JP3958158B2 - 燃焼器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンなどに備えられる燃焼器に関するもので、特に、燃料を拡散して燃焼させるパイロットノズルと燃料と空気とを混合して燃焼させるメインノズルとを備えた燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気汚染を低減させるために、ガスタービンを利用した発電施設において、その排気ガス中に含まれるNOxの低減が求められている。ガスタービンにおけるNOxは、ガスタービンを回転させるために燃焼動作を行う燃焼器において発生する。そのため、従来より、燃焼器で発生するNOxの低減を図るために、燃料と空気とを混合して燃焼(予混燃焼)させるメインノズルを備えた燃焼器が用いられている。
【0003】
このメインノズルによる予混燃焼を行うことによって、燃焼器からのNOx排出量を低減させることができるが、その燃焼状態は不安定であり、燃焼振動が発生する。そのため、この燃焼振動を抑制して安定な燃焼状態とするために、燃料を拡散して燃焼(拡散燃焼)させるパイロットノズルを更に備えた燃焼器が用いられている。このようにパイロットノズル及びメインノズルが備えられた燃焼器の概略構成図を、図11に示す。
【0004】
図11に示すように、燃焼器本体1内には、その中央にパイロットノズル2が挿入されるとともに、メインノズル3がパイロットノズル2の周囲に配置されるように挿入される。そして、パイロットノズル2の先端部分を覆うようにパイロットコーン4が設けられ、又、メインノズル3の先端部分を覆うようにメインバーナ5が設けられる。又、パイロットノズル2の先端部分周囲にパイロットスワラ6が設けられるとともに、メインノズル3の先端部分周囲にメインスワラ7が設けられ、パイロットノズル2及びメインノズル3が支持される。
【0005】
このように構成される燃焼器において、パイロットノズル2の先端部分周辺が、図12のように構成される。パイロットノズル2の先端の外周に、複数の燃料噴射口21が設けられ、燃料を拡散噴射する(このパイロットノズル2より噴射される燃料を「パイロット燃料」とする)。又、燃焼器本体1を通じてパイロットノズル2周囲に供給される空気(パイロット空気)は、パイロットスワラ6を通過した後、パイロットコーン4の内壁を沿って流れる。よって、パイロットノズル2によって、拡散噴射されたパイロット燃料が燃焼し拡散火炎(Z)が形成され、さらに、パイロット燃料の一部が燃焼するとともに、パイロット拡散火炎からの高温燃焼ガスが入り込みメイン予混合火炎の保炎点となる保炎用低速域Xが形成され、燃焼が維持される。
【0006】
又、メインノズル3より噴射される燃料(メイン燃料)が、メインスワラ7を通過した空気(メイン空気)とともに、メインバーナ5に流入されると、メインバーナ5内で混合されて、メインバーナ5より混合されたメイン燃料及びメイン空気が流出する。このように、メイン空気とメイン燃料が混合された予混合気がメインバーナ5より流出されると、保炎用低速域Xにおける燃焼に基づいて、メインバーナ5の下流側先端(尚、「下流」とは、燃料及び空気の流れに対して下流であることを意味する)より燃焼器本体1の内壁に向かって燃焼される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにパイロットノズル2及びメインノズル3を備えた燃焼器において、その燃焼状態を安定に保つには、パイロットノズル2の拡散燃焼による保炎効果が必要である。しかしながら、パイロットノズル2で燃焼させると、NOxの発生率が大きいため、NOxを低減させるにはパイロットノズル2での燃焼を抑える必要がある。
【0008】
そこで、燃焼器に供給される全燃料に対するパイロットノズルに供給される燃料の比(パイロット比)を低くして、燃焼器によるNOxの排出量を低減させているが、上述したように、パイロット比を低くした場合、パイロットノズル2による保炎効果が得られなくなる。そのため、燃焼振動が発生して燃焼状態が不安定なものとなるため、ガスタービンにおけるエネルギー効率が悪くなる。
【0009】
このような問題を鑑みて、本発明は、パイロット比を低くするとともに燃焼振動を抑制した燃焼器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うとともにその先端部分に下流側に向かって放射状のテーパ形状となるコーン内周テーパ部を備えたパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットノズル先端外周に備えられて燃料を噴射する第1燃料噴射口より噴射される燃料が、前記コーン内周テーパ部の長さの半分となる位置から下流側先端までの前記コーン内周テーパ部の内壁面に衝突することを特徴とする。
【0011】
このようにすることで、第1燃料噴射口より噴射される燃料がパイロットコーンのコーン内周テーパ部に衝突する。そして、この衝突位置を、コーン内周テーパ部の長さをAとしたとき、コーン内周テーパ部の下流側先端からa(≦A/2)の範囲とすることによって、コーン内周テーパ部の下流側先端付近で燃料噴流を衝突させることができる。よって、パイロットコーンの下流側先端周辺にできる保炎用低速域を保炎に必要な高温状態に保つことができ、その保炎性を向上することができる。
【0012】
このとき、前記パイロットコーンの開き角をθとしたとき、前記パイロットノズル先端外周に備えられて燃料を噴射する前記第1燃料噴射口より噴射される燃料の噴射角αを、−90°≦α<−θ/2、θ/2<α≦90°を満たすように設定する。
【0013】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うとともにその先端部分に下流側に向かって放射状のテーパ形状となるコーン内周テーパ部を備えたパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットコーンの開き角をθとしたとき、前記パイロットノズル先端外周に備えられる第1燃料噴射管の第1燃料噴射口より噴射される燃料の噴射角をθ/2とし、前記コーン内周テーパ部の傾きと平行に前記燃料が噴射されることを特徴とする。
【0014】
このようにすることで、第1燃料噴射口より噴射される燃料がパイロットコーンのコーン内周テーパ部に平行に噴射される。そのため、第1燃料噴射口より噴射される燃料による燃料噴流がパイロットコーンと衝突することがない。よって、パイロットコーンの下流側先端周辺にできる保炎用低速域を保炎に必要な高温状態に保つことができ、その保炎性を向上することができる。
【0015】
このとき、前記パイロットノズルより噴射される燃料による燃料噴流と前記コーン内周テーパ部のテーパ形状の内壁面との距離cを、前記パイロットコーンの下流側先端における直径をB、パイロットノズルの直径をDとしたとき、c<1/2(B−D)とする。
【0016】
上述の燃焼器において、下流側からパイロットノズルの先端部を見たとき、前記第1燃料噴射口より、パイロットノズルの中心から該第1燃料噴射口への方向に対して任意の角度分ずれた方向に向かって、燃料が噴射されるようにしても構わない。このとき、燃料の噴射流は螺旋形状を描く。
【0017】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットノズルが、当該パイロットノズルの中心部に設けられるとともに当該パイロットノズルに供給された燃料の大部分を通過させる第1燃料供給路と、該第1燃料供給路の周りに設けられるとともに当該パイロットノズルに供給された燃料の残りを通過させる第2燃料供給路と、その外壁面が前記パイロットスワラの内壁面と接するとともに、当該パイロットノズルの下流側先端部分を覆い、当該パイロットノズル外周を通過する空気を当該パイロットノズルの下流側先端まで誘導する円筒状のパイロットノズルカバーと、当該パイロットノズルの下流側先端外周に設けられるとともに、前記第1燃料供給路から前記パイロットノズルカバーを貫通し、前記第1燃料供給路より供給される燃料を前記パイロットノズルカバーの外周面に構成される第1燃料噴射口より前記パイロットノズルカバーの外周に噴射する第1燃料噴射管と、当該パイロットノズルの外周における該第1燃料噴射管よりも上流側となる位置に設けられるとともに、前記第2燃料供給路と経路が接続された、前記第2燃料供給路より供給される燃料を前記パイロットノズルカバーと当該パイロットノズルとにより構成される領域に噴射する第2燃料噴射口と、を備えることを特徴とする。
【0018】
このようにすることで、パイロットノズルカバーとパイロットノズルによって構成される領域を流れる空気によって第1燃料噴射管が冷却され、焼損が防がれる。又、第2燃料噴射口よりパイロットノズルカバーとパイロットノズルによって構成される領域に燃料が噴射されるために、燃料と空気が混合した予混合気が生成されて、第1燃料噴射管から噴射される燃料によるパイロット拡散火炎付近に供給され、このパイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。
【0019】
このとき、前記パイロットノズルカバーが、前記パイロットスワラの内壁面と接するとともに、前記パイロットスワラの位置よりも上流側となる位置から前記第2燃料噴射口の位置よりも下流側となる位置まで、前記パイロットノズルの下流側先端部分を覆う第1円筒カバーと、前記第1円筒カバーと重なる位置で且つ前記パイロットノズルと前記第1円筒カバーとの間に設けられるとともに、前記第1燃料噴射管が貫通される第2円筒カバーと、を備えるようにしても構わない。
【0020】
そして、更に、前記第2円筒カバーが前記第2燃料噴射口近傍より前記パイロットノズルの下流側先端部分を覆うようにしても構わない。こうすることで、第1及び第2円筒カバーによって形成される領域及び第2円筒カバーとパイロットノズルとによって形成される領域それぞれに、予混合気が生成されるため、第1燃料噴射管より噴射される燃料による拡散燃料が予混合気によって包まれた状態となり、パイロット拡散火炎の安定性が増す。
【0021】
又、前記パイロットノズルが、前記第2燃料噴射口より前記第2円筒カバーまで貫通するとともに、前記第2燃料供給路より供給される燃料を前記第1円筒カバーと前記第2円筒カバーとにより構成される領域に噴射する第2燃料噴射管を備えるようにしても構わない。こうすることで、第1及び第2円筒カバーによって形成される領域にのみ予混合気が生成されるため、パイロットノズルの下流側先端近傍が確実に冷却される。
【0022】
そして、前記第1円筒カバーの下流側先端が、前記第1燃料噴射管よりも上流側となるように前記第1円筒カバーが設置されるようにしても構わない。更に、上述の燃焼器において、第2燃料供給路より供給された燃料と空気とが混合されることで生成される予混合気の燃焼ガス温度が1500℃以下となる希薄な濃度とすることで、パイロットノズルの下流側先端におけるフラッシュバックを防ぐ。
【0023】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、前記パイロットスワラの下流側の面と接するとともに、前記パイロットスワラより下流側に位置する前記パイロットノズルの外壁面と近接し、その先端部分に下流側に向かって放射形状となるテーパ形状の鍔を備える円筒を有することを特徴とする。
【0024】
このようにすることで、円筒の鍔によって、パイロットノズルの外周を通過する空気がパイロットノズルの下流側先端に流れることを防ぐことで、第1燃料噴射口より噴射される燃料による燃料噴流の基部に空気が流れ込むことが防がれる。よって、パイロット拡散火炎を弱めることなく燃焼させることができる。
【0025】
このとき、前記鍔の下流側先端が前記パイロットノズルから噴射される燃料による燃料噴流と衝突する位置よりも上流側に位置するように、前記鍔が設けられるようにしても構わない。このとき、鍔の下流側先端に、パイロットノズルの第1燃料噴射口から噴射される燃料が渦状に循環する低速域が形成されるため、パイロット拡散火炎を安定化することができる。
【0026】
又、前記鍔の下流側先端が前記パイロットノズルから噴射される燃料による燃料噴流と衝突する位置よりも下流側に位置するように、前記鍔が設けられるようにしても構わない。このようにすることで、円筒の鍔に衝突させた燃料をパイロットコーンの下流側先端に導くことができ、パイロット拡散火炎の安定性を向上させることができる。
【0027】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、燃焼に利用されなかった空気を燃焼器の下流側にバイパスさせるバイパス弁と接続するとともに燃焼器本体上側に設けられたバイパス管とを備える燃焼器において、前記パイロットノズルにおいて、その下流側先端外周に設けられる前記パイロットノズルに供給された燃料を噴射する第1燃料噴射口が、前記バイパス管に最も近い位置以外の位置に複数設けられることを特徴とする。
【0028】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、他の燃焼器に火炎を伝播させる燃焼器本体側面に設けられた連結管とを備える燃焼器において、前記パイロットノズルにおいて、その下流側先端外周に設けられる前記パイロットノズルに供給された燃料を噴射する第1燃料噴射口が、前記連結管に最も近い位置以外の位置に複数設けられることを特徴とする。
【0030】
又、本発明の燃焼器は、燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、燃焼に利用されなかった空気を燃焼器の下流側にバイパスさせるバイパス弁と接続するとともに燃焼器本体上側に設けられたバイパス管とを備える燃焼器において、燃焼状態において、前記バイパス弁が微開した状態であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の燃焼器について説明する。尚、以下の各実施形態において、燃焼器を構成する各部分の関係の概略は、従来と同様、図11の概略構成図によって表される。よって、以下では、本発明の特徴であるパイロットノズル先端周辺の構成について、詳細に説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図1において、図12と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0034】
図1の燃焼器は、燃焼器本体1(図11)の中心部分に下流側先端部分がパイロットコーン4によって覆われたパイロットノズル2が設置されるとともに、パイロットのノズル2の周囲に下流側先端部分がメインバーナ5によって覆われた複数のメインノズル3が設置される。そして、パイロットノズル2の下流側の外壁面にパイロットスワラ6が設けられることにより、パイロットノズル2がパイロットコーン4の中心部に設置されるように支持される。又、メインノズル3の下流側の外壁面にメインスワラ7が設けられることにより、メインノズル3がメインバーナ5の中心部に設置されるように支持される。
【0035】
このように構成されるとき、パイロットコーン4は、下流側先端に向かって放射状に広がったテーパ形状となっている。(以下、この放射状に広がった部分を、「コーン内周テーパ部」と呼ぶ。)コーン内周テーパ部41が放射状に広がった形状となることで、パイロットノズル2の先端外周に設けられた燃料噴射口21から噴射されるパイロット燃料とパイロットスワラ6を通過するパイロット空気とが、コーン内周テーパ部41周囲であるとともにメインバーナ5の下流側先端近傍に位置する保炎用低速域Xに導かれる。
【0036】
又、コーン内周テーパ部41の開き角がθであるとき、燃料噴射口21から噴射されるパイロット燃料の噴射角αを−90°≦α<−θ/2、θ/2<α≦90°とする。このようにすることで、−90°≦α<−θ/2のときは、燃料噴射口21の位置する部分とパイロットノズル2の中心に対して反対側のコーン内周テーパ部41の内壁に燃料が衝突し、又、θ/2<α≦90°のときは、燃料噴射口21の位置する部分に近いコーン内周テーパ部41の内壁に燃料が衝突する。
【0037】
更に、コーン内周テーパ部41の内壁にパイロット燃料が衝突する位置yからパイロットコーン4の下流側先端までのコーン内周テーパ部41の内壁面に沿った長さaが、コーン内周テーパ部41全体の内壁面に沿った長さAに対して、0<a≦A/2の関係を満たす。即ち、コーン内周テーパ部41の内壁におけるパイロット燃料の衝突位置yが、コーン内周テーパ部41の中央から下流側先端までの範囲内に位置するように、噴射角α及びパイロットノズル2の下流側先端位置が決定される。このとき、パイロットノズル2の先端位置が、パイロットコーン4の下流側先端とパイロットスワラ6の下流側の面との間の範囲に位置するように、パイロットノズル2が設置される。
【0038】
このように、パイロットコーン4の中央から下流側において、パイロット燃料が衝突するので、衝突位置yよりパイロットコーン4のコーン内周テーパ部41のテーパ形状に沿って、パイロット燃料が燃焼する。よって、パイロット火炎が保炎用低速域Xへ導かれやすくなる。そのため、パイロット燃料を少なくしても、保炎用低速域Xでの保炎性を向上させることができる。
【0039】
このことから、メインノズル3より噴射されたメイン燃料とメインスワラ7を通過したメイン空気がメインバーナ5で混合された予混合気は、保炎用低速域Xを保炎点として安定燃焼するため、予混合気を安定して燃焼させることができる。よって、予混合気を燃焼させたときに発生する燃焼振動を抑制することができるので、パイロット燃料を少なくしてパイロット比を低くしても、燃焼器における燃焼を安定させて燃焼振動を抑制することができる。
【0040】
又、パイロット燃料の衝突位置yがパイロットコーン4の下流側先端に近いほど、多くのパイロット燃料が保炎用低速域Xへ到達するため、保炎用低速域Xでの保炎性が良くなる。よって、上述の範囲において、パイロット燃料の衝突位置yがパイロットコーン4の下流側先端に近くなるように、パイロットノズル2の下流側先端位置及びパイロット燃料の噴射角を設定することで、パイロット比の少ないときの燃焼器における燃焼振動を抑制することができる。
【0041】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図2において、図1と同一の部分については、同一の符号を付す。又、本実施形態の燃焼器は、第1の実施形態(図1)における燃焼器と同一の部品によって構成され、パイロット燃料の噴射角αの設定値が異なる。よって、以下では、パイロット燃料の噴射角αに関連する部分について、詳細に説明する。
【0042】
図2の燃焼器は、図1の燃焼器と異なり、燃料噴射口21からのパイロット燃料の噴射角αをθ/2とする。即ち、パイロット燃料を、コーン内周テーパ部41の内壁面と平行に噴射させる。このように、コーン内周ペーパ部41の内壁面と平行にパイロット燃料が燃料噴射口21より噴射されることにより、パイロット燃料が燃焼しパイロット火炎が保炎用低速域Xに導かれやすくなる。よって、パイロット燃料を少なくしたときでも、保炎用低速域Xでの保炎性を向上させることができる。
【0043】
又、パイロット燃料の噴射方向とコーン内周テーパ部41の内壁面との距離cは、パイロットコーン4の下流側先端における直径をB、パイロットノズル2の直径をDとしたとき、1/2(B−D)とすることが好ましい。更に好ましくは、20mm以下とすることが好ましい。又、このとき、パイロットノズル2の先端位置が、パイロットコーン4の下流側先端とパイロットスワラ6の下流側の面との間の範囲に位置するように、パイロットノズル2が設置される。
【0044】
第1及び第2の実施形態において、図3のように、パイロットノズル2を下流側から見たときに、パイロット燃料が燃料噴射口21より放射状でなくパイロットノズル2の中心から燃料噴射口21の方向より角度β(横向角β)ずれて噴射されるものとしても構わない。このとき、パイロット燃料は、コーン内壁テーパ部41の内壁面に沿って螺旋状に流れる。
【0045】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図4は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図4において、図1と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0046】
図4の燃焼器は、パイロットノズル2の下流側先端部分をパイロットスワラ6よりも上流側から覆う円筒状のパイロットノズルカバー9が設けられる。即ち、パイロットノズルカバー9は、パイロットスワラ6の内壁面に接するように挿入されて設置される。更に、パイロットノズル2内部では、その中心にパイロット燃料の大部分が供給される主燃料供給路22が設けられるとともに、主燃料供給路22の外周に残りのパイロット燃料が供給される保炎用燃料供給路23が設けられる。
【0047】
更に、パイロットノズル2の下流側先端の外周に設けられるとともに主燃料供給路22より供給されるパイロット燃料を噴射する燃料噴射管21aがパイロットノズルカバー9を貫通するように設けられるとともに、保炎用燃料供給路23より供給されるパイロット燃料を噴射する保炎用燃料噴射口24が燃料噴射管21aよりも上流側のパイロットノズル2の外壁面に設けられる。燃料噴射口21(図1)を燃料噴射管21aとすることで、主燃料供給路22より供給されるパイロット燃料にスイープ空気を混合することなく噴射することができる。
【0048】
このように構成されるとき、パイロットノズル2の外周側を流れるパイロット空気の一部が、燃料噴射管21aの焼損を防ぐためのスイープ空気として、パイロットノズル2とパイロットノズルカバー9とによって構成されるスイープ空気供給路25を流れるとともに、パイロット空気の残りの大部分がパイロットスワラ6を通過する。又、スイープ空気は、保炎用燃料噴射口24より噴射されるパイロット燃料と混合され、この予混合気がスイープ空気供給路25の下流側先端より放出される。
【0049】
このとき、スイープ空気供給路25を通過する予混合気によって、燃料噴射管21aの周囲が冷却されて、燃料噴射管21a周辺の焼損が防がれる。このように燃料噴射管21a周辺の焼損を防ぐために、予混合気の燃焼ガス温度が1500℃以下になる希薄な濃度となるように、保炎用燃料供給路23を流れるパイロット燃料の流量が設定される。この予混合気の燃焼ガス温度が1500℃以上となる濃度にすると、フラッシュバックが発生する恐れがある。又、主燃料供給路22を流れるパイロット燃料は、燃料噴射管21aよりパイロットノズルカバー9の外部に噴射される。
【0050】
このようにして、燃料噴射管21aから噴射されたパイロット燃料が拡散燃焼する際に、スイープ空気供給路25の下流側先端から予混合気が放出されるため、燃料噴射管21aからのパイロット燃料によるパイロット拡散火炎の保炎性を向上させることができる。よって、パイロット拡散火炎によって燃焼するメインバーナ5で混合された予混合気の保炎性も向上させることができるため、パイロット比を低くしても、燃焼器における燃焼を安定させて燃焼振動を抑制することができる。
【0051】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図5において、図4と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図5の燃焼器では、第3の実施形態(図4)の燃焼器と異なり、パイロットノズル2の保炎用燃料噴射口24近傍から下流側先端までの部分を覆う円筒状のパイロットノズルカバー9aと、このパイロットノズルカバー9aの外周側に設けられる円筒状のパイロットノズルカバー9bとが備えられる。又、このパイロットノズルカバー9bは、パイロットスワラ6の内壁面と接するように設置されるとともに、燃料噴射管21aの上流側でパイロットノズルカバー9aと重なるように設置される。更に、このパイロットノズルカバー9bはパイロットスワラ6よりも上流側からパイロットノズル2を覆うように設けられる。
【0053】
このように、パイロットノズルカバー9a,9bを設置することによって、スイープ空気が、パイロットノズル2とパイロットノズルカバー9bによって構成されるスイープ空気供給路25を流れて、保炎用燃料噴射口24より噴射されるパイロット燃料と混合される。このパイロット燃料とスイープ空気とが混合された予混合気は、パイロットノズル2及びパイロットノズルカバー9aによって構成される予混合気供給路25a、及び、パイロットノズルカバー9a,9bによって構成される予混合気供給路25bそれぞれに流れる。
【0054】
そして、予混合気供給路25aを流れて放出される予混合気が、燃料噴射管21aの下流側に放出され、又、予混合気供給路25bを流れて放出される予混合気が、燃料噴射管21aの上流側に放出される。このため、燃料噴射管21aから噴射されるパイロット燃料が予混合気によって包み込まれた状態とすることができるので、パイロット拡散火炎を包むように予混合気を供給でき、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させることができる。
【0055】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図6は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図6において、図5と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図6の燃焼器では、第4の実施形態(図5)の燃焼器と異なり、保炎用燃料供給路23より供給されるパイロット燃料を噴射する保炎用燃料噴射管24aが、パイロットノズルカバー9aを貫通するように設けられる。保炎用燃料噴射口24(図5)を保炎用燃料噴射管24aとすることで、パイロットノズル2及びパイロットノズルカバー9aによって構成されるスイープ空気供給路25cを流れるスイープ空気に保炎用燃料供給路23より供給されるパイロット燃料を混合させずに流すことができる。
【0057】
このように、保炎用燃料噴射管24aを設置することによって、スイープ空気供給路25より供給されてスイープ空気供給路25cを流れるスイープ空気に、パイロット燃料が混合されることなく、パイロットノズル2の下流側先端に放出される。よって、パイロットノズル2の下流側先端がスイープ空気によって確実に冷却される。
【0058】
又、パイロットノズルカバー9a,9bによって構成される予混合気供給路25bに流れ込むスイープ空気は、保炎用燃料噴射管24aより噴射されるパイロット燃料と混合され、予混合気として燃料噴射管21aの上流側に放出される。よって、パイロット拡散火炎の周囲に予混合気が供給されるため、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させることができる。
【0059】
尚、第3〜第5の実施形態において、燃料噴射管21aから噴射されるパイロット燃料の噴射角とパイロットコーン4におけるコーン内壁テーパ部41との関係が、第1又は第2の実施形態のような関係となるように構成された燃焼器を適用しても構わない。
【0060】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図7及び図8は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図7及び図8において、図1と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図7及び図8の燃焼器は、パイロットノズル2の下流側先端部分をパイロットスワラ6の下流側の面から覆う円筒10が設けられる。この円筒10は、パイロットスワラ6の下流側の面からパイロットノズル2の下流側先端までの部分において、その内壁面がパイロットノズル2の外壁面と近接するように構成される。このとき、円筒10におけるパイロットノズル2の外壁面と近接する部分とパイロットノズルの外壁面との間には、狭い空隙が設けられる。又、円筒10は、パイロットノズル2の下流側先端近傍位置より下流側に向かってテーパ状に広がった鍔101を備える。この鍔101を備えた円筒10は、パイロットスワラ6の下流側の面に接するように設けられるため、パイロットスワラ6を通過するパイロット空気は、パイロットコーン4と円筒10との間を通過する。
【0062】
又、円筒10の鍔101は、燃料噴射口21から噴射されたパイロット燃料によるパイロット燃料噴流に干渉しないような構成とされる。このようにパイロット燃料噴流との干渉を避けるための構成として、例えば、図7のように、鍔101の開き角γが、燃料噴射口21からのパイロット燃料の噴射角αに対して、0°<2α≦γ<180°となるようにしても構わない。又、パイロットコーン4と円筒10との間を、パイロット空気が十分に通過するように、パイロットノズル2の下流側先端位置におけるパイロットコーン4の内壁面とパイロットノズル2の外壁面との距離kに対して、円筒10の下流側先端位置におけるパイロットコーン4の内壁面と鍔101との距離lが、0<l≦kとされる。さらに好ましくは、l≧k/2とされる。
【0063】
又、鍔101が、例えば、図8のように、パイロットノズル2の下流側先端よりも少し上流側にずれた位置から形成されるとともに、鍔101の開き角γを0°<γ<2αとする場合、鍔101が形成開始される位置とパイロットノズル2の下流側先端との距離をtとしたとき、鍔101の長さsを、s<t/(cos(γ/2)−tanα×sin(γ/2))を満たすように設定し、燃料噴射口21から噴射されるパイロット燃料が鍔101に衝突しないように構成しても構わない。
【0064】
このように構成することによって、パイロット燃料が円筒10の鍔101に沿って流れると、鍔101の先端部近傍Zにおいて、パイロット燃料の渦ができるために、低速域となる循環領域が形成される。よって、パイロット空気が、燃料噴射口21周辺のパイロット燃料噴流基部に当たらないので、パイロット拡散火炎を弱めることを防ぐことができるとともに、鍔101の先端部近傍Zに循環領域が形成されるため、パイロット拡散火炎を安定して燃焼させることができる。
【0065】
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。図9は、本実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図である。尚、図9において、図8と同一の部分については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0066】
図8の燃焼器は、第6の実施形態(図8)の燃焼器と同様、パイロットノズル2の下流側先端部分をパイロットスワラ6の下流側表面から覆う円筒10aが、パイロットスワラ6の下流側表面に接するように設けられる。即ち、パイロットスワラ6の下流側表面からパイロットノズル2の下流側先端までの部分において、円筒10aにおけるパイロットノズル2の外壁面と近接する部分とパイロットノズルの外壁面との間には、狭い空隙が設けられる。又、円筒10aは、パイロットノズル2の下流側先端近傍位置より下流側に向かってテーパ状に広がった鍔102を備える。
【0067】
又、鍔102は、パイロットノズル2の下流側先端よりも少し上流側にずれた位置から形成されるとともに、鍔102の開き角γを0°<γ<2αとされる。そして、鍔102の長さsを、s≧t/(cos(γ/2)−tanα×sin(γ/2))を満たすように設定して、燃料噴射口21から噴射されるパイロット燃料を鍔102に衝突させる。又、パイロットコーン4と円筒10aとの間を、パイロット空気が十分に通過するように、円筒10aの下流側先端位置におけるパイロットコーン4の内壁面と鍔102との距離lが、0<l≦kとされる。さらに好ましくは、l≧k/2とされる。
【0068】
このように構成することによって、パイロット燃料が円筒10aの鍔102において、パイロット燃料が衝突する衝突点によって低速域が形成され、鍔102に沿ってパイロット燃料が燃焼される。よって、パイロット空気が、燃料噴射口21周辺のパイロット燃料噴流基部及びパイロット燃料衝突点に当たらないので、パイロット拡散火炎を弱めることを防ぐことができるとともに、鍔102によって衝突点において、パイロット拡散火炎の安定化が増すので、パイロット拡散火炎を安定して燃焼させることができる。
【0069】
尚、第6、第7の実施形態において、燃料噴射口21から噴射されるパイロット燃料の噴射角とパイロットコーン4におけるコーン内壁テーパ部41との関係が、第1又は第2の実施形態のような関係となるように構成された燃焼器を適用しても構わない。又、第3〜第5の実施形態のように、パイロットノズル2の下流側先端を覆うパイロットノズルカバー9,9a,9bを設けるようにしても構わない。
【0070】
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態における燃焼器本体とパイロットノズルの燃料噴射口との関係を示す概略断面図である。
【0071】
図10(a)〜(f)に示す燃焼器は、燃焼器本体150において、バタフライ弁などで構成されるバイパス弁160と接続されて圧縮機からの燃焼に利用されない空気が流入される空気バイパス管151と、他の燃焼器本体と連結して火炎を伝播させる連結管152とが設けられている。そして、空気バイパス管151が燃焼器本体150の上部に設けられるとともに、連結管152が燃焼器本体150の両側面部に設けられる。
【0072】
このように、燃焼器本体150には、窪みとなる空気バイパス管151と連結管152とが設けられるため、燃焼器によって燃焼が行われる際、この空気バイパス管151及び連結管152それぞれによる窪みが、燃料ガスの澱み領域となる。そのため、空気バイパス管151及び連結管152近傍の領域では、その燃焼が不安定となるため燃焼振動が発生するとともに、他の領域での燃焼に影響を及ぼす。
【0073】
そこで、本実施形態では、一例として、図10(a)のように、パイロットノズル2において、空気バイパス管151が位置する部分に最も近い位置pに、燃料噴出口21を設けないような構成とする。即ち、例えば、燃料噴出口21を7つ設ける際、8つ設けるように仮定して等間隔に配置した燃料噴出口21の内、位置pに設けられる燃料噴出口21を塞いだ形となる。
【0074】
又、同様に、別例として、図10(b)、(c)それぞれに示すように、パイロットノズル2において、連結管152が位置する部分に最も近い位置q,rのいずれか一方に、燃料噴出口21を設けないような構成とする。更に、別例として、図10(d)に示すように、パイロットノズル2において、連結管152が位置する部分に最も近い位置q,r両方に、燃料噴出口21を設けないような構成とする。更に、別例として、図10(e)、(f)に示すように、パイロットノズル2において、連結管152が位置する部分に最も近い位置q,rのいずれか一方及び空気バイパス管151が位置する部分に最も近い位置pに、燃料噴出口21を設けないような構成とする。
【0075】
このように、空気バイパス管151又は連結管152による窪み位置に対する燃料噴出口21を塞ぐことによって、空気バイパス管151又は連結管152による窪み位置への燃料ガスの拡散を防ぐことができる。よって、空気バイパス管151又は連結管152による窪みが原因となる燃料ガスの澱みを防ぐことができ、パイロット比を低くしたときの燃焼振動を抑制することができる。
【0076】
尚、本実施形態において、図10(a)のように、空気バイパス管151に対応する位置の燃料噴出口21を塞ぐように構成するものとしたが、空気バイパス管151に対応する位置の燃料噴出口21を備えるようにして、燃焼器での燃焼時にバイパス弁160を微かに開くようにして、部分負荷よりも負荷が高くなった場合においても、少量の空気量が送られるようにしても構わない。又、このように燃焼器での燃焼時にバイパス弁160を微かに開くようにして少量の空気量を送る構成を、図10(b)〜(d)の構成の燃焼器に利用するようにしても構わない。
【0077】
更に、本実施形態における燃焼器において、そのパイロットノズル周辺の構成が、第1〜第7の実施形態のような構成となるようにしても構わない。このとき、そのパイロットノズル周辺の構成が、第1〜第7の実施形態で述べた特徴を組み合わせた構成となるようにしても構わない。
【0078】
【発明の効果】
本発明によると、燃料噴射口より噴射される燃料をパイロットコーンの下流側先端付近に衝突させることで、パイロットコーンの下流側先端周辺にできる保炎用低速域に燃料を多く誘導することができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。又、燃料噴射口より噴射される燃料をパイロットコーンの内壁面に平行に噴射することで、パイロットコーンの下流側先端周辺にできる保炎用低速域に燃料を多く誘導することができ、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させる。このように、保炎用低速域におけるパイロット拡散火炎の保炎性を向上させることで、燃焼振動を抑制することができるため、燃焼器に供給する燃料のパイロット比を低くすることができ、低NOx化を実現することができる。
【0079】
又、本発明によると、燃料噴射口よりパイロットノズルカバーとパイロットノズルによって構成される領域に燃料を噴射して、燃料と空気が混合した予混合気が生成して、第1燃料噴射管から噴射される燃料によるパイロット拡散火炎付近に供給することで、パイロット拡散火炎の保炎性を向上させることができる。更に、パイロットノズルカバーを第1円筒カバーと第2円筒カバーで構成し、パイロットノズルと第2円筒カバーとの間の領域及び第1円筒カバーと第2円筒カバーとの間の領域それぞれで予混合気を生成することで、パイロット拡散火炎を包むように予混合気を供給できるため、パイロット拡散火炎の保炎性を更に高くすることができる。又、第2燃料噴射管を設けて、第1円筒カバーと第2円筒カバーとの間の領域にのみ予混合気が生成されるようにすることで、パイロットノズルの下流側先端を、第2円筒カバーとパイロットノズルとの間の領域を通過する空気で確実に冷却することができる。
【0080】
又、本発明によると、パイロットスワラの下流側面に接した円筒の下流側先端に鍔を設けることによって、パイロットノズルの外周を通過する空気がパイロットノズルの下流側先端に流れることを防ぐので、燃料噴射口より噴射される燃料による燃料噴流の基部に空気が流れ込むことができる。よって、パイロット拡散火炎を弱めることなく燃焼させることができる。
【0081】
又、パイロットノズルの下流側先端において、バイパス管や連結管などの窪みのある領域に近い位置に、燃料噴出口を設けないようにすることで、バイパス管や連結管などの窪みのある領域に、燃料の澱み領域が形成されることを防ぐことができる。更に、燃焼状態において、バイパス弁を微開した状態とすることで、バイパス管の窪みにより燃料の澱み領域が形成されることを防ぐことができる。よって、澱み領域による燃焼の不安定性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図2】 第2の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図3】 パイロットノズルを下流側先端から見た図。
【図4】 第3の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図5】 第4の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図6】 第5の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図7】 第6の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図8】 第6の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の別の構成を示す図。
【図9】 第7の実施形態における燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【図10】 第8の実施形態における燃焼器本体とパイロットノズルの燃料噴射口との関係と示す概略断面図。
【図11】 燃焼器の構成を示す概略構成図。
【図12】 従来の燃焼器のパイロットノズル先端の構成を示す図。
【符号の説明】
1 燃焼器本体
2 パイロットノズル
3 メインノズル
4 パイロットコーン
5 メインバーナ
6 パイロットスワラ
7 メインスワラ
9 パイロットノズルカバー
10 円筒

Claims (15)

  1. 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うとともにその先端部分に下流側に向かって放射状のテーパ形状となるコーン内周テーパ部を備えたパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、
    前記パイロットノズル先端外周に備えられて燃料を噴射する第1燃料噴射口より噴射される燃料が、前記コーン内周テーパ部の長さの半分となる位置から下流側先端までの前記コーン内周テーパ部の内壁面に衝突することを特徴とする燃焼器。
  2. 前記パイロットコーンの開き角をθとしたとき、
    前記パイロットノズル先端外周に備えられて燃料を噴射する前記第1燃料噴射口より噴射される燃料の噴射角αが、
    −90°≦α<−θ/2、θ/2<α≦90°
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の燃焼器。
  3. 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、
    前記パイロットノズルが、
    当該パイロットノズルの中心部に設けられるとともに当該パイロットノズルに供給された燃料の大部分を通過させる第1燃料供給路と、
    該第1燃料供給路の周りに設けられるとともに当該パイロットノズルに供給された燃料の残りを通過させる第2燃料供給路と、
    その外壁面が前記パイロットスワラの内壁面と接するとともに、当該パイロットノズルの下流側先端部分を覆い、当該パイロットノズル外周を通過する空気を当該パイロットノズルの下流側先端まで誘導する円筒状のパイロットノズルカバーと、
    当該パイロットノズルの下流側先端外周に設けられるとともに、前記第1燃料供給路から前記パイロットノズルカバーを貫通し、前記第1燃料供給路より供給される燃料を前記パイロットノズルカバーの外周面に構成される第1燃料噴射口より前記パイロットノズルカバーの外周に噴射する第1燃料噴射管と、
    当該パイロットノズルの外周における該第1燃料噴射管よりも上流側となる位置に設けられるとともに、前記第2燃料供給路と経路が接続された、前記第2燃料供給路より供給される燃料を前記パイロットノズルカバーと当該パイロットノズルとにより構成される領域に噴射する第2燃料噴射口と、
    を備えることを特徴とする燃焼器。
  4. 前記パイロットノズルカバーが、
    前記パイロットスワラの内壁面と接するとともに、前記パイロットスワラの位置よりも上流側となる位置から前記第2燃料噴射口の位置よりも下流側となる位置まで、前記パイロットノズルの下流側先端部分を覆う第1円筒カバーと、
    前記第1円筒カバーと重なる位置で且つ前記パイロットノズルと前記第1円筒カバーとの間に設けられるとともに、前記第1燃料噴射管が貫通される第2円筒カバーと、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃焼器。
  5. 前記第2円筒カバーが前記第2燃料噴射口近傍より前記パイロットノズルの下流側先端部分を覆うことを特徴とする請求項4に記載の燃焼器。
  6. 前記パイロットノズルが、前記第2燃料噴射口より前記第2円筒カバーまで貫通するとともに、前記第2燃料供給路より供給される燃料を前記第1円筒カバーと前記第2円筒カバーとにより構成される領域に噴射する第2燃料噴射管を備えることを特徴とする請求項4に記載の燃焼器。
  7. 前記第1円筒カバーの下流側先端が、前記第1燃料噴射管よりも上流側となるように前記第1円筒カバーが設置されることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の燃焼器。
  8. 燃焼器本体中心部分に設けられたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周囲に等間隔で設けられた複数のメインノズルと、前記パイロットノズルの燃料が流れる下流側先端部分を覆うパイロットコーンと、該パイロットコーンの内壁面に接するように設けられるとともに該パイロットコーンの中心部分に前記パイロットノズルを支持するパイロットスワラとを備える燃焼器において、
    前記パイロットスワラの下流側の面と接するとともに、前記パイロットスワラより下流側に位置する前記パイロットノズルの外壁面と近接し、その先端部分に下流側に向かって放射形状となるテーパ形状の鍔を備える円筒を有することを特徴とする燃焼器。
  9. 前記鍔の下流側先端が前記パイロットノズルから噴射される燃料による燃料噴流と衝突する位置よりも上流側に位置するように、前記鍔が設けられることを特徴とする請求項8に記載の燃焼器。
  10. 前記鍔の下流側先端が前記パイロットノズルから噴射される燃料による燃料噴流と衝突する位置よりも下流側に位置するように、前記鍔が設けられることを特徴とする請求項8に記載の燃焼器。
  11. 前記パイロットコーンの開き角をθとしたとき、
    前記パイロットノズル先端外周に備えられる前記第1燃料噴射管の前記第1燃料噴射口より噴射される燃料の噴射角をθ/2とし、前記コーン内周テーパ部の傾きと平行に前記燃料が噴射されることを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれかに記載の燃焼器。
  12. 前記パイロットノズルより噴射される燃料による燃料噴流と前記コーン内周テーパ部のテーパ形状の内壁面との距離cが、前記パイロットコーンの下流側先端における直径をB、パイロットノズルの直径をDとしたとき、c<1/2(B−D)となることを特徴とする請求項11に記載の燃焼器。
  13. 燃焼に利用されなかった空気を燃焼器の下流側にバイパスさせるバイパス弁と接続するとともに燃焼器本体上側に設けられたバイパス管を備え、
    前記パイロットノズルにおいて、その下流側先端外周に設けられる前記パイロットノズルに供給された燃料を噴射する前記第1燃料噴射口が、前記バイパス管に最も近い位置以外の位置に複数設けられることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の燃焼器。
  14. 他の燃焼器に火炎を伝播させる燃焼器本体側面に設けられた連結管を備え、
    前記パイロットノズルにおいて、その下流側先端外周に設けられる前記パイロットノズルに供給された燃料を噴射する前記第1燃料噴射口が、前記連結管に最も近い位置以外の位置に複数設けられることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の燃焼器。
  15. 燃焼に利用されなかった空気を燃焼器の下流側にバイパスさせるバイパス弁と接続するとともに燃焼器本体上側に設けられたバイパス管を備え、
    燃焼状態において、前記バイパス弁が微開した状態であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の燃焼器。
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