JP3960221B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
車両用空調装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3960221B2 JP3960221B2 JP2002370753A JP2002370753A JP3960221B2 JP 3960221 B2 JP3960221 B2 JP 3960221B2 JP 2002370753 A JP2002370753 A JP 2002370753A JP 2002370753 A JP2002370753 A JP 2002370753A JP 3960221 B2 JP3960221 B2 JP 3960221B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- temperature
- outlet
- mode
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房運転開始時にウォームアップ制御を行なう車両用空調装置に関するものであり、特に、ウォームアップ制御中に送風手段を作動させる制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置では、空気通路を形成する空調ケースと、この空調ケース内に配設されエンジン冷却水を導いて空調ケース内を流れる空気を加熱する加熱手段と、この加熱手段に導かれた冷却水の温度を検出する水温検出手段と、加熱手段を介して送風手段により車室内に送られる吹出空気の温度を検出する吹出温度検出手段と、暖房運転開始時に、冷却水の温度が所定温度に上昇するまでは送風手段を停止させ、冷却水の温度が所定温度に上昇後は送風手段の送風能力を徐々に高めるように演算を行なう演算回路とが設けられている。これにより、暖房運転開始時に冷却水の温度が低いときには送風手段を通常よりも低速度で駆動させることで、乗員への冷風が吹き出す不快感を低減したものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−13071号公報 (第3−4頁、第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1によれば、エンジン始動時に暖房運転が開始されても冷却水の温度が所定温度に上昇するまでは送風手段が停止された状態となっている。このために、冷却水の温度が所定温度に上昇するまでは車両の窓ガラス面は外気温度とほぼ同一のため、冷却水の温度が上昇するまでは乗員の,熱量により窓ガラスが曇ってしまう問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、ウォームアップ制御中において窓ガラスにガラス面より高い温度の空気を吹き吹き出す制御手段を配設させることで、フロントガラスの曇りを防止することができる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両の窓ガラスに向かって開口するデフロスタ吹出口(9)を含め、車室内の各所に開口する複数の吹出口(9、10、11)と、デフロスタ吹出口(9)を選択するデフロスタモードを含む各吹出口モードに応じて複数の吹出口(9、10、11)を選択的に開閉する吹出口開閉手段(12a、13a、14a)と、車室内へ送風するための送風手段(3)と、この送風手段(3)より吹出口(9、10、11)に送風空気を導く空調ケース(2)と、この空調ケース(2)内を流れる空気を加熱する加熱手段(5)と、この加熱手段(5)の温度を検出する加熱温度検出手段(37)と、車室外の温度を検出する外気温度検出手段(34)と、加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以下のときは、送風手段(3)を停止させるとともに、デフロスタモードが設定されるように吹出口開閉手段(12a、13a、14a)を作動させ、加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以上のときは、検出値の増加に応じて送風能力を増加させるウォームアップ制御手段(260)とを有する車両用空調装置において、
ウォームアップ制御手段(260)は、加熱温度検出手段(37)の検出値が外気温度検出手段(34)の検出値よりも高いときには、加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以下であっても、送風手段(3)を作動させ、かつ加熱温度検出手段(37)の検出値が0℃を下回ったときには、送風手段(3)を停止させることを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、加熱温度検出手段(37)の検出値が外気温度検出手段(34)の検出値よりも高いときには、加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以下であっても、送風手段(3)を作動させることにより、暖房運転開始時には、窓ガラスの温度はほぼ外気温度と同一であるため、この温度より高い温度の送風空気を吹き出すことで、従来の送風手段(3)を停止させたときより窓ガラスの曇りを防止することができる。
【0009】
また、窓ガラスに水滴などが付着している場合には、加熱温度検出手段(37)の検出値が0℃を下回ったときは、窓ガラス面が逆に凍ってしまう恐れがあるため、このときには、送風手段(3)を停止させるのが良い。しかも、0℃以下の冷風は、例え乗員の頭部にあたっても不快感を招くため送風手段(3)を停止させることで不快感を損なうこともない。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用空気調和装置を図1ないし図9に示す一実施形態に基づいて説明する。図1および図2は、本実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。
【0014】
まず、図1に示すように、車両用空気調和装置1は、車室内へ送風空気を導く空調ケース2、この空調ケース2内に空気を導入して車室内へ送る送風手段である送風機3、空調ケース2内に配設された冷媒蒸発器4を含む冷却手段である冷凍サイクルS、空調ケース2内で冷媒蒸発器4の下流(風下)に配設された加熱手段であるヒータコア5を備える。
【0015】
空調ケース2は、その上流端に内気導入口6および外気導入口7が設けられ、各導入口6、7は、選択された内外気モードに応じて作動する内外気切替ドア8によって開閉される。そして、空調ケース2の下流端には、車室内に開口する各吹出口(車室内のフロントガラスに向かって開口するデフロスタ吹出口9、乗員の足元に開口するフット吹出口10、乗員の上半身に向かって開口するフェイス吹出口11)に送風空気を導くための分岐ダクト12、13、14が接続されている。
【0016】
各分岐ダクト12〜14の上流側開口部には、選択された吹出口モードに応じて各分岐ダクト12〜14を開閉する吹出口開閉手段である各吹出口ドア12a、13a、14aが設けられている。そして、吹出口モードは、フェイス吹出口11より乗員の上半身および顔面に冷風を吐出するフェイスモード、フェイス吹出口11より冷風を吐出し、フット吹出口10より温風を吐出して頭寒足熱の心地良い暖房を行なうバイレベルモード、フット吹出口10より温風を吐出して室内暖房を行なうフットモード、およびデフロスタ吹出口9より空調空気を吐出してフロントガラスのくもり取りを行なうデフロスタモードが設定されている。
【0017】
送風手段である送風機3は、遠心式ファン3aと、このファン3aを回転駆動するファンモータ3bより成り、このファンモータ3bへの印加電圧に応じて回転速度が決定される。なお、ファンモータ3bへの印加電圧は、モータ駆動回路15を介して後述する制御装置16からの出力信号に基づいて制御される。
【0018】
冷却手段である冷凍サイクルSは、エンジン17の回転力を受けて駆動される冷媒圧縮機18、この冷媒圧縮機18で圧縮された高温高圧の冷媒をクーリングファン19の送風を受けて凝縮液化する冷媒凝縮器20、冷媒凝縮器20より導かれた冷媒を一時蓄えて液冷媒のみを流すレシーバ21、レシーバ21より導かれた冷媒を減圧膨脹する膨脹弁22、この膨脹弁22で減圧された冷媒を送風機3の送風を受けて蒸発させる冷媒蒸発器4より構成され、それぞれ冷媒配管23によって環状に接続されている。なお、冷媒圧縮機18は、圧縮機駆動回路24を介して制御装置16によって通電制御される電磁クラッチ18aを備え、この電磁クラッチ18aのオン・オフに伴って運転状態が制御される。
【0019】
加熱手段であるヒータコア5は、温水配管25を介してエンジン17の冷却水回路(図示しない)と接続されており、エンジン17を冷却して加熱されたエンジン冷却水を熱源として、ヒータコア5を通過する空気を加熱する。このヒータコア5を通過する空気量は、エアミックスドア26によって調節される。
【0020】
上記の内外気切替ドア8、各吹出口ドア12a〜14a、エアミックスドア26は、それぞれ各アクチュエータ27、28、29、30、31によって操作され、その各アクチュエータ27〜31は、それぞれ各駆動回路27a、28a、29a、30a、31aを介して、後述する制御装置16からの制御信号に基づいて制御される。また、制御装置16には、操作パネル32で選択された選択信号が入力されるとともに、各センサ(車室内の温度を検出する内気温センサ33、車室外の温度を検出する外気温度検出手段である外気温センサ34、車室内に差し込む日射量を検出する日射センサ35、冷媒蒸発器4の出口側空気温度を検出するエバ後温センサ36、エンジン冷却水の温度を検出する加熱温度検出手段である水温センサ37、エアミックスドア26の開度を検出するポテンショメータ38)からの検出信号が入力インターフェイス39を介して入力される。
【0021】
操作パネル32は、運転席前方のインストルメントパネル(図示しない)に設けられている。操作パネル32には、図2に示すように、オートスイッチ40、オフスイッチ41、温度設定スイッチ42、設定温度表示部43、内外気切替スイッチ44、エアコンスイッチ45、風量設定スイッチ46、47、48および吹出口切替スイッチ49、50、51、52が設けられている。
【0022】
オートスイッチ40は、車両用空調装置1を構成する各空調機器を自動制御する指令を出力するスイッチであり、オフスイッチ41は、車両用空調装置1の停止指令を出力するスイッチである。温度設定スイッチ42は、車室内の温度を所望の温度に設定するスイッチであり、設定温度表示部43は、温度設定スイッチ42で設定された設定温度をデジタル表示するものである(図中では25℃を表示する)。内外気切替スイッチ44は、外気導入を指定する外気モードと、内気循環を指定する内気モードのどちらかを乗員が手動により設定するためのスイッチで、外気モードに設定した場合には表示器44aが点灯し、内気モードに設定した場合には表示器44bが点灯する。
【0023】
エアコンスイッチ45は、冷凍サイクルSの作動、停止を手動によって切り替えるスイッチ、すなわち、冷媒圧縮機18に設けられた電磁クラッチ18aへの通電(オン)、通電の停止(オフ)を手動により切り替えるスイッチである。このエアコンスイッチ45によって電磁クラッチ18aをオンさせた時には表示器45aが点灯し、電磁クラッチ18aをオフさせた時には表示器45aが消灯する。
【0024】
風量設定スイッチ46〜48は、送風機3の風量レベルを段階的に切り替えるスイッチで、本実施形態では、Hiレベル(最大風量)、Meレベル(中間風量)、Loレベル(最小風量)の3段階に設定することができる。各風量設定スイッチ46〜48には、それぞれ表示器46a、47a、48aが設けられており、各風量設定スイッチ46〜48によって設定された送風機3の風量レベルに対応して点灯する。
【0025】
吹出口切替スイッチ49〜52は、吹出口モードを乗員が手動で設定するためのスイッチである。各吹出口切替スイッチ49〜52には、それぞれ表示器49a、50a、51a、52aが設けられており、各吹出口切替スイッチ49〜52によって設定された吹出口モードに対応して点灯する。なお、本実施形態では、オートスイッチ40を押した後に、例えば、内外気切替スイッチ44を押した場合には、内外気モード以外の空調機器はオートで制御される。
【0026】
また、入力インターフェイス39(図1参照)は、内気温センサ33、外気温センサ34、日射センサ35、エバ後温センサ36、水温センサ37、ポテンショメータ38からのアナログ信号をデジタル信号に変換して制御装置16に出力する。制御装置16は、ROM16a、RAM16b、CPU16cより構成され、水晶発振子を使用した基準信号発生器53よりタイミングを取るための基準信号を得ている。
【0027】
ROM16aは、読出し専用のメモリで、目標吹出温度TAOの演算式、エアミックスドア26の目標開度SWの演算式、吸込口モード制御特性の初期データ、吹出口モード制御特性の初期データ、送風機制御特性の初期データ、空調形態制御特性の初期データ、圧縮機制御特性の初期データ、水温制御特性の初期データ、所定の制御プログラム等が記憶保持されている。RAM16bは、データの読み出し、書き込みを自由に行なうことのできるメモリで、処理の途中に現れる一時的なデータの保持に使用される。CPU16cは、ROM16aに記憶された制御プログラムに基づいて各種の演算、処理を行なう中央処理装置である。
【0028】
次に、以上の構成による車両用空調装置1の作動をオートスイッチ40がオンされた時、つまりオート制御時における制御装置16の制御処理に基づき説明する。図3は制御装置16の制御処理を示すフローチャートである。まず、各種データおよびフラグの初期値を設定(ステップ210)した後、温度設定スイッチ42、内気温センサ33、外気温センサ34、日射センサ35、エバ後温センサ36、水温センサ37より、それぞれ設定温度Tset、内気温度Tr、外気温度Tam、日射量Ts、エバ後温度Te、冷却水温Twを入力する(ステップ220)。
【0029】
次に、入力された各データと予めROM16aに記憶された下記の数式1より目標吹出温度TAOを算出し、数式2よりエアミックスドア26の目標開度SWを算出する(ステップ230)。
【0030】
【数1】
TAO=Kset・Tset−Kr・Tr−Kam・Tam−Ks・Ts+C
なお、Kset:温度設定定数、Kr:内気温度定数、Kam:外気温度定数、Ks:日射定数、C:補正定数である。
【0031】
【数2】
SW=(TAO−Te)×100(%)/(Tw−Te)
そして、次のステップ240では、求めた目標開度SWが得られるように、エアミックスドア26を駆動するアクチュエータ31の駆動回路31aへ制御信号を出力する。これにより、エアミックスドア26が目標開度SWとなるように制御される。
【0032】
次に、ステップ250において、目標吹出温度TAOと吸込口モードとの関係を示す吸込口モード制御特性(図4参照)に基づいて吸込口モードを選択する。この吸込口モードは、内外気の導入割合を決定し、この決定された内外気の導入割合が得られるように内外気切替ドア8を駆動するアクチュエータ27の駆動回路27aへ制御信号を出力するものである。この吸込口モード制御特性によれば、暖房運転時(つまりTAOの値が高い時)に外気モードが選択されることになる。
【0033】
次のステップ260は、本発明のウォームアップ制御手段である吹出モード制御と送風機制御とを実行するものであって、詳細な制御処理を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。図5に示すように、まず、ステップ261にて、目標吹出温度TAOと送風機3の風量レベルとの関係を示す送風機制御特性(図6参照)に基づいてファンモータ3bの回転数(例えば、ファンモータ3bへの印加電圧VA1)を算出する。
【0034】
そして、次のステップ262にて、目標吹出温度TAOと吹出口モードとの関係を示す吹出口モード制御特性(図7参照)に基づいて吸込口モードを選択する。この吹出口モード制御特性では、例えば、日射量が多く、外気温度の高い夏期には、目標吹出温度TAOの値が小さくなることで、フェイスモードあるいはバイレベルモードが選択され、日射量が少なく、外気温度の低い冬期には、目標吹出温度TAOの値が大きくなることで、フットモードあるいはバイレベルモードが選択される。
【0035】
次に、ステップ263にて、選択された吹出口モードがフットモードもしくはバイレベルモードか否かを判定し、ステップ264にて、目標吹出温度TAOと冷房形態、暖房形態との関係を示す空調形態制御特性(図8参照)に基づいて、目標吹出温度TAOが暖房形態か否かを判定する。ここで、図8に示す空調形態制御特性は、目標吹出温度TAOの値が大きくなることで暖房形態(1)、目標吹出温度TAOの値が小さくなることで冷房形態(0)を選択するものである。これにより、ステップ262にて選択されたバイレベルモードが暖房形態(1)か、または冷房形態(0)のいずれかを選択できる。
【0036】
そして、選択された吹出口モードがフットモードあるいはバイレベルモードの時(ステップ263でYES)および空調形態が暖房形態のとき(ステップ264でYES)には、ステップ263にて、水温制御特性(図9参照)に基づいて、水温センサ37によって検出される冷却水温Twが所定温度Tw2(例えば、55℃)以下か否かを判定する。これは、暖房運転の開始時に冷却水温Twが上昇しているか否かを判定するものであり、冷却水温Twが所定温度Tw2(例えば、55℃)以下であれば、ステップ261で求めた風量VA1を変更するようにしている。
【0037】
なお、以上の判定手段であるステップ263、264、265は、暖房運転を開始するあたり、ウォームアップ制御が必要か否かを判定する判定手段である。これにより、暖房運転開始時にウォームアップ制御が必要とする場合には、これらの判定手段ステップ263、264、265が全て満足したときにウォームアップ制御するようにしている。
【0038】
ところで、これらの判定手段のうち、ステップ263およびステップ264にて、それぞれがNOであれば、ステップ269cおよび271dに移行する。つまり、ステップ269cは、吹出口モードの出力であって、ステップ262にて選択されたフェイスモードあるいはバイレベルモードが得られるように、各吹出口ドア12a〜14aを駆動する各アクチュエータ28〜30の駆動回路28a〜30aへ制御信号を出力して制御される。
【0039】
また、ステップ271dは、ファンモータ3bへの回転数(ファンモータ3bへの印加電圧VA1)を出力であって、ステップ261で算出したファンモータ3bの回転数(ファンモータ3bへの印加電圧VA1)を決定し、その決定された回転数が得られるようにモータ駆動回路15へ制御信号を出力して制御される。
【0040】
一方、ステップ265において、ウォームアップ制御が必要であると判定されると、ステップ266にて、再び水温制御特性(図9参照)に基づいて、冷却水温Twが所定温度Tw1(例えば、25〜26℃程度)以上か否かを判定する。因みに、冷却水温Twが所定温度Tw1(例えば、25〜26℃)以下のとき(NO)には、ステップ269aにて、吹出口モードをデフロスタモードが得られるように、各吹出口ドア12a〜14aを駆動する各アクチュエータ28〜30の駆動回路28a〜30aへ制御信号を出力して制御される。これにより、フット吹出口10、フェイス吹出口11より冷風が吹き出されることはない。
【0041】
そして、次のステップ270にて、冷却水温Twと外気温センサ34により検出された外気温度Tamと比較し、冷却水温Twが外気温度Tamよりも高いか否かを判定するとともに、この冷却水温Twが0℃を超えているか否かを判定する。ここで、冷却水温Twが外気温度Tamより低いとき、かつ冷却水温Twが0℃を下回っているときは、ステップ271aにて、風量レベルVA0(風量0)を求めモータ駆動回路15へファンモータ3bのオフ信号を出力する。
【0042】
これにより、フロントガラスのガラス面の温度は、ほぼ外気温度Tam相当の温度となっているため、この温度よりも低い冷却水温Twではファンモータ3bを停止させたものである。また、冷却水温Twが0℃を下回っている時には、ファンモータ3bを停止させて、フロントガラスに水滴などの凍結を防止している。
【0043】
一方、冷却水温Twが外気温度Tamより高くて、かつ冷却水温Twが0℃を超えているときは、ステップ271bにて、風量レベルVA3(風量レベル1)を求めモータ駆動回路15へ風量レベル1の制御信号を出力する。この風量レベルVA3(風量レベル1)は最小の風量レベルである。これにより、ガラス面の温度よりも高い送風空気をフロントガラスに吹き出すことでガラス面が曇りにくくなる。
【0044】
また、ステップ266にて、冷却水温Twが所定温度Tw1を超えてから所定温度Tw2に到達するまでの間は、図9に示すように、ファンモータ3bへの印加電圧を除々に増加していく。つまり、冷却水温Twが所定温度Tw1(例えば、25〜26℃)を超えてからは、冷却水温Twの上昇に伴って、風量レベルが風量レベル1から風量レベル31(Hi)まで増加するようにしてある。
【0045】
従って、このときには、ステップ267にて、水温制御特性(図9参照)に基づいて、風量レベルVA2を求め、次のステップ268にて、目標吹出温度TAOから求めた風量レベルVA1(ステップ261)と比較し、低い風量レベルの方を決定し、ステップ271cにて、低い風量レベルVA1orVA2の方をモータ駆動回路15へ出力する。また、ステップ269bにおいては、ステップ262にて選択されたフットモードあるいはバイレベルモードが得られるように、各吹出口ドア12a〜14aを駆動する各アクチュエータ28〜30の駆動回路28a〜30aへ制御信号を出力する。以上がウォームアップ制御を必要とするときの送風機制御と吹出口制御である。
【0046】
また、ウォームアップ制御を必要としない通常の暖房運転のとき、つまり、冷却水温Twが所定温度Tw2(例えば、55℃)以上に上昇した時(ステップ265にて、NOのとき)には、ステップ261にて求めた風量レベルVA1をステップ271cにて出力するとともに、ステップ269bにおいては、ステップ262にて選択されたフットモードあるいはバイレベルモードをステップ269bにて出力する。
【0047】
次に、ステップ280は、エバ後温度Teによる圧縮機制御特性に基づいて電磁クラッチ18aのオン・オフを決定し、その決定した状態が得られるように圧縮機駆動回路24へ制御信号が出力される。因みに、オートスイッチ40がオン状態であるか否かを判定し、オートスイッチ40がオフの場合は、電磁クラッチ18aをオフする。オートスイッチ40がオンの場合は、つづいてエアコンスイッチ45がオン状態であるか否かを判定し、オートスイッチ40がオフの場合は、電磁クラッチ18aをオフする。
【0048】
そして、電磁クラッチ18aへの通電指令が出力されている場合は、エバ後温度Teに基づいて所定のエバ後温度Teに達すると電磁クラッチ18aをオフさせる制御を実行させて圧縮機制御している。
【0049】
以上の一実施形態の車両用空調装置1によれば、この種のウォームアップ制御に関しては、概して、空調ケース2より乗員に向けて冷風が吹き出さないように、エンジン冷却水の温度が上昇するまで送風機3を停止させるように制御することが知られている。このため、ウォームアップ制御中において、エンジン冷却水の温度が上昇するまでは、乗員の,熱量により窓ガラスが曇ってしまう問題がある。
【0050】
そこで、本発明では、水温センサ37の検出値が外気温センサ34の検出値よりも高いときには、水温センサ37の検出値が所定値以下であっても、送風機3を作動させることにより、暖房運転開始時には、窓ガラスの温度はほぼ外気温度と同一であるため、この温度より高い温度の送風空気を吹き出すことで、従来の送風機3を停止させたときより窓ガラスの曇りを防止することができる。
【0051】
また、最小の風量を窓ガラス面に送風することで、窓ガラスの曇りを防止するとともに、冷風吹き出しの不快感を少なくとも極力抑えることができる。さらに、また、窓ガラスに水滴などが付着している場合には、逆に凍ってしまう恐れがあるため水温センサ37の検出値が0℃を下回ったときは送風機3を停止させるのが良い。しかも、0℃以下の冷風は、例え乗員の頭部にあたっても不快感を招くため送風機3を停止させることで不快感を損なうこともない。
【0052】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、ステップ270において、水温センサ37より検出された冷却水温Twと外気温センサ34より検出された外気温度Tamとを比較させたが、これに限らず、フロントガラス面の温度を検出する温度検出手段を設け、冷却水温Twとガラス面温度と比較させても良い。
【0053】
また、以上の実施形態では、加熱手段であるヒータコア5の熱源をエンジン17の冷却水回路(図示せず)に接続してエンジン17を冷却するエンジン冷却水を用いたが、これに限らず、例えば、燃料電池車に搭載される燃料電池を冷却させる冷却水を熱源として用いても良い。さらに、これらの冷却水を用いる他に、電力を電源とする電気ヒータを加熱手段としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態における操作パネル32を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態における制御装置16の制御処理を示すフローチャートである。
【図4】吸込口モードと目標吹出温度TAOとの関係を示す特性図である。
【図5】吹出モード制御と送風機制御との制御処理を示すフローチャートである。
【図6】風量レベルと目標吹出温度TAOとの関係を示す特性図である。
【図7】吹出口モードと目標吹出温度TAOとの関係を示す特性図である。
【図8】空調形態と目標吹出温度TAOとの関係を示す特性図である。
【図9】風量レベルと冷却水温Twとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
2…空調ケース
3…送風機(送風手段)
5…ヒータコア(加熱手段)
9…デフロスタ吹出口(吹出口)
10…フット吹出口(吹出口)
11…フェイス吹出口(吹出口)
12a、13a、14a…吹出口ドア(吹出口開閉手段)
34…外気温センサ(外気温度検出手段)
37…水温センサ(加熱温度検出手段)
260…ウォームアップ制御手段
Claims (1)
- 車両の窓ガラスに向かって開口するデフロスタ吹出口(9)を含め、車室内の各所に開口する複数の吹出口(9、10、11)と、
前記デフロスタ吹出口(9)を選択するデフロスタモードを含む各吹出口モードに応じて前記複数の吹出口(9、10、11)を選択的に開閉する吹出口開閉手段(12a、13a、14a)と、
車室内へ送風するための送風手段(3)と、
前記送風手段(3)より前記吹出口(9、10、11)に送風空気を導く空調ケース(2)と、
前記空調ケース(2)内を流れる空気を加熱する加熱手段(5)と、
前記加熱手段(5)の温度を検出する加熱温度検出手段(37)と、
車室外の温度を検出する外気温度検出手段(34)と、
前記加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以下のときは、前記送風手段(3)を停止させるとともに、前記デフロスタモードが設定されるように前記吹出口開閉手段(12a、13a、14a)を作動させ、前記加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以上のときは、前記検出値の増加に応じて送風能力を増加させるウォームアップ制御手段(260)とを有する車両用空調装置において、
前記ウォームアップ制御手段(260)は、前記加熱温度検出手段(37)の検出値が前記外気温度検出手段(34)の検出値よりも高いときには、前記加熱温度検出手段(37)の検出値が所定値以下であっても、前記送風手段(3)を作動させ、かつ前記加熱温度検出手段(37)の検出値が0℃を下回ったときには、前記送風手段(3)を停止させることを特徴とする車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002370753A JP3960221B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002370753A JP3960221B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 車両用空調装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004196265A JP2004196265A (ja) | 2004-07-15 |
JP3960221B2 true JP3960221B2 (ja) | 2007-08-15 |
Family
ID=32766585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002370753A Expired - Fee Related JP3960221B2 (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3960221B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014034271A (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Denso Corp | 車両用空調装置 |
JP6621098B1 (ja) * | 2019-05-29 | 2019-12-18 | 国立大学法人 岡山大学 | 車両用空調システム |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370753A patent/JP3960221B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004196265A (ja) | 2004-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3633482B2 (ja) | ハイブリッド車両およびその空調装置 | |
EP1917150B1 (en) | Vehicular air conditioning system and air conditioning method | |
JP3933005B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2769073B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP2004322849A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3303355B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP3960221B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2006240387A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4007188B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4407368B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4561014B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3807307B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3208946B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP3922007B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JPH11151930A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2004042706A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3931438B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3823800B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP2004042711A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP4360196B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
KR100822626B1 (ko) | 초기 난방성능을 높일 수 있는 자동차용 공기조화장치의제어방법 | |
JP3019623B2 (ja) | 車両用空気調和装置 | |
JP2000168339A (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3306450B2 (ja) | 車両用空調装置 | |
JP3778052B2 (ja) | 車両用空調装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070320 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070424 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070507 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |