JP3960140B2 - ビデオカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式手振れ補正装置を搭載したビデオカメラに関し、特にコンバージョンレンズ装着時の手振れ補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手持ち撮影時において生じ易い手振れ等による像振を防止するため、ビデオカメラの振れ情報を振れ検出手段によって検出し、その検出結果に応じて光学的もしくは電子的にその振れをキャンセルすることによって手振れ補正を実現する装置が種々提案されている。
ビデオカメラの手振れ補正装置として、最も一般的な光学式の補正処理につき説明する。図6はそれを説明するためのビデオカメラの概略構成図で、同図において被写体1の画像はズームレンズやフォーカスレンズからなるレンズ群2を通りCCD4によって電気信号に変換されて、カメラ回路5にて周知の信号処理をされてモニタ6に出力される。手振れ補正を実現する装置は、X軸手振れセンサおよびY軸手振れセンサからなる手振れセンサ7と、手振れを補正するシフトレンズ3で構成されいる。シフトレンズ3は、図示しないX軸アクチュエータおよびY軸アクチュエータにそれぞれの方向に平行移動が可能であるように取り付けられていて、光軸に垂直な面内のX軸方向とY軸方向とに移動できるように図示しない駆動装置に保持されている。
手振れセンサ7からのX軸方向およびY方向の手振れ量検出結果とレンズ群2のズーム倍率とから、マイコン8がシフトレンズ3の移動制御量を算出しシフトレンズ3の駆動装置に出力し手振れ補正を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビデオカメラに与えられる手振れ量が一定の場合、上述したレンズ群2のズーム倍率と、手振れを補正するためのシフトレンズ3の移動制御量との関係は、図7に示すようにズーム倍率に反比例している。従って、同図に示す関係を予めビデオカメラのマイコン8に設定し、レンズ群2のズーム倍率と手振れセンサ7の出力とに応じた移動制御量を制御するようにしている。
ところで、ビデオカメラにコンバージョンレンズを装着して撮影しようとすると、標準的に具備されているレンズの倍率と実使用状態のレンズの倍率が変わってしまうため、上述した図7の関係が崩れてしまいシフトレンズ3の移動制御量が適合しなくなってしまう。装着するコンバージョンレンズの倍率が1よりも大きい場合には補正量が大きすぎてしまい、逆に倍率が1よりも小さい場合には補正量が小さくなってしまう。
すなわち、光学式手振れ補正装置を搭載したビデオカメラにコンバージョンレンズを装着した場合、手振れ補正機能を使用することができないという問題があった。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、光学式手振れ補正装置を搭載したビデオカメラにコンバージョンレンズを装着した場合においても、最適な手振れ補正を行うビデオカメラを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に記載の手段よりなる。
すなわち、
コンバージョンレンズ着脱可能で、光学式手振れ補正装置を具備したビデオカメラにおいて、
入来画像情報から動きベクトルを検出する手段と、
前記コンバージョンレンズの装着を検出する手段と、
前記コンバージョンレンズの装着情報に基づき、前記光学式手振れ補正装置の駆動により撮影された映像を振動させ、この振動により、前記入来画像の動きベクトルを検出し、この動きベクトルに対応する前記コンバージョンレンズの倍率を検出する手段と、
前記検出したコンバージョンレンズの倍率に基づき、予め設定しておいた手振れ補正量テーブルからコンバージョンレンズ装着時の手振れ補正量を算出して光学式手振れ補正装置を制御する手段と、
を有することを特徴としたビデオカメラ。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により説明する。図1は、その実施例に係るビデオカメラの概略ブロック図である。図6で示した従来の光学式手振れ補正装置と同一の構成要素には同一符号を付している。
図1は、もともと標準的に具備されているレンズ系に、更に着脱可能なコンバージョンレンズ11を取り付けた状態を示す。被写体1の撮像光はコンバージョンレンズ11、レンズ群2、シフトレンズ3を順次経てCCD4によって電気信号に変換され、更にカメラ回路12で映像信号に処理されてモニタ6に出力される。
【0006】
カメラ回路12について、図2を用いて更に詳細に説明する。同図に示すように、CCD4によって電気信号に変換された撮像信号は、A/D変換器52によりデジタル化され、このデジタル処理された信号は信号処理回路53、D/A変換器54を経てモニタ6に出力される。また一方、信号処理回路53では輝度信号が抽出され、この輝度信号に基づいて動きベクトル検出回路55において手振れ成分の検出が行われ、マイコン18に出力される。
【0007】
本来の手振れ補正装置では、撮影時にビデオカメラが振動した場合に手振れ画像を停止させるようにするものであるが、本実施例では、ビデオカメラに装着したレンズの倍率を検出するため、シフトレンズ3の駆動装置を動作させ撮影された映像を振動するように作用させる。以下この動作を、逆手振れ補正と称す。逆手振れ補正を実現させるためには、シフトレンズ3の駆動装置をマイコン18により意図的に制御すればよく、その時の映像の振動と標準的に具備されているズームレンズの倍率との関係は、図3に示す比例関係となる。
同図に示すように、被写体、ビデオカメラ共に固定されていて、シフトレンズ3が一定の振動を生じている状態でレンズのズーム倍率を変化させた場合に、ビデオカメラに取り込まれモニタに表示される画像の振動量はズーム倍率が高いほど大きくなる。
【0008】
次に、図4にビデオカメラにコンバージョンレンズ11を取り付けた時の逆手振れ補正の状態を示す。同図においては、倍率2倍のコンバージョンレンズを想定している。コンバージョンレンズ11装着前に1倍のズーム位置でのモニタ画像の振れ量は、装着後には装着前の2倍の位置と同じ振れ量に、また装着前の2倍の位置は装着後では4倍の位置と同じ関係になり、装着前後でグラフの傾きが変化していることを示している。
【0009】
ここでモニタ画像の振れ量とは画像信号の振動であるから、ビデオカメラから取り込んだ画像をベクトル検出回路55にて処理して得られた動きベクトルと等価である。
従って、マイコン18はコンバージョンレンズ11の非装着時の動きベクトルと、コンバージョンレンズ11の装着時の動きベクトルとを検出することにより装着されたコンバージョンレンズレンズ11の倍率を求めることができる。
前述の光学式手振れ装置で説明したように、ビデオカメラに標準的に具備されているズームレンズの倍率、及び現時点のズーム位置の情報、それに対応する手振れ補正量、すなわちシフトレンズ3の移動制御量をあらかじめマイコン18に認識させる構成としている。従って、コンバージョンレンズ11の装着時の動きベクトルのみを検出し、設定しておいた標準レンズの値と演算することにより装着されたコンバージョンレンズレンズ11の倍率を求めることができる。
【0010】
レンズ倍率測定の逆手振れ補正動作タイミングであるが、本実施例ではコンバージョンレンズ11装着の有無をコンバージョンレンズレンズ取り付けセンサ19により検出し、記録開始直後、あるいは記録ポーズ解除直後にレンズ倍率の検出を実行させるようにしている。このためコンバージョンレンズ11装着の有無にかかわらず、自動的に常に正確な手振れ補正量を与える構成とすることができる。
また、本実施例では、予め何種類かのコンバージョンレンズの装置を想定しており、マイコン18にコンバージョンレンズ11の装着時の手振れ補正のための移動制御量テーブルが用意されている。求めた倍率よりどのコンバージョンレンズかを特定し、テーブルを切り換える構成としている。
【0011】
次に、前記したことを念頭におき、マイコン18内で実行されるコンバージョンレンズ11の装着時の倍率を求める方法につき、図1の概略ブロック図、及び図5のフローチャートを用いて説明する。
コンバージョンレンズ取り付けセンサ19よりコンバージョンレンズ11が装着されたことが検出されると、その情報がマイコン18に供給される。その状態でREC(記録)スタート直後、又はRECポーズ解除直後に倍率測定を開始する(ステップ500)。
マイコン18により測定が開始されると、まず、所定の振幅Aにてシフトレンズ3を振動させる(ステップ501)。レンズ群2をズーム倍率1の状態に設定する(ステップ502)。このズーム倍率1の状態における動きベクトルVK1を動きベクトル検出回路55により検出する(ステップ503)。
これらを検出したら、シフトレンズ3の振動を終了させる(ステップ504)。検出したVK1と、標準的に具備されてレンズ群2におけるズーム倍率1の時の動きベクトルV1とを演算することよりコンバージョンレンズ11の倍率Pを求める(ステップ505)。
【0012】
求めたコンバージョンレンズ11の倍率Pをもとに、コンバージョンレンズの種類を特定し、それに合わせた手振れ補正のための移動制御量のテーブルを選択する(ステップ506)。そして、マイコン18の移動制御量テーブルに選択したテーブルを出力する(ステップ507)。以上のステップを行った後、測定を終了する。
【0013】
また、上記実施例に限らず、コンバージョンレンズ11を装着した際には、ビデオカメラに標準的に具備されているレンズ群に対し設定させておいた図7の補正量に、上記のようにして求めたコンバージョンレンズ11の倍率Pを乗算し、実使用状態に合致させた補正量として制御を行うようにしてもよい。
このように構成することにより、マイコン18の移動制御量テーブルに設定のないコンバージョンレンズが装着された場合においても、正確な手振れ補正量である移動制御量をシフトレンズ3の駆動装置に与えることができる。
【0014】
また、図1に示すようにコンバージョンレンズ取り付けセンサ19に対応していないレンズを装着使用する場合、ビデオカメラ入力操作ボタン20に倍率検出を行うための測定をするモード入力ボタンを設定しておき、マニュアル操作で装着レンズの倍率検出を行うようにすることで、どのような付加レンズが装着された場合においても、正確な手振れ補正が可能となる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のビデオカメラによれば、コンバージョンレンズの装着情報に基づき、光学式手振れ補正装置の駆動により撮影された映像を振動させ、この振動により、入来画像の動きベクトルを検出し、この動きベクトルに対応するコンバージョンレンズの倍率を検出することにより、コンバージョンレンズの取り付け前と後とで手振れ量が変化することを利用し、コンバージョンレンズ装着時には、コンバージョンレンズ装着後の倍率を検出し、標準的に具備された撮影レンズの倍率に反映させるようにしたので、コンバージョンレンズ装着時も光学式手振れ補正装置の補正量を最適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用される光学式手振れ補正装置を搭載したビデオカメラの概略ブロック図である。
【図2】本実施例に適用されるカメラ回路を説明するための図である。
【図3】本実施例に適用される逆手振れ補正とズーム倍率との関係を説明するための図である。
【図4】本実施例に適用されるコンバージョンレンズ装着時の、逆手振れ補正の状態を説明するための図である。
【図5】本実施例に適用されるコンバージョンレンズの倍率を求める処理を説明するためのフローチャートの一例である。
【図6】従来の光学式手振れ補正装置搭載のビデオカメラの概略ブロック図である。
【図7】従来の光学式手振れ補正装置における、シフトレンズのシフト量を説明するための図である。
【符号の説明】
4,21…CCD(固体撮像素子)
3…シフトレンズ
11…コンバージョンレンズ
2…レンズ群
5,12…カメラ回路
24…メモリ
26,55…動きベクトル検出回路
7…手振れセンサ
18,8…マイコン
19…コンバージョンレンズ取り付けセンサ
20…入力操作ボタン
Claims (1)
- コンバージョンレンズ着脱可能で、光学式手振れ補正装置を具備したビデオカメラにおいて、
入来画像情報から動きベクトルを検出する手段と、
前記コンバージョンレンズの装着を検出する手段と、
前記コンバージョンレンズの装着情報に基づき、前記光学式手振れ補正装置の駆動により撮影された映像を振動させ、この振動により、前記入来画像の動きベクトルを検出し、この動きベクトルに対応する前記コンバージョンレンズの倍率を検出する手段と、
前記検出したコンバージョンレンズの倍率に基づき、予め設定しておいた手振れ補正量テーブルからコンバージョンレンズ装着時の手振れ補正量を算出して光学式手振れ補正装置を制御する手段と、
を有することを特徴としたビデオカメラ。
Priority Applications (1)
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JP2002181053A Expired - Lifetime JP3960140B2 (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | ビデオカメラ |
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