縁膜12の材質を自由に選ぶことができるため、より薄膜化が容易となり、この第2の誘電体膜を薄くすることにより第3の実施形態よりも効果的に放熱することが可能になる。
【0049】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、発熱性膜である抵抗体膜の下方をトンネル状にすることにより熱放散機能を高めるようにした回路基板の構造に関する。図5(a)及び図5(b)は、本実施形態における回路基板50の2つのタイプを示す断面図である。いずれの場合にも、シリコン,ガラス等からなる基板1の上にAu等からなる接地導体膜2が形成され、さらに接地導体膜2の上にBCB膜3が形成されている点は同じである。
【0050】
ここで、図5(a)に示すタイプの回路基板50においては、BCB膜3の一部に凹部が形成され、抵抗体膜6は凹部を跨いで両端でBCB膜3に支持されるように形成されている。そして、抵抗体膜6は、その両端部において抵抗体膜の上にオーバーラップして形成されている配線導体膜7a,7bに接続されている。つまり、この2つの接続部の間の領域において抵抗体膜6の下方にトンネル部20が形成されている。
【0051】
また、図5(b)のタイプの回路基板50においては、抵抗体膜6がその両端部で配線導体膜7a,7bの上にオーバーラップするように形成されている。つまり、BCB膜3の上面はフラットに形成されているが、抵抗体膜6の下方において配線導体膜の存在しない部分がトンネル部20となっている。
【0052】
図5(a)及び図5(b)に示す2つのタイプの回路基板50のいずれにおいても、発熱性膜である抵抗体膜6の下方がトンネル部20となっていて、BCB膜3そのものが存在しないので、BCB膜3の局部的な加熱による熱膨張が極めてわずかであり、かつ局部的な熱膨張が生じても抵抗体膜6がされによって曲げ応力等を受けることがない。したがって、BCB膜3の局部的な熱膨張による抵抗体膜6の断裂を確実に防止することができる。
【0053】
次に、図6(a)〜図6(c)を参照しながら、上記図5(b)に示す回路基板50の製造工程の概略的に説明する。
【0054】
まず、図6(a)に示すように、Si,ガラス等からなる基板1の上にAu等を全面に堆積して接地導体膜2を形成し、接地導体膜2の全面上にBCB膜3を26μm程度の厚みで形成する。そして、BCB膜3の上にAu等の膜を堆積した後これをパターニングして、所定の距離を隔てて2つの部分7a,7bに分かれる配線導体膜7を形成する。さらに、その上にフォトレジスト膜を堆積した後これをエッチバックして、2つの配線導体膜7a,7bの間に埋め込みフォトレジスト膜21を残す。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、基板の全面上にNiCr膜を堆積した後これをパターニングして、配線導体膜7a,7b及び埋め込みフォトレジスト膜21に跨る抵抗体膜6を形成する。このとき、抵抗体膜6は両端部で配線導体膜7a,7bに接続された状態となっている。
【0056】
次に、図6(c)に示すように、埋め込みフォトレジスト膜21をリフトオフ法により選択的に除去することにより、抵抗体膜20の下方にトンネル部20を形成する。
【0057】
なお、図5(a)のタイプの回路基板50は、上記図6(a)〜6(c)に示す製造工程とほぼ同様の製造工程によって形成される。すなわち、あらかじめBCB膜の一部に凹部を形成し、その凹部にフォトレジスト膜を埋め込んだ後、抵抗体膜を形成し、さらに、抵抗体膜の上に配線導体膜を形成するという手順により形成することができる。
【0058】
(第6の実施形態)
第6の実施形態以下の実施形態は、回路基板上に半導体チップをフリップチップ実装するようにした半導体装置の構成において、半導体チップの放熱特性を向上するための構成に関するものである。
【0059】
図7は、第6の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。図7において符号と部材の関係は以下の通りである。回路基板50において、1はSi,ガラス等からなる基板、2は基板1の上に形成された例えばAuからなる接地導体膜、3はBCB膜、104a、104bはボンディング用の電極パッドであり、中央の電極パッド104bは、図7に示す断面以外の部分において、誘電体膜3上のたとえばTi,Auの積層膜で構成される配線導体膜に接続されている。この配線導体膜は、誘電体膜3、接地導体膜2とともにマイクロストリップ線路を構成している。また、図中両端の電極パッド104aは、BCB膜3に形成された接続孔にAu等の金属を埋め込んでなる埋め込み部材200を介して接地導体膜2に接続されている。この埋め込み部材200を介して電極パッド104aと接地導体膜2とが電気的に接続されていると同時に、BCB膜3上で電極パッド104aが機械的にも安定に固定されている。
【0060】
一方、回路基板50上に搭載される半導体チップ108は大電力用トランジスタが内蔵されている。半導体チップ108には、接地用の電極パッド107aと、回路基板50上の受動素子との接続用の電極パッド107bが設けられており、この電極パッド107a,107bと回路基板50上の電極パッド104a,104bとの間に、それぞれ接続用のマイクロバンプ106が介在している。そして、半導体チップ108は、マイクロバンプ106を介して、例えば図示はしていないが光硬化型樹脂の収縮力を利用したフリップチップ実装法により回路基板50に接続されている。
【0061】
本実施形態の特徴は、上記埋め込み部材200,電極パッド104a及びマイクロバンプ106により、半導体チップ108で発生した熱を接地導体膜2に逃すための放熱用部材が構成されている点である。すなわち、本実施形態では、半導体チップ108の接地用の電極パッド107aはマイクロバンプ106を介して基板上の電極パッド104aに接続され、この電極パッド104aは埋め込み部材200を介して接地導体膜2に接続されているので、通電時の半導体チップ108からの発熱は、埋め込み部材200を介して速やかに接地導体膜2に逃がされる。MBB法で実装した場合、マイクロバンプ106の厚みは5μm以下程度に非常に薄くできるので、電極パッド107aから接地導体膜2に至る経路全体の熱抵抗を小さくすることは容易であり、放熱効率は極めて良い。特に、基板をSi等の放熱にすぐれた材料を用いることで、さらに効率よく放熱することが可能になる。このような構成とすることで、従来応用が難しいとされていたパワーアンプ等の大電力を扱う回路もMFICで実現することが可能になる。パワーアンプに使用されるGaAs基板は放熱性が悪いことから、GaAs基板上にパワートランジスタを搭載した半導体装置においては、従来GaAs基板の裏面を冷却板に接続する構造を採っているが、本実施形態のように主面側の接地用電極パッド107aを介して半導体チップ内の熱を接地用導体膜に逃す構成を採ることで、容易にMFIC化を図ることができる。
【0062】
なお、図7に示す構造では、回路基板50の埋め込み部材200がマイクロバンプ106の直下方に位置しているが、本発明は斯かる構造に限定されるものではなく、埋め込み部材200は回路基板50の電極パッド104aにさえ接続されいれば、熱伝導により半導体チップ108からの熱を接地導体膜に逃すことができる。
【0063】
図8(a)は、マイクロバンプ106と埋め込み部材200との中心の平面位置が食い違っている場合の回路基板50の平面図である。このような構造でも、接地用の電極パッド104aの下方に形成された埋め込み部材200を介して、半導体チップ108の熱が接地導体膜102に逃されることがわかる。ただし、熱を効果的に逃すには、図8(a)に示すように、マイクロバンプ106と埋め込み部材200とが平面的に見てオーバーラップしていることが好ましい。
【0064】
なお、本実施形態及び後述の各実施形態において、信号用の電極パッド107bと回路基板50上の信号用電極パッド104bとの間にはマイクロバンプ106が介在しているが、本発明の効果を発揮する上で両者間にマイクロバンプは必ずしも必要ではなく、直接電極パッド同士が接続されていてもよい。
【0065】
また、図8(b)は半導体チップ108の構造例を示す平面図である。同図に示されるように、パワートランジスタは、ゲート電極,ドレイン電極及びソース電極により構成されている。そして、図7中の電極パッド107aは図8(b)に示すソース電極に接続されるソースパッドであり、図7中の電極パッド107bは図8(b)に示すドレイン電極に接続されるドレインパッドである。なお、ゲート電極に接続されるゲートパッドは図7には図示されていない。
【0066】
(第7の実施形態)
図9は、第7の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。図9において符号と部材の関係は埋め込み部材兼バンプ201を除き図7と同じである。本実施形態では、BCB膜3に形成された接続孔に埋め込む金属膜を厚めにしてBCB膜3の上面よりも上方に突出する埋め込み部材兼バンプ201を形成しておき、半導体チップ108をフリップ実装したときに、信号接続用の電極パッド107bがマイクロバンプを介して回路基板50上の電極パッド104bに接続されると同時に、接地用の電極パッド107aが埋め込み部材兼バンプ201に接続されるようにしたものである。すなわち、本実施形態では、この埋め込み部材兼バンプ201により、放熱用部材が構成されている。
【0067】
本実施形態では、上記第6の実施形態における埋め込み部材200,電極パッド104a及びマイクロバンプ107aが一体化された埋め込み部材兼バンプ201を設けた構造となっているので、第6の実施形態と同様の効果をより簡易なプロセスで得ることができる。
【0068】
なお、電極パッド107b−104b間に設けるマイクロバンプ106を弾力性のある材料で構成することにより、半導体チップ108と回路基板50との間の3カ所における接触を確保するための各部の高さの調整は容易となる。
【0069】
(第8の実施形態)
図10は、第8の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。図10において符号と部材の関係は放熱・接地用支持体210を除き図7と同じである。本実施形態では、接地導体膜2のうち半導体チップ108の接地用の電極パッド107aの下方となる部分の上に、接地と放熱のための導電性材料からなる支持体210を形成する。そして、この支持体210を形成した後、BCB膜3を塗布する。支持体210の厚みをBCB膜3と電極パッド104bとの合計厚みと同じ程度にしておくことで、他の電極と同時にマイクロバンプを介してフリップチップ実装できる。
【0070】
本実施形態では、横断面積の大きい導電性材料からなる支持体210を設けることで、第6および第7の実施形態よりもさらに強固で安定なチップの支持と熱放散が可能になる。
【0071】
(第9の実施形態)
図11は、第9の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。図11において符号と部材の関係は接地導体膜2の凸部211を除き図10と同じである。本実施形態では、半導体チップ108の接地用電極パッド107aの下方となる部分に凸部211を有する接地導体膜2を形成した後、接地導体膜2の凸部211の周囲にBCB膜3を塗布する。
【0072】
本実施形態では、第6の実施形態における埋め込み部材200または第8の実施形態における放熱・接地用の支持体210を、より簡易な方法で実現するものである。すなわち、本実施形態では放熱・接地用支持体が必要となるべき部分の接地導体膜を予め厚く形成しておき、これを放熱・接地用支持体として用いることにより、第6の実施形態における接続孔及び埋め込み部材の形成工程や、第8の実施形態における開口及び支持体を形成する工程が不要となるので、第6、第8の実施形態と同様の効果を、より簡単なプロセスで実現できる。
【0073】
(第10の実施形態)
図12は第10の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。図9において符号と部材の関係は以下の通りである。1はSiやガラス等からなる基板、2は基板1の上に形成された例えばAuからなる接地導体膜、3はBCB膜、31はBCB膜3の一部に形成された開口部、103はBCB膜3上に例えばTi,Auを積層して形成された配線導体膜である。上記配線導体膜103,誘電体膜3及び接地導体膜2によりマイクロストリップ線路が構成されている。また、104bはBCB膜3の上に形成された電極パッドであり、配線導体膜103に接続されている。
【0074】
ここで、本実施形態の特徴は、主面上に高周波トランジスタやパワートランジスタを有する半導体チップ108が、主面を上方に向けた状態で回路基板50上に搭載されており、半導体チップ108と回路基板50との間を接続するための配線接続用チップ220がフェースダウンで回路基板50上にフリップチップ接続されている点である。すなわち、半導体チップ108の裏面と回路基板50の接地導体膜2とが接しており、半導体チップ108内のトランジッスタに接続される信号用の電極パッド107bが半導体チップ108の主面側に形成されている。配線接続用チップ220は例えば半導体により構成されていて、配線接続用チップ220の上には、配線導体膜221と、この配線導体膜221に接続される電極パッド222a,222bとが設けられている。そして、回路基板50上の信号用の電極パッド104bと配線接続用チップ220上の電極パッド222bとの間、及び半導体チップ108上の信号用の電極パッド107bと配線接続用チップ220上の電極パッド222aとの間は、マイクロバンプ106を介してそれぞれ接続されている。すなわち、回路基板50上の電極パッド104bと半導体チップ108上の電極パッド107bが、配線接続用チップ220上の配線導体膜221を利用して接続されていることになる。
【0075】
本実施形態では、熱を発生する半導体チップ108が接地導体膜2に直接接しているので、半導体チップ108で発生する熱の放熱効果を大幅に向上させることができる。しかも、半導体チップ108と回路基板50上の配線導体膜103とは、フリップチップ実装される配線接続用チップ220を介して接続されているので、インダクタとなるワイヤを使用する必要もなくなり、フリップチップ接続による優れた高周波特性を得ることができる。また、配線接続用チップ220上の配線221は、回路基板50の接地導体膜2に対しマイクロストリップ線路を構成しているので、ワイヤボンドやリボンボンドで電極を接続するのとは異なり、MFICの特徴であるインピーダンスの乱れのない良好な高周波接続が可能になる。一方、配線導体膜221のインピーダンスは、BCB膜3の厚み、マイクロバンプ106の厚み等を考慮することによって設計できる。特に、MBB法のようなマイクロバンプの厚みの小さいフリップチップ実装技術を用いることで、より正確な設計が可能になる。
【0076】
なお、本実施形態では設けていないが、半導体チップ108中にPHS(バイアホールに金属を埋め込んだヒートシンク)を形成すればさらに高い放熱効果を得ることができる。
【0077】
なお、本実施形態では配線接続用チップ221上には配線導体膜221のみを設けたが、この配線接続用チップ221上に小信号トランジスタやマッチング回路等を搭載することで、より高機能なMFICが実現できる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の回路基板によれば、抵抗体膜等の発熱性膜を有する回路基板又はこの回路基板を利用した半導体装置において、発熱性膜からの発熱を拡散させる手段を講じたので、発熱による局所的な誘電体膜の熱膨張が抑えられ、抵抗体膜の断裂を防止することができる。
【0079】
本発明の半導体装置によれば、回路基板上に半導体チップを搭載してなる半導体装置において、半導体チップから速やかに接地導体部へ放熱させる手段を講じたので、パワーアンプのように大電力を扱うMFICを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る回路基板の一部を示す断面図,その変形例に係る回路基板の一部を示す断面図及びその等価回路図である。
【図2】 第2の実施形態に係る回路基板の一部を示す断面図である。
【図3】 第3の実施形態に係る回路基板の一部を示す断面図である。
【図4】 第4の実施形態に係る回路基板の一部を示す断面図である。
【図5】 第5の実施形態に係るブリッジ上の抵抗体を設けた2種類の半導体装置の一部を示す断面図である。
【図6】 第5の実施形態のうちの1つの回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図7】 第6の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【図8】 第6の実施形態に係る半導体装置の埋め込み部材とマイクロバンプとの中心位置をずらせた変形例に係る半導体装置及び半導体チップの平面図である。
【図9】 第7の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【図10】 第8の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【図11】 第9の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【図12】 第10の実施形態に係る半導体装置の一部を示す断面図である。
【図13】 従来のMFICの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 接地導体膜(接地導体部)
3 BCB膜(誘電体膜)
4 放熱用導体膜
5 層間絶縁膜
6 抵抗体膜(発熱性膜)
7 配線導体膜
8 埋め込み導体部
10 凹部
12 層間絶縁膜
20 トンネル部
21 埋め込みフォトレジスト膜
50 回路基板
104a 接地用電極パッド
104b 信号用電極パッド
105 光硬化性樹脂
106 マイクロバンプ
107a 接地用電極パッド
107b 信号用電極パッド
108 半導体チップ
111 上部電極
200 埋め込み部材
201 埋め込み部材兼バンプ
210 支持体
211 凸部
220 配線接続用チップ
221 配線導体膜
222a,222b 電極パッド

Claims (7)

  1. 少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、
    上記接地用導体部の上に形成され一部に厚みの薄い凹部を有する誘電体膜と、
    上記誘電体膜の凹部において上記誘電体膜の上で上記誘電体膜を挟んで上記接地用導体部と対抗するように形成され、導体又は半導体からなる発熱性膜と、
    上記発熱性膜に接続され上記誘電体膜及び上記接地用導体部と共にマイクロストリップ線路を構成する配線導体膜と
    を備えていることを特徴とする回路基板。
  2. 少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、
    上記接地用導体部の上に形成され、一部が全厚みに亘って除去されてなる凹部を有する誘電体膜と、
    上記誘電体膜の凹部内の上記接地用導体部を少なくとも覆うように形成された層間絶縁膜と、
    上記誘電体膜の凹部において上記層間絶縁膜の上に上記誘電体膜を挟んで上記接地用導体部と対抗するように形成され、導体又は半導体からなる発熱性膜と、
    上記発熱性膜に接続され上記誘電体膜及び上記接地用導体部と共にマイクロストリップ線路を構成する配線導体膜と
    を備えていることを特徴とする回路基板。
  3. 少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、
    上記接地用導体部の上に形成され一部に凹部を有する誘電体膜と、
    上記誘電体膜の上で上記凹部を跨ぎ両端で上記誘電体膜に支持されるようにブリッジ状に形成された導体又は半導体からなる発熱性膜と、
    上記発熱性膜に接続された配線導体膜と
    を備えていることを特徴とする回路基板。
  4. 少なくとも一部に接地用導体部を有する基板と、
    上記接地用導体部の上に形成された誘電体膜と、
    上記誘電体膜の上に形成され、一部が除去されて断線するように形成された配線導体膜と、
    上記配線導体膜の断線している部分を跨ぎ両端で上記配線導体膜に支持されるようにブリッジ状に形成された導体又は半導体からなる発熱性膜と
    を備えていることを特徴とする回路基板。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回路基板において、
    上記層間絶縁膜は、酸化シリコン,窒化シリコン及び酸窒化シリコンのうち少なくともいずれか1つにより構成されていることを特徴とする回路基板。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回路基板において、
    上記誘電体膜は、BCB(ベンゾシクロブテン)、ポリイミド、アクリルのうち少なくともいずれか1つにより構成されていることを特徴とする回路基板。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回路基板と、
    上記回路基板にフェースダウンで実装され高周波トランジスタを内蔵する半導体チップとを備えていることを特徴とする半導体装置
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