JP3958961B2 - モノフィラメントの染色方法及び装置、並びに、着色モノフィラメント及び着色釣り糸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノフィラメントの染色方法及び装置、並びに、着色モノフィラメント及び着色釣り糸に関し、詳しくは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂から成るモノフィラメントの染色方法、及び、そのための装置、並びに、その染色方法により着色されたモノフィラメント、及び、そのフィラメントから成る着色釣り糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF」という)系モノフィラメントは、種々の優れた特性を有しており、特に以下のような観点から、釣り糸、特にハリスに代表されるテグス用途に好んで用いられている。すなわち、PVDF系モノフィラメントは、強靱性、耐衝撃性、耐摩擦性、感度(魚信探知性)、撥水性、及び耐久性等に優れると共に、高比重(1.79程度)であるため水中に沈み易く、しかも水の屈折率(1.33)に近い屈折率(1.42)を有しているため水中での表面反射が少なくて透明で見え難く、更に、吸水性が殆ど無いためそれらの種々の特性を水中でも長時間維持することができる。
【0003】
また、その用途はテグスに限られず、高耐衝撃性、高比重、高感度等を生かし、ルアー用ライン、投げ釣り用道糸、船釣り用胴付き糸、等にも使用されてきている。このようなルアー用ラインや道糸用途には、一般に、高い視認性が求められるが、釣り糸の高強度化且つ細径化を達成しつつ、近年では、戸外、特に、海、河川、湖沼等の自然の風景や景色からの識別性の更なる向上が熱望されている。このような要求に応えるべく、PVDF系モノフィラメントの原着、つまり、使用する合成樹脂自体を押出前に予め染料、顔料その他の染色剤で着色し、これを押出・紡糸してモノフィラメントを得るという方法や、後染め等が試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PVDF系モノフィラメントは、元来その染色が非常に困難なことから、モノフィラメント化した紡糸後の一般的な染色では、色調が非常に薄く不鮮明な傾向にある。また、本発明者の知見によれば、濃色化を図るべく、染色の際の熱処理温度を高め、或いは、処理時間を長くすると、結節強度や引張強度等の初期物性が抵下してしまい、釣り糸として成立し難いという不都合があった。また、原着法は、一般に濃色化が可能であるが、これをPVDF系モノフィラメントの押出・紡糸工程で実施すると、その押出加工温度での加熱、及び、溶融時に微量発生するフッ酸によって殆どの着色剤が変色又は分解してしまう傾向にある。
【0005】
さらに、変色・分解に耐え得るごく一部の顔料を用いた原着法を適用した場合には、染色後の色調が不鮮明となる傾向にある。しかも、そのような高耐性の顔料は、粒径が比較的大きく、釣り糸として最も重要な物性の一つである結節強度を低下させてしまうといった問題があった。
【0006】
これに対し、一例として特開平7−252722号公報に記載の方法は、PVDF系モノフィラメントの諸特性を維持しつつ所望の色調に染色することを意図した方法であるが、PVDF系モノフィラメントの強度劣化及び歪の発生を防止し、且つ、染色の堅牢度を向上させるために、上述した所定の高温熱処理が必要であり、染色に際して手間とエネルギー消費量の増大を招き、また処理効率が低下する傾向にあった。
【0007】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、PVDF系モノフィラメントの優れた諸特性を維持しつつ、簡便な処理によってその視認性を十分に向上できるモノフィラメントの染色方法及び装置、着色モノフィラメント、及び着色釣り糸を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によるモノフィラメントの染色方法は、PVDF系モノフィラメントを、塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤と接触させる染色工程を備えることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明において「塩基性染料」とは、アミン塩又は第4アンモニウム基を有する水溶性染料、例えば、芳香族環に置換した広義のアミノ基(−NH2、−NHR、−NR2;Rは炭化水素基を示す)と酸との塩を有する水溶性染料をいう。
【0010】
また、「良溶媒」とは、一般には、溶質としての高分子(本発明では、PVDF系モノフィラメントを構成するPVDF系樹脂)に対し、特定の溶媒について定まるシータ(θ)温度(得られる高分子溶媒の浸透圧の第二ビリアル係数A2 がゼロになる温度)が室温よりも極めて低い温度となるものをいい、このシータ温度が室温付近のものを後述する「潜在溶媒」又は「貧溶媒」という。
【0011】
本発明における「良溶媒」及び「潜在溶媒」の用語は、この定義に概ね沿うものであるが、より正確には、モノフィラメントを構成するPVDF系樹脂の分散温度又は溶解温度が、当該溶媒のシータ温度と略同等以下の場合を「潜在溶媒」とし、シータ温度よりも10℃以上、より好ましくは20℃以上高い場合を「良溶媒」とする。よって、溶媒を使用する温度によって、「良溶媒」と成り得る「潜在溶媒」も存在する。このように、使用温度によって「良溶媒」化するものがあるという意味において「潜在溶媒」と称する。
【0012】
このようなモノフィラメントの染色方法においては、染色剤中の良溶媒がPVDF系モノフィラメントの極表層部を溶解又は分散させ、或いは、良溶媒によって表層部が膨潤する。これにより、染色剤中に含まれる塩基性染料がモノフィラメントを構成するPVDF系樹脂と十分に親和し、塩基性染料の分子に含まれるアミノ基中の例えばNH結合と、PVDFのCF結合との間に水素結合が形成されると考えられる。これにより、塩基性染料がPVDF系モノフィラメントの表層部に強固に染着するので、堅牢度に優れた着色モノフィラメントが得られる。但し、このメカニズムの詳細については未だ不明な点が多く、作用はこれに限定されるものではない。
【0013】
また、本発明者の知見によれば、塩基性染料以外の染料、例えば、一般に用いられる酸性染料や分散染料を染料成分として用いても、塩基性染料ほどの染色性が達成できず、また、PVDF系樹脂に対する潜在溶媒のみを用いた場合にも、十分な染色性を実現し難いことが確認された。
【0014】
より具体的には、染色工程においては、塩基性染料としてカチオン染料を用いると好ましい。カチオン染料は、一般に、アクリル系合成繊維の染色に特定して用いられる塩基性染料の一種である。換言すれば、アクリル系合成繊維に選択的に染着する染料であるが、本発明者が良溶媒中にカチオン染料を配合して用いたところ、PVDF系モノフィラメントの染色に有効であることが判明した。これは、アクリル系繊維に染着した状態のカチオン染料は、その分子中の例えばNH結合が、アクリル系樹脂中の例えばCO結合と水素結合を形成していると考えられるのに対し、これと同様な水素結合を介した結着がPVDF系樹脂においても生起されることによると推定される。
【0015】
また、染色工程においては、染色剤として、アセトン、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、トリエチルホスフェート、γブチロラクトン、プロピレンカーボネート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及び1,4−ジオキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種の潜在溶媒を更に含むものを用いるとより好ましい。染色剤として良溶媒のみ含むものを用いた場合、染色時の染色剤の温度によっては、PVDF系モノフィラメントの表面の溶解が過度に進行してしまい、染色後の表面荒れを生ずる場合がある。さらに、良溶媒によっては、PVDF系樹脂の溶解性が極めて高いものがあり、この場合、染色剤とPVDF系モノフィラメントとの接触時間の調節のみでは、染色後の表面荒れを十分に抑制し難いことがある。これに対し、染色剤に更に潜在溶媒を配合することにより、PVDF系樹脂の溶解性を適度に調整できるので、染色効率を不都合な程に低下させることなく、PVDF系モノフィラメントの表面の平滑度を好適に維持できる。
【0016】
さらに、染色工程においては、染色剤として、良溶媒と潜在溶媒との質量混合比が30:70〜100:0、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは50:50〜70:30の範囲内の値であるものを用いると一層好適である。なお、上記範囲において「100:0」とは、潜在溶媒を用いず良溶媒のみを溶媒として用いる場合を意味する。このように良溶媒と潜在溶媒との混合溶媒を用いるときに、混合比が70:30を上回ると、良溶媒の溶解性によっては、染色後のPVDF系モノフィラメントの表面荒れを抑制し難い場合がある。一方、この混合比が30:70を下回ると、PVDF系モノフィラメントへの塩基性染料の染着が十分に行われない傾向にある。
【0017】
またさらに、染色工程においては、染色剤の温度を80℃以下、好ましくは55℃以下、より好ましくは35℃以下とすることが望ましい。染色工程において、80℃を超える染色剤にPVDF系モノフィラメントを接触させると、良溶媒の種類によっては、PVDF系樹脂に対する溶解性(溶解活性)が過度に高められ、接触時間、溶媒の種類等にもよるが、モノフィラメントの表面荒れを生じることがある。また、染色剤を高温にするほど、加熱のためのエネルギー消費量、及び溶媒の蒸発量等が増大して経済性の悪化を招くこととなるため、十分な染色性を維持しつつコストを抑える観点からも、染色剤を80℃以下にすると有利である。
【0018】
さらにまた、染色剤と接触させたモノフィラメントを洗浄する前に、そのモノフィラメントを乾燥(例えば、加熱乾燥、減圧乾燥等)する乾燥工程を備えると特に好ましい。染色工程では湿式の染色を行うため、通常は、染色剤と接触させたPVDF系モノフィラメントを洗浄することが好ましいが、この洗浄を行う前に、乾燥工程を実施すると、PVDF系モノフィラメントに付着している染色剤中の溶媒が揮発し、その際に、付着していた染色剤中の塩基性染料がモノフィラメントに更に染着する。よって、着色の濃色化が図られる。また、染色剤の温度を高めなくても十分な染色が可能なので、PVDF系モノフィラメントの表面荒れが一層防止される。
【0019】
また、本発明によるモノフィラメントの染色装置は、本発明のモノフィラメントの染色方法を有効に実施するためのものであり、PVDF系モノフィラメントを保持し、そのPVDF系モノフィラメントを所定のライン速度で送出する送給部と、塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤が供給され、PVDF系モノフィラメントとその染色剤とが接触する染色部と、染色剤と接触したPVDF系モノフィラメントが洗浄される洗浄部とを備えるものである。好ましくは、染色部と洗浄部との間に設けられており、染色剤と接触したPVDF系モノフィラメントが洗浄に先立って乾燥される乾燥部を更に備えることが望ましい。
【0020】
また、本発明による着色モノフィラメントは、本発明のモノフィラメントの染色方法によって有効に得られるものであり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂から成り、塩基性染料、特にカチオン染料により染色されており彩度が5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上のものである。このような着色モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを、塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤と接触させる染色工程を備える着色モノフィラメントの製造方法によって好適に得られる。
【0021】
ここで、本発明における「彩度」とは、L*a*b*表色系〔CIE(国際照明委員会)1976(L*a*b*)色空間〕に基づいて、日本電色工業(株)製の分光式色差計SE−2000によるa*及びb*の測定値から、下記式(1);
C*=[(a*)2+(b*)2]0.5 …(1)
に従って求められる値をいう。なお、式中、C*は彩度を示し、a*は色相を示し、b*は色相の度合いを示すパラメータである。
【0022】
或いは、本発明による着色釣り糸は、本発明によるモノフィラメントの染色方法により染色されたモノフィラメント、又は、本発明の着色モノフィラメントから成るものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係については、特に規定しない限り、図面の上下左右等の位置関係に基づくものとする。
【0024】
図1は、本発明によるモノフィラメントの染色装置に係る好適な一実施形態を模式的に示す構成図である。染色装置1(モノフィラメントの染色装置)は、PVDF系モノフィラメント10が巻回され、このPVDF系モノフィラメント10を一定のライン速度で送出する送出機2(送給部)と、後述する染色後の着色モノフィラメント11を巻き取る巻取機3との間に、染浴4(染色部)、第一水洗浴5(洗浄部)及び第二水洗浴6(洗浄部)が連設されたものである。これらの染浴4、第一水洗浴5及び第二水洗浴6間には、ガイドローラーRが適宜配置されており、送出機2から送り出されたPVDF系モノフィラメント10がこれらに沿って、染浴4、第一水洗浴5及び第二水洗浴6中を順に進み、巻取機3に収容・回収される。また、ライン速度は巻取機3によって調整されるようになっている。
【0025】
また、染浴4は、オーバーフロー形式が採用されており、染色剤供給部41から液状の染色剤Sが連続的又は断続的に供給され、染浴4から溢流した染色剤Sがドレイン系43へと送給される。また、染浴4と第一水洗浴5との間には、熱風乾燥機7(乾燥部)が設けられており、染浴4を通過したPVDF系モノフィラメント10に一定温度に加熱された空気が送風される。一方、第一水洗浴5もオーバーフロー形式が採用されており、洗浄水供給部51から洗浄水Wが連続的又は断続的に供給され、第一水洗浴5から溢流した洗浄水Wがドレイン系53へと送られる。他方、第二水洗浴6は、洗浄水Wが貯留されるバッチ式の水洗浴である。ここで、一例を挙げると、染浴4の実効長d1を60cm、染浴4と第一水洗浴5との間隔d2を50cm、第一水洗浴5の実効長d3を20cm、及び、第二水洗浴6の実効長d4を120cmとすることができる。
【0026】
ここで、PVDF系モノフィラメント10は、PVDF系樹脂を主成分とするモノフィラメントであり、PVDF系樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン単独重合体、フッ化ビニリデンを構成単位として好ましくは70モル%以上含有する共重合体、又は、これら共重合体の混合物が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合されるモノマーとしては、炭素数が2〜10であり且つ少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルケン由来のもの、より具体的には、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等が例示され、これらは単独で、或いは、二種以上混合して用いることができる。また、これらの中では、六フッ化プロピレン、つまり、樹脂中におけるコモノマー成分が六フッ化プロピレン(ヘキサフルオロプロピレン)であると特に好ましい。
【0027】
また、PVDF系モノフィラメント10は、その構造上、単層でも、二以上の層から構成されてもよい。このような構成としては、例えば、長手方向に延在する芯材と、この芯材の周囲に配置された少なくとも一層から成る鞘材とから成るものが例示される。さらに、このように芯材と鞘材とから構成される場合には、いずれにコモノマー成分を含む樹脂を用いても構わないが、PVDF系モノフィラメント10の結節強度等の機械強度を十分に高める観点からは、芯材に用いると好適である。この場合、鞘材には、コモノマー成分を含まないPVDF系樹脂を配置してもよい。
【0028】
またさらに、PVDF系モノフィラメント10の主原料である上記PVDF系樹脂には、その性質・特性を損なわない範囲で、ポリエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、フラバントロンで代表される核剤、或いはPVDF系樹脂との相溶性が良好な他の樹脂成分が混合されてもよい。特に可塑剤としては、繰り返し単位組成が炭素数2〜4のジアルコールと炭素数4〜6のジカルボン酸とのエステルから成り、末端基が炭素数1〜3の一価の酸叉は一価のアルコール残基から成り、分子量が1500〜4000のポリエステルを用いると好ましい。
【0029】
また、染色剤Sは、塩基性染料及び良溶媒を含むものである。本発明における「良溶媒」の定義については前述した通りであり、具体的には、PVDF系樹脂に対する溶解性が高い溶媒を使用でき、例えば、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチルウレア等が例示され、なかでも含窒素極性溶媒を用いると好ましく、これらのなかでは、特にジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する)が好適である。
【0030】
さらに、染色剤Sは、潜在溶媒を更に含んでもよい。本発明における「潜在溶媒」の定義についても前述した通りであり、具体的には、PVDF系樹脂の溶解性が低く、常温で樹脂が分散できる溶媒を使用でき、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、トリエチルホスフェート、γブチロラクトン、プロピレンカーボネート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,4−ジオキサン、等が挙げられ、なかでも、アセトン、テトラヒドロフラン等の沸点が130℃以下程度の低沸点溶媒を用いると好ましく、これらのなかでは特にアセトンが好適である。このような低沸点溶媒は、低粘性で取扱いが簡易であるものが多く、後に溶媒を蒸発除去する際のエネルギーの節約を図ることができ、且つ、速乾性に優れる。
【0031】
ここで、上述した「良溶媒」及び「潜在溶媒」の定義からも明らかなように、染色対象のモノフィラメントを構成するPVDF系樹脂によっては、両溶媒の分類に変動が生じる場合がある。例えば、結晶性が低く、低重合度のPVDF系樹脂に対しては、上述した潜在溶媒のうち、アセトン、テトラヒドロフラン、2−及びブタノンは良溶媒となり得る。
【0032】
また、染色剤Sに含まれる塩基性染料としては、カチオン染料が好ましく、例えば、紀和化学工業(株)製のBasic Blue C.I.3、Basic Blue C.I.105、C.I.46、Basic Yellow C.I.28、Kiwacryl Colors(Brilliant Flavine 10G E/C、Red GTL 200、Blue 2RL 300、Black N 200等)、同じくKiwa CDP Colors(CDP Blue 2RL等)等、保土谷化学工業(株)製のAizen Cathilon Blue GLH,C.I.65、Cathilon Red BLH 200%、Cathilon Yellow 7GLH等が挙げられる。
【0033】
このように構成された染色装置1を用いた本発明によるモノフィラメントの染色方法の一例について以下に説明する。まず、染色対象たるPVDF系モノフィラメント10を送出機2へ巻回し、先端側を巻取機3へ装着する。染浴4には、染色剤Sをオーバーフロー状態で供給し、第一水洗浴5には、洗浄水Wをオーバーフロー状態で供給すると共に、第二水洗浴6に洗浄水Wを所定量供給し貯留する。それから、PVDF系モノフィラメント10が一定のライン速度、例えば、数m〜数十m/min程度で走行するように送出機2及び巻取機3を回動させる。
【0034】
これにより、PVDF系モノフィラメント10は、各ガイドローラーRを伝いながら、染浴4、第一水洗浴5、及び第二水洗浴6中を順に通過する。染浴4では、PVDF系モノフィラメント10が、絶えず新液が供給される染色剤Sと接触し(染色工程)、染色剤S中の良溶媒がPVDF系モノフィラメント10の極表層部を溶解又は分散させ、或いは、良溶媒によって表層部が膨潤すると考えられる。その結果、染色剤S中に含まれるカチオン染料等の塩基性染料がPVDF系樹脂と十分に親和し、塩基性染料の分子に含まれるアミノ基中の例えばNH結合と、PVDFのCF結合との間に水素結合が形成され得る。これにより、塩基性染料がPVDF系モノフィラメント10の表層部に染着する。
【0035】
ここで、染色剤Sが良溶媒及び潜在溶媒の双方を含む場合には、良溶媒と潜在溶媒との質量混合比を、30:70〜100:0、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは50:50〜70:30の範囲内の値にすることが望ましい。この比率で良溶媒が30未満であると、PVDF系モノフィラメント10の極表層部の溶解又は膨潤が不十分となり、塩基性染料の染着が望ましい程度に進行せず、十分に濃い着色が得られない傾向にある。これに対し、この比率で良溶媒が70を超えると、PVDF系モノフィラメント10の表面荒れが顕著となる場合があり、表面の手触り感が悪化すると共に、場合によっては、若干の強度低下を引き起こすおそれがある。このような場合には、染浴温度を低くする等の配慮が必要となる。
【0036】
また、染浴4中の染色剤Sの温度、すなわち染浴温度(染色温度)を80℃以下、好ましくは55℃以下、より好ましくは35℃以下とすることが望ましい。染色の程度は、一般に染色温度に依存し、多くの場合、染色剤との接触時間が同一であれば、染色温度が高い程、着色が濃色化する傾向にある。しかし、本発明においては、染色温度が80℃を上回ると、溶媒の種類、良溶媒と潜在溶媒との混合比、ライン速度等にもよるが、上述したようなPVDF系モノフィラメント10の表面荒れが生じることがある。さらに、染色温度を高めると、染色剤Sの加熱に要するエネルギー消費や溶媒の蒸発量が増大するので、コスト低減の観点からも染色温度を80℃以下とすると有利である。
【0037】
次に、熱風乾燥機7を運転し、染浴4を通過したPVDF系モノフィラメント10を第一水洗浴5へ導入する前に乾燥させる(乾燥工程)。これにより、PVDF系モノフィラメント10に付着している染色剤S中の溶媒の気化、蒸発及び揮発が促進される。よって、PVDF系モノフィラメント10の表面部に完全に染着せずに付着しているカチオン染料等の塩基性染料が、フィラメント表面に強固に染着する。したがって、着色の濃色化を図ることができる。また、これにより、染色剤Sの温度を高めなくても十分な染色が可能となる。換言すれば、染色温度の低温化に寄与するので、PVDF系モノフィラメント10の表面荒れを一層防止しつつ、経済性を更に向上させ得る。
【0038】
ここで、PVDF系モノフィラメント10を熱風乾燥する場合の乾燥温度としては、好ましくは70〜110℃、より好ましくは80〜100℃である。なお、「乾燥温度」とは、熱風乾燥機7を運転している時に、PVDF系モノフィラメント10が通過する位置における雰囲気温度をいう。この乾燥温度が70℃未満であると、染色剤S中の溶媒の速乾能力が低下する傾向にある。一方、この温度が110℃を超えると、PVDF系モノフィラメント10が熱緩和してしまうおそれがあり、こうなると機械強度の低下が生じることがある。また、乾燥工程を実施したときのこのような有用な作用効果を一層高める観点からも、染色剤Sに用いる良溶媒及び潜在溶媒としては低沸点のものが望ましい。
【0039】
次いで、熱風乾燥されたPVDF系モノフィラメント10を、第一水洗浴5及び第二水洗浴6に順に送通する。熱風乾燥されたPVDF系モノフィラメント10の表面には、溶媒が蒸発した後の表面に塩基性染料の一部が固着せずに緩く付着している。塩基性染料は、一般に水溶性に富んでおり、第一水洗浴5及び第二水洗浴6を通過する間に、そのような表面に単に付着している塩基性染料が洗い落とされる。このとき、PVDF系モノフィラメント10の表面部に浸透して染着した塩基性染料分子は、PVDF系樹脂と水素結合等により強固に結着しているので、洗浄水W側へ溶出又は漏出することはない。そして、第二水洗浴6を通過したモノフィラメントは、着色モノフィラメント11として巻取機3へ収容・回収される。
【0040】
このように構成された染色装置1及びそれを用いたモノフィラメントの染色方法によれば、染浴4において、カチオン染料等の塩基性染料及び良溶媒を含む染色剤SとPVDF系モノフィラメント10とを接触させ、良溶媒によってPVDF系モノフィラメント10の極表層部を溶解若しくは分散又は膨潤させながら、塩基性染料をその表層部に染着させるので、従来、後染めが非常に困難であったPVDF系モノフィラメント10を、色調濃く且つ鮮明に染色することができる。しかも、後染めで複雑な染色処理を必要としないので、操作が極めて簡便である。
【0041】
また、塩基性染料がPVDF系モノフィラメント10の表層部に浸透して染着されるので、色落ち、色抜け等を十分に抑制でき、堅牢度に優れた着色モノフィラメント11を得ることができる。したがって、PVDF系モノフィラメント10の優れた諸特性を維持しつつ、簡便な処理によって十分な着色を達成でき、視認性に優れた着色モノフィラメント11を実現できる。このような着色モノフィラメント11は、その高耐衝撃性、高比重、高感度等を維持しつつ、視認性が格段に向上されるので、テグスのみならず、ルアー用ライン、投げ釣り用道糸、船釣り用胴付き糸、等の他の釣り糸(本発明の着色釣り糸)として有用なものとなる。
【0042】
そして、本発明のモノフィラメントの染色方法を用いると、着色モノフィラメント11として、その彩度が5以上のものを後染めによって簡便に得ることができる。これに対し、従来の方法では、このような視認性に優れた濃色の着色モノフィラメントを簡便に得ることはできなかった。
【0043】
またさらに、染色に際して、PVDF系モノフィラメント10に対して高温の熱処理を施す必要がなく、また、PVDF系モノフィラメント10の極表層部のみが良溶媒によって溶解、膨潤等されるので、PVDF系モノフィラメント10の優れた初期物性(引張強度、結節強度等)の劣化を一層防止できる。さらにまた、PVDF系モノフィラメント10を後染めするので、従来の原着法で見られた溶融時に発生するフッ酸によって塩基性染料が変色したり分解するといった不都合が全くない。
【0044】
また、塩基性染料としてカチオン染料を用いることで、着色モノフィラメント11の更なる濃色化を実現できる。先述の如く、カチオン染料は、一般に、アクリル系合成繊維に選択的に染着する染料として知られているが、アクリル系繊維に染着した状態のカチオン染料の結合形態(例えば染料のNH結合と、アクリル系樹脂のCO結合との水素結合形成)と同様に、PVDF系樹脂に対しても水素結合等を介した強固な結着が生起されることによると推定される。
【0045】
さらに、染色工程において、染色剤Sとして潜在溶媒を更に含むものを用いた場合には、染色剤Sとして良溶媒のみ含むものを用いたときに生じ得るPVDF系モノフィラメント10の表層部が過度に溶解することを抑制できる。よって、染色後の表面荒れの発生を有効に防止できる。特に、良溶媒の種類によっては、PVDF系樹脂の溶解性が極めて高いものがあり、この場合、染色剤とPVDF系モノフィラメント10との接触時間つまりライン速度、又は、染色剤S中の染料濃度等の調節のみでは、染色後の表面荒れを十分に抑制し難いのに対し、染色剤Sに更に潜在溶媒を配合すれば、PVDF系樹脂に対する溶解性を適度に調整し易くなる。よって、PVDF系モノフィラメント10の染色効率を低下させることなく、着色モノフィラメント11表面の平滑度を好適に維持できる。
【0046】
特に、染色剤Sにおける良溶媒と潜在溶媒との混合比を30:70〜100:30とし、殊に30:70〜70:30とすれば、着色モノフィラメント11の表面荒れを一層確実に抑制することができ、且つ、PVDF系モノフィラメント10の表面部の溶解、膨潤等を十分に且つ適度に行うことができる。その結果、PVDF系モノフィラメント10への塩基性染料の染着を確実ならしめることができる。さらにまた、染色工程における染色剤Sの温度を好ましくは80℃以下とすれば、PVDF系樹脂に対する溶解性が過度に高められることを抑止でき、モノフィラメントの表面荒れを更に一層防止できる。加えて、染色剤Sをより高温に加熱する場合に比して、エネルギー消費量等を軽減して経済性を向上させることができる。
【0047】
また、染色剤Sと接触させた後のPVDF系モノフィラメント10を、第一水洗浴5での洗浄に先立って熱風乾燥し、染浴4通過後のPVDF系モノフィラメント10に付着している染色剤S中の溶媒を蒸発させ、残った塩基性染料をPVDF系モノフィラメント10へ更に染着させるので、染色剤Sの温度を高めたり、他の高温熱処理を施すことなく、着色の更なる濃色化を図ることができる。よって、十分な染色を実現できるとともに、モノフィラメントの強度低下及び表面荒れをより一層防止できる。さらに、熱風乾燥する際の温度を上述した好適な温度範囲とすることにより、モノフィラメントの強度低下を一層防止でき、且つ、PVDF系モノフィラメント10の表面に付着した溶媒の速乾性を高めてより一層十分な濃色化を実現できる。
【0048】
図2は、本発明によるモノフィラメントの染色装置に係る好適な他の実施形態を模式的に示す構成図である。染色装置100(モノフィラメントの染色装置)は、熱風乾燥機7の代わりに乾燥炉70(乾燥部)を備えること以外は図1に示す染色装置1と同様に構成されたものである。なお、同図において、送出機2と染浴4の間に設けられたコントローラーV1、及び,第二水洗浴6と巻取機6の間に設けられたコントローラーV2は、ライン速度調整とテンション調整を兼ねるものである。
【0049】
また、乾燥炉70は、枝管71が側壁に結合した導管72と、枝管71の開放端近傍及び導管72の出口端近傍にそれぞれ設置された熱風乾燥機73,74を有している。洗浴4を通過したPVDFモノフィラメント10は、導管72内を流通する間に、熱風乾燥機73,74からの熱風によって乾燥されるようになっている。
【0050】
このような構成の染色装置100においては、熱風が吹き込まれる一定の長さを有する導管72内にPVDFモノフィラメント10を挿通するので、熱の拡散を抑えて十分な乾燥が行われる。また、これ以外にも、上述した染色装置1が奏するのと同等の作用効果が得られるが、重複した説明を避けるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0051】
なお、本発明によるモノフィラメントの着色方法及び装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、染色剤Sは、必ずしも潜在溶媒を含んでいる必要はない。また、染浴4を通過した後のPVDF系モノフィラメント10の熱風乾燥は必ずしも必要ない。この場合、熱風乾燥機7及び乾燥炉70は設けなくてもよい。さらに、染浴4及び第一水洗浴5は、オーバーフロー形式ではなくバッチ式でも構わない。またさらに、染色対象のPVDF系モノフィラメント10の糸径は、特に限定されない。また、染色剤Sには、その染色性を損なわない限度において、各種添加剤等の他の成分を配合又は添加してもよい。さらに、洗浄剤S中の塩基性染料の濃度は、使用する溶媒及び塩基性染料に応じて適宜設定可能である。
【0052】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
〈物性評価〉
一本のモノフィラメント試料の中央部に結節点を一箇所設け、これを測定試料とした。この測定試料を、東洋精機製作所社製のストログラフRII型引張試験機にセットし、23℃、65RH%の室内で、試長300mm、引張速度300mm/分、測定数n=5にて、結節強力、結節強度、結節伸度、弾性率及び最大点エネルギーを測定した。また、モノフィラメント試料に結節点を設けなかったこと以外は、上記と同様にして直線強力、直線強度、直線伸度、弾性率及び最大点エネルギーを測定した。
【0054】
〈実施例1〉
まず、図2に示す染色装置100と同等の構成を有する装置を準備した。なお、染浴4の実効長d1(図2参照)を60cm、導管72の長さd20及び管径をそれぞれ154cm及び33mmφ、第一水洗浴5の実効長d3を20cm、及び、第二水洗浴6の実効長d4を120cmとした。次に、送出機2に呉羽化学工業(株)製のPVDF系モノフィラメント(型式:2.0号)を装着し、染浴4、第一水洗浴5及び第二水洗浴6を順に送通させて着色モノフィラメントを得た。なお、本実施例においては、乾燥炉70を運転せず、染浴4を通過したPVDF系モノフィラメント10の熱風乾燥を実施しなかった。
【0055】
染浴4で用いた染色剤は、DMF及びアセトンの混合溶媒(混合比DMF:アセトン=60:40)に塩基性染料である紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)を0.05wt%の割合で添加したものを用いた。その他の染色条件は以下の通りとした。
・染色温度(染浴温度):50℃
・第一水洗浴温度:30℃
・第二水洗浴温度:室温
・ライン速度:15.1m/min
・染浴における滞浴時間(染色時間):2.4sec
【0056】
得られた着色モノフィラメントについて、結節強伸度等の測定結果を表1に示す。また、直線強伸度等の測定結果を表2に示す。なお、参考例1として、実施例1の染色対象としたPVDF系モノフィラメントの試料について同様の測定を行った結果を併せて示す。これらの比較より、実施例1で得た着色モノフィラメントは、染色前の結節強度等及び直線強度等を維持しており、これらの機械特性の劣化が全く生じていないことが確認された。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
〈実施例2〉
染色剤として、DMF及びアセトンの混合溶媒に代えてDMFのみに塩基性染料である紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)を0.02wt%の割合で添加したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0060】
〈比較例1〉
染色剤として、DMF及びアセトンの混合溶媒に代えて水に塩基性染料である紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)を0.02wt%の割合で添加したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0061】
〈比較例2〉
染色剤として、DMF及びアセトンの混合溶媒に代えてアセトンのみに塩基性染料である紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)を0.02wt%の割合で添加したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0062】
〈染色剤の溶媒に対する着色性の評価〉
実施例2並びに比較例1及び2で得た着色モノフィラメントの着色性、及び、色落ち又は染め斑の発生の有無を評価した。結果をまとめて表3に示す。また、表には、用いたカチオン染料の溶媒への溶解性、及び、用いたPVDF系モノフィラメントを構成するPVDF系樹脂の溶媒への溶解性を併せて示す。なお、表3中の凡例(A,B,C,D(一部))は、それぞれ相対的な指標であり、概ね以下の通りである。これらの結果より、本発明の実施例2によれば、PVDF系モノフィラメントの着色性に優れると共に、均一な着色がなされ、しかも堅牢性に優れた染色が可能であることが確認された。
【0063】
【表3】
【0064】
[表3における凡例]
(1)「カチオン染料の溶解性」の欄
A:カチオン染料の溶解性が極めて高い、
B:カチオン染料の溶解性が高い、
C:カチオン染料の溶解性が普通(Bに比してやや劣る)、
D:カチオン染料溶解性が低い。
(2)「PVDF系樹脂の溶解性」の欄
A:PVDF系樹脂の溶解性が高い、
B:PVDF系樹脂の溶解性が普通(Bに比してやや劣る)、
C:PVDF系樹脂の溶解性が低い。
(3)「PVDF系モノフィラメントの着色性」の欄
A:着色性に優れる、
B:着色性にやや劣る、
C:着色が若干認められる(殆ど着色していない)、
【0065】
〈実施例3〉
塩基性染料として、紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.105)を使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0066】
〈実施例4〉
塩基性染料として、保土谷化学(株)製のカチオン染料(Aizen Cathilon Blue GLH, C.I.65)を使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0067】
〈比較例3〉
染料として、BASF社製の顔料(銅フタロシアニン系;Heliogen Blue K6911D)を0.02wt%の割合で溶媒に添加したものを使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0068】
〈比較例4〉
染料として、チバ・スペシャル・ケミカルズ(株)社製の顔料(アンスラキノン系;FILAMID Blue R)を0.02wt%の割合で溶媒に添加したものを使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0069】
〈比較例5〉
染料として、大日本インキ工業(株)製の顔料(銅フタロシアニン系;Fastogen Blue 5050)を0.02wt%の割合で溶媒に添加したものを使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0070】
〈比較例6〉
染料として、大日本インキ工業(株)製の顔料(銅フタロシアニン系;Fastogen Blue GB-8H)を0.02wt%の割合で溶媒に添加したものを使用したこと以外は、実施例2と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を試み、着色モノフィラメントを得た。
【0071】
〈染色剤の染料による着色性の評価〉
実施例2〜5及び比較例3〜6で得た着色モノフィラメントの着色性、及び、色落ち又は染め斑の発生の有無を評価した。結果をまとめて表4に示す。また、表には、用いたカチオン染料の溶媒(DMF)への溶解性を併せて示す。なお、表4中の凡例(A,B,C)は、それぞれ相対的な指標であり、概ね以下の通りである。これらの結果より、カチオン染料を用いた本発明の実施例2〜5によれば、PVDF系モノフィラメントの着色性に優れると共に、均一な着色がなされ、しかも塩基性染料を用いた比較例に比して極めて堅牢性に優れた染色が可能であることが判明した。
【0072】
【表4】
【0073】
[表4における凡例]
(1)「染料の溶解性」の欄
A:染料又は顔料のDMFへの溶解性が高い、
B:染料又は顔料のDMFへの溶解性が低い、
C:染料又は顔料のDMFへの溶解性が更に低い。
(2)「PVDF系モノフィラメントの着色性」の欄
A:着色性に優れる、
B:着色性は十分である、
C:着色性に劣る(殆ど着色していない)。
【0074】
〈実施例5〜9及び比較例7〉
染浴における滞浴時間(染色時間)を3secとし、且つ、DMF及びアセトンの混合比率(質量比)を、DMF/アセトン=100/0(DMFのみ;実施例5)、80/20(実施例6)、60/40(実施例7)、40/60(実施例8)、20/80(実施例9)、及び0/100(アセトンのみ;比較例7)としたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0075】
〈染色剤中の溶媒混合比による着色性の評価〉
実施例5〜9及び比較例7で得た着色モノフィラメントについて、着色指数を求めた。図3は、実施例5〜9及び比較例7で得た着色モノフィラメントのDMF/アセトン混合比に対する青色の着色の度合いを示すグラフである。グラフの縦軸は、先に述べたL*a*b*表色系におけるa*値であり、日本電色工業(株)製の分光式色差計SE−2000による測定値を任意単位で示した。a*値が小さい程、青色の着色の度合いが高い、つまり濃い着色であることを示す。
【0076】
比較例7で得た着色モノフィラメントは、実質的に殆ど着色が認められず、視認性の観点で十分とは言えなかった。これに対し、実施例5〜9の着色モノフィラメントは、ルアー用ライン等の釣り糸として用いる際の所望の視認性が達成される程に十分な着色性を発現するものであった。しかしながら、実施例5及び6で得た着色モノフィラメンは手触り感に違和感があり、顕微鏡で表面観察を行ったところ、表面荒れに近い状態が認められた。実施例7〜9で得た着色モノフィラメントでは、かかる事象は観測されなかった。
【0077】
これより、実施例7〜9の染色条件では、良溶媒であるDMF濃度が高い場合に着色モノフィラメントの平滑性が阻害される場合がある。これは、染色温度及び時間によって解消され得るものであるが、アセトンを適宜の割合で混合すれば、表面荒れを有効に防止しつつ十分な着色性を実現できることが確認された。
【0078】
〈実施例10〜12〉
染色温度(染浴温度)を30℃(実施例10)、40℃(実施例11)、50℃(実施例12:実施例1と同じであるが、説明の都合上混乱を避けるために新たな実施例として再掲する)としたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0079】
〈実施例13〜15〉
染浴4を通過したPVDF系モノフィラメント10を、乾燥炉70により、乾燥温度90〜95℃、乾燥時間1.5secで乾燥させたこと以外は、それぞれ実施例10〜12と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。
【0080】
〈実施例16〜21〉
染色剤として、DMF及びアセトンの混合溶媒の代りにDMFのみを用いたこと以外は、それぞれ実施例10〜15と同様にしてPVDF系モノフィラメントの染色を行ない、着色モノフィラメントを得た。なお、実施例18は実施例2と同じであるが、説明の都合上混乱を避けるために新たな実施例として再掲する。
【0081】
〈着色性及び表面性の評価〉
実施例10〜15、及び、実施例16〜21で得た着色モノフィラメンの着色性を相対的に評価した。また、それぞれの表面状態を顕微鏡により観察した。主要な染色条件と併せて評価結果を表5及び表6に示す。なお、表5及び6中の凡例(A,B,C)は、それぞれ相対的な指標であり、概ね以下の通りである。また、着色性については、目視による評価結果を不等号で表記した。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
[表5及び6の「表面性」の欄における凡例]
A:表面荒れがなく表面の平滑性に優れる、
B:表面荒れが若干認められるが実質的に問題ない、
C:表面荒れがやや顕著である。
【0085】
表5及び6に示す結果より、染色処理条件が同じであれば、染浴温度つまり染色温度が高い程、着色性が向上される傾向が確認された。また、染浴温度が同一であれば、溶媒によらず、熱風乾燥を行う方が着色性を高めることが判明した。さらに、良溶媒であるDMFのみを染色剤の溶媒として用いた場合(実施例16〜21、表6参照)には、潜在溶媒であるアセトンを配合した溶媒を用いた場合(実施例10〜15、表5参照)に比して、同一温度条件で表面性がやや劣る傾向が認められた。
【0086】
〈実施例22〉
染色時間を5secとしたこと以外は、実施例1と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0087】
〈比較例8〉
染色時間を5secとしたこと以外は、比較例4と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0088】
〈比較例9〉
染色時間を5secとしたこと以外は、比較例3と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0089】
〈実施例23〉
染色時間を5secとし、且つ、紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)の添加濃度を0.0005wt%としたこと以外は、実施例15と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0090】
〈実施例24〉
染色時間を5secとし、且つ、紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)の添加濃度を0.002wt%としたこと以外は、実施例15と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0091】
〈実施例25〉
染色時間を5secとし、且つ、紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Blue C.I.3)の添加濃度を0.02wt%としたこと以外は、実施例15と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0092】
〈実施例26〉
カチオン染料として紀和化学工業(株)製のカチオン染料(C.I.46)を用いたこと以外は、実施例25と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0093】
〈実施例27〉
カチオン染料として紀和化学工業(株)製のカチオン染料(Basic Yellow C.I.28)を用いたこと以外は、実施例25と同様にして着色モノフィラメントを得た。
【0094】
〈着色性及び色落ちの評価〉
実施例22〜27、並びに、比較例8及び9で得た着色モノフィラメンについて、上述した色差計(日本電色工業(株)製の分光式色差計SE−2000)による測定を行った。また、得られたL*a*b*表色系における各パラメータより、式(1)に従って着色モノフィラメントの彩度を求めた。さらに、これらの着色モノフィラメントの色落ちの有無について評価を行った。結果をまとめて表7に示す。なお、染色を施していないモノフィラメントをブランク試料として同様の測定を行った結果も併せて示す。
【0095】
【表7】
【0096】
また、実施例で得た着色モノフィラメントは、肉眼による判断でも、比較例の着色モノフィラメントに比して濃色度が有意に高く、彩度とその濃色性との間には有意な相関関係が認められた。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のモノフィラメントの染色方法及び装置によれば、塩基性染料と良溶媒とを含む染色剤とPVDF系モノフィラメントとを接触させることにより、PVDF系モノフィラメントの表層部への塩基性染料を十分に染着させるので、PVDF系モノフィラメントへの優れた諸特性を維持しつつ、簡便な処理によってその視認性を十分に向上できる着色モノフィラメントひいては着色釣り糸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモノフィラメントの染色装置に係る好適な一実施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明によるモノフィラメントの染色装置に係る好適な他の実施形態を模式的に示す構成図である。
【図3】実施例5〜9及び比較例7で得た着色モノフィラメントのDMF/アセトン混合比に対する青色の着色の度合いを示すグラフである。
【符号の説明】
1…染色装置、2…送出機、3…巻取機、4…染浴(染色部)、5…第一水洗浴(洗浄部)、6…第二水洗浴(洗浄部)、7…熱風乾燥機(乾燥部)、10…PVDF系モノフィラメント、11…着色モノフィラメント、41…染色剤供給部、51…洗浄水供給部、70…乾燥炉(乾燥部)、R…ガイドローラー、S…染色剤、V1,V2…コントローラー、W…洗浄水。
Claims (9)
- ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを、塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤と接触させる染色工程を備える、モノフィラメントの染色方法。
- 前記染色工程においては、塩基性染料としてカチオン染料を用いる、ことを特徴とする請求項1記載のモノフィラメントの染色方法。
- 前記染色工程においては、前記染色剤として、アセトン、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、トリエチルホスフェート、γブチロラクトン、プロピレンカーボネート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ダイアセトンアルコール、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及び1,4−ジオキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種の潜在溶媒を更に含むものを用いる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモノフィラメントの染色方法。
- 前記染色工程においては、前記染色剤として、前記良溶媒と前記潜在溶媒との質量混合比が30:70〜100:0の範囲内の値であるものを用いる、ことを特徴とする請求項3記載のモノフィラメントの染色方法。
- 前記染色工程においては、前記染色剤の温度を80℃以下とする、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノフィラメントの染色方法。
- 前記染色剤と接触させたモノフィラメントを洗浄する前に、該モノフィラメントを乾燥する乾燥工程を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモノフィラメントの染色方法。
- ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを保持し、該ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを所定のライン速度で送出する送給部と、
塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤が供給され、前記ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントと該染色剤とが接触する染色部と、
前記染色剤と接触したポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが洗浄される洗浄部と、
を備えるモノフィラメントの染色装置。 - 前記染色部と前記洗浄部との間に設けられており、前記染色剤と接触したポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが洗浄に先立って乾燥される乾燥部を更に備える請求項7記載のモノフィラメントの染色装置。
- ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを、塩基性染料、並びに、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド及びテトラメチルウレアからなる群より選ばれる少なくとも1種の良溶媒を含む染色剤と接触させる染色工程を備える、着色モノフィラメントの製造方法。
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