JP3960616B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置に関し、特に、ヘリカルスキャンを行うX線CT装置に関する
ものである。
近年、X線ビームを曝射するX線ビーム発生源(X線管)等を備える回転部を連続的に
回転させる連続回転型CTが種々提案されている。このような連続回転型CTは、架台(
ガントリー)に固定された固定部から前記回転部への高電圧の供給や信号の伝達を行うス
リップリングや、前記固定部と回転部との信号の伝達を行う光を媒体にした信号伝達手段
を用いることによって実現されている。また、この連続回転型CTには、連続回転型の第
三世代CTと、連続回転型の第四世代CTとがある。
連続回転型の第三世代CTは、X線ビーム発生源毎にこのX線ビーム発生源と同期して
回転する検出器を有する。前記検出器としては、一列検出器と二次元検出器があり、ぞれ
ぞれ図38(a),(b)に示す。図38(a)に示すように一列検出器100は、X線
ビーム発生源101から曝射されるX線ビームに対応させて検出部103を円弧状(もし
くは直線状)に一列に配列したものである。また、二次元検出器110は、図38(b)
に示すようにX線ビーム発生源111の回転軸方向(以下、単に回転軸方向と記す)に円
弧状の検出部列113を複数有している。尚、二次元検出器としては、二列の検出部列を
有する検出器、直線状の検出部列を有する平面検出器、イメージインテンシファイア(I
.I.)も含むものである。
連続回転型の第四世代CTを図39に示す。図39に示すように連続回転型の第四世代
CTは、回転軸を中心に所定の円周上を回転するX線ビーム発生源121と、台架に固定
され、前記回転軸を中心とし、内面を検出面とする円筒状に配列した検出器123とを有
している。
また、複数のX線ビーム発生源をとそれに対応する検出器を持ち、前記X線ビーム発生
源をその回転軸と平行な方向に移動させる移動手段を有するX線CT装置において、スラ
イス厚に応じて前記X線ビーム発生源を移動可能としたものが提案されている。尚、X線
ビーム発生源と、このX線ビーム発生源と同期して回転する検出器とを有する第三世代C
Tの場合には、X線ビーム発生源とともに検出器も回転軸と平行な方向に移動させること
を含んでいる。ここでスライス厚とは、入射したX線に対する検出器列の回転軸方向感度
分布の半値幅を回転中心に投影した値として定義されるのが一般的である。尚、その検出
器列に入射するファン状のX線ビームの回転中心における厚さと考えても良い。
前記X線ビーム発生源をその回転軸と平行な方向に移動させるのは、スライス厚を変更
した場合、撮影されない部分やオーバーラップして撮影される部分が生じるのを防ぐため
である。これにより、いずれのスライス厚を選択しても連続した複数スライスのコンベン
ショナルスキャンを行うことが可能となる。尚、コンベンショナルスキャンとは、スキャ
ン中に被検体を載置する天板の移動を行わないスキャンモードである。
また、連続回転型の第三世代CT、連続回転型の第四世代CTでは、前記回転部の回転
とともに連続的に天板を移動させることで、被検体の画像データを螺旋状に収集するヘリ
カルスキャンを行うことも可能である。さらに、連続回転型の第三世代CT、連続回転型
の第四世代CTにおいて、二次元検出器を有するものでヘリカルスキャンを行った場合は
、ヘリカルスキャンの速度向上、スライス方向分解能向上、パーシャルボリュームアーチ
ファクト(単位体積の一部を占める異なる物質の割合によりCT値が変化することによっ
て生じるアーチファクト)の軽減といった効果がある。
しかしながら、一列検出器を有するX線CT装置(連続回転型の第三世代CT、連続回
転型の第四世代CTを含む)におけるヘリカルスキャンの軌跡は、横軸に被検体における
回転軸方向のスキャン位置、縦軸にX線ビーム発生源または検出器の回転角度をとると、
図40のように表される。このヘリカルスキャンの軌跡は、三次元的に考えると、回転軸
を中心とした螺旋軌道となる。
ここで回転軸方向のスキャン位置とは、X線ビーム発生源の焦点と対象とする検出器列
へ入射したX線の回転軸方向の中央とで規定される平面と回転軸との交点の位置により表
す。その検出器列に入射するファン状X線ビームのビーム厚方向の中央が回転軸と交わる
点と考えても良い。
近年、回転軸方向のスキャン速度(ヘリカルスキャン速度)を高速化することが求めら
れているが、1回転当たりの点板送り速度を固定したとすると、前記高速化のためには、
回転部の速度を高速化しなければならない。しかし、前記回転部の高速化は、機構的に限
界があり、ヘリカルスキャン速度は、回転機構の能力により限定されてしまうという問題
がある。
高速でヘリカルスキャンを行う方法として、n列の検出器(二次元検出器)を使用する
方法がある。このn列の検出器を有するX線CT装置の場合には、1回転当たりの天板送
りをトータルのスライス厚と一致させた場合、ヘリカルスキャン速度をn倍とすることが
できる。
二次元検出器として例えば三列検出器を有するX線CT装置におけるヘリカルスキャン
の軌跡は、横軸に被検体における回転軸方向のスキャン位置、縦軸にX線ビーム発生源ま
たは検出器の回転角度をとると、図41のように表される。このヘリカルスキャンの軌跡
は、三次元的に考えると、回転軸を中心とした複数の螺旋軌道となる。
しかし、X線ビーム発生源を含んで回転軸に垂直な面(ミッドプレーン)から離れた検
出器列となるにしたがって、核検出器列に入るX線ビームは、前記ミッドプレーンに対す
る角度(コーン角度)が大きくなるため画質劣化を招く。つまり、高速とはなるが、画質
は低下することになる。
以上のように高画質かつ高速なヘリカルスキャンを行うことは、従来の方法では限界が
ある。そこで、前記コーン角度の影響のない高速ヘリカルスキャンの方法として、複数の
X線ビーム発生源を有するX線CT装置でのヘリカルスキャンが考えられる。
しかし、前記コンベンショナルスキャンで連続した複数スライスが撮れるようにX線ビ
ーム発生源の回転軸方向の位置を固定すると、複数のX線ビーム発生源によるヘリカルス
キャンの軌跡は等間隔にならないという問題が生じる。これを2つのX線ビーム発生源を
有するX線CT装置を例にとって説明する。
例えば、図42に示すように、2つのX線ビーム発生源A,Bが、角度120度、回転
軸方向の間隔ICONVに設定され、コンベンショナルスキャンが行われるとする。このとき
、連続した2つのスライス画像を得るためには、スライス厚を間隔ICONVとすることにな
る。
しかしこの間隔ICONVのまま天板スライド量を1回転当たり、間隔ICONVの2倍とした
ヘリカルスキャンを行うと、図43に示すように、X線ビーム発生源Aによる軌跡からX
線ビーム発生源Bによる軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel1と、X線ビーム発生源Bによ
る軌跡からX線ビーム発生源Aによる軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel2とは異なる値と
なり、2つのヘリカルスキャンの軌跡は等間隔にならない(Ihel1≠Ihel2,2×ICONV
=Ihel1+Ihel2)。
図43において、各スライス厚を間隔ICONVとしたとき、スライス厚を考慮して図に示
すと図44のようになる。このような等間隔でないヘリカルスキャンではその軌跡に重な
りやギャップができてしまうことが分かる。このため、オーバーラップしてスキャンした
部分とスキャンしてない欠落部分が生じ、画質の劣化となる。
また、図45に示すように3つのX線ビーム発生源C,D,Eが角度120度、回転軸
方向間隔ICONVに設定され、コンベンショナルスキャンが行われたとする。しかしこの間
隔ICONVのまま天板スライド量を1回転当たり、間隔ICONVの3倍としたヘリカルスキャ
ンを行うと、図46に示すように、3つのX線ビーム発生源C,D,Eによるヘリカルス
キャンの軌跡は互いに重なってしまうことになる。このように、コンベンショナルスキャ
ンのX線ビーム発生源の間隔の設定ではヘリカルスキャンには適用できないことが分かる
従って、コンベンショナルスキャンのX線ビーム発生源の間隔の設定をヘリカルスキャ
ンに適用した場合、それぞれのX線ビーム発生源に対応したヘリカルスキャンの軌跡が等
間隔でなく、スライス厚を考慮すると、その軌跡にはオーバーラップや欠落部分が生じ、
画質の劣化を招くという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ヘリカルスキャンを効果的に行うことで
、高画質の画像データを得ることが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、少なくとも2つのX線発生源を回転させると共に寝台の天板を回転軸方向に移動してヘリカルスキャンを行うX線CT装置において、X線を寝台上の被検体に曝射する第1のX線ビーム発生源と、前記第1のX線ビーム発生源から曝射されたX線を検出する第1の検出器と、X線を寝台上の被検体に曝射する第2のX線ビーム発生源と、前記第2のX線ビーム発生源から曝射されたX線を検出する第2の検出器と、前記X線ビーム発生源を前記被検体の回りに回転させる回転手段と、前記第1のX線ビーム発生源と前記第2のX線ビーム発生源の回転軸方向の位置が異なるように設定する設定手段と、ヘリカルスキャンを行う領域にX線を曝射するように、前記第1のX線ビーム発生源のX線ビーム曝射開始タイミングを前記第2のX線ビーム発生源のX線ビーム曝射開始タイミングより遅くする制御手段と、を備えることを要旨とする。
本発明によれば、X線ビーム発生源の回転軸方向の間隔を設定する設定手段により設定
するようにしているので、ヘリカルスキャンを効果的に行うことができ、高画質の画像デ
ータを得ることが可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るX線C
T装置の第1の実施形態を示したブロック図である。尚、第1の実施携帯のX線CT装置
1は、2つのX線ビーム発生源を有する場合である。
第1の実施形態のX線CT装置1は、ヘリカルスキャンにおいて2つのX線ビーム発生
源による軌跡が、互いに等間隔の螺旋軌道となるように前記2つのX線ビーム発生源の間
隔を設定するものである。尚ここでは、連続回転型の第3世代CTに適用した場合を例に
して説明する。
図1に示すように、第1の実施形態のX線CT装置1は、中央制御ユニット3と、高電
圧発生器5と、架台コントローラ7と、X線ビーム発生源9-1,9-2と、X線ビーム発生
源スライド部11と、プリコリメータコントローラ13と、検出器15-1,15-2と、デ
ータ収集部17-1,17-2と、画像再構成ユニット19と、画像表示ユニット21と、デ
ータ保存ユニット23と、寝台25と、寝台コントローラ27と、天板スライドコントロ
ーラ29とを有している。
中央制御ユニット3は、操作者により図示しない入力装置を用いて入力されたヘリカル
スキャン条件を基に、ヘリカルスキャンにおいて、X線ビーム発生源9-1,9-2による軌
跡が、互いに等間隔の螺旋軌道となるようにX線ビーム発生源9-2の設定位置を演算する
とともに、X線ビームの曝射タイミングを演算する。また、中央制御ユニット3は、前記
X線ビーム発生源9-2の設定位置と、X線ビーム発生源スライド制御信号と、前記入力さ
れたヘリカルスキャン条件とを基にして、X線ビーム発生源9-2の設定位置を示すX線ビ
ーム発生源スライド制御信号と、プリコリメータ幅を示すプリコリメータ幅制御信号とを
架台コントローラ7に出力し、また、前記X線ビームの曝射タイミングを示すX線ビーム
曝射タイミング制御信号を高電圧発生器5に出力し、さらに、データ収集のタイミングを
示すデータ収集制御信号をデータ収集部17-1,17-2に出力し、さらに、天板25aの
移動量を示す天板スライド制御信号を寝台コントローラ27に出力する。
高電圧発生器5は、中央制御ユニット3から出力されたX線ビーム曝射タイミング制御
信号を基に、X線管9a-1,9a-2に対し、電子加速用高電圧とフィラメント加熱用電流
を供給する。尚ここでは、2つのX線ビーム発生源9-1,9-2で1つの高電圧発生器5を
共用しているが、X線ビーム発生源9-1,9-2毎に高電圧発生器5を備えるようにしても
良い。
架台コントローラ7は、中央制御ユニット3から出力されたX線ビーム発生源スライド
制御信号をX線ビーム発生源スライド部11に対して出力する。さらに架台コントローラ
7は、中央制御ユニット3から出力されたプリコリメータ幅制御信号をプリコリメータコ
ントローラ13に対して出力する。さらに、架台コントローラ7は、中央制御ユニット3
から出力された制御信号を基に、図示しない回転部の回転制御を行う。
X線ビーム発生源9-1,9-2は、X線を曝射するX線管9a-1,9a-2と、X線管9a
-1,9a-2のX線曝射側に設けられたスリット状の開口部(図示せず)を備えるプリコリ
メータ9b-1,9b-2を有し、高電圧発生器5から供給される電子加速用高電圧とフィラ
メント加熱用電流によってX線管9aから曝射したX線を、プリコリメータ9b-1,9b
-2を介してファンビームとして曝射する。
X線ビーム発生源スライド部11は、架台コントローラ7から出力されたX線ビーム発
生源スライド制御信号を基に、X線ビーム発生源9-2の位置をスライドする。図2(a)
,(b)にX線ビーム発生源スライド部11の一例を示す。尚、図2(a)はX線ビーム
発生源スライド部11の正面図であり、図2(b)はその側面図である。
図2に示すようにX線ビーム発生源スライド部11は、回転部のフレーム41の上面に
設けられたアクチュエータ43と、アクチュエータ43に接続されたボールネジ軸45と
、ボールネジ軸45の回転角度に応じてボールネジ軸45上を移動するボールネジブロッ
ク49とを有する。このボールネジブロック49上にスライドフレーム47を介してX線
ビーム発生源9-2が設置されている。また、ボールネジ軸45の両端部に対応するフレー
ム41上にはガイド51がそれぞれ設けられている。尚、ボールネジ軸45、ボールネジ
ブロック49およびガイド51は、プリコリメータを挟み、両側にそれぞれ設けられてい
る。尚、アクチュエータ43の回転は図示しないベルトを介して他方のボールネジ軸45
に伝達される。
このため、アクチュエータ43を回転させることにより、ガイド51内をボールネジブ
ロック49がボールネジ軸45に沿って移動し、これにより、ボールネジブロック49の
上面のスライドフレーム47に設置されたX線ビーム発生源9-2が移動する。尚、アクチ
ュエータ41の回転量は、架台コントローラ7から出力されるX線ビーム発生源スライド
制御信号を基に、X線ビーム発生源スライドコントローラ53によって制御される。また
、アクチュエータ43としては、位置制御サーボコントローラとモータを使用しても良い
し、パルスモータを使用しても良い。
尚、X線ビーム発生源スライド部11は、X線ビーム発生源9-2から曝射されるX線ビ
ームを回転軸方向に移動できれば、いずれのものを用いても良い。例えばX線ビーム発生
源9-2内部でターゲットとカソードを回転軸方向に移動させる。X線ビーム発生源9-2内
部で複数のターゲットとカソードを設け、使用するターゲットとカソードを切り換える。
また、この切り換えと前記ターゲットとカソードの移動を組み合わせる。また、電子ビー
ムを電磁界により振り、X線ビーム焦点位置を移動させる。さらに、前記のものを組み合
わせる。等がある。
プリコリメータコントローラ13-1,13-2は、架台コントローラ7から出力されたプ
リコリメータ幅制御信号を基に、プリコリメータ9b-1,9b-2をこのプリコリメータ幅
制御信号に対応するスリット幅(プリコリメータ幅)にする。
検出器15-1,15-2は、X線ビーム発生源9-1,9-2から曝射され、被検体を通過し
たX線を電気信号に変換する。また、検出器15-2は、図3に示すようにX線ビーム発生
源9-2を最大移動幅L移動させてもX線ビームを検出可能な幅を有する。尚、図3では、
X線ビーム発生源9-2や検出器15-2の回転方向の取り付け角度差を説明の都合上0とし
て示しているが、実際にはこれらが互いに干渉しないように取り付け角度差が設定されな
ければならない。
また、検出器15-1,15-2としては、図1(a)に示す一列検出器100と同様、検
出部を円弧状(もしくは直線状)に一列に配列したものでも良いし、図(1)(b)に示
す二次元検出器110同様、検出部列を複数有したものでも良い。また、二次元検出器と
しては、二列の検出部列を有する検出器、直線状の検出部列を有する平面検出器、イメー
ジインテンシファイア(I.I.)も含むものである。
データ収集部17-1,17-2は、検出器15-1,15-2により変換された電気信号を、
中央制御ユニット3から出力されたデータ収集制御信号に対応させて収集し、画像再構成
ユニット19に供給する。
画像再構成ユニット19は、データ収集部17-1,17-2から供給される電気信号を、
中央制御ユニット3から出力された制御信号を基に、画像データとして再構成する。
画像表示ユニット21は、モニタ(図示せず)を備え、画像再構成ユニット19により
再構成された画像データを、中央制御ユニット3から出力された制御信号を基に、前記モ
ニタ上に表示する。
データ保存ユニット23は、メモリや磁気ディスク(図示せず)を備え、画像再構成ユ
ニット19により再構成された画像データを、中央制御ユニット3からデータ保存ユニッ
ト23に出力された制御信号を基に、前記メモリや磁気ディスクに保存する。
寝台25は、回転軸方向と、上下方向に移動可能な天板25aから成る。この天板25
aの上面には被検体が載置される。
寝台コントローラ27は、中央制御ユニット3から出力された制御信号を基に、天板2
5aの移動量を指示する制御信号を天板スライド部29に出力する。
天板スライド部29は、寝台コントローラ27から出力された制御信号を基に、天板2
9aを移動させる。
尚、中央制御ユニット3、画像再構成ユニット19、画像表示ユニット21、データ保
存ユニット23および図示しない入力装置によりコンソール31を構成している。この中
央制御ユニット3、画像再構成ユニット19、画像表示ユニット21、データ保存ユニッ
ト23および図示しない入力装置は、システムバス33aにそれぞれ接続され、相互に信
号の送受信が可能である。
また、高電圧発生器5、架台コントローラ7、X線ビーム発生源9、X線ビーム発生源
スライド部11、プリコリメータコントローラ13、検出器15-1,15-2およびデータ
収集部17-1,17-2は、架台33内に設けられている。
次に、第1の実施形態のX線CT装置1の動作を、図4に示す中央制御ユニット3の診
断開始までの動作の流れを示すフローチャートを参照して説明する。
まず、操作者は、ヘリカルスキャン条件をコンソール31の図示しない入力装置を用い
て入力する。
ヘリカルスキャン条件が入力されると中央制御ユニット3は、ヘリカルスキャンにおい
て、X線ビーム発生源9-1,9-2による軌跡が、互いに等間隔の螺旋軌道となるようにX
線ビーム発生源9-2の設定位置を演算するとともに、X線ビームの曝射タイミングを演算
する(ステップS1)。
ここで、ヘリカルスキャンにおいて、X線ビーム発生源9-1,9-2による軌跡が、互い
に等間隔の螺旋軌道となるようにX線ビーム発生源9-2の位置を設定する例を説明する。
2つのX線ビーム発生源9-1,9-2を有する場合、横軸に被検体における回転軸方向の
スキャン位置、縦軸にX線ビーム発生源または検出器の回転角度をとると、ヘリカルスキ
ャンにおいてX線ビーム発生源9-1,9-2による軌跡は図5のように表される。
このとき、X線ビーム発生源9-1の相対的な位置は固定であるため、X線ビーム発生源
9-2の位置は、X線ビーム発生源9-2による軌跡が、図5に実線で示すX線ビーム発生源
9-1による軌跡の中間となるように演算する。即ち、X線ビーム発生源9-1による軌跡か
らX線ビーム発生源9-2による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel1と、X線ビーム発生源
9-2による軌跡からX線ビーム発生源9-1による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel2が等
しくなる位置を演算する。
例えばX線ビーム発生源9-1に対してX線ビーム発生源9-2が120度回転した位置に
設けられ、天板25aの回転軸方向の移動量が1回転当たりS(mm)である場合、X線
ビーム発生源9-1に対するX線ビーム発生源9-2の位置xは、以下に示す式(1)から演
算される。
x=S/6…(1)
また、図5に示すようにX線ビーム発生源9-1に対するX線ビーム発生源9-2の位置が
設定され場合のX線ビームの曝射タイミングの例を図6(a),(b)に示す。尚、図6
(a),(b)中、横軸は時間(天板移動距離)を示している。
図6(a)は、X線ビームの曝射を撮影領域のみに限定する場合の例である。
即ち、X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2の回転軸方向の位置が異なるので、
X線ビーム発生源9-1のX線ビーム曝射開始と終了のタイミングは、X線ビーム発生源9
-2のX線ビーム曝射開始と終了のタイミングよりそれぞれ遅くなる。この場合、X線ビー
ムの曝射を撮影領域のみに限定するので、被検体の被爆量を最小限に抑えることができる
図6(b)は、X線ビームの曝射をX線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2同時
に行う場合の例である。即ち、一方が撮影領域内に入りX線ビームの曝射が開始された時
、他方も同時にX線ビームの曝射を開始し、また、双方が撮影領域外に出るまで、双方と
もX線ビームの曝射を終了しない。この場合、図6(a)に示す場合に比べ、X線ビーム
の曝射時間は変わらないが、双方とも同時に曝射開始、終了である分、被爆量が増える。
しかしながら、双方とも同時に曝射開始、終了であるので、X線ビームの曝射タイミング
の制御は簡単になる。尚、一般に指定されたX線量を安定して曝射するまでには所定の時
間が掛かるが、上記の説明においては、X線ビーム曝射が安定するまでの時間は除いてい
る。
中央制御ユニット3は、操作者により入力されたヘリカルスキャン条件と、前記演算さ
れたX線ビーム発生源3設定位置とから、X線ビーム発生源9のスライド量を示すX線ビ
ーム発生源スライド制御信号と、プリコリメータ幅を示すプリコリメータ幅制御信号とを
架台コントローラ7に出力する(ステップS3)。また、中央制御ユニット3は、前記演
算されたX線ビームの曝射タイミングから、曝射タイミングを示すX線ビーム曝射タイミ
ング制御信号を高電圧発生器5に出力する(ステップS5)。さらに、中央制御ユニット
3は、データ収集のタイミングを示すデータ収集制御信号をデータ収集部17-1,17-2
に出力し、天板25aの移動量を示す天板移動制御信号を寝台コントローラ27に出力す
る(ステップS7,S9)。
X線ビーム発生源スライド制御信号とプリコリメータ幅制御信号が中央制御ユニット3
から出力されると架台コントローラ7は、X線ビーム発生源スライド制御信号をX線ビー
ム発生源スライド部11に出力するとともに、プリコリメータ幅制御信号をプリコリメー
タコントローラ13-1,13-2に出力する。また架台コントローラ7は、中央制御ユニッ
ト3からの指示に従って図示しない回転部の回転速度を決定する。
次いで、X線ビーム発生源スライド部11では、X線ビーム発生源スライド制御信号が
架台コントローラ7から出力されると、これを基にX線ビーム発生源9-2の位置を、X線
ビーム発生源スライドコントローラ53とアクチュエータ41を介して移動する。尚、X
線ビーム発生源9-2移動の際、X線ビーム発生源9-2以外に、回転軸方向の重量バランス
を保つための錘(図示せず)が取り付けられている場合は、この錘も同時に移動させるよ
うにする。
また、プリコリメータコントローラ13-1,13-2は、プリコリメータ幅制御信号が架
台コントローラ7から出力されると、これを基にプリコリメータ9b-1,9b-2のプリコ
リメータ幅をそれぞれ設定する。
そして、高電圧発生器5は、X線ビーム曝射タイミング制御信号が中央制御ユニット3
から出力されると、これを基にX線ビームの曝射タイミングを決定する。
また、データ収集部17-1,17-2は、データ収集制御信号が中央制御ユニット3から
出力されると、これを基に検出器15-1,15-2から電気信号を収集するタイミングを決
定する。
一方、寝台コントローラ27では、天板移動制御信号が中央制御ユニット3から出力さ
れると、天板スライド部29に天板25aの上下方向の位置と、回転部1回転当たりの天
板25aの移動量を設定させる。
そして、操作者によりコンソール31の図示しない入力装置を用いて診断介しキーが押
されると(ステップS11)、中央制御ユニット3は、診断開始命令を架台コントローラ
7、高電圧発生器5、データ収集部17-1,17-2および寝台コントローラ27に出力し
てヘリカルスキャンによる診断を開始する(ステップS13,S15)。
診断が開始されると、寝台コントローラ27は、前記設定された移動量で天板25aを
移動させる。一方、X線ビーム発生源9から所定のタイミングでX線ビームが曝射され、
被検体を通過したX線が検出器15-1,15-2により電気信号に変換される。そして、前
記変換された電気信号がデータ収集部17-1,17-2により所定のタイミングで収集され
、画像再構成ユニット19に供給される。画像再構成ユニット19では、データ収集部1
7-1,17-2から供給される電気信号を画像データとして再構成する。尚、画像再構成ユ
ニット19は、データ収集部17-1,17-2から供給される電気信号を処理せず、そのま
まシステムバス33aを介して直接データ保存ユニット23のメモリに保存することもで
きる。また、データ収集部17-1,17-2により収集された電気信号は常に画像再構成ユ
ニット19まで供給されており、画像再構成ユニット19で必要な電気信号を中央制御ユ
ニット3からの制御信号により取捨選択できるようにしても良いし、中央制御ユニット3
からの信号により、データ収集部17-1,17-2側でいずれの電気信号を画像再構成ユニ
ット19に供給するかを判断するようにしても良い。
そして、再構成された画像データは、画像表示ユニット21のモニタ上に表示される。
また、操作者からの命令に応じてデータ保存ユニット23のメモリに前記画像データを保
存する。
こうして、2つのX線ビーム発生源9-1,9-2の軌跡が、互いに等間隔の螺旋軌道とな
るようにX線ビーム発生源9-1,9-2の間隔が設定されてヘリカルスキャンが行われる。
このように、第1の実施形態のX線CT装置1では、2つのX線ビーム発生源9-1,9
-2の軌跡が、互いに等間隔の螺旋軌道となるので、ヘリカルスキャンを効果的に行うこと
ができ、高画質の画像データを得ることができる。
尚、第1の実施形態のX線CT装置1では、連続回転型第3世代CTに適用した場合を
例にして説明したが、本発明はこれに限定されること無く、連続回転型第4世代CTにも
適用することができる。この場合、内面を検出面とする円筒状の検出器は、前記図3に示
した場合と同様に、X線ビーム発生源9を最大移動幅L移動させてもX線ビームを検出可
能な幅とする。尚、連続回転型第4世代CTに適用した場合のX線ビーム発生源の移動は
、前記X線CT装置1の場合と同様にして行われる。
また、第1の実施形態のX線CT装置1では、X線ビーム発生源9を2個有する場合を
例にして説明したが、本発明はこれに限定されること無く、X線ビーム発生源9を2個以
上(n個)有する場合も適用することができる。この場合、(n-1)個のX線ビーム発生
源スライド部11を設けるようにする。
図7は本発明に係るX線CT装置の第2の実施形態を示したブロック図である。尚、図
1で示したものと同一のものは同一の記号を付して詳細な説明を省略した。また、この第
2の実施形態は、連続回転型の第3世代CTに適用されるものである。
第2の実施形態のX線CT装置60は、ヘリカルスキャンにおいて2つのX線ビーム発
生源9-1,9-2による軌跡が、互いに等間隔の螺旋軌道となるように前記2つのX線ビー
ム発生源9-1,9-2の間隔およびそれに対応させて2つの検出器15-1,15-2の間隔を
設定するものである。このため、図7に示すように第2の実施形態のX線CT装置60で
は、図1に示す第1の実施形態のX線CT装置1に加えて、検出器スライド部61を設け
たものである。
検出器スライド部61は、架台コントローラ7から出力される検出器スライド制御信号
を基に、検出器15-2の位置をスライドする。この検出器スライド部61は、図2(a)
,(b)に示すX線ビーム発生源スライド部11と同一の構成にしても良いし、X線ビー
ム発生源9-2と検出器15-2とを同時にスライドさせるように構成しても良い。
図8(a),(b)に、X線ビーム発生源スライド部11と同一の構成の検出器スライ
ド部61の一例を示す。尚、図8(a)は検出器スライド部61の正面図であり、図8(
b)はその側面図である。また、図2(a),(b)で示したものと同一のものは同一の
記号を付して詳細な説明を省略した。
図8(a),(b)に示すように検出器スライド部61は、X線ビーム発生源スライド
部11のX線ビーム発生源スライドコントローラ53に代えて、検出器スライドコントロ
ーラ63を設けたものである。アクチュエータ41の回転量は、架台コントローラ7から
出力される検出器スライド制御信号を基に、検出器スライドコントローラ63によって制
御される。尚、検出器スライド部61は、X線ビーム発生源スライド部11と同様に動作
する。
このように、第2の実施形態のX線CT装置60では、常にX線ビーム発生源9-2に対
する検出器15-2の相対位置が一定であるため、同じX線ビーム厚であれば、それを受け
る検出器15-2上の回転軸方向の位置は常に同一となり、検出器15-2の回転軸方向の感
度分布が一定でないことに起因する画質劣化が生じにくくなる。
図9(a),(b)は、本発明に係るX線CT装置の第3の実施形態を示した図である
。第3実施形態では、X線ビーム発生源9-2と検出器15-2とを同時にスライドさせる構
成の検出器スライド部61Bを有するものである。このため、アクチュエータはX線ビー
ム発生源9-2と検出器15-2用の2つを持つ必要はなく1つですむ。尚、図9(a)は検
出器スライド部61Bの正面図であり、図9(b)はその側面図である。
図9(a),(b)に示すように検出器スライド部61Bは、略円環状の回転部ベース
フレーム65と、この回転部ベースフレーム65の内面に摺動可能に固定される略円環状
のスライドフレーム67と、このスライドフレーム67を回転部ベースフレーム65の内
面に沿って摺動させる検出器スライドコントローラ(図示せず)とから成る。
検出器スライド部61Bでは、回転部ベースフレーム65に一方のX線ビーム発生源9
-1とそれに対応する検出器15-1とが固定され、スライドフレーム67にもう一方のX線
ビーム発生源9-2とそれに対応する検出器15-2が固定される。そして、スライドフレー
ム67ごとX線ビーム発生源9-2と検出器15-2を前記検出器スライドコントローラによ
って回転軸方向に移動させる。尚、回転部ベースフレーム65とスライドフレーム67と
が摺動する面には、ボールベアリング等が設けられる。また、前記検出器スライドコント
ローラは、図示しないアクチュエータを用いてスライドフレーム67を回転部ベースフレ
ーム65の内面に沿って摺動させる。このアクチュエータは、前記アクチュエータ41と
同様の構成となっている。
この検出器スライド部61Bを用いた場合、X線ビーム発生源9-2と検出器15-2を組
にしてスライドフレーム67ごと移動させるので、X線ビーム発生源9-2に対する検出器
15-2の相対位置を高い制度で保つことができる。
また、第3の実施形態の検出器15-2は、図10に示すようにX線ビーム発生源9-2を
移動させたとき、それと同じだけ移動される。このため、第3の実施形態の検出器15-2
は、第1の実施形態の検出器15-2に比べて、回転軸方向の幅が狭いものを用いることが
できる。
尚、図10では、X線ビーム発生源9-2や検出器15-2の回転軸方向の取り付け角度差
を説明の都合上0として示しているが、実際にはこれらが互いに干渉しないように取り付
け角度差が設定されなければならない。また、X線ビーム発生源9-2、検出器15-2移動
の際、X線ビーム発生源9-2、検出器15-2以外に、回転軸方向の重量バランスを保つた
めの錘(図示せず)が取り付けられている場合は、この錘も同時に移動させるようにする
また、図10に示した例では、2つのX線ビーム発生源9-1,9-2(2つの検出器15
-1,15-2)の場合を説明したが、図11に示すように3つのX線ビーム発生源9-1,9
-2,9-3(3つの検出器15-1,15-2,15-3)を用いても良い。この場合、螺旋軌道
を等間隔にするとX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の設置位置は120度間隔となる。
次に、本発明に係るX線CT装置の第4の実施形態を説明する。尚、第4の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60と同一となるので図示および詳細な説明は省略す
る。またここでは、図1、図7で示したものと同一部材は、同一の記号を用いて説明する
第4の実施形態のX線CT装置の中央制御ユニット3は、X線ビーム発生源9-1と、X
線ビーム発生源9-2によるスライス厚の合計が、回転部1回転当たりの天板25aの移動
量と等しくなるようにする。
このとき、X線ビーム発生源9-1と、X線ビーム発生源9-2によるスライス厚が操作者
により指定された場合、中央制御ユニット3は、そのスライス厚の合計と、回転部1回転
当たりの天板25aの移動量が同一となるように、回転部1回転当たりの天板25aの移
動量を決定する。また、回転部1回転当たりの天板25aの移動量が操作者により指定さ
れた場合、中央制御ユニット3は、その天板25aの移動量と、X線ビーム発生源9-1と
X線ビーム発生源9-2によるスライス厚の合計が同一となるように、X線ビーム発生源9
-1によるスライス厚と、X線ビーム発生源9-2によるスライス厚を決定する。
例えば図12に示すように、X線ビーム発生源9-1によるスライス厚W1 と、X線ビ
ーム発生源9-2によるスライス厚W2 の合計(W1 +W2 )と、回転部1回転当た
りの天板25aの移動量を等しくする。
尚、図12に示す例では、X線ビーム発生源9-1によるスライス厚W1 と、X線ビー
ム発生源9-2によるスライス厚W2 と、X線ビーム発生源9-1による軌跡からX線ビー
ム発生源9-2による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel1と、X線ビーム発生源9-2による
軌跡からX線ビーム発生源9-1による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel2とが全て等しく
なるように(W1 =W2 =Ihel1=Ihel2)、中央制御ユニット3は、X線ビーム発
生源9-1とX線ビーム発生源9-2との間隔と、各スライス厚W1 ,W2 を決定してい
る。
このように、第4の実施形態のX線CT装置では、X線ビーム発生源9-1と、X線ビー
ム発生源9-2によるスライス厚の合計が、回転部1回転当たりの天板25aの移動量と等
しくなるようにしているので、最小限の曝射で撮影領域を漏れなくスキャンすることがで
きる。
次に、本発明に係るX線CT装置の第5の実施形態を説明する。尚、第5の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60とX線ビーム発生源9、検出器17の数が異なる
のみであるので、図示および詳細な説明は省略する。またここでは、図1、図7で示した
ものと同一部材は、同一の記号を用いて説明する。
第5の実施形態のX線CT装置は、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3を120
度間隔で設けるとともに、それに対応して3つの検出器を設けたものである。尚、X線ビ
ーム発生源9-3は、前記回転部に固定され、X線ビーム発生源9-1,9-2は、それぞれ対
応するX線ビーム発生源スライド部11によって回転軸方向に移動可能となっている。ま
たここでは、検出器として一列検出器を用いている。
図12に示すように、第5の実施形態のX線CT装置では、3つのX線ビーム発生源9
-1,9-2,9-3の設定位置が同一のミッドプレーン上、即ち、同一面上に設定されること
となる。尚、図12中、点線で示すX線ビーム発生源は、コンベンショナルスキャン時の
設定位置を示している。
この場合、X線ビーム発生源9-1による軌跡からX線ビーム発生源9-2による軌跡まで
の回転軸方向の間隔Ihel1と、X線ビーム発生源9-2による軌跡からX線ビーム発生源9
-3による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel2と、X線ビーム発生源9-3による軌跡からX
線ビーム発生源9-1による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel3は等しくなる。
また、図14にX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3から曝射されるX線ビームの曝射タ
イミングを示す。3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の設定位置が同一のミッドプ
レーン上となるので、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3から曝射されるX線ビーム曝射
タイミングは、図14に示すように、3つとも同時となる。
このように、第5の実施形態のX線CT装置では、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2
,9-3を120度間隔で設けることにより、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の設定位
置が同一のミッドプレーン上となるので、X線ビーム曝射タイミングを容易に制御するこ
とができる。
尚、第5の実施形態のX線CT装置では、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3を
全て用いてヘリカルスキャンを行うが、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の内2
つ、または1つのみを使用してヘリカルスキャンを行うことも可能である。例えばX線ビ
ーム発生源9-1,9-2を使用してヘリカルスキャンを行う場合には、2つのヘリカルスキ
ャンの軌跡が互いに等間隔となるように、X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2
との回転軸方向の間隔を設定することで実現可能である。
また、X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2との組み合わせに限らず、X線ビ
ーム発生源9-2とX線ビーム発生源9-3、X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-3
でも良い。尚、X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2を使用する場合は、2つの
移動量を平均化して等しくするようにすれば、X線ビーム発生源9-1,9-2の移動時間を
短縮することができる。
尚、第5実施例のX線CT装置では、検出器として一列検出器を用いているが、本発明
はこれに限定されること無く、図15に示すように検出器として二列検出器15-1,15
-2,15-3を用いても良い。この場合も3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の設定
位置が同一のミッドプレーン上、即ち、同一面上に設定されることとなる。尚、図15中
、点線で示すX線ビーム発生源は、コンベンショナルスキャン時の設定位置を示している
また、この場合、検出器15-1の2つの検出器列15-1A ,15-1B による軌跡の回
転軸方向の間隔Ihel11 と、検出器15-1の検出器列15-1B による軌跡から検出器1
5-2の検出器列15-2A による軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel12 と、検出器15-2
の2つの検出器列15-2A ,15-2B による軌跡の回転軸方向の間隔Ihel21 と、検
出器15-2の検出器列15-2B による軌跡から検出器15-3の検出器列15-3A による
軌跡までの回転軸方向の間隔Ihel22 と、検出器15-3の2つの検出器列15-3A ,1
5-3B による軌跡の回転軸方向の間隔Ihel31 と、検出器15-3の検出器列15-3B
による軌跡から検出器15-1の検出器列15-1A による軌跡までの回転軸方向の間隔Ih
el32 とが等しくなるようにする。
また、この場合も3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の設定位置が同一のミッド
プレーン上となるので、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3から曝射されるX線ビーム曝
射タイミングは、図14に示す場合と同様に3つとも同時となる。
さらに、検出器15-1,15-2,15-3として3列以上の検出器の場合に対しても適用
することができるし、他の種類の二次元検出器の場合に対しても適用することができる。
この場合、存在する全ての検出器列を使用する必要は無く、例えば1つの検出器列のみを
使用して、互いに等間隔のヘリカルスキャン軌跡を実現するようにしても良い。また、3
列以上の検出器列を有する検出器の場合には、その内の一部の列のみを使用して互いに等
間隔のヘリカルスキャン軌跡を実現するようにしても良い。さらに、一部の検出器を使用
して互いに等間隔のヘリカルスキャン軌跡を実現するようにしても良い。さらに、一部の
検出器を使用することと、一部の検出器列を使用することを組み合わせて、互いに等間隔
のヘリカルスキャン軌跡を実現するようにしても良い。
次に、本発明に係るX線CT装置の第6の実施形態を説明する。尚、第6の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60とX線ビーム発生源9、検出器17の数が異なる
のみであるので、図示および詳細な説明は省略する。またここでは、図1、図7で示した
ものと同一部材は、同一の記号を用いて説明する。
第6の実施形態のX線CT装置は、所定の領域毎に1つのX線ビーム発生源およびそれ
に対応した検出器でヘリカルスキャンを行うものである。ここでは、図16に示すように
、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3を120度間隔で設けるとともに、それに対
応して3つの検出器15-1,15-2,15-3を設け、撮影領域を3つに分けて領域毎にヘ
リカルスキャンを行う場合を例にして説明する。
図16に示す例では、X線ビーム発生源9-1は領域a1、X線ビーム発生源9-2は領域
a2、X線ビーム発生源9-3は領域a3をヘリカルスキャンする。
またこの場合、必ずしも各領域(領域a1、領域a2、領域a3)の大きさは同一とす
る必要はないが、同一とし、かつ、各領域の開始点の間隔をX線ビーム発生源9-1,9-2
,9-3の間隔と等しく設定した場合には、X線ビーム曝射タイミングは、図17に示すよ
うに同時となり、X線ビーム曝射タイミングを容易に制御することができる。
第6の実施形態のX線CT装置では、設定され得る最大の回転軸方向のX線ビーム発生
源間隔をImax とすると、ヘリカルスキャンの合計の撮影領域がImax *(X線ビーム
発生源数)よりも小さい場合に適用可能である。
このように、第6の実施形態のX線CT装置では、領域毎に1つのX線ビーム発生源お
よびそれに対応した検出器でヘリカルスキャンを行うようにしているので、1つの領域内
で複数の検出器を使用することが無く、検出器間の感度差による生じる画質の劣化を防止
することができる。
尚、第6の実施形態のX線CT装置では、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3から同時
にX線ビームを曝射するようにしているが、図18に示すようにX線ビーム曝射タイミン
グをずらすことで、より広い領域をヘリカルスキャンすることができる。
この場合、図19に示すように、まずX線ビーム発生源9-1がX線ビームの曝射を開始
する。次いでX線ビーム発生源9-2に対応するスキャン位置が領域a2に差し掛かった段
階でX線ビーム発生源9-2もX線ビームの曝射を開始する。同様にX線ビーム発生源9-3
も領域a3の開始点でX線ビームの曝射を開始する。
その後、X線ビーム発生源9-1は、そのスキャン位置が領域a1の終了点を通過した時点
でX線ビームの曝射を終了する。同様にX線ビーム発生源9-2,9-3もそれぞれの領域a
2,a3の終了点でX線ビームの曝射を終了する。
またこの場合では、設定され得る最大の回転軸方向のX線ビーム発生源間隔をImax
とすると、ヘリカルスキャンの合計の撮影領域がImax *(X線ビーム発生源数)より
も大きい場合に適用するのが一般的である。
また、第6の実施形態のX線CT装置では、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3
を全て用いてヘリカルスキャンを行うが、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の内
2つ、または1つのみを使用してヘリカルスキャンを行うことも可能である。例えばX線
ビーム発生源9-1,9-2を使用してヘリカルスキャンを行う場合を図20に示す。
図20に示すように、撮影領域を2つに分け、領域毎にヘリカルスキャンを行う。即ち
、X線ビーム発生源9-1は領域a1、X線ビーム発生源9-2は領域a2をヘリカルスキャ
ンする。この時、必ずしも各領域(領域a1、領域a2)の大きさは同一とする必要はな
いが、同一とし、かつ、各領域の開始点の間隔をX線ビーム発生源9-1,9-2の間隔と等
しく設定した場合には、X線ビーム曝射タイミングは、図21に示すように同時となり、
X線ビーム曝射タイミングを容易に制御することができる。また、X線ビーム発生源9-1
とX線ビーム発生源9-2を使用する場合は、2つの移動量を平均化して等しくするように
すれば、X線ビーム発生源9-1,9-2の移動時間を短縮することができる。
さらに、第6の実施形態のX線CT装置では、検出器として一列検出器を用いているが
、本発明はこれに限定されること無く、図22に示すように検出器として二列検出器15
-1,15-2,15-3を用いても良い。この場合、撮影領域を3つに分け、領域毎にヘリカ
ルスキャンを行う。即ち、X線ビーム発生源9-1は領域a1、X線ビーム発生源9-2は領
域a2、X線ビーム発生源9-3は領域a3をヘリカルスキャンする。
またこの場合、必ずしも各領域(領域a1、領域a2、領域a3)の大きさは同一とす
る必要はないが、同一とし、かつ、各領域の開始点の間隔をX線ビーム発生源9-1,9-2
,9-3の間隔と等しく設定した場合には、X線ビーム曝射タイミングは、図23に示すよ
うに同時となり、X線ビーム曝射タイミングを容易に制御することができる。
さらに、第6の実施形態のX線CT装置では、検出器として3列以上の検出器を用いた
場合にも適用することができるし、他の種類の二次元検出器を用いた場合にも適用するこ
とができる。
次に、第6の実施形態のX線CT装置を用いた場合の撮影領域幅に対する領域数の設定
方法およびX線ビーム曝射タイミングの例を図24に示す。ここで、設定され得る最大の
回転軸方向のX線ビーム発生源の間隔をImax とし、操作者により指定された撮影領域
幅により4つのケースに分ける。
撮影領域≦Imax の場合(C1YES )、領域数を1とし、1つのX線ビーム発生源(
X線ビーム発生源9-1、X線ビーム発生源9-2またはX線ビーム発生源9-3)を使用した
ヘリカルスキャンを行う。
Imax ≦撮影領域<3*Imax の場合(C1NO,C3YES )、領域数を2とし、そ
れぞれの領域の大きさは撮影領域/2とする。2つのX線ビーム発生源(X線ビーム発生
源9-1とX線ビーム発生源9-2、X線ビーム発生源9-2とX線ビーム発生源9-3またはX
線ビーム発生源9-3とX線ビーム発生源9-1)を使用したヘリカルスキャンを行う。2つ
のX線ビーム発生源のX線ビーム曝射タイミングは同時とする。
2*Imax ≦撮影領域<3*Imax の場合(C3NO,C5YES )、領域数を3とし
、それぞれの領域の大きさは撮影領域/3とする。3つのX線ビーム発生源(X線ビーム
発生源9-1とX線ビーム発生源9-2とX線ビーム発生源9-3)を使用したヘリカルスキャ
ンを行う。3つのX線ビーム発生源のX線ビーム曝射タイミングは同時とする。
3*Imax <撮影領域の場合(C5NO)、領域数を3とし、それぞれの領域の大きさ
は撮影領域/3とする。3つのX線ビーム発生源(X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発
生源9-2とX線ビーム発生源9-3)を使用したヘリカルスキャンを行う。各X線ビーム発
生源からのX線ビーム曝射タイミングをずらすことで、前記2*Imax ≦撮影領域<3
*Imax の場合より広い領域のヘリカルスキャンを行う。
こうして、操作者により指定された撮影領域幅を基に、4つのケースに分けて領域数と
、X線ビーム曝射タイミングが決定される。
次に、本発明に係るX線CT装置の第7の実施形態を説明する。尚、第7の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60とX線ビーム発生源9、検出器17の数が異なる
のみであるので、図示および詳細な説明は省略する。またここでは、図1、図7で示した
ものと同一部材は、同一の記号を用いて説明する。
第7の実施形態のX線CT装置は、ヘリカルスキャン条件の異なる複数の領域を一連の
動作でヘリカルスキャンするようにしたものである。
例えば図25に示すようなヘリカルスキャン条件を撮影領域毎に設定する。この時、ス
キャノ像上で撮影領域の回転を指定し、各撮影領域に対して、領域幅、使用X線ビーム発
生源数、スライス厚、1回転当たりの天板送り、X線管電圧、X線管電流を入力する。尚
、使用使用X線ビーム発生源数が自動とされた場合には、前記図24に示した例に基づい
てスキャン方法が決定される。
ここでは、図26に示すように、3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3を120度
間隔で設けるとともに、それに対応して3つの検出器15-1,15-2,15-3を設け、1
回転当たりの天板送りの異なる複数の領域をスキャンする場合を例にして説明する。
図26に示す例では、撮影条件の異なる撮影領域a1,a2をそれぞれ3つの領域に分
け、この領域毎にヘリカルスキャンを行う。即ち、X線ビーム発生源9-1は領域a11と
領域a21、X線ビーム発生源9-2は領域a12と領域a22、X線ビーム発生源9-3は
領域a13と領域a23をヘリカルスキャンする。撮影領域a1,a2での撮影条件の違
いは、1回転当たりの天板送りが異なる点である。また、X線ビーム発生源の間隔を途中
で変えるようにしている。尚、X線ビーム曝射は、対応する領域に対してのみ行うように
する。
ここで、撮影領域a1、撮影領域a2とも、各領域(領域11、12、13および領域
21、22、23)の開始点の間隔をX線ビーム発生源の間隔と一致させ、かつ領域の大
きさをそれぞれ等しくした場合のX線ビーム曝射タイミングを図27に示す。
撮影領域a1の撮影が終了した時点から撮影領域a2の撮影が始まるまでの間で、天板
速度の変更がなされるようにする。尚、前記天板速度変更の間は、X線ビーム曝射は停止
させる。また、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の間隔の変更もこの間になされる。つ
まり、撮影領域a1が終了した後、撮影領域a2の領域a21,a22,a23の各開始
点にX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3が位置するようにX線ビーム発生源9-1,9-2,
9-3の間隔を設定し、再び撮影領域a2のヘリカルスキャンを行う。
この場合、1回転当たりの天板送りが異なる2つの撮影領域a1,a2を一連の動作で
ヘリカルスキャンし、また、X線ビーム発生源の間隔を途中で変えるようにしているので
、診断効率が向上する。
次に、撮影領域a1の幅がX線ビーム発生源最大間隔Imax *(X線ビーム発生源数
)より大きい場合を含む例を図28に示す。この例は、撮影領域a1では図29に示すよ
うに各X線ビーム曝射タイミングをずらすことで、より広い領域のヘリカルスキャンを可
能にしている。
この場合、図26に示す例に加え、X線ビーム発生源最大間隔Imax *(X線ビーム
発生源数)より大きくなる場合でも適用することができる。
次に、1回転当たりの天板送りは同じで、他の条件が異なる場合を図29に示す。この
例では、撮影領域a2に関しては3つのX線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の内の一部(
X線ビーム発生源9-1とX線ビーム発生源9-2)を使用してヘリカルスキャンするという
ものである。尚、この図30に示す例では、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の間隔を
途中で変えることがないので、図31に示すようにX線ビーム曝射タイミングを調節する
ことで、診断を行う領域の幅を変更している。
この場合、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の間隔を途中で変えることがないので、
その分、X線ビーム発生源9-1,9-2,9-3の移動制御が簡単になる。
このように、第7の実施形態のX線CT装置では、ヘリカルスキャン条件の異なる複数
の領域を一連の動作でヘリカルスキャンするようにしているので、診断効率が向上する。
尚、第7の実施形態のX線CT装置では、撮影領域が互いに隣接している場合を例にし
て説明したが、隣接していない場合でも適用できる。また、検出器として二次元検出器を
用いた場合にも適用することができる。
次に、本発明に係るX線CT装置の第8の実施形態を説明する。尚、第8の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60と同一構成であるので、図示および詳細な説明は
省略する。またここでは、図1、図7で示したものと同一部材は、同一の記号を用いて説
明する。
所定位置の画像データを再構成するためには、画像データの補間が必要であり、360
度補間であれば、再構成する位置を中心に360度、対向ビーム補間であれば、再構成す
る位置を中心に(180度+X線ビームのファン角度/2)分の画像データが必要となる
隣接した所定の領域毎に1つのX線ビーム発生源およびそれに対応した検出器でヘリカ
ルスキャンを行った場合、境界部付近では、前述したように1つのX線ビーム発生源に対
応した画像データのみでは再構成できない部分が生じるので双方の領域の画像データを使
用した再構成が必要となる。しかし、前記領域毎に1つのX線ビーム発生源およびそれに
対応した検出器でヘリカルスキャンを行った場合、領域が異なるとX線ビーム発生源に対
応する螺旋軌道も異なるので、アーチファクト等の画質劣化を起こしやすいという問題が
ある。この領域境界部での画質劣化を防止するため、第8の実施形態では、領域と領域の
境界部よりそれぞれ所定量分オーバーラップさせるというものである。
領域の境界部をオーバーラップしてヘリカルスキャンを行った場合のヘリカルスキャン
軌跡を図32に示す。この例は、1回転当たりの天板送りが領域a1、領域a2ともに等
しい場合であり、前記オーバーラップさせる領域(以下、オーバーラップ領域と記す)O
1,O2は、それぞれ境界より1回転分である。尚、オーバーラップ領域O1,O2は、
それぞれ(180度+X線ビームのファン角度/2)分としても良い。また、1回転当た
りの天板送りが領域a1と領域a2で等しくない場合もオーバーラップ領域O1,O2は
、それぞれ1回転分、または、(180度+X線ビームのファン角度/2)分とする。
このように、第8の実施形態のX線CT装置では、領域の境界部よりそれぞれ所定量オ
ーバーラップさせているので、いずれの位置の画像データを再構成する場合も一方のX線
ビーム発生源に対応した画像データのみで画像データを再構成することができる。
尚、第8の実施形態のX線CT装置では、検出器として一列検出器を用いた場合を例に
して説明したが、本発明はこれに限定されること無く、例えば二次元検出器を用いた場合
にも適用することができる。
検出器として二列検出器を用い、領域の境界部をオーバーラップさせてヘリカルスキャ
ンさせた場合のヘリカルスキャン軌跡を図33に示す。図33に示すように二次元検出器
15-1,15-2を用いた場合では、隣の領域に最も近い検出器列のスキャン位置が境界上
にある状態から、隣の領域の方向に更に1回転分または180度プラスファン角度分をオ
ーバーラップさせるようにする。図33に示した例では、1回転当たりの天板送りが領域
a1,a2ともに等しい場合の例であり、オーバーラップ領域O1,O2は、それぞれ境
界より1回転分である。尚、オーバーラップ領域O1,O2は、それぞれ180度プラス
X線ビームのファン角度分としても良い。また、1回転当たりの天板送りが領域a1と領
域a2で等しくない場合もオーバーラップ領域O1,O2は、それぞれ1回転分、または
、180度プラスX線ビームのファン角度分とする。
次に、本発明に係るX線CT装置の第9の実施形態を説明する。尚、第9の実施形態の
X線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7に示
した第2の実施形態のX線CT装置60とX線ビーム発生源9、検出器17の数が異なる
のみであるので、図示および詳細な説明は省略する。またここでは、図1、図7で示した
ものと同一部材は、同一の記号を用いて説明する。
第9の実施形態では、前記領域境界部での画質劣化を防止するため、撮影に使用する各
X線ビーム発生源に対応したヘリカルスキャン軌跡が同一の螺旋軌道上にのるようにX線
ビーム発生源の回転軸方向の間隔を設定するものである。
角度120度毎に3つのX線ビーム発生源を有する場合において、X線ビーム発生源の
描く螺旋軌道が同一の螺旋軌道にのるようにX線ビーム発生源の回転軸方向の間隔を設定
してヘリカルスキャンを行ったときのヘリカルスキャン軌跡を図34に示す。尚、前記同
一の螺旋軌道上にのせるためには、1回転当たりの天板送りが等しく、かつ、隣接した領
域である必要がある。
X線ビーム発生源が角度120度毎に設けられている場合、領域幅は、領域幅=(整数
+1/3)回転に相当する天板送り距離とすることで、図34に示すように各X線ビーム
発生源に対応したヘリカルスキャン軌跡を同一の螺旋軌道上に乗せることができる。尚、
使用するX線ビーム発生源の数やその取り付け角度により、領域幅は異なる。図34に示
す例では、各領域幅は、5と1/3回転相当の天板送り距離である。
このように、第9の実施形態のX線CT装置は、連続した1つの螺旋軌道の画像データ
が得られ、螺旋軌道が異なることによるアーチファクトや画像の不連続性を無くすことが
できる。この場合、第8の実施形態のようにオーバーラップさせなくても互いの領域のデ
ータを補間して再構成することもできる。
尚、第9の実施形態のX線CT装置では、検出器として一列検出器を用いた場合を例に
して説明したが、本発明はこれに限定されること無く、例えば二次元検出器を用いた場合
にも適用することができる。
角度120度毎に3つのX線ビーム発生源と、それぞれのX線ビーム発生源に対応する
二列検出器とを有する場合において、X線ビーム発生源の描く螺旋軌道が同一の螺旋軌道
にのるようにX線ビーム発生源の回転軸方向の間隔を設定してヘリカルスキャンを行った
ときのヘリカルスキャン軌跡を図35に示す。
図35に示すように、二列検出器15-1,15-2,15-3を有する場合、2つの連続し
た螺旋軌道上の画像データが得られる。また、3列以上の検出器列を有する場合には、検
出器列の数と同数の螺旋軌道上の画像データが得られる。さらに、二次元検出器の一部を
検出器列を使用したヘリカルスキャンの場合には、その使用した列数と同数の螺旋軌道上
の画像データが得られることになる。
次に、本発明に係るX線CT装置の第10の実施形態を説明する。尚、第10の実施形
態のX線CT装置の構成は、図1に示した第1の実施形態のX線CT装置1もしくは図7
に示した第2の実施形態のX線CT装置60と同一構成であるので、図示および詳細な説
明は省略する。またここでは、図1、図7で示したものと同一部材は、同一の記号を用い
て説明する。
第10の実施形態では、前記領域境界部での画質劣化を防止するため、図36に示すよ
うに、撮影に使用する各X線ビーム発生源に対応したヘリカルスキャン軌跡が同一の螺旋
軌道上にのるようにX線ビーム発生源の回転軸方向の間隔を設定し、かつ、領域の境界部
をオーバーラップさせてヘリカルスキャンを行い、前記オーバーラップ領域の画像データ
の一部または全部に図37に示すような重み付けを行うというものである。
図37に示すように、領域a1側の重み付けは、領域a1とオーバーラップ領域との境
界を重み「1」、オーバーラップ領域と領域a2の境界を重み「0」とした線形とし、領
域a2側の重み付けは、領域a2とオーバーラップ領域との境界を重み「1」、オーバー
ラップ領域と領域a1の境界を重み「0」とした線形とする。そして、オーバーラップ領
域では、この重み付けされた画像データの加算平均をその位置の画像データとする。尚、
この重み付けは必ずしもリニアでなくても良い。この場合、データの加算平均は補正およ
び対数変換後のデータであることは言うまでもない。
このように、第10の実施形態のX線CT装置では、撮影に使用する各X線ビーム発生
源に対応したヘリカルスキャン軌跡が同一の螺旋軌道上にのるようにX線ビーム発生源の
回転軸方向の間隔を設定し、かつ、領域の境界部をオーバーラップさせてヘリカルスキャ
ンを行い、前記オーバーラップ領域の画像データの一部または全部に図37に示すような
重み付けを行っているので、オーバーラップ領域では、この重み付けされた画像データの
加算平均をその位置の画像データとすることで、領域境界部での画質劣化を防止すること
ができる。
本発明に係るX線CT装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 図1に示したX線ビーム発生源スライド部の一例を示す図である。 図1に示した検出器を示す図である。 図1に示した中央制御ユニットの診断開始までの動作の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態における2つのX線ビーム発生源を有する場合のヘリカルスキャン軌跡を示す図である。 X線ビームの曝射を撮影領域のみにする場合と(a)、X線ビームの曝射を2つのX線ビーム発生源で同時にする場合のX線ビーム曝射タイミングを示す図である。 本発明に係るX線CT装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 図7に示したX線ビーム発生源スライド部の一例を示す図である。 本発明に係るX線CT装置の第3の実施形態であり、X線ビーム発生源と検出器とを同時にスライドさせる構成の検出器を示す図である。 図7に示した検出器を示す図である。 X線ビーム発生源が3つの場合の例を示す図である。 本発明に係るX線CT装置の第4の実施形態を説明するための図である。 本発明に係るX線CT装置の第5の実施形態を説明するための図である。 図13に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 図13に示した例を二列検出器に適用した場合を示す図である。 本発明に係るX線CT装置の第6の実施形態を説明するための図である。 図16に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 3つのX線ビーム発生源のX線ビーム曝射タイミングずらした場合を示す図である。 3つのX線ビーム発生源を有する場合のヘリカルスキャン軌跡を示す図である。 3つのX線ビーム発生源の内の2つのみを使用した場合のヘリカルスキャン軌跡を示した図である。 図20に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 図16に示した場合の検出器を二列検出器に代えたときのヘリカルスキャンによる軌跡を示した図である。 図22に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 第6の実施形態のX線CT装置を用いた場合の撮影領域幅に対する領域数の設定方法およびX線ビーム曝射タイミングの例を示す図である。 撮影領域毎のヘリカルスキャン条件の例を示した図である。 本発明に係るX線CT装置の第7の実施形態を説明するための図である。 図26に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 第7の実施形態において撮影領域の幅がX線ビーム発生源最大間隔Imax *(X線ビーム発生源数)より大きい場合を含む時を説明するための図である。 図28に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 第7の実施形態において1回転当たりの天板送りは同じで、他の条件が異なる場合を説明するための図である。 図30に示した場合のX線ビーム放射タイミングを示す図である。 本発明に係るX線CT装置の第8の実施形態を説明するための図である。 図32に示した場合の検出器を二列検出器に代えたときの図である。 本発明に係るX線CT装置の第9の実施形態を説明するための図である。 図34に示した場合の検出器を二列検出器に代えたときの図である。 本発明に係るX線CT装置の第10の実施形態を説明するための図である。 図36に示した場合の重み付けの例を示す図である。 一列検出器と二次元検出器の例を示す図である。 連続回転型の第四世代CTの例を示す図である。 一列検出器を有するX線CT装置におけるヘリカルスキャン軌跡を示す図である。 三列検出器を有するX線CT装置におけるヘリカルスキャン軌跡を示す図である。 2つのX線ビーム発生源を有する場合のコンベンショナルスキャンを説明するための図である。 X線ビーム発生源をコンベンショナルスキャンの設定のままヘリカルスキャンを行った場合のヘリカルスキャン軌跡を示した図である。 X線ビーム発生源をコンベンショナルスキャンの設定のままヘリカルスキャンを行った場合でかつスライス厚を考慮したときのヘリカルスキャン軌跡を示した図である。 3つのX線ビーム発生源を有する場合のコンベンショナルスキャンを説明するための図である。 3つのX線ビーム発生源を有する場合のX線ビーム発生源をコンベンショナルスキャンの設定のままヘリカルスキャンを行った場合のヘリカルスキャン軌跡を示した図である。
符号の説明
1 X線CT装置
3 中央制御ユニット
5 高電圧発生器
7 架台コントローラ
9 X線ビーム発生源
11 X線ビーム発生源スライド部
13 プリコリメータコントローラ
15 検出器
17 データ収集部
19 画像再構成ユニット
21 画像表示ユニット
23 データ保存ユニット
25 寝台
27 寝台コントローラ
29 天板スライドコントローラ
31 コンソール
33 架台

Claims (1)

  1. 少なくとも2つのX線発生源を回転させると共に寝台の天板を回転軸方向に移動してヘリカルスキャンを行うX線CT装置において、
    X線を寝台上の被検体に曝射する第1のX線ビーム発生源と、
    前記第1のX線ビーム発生源から曝射されたX線を検出する第1の検出器と、
    X線を寝台上の被検体に曝射する第2のX線ビーム発生源と、
    前記第2のX線ビーム発生源から曝射されたX線を検出する第2の検出器と、
    前記X線ビーム発生源を前記被検体の回りに回転させる回転手段と、
    前記第1のX線ビーム発生源と前記第2のX線ビーム発生源の回転軸方向の位置が異なるように設定する設定手段と、
    ヘリカルスキャンを行う領域にX線を曝射するように、前記第1のX線ビーム発生源のX線ビーム曝射開始タイミングを前記第2のX線ビーム発生源のX線ビーム曝射開始タイミングより遅くする制御手段と、を備えることを特徴とするX線CT装置。
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