JP3958560B2 - ほぞ固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材のほぞ及びほぞ穴の組み合わせに使用するもので、簡単に、しかも強固に締め付け、固定して耐震性を上げるほぞ固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築は、軽量で、加工ならびに施工が容易であるため、広く普及しており、施工において木材同士を接合するほぞ固定装置として、特許第3048562号公報に記載のものが知られている。この公報に記載のほぞ固定装置は、第1の木材のほぞ穴に第2の木材の端部に設けられたほぞを嵌入した状態で、第1の木材及びほぞを貫通して形成された断面円形の第1、第2の固定孔に嵌入して第1、第2の木材を固定するように構成されている。さらに、このほぞ固定装置は、ほぞの肉厚より短く半径方向外側に突出可能な肉厚部(厚さT1
)、及び肉厚部と対向する外側半分に形成されてほぞの肉厚より長い外面切欠きを中央部にそれぞれ有し、第1の木材の幅と同一か又は第1の木材の幅より長く、第1、第2の固定孔に密着嵌入する固定用円筒体を備え、さらに、断面円形の固定用円筒体内に嵌入し、肉厚部を外側に押し出す断面円形のピンを有している。かかる構成により、ピンの嵌入により半径方向外側に突出可能な肉厚部を有しているので、第1、第2の木材を密着接合することができ、これによって耐震性を高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のほぞ固定装置においては、解決すべき以下の問題があった。
ピンの後ろ側の有効部及び有効部に一体的に連結された先端テーパ部の断面形状が同一の軸心に対して円形であり、かつ先端テーパ部の先端は平坦に形成されているため、肉厚部を外側に押し出す長さ(突出ストローク)は精々、ピンの直径の半分以下であり、この結果、第1の木材と第2の木材との密着量(締め付け量)を大きく取れないため、接合強度を大きくできないという問題があった。
また、外面切欠き部分の固定用円筒体の外表面の断面形状は、第2の固定孔の外径と等しい円弧に形成され、しかも肉厚部の内表面の断面形状は断面円形のピンの外径と等しい円弧であって、ピンを挿入した場合には、第2の固定孔の上半分が固定用円筒体の外表面に密着当接し、肉厚部の内表面はピンに密着当接する構造となっており、しかも、固定用円筒体は厚さT2が一定のパイプ状に形成されているので、外面切欠きの深さ(肉厚部の厚さT1−固定用円筒体の厚さT2)を大きく取ることができず、この結果、第1の木材と第2の木材との密着量を大きく取れないため、接合強度を大きくできないという問題があった。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、第1の木材と第2の木材との密着量(締め付け量)を大きく取ることによって、接合強度を大きくできるほぞ固定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るほぞ固定装置は、第1の木材のほぞを第2の木材のほぞ穴に装着した状態で、第1及び第2の木材を貫通する連通孔に、一部に突出片が突出片と対向する側には切欠きが形成された固定用筒体を装着し、固定用筒体のピン孔に固定ピンを装着することによって、突出片を外側に押し出して、ほぞの一部を切欠きに嵌入させると共に、ほぞを締め付け方向に移動させて、第1及び第2の木材を締結するほぞ固定装置であって、突出片のピン孔から内側に突出する高さが、ピン孔の高さの1/2〜9/10の範囲にあり、固定ピンのテーパ部の先端の位置は、突出片のピン孔から内側に突出する高さ位置より高い位置にある。これによって、ほぞを締め付ける方向に突出片を移動させるストロークが大きくできる。ここで、突出片の突出する高さをピン孔の高さの1/2〜9/10の範囲に設定したのは、1/2未満であれば、充分な締め付けストロークが得られず、一方、9/10を超えると突出片を外側に押し出すための機構が大きくなるので、実用的でないためである。
【0006】
本発明に係るほぞ固定装置において、ピン孔の断面形状は、異形多角形、一部を欠落した部分円形、卵形等の非点対称形状であり、固定ピンの有効部はピン孔の断面形状に一致又は僅少の範囲で実質的に相似であるように構成する。これによって、固定ピンをピン孔に対して回転させることなく、一方向で嵌入できる。ここで、固定ピンの有効部とは突出片を外側に押し出すことができる部分を表している。
本発明に係るほぞ固定装置において、切欠きの有効深さは、突出片のピン孔から内側に突出する高さより小さくすることもできる。これによって、切欠き近傍の固定用筒体の肉厚を厚くすることができる。
【0007】
本発明に係るほぞ固定装置において、切欠きは外側からピン孔に貫通する開口部であるように構成することもできる。これによって、ほぞを締め付け方向に移動させるストロークを、さらに大きくできる。
本発明に係るほぞ固定装置において、固定用筒体の有効部の外側断面形状は円形であるように構成することもできる。これによって、第1及び第2の木材を貫通する連通孔を容易に形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るほぞ固定装置の使用状態を示す斜視図、図2(A)、(B)はそれぞれ、同ほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の側断面図、図3(A)、(B)はそれぞれ、同ほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図、図4は同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図、図5(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図、図6は同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図、図7(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第3の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図、図8は同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図、図9(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第4の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図、図10は同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図である。なお、図2(B)は、固定ピンの正面図も示している。
【0009】
図1〜図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るほぞ固定装置10は、第1の木材の一例である柱11に形成されたほぞ12を第2の木材の一例である土台13に形成されたほぞ穴14に装着した状態で、柱11及び土台13を強固に締結し、接合する装置である。垂直に配置された柱11の先端部(下端部)に突出した直方体形状のほぞ12及び水平に配置された土台13のほぞ穴14の両側の側壁部15、16を貫通する断面円形状の連通孔17〜19が接合部には形成されている。連通孔17〜19には、その下端側の一部に突出片20が形成されると共に、突出片20と対向する上端側には切欠き21が形成された外形断面が円形状の固定用筒体22が装着されている。さらに、固定用筒体22の軸中心部にはピン孔23が形成されており、ピン孔23に棒状の固定ピン24を挿入することによって、突出片20を半径方向外側に押し出すと共に、ほぞ12の一部を切欠き21に嵌入させた状態で、ほぞ12を締め付け方向に移動させて固定するようになっている。なお、ほぞ固定装置10は、固定用筒体22と固定ピン24とを備えている。以下、図を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
固定用筒体22は、例えばプラスチック又は金属からなっている。図2(A)、(B)に示すように、固定用筒体22の嵌入部(有効部)の長さは、土台13の幅L2と略同一にしており、固定用筒体22の一側の端部には環状の位置決め用ストッパ25が設けられていて、嵌入時に側壁部16の端面26に当接して、軸方向の位置ずれを抑えている。
固定用筒体22の有効部の長さを、土台13の幅L2より長くして、振動による固定用筒体22の抜け落ちの恐れを無くすこともできる。固定用筒体22の軸中心部には、有効部43の断面が上側に小さな弓形27を欠落した部分円形に形成された固定ピン24が密着嵌入可能なピン孔23(断面が固定ピン24の外形断面に実質的に相当する部分円形状)が形成されている。なお、固定ピン24における有効部とは、有効部43の内で、実質的に突出片20を押し出すことができる部分を意味している。
【0011】
固定用筒体22の先端部には、連通孔17、18、19に挿通し易いように、テーパ部28が形成されている。また、固定用筒体22の外周には、固定用筒体22の長さ方向に平行な直線状突起(図示せず)が設けられている。直線状突起の数は規定しないが、複数設けられているのが好ましい。これによって、固定用筒体22の挿入時に固定用筒体22が回転して切欠き21の角度がずれることを防ぎ、作業を簡単に行えるようにしている。なお、固定ピン24は先側に設けられたテーパ部42と、テーパ部42に一体的に設けられた有効部43とを備えており、有効部43の断面形状は図3(B)に示す通りとなっている。
【0012】
図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)に示すように、固定用筒体22の長手方向の中央部には、ほぞ12の肉厚L1より短く、しかも半径方向外側(図面では下側)に突出可能な突出片20が設けられている。図2(A)、(B)に示すように、突出片20の軸方向の両端部には傾斜部29、30が設けられ、固定ピン24の両側からの挿入及び突出片20の押し出しを容易にしている。さらに、図3(A)に示すように、突出片20の断面形状は、固定ピン24の挿通による突出前の状態では、固定用筒体22の肉厚TEと同じ厚さを備え、しかも固定用筒体22と一体的に形成された円弧部31と、円弧部31の内側に一体的に設けられ、固定ピン24の下部円弧32に当接する当接部33とを有している。
【0013】
当接部33の両側面34、35は略垂直で平行に形成されており、また、両側面34、35の両端をそれぞれ接続する円弧上、下面36、37の形状は固定用筒体22の内形(内径D1)の円弧と同じ形状に形成されている。なお、図2(A)及び図3(A)に示すように、突出片20のピン孔23から内側に突出する高さHが、ピン孔23の高さhの1/2〜9/10の範囲(本実施の形態では、4/5)になるように構成されている。これによって、突出片20の突出ストロークを大きくでき、これにより、柱11と土台13との締結力を大きくすることができる。
【0014】
突出片20は、プラスチックで成形する場合には、円弧部31の両側部38、39にミシン目又は、肉薄溝を形成して固定用筒体22と一体的に成形することもできる。また、成形の手間を考慮して、固定用筒体22を2分割、又は3分割にして成形し、これを接着等の固定手段によって固定することもできる。さらに、金属製の突出片20の場合には、固定用筒体22本体とは別に突出片20を製作しておき、固定用筒体22本体から分離可能な状態で接着等の固定手段、又は掛止爪による掛止手段によって固定用筒体22本体に固定することができる。
【0015】
図3(A)、(B)に示すように、固定用筒体22の中央部の上側に形成された切欠き21の外表面40の断面形状は、ほぞ12の連通孔17の外形の円弧と等しい形状に形成されており、突出片20の円弧上面(内表面)36の断面形状は固定ピン24の外形の円弧と等しい形状に形成されている。固定用筒体22の切欠き21以外の外径は、使用時に連通孔17〜19に密着嵌入できる寸法に設定されている。本実施の形態では、切欠き21の有効深さFは突出片20のピン孔23から内側に突出する高さHと同じ大きさとしている。しかし、突出片の移動ストロークをもっと大きくしたい場合には、有効深さFを大きく取ることによって、切欠きにより固定用筒体の外側からピン孔に貫通する開口部を形成するように構成することもできる。
従って、図2(B)及び図3(B)に示すように、固定用筒体22のピン孔23に固定ピン24を挿入した場合には、ほぞ12の連通孔17の上半分が固定用筒体22の切欠き21の外表面40に密着当接し、突出片20の円弧上面36は固定ピン24の下部円弧32に密着当接する。
【0016】
上側に弓形27を欠落した断面が部分円形状の有効部43を備えた固定ピン24も、固定用筒体22と同様にプラスチック、又は金属から構成されたり、場合によっては木材から構成される。図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)に示すように、固定ピン24は、固定用筒体22のピン孔23内に嵌入され、突出片20を半径方向外側(図では下側)に押し出すが、この際ピン孔23への挿入を容易にすると共に、突出片20の傾斜部30(逆方向の挿入時では、傾斜部29)に当接し、傾斜部30をガイドして突出片20が突出できるように、先端部にはテーパ部42が形成されている。テーパ部42は、有効部43の断面形状と同様に、上側に弓形を欠落した断面が部分円形状に形成されており、図2(A)に示すように、テーパ部42の先端44の位置は、突出片20のピン孔23から内側に突出する高さH位置より高い位置になるようにしている。
【0017】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るほぞ固定装置10を用いた柱11と土台13との接合方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
(1)図1に示すように、まず、土台13の中央部に形成されたほぞ穴14に柱11の下端部に形成されたほぞ12を下方(矢印で示す方向)に嵌入する。
(2)ほぞ12をほぞ穴14に嵌入した状態で、例えばドリル、又はきりを用いて土台13及びほぞ12を貫通する断面円形状の連通孔17〜19をそれぞれ形成する。連通孔17〜19は丸孔のため、容易に、しかも短時間に加工することができる。
(3)図1に示すように、半径方向外側に突出可能な突出片20が中央部の下側に取付けられ、切欠き21が中央部の上側に形成された固定用筒体22のテーパ部28を矢印で示す水平方向に向けて、固定用筒体22を連通孔17〜19に密着嵌入する。
【0018】
(4)位置決め用ストッパ25が土台13の端面26に当接するまで固定用筒体22を嵌入すると、図2(A)及び図3(A)に示すように、突出片20がほぞ12の連通孔17の下面に当接する位置に、一方、切欠き21がほぞ12の連通孔17の上面から下側に逃げた位置に設置される。なお、位置決め用ストッパ25の外側面には図示しない矢印形状の目印が上方向を向けて設けられているので、この目印を嵌入前、後にそれぞれ確認することによって、突出片20及び切欠き21の位置を正確に配置することができる。また、固定用筒体22の外周には図示しない直線状突起が長さ方向に平行に設けられているので、固定用筒体22を嵌入するときに回転を防止することができる。
【0019】
(5)図2(B)及び図3(B)に示すように、固定用筒体22のピン孔23に密着嵌合する固定ピン24を挿入して、固定ピン24のテーパ部42により突出片20を固定用筒体22の半径方向外側に押し出し、突出片20をほぞ嵌入方向(締め付け方向)に突出させて、土台13及び柱11の密着接合を行う。この際、固定ピン24はピン孔23に対して回転することは無いので、テーパ部42により突出片20を確実に押し出すことができる。突出片20を半径方向外側に押し出す時、連通孔17の上面も下側に移動するが、固定用筒体22に切欠き21が形成されているので、ほぞ12の移動の邪魔になることはない。こうして、ほぞ12は下方向に引張られて柱11と土台13との接合面45a、46aは密着接合される。
【0020】
(6)図3(A)に示すように、切欠き21の外表面40の断面形状は連通孔17の外形の円弧と等しい形状に形成されており、突出片20の円弧上面36の断面形状は固定ピン24の外形の円弧と等しい形状に形成されているので、図3(B)に示すように、固定ピン24を挿入してほぞ12が下方に移動したとき、ほぞ12が局部的に当たって固定用筒体22が破損することを避けることができ、また、突出片20に加わる力を均一にして固定用筒体22が変形し難くなっている。
ほぞ固定装置10においては、かかる構成によって、木材の接合時における寸法精度を向上することができ、しかも、短時間で接合施工ができるようになった。
【0021】
図5(A)、(B)及び図6に示す本発明の参考例である第2の実施の形態に係るほぞ固定装置50について説明する。なお、ほぞ固定装置10と同じ構成要素については、同じ番号を付す。
ほぞ固定装置50においては、ほぞ固定装置10と同様、固定用筒体51に形成される切欠き52によって、固定用筒体51の外側からピン孔53に貫通する開口部は形成されていない。また、ピン孔53の断面形状及びピン孔53に嵌入する固定ピン54の断面外形形状は、上側に大きな弓形を欠落した部分円形状に形成されている。突出片55は、外周円弧56及び内周円弧57を備えており、内周円弧57は、ピン孔53の下面より内側に位置している。突出片55は固定ピン54の挿入前には、外周円弧56がほぞ12の連通孔17の下面に当接し、固定ピン54の挿入後には、内周円弧57が固定ピン54の有効部58の下部円弧59に当接する断面形状となっている。
【0022】
さらに、図5(A)に示すように、突出片55のピン孔53から内側に突出する高さH1は、ピン孔53の高さh1の1/3程度としている。また、固定用筒体51の切欠き52の外表面45とピン孔53との間には周方向に不均一な厚さの薄肉部46が形成されている。
図6に示すように、固定ピン54は、テーパ部47及び有効部58の上面が一体となって矩形状に形成され、しかもテーパ部47の先端48は略上端に位置している。固定ピン54はピン孔53に対して、回転することなく一方向で嵌入することができる。なお、テーパ部47は平面視して矩形状としたが、必要に応じて、先端に沿って細く絞った形状とすることもできる。
【0023】
図7(A)、(B)及び図8に示す本発明の第3の実施の形態に係るほぞ固定装置60について説明する。なお、ほぞ固定装置10、50と同じ構成要素については、同じ番号を付す。
ほぞ固定装置60においては、固定用筒体61に形成されたピン孔62及び固定ピン63の有効部64の断面形状を逆台形状にした構成となっている。従って、固定ピン63の下面65及び下面65が当接する突出片66の内面67は直線状に形成されている。固定ピン63もピン孔62に対して回転することなく嵌入される。なお、テーパ部68は平面視して矩形状としたが、必要に応じて、先端に沿って細く絞った形状とすることもできる。なお、図7(A)、(B)中の符号69は固定用筒体61の中央部の上側に形成された切欠き49の外表面を表している。
【0024】
図9(A)、(B)及び図10に示す本発明の第4の実施の形態に係るほぞ固定装置70について説明する。なお、ほぞ固定装置10、50、60と同じ構成要素については、同じ番号を付す。
ほぞ固定装置70においては、固定用筒体71に形成されたピン孔72、固定ピン73の有効部74の断面形状はそれぞれ、下側に弓形を欠落した部分円形の一側部に断面矩形状の溝部75、突起部76が形成された形状となっている。溝部75、突起部76はそれぞれ、固定用筒体71の内周部、固定ピン73の外周部に形成されており、溝部75と突起部76との掛合によって、固定ピン73がピン孔72に一方向で確実に嵌入するように構成されている。なお、図10中の符号77は、固定ピン73の有効部74の先端に一体的に設けられ、突出片66を押し出すテーパ部を表しており、突起部76の先側が取付けられている。
【0025】
前記実施の形態に係るほぞ固定装置10において、テーパ部が突出片20を下側に押し出すようにガイドでき、有効部により最終的に突出片20を所定の位置まで突出できる構造であれば、テーパ部はどの様な形状でも構わない。
【0026】
固定ピンの有効部の断面形状は、一部を欠落した部分円形(固定ピン24、54)、台形(固定ピン63)としたが、これに限定されず、状況に応じて、異形多角形、卵形等の非点対称形状とすることもできる。この非点対称形状によって、固定ピンはピン孔に対して一方向で挿入できる。また、固定ピンの有効部はピン孔の断面形状に一致又は僅少の範囲で実質的に相似とすることもできる。
切欠き21の有効深さFは、突出片20のピン孔23から内側に突出する高さHと同じ大きさとしたが、これに限定されず、必要に応じて、有効深さFを高さHより小さくすることもできる。
ほぞ固定装置10においては、固定用筒体22に浅い切欠き21を形成しているので、固定用筒体22の外側からピン孔23に貫通する開口部が形成されていないが、これに限定されず、状況に応じて、深い切欠きを形成することによって開口部を形成することもできる。これによって、突出片の突出ストロークを大きくでき、締め付け力、即ち接合力を大きくできる。
【0027】
ほぞ固定装置10、50、60、70においては、固定用筒体の有効部の外側断面形状は円形として説明したが、これに限定されず、例えば、正方形等の正多角形(角形)とすることもできる。
柱11のほぞ12を土台13のほぞ穴14に上から下に嵌入したが、これに限定されず、横梁を構成する第1の木材のほぞを、縦梁を構成する第2の木材のほぞ穴に嵌入する場合にも、本発明は勿論適用できる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1〜記載のほぞ固定装置においては、ほぞを締め付ける方向に突出片を移動させるストロークを大きくできるので、第1の木材と第2の木材との接合強度を大きくできる。
また、固定ピンをピン孔に対して回転させることなく、一方向で嵌入できるので、固定ピンの嵌入作業が容易になる。
特に、請求項記載のほぞ固定装置においては、切欠き近傍の固定用筒体の肉厚を厚くすることができるので、この部分の変形を防止することができる。
【0029】
請求項記載のほぞ固定装置においては、ほぞを締め付け方向に移動させるストロークを、さらに大きくできるので、第1の木材と第2の木材との接合強度をさらに大きくできる。
請求項記載のほぞ固定装置においては、第1及び第2の木材を貫通する連通孔を容易に形成することができるので、連通孔を形成する作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るほぞ固定装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ、同ほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の側断面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、同ほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図である。
【図4】同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図である。
【図6】同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第3の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図である。
【図8】同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の第4の実施の形態に係るほぞ固定装置における固定ピンの挿入前、挿入後の正断面図である。
【図10】同ほぞ固定装置に使用する固定ピンの斜視図である。
【符号の説明】
10:ほぞ固定装置、11:柱(第1の木材)、12:ほぞ、13:土台(第2の木材)、14:ほぞ穴、15、16:側壁部、17〜19:連通孔、20:突出片、21:切欠き、22:固定用筒体、23:ピン孔、24:固定ピン、25:位置決め用ストッパ、26:端面、27:弓形、28:テーパ部、29、30:傾斜部、31:円弧部、32:下部円弧、33:当接部、34、35:側面、36:円弧上面(内表面)、37:円弧下面、38、39:側部、40:外表面、42:テーパ部、43:有効部、44:先端、45:外表面、45a:接合面、46:薄肉部、46a:接合面、47:テーパ部、48:先端、49:切欠き、50:ほぞ固定装置、51:固定用筒体、52:切欠き、53:ピン孔、54:固定ピン、55:突出片、56:外周円弧、57:内周円弧、58:有効部、59:下部円弧、60:ほぞ固定装置、61:固定用筒体、62:ピン孔、63:固定ピン、64:有効部、65:下面、66:突出片、67:内面、68:テーパ部、69:外表面、70:ほぞ固定装置、71:固定用筒体、72:ピン孔、73:固定ピン、74:有効部、75:溝部、76:突起部、77:テーパ部

Claims (4)

  1. 第1の木材のほぞを第2の木材のほぞ穴に装着した状態で、前記第1及び第2の木材を貫通する連通孔に、一部に突出片が該突出片と対向する側には切欠きが形成された固定用筒体を装着し、該固定用筒体のピン孔に固定ピンを装着することによって、前記突出片を外側に押し出して、前記ほぞの一部を前記切欠きに嵌入させると共に、該ほぞを締め付け方向に移動させて、前記第1及び第2の木材を締結するほぞ固定装置であって、
    前記突出片の前記ピン孔から内側に突出する高さが、前記ピン孔の高さの1/2〜9/10の範囲にあり、前記固定ピンのテーパ部の先端の位置は、前記突出片の前記ピン孔から内側に突出する高さ位置より高い位置にあり、前記ピン孔の断面形状は非点対称形状であり、前記固定ピンの有効部は前記ピン孔の断面形状に一致又は僅少の範囲で実質的に相似であることを特徴とするほぞ固定装置。
  2. 請求項記載のほぞ固定装置において、前記切欠きの有効深さは、前記突出片の前記ピン孔から内側に突出する高さより小さいことを特徴とするほぞ固定装置。
  3. 請求項記載のほぞ固定装置において、前記切欠きは外側から前記ピン孔に貫通する開口部であることを特徴とするほぞ固定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のほぞ固定装置において、前記固定用筒体の有効部の外側断面形状は円形であることを特徴とするほぞ固定装置。
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