JP3958382B2 - スタート・メニュー付タスクバー - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、データ・プロセッシング・システムに関し、特に、データ・プロセッシング・システムにおけるスタート・ウィンドウを備えるタスクバーの使用に関する。
【０００２】
【従来の技術】
米国ワシントン州レッドモンドを居所とするＭｉｃｒｏｓｏｆｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（マイクロソフト・コーポレーション）から発売されている「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ３．１オペレーティング・システムは、ウィンドウ・ベースのグラフィカル・ユーザ・インターフェースをユーザに提供する。このオペレーティング・システムにより提供される環境においては、アプリケーション・プログラムが、ユーザがアプリケーションを使用するために非最小化フォームで「可視」とすることができる関連ウィンドウを備える。一般に、１つのアプリケーションは、１つの関連アイコンを有する。ユーザは、アプリケーションに対応するアイコンにマウスのカーソルを重ね、マウス・ボタンをダブル・クリックすることによって当該アプリケーションを非最小化フォームで可視にすることができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、残念なことに、すべてのユーザがこのダブル・クリックを得手としているわけではない。たとえば、システムがダブル・クリックとして認識できるスピードでマウス・ボタンを２回クリックできないユーザがいる。また、ユーザがダブル・クリックの間にマウスを不用意に動かしたために、その動作がシステムに適正に伝わらないこともある。
これとは別に、「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ３．１オペレーティング・システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースにおいて見られる困難性に、可視の非最小化ウィンドウおよび最小化ウィンドウ（つまりアイコン）が、他の非最小化ウィンドウもしくはアイコンによって隠蔽されてしまうことがある。この結果、不慣れなユーザには、いずれのアプリケーションが現在アクティブになっているかが分かりにくいことが少なくない。さらに、多くの初心者は、あるウィンドウが他を隠蔽していることに困惑する。これらのユーザは、隠蔽されているウィンドウに何が起こっているかわからない。 また、多くの初心者は、この環境によって提供される階層に当惑している。この階層のトップは、使用可能な各プログラム・グループ用のアイコンを表示するプログラム・マネージャである。当該階層における次のレベルは、プログラム・グループによって形成されている。ユーザは、プログラム・グループ内のプログラムにアクセスする場合、通常、当該プログラム・グループに関連づけられているウィンドウを開く。プログラム・グループのウィンドウには、当該プログラム・グループ内で使用可能な各アプリケーションに対応するアイコンが表示される。この後ユーザは、ファイル・メニューを介して、あるいはプログラム・アイコンをダブル・クリックすることにより、そのうちのいずれかのプログラムを開くことになる。ところで、この階層を横切ることは、多くのユーザにとって極めて困難であり、大抵は適正に通過する方法がわからなくなり、階層の中で迷ってしまう。
【０００４】
この従来のアプローチに伴う他の複雑化の要因は、いかにして、あるいは、どこでヘルプ情報を得るべきか、ユーザにわからないことである。さらに、ドキュメントを開いたりプログラムを切り替える際にもユーザには困難が強いられている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、入力デバイス及びビデオ・ディスプレイを備えたコンピュータ・システムにおいて、ユーザ・インターフェース・エレメントをビデオ・ディスプレイ上に表示させ、該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が不可能なモードにおかれ、該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ユーザに対して現在アクティブ・ウィンドウを有するアプリケーションを示すべく、このコンピュータ・システム内でアクティブ・ウィンドウを有するアプリケーション用のサブエレメントを有し、ユーザによる該入力デバイスの使用に応じた、前記アプリケーションから選択した選択アプリケーション用の該サブエレメントの操作によって、該選択アプリケーションに、該選択アプリケーションの非最小化ウィンドウの表示を要求し、前記ユーザ・インターフェース・エレメントのモードを、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が可能な第２のモードに変更するステップを含むことを特徴とする。
【０００６】
本発明の方法は、ユーザ入力を受け取るためのマウスおよび、ビデオ出力を表示するためのビデオ・ディスプレイを備えるコンピュータ・システムにおいて、該ビデオ・ディスプレイ上にオブジェクトを表示するステップと、該ビデオ・ディスプレイ上に、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示を有するタスクバー・ユーザ・インターフェース・エレメントを表示するステップと、ユーザによる該マウスの使用に応じて該オブジェクトを該視覚的表示のうちの選択した選択視覚的表示に重なるべくドラッグし、ゼロでないしきい時間にわたり該選択視覚的表示に重なる位置を維持するステップおよび、該しきい時間にわたる該オブジェクトの該選択視覚的表示に重なる位置決めに応答して、該選択視覚的表示のアプリケーション用のウィンドウを開くステップを含むことを特徴とする。
【０００７】
本発明の方法は、入力デバイス、ビデオ・ディスプレイ、及び、該ビデオ・ディスプレイ上に表示され且つ該入力デバイスに応じて位置決めされるカーソルを備えるコンピュータ・システムにおいて、該ビデオ・ディスプレイ上に非最小化状態で表示されているアプリケーション・プログラム用のウィンドウがないとき、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示であって、関連づけられたアプリケーションを同定するため、および、該関連づけられたアプリケーションのウィンドウを可視の非最小化状態に置くための視覚的表示を備えるユーザ・インターフェース・エレメントを、該ビデオ・ディスプレイ上に表示するステップおよび、いずれかのアプリケーションのウィンドウが可視の非最小化状態になると、該ビデオ・ディスプレイ上の該ユーザ・インターフェース・エレメントを隠すステップを含むことを特徴とする。
【００１０】
【実施例】
本発明の好ましい実施例は、従来のシステムで問題となっていた困難性の多くを克服するタスクバーおよびスタート・メニューを提供する。このタスクバーは、終始可視となるユーザ・インターフェース・エレメントであり、ユーザに対して現在いずれのタスクがアクティブになっているかを知らせる。タスクバーは、ユーザがタスクバーの隠蔽を選択しない限り、開いているウィンドウによって隠蔽されることがないように構成されている。またタスクバーは、現在のアクティブ・タスク・ウィンドウを表示するためのポイントとしても機能する。タスクバーは、各アクティブ・タスクに対応するボタンを備える。タスク・ウィンドウを表示する場合、ユーザは、当該タスクに与えられているタスクバー・ボタンをシングル・クリックするだけでよい。これらのボタンは、タスクの切り替えに使用することもできる。タスクバーは、ユーザ・インターフェース上の固定位置にアンカーされた状態になっている。しかしながら、ユーザは、この固定アンカー位置を変更することができる。さらにタスクバーには、スタート・メニュー・ボタンが備わり、これは、ユーザ・インターフェースを介してプログラムにアクセスするための集中ロケーションとして働く。スタート・メニューは、ユーザによる所望のプログラム、ドキュメントもしくはシステムコントロールに対する容易なアクセスを可能にするメニュー・アイテムを備える。このスタート・メニューは、詳細を後述するように、構成を変更することができるようになっている。
【００１１】
図１は、本発明の好ましい実施例を実行するのに適したコンピュータ・システムを示すブロック図である。このコンピュータ・システムは、マウス１４、キーボード１６およびビデオ・ディスプレイ１８を始めとするいくつかの周辺装置へのアクセスを有する中央処理装置（ＣＰＵ）１２を備える。マウス１４は、少なくとも左マウス・ボタンおよび右マウス・ボタンを備えるものとする。またＣＰＵ１２は、メモリ２０および２次メモリ２２へのアクセスも有している。メモリ２０は、アプリケーション２４およびオペレーティング・システム２６のコピーを保持する。本発明の好ましい実施例においては、タスクバーおよびスタート・メニューがオペレーティング・システム２６のシェルによって供給される。しかしながら、当業者であれば本発明がオペレーティング・システムにおける実施に限定されないことは容易に理解されよう。むしろ本発明は、ユーティリティないし他のシステム・リソースを介して実現される可能性もある。なお以下に述べる説明においては、このオペレーティング・システムを、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（マイクロソフト・コーポレーション）が提供する「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ９５オペレーティング・システムとする。ただし、当業者においては、本発明を他のオペレーティング・システムによっても実施し得ることを理解されたい。
【００１２】
タスクバーは、オペレーティング・システム２６によりウィンドウとして実行される。ウィンドウは、ウィンドウ・クラスに基づき、オペレーティング・システム２６によって常に生成される。ウィンドウ・クラスは、当該ウィンドウに送られるメッセージを処理するウィンドウ・プロシージャを同定する。オペレーティング・システム２６は、アプリケーションによるウィンドウ・クラスの記録を可能にするＲｅｇｉｓｔｅｒＣｌａｓｓ（）関数をサポートしている。ウィンドウ・プロシージャは、ウィンドウに送られるメッセージの受け取りおよび処理を行う関数である。オペレーティング・システム２６は、メッセージ・ベースのオペレーティング・システムであり、そのオペレーションは、ウィンドウ間でのメッセージのパスにより達成される。
図２は、本発明の好ましい実施例のオペレーティング・システム２６によって提供されるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを一例で示したものである。タスクバー２８は、ビデオ・ディスプレイ１８（図１）上のバーチャル・デスクトップ３０の下端に位置決めされている。図２に示した例においては、ユーザ・インターフェースの左端から右端までタスクバー２８が延びており、ビデオ・ディスプレイの下端にアンカーされている。またタスクバー２８は、全長にわたり均一な幅を有している。タスクバー２８は、スタート・メニューへアクセスするためのスタート・メニュー・ボタン３２を備える。このスタート・メニューについては、詳細を後述する。さらにタスクバー２８には、クロック３４およびタスクバー通知エリア３６が備わる。このクロック３４は、現在時刻を表示する。また、タスクバー通知エリア３６には、イベントの可視表示として機能するアイコン、すなわちステータス情報を伝えるアイコンが表示される。タスクバー通知エリアについては、本件特許出願人と共通の出願人により同時出願なされた「Ｓｙｓｔｅｍ Ｐｒｏｖｉｄｅｄ Ｖｉｓｕａｌ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ Ａｒｅａ（システム供給ビジュアル表示エリア）」と題したシリアル番号 の出願明細書に詳説されている。なお、スタート・メニュー・ボタン３２およびクロック３４は、タスクバー２８が所定の位置にアンカーされている限り、当該タスクバー内の固定位置に保持される。
【００１３】
タスクバー・ボタンおよびスタート・メニュー・ボタン３２は、本件特許出願人と共通の出願人により同時出願なされた「Ｓｙｓｔｅｍ Ｐｒｏｖｉｄｅｄ
Ｃｈｉｌｄ Ｗｉｎｄｏｗ Ｃｏｎｔｒｏｌｓ（システム供給チャイルド・ウィンドウ・コントロール）」と題したシリアル番号 の出願明細書に詳説されているようなタブ・コントロールとして実行される。コントロールは、ペアレント・ウィンドウ内に存在するチャイルド・ウィンドウであり、当該チャイルド・ウィンドウ内でユーザからの入力等のイベントが発生した場合に、通知メッセージをペアレント・ウィンドウに送る。具体的には、チャイルド・ウィンドウは、マウスならびにキーボードのメッセージを処理し、チャイルド・ウィンドウの状態に変化があったとき、ペアレント・ウィンドウに通知する。これにより、チャイルド・ウィンドウをペアレント・ウィンドウの入力デバイスの一種として動作させることが可能になる。
前述したようにタスクバー２８は、システム内における現在のアクティブ・タスクをすべて同定するための集中ロケーションとして機能する。図３は、ワードプロセッサ・プログラムおよび電子メール・プログラムがアクティブになっている場合のタスクバー２８の外観の一例である。タスクバー２８は、図３に示したボタン３８およびボタン４０のようなタスクバー・ボタンの表示によって、アクティブとなっているタスクを示す。ボタン３８ならびに４０の境界は、３次元的な効果をもたらすとともに、タスクのウィンドウが開いていないことが示されるように、１段高くなった状態に描かれている。ユーザは、マウス１４もしくは他の適当な入力デバイスを使用してマウスのカーソル４１でタスクバー・ボタンをポイントすることによりタスクバー２８からアクティブ・タスク・ウィンドウを表示し、その後、左マウス・ボタンをシングル・クリックして当該タスクに関連づけられているウィンドウを開き、可視の非最小化状態でその表示を行う。たとえば、ワードプロセッサ・プログラムのみがアクティブになっており、ユーザが当該ワードプロセッサ・プログラム用のボタン３８にマウスのカーソル４１を重ねて左マウス・ボタンをシングル・クリックした場合、図４に示すように、当該ワードプロセッサ・プログラム用のウィンドウ４２が開かれる。さらに、ワードプロセッサ・プログラム用のタスクバー・ボタン３８は、そのボタンが押し込まれたようにリドローされる。この結果、ユーザは、当該タスクに関連づけられているウィンドウが現在アクティブであることを示す視覚的な手掛かりを得ることができる。
【００１４】
プログラミングの見地からは、タスクバー上にボタンを有するタスクに対応するウィンドウの表示において、以下に示すステップが実行される。まず、マウスのカーソルがタスクバー・ボタンをポイントすべく位置決めされると、チャイルド・ウィンドウ・コントロールとしてタスクバー・ボタンがマウス・メッセージを受け取る。続いて、タスクバー・ボタンは、左マウス・ボタンがクリックされたことを示すマウス・メッセージを受け取る。このマウス・メッセージは、タスクバー２８のマネージと表示を担当するペアレント・タスクバーの処理に送られる。タスクバー２８は、当該マウス・メッセージを受け取ると、それに応答して図４に示したようなワードプロセッサ・ウィンドウを開くための判断を行う。さらに、ボタンが押し込まれた状態が示されるように、チャイルド・ウィンドウ・コントロールの外観を変更する。
タスクバー・ボタンのサイズは、タスクバー２８上で使用可能なスペースに応じて変化する。図３では、タスクバー・ボタン３８および４０が最大許容サイズで示されている。しかしながら、さらに別のタスクがアクティブになった場合は、それらのタスク用のタスクバー・ボタンがタスクバー２８上に追加されなければならない。多くの場合、すべてのアクティブ・タスクを適切に表示するために、新規のサイズでのタスクバー・ボタンのリドローが必要になる。たとえば、図５に、前述のプログラムに加えて、スケジュール・プログラムおよび計算機プログラムがアクティブになった場合の例を示す。つまり、新規にアクティブとなったこれらのタスクに対応するタスクバー・ボタンもタスクバー２８上に表示されなければならない。そこで、すべてのアクティブ・タスクに対応するすべてのタスクバー・ボタンを適切に表示するために、すべてのタスクバー・ボタンのサイズが変更される。つまり、図５に示したタスクバー・ボタン３８、４０、４４および４６の幅は、図３に示したタスクバー・ボタン３８および４０の幅より狭いものとなる。
【００１５】
タスクバー・ボタンのリサイズが必要な場合の新規サイズを決定するために、タスクバーはタスクバー２８内のタスクバー・ボタン表示用の使用可能スペースを算出する。続いてタスクバーは、表示の必要なタスクバー・ボタンの数を判断し、使用可能スペースを表示すべきタスクバー・ボタンの数で除する。この後タスクバーは、この演算に基づいてタスクバー・ボタンの適切なサイズを決定する。ビデオ・ディスプレイ１８の下端にタスクバー２８がアンカーされてタスクバー・ボタンが表示されている場合、左揃えの態様でボタンが表示される。オペレーティング・システム２６は、チャイルド・ウィンドウ・コントロールとして各タスクバー・ボタンをリドローするメカニズムを提供する。基本的にタスクバー・ボタンのリドローは、タスクバー・ボタンに関連づけられている各ウィンドウのリサイズを伴う。
ユーザは、タスクバー２８の内側境界を移動してタスクバーのサイズを増減することができる。この場合の内側境界とは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースの残りの部分に面している境界のことである。図７に示した例においては、タスクバー２８の上側の境界が内側境界５４となる。図６に示したステップを実行することにより、ユーザは、タスクバーの境界を断続的に増加（つまり、図７に示す最低高によるステップ増加）してその位置を再設定することができる。最初にユーザは、カーソルを移動してタスクバーの内側境界をポイントする（ステップ４８）。これにより、従来型の矢印カーソル（図３に示したカーソル４１参照）が２重の矢印に変わり、タスクバーの内側境界を移動するポジションであることが示される。この後ユーザが、左マウス・ボタンを押し下げたままタスクバーが所望のサイズとなるまでドラッグし（ステップ５０）、左マウス・ボタンをリリースしてタスクバーの内側境界をドロップすると、タスクバーのリサイズが行なわれる（ステップ５２）。図７に示したように、このドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションの間は、境界のゴースト５６が表示されて、２重矢印カーソル５８の現在位置によって示される新規の内側境界の位置の表示が行なわれる。
【００１６】
前述したように内側境界は、２重矢印カーソル５８の現在位置に基づいて決定される断続的な位置にのみ移動させることができる。また内側境界を、タスクバーが多くともグラフィカル・ユーザ・インターフェースの半分を占める位置を超えて移動させることはできない。図８は、一例として、これまでの図面で示したタスクバーの高さの２倍となるように内側境界をドラッグした後のタスクバー２８を示したものである。タスクバー２８がウィンドウであることから、タスクバーのリサイズは、他のウィンドウのリサイズと同様に扱われる。タスクバー２８のマネージおよび表示を担当するオペレーティング・システム２６におけるタスクバー処理は、ドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションおよびタスクバー・ウィンドウのリサイズに係るマウス・メッセージを受け取る。
前述のようにタスクバーは、ビデオ・ディスプレイ１８の各端にアンカーすることができる。タスクバー２８を別の辺にアンカーするための移動を行う場合、ユーザは、図９に示すようなステップを実行する。具体的には、カーソルをタスクバー２８の位置にポイントさせる。続いて左マウス・ボタンを押し下げ、そのままタスクバーのアンカーを希望する辺までタスクバーをドラッグする（図９のステップ６２）。そこでタスクバーをドロップすれば、タスクバーがリドローされて適切なエッジにアンカーされる（ステップ６４）。システムは、スクリーンを論理的に４つの象限に分割している。各象限は、各辺に対応している。タスクバーは、ドロップの時点でマウス・カーソルのホット・スポットがある象限に対応する辺にアンカーされる。図１０は、図８に示したタスクバーをビデオ・ディスプレイ１８の右端にドラッグしたときの外観を示している。ここで、タスクバーがアンカーされている位置に応じてボタン３８、４０、４４および６６のリドローが行なわれ、位置が再設定される点に注意されたい。タスクバー・ボタンは、アンカーが行なわれる各辺に対して水平に延びるように表示される。スタート・メニュー・ボタン３４およびクロックならびにタスクバー通知エリアもまた、それに応じて位置の再設定が行なわれる。図１１は、タスクバー２８をビデオ・ディスプレイ１８の上端にドラッグしたときの外観の一例を、図１２は、タスクバー２８をビデオ・ディスプレイ１８の左端にドラッグしたときの外観の一例をそれぞれ示している。
【００１７】
ユーザがマウスのカーソルを移動させてタスクバー・ボタンの１つをポイントし、右マウスボタンを押し下げると、コンテキスト・メニューが表示される。図１３に一例として、マウスのカーソルでタスクバー・ボタン４４をポイントし、右マウスボタンを押し下げた場合に表示されるコンテキスト・メニュー６６を示す。ユーザは、このコンテキスト・メニュー６６によってコンテキストで区別されたオペレーション（当該タスクバー・ボタンに関連づけられたウィンドウ上で実行することができる）の選択が可能になる。たとえば、コンテキスト・メニュー６６には、タスクバー・ボタン４４に関連づけられたウィンドウを閉じるオプション「閉じる」が備わる。
タスクバー２８は、コンテキスト・メニュー６８（図１４）も備える。このタスクバー２８は、ユーザがマウスのカーソルでタスクバーをポイントし右マウスボタンを押し下げたときに表示される。コンテキスト・メニュー６８は、開いているウィンドウを階層表示する「階層」オプションを備えている。また、タスクバー用のコンテキスト・メニュー６８は、開いているウィンドウを水平にタイリングする「水平に並べる」オプションも備える。さらに、開いているウィンドウを垂直にタイリングする「垂直に並べる」オプションも備える。これらのオペレーションは、従来のテクニックを使用して実行される。「全ウィンドウの最小化」オプションは、現在開いているすべてのウィンドウを最小化し、タスクバー２８上のタスクバー・ボタンとして表示するオプションである。オペレーティング・システム２６は、ユーザが使用できる定義可能作業エリアという概念を包含している。ウィンドウは、作業エリア内に留まることのないように最小化される。つまり、最小化されたウィンドウは、ユーザから不可視となる。またタスクバーには最小化要求が知らされ、タスクバーは、対応するボタンが一段高く見えるように表示すべく各ウィンドウ用のタスクバー・ボタンをアップデートする。
【００１８】
コンテキスト・メニュー６８には、図１５に示すように、直前に選択したウィンドウのタイリング・オプションを取り消すための「タイリングの取消し」オプションを備えることもできる。たとえば、図１５に示した例においては、カレンダー・プログラム用のウィンドウ７０および計算機プログラム用のウィンドウ７２が開かれている。この例は、「垂直に並べる」オプションが選択された後の状態である。これらのウィンドウは、コンテキスト・メニュー６８にある「タイリングの取消し」オプションを選択することによって、垂直タイリングの要求を発する前の状態に表示し直すことができる。システムは、直前に選択されたウィンドウのタイリング・オプションを記録し、取消し要求があった後に記録しているタイリング・オプションを再実行することによって、このタイリングの取消しの効果を達成している。
タスクバーのコンテキスト・メニュー６８における最後のオプションは、「プロパティ」オプションであり、これによりタスクバー２８およびスタート・メニュー用のプロパティ・シートを表示させることができる。図１６に、タスクバーもしくはコンテキスト・メニュー６８から「プロパティ」オプションを選択した場合に現れる表示を示す。ここには、「タスクバーのプロパティ」というタイトルの付いたフレーム・ウィンドウ７４が表示されている。フレーム・ウィンドウ７４は、フレームのようにしてプロパティ・シートを保持するために使用されている。「タスクバー・オプション」用のプロパティ・シート７６は、「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート用のタブ７８とともにフレーム・ウィンドウ７４内に表示される。このウィンドウには、ユーザが行ったプロパティの変更を受け入れるＯＫボタン８４、ユーザが行ったプロパティの変更をキャンセルするキャンセル・ボタン８２および、フレーム・ウィンドウ７４を開いた状態で変更を直ちに適用するための適用ボタン８４が備わっている。
【００１９】
「タスクバー・オプション」プロパティ・シート７６は、プレビュー・エリア８６を備えており、ここにはチェック・ボックス８８、９０および９２の選択または非選択の効果が表示される。図１７は、ユーザ・インターフェース内でタスクバーを他の要素の前面に表示する「常に前へ」チェック・ボックス８８がチェックされた状態を一例で示している。プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６は、そこに表示されているタスクバー９４の一部がウィンドウ９６を隠蔽する姿勢となることを示している。この態様は、図１６に示した、タスクバーがウィンドウによって隠蔽されるプレビュー・エリア８６におけるタスクバーの態様に逆になっている。
図１８は、タスクバーをオート・ハイド・モードにする「自動で隠す」チェック・ボックス９０を選択した場合の一例を示している。プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６によって示されるように、オート・ハイド・モードにおいてはタスクバーの顕著な表示がなくなる。この場合、タスクバーの細長いバーだけが可視となる。このオート・ハイド・オプションによって、ユーザは、必要に応じてビデオ・ディスプレイ１８の使用可能スクリーン・スペースを広げることが可能である。
【００２０】
オート・ハイド・モードでは、タスクバーが隠される。タスクバー２８は、ユーザがデスクトップ上にウィンドウを開いたときに隠される。しかし、開いているウィンドウがなくなると、タスクバーが再び現れる。またユーザは、ウィンドウが開いていても、ビデオ・ディスプレイ上のタスクバーがアンカーされている辺をマウスのカーソルでポイントすることによってタスクバーを表示させることができる。この場合、ユーザがカーソルをこのエリアから外に出すとタスクバーは隠れる。プログラム的には、オート・ハイド・モードは、ウィンドウが開いている場所の監視および、バーを表示する時期ならびにタスクバーを表示する時期の決定により実行される。
図１９は、スタート・メニューにラージ・アイコンに代えてスモール・アイコンを表示させる「スタート・メニューにスモール・アイコンを表示」リスト・ボックス９２を選択した例を示している。システムは、２種類のアイコン、すなわちスモール・アイコンおよびラージ・アイコンを備えている。スモール・アイコンは、その呼称からもわかるように、寸法においてラージ・アイコンと異なり、それよりも小さいアイコンとなっている。チェック・ボックス９２をチェックすると、プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６が、スタート・メニュー１００内にスモール・アイコンを表示する。
【００２１】
スタート・メニュー・ボタン３２は、スタート・メニューを開くための手段として機能する。スタート・メニューは、ユーザがプログラム、ドキュメント、システムのセッティング、ヘルプ情報等にアクセスするための中心的な場所として動作する。マウスのカーソルでスタート・メニュー・ボタン３２をポイントし、左マウス・ボタンをクリックすると、スタート・メニュー１０１（図２０）が表示される。スタート・メニュー１０１は、デフォルトで多数のメニュー・アイテムを備えている。ユーザは、「検索」メニュー・アイテム１０４を用いて、プログラム、ドキュメントもしくはその他のシステム内の構成要素を検索するための問い合わせダイアログを呼び出すことができる。また「ヘルプ」メニュー・アイテム１０６を用いれば、ユーザは、各種のトピックについての有用な情報が得られるメニュー・ダイアログを呼び出すことができる。つまり、ヘルプもしくは検索が必要な場合、ユーザは、スタート・メニュー１２にアクセスし、これらのメニュー・アイテムの１つを選択するだけでよい。
「設定」メニュー・アイテム１０８では、ユーザによるシステム・セッティングの調整が可能になる。「ドキュメント」メニュー１１０においては、最大１５までの最近使用したドキュメントへのアクセスが可能になる。図２１は、「ドキュメント」メニュー・アイテムの選択により、階層表示のメニュー１０３が３つのドキュメントを表示している例である。システム１６は、最近使用した１５のドキュメントおよびそれらのアイコンのキャッシュを保持している。このリストのドキュメント用のメニュー・アイテムは、「ドキュメント」メニュー・アイテム１１０が選択されたとき表示される。
【００２２】
「プログラム」メニュー・アイテム１１２では、スタート・メニュー１０１から階層表示されたプログラム・メニュー１０５（図２２）へのアクセスが可能になる。プログラム・メニュー１０５は、ユーザの選択肢を与えるプログラムおよびプログラム・グループを表示する。ユーザは、「実行」メニュー・アイテム１１４によりプログラムを選択して実行することができる。最後に、「終了」メニュー・アイテム１１６は、終了ダイアログを表示し、ユーザはこれによりシステムを終了することができる。メニュー・アイテム１０４、１０８、１１０および１１２に対応して表示されている矢印１１８は、これらのメニュー・アイテムが階層メニューを備えていることを示しており、マウスのカーソルでこれらのメニュー・アイテムをポイントするとメニューが階層表示される。
図２３は、スタート・メニュー１０１内の「設定」メニュー・アイテム１０８に関するメニュー１２０の階層表示の例を示している。スタート・メニュー１０１内のメニュー・アイテムの１つをマウスのカーソルでポイントすると、そのアイテムはハイライト表示される。図２３においては、「設定」メニュー・アイテム１０８がハイライト表示され、それに対応するメニュー１２０の階層表示により使用可能な設定オプションがユーザに示される。コントロール・パネル・ウィンドウを開くためのオプション１２２もこの設定オプションの中にある。これらのオプションは、マウスのカーソルでポイントすることによりハイライト表示される。図２４に示した例においては、コントロール・パネル・オプション１２２がハイライト表示で示されている。この状態、すなわちコントロール・パネル・オプション１２２をマウスのカーソルでポイントしている状態でユーザが左マウスボタンをシングル・クリックすると、（図２５に示したように）コントロール・パネル・ウィンドウ１２４が開かれる。
【００２３】
スタート・メニュー１０１内に現れる上述のメニュー・アイテムは、デフォルトで表示されるものである。ユーザは、アイテムの追加または削除により、スタート・メニューを変更することができる。ただし特定のアイテムについては、システムでプロテクトを設定し、ユーザによるスタート・メニュー１０１からのそれらのアイテムの削除を不可能にしている。ユーザは、スタート・メニューの構成を変更する場合、タスクバー・コンテキスト・メニュー６８を介して「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シートを呼び出す。「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート１２８は、すでにタスクバー用のプロパティ・シートに関して説明したフレーム・ウィンドウ７４の中に表示される。「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート１２８は、スタート・メニューにアイテムを追加するための「追加」ボタン１３０を備えている。またここには、スタート・メニューからアイテムを削除するための「削除」ボタン１３２および、スタート・メニューの高度なカスタムかを実行するための「詳細」ボタン１３４も備わる。
ユーザによる「追加」ボタン１３０の押し下げがあると、図２７に示したように、スタート・メニューにアイテムを追加するためのシーケンスの一部であるダイアログ１３８が表示される。ダイアログ１３８は、追加すべきアイテムの名称を入力するための編集ボックス１４０を備えている。ここへの入力に代えて、ブラウズ・ボタン１４２をアクティブにすれば、ユーザによる追加すべきアイテムのブラウズを可能にする追加のダイアログが呼び出される。さらにダイアログ１３８には、当該シーケンス内の次のダイアログに進むための「次へ」ボタン１４６および、当該シーケンス内の直前のダイアログに戻るための「戻る」ボタン１４４が備わる。最後に、スタート・メニューへのアイテムの追加をキャンセルするための「キャンセル」ボタン１４８が備えられている。
【００２４】
ユーザがブラウズ・ボタン１４２（図２７）をクリックすると、ブラウズ・ダイアログ１５０（図２８）が表示される。ブラウズ・ダイアログ１５０は、スタート・メニュー１０１に追加することができるフォルダおよびアイテムを表示するウィンドウ１５４を備えている。ユーザは、ウィンドウ１５４から表示されているアイテムの１つを選択しても、また編集ボックス１５２内にファイル名を入力してもよい。その後、「開く」ボタン１５６をクリックすれば、選択アイテムをスタート・メニュー１０１に追加する旨を要求することができる。また、キャンセル・ボタン１５８をクリックすれば、ブラウズ・ダイアログ１５０がキャンセルされる。ブラウズ・ダイアログ１５０には、ドロップ・ダウン・リスト・ボックス１６０が備わり、これにより、スタート・メニューにアイテムを追加するために参照する場所に関するオプションがユーザに与えられる。これとは別に、ドロップ・ダウン・リスト・ボックス１６２は、ユーザによるウィンドウ１５４に表示すべきファイルの種類の選択のために備えられている。図２９に、ユーザがスタート・メニューにアイテムを追加するために、「Ｗｉｎｄｏｗｓ」というフォルダを開き、「Ｃａｌｃ」というプログラムを選択した場合の例を示す。具体的には、ユーザが「Ｃａｌｃ」に関係づけられているアイコンをクリックしたことを示す。この結果、このファイルの名称が編集ボックス１５２に現れる。
【００２５】
ユーザがブラウズ・ダイアログ１５０内の「開く」ボタン１５６をクリックすると、「プログラム・グループの選択」ダイアログ１６０が表示される。このダイアログは、スタート・メニュー１０１からアクセス可能な階層表示のメニュー内の、アイテムを追加すべきプログラム・グループを選択するために使用する。図３０に示した例においては、スクロール・ボックス１６８内に表示されたスタート・メニュー用のエントリにマウスのカーソルをポイントし、左マウス・ボタンをクリックすることによって、スタート・メニュー１０１をプログラム・グループとして選択した状態が示されている。この場合ユーザは、「新しいフォルダ」ボタン１６６をクリックして、階層表示のスタート・メニューに追加する新規のフォルダを定義してもよい。ユーザが「次へ」ボタン１４６をクリックすれば、選択アイテムがスタート・メニュー１０１に追加される。
図２６において、ユーザが「削除」ボタン１３０を選択した場合は、「ショートカット／フォルダの削除」ダイアログ１７０（図３１）が表示される。このダイアログ１７０は、現在スタート・メニュー１０１からアクセスすることができるアイテムのツリー表示１７２を表示する。スタート・メニューからアイテムを削除する場合は、ツリー階層表示１７２からアイテムを選択し、「削除」ボタン１７４をクリックすればよい。選択しているアイテムは、そのラベルがハイライト表示される。図３１に示した例においては、「Ｃａｌｃ」プログラムが選択されている。ダイアログ１７０を終了する場合は、「閉じる」ボタン１７６を選択すればよい。
【００２６】
「詳細」ボタン１３４（図２６）を選択した場合は、スタート・メニューを詳細に調べるためのウィンドウ１８０（図３２）が表示される。このエクスプローラ・ウィンドウ１８０に現れるアイテムは、ＯＬＥおよびウィンドウズのドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションをサポートしていることから、これらのアイテムのドラッグ・アンド・ドロップによりスタート・メニューを操作することができる。
ユーザは、フレーム・ウィンドウ７４（図２６）のプロパティ・シートの編集が完了したら、その変更を受け入れる場合は「ＯＫ」ボタン８０を、キャンセルする場合は「キャンセル」ボタン８２をクリックする。ここで、上記の例においてユーザがプロパティ・シートへの変更を通してスタート・メニューへの「Ｃａｌｃ」プログラムの追加を決定したものとする。これによりスタート・メニュー１０１は、図３３に示すような態様となり、「Ｃａｌｃ」プログラム用のメニュー・アイテム１８２が追加される。この後は、「Ｃａｌｃ」プログラムにアクセスする場合、階層表示のメニューを縦横することなく、初期スタート・メニュー１０１から直接行うことができるようになる。
【００２７】
上記の例は、全体として、タスクバー２８がユーザ・インターフェースの下端に位置決めされている場合について述べてきた。しかしながら、タスクバー２８がアンカーされている位置に応じて、スタート・メニュー１０１も異なった位置に階層表示される点に注意されたい。図３４に、タスクバー２８がユーザ・インターフェースの右端にアンカーされている場合のスタート・メニュー１０１の例を示す。スタート・メニュー１０１は、オペレーティング・システム２６のタスクバー処理のコントロール下にある。つまり、スタート・メニューをどこに表示するかということは、タスクバーが判定する。したがって、スタート・メニューを表示する位置は、タスクバー２８を移動し、別の位置にアンカーすると変更される。なお、一般に、スタート・メニュー１０１の表示は、タスクバー２８の内側となる。
タスクバー２８にあるクロック３４は、関連づけられたプロパティ・シートを有する。これらのプロパティ・シートへのアクセスは、クロック３４のダブル・クリックもしくはコンテキスト・メニュー１８８（図３５）の呼び出しによって得られる。コンテキスト・メニュー１８８は、ユーザがマウスのカーソルでクロック３４をポイントし、右マウス・ボタンを押し下げると表示される。このコンテキスト・メニュー１８８には、「日付／時刻の調整」メニュー・アイテム１９０が備わる。クロック３４用のプロパティ・シートには、「日付および時刻」プロパティ・シート１９０（図３６）および、「時間帯」プロパティ・シート１９２（図３７）がある。ユーザは、これらのプロパティ・シートにより、現在の年、月、日、時、分、秒および時間帯を選択することができる。
【００２８】
前述したように、タスクバー２８は、開いているウィンドウによって安易に隠蔽されることなく、一貫して可視となるようにデザインされている。図３８は、ワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウが最大表示されている場合を示すが、この場合にもタスクバー２８が、最大表示のワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウ２００により隠蔽されることはない。これは、アプリケーションが使用できる作業エリアからタスクバーの領域を除くことにより達成される。なお、タスクバーがワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウを覆うこともなく、これらの境界は、単に接するだけである。 タスクバーに関して惹起される１つの複雑性は、ユーザが現在最小化されているアクティブ・ウィンドウにあるオブジェクトをドラッグする場合に係る。本発明の好ましい実施例においては、ユーザがアプリケーションに関連づけられているタスクバー・ボタンにオブジェクトをドラッグすることができる。具体的には、図３９に示すように、まずマウス１４を使用してオブジェクトをドラッグし、いずれかのタスクバー・ボタンに重ねる（図３９、ステップ２０２）。この状態、すなわちマウス・ボタンを押し下げ、当該オブジェクトをタスクバー・ボタンに重ねた状態を、所定時間継続する（ステップ２０４）。この状態で所定時間が経過すると、当該タスクバー・ボタンに関連づけられているアプリケーション・ウィンドウが非最小化状態で可視となり（ステップ２０６）、ユーザは、このアプリケーション・ウィンドウ内に当該オブジェクトをドロップすることができる（ステップ２０８）。
【００２９】
以上は、好ましい実施例を参照した本発明についての説明である。当業者であれば、本件特許請求の範囲から逸脱することなく、実施態様や詳細における変形が可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施例を実行するのに適したコンピュータ・システムを示すブロック図である。
【図２】本発明の好ましい実施例のタスクバーを採用したユーザ・インターフェースを一例で示す平面図である。
【図３】２つのアプリケーションが開かれ、それらのウィンドウが最小化されている場合の、図２に示したタスクバーの外観を示す平面図である。
【図４】プログラムがタスクバー上のタスクバー・ボタンから完全にユーザの管理下となる態様を一例で示す平面図である。
【図５】タスクバー上の使用可能スペースに基づいてタスクバー・ボタンが自動的にリサイズされる態様を一例で示す平面図である。
【図６】タスクバーをリサイズするとき実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
【図７】タスクバーのリサイズが行なわれる場合のタスクバーの外観を一例で示す平面図である。
【図８】図７に示したタスクバーとは異なるサイズのタスクバーの外観を一例で示す平面図である。
【図９】タスクバーをビデオ・ディスプレイの新しいコーナーに再アンカーするとき実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
【図１０】ビデオ・ディスプレイの右端にアンカーされたタスクバーを示す平面図である。
【図１１】ビデオ・ディスプレイの上端にアンカーされたタスクバーの外観を示す平面図である。
【図１２】ビデオ・ディスプレイの左端にアンカーされたタスクバーの外観を示す平面図である。
【図１３】タスクバー・ボタン用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１４】タスクバー用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１５】ウィンドウのタイリング・オプションが選択されたときのタスクバー用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１６】タスクバー用の「タスクバー・オプション」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図１７】図１４に示したプロパティ・シートにある「常に前へ」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図１８】図１４に示したプロパティ・シートにある「自動で隠す」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図１９】図１４に示したプロパティ・シートにある「スタート・メニューにスモール・アイコンを表示」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図２０】本発明の好ましい実施例によるスタート・メニューを一例で示す平面図である。
【図２１】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示のドキュメント・メニューを一例で示す平面図である。
【図２２】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示のプログラム・メニューを一例で示す平面図である。
【図２３】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示の設定メニューを一例で示す平面図である。
【図２４】図１７に示した階層表示の設定メニューにおいて「コントロール・パネル」オプションが選択された場合を示す平面図である。
【図２５】図１８に示した階層表示の設定メニューを介してアクセス可能なコントロール・パネルが開かれた状態を示す平面図である。
【図２６】スタート・メニュー用の「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図２７】図２０に示したプロパティ・シートにある「追加」ボタンを介してアクセス可能なダイアログを示す平面図である。
【図２８】スタート・メニューにアイテムを追加するためのブラウズ・ダイアログを示す平面図である。
【図２９】図２２に示したブラウズ・ダイアログをスタート・メニューに追加するアイテムの選択に使用する場合を示す平面図である。
【図３０】スタート・メニューにアイテムを追加するための一連のダイアログにおける別のダイアログを示す平面図である。
【図３１】スタート・メニューからアイテムを除去するためのダイアログを示す平面図である。
【図３２】スタート・メニューの高度な操作を実行するためのオープン・エクスプローラ・ウィンドウを示す平面図である。
【図３３】アイテムをスタート・メニューに追加すべく構成されたスタート・メニューを一例で示す平面図である。
【図３４】タスクバーがビデオ・ディスプレイの右端にアンカーされている場合のスタート・メニューの階層表示を示す平面図である。
【図３５】タスクバー上のクロックに対して生成可能なコンテキスト・メニューを示す平面図である。
【図３６】「日付および時間」プロパティ・シートを一例で示す平面図である。
【図３７】タスクバー上のクロック用の「時間帯」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図３８】ワードプロセッサ・アプリケーションによりタスクバーが隠蔽されない方法を示す平面図である。
【図３９】タスクバー・ボタンにオブジェクトをドラッグするために実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
【産業上の利用分野】
本発明は、データ・プロセッシング・システムに関し、特に、データ・プロセッシング・システムにおけるスタート・ウィンドウを備えるタスクバーの使用に関する。
【０００２】
【従来の技術】
米国ワシントン州レッドモンドを居所とするＭｉｃｒｏｓｏｆｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（マイクロソフト・コーポレーション）から発売されている「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ３．１オペレーティング・システムは、ウィンドウ・ベースのグラフィカル・ユーザ・インターフェースをユーザに提供する。このオペレーティング・システムにより提供される環境においては、アプリケーション・プログラムが、ユーザがアプリケーションを使用するために非最小化フォームで「可視」とすることができる関連ウィンドウを備える。一般に、１つのアプリケーションは、１つの関連アイコンを有する。ユーザは、アプリケーションに対応するアイコンにマウスのカーソルを重ね、マウス・ボタンをダブル・クリックすることによって当該アプリケーションを非最小化フォームで可視にすることができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、残念なことに、すべてのユーザがこのダブル・クリックを得手としているわけではない。たとえば、システムがダブル・クリックとして認識できるスピードでマウス・ボタンを２回クリックできないユーザがいる。また、ユーザがダブル・クリックの間にマウスを不用意に動かしたために、その動作がシステムに適正に伝わらないこともある。
これとは別に、「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ３．１オペレーティング・システムのグラフィカル・ユーザ・インターフェースにおいて見られる困難性に、可視の非最小化ウィンドウおよび最小化ウィンドウ（つまりアイコン）が、他の非最小化ウィンドウもしくはアイコンによって隠蔽されてしまうことがある。この結果、不慣れなユーザには、いずれのアプリケーションが現在アクティブになっているかが分かりにくいことが少なくない。さらに、多くの初心者は、あるウィンドウが他を隠蔽していることに困惑する。これらのユーザは、隠蔽されているウィンドウに何が起こっているかわからない。 また、多くの初心者は、この環境によって提供される階層に当惑している。この階層のトップは、使用可能な各プログラム・グループ用のアイコンを表示するプログラム・マネージャである。当該階層における次のレベルは、プログラム・グループによって形成されている。ユーザは、プログラム・グループ内のプログラムにアクセスする場合、通常、当該プログラム・グループに関連づけられているウィンドウを開く。プログラム・グループのウィンドウには、当該プログラム・グループ内で使用可能な各アプリケーションに対応するアイコンが表示される。この後ユーザは、ファイル・メニューを介して、あるいはプログラム・アイコンをダブル・クリックすることにより、そのうちのいずれかのプログラムを開くことになる。ところで、この階層を横切ることは、多くのユーザにとって極めて困難であり、大抵は適正に通過する方法がわからなくなり、階層の中で迷ってしまう。
【０００４】
この従来のアプローチに伴う他の複雑化の要因は、いかにして、あるいは、どこでヘルプ情報を得るべきか、ユーザにわからないことである。さらに、ドキュメントを開いたりプログラムを切り替える際にもユーザには困難が強いられている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、入力デバイス及びビデオ・ディスプレイを備えたコンピュータ・システムにおいて、ユーザ・インターフェース・エレメントをビデオ・ディスプレイ上に表示させ、該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が不可能なモードにおかれ、該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ユーザに対して現在アクティブ・ウィンドウを有するアプリケーションを示すべく、このコンピュータ・システム内でアクティブ・ウィンドウを有するアプリケーション用のサブエレメントを有し、ユーザによる該入力デバイスの使用に応じた、前記アプリケーションから選択した選択アプリケーション用の該サブエレメントの操作によって、該選択アプリケーションに、該選択アプリケーションの非最小化ウィンドウの表示を要求し、前記ユーザ・インターフェース・エレメントのモードを、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が可能な第２のモードに変更するステップを含むことを特徴とする。
【０００６】
本発明の方法は、ユーザ入力を受け取るためのマウスおよび、ビデオ出力を表示するためのビデオ・ディスプレイを備えるコンピュータ・システムにおいて、該ビデオ・ディスプレイ上にオブジェクトを表示するステップと、該ビデオ・ディスプレイ上に、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示を有するタスクバー・ユーザ・インターフェース・エレメントを表示するステップと、ユーザによる該マウスの使用に応じて該オブジェクトを該視覚的表示のうちの選択した選択視覚的表示に重なるべくドラッグし、ゼロでないしきい時間にわたり該選択視覚的表示に重なる位置を維持するステップおよび、該しきい時間にわたる該オブジェクトの該選択視覚的表示に重なる位置決めに応答して、該選択視覚的表示のアプリケーション用のウィンドウを開くステップを含むことを特徴とする。
【０００７】
本発明の方法は、入力デバイス、ビデオ・ディスプレイ、及び、該ビデオ・ディスプレイ上に表示され且つ該入力デバイスに応じて位置決めされるカーソルを備えるコンピュータ・システムにおいて、該ビデオ・ディスプレイ上に非最小化状態で表示されているアプリケーション・プログラム用のウィンドウがないとき、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示であって、関連づけられたアプリケーションを同定するため、および、該関連づけられたアプリケーションのウィンドウを可視の非最小化状態に置くための視覚的表示を備えるユーザ・インターフェース・エレメントを、該ビデオ・ディスプレイ上に表示するステップおよび、いずれかのアプリケーションのウィンドウが可視の非最小化状態になると、該ビデオ・ディスプレイ上の該ユーザ・インターフェース・エレメントを隠すステップを含むことを特徴とする。
【００１０】
【実施例】
本発明の好ましい実施例は、従来のシステムで問題となっていた困難性の多くを克服するタスクバーおよびスタート・メニューを提供する。このタスクバーは、終始可視となるユーザ・インターフェース・エレメントであり、ユーザに対して現在いずれのタスクがアクティブになっているかを知らせる。タスクバーは、ユーザがタスクバーの隠蔽を選択しない限り、開いているウィンドウによって隠蔽されることがないように構成されている。またタスクバーは、現在のアクティブ・タスク・ウィンドウを表示するためのポイントとしても機能する。タスクバーは、各アクティブ・タスクに対応するボタンを備える。タスク・ウィンドウを表示する場合、ユーザは、当該タスクに与えられているタスクバー・ボタンをシングル・クリックするだけでよい。これらのボタンは、タスクの切り替えに使用することもできる。タスクバーは、ユーザ・インターフェース上の固定位置にアンカーされた状態になっている。しかしながら、ユーザは、この固定アンカー位置を変更することができる。さらにタスクバーには、スタート・メニュー・ボタンが備わり、これは、ユーザ・インターフェースを介してプログラムにアクセスするための集中ロケーションとして働く。スタート・メニューは、ユーザによる所望のプログラム、ドキュメントもしくはシステムコントロールに対する容易なアクセスを可能にするメニュー・アイテムを備える。このスタート・メニューは、詳細を後述するように、構成を変更することができるようになっている。
【００１１】
図１は、本発明の好ましい実施例を実行するのに適したコンピュータ・システムを示すブロック図である。このコンピュータ・システムは、マウス１４、キーボード１６およびビデオ・ディスプレイ１８を始めとするいくつかの周辺装置へのアクセスを有する中央処理装置（ＣＰＵ）１２を備える。マウス１４は、少なくとも左マウス・ボタンおよび右マウス・ボタンを備えるものとする。またＣＰＵ１２は、メモリ２０および２次メモリ２２へのアクセスも有している。メモリ２０は、アプリケーション２４およびオペレーティング・システム２６のコピーを保持する。本発明の好ましい実施例においては、タスクバーおよびスタート・メニューがオペレーティング・システム２６のシェルによって供給される。しかしながら、当業者であれば本発明がオペレーティング・システムにおける実施に限定されないことは容易に理解されよう。むしろ本発明は、ユーティリティないし他のシステム・リソースを介して実現される可能性もある。なお以下に述べる説明においては、このオペレーティング・システムを、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（マイクロソフト・コーポレーション）が提供する「ＭＩＣＲＯＳＯＦＴ」ウィンドウズ９５オペレーティング・システムとする。ただし、当業者においては、本発明を他のオペレーティング・システムによっても実施し得ることを理解されたい。
【００１２】
タスクバーは、オペレーティング・システム２６によりウィンドウとして実行される。ウィンドウは、ウィンドウ・クラスに基づき、オペレーティング・システム２６によって常に生成される。ウィンドウ・クラスは、当該ウィンドウに送られるメッセージを処理するウィンドウ・プロシージャを同定する。オペレーティング・システム２６は、アプリケーションによるウィンドウ・クラスの記録を可能にするＲｅｇｉｓｔｅｒＣｌａｓｓ（）関数をサポートしている。ウィンドウ・プロシージャは、ウィンドウに送られるメッセージの受け取りおよび処理を行う関数である。オペレーティング・システム２６は、メッセージ・ベースのオペレーティング・システムであり、そのオペレーションは、ウィンドウ間でのメッセージのパスにより達成される。
図２は、本発明の好ましい実施例のオペレーティング・システム２６によって提供されるグラフィカル・ユーザ・インターフェースを一例で示したものである。タスクバー２８は、ビデオ・ディスプレイ１８（図１）上のバーチャル・デスクトップ３０の下端に位置決めされている。図２に示した例においては、ユーザ・インターフェースの左端から右端までタスクバー２８が延びており、ビデオ・ディスプレイの下端にアンカーされている。またタスクバー２８は、全長にわたり均一な幅を有している。タスクバー２８は、スタート・メニューへアクセスするためのスタート・メニュー・ボタン３２を備える。このスタート・メニューについては、詳細を後述する。さらにタスクバー２８には、クロック３４およびタスクバー通知エリア３６が備わる。このクロック３４は、現在時刻を表示する。また、タスクバー通知エリア３６には、イベントの可視表示として機能するアイコン、すなわちステータス情報を伝えるアイコンが表示される。タスクバー通知エリアについては、本件特許出願人と共通の出願人により同時出願なされた「Ｓｙｓｔｅｍ Ｐｒｏｖｉｄｅｄ Ｖｉｓｕａｌ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ Ａｒｅａ（システム供給ビジュアル表示エリア）」と題したシリアル番号 の出願明細書に詳説されている。なお、スタート・メニュー・ボタン３２およびクロック３４は、タスクバー２８が所定の位置にアンカーされている限り、当該タスクバー内の固定位置に保持される。
【００１３】
タスクバー・ボタンおよびスタート・メニュー・ボタン３２は、本件特許出願人と共通の出願人により同時出願なされた「Ｓｙｓｔｅｍ Ｐｒｏｖｉｄｅｄ
Ｃｈｉｌｄ Ｗｉｎｄｏｗ Ｃｏｎｔｒｏｌｓ（システム供給チャイルド・ウィンドウ・コントロール）」と題したシリアル番号 の出願明細書に詳説されているようなタブ・コントロールとして実行される。コントロールは、ペアレント・ウィンドウ内に存在するチャイルド・ウィンドウであり、当該チャイルド・ウィンドウ内でユーザからの入力等のイベントが発生した場合に、通知メッセージをペアレント・ウィンドウに送る。具体的には、チャイルド・ウィンドウは、マウスならびにキーボードのメッセージを処理し、チャイルド・ウィンドウの状態に変化があったとき、ペアレント・ウィンドウに通知する。これにより、チャイルド・ウィンドウをペアレント・ウィンドウの入力デバイスの一種として動作させることが可能になる。
前述したようにタスクバー２８は、システム内における現在のアクティブ・タスクをすべて同定するための集中ロケーションとして機能する。図３は、ワードプロセッサ・プログラムおよび電子メール・プログラムがアクティブになっている場合のタスクバー２８の外観の一例である。タスクバー２８は、図３に示したボタン３８およびボタン４０のようなタスクバー・ボタンの表示によって、アクティブとなっているタスクを示す。ボタン３８ならびに４０の境界は、３次元的な効果をもたらすとともに、タスクのウィンドウが開いていないことが示されるように、１段高くなった状態に描かれている。ユーザは、マウス１４もしくは他の適当な入力デバイスを使用してマウスのカーソル４１でタスクバー・ボタンをポイントすることによりタスクバー２８からアクティブ・タスク・ウィンドウを表示し、その後、左マウス・ボタンをシングル・クリックして当該タスクに関連づけられているウィンドウを開き、可視の非最小化状態でその表示を行う。たとえば、ワードプロセッサ・プログラムのみがアクティブになっており、ユーザが当該ワードプロセッサ・プログラム用のボタン３８にマウスのカーソル４１を重ねて左マウス・ボタンをシングル・クリックした場合、図４に示すように、当該ワードプロセッサ・プログラム用のウィンドウ４２が開かれる。さらに、ワードプロセッサ・プログラム用のタスクバー・ボタン３８は、そのボタンが押し込まれたようにリドローされる。この結果、ユーザは、当該タスクに関連づけられているウィンドウが現在アクティブであることを示す視覚的な手掛かりを得ることができる。
【００１４】
プログラミングの見地からは、タスクバー上にボタンを有するタスクに対応するウィンドウの表示において、以下に示すステップが実行される。まず、マウスのカーソルがタスクバー・ボタンをポイントすべく位置決めされると、チャイルド・ウィンドウ・コントロールとしてタスクバー・ボタンがマウス・メッセージを受け取る。続いて、タスクバー・ボタンは、左マウス・ボタンがクリックされたことを示すマウス・メッセージを受け取る。このマウス・メッセージは、タスクバー２８のマネージと表示を担当するペアレント・タスクバーの処理に送られる。タスクバー２８は、当該マウス・メッセージを受け取ると、それに応答して図４に示したようなワードプロセッサ・ウィンドウを開くための判断を行う。さらに、ボタンが押し込まれた状態が示されるように、チャイルド・ウィンドウ・コントロールの外観を変更する。
タスクバー・ボタンのサイズは、タスクバー２８上で使用可能なスペースに応じて変化する。図３では、タスクバー・ボタン３８および４０が最大許容サイズで示されている。しかしながら、さらに別のタスクがアクティブになった場合は、それらのタスク用のタスクバー・ボタンがタスクバー２８上に追加されなければならない。多くの場合、すべてのアクティブ・タスクを適切に表示するために、新規のサイズでのタスクバー・ボタンのリドローが必要になる。たとえば、図５に、前述のプログラムに加えて、スケジュール・プログラムおよび計算機プログラムがアクティブになった場合の例を示す。つまり、新規にアクティブとなったこれらのタスクに対応するタスクバー・ボタンもタスクバー２８上に表示されなければならない。そこで、すべてのアクティブ・タスクに対応するすべてのタスクバー・ボタンを適切に表示するために、すべてのタスクバー・ボタンのサイズが変更される。つまり、図５に示したタスクバー・ボタン３８、４０、４４および４６の幅は、図３に示したタスクバー・ボタン３８および４０の幅より狭いものとなる。
【００１５】
タスクバー・ボタンのリサイズが必要な場合の新規サイズを決定するために、タスクバーはタスクバー２８内のタスクバー・ボタン表示用の使用可能スペースを算出する。続いてタスクバーは、表示の必要なタスクバー・ボタンの数を判断し、使用可能スペースを表示すべきタスクバー・ボタンの数で除する。この後タスクバーは、この演算に基づいてタスクバー・ボタンの適切なサイズを決定する。ビデオ・ディスプレイ１８の下端にタスクバー２８がアンカーされてタスクバー・ボタンが表示されている場合、左揃えの態様でボタンが表示される。オペレーティング・システム２６は、チャイルド・ウィンドウ・コントロールとして各タスクバー・ボタンをリドローするメカニズムを提供する。基本的にタスクバー・ボタンのリドローは、タスクバー・ボタンに関連づけられている各ウィンドウのリサイズを伴う。
ユーザは、タスクバー２８の内側境界を移動してタスクバーのサイズを増減することができる。この場合の内側境界とは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースの残りの部分に面している境界のことである。図７に示した例においては、タスクバー２８の上側の境界が内側境界５４となる。図６に示したステップを実行することにより、ユーザは、タスクバーの境界を断続的に増加（つまり、図７に示す最低高によるステップ増加）してその位置を再設定することができる。最初にユーザは、カーソルを移動してタスクバーの内側境界をポイントする（ステップ４８）。これにより、従来型の矢印カーソル（図３に示したカーソル４１参照）が２重の矢印に変わり、タスクバーの内側境界を移動するポジションであることが示される。この後ユーザが、左マウス・ボタンを押し下げたままタスクバーが所望のサイズとなるまでドラッグし（ステップ５０）、左マウス・ボタンをリリースしてタスクバーの内側境界をドロップすると、タスクバーのリサイズが行なわれる（ステップ５２）。図７に示したように、このドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションの間は、境界のゴースト５６が表示されて、２重矢印カーソル５８の現在位置によって示される新規の内側境界の位置の表示が行なわれる。
【００１６】
前述したように内側境界は、２重矢印カーソル５８の現在位置に基づいて決定される断続的な位置にのみ移動させることができる。また内側境界を、タスクバーが多くともグラフィカル・ユーザ・インターフェースの半分を占める位置を超えて移動させることはできない。図８は、一例として、これまでの図面で示したタスクバーの高さの２倍となるように内側境界をドラッグした後のタスクバー２８を示したものである。タスクバー２８がウィンドウであることから、タスクバーのリサイズは、他のウィンドウのリサイズと同様に扱われる。タスクバー２８のマネージおよび表示を担当するオペレーティング・システム２６におけるタスクバー処理は、ドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションおよびタスクバー・ウィンドウのリサイズに係るマウス・メッセージを受け取る。
前述のようにタスクバーは、ビデオ・ディスプレイ１８の各端にアンカーすることができる。タスクバー２８を別の辺にアンカーするための移動を行う場合、ユーザは、図９に示すようなステップを実行する。具体的には、カーソルをタスクバー２８の位置にポイントさせる。続いて左マウス・ボタンを押し下げ、そのままタスクバーのアンカーを希望する辺までタスクバーをドラッグする（図９のステップ６２）。そこでタスクバーをドロップすれば、タスクバーがリドローされて適切なエッジにアンカーされる（ステップ６４）。システムは、スクリーンを論理的に４つの象限に分割している。各象限は、各辺に対応している。タスクバーは、ドロップの時点でマウス・カーソルのホット・スポットがある象限に対応する辺にアンカーされる。図１０は、図８に示したタスクバーをビデオ・ディスプレイ１８の右端にドラッグしたときの外観を示している。ここで、タスクバーがアンカーされている位置に応じてボタン３８、４０、４４および６６のリドローが行なわれ、位置が再設定される点に注意されたい。タスクバー・ボタンは、アンカーが行なわれる各辺に対して水平に延びるように表示される。スタート・メニュー・ボタン３４およびクロックならびにタスクバー通知エリアもまた、それに応じて位置の再設定が行なわれる。図１１は、タスクバー２８をビデオ・ディスプレイ１８の上端にドラッグしたときの外観の一例を、図１２は、タスクバー２８をビデオ・ディスプレイ１８の左端にドラッグしたときの外観の一例をそれぞれ示している。
【００１７】
ユーザがマウスのカーソルを移動させてタスクバー・ボタンの１つをポイントし、右マウスボタンを押し下げると、コンテキスト・メニューが表示される。図１３に一例として、マウスのカーソルでタスクバー・ボタン４４をポイントし、右マウスボタンを押し下げた場合に表示されるコンテキスト・メニュー６６を示す。ユーザは、このコンテキスト・メニュー６６によってコンテキストで区別されたオペレーション（当該タスクバー・ボタンに関連づけられたウィンドウ上で実行することができる）の選択が可能になる。たとえば、コンテキスト・メニュー６６には、タスクバー・ボタン４４に関連づけられたウィンドウを閉じるオプション「閉じる」が備わる。
タスクバー２８は、コンテキスト・メニュー６８（図１４）も備える。このタスクバー２８は、ユーザがマウスのカーソルでタスクバーをポイントし右マウスボタンを押し下げたときに表示される。コンテキスト・メニュー６８は、開いているウィンドウを階層表示する「階層」オプションを備えている。また、タスクバー用のコンテキスト・メニュー６８は、開いているウィンドウを水平にタイリングする「水平に並べる」オプションも備える。さらに、開いているウィンドウを垂直にタイリングする「垂直に並べる」オプションも備える。これらのオペレーションは、従来のテクニックを使用して実行される。「全ウィンドウの最小化」オプションは、現在開いているすべてのウィンドウを最小化し、タスクバー２８上のタスクバー・ボタンとして表示するオプションである。オペレーティング・システム２６は、ユーザが使用できる定義可能作業エリアという概念を包含している。ウィンドウは、作業エリア内に留まることのないように最小化される。つまり、最小化されたウィンドウは、ユーザから不可視となる。またタスクバーには最小化要求が知らされ、タスクバーは、対応するボタンが一段高く見えるように表示すべく各ウィンドウ用のタスクバー・ボタンをアップデートする。
【００１８】
コンテキスト・メニュー６８には、図１５に示すように、直前に選択したウィンドウのタイリング・オプションを取り消すための「タイリングの取消し」オプションを備えることもできる。たとえば、図１５に示した例においては、カレンダー・プログラム用のウィンドウ７０および計算機プログラム用のウィンドウ７２が開かれている。この例は、「垂直に並べる」オプションが選択された後の状態である。これらのウィンドウは、コンテキスト・メニュー６８にある「タイリングの取消し」オプションを選択することによって、垂直タイリングの要求を発する前の状態に表示し直すことができる。システムは、直前に選択されたウィンドウのタイリング・オプションを記録し、取消し要求があった後に記録しているタイリング・オプションを再実行することによって、このタイリングの取消しの効果を達成している。
タスクバーのコンテキスト・メニュー６８における最後のオプションは、「プロパティ」オプションであり、これによりタスクバー２８およびスタート・メニュー用のプロパティ・シートを表示させることができる。図１６に、タスクバーもしくはコンテキスト・メニュー６８から「プロパティ」オプションを選択した場合に現れる表示を示す。ここには、「タスクバーのプロパティ」というタイトルの付いたフレーム・ウィンドウ７４が表示されている。フレーム・ウィンドウ７４は、フレームのようにしてプロパティ・シートを保持するために使用されている。「タスクバー・オプション」用のプロパティ・シート７６は、「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート用のタブ７８とともにフレーム・ウィンドウ７４内に表示される。このウィンドウには、ユーザが行ったプロパティの変更を受け入れるＯＫボタン８４、ユーザが行ったプロパティの変更をキャンセルするキャンセル・ボタン８２および、フレーム・ウィンドウ７４を開いた状態で変更を直ちに適用するための適用ボタン８４が備わっている。
【００１９】
「タスクバー・オプション」プロパティ・シート７６は、プレビュー・エリア８６を備えており、ここにはチェック・ボックス８８、９０および９２の選択または非選択の効果が表示される。図１７は、ユーザ・インターフェース内でタスクバーを他の要素の前面に表示する「常に前へ」チェック・ボックス８８がチェックされた状態を一例で示している。プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６は、そこに表示されているタスクバー９４の一部がウィンドウ９６を隠蔽する姿勢となることを示している。この態様は、図１６に示した、タスクバーがウィンドウによって隠蔽されるプレビュー・エリア８６におけるタスクバーの態様に逆になっている。
図１８は、タスクバーをオート・ハイド・モードにする「自動で隠す」チェック・ボックス９０を選択した場合の一例を示している。プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６によって示されるように、オート・ハイド・モードにおいてはタスクバーの顕著な表示がなくなる。この場合、タスクバーの細長いバーだけが可視となる。このオート・ハイド・オプションによって、ユーザは、必要に応じてビデオ・ディスプレイ１８の使用可能スクリーン・スペースを広げることが可能である。
【００２０】
オート・ハイド・モードでは、タスクバーが隠される。タスクバー２８は、ユーザがデスクトップ上にウィンドウを開いたときに隠される。しかし、開いているウィンドウがなくなると、タスクバーが再び現れる。またユーザは、ウィンドウが開いていても、ビデオ・ディスプレイ上のタスクバーがアンカーされている辺をマウスのカーソルでポイントすることによってタスクバーを表示させることができる。この場合、ユーザがカーソルをこのエリアから外に出すとタスクバーは隠れる。プログラム的には、オート・ハイド・モードは、ウィンドウが開いている場所の監視および、バーを表示する時期ならびにタスクバーを表示する時期の決定により実行される。
図１９は、スタート・メニューにラージ・アイコンに代えてスモール・アイコンを表示させる「スタート・メニューにスモール・アイコンを表示」リスト・ボックス９２を選択した例を示している。システムは、２種類のアイコン、すなわちスモール・アイコンおよびラージ・アイコンを備えている。スモール・アイコンは、その呼称からもわかるように、寸法においてラージ・アイコンと異なり、それよりも小さいアイコンとなっている。チェック・ボックス９２をチェックすると、プロパティ・シート７６のプレビュー・エリア８６が、スタート・メニュー１００内にスモール・アイコンを表示する。
【００２１】
スタート・メニュー・ボタン３２は、スタート・メニューを開くための手段として機能する。スタート・メニューは、ユーザがプログラム、ドキュメント、システムのセッティング、ヘルプ情報等にアクセスするための中心的な場所として動作する。マウスのカーソルでスタート・メニュー・ボタン３２をポイントし、左マウス・ボタンをクリックすると、スタート・メニュー１０１（図２０）が表示される。スタート・メニュー１０１は、デフォルトで多数のメニュー・アイテムを備えている。ユーザは、「検索」メニュー・アイテム１０４を用いて、プログラム、ドキュメントもしくはその他のシステム内の構成要素を検索するための問い合わせダイアログを呼び出すことができる。また「ヘルプ」メニュー・アイテム１０６を用いれば、ユーザは、各種のトピックについての有用な情報が得られるメニュー・ダイアログを呼び出すことができる。つまり、ヘルプもしくは検索が必要な場合、ユーザは、スタート・メニュー１２にアクセスし、これらのメニュー・アイテムの１つを選択するだけでよい。
「設定」メニュー・アイテム１０８では、ユーザによるシステム・セッティングの調整が可能になる。「ドキュメント」メニュー１１０においては、最大１５までの最近使用したドキュメントへのアクセスが可能になる。図２１は、「ドキュメント」メニュー・アイテムの選択により、階層表示のメニュー１０３が３つのドキュメントを表示している例である。システム１６は、最近使用した１５のドキュメントおよびそれらのアイコンのキャッシュを保持している。このリストのドキュメント用のメニュー・アイテムは、「ドキュメント」メニュー・アイテム１１０が選択されたとき表示される。
【００２２】
「プログラム」メニュー・アイテム１１２では、スタート・メニュー１０１から階層表示されたプログラム・メニュー１０５（図２２）へのアクセスが可能になる。プログラム・メニュー１０５は、ユーザの選択肢を与えるプログラムおよびプログラム・グループを表示する。ユーザは、「実行」メニュー・アイテム１１４によりプログラムを選択して実行することができる。最後に、「終了」メニュー・アイテム１１６は、終了ダイアログを表示し、ユーザはこれによりシステムを終了することができる。メニュー・アイテム１０４、１０８、１１０および１１２に対応して表示されている矢印１１８は、これらのメニュー・アイテムが階層メニューを備えていることを示しており、マウスのカーソルでこれらのメニュー・アイテムをポイントするとメニューが階層表示される。
図２３は、スタート・メニュー１０１内の「設定」メニュー・アイテム１０８に関するメニュー１２０の階層表示の例を示している。スタート・メニュー１０１内のメニュー・アイテムの１つをマウスのカーソルでポイントすると、そのアイテムはハイライト表示される。図２３においては、「設定」メニュー・アイテム１０８がハイライト表示され、それに対応するメニュー１２０の階層表示により使用可能な設定オプションがユーザに示される。コントロール・パネル・ウィンドウを開くためのオプション１２２もこの設定オプションの中にある。これらのオプションは、マウスのカーソルでポイントすることによりハイライト表示される。図２４に示した例においては、コントロール・パネル・オプション１２２がハイライト表示で示されている。この状態、すなわちコントロール・パネル・オプション１２２をマウスのカーソルでポイントしている状態でユーザが左マウスボタンをシングル・クリックすると、（図２５に示したように）コントロール・パネル・ウィンドウ１２４が開かれる。
【００２３】
スタート・メニュー１０１内に現れる上述のメニュー・アイテムは、デフォルトで表示されるものである。ユーザは、アイテムの追加または削除により、スタート・メニューを変更することができる。ただし特定のアイテムについては、システムでプロテクトを設定し、ユーザによるスタート・メニュー１０１からのそれらのアイテムの削除を不可能にしている。ユーザは、スタート・メニューの構成を変更する場合、タスクバー・コンテキスト・メニュー６８を介して「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シートを呼び出す。「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート１２８は、すでにタスクバー用のプロパティ・シートに関して説明したフレーム・ウィンドウ７４の中に表示される。「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シート１２８は、スタート・メニューにアイテムを追加するための「追加」ボタン１３０を備えている。またここには、スタート・メニューからアイテムを削除するための「削除」ボタン１３２および、スタート・メニューの高度なカスタムかを実行するための「詳細」ボタン１３４も備わる。
ユーザによる「追加」ボタン１３０の押し下げがあると、図２７に示したように、スタート・メニューにアイテムを追加するためのシーケンスの一部であるダイアログ１３８が表示される。ダイアログ１３８は、追加すべきアイテムの名称を入力するための編集ボックス１４０を備えている。ここへの入力に代えて、ブラウズ・ボタン１４２をアクティブにすれば、ユーザによる追加すべきアイテムのブラウズを可能にする追加のダイアログが呼び出される。さらにダイアログ１３８には、当該シーケンス内の次のダイアログに進むための「次へ」ボタン１４６および、当該シーケンス内の直前のダイアログに戻るための「戻る」ボタン１４４が備わる。最後に、スタート・メニューへのアイテムの追加をキャンセルするための「キャンセル」ボタン１４８が備えられている。
【００２４】
ユーザがブラウズ・ボタン１４２（図２７）をクリックすると、ブラウズ・ダイアログ１５０（図２８）が表示される。ブラウズ・ダイアログ１５０は、スタート・メニュー１０１に追加することができるフォルダおよびアイテムを表示するウィンドウ１５４を備えている。ユーザは、ウィンドウ１５４から表示されているアイテムの１つを選択しても、また編集ボックス１５２内にファイル名を入力してもよい。その後、「開く」ボタン１５６をクリックすれば、選択アイテムをスタート・メニュー１０１に追加する旨を要求することができる。また、キャンセル・ボタン１５８をクリックすれば、ブラウズ・ダイアログ１５０がキャンセルされる。ブラウズ・ダイアログ１５０には、ドロップ・ダウン・リスト・ボックス１６０が備わり、これにより、スタート・メニューにアイテムを追加するために参照する場所に関するオプションがユーザに与えられる。これとは別に、ドロップ・ダウン・リスト・ボックス１６２は、ユーザによるウィンドウ１５４に表示すべきファイルの種類の選択のために備えられている。図２９に、ユーザがスタート・メニューにアイテムを追加するために、「Ｗｉｎｄｏｗｓ」というフォルダを開き、「Ｃａｌｃ」というプログラムを選択した場合の例を示す。具体的には、ユーザが「Ｃａｌｃ」に関係づけられているアイコンをクリックしたことを示す。この結果、このファイルの名称が編集ボックス１５２に現れる。
【００２５】
ユーザがブラウズ・ダイアログ１５０内の「開く」ボタン１５６をクリックすると、「プログラム・グループの選択」ダイアログ１６０が表示される。このダイアログは、スタート・メニュー１０１からアクセス可能な階層表示のメニュー内の、アイテムを追加すべきプログラム・グループを選択するために使用する。図３０に示した例においては、スクロール・ボックス１６８内に表示されたスタート・メニュー用のエントリにマウスのカーソルをポイントし、左マウス・ボタンをクリックすることによって、スタート・メニュー１０１をプログラム・グループとして選択した状態が示されている。この場合ユーザは、「新しいフォルダ」ボタン１６６をクリックして、階層表示のスタート・メニューに追加する新規のフォルダを定義してもよい。ユーザが「次へ」ボタン１４６をクリックすれば、選択アイテムがスタート・メニュー１０１に追加される。
図２６において、ユーザが「削除」ボタン１３０を選択した場合は、「ショートカット／フォルダの削除」ダイアログ１７０（図３１）が表示される。このダイアログ１７０は、現在スタート・メニュー１０１からアクセスすることができるアイテムのツリー表示１７２を表示する。スタート・メニューからアイテムを削除する場合は、ツリー階層表示１７２からアイテムを選択し、「削除」ボタン１７４をクリックすればよい。選択しているアイテムは、そのラベルがハイライト表示される。図３１に示した例においては、「Ｃａｌｃ」プログラムが選択されている。ダイアログ１７０を終了する場合は、「閉じる」ボタン１７６を選択すればよい。
【００２６】
「詳細」ボタン１３４（図２６）を選択した場合は、スタート・メニューを詳細に調べるためのウィンドウ１８０（図３２）が表示される。このエクスプローラ・ウィンドウ１８０に現れるアイテムは、ＯＬＥおよびウィンドウズのドラッグ・アンド・ドロップ・オペレーションをサポートしていることから、これらのアイテムのドラッグ・アンド・ドロップによりスタート・メニューを操作することができる。
ユーザは、フレーム・ウィンドウ７４（図２６）のプロパティ・シートの編集が完了したら、その変更を受け入れる場合は「ＯＫ」ボタン８０を、キャンセルする場合は「キャンセル」ボタン８２をクリックする。ここで、上記の例においてユーザがプロパティ・シートへの変更を通してスタート・メニューへの「Ｃａｌｃ」プログラムの追加を決定したものとする。これによりスタート・メニュー１０１は、図３３に示すような態様となり、「Ｃａｌｃ」プログラム用のメニュー・アイテム１８２が追加される。この後は、「Ｃａｌｃ」プログラムにアクセスする場合、階層表示のメニューを縦横することなく、初期スタート・メニュー１０１から直接行うことができるようになる。
【００２７】
上記の例は、全体として、タスクバー２８がユーザ・インターフェースの下端に位置決めされている場合について述べてきた。しかしながら、タスクバー２８がアンカーされている位置に応じて、スタート・メニュー１０１も異なった位置に階層表示される点に注意されたい。図３４に、タスクバー２８がユーザ・インターフェースの右端にアンカーされている場合のスタート・メニュー１０１の例を示す。スタート・メニュー１０１は、オペレーティング・システム２６のタスクバー処理のコントロール下にある。つまり、スタート・メニューをどこに表示するかということは、タスクバーが判定する。したがって、スタート・メニューを表示する位置は、タスクバー２８を移動し、別の位置にアンカーすると変更される。なお、一般に、スタート・メニュー１０１の表示は、タスクバー２８の内側となる。
タスクバー２８にあるクロック３４は、関連づけられたプロパティ・シートを有する。これらのプロパティ・シートへのアクセスは、クロック３４のダブル・クリックもしくはコンテキスト・メニュー１８８（図３５）の呼び出しによって得られる。コンテキスト・メニュー１８８は、ユーザがマウスのカーソルでクロック３４をポイントし、右マウス・ボタンを押し下げると表示される。このコンテキスト・メニュー１８８には、「日付／時刻の調整」メニュー・アイテム１９０が備わる。クロック３４用のプロパティ・シートには、「日付および時刻」プロパティ・シート１９０（図３６）および、「時間帯」プロパティ・シート１９２（図３７）がある。ユーザは、これらのプロパティ・シートにより、現在の年、月、日、時、分、秒および時間帯を選択することができる。
【００２８】
前述したように、タスクバー２８は、開いているウィンドウによって安易に隠蔽されることなく、一貫して可視となるようにデザインされている。図３８は、ワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウが最大表示されている場合を示すが、この場合にもタスクバー２８が、最大表示のワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウ２００により隠蔽されることはない。これは、アプリケーションが使用できる作業エリアからタスクバーの領域を除くことにより達成される。なお、タスクバーがワード・プロセッサ・プログラム用のウィンドウを覆うこともなく、これらの境界は、単に接するだけである。 タスクバーに関して惹起される１つの複雑性は、ユーザが現在最小化されているアクティブ・ウィンドウにあるオブジェクトをドラッグする場合に係る。本発明の好ましい実施例においては、ユーザがアプリケーションに関連づけられているタスクバー・ボタンにオブジェクトをドラッグすることができる。具体的には、図３９に示すように、まずマウス１４を使用してオブジェクトをドラッグし、いずれかのタスクバー・ボタンに重ねる（図３９、ステップ２０２）。この状態、すなわちマウス・ボタンを押し下げ、当該オブジェクトをタスクバー・ボタンに重ねた状態を、所定時間継続する（ステップ２０４）。この状態で所定時間が経過すると、当該タスクバー・ボタンに関連づけられているアプリケーション・ウィンドウが非最小化状態で可視となり（ステップ２０６）、ユーザは、このアプリケーション・ウィンドウ内に当該オブジェクトをドロップすることができる（ステップ２０８）。
【００２９】
以上は、好ましい実施例を参照した本発明についての説明である。当業者であれば、本件特許請求の範囲から逸脱することなく、実施態様や詳細における変形が可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好ましい実施例を実行するのに適したコンピュータ・システムを示すブロック図である。
【図２】本発明の好ましい実施例のタスクバーを採用したユーザ・インターフェースを一例で示す平面図である。
【図３】２つのアプリケーションが開かれ、それらのウィンドウが最小化されている場合の、図２に示したタスクバーの外観を示す平面図である。
【図４】プログラムがタスクバー上のタスクバー・ボタンから完全にユーザの管理下となる態様を一例で示す平面図である。
【図５】タスクバー上の使用可能スペースに基づいてタスクバー・ボタンが自動的にリサイズされる態様を一例で示す平面図である。
【図６】タスクバーをリサイズするとき実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
【図７】タスクバーのリサイズが行なわれる場合のタスクバーの外観を一例で示す平面図である。
【図８】図７に示したタスクバーとは異なるサイズのタスクバーの外観を一例で示す平面図である。
【図９】タスクバーをビデオ・ディスプレイの新しいコーナーに再アンカーするとき実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
【図１０】ビデオ・ディスプレイの右端にアンカーされたタスクバーを示す平面図である。
【図１１】ビデオ・ディスプレイの上端にアンカーされたタスクバーの外観を示す平面図である。
【図１２】ビデオ・ディスプレイの左端にアンカーされたタスクバーの外観を示す平面図である。
【図１３】タスクバー・ボタン用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１４】タスクバー用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１５】ウィンドウのタイリング・オプションが選択されたときのタスクバー用のコンテキスト・メニューを一例で示す平面図である。
【図１６】タスクバー用の「タスクバー・オプション」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図１７】図１４に示したプロパティ・シートにある「常に前へ」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図１８】図１４に示したプロパティ・シートにある「自動で隠す」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図１９】図１４に示したプロパティ・シートにある「スタート・メニューにスモール・アイコンを表示」チェック・ボックスを選択した場合の効果を説明するための平面図である。
【図２０】本発明の好ましい実施例によるスタート・メニューを一例で示す平面図である。
【図２１】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示のドキュメント・メニューを一例で示す平面図である。
【図２２】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示のプログラム・メニューを一例で示す平面図である。
【図２３】スタート・メニューを介してアクセス可能な階層表示の設定メニューを一例で示す平面図である。
【図２４】図１７に示した階層表示の設定メニューにおいて「コントロール・パネル」オプションが選択された場合を示す平面図である。
【図２５】図１８に示した階層表示の設定メニューを介してアクセス可能なコントロール・パネルが開かれた状態を示す平面図である。
【図２６】スタート・メニュー用の「スタート・メニュー・プログラム」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図２７】図２０に示したプロパティ・シートにある「追加」ボタンを介してアクセス可能なダイアログを示す平面図である。
【図２８】スタート・メニューにアイテムを追加するためのブラウズ・ダイアログを示す平面図である。
【図２９】図２２に示したブラウズ・ダイアログをスタート・メニューに追加するアイテムの選択に使用する場合を示す平面図である。
【図３０】スタート・メニューにアイテムを追加するための一連のダイアログにおける別のダイアログを示す平面図である。
【図３１】スタート・メニューからアイテムを除去するためのダイアログを示す平面図である。
【図３２】スタート・メニューの高度な操作を実行するためのオープン・エクスプローラ・ウィンドウを示す平面図である。
【図３３】アイテムをスタート・メニューに追加すべく構成されたスタート・メニューを一例で示す平面図である。
【図３４】タスクバーがビデオ・ディスプレイの右端にアンカーされている場合のスタート・メニューの階層表示を示す平面図である。
【図３５】タスクバー上のクロックに対して生成可能なコンテキスト・メニューを示す平面図である。
【図３６】「日付および時間」プロパティ・シートを一例で示す平面図である。
【図３７】タスクバー上のクロック用の「時間帯」プロパティ・シートを示す平面図である。
【図３８】ワードプロセッサ・アプリケーションによりタスクバーが隠蔽されない方法を示す平面図である。
【図３９】タスクバー・ボタンにオブジェクトをドラッグするために実行されるステップを説明するためのフローチャートである。
Claims (8)
- 入力デバイス及びビデオ・ディスプレイを備えたコンピュータ・システムにおいて、
ユーザ・インターフェース・エレメントをビデオ・ディスプレイ上に表示させ、
該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が不可能なモードにおかれ、該ユーザ・インターフェース・エレメントは、ユーザに対して現在アクティブ・ウィンドウを有するアプリケーションを示すべく、このコンピュータ・システム内でアクティブ・ウィンドウを有するアプリケーション用のサブエレメントを有し、
ユーザによる該入力デバイスの使用に応じた、前記アプリケーションから選択した選択アプリケーション用の該サブエレメントの操作によって、該選択アプリケーションに、該選択アプリケーションの非最小化ウィンドウの表示を要求し、
前記ユーザ・インターフェース・エレメントのモードを、ウィンドウによる該ユーザ・インターフェース・エレメントの隠蔽が可能な第２のモードに変更するステップを含むものとする方法。 - ユーザ入力を受け取るためのマウスおよび、ビデオ出力を表示するためのビデオ・ディスプレイを備えるコンピュータ・システムにおいて、
該ビデオ・ディスプレイ上にオブジェクトを表示するステップ
該ビデオ・ディスプレイ上に、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示を有するタスクバー・ユーザ・インターフェース・エレメントを表示するステップ
ユーザによる該マウスの使用に応じて該オブジェクトを該視覚的表示のうちの選択した選択視覚的表示に重なるべくドラッグし、ゼロでないしきい時間にわたり該選択視覚的表示に重なる位置を維持するステップおよび、
該しきい時間にわたる該オブジェクトの該選択視覚的表示に重なる位置決めに応答して、該選択視覚的表示のアプリケーション用のウィンドウを開くステップ
からなる方法。 - さらに、ユーザによる前記マウスの使用に応じて、前記オブジェクトを前記選択視覚的表示のアプリケーション用のウィンドウ内にドロップするステップを含むものとする、請求項２記載の方法。
- 入力デバイス、ビデオ・ディスプレイ、及び、該ビデオ・ディスプレイ上に表示され且つ該入力デバイスに応じて位置決めされるカーソルを備えるコンピュータ・システムにおいて、
該ビデオ・ディスプレイ上に非最小化状態で表示されているアプリケーション・プログラム用のウィンドウがないとき、アクティブ・ウィンドウを有する各アプリケーション用の視覚的表示であって、関連づけられたアプリケーションを同定するため、および、該関連づけられたアプリケーションのウィンドウを可視の非最小化状態に置くための視覚的表示を備えるユーザ・インターフェース・エレメントを、該ビデオ・ディスプレイ上に表示するステップおよび、
いずれかのアプリケーションのウィンドウが可視の非最小化状態になると、該ビデオ・ディスプレイ上の該ユーザ・インターフェース・エレメントを隠すステップ
からなる方法。 - さらに、ウィンドウを最小化するために、ユーザによる前記入力デバイスの使用に応答して、前記ユーザ・インターフェース・エレメントを隠さないステップを含むものとする、請求項４記載の方法。
- 前記ビデオ・ディスプレイ上のあらかじめ定義のあるエリアに位置決めされたカーソルに応じて、前記ユーザ・インターフェース・エレメントを隠さないステップをさらに有する、請求項４記載の方法。
- さらに、前記カーソルが前記ビデオ・ディスプレイ上のあらかじめ定義のあるエリア外となると、前記ユーザ・インターフェース・エレメントを再度隠すステ ップを含むものとする、請求項６記載の方法。
- ユーザ・インターフェース・エレメントをビデオ・ディスプレイの別の位置に固定するために、ユーザによる入力デバイスを使用に応じて、ユーザ・インターフェース・エレメントを移動させるための手段を提供し、
ユーザ・インターフェース・エレメントをビデオ・ディスプレイの新しい位置に固定するためにユーザ・インターフェース・エレメントを移動させるための手段を使用する、
ステップをさらに有し、
ユーザ・インターフェース・エレメントが、各アプリケーションのアクティブ・ウィンドウを表示させることができるビデオ・ディスプレイの領域を占有することを特徴とする、請求項４記載の方法。
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