JP3957344B2 - 放電管または放電ランプ及びスカンデート−ディスペンサ陰極 - Google Patents

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    • H01J1/20Cathodes heated indirectly by an electric current; Cathodes heated by electron or ion bombardment
    • H01J1/28Dispenser-type cathodes, e.g. L-cathode

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  • Solid Thermionic Cathode (AREA)
  • Discharge Lamp (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰極体と放出面を有する被覆とより成るスカンデート−ディスペンサ陰極であって、陰極体は、少なくとも1つの耐熱金属及び/または耐熱合金のマトリックスと、このマトリックス材料と接触したバリウム化合物であって当該マトリックス化合物との化学反応により放出面にバリウムを供給するバリウム化合物とを有する少なくとも1つのスカンデート−ディスペンサ陰極を有する放電管、特に真空管または放電ランプ、特に低圧ガス放電ランプに関するものである。本発明はまたこのようなディスペンサ陰極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子管、特に真空管は、おもに、テレビジョン受像機の受像管として、機械及び設備構造物、医療技術、工作場における診断や測定装置並びに電子ゲームの分野における種々の用途に対して、モニター管、X線管、高周波管及びマイクロ波管として用いられている。
【0003】
テレビジョン及びモニター管は、輝度、解像度、一定の画質及び長期間の性能に関して、常に高い要求を満たさねばならない。輝度を高く、解像度を良くするためには、電子管の電子放出電流密度を大きくする必要があるが、これは電子源すなわち陰極の改良によってのみ達成可能である。1980年代の中頃においては、この要求は2A/mm2 の長期電子放出電流密度を有する標準的な酸化物陰極で満たされることができたが、現在では10A/mm2 が必要とされると共に、新しい高性能管に対してはより大きな電子放出電流密度が必要である。
【0004】
同様に、X線管、高周波管及びマイクロ波管の電子放出電流密度及び長期安定度に対しても同じことがいえる。
【0005】
陰極における電子放出電流密度は、陰極表面の仕事関数φ及び動作温度Tに応じてリチャードンの式
0 =AR 2 exp (−φ/KT)
で決まる。
一定の動作温度Tでは、陰極は、その仕事関数が小さくなるとより大きな電子放出電流密度を生じることができる。代りに、電子放出電流密度が一定の場合は、陰極はその仕事関数が小さくなるとより低い温度で動作することができる。低い動作温度は、陰極及び放電管の有効寿命に良い影響を与える。
【0006】
現在では、電子放出電流密度の最も大きい陰極はスカンデート−ディスペンサ陰極である。このスカンデート−ディスペンサ陰極の最も重要な2つのタイプは「混合マトリックススカンデート陰極(mixed matrix scandate cathode) と「頂層スカンデート陰極(top layer scandate cathode)」である。混合マトリックススカンデート陰極は、タングステンと酸化スカンジウムよりつくられ且つ4BaO・CaO・Al2 3 で含浸された多孔性陰極体より成る。頂層スカンデート陰極は、4BaO・CaO・Al2 3 で含浸され且つタングステン及び酸化スカンジウムまたはScW3 12の薄い被覆で覆われた多孔性タングステン体より成る。
【0007】
陰極の動作中、タングステン、酸化スカンジウム及びバリウム−カルシウム−アルミネート間の化学反応の結果表面複合体が形成され、この表面複合体が大きな電子放出電流密度をもたらしそして維持する。この表面複合体は管内のイオン衝撃によってこわされるので、絶えず回復されねばならない。けれども、酸化スカンジウムはそれ程移動し易くないので、表面複合体を形成するためのスカンジウムの分離が妨げられ、放電管または放電ランプの動作中陰極放出が急速に減少する。この欠点を克服するために、陰極表面においてスカウンジウムの分離を生じさせるように、金属レニウム、ルテニウム、ハフニウム、ニッケル、コバルト、パラジウム、ジルコニウム或いはタングステンの1つまたはそれ以上とスカンジウムとの化合物であるスカンジウム含有金属化合物或いは合金を用いることが欧州特許出願公開第0317002号明細書に提案されている。この同第0317002号明細書による陰極の長期挙動は改良されているが、その結果の再現性が十分でない。
【0008】
更に、欧州特許出願公開第0549034号明細書には、アルカリ土類金属化合物で含浸され且つその表面に特にタングステンとスカンジウムのような耐熱金属を含む被覆が設けられたマトリックス体を有する陰極が開示されている。低い動作温度に際しての大きな電子放出並びにイオン衝撃後の急速な回復と長い有効寿命は、異なる組成から成る少なくとも2つの層、スカンジウムと、融点の高い金属、特にタングステン及び/またはレニウムのような金属とを含む純金属の1つの層であって、含浸されたマトリックス体に設けられた純金属層と、特にタングステンのような高い融点を有する金属の最終被覆層とを有する被膜によって得られている。陰極は、先ずスカンジウム及び/またはレニウムの純金属層を、直流グロー放電により発生されるプラズマによるのが好ましいプラズマCVD(PCVD)処理により形成し、しかる後、金属タングステン層である最終層をCVD処理により設ける方法により製造するのが好ましい。けれども、このタイプの陰極は電子放出電流密度が低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、再現性のある長期にわたり高い電子放出電流密度を有する放電管または放電ランプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を次のようにした放電管または放電ランプにより達成したものである。すなわち、この放電管又は放電ランプは、陰極体と放出面を有する被覆とより成る少なくとも1つのスカンデート−ディスペンサ陰極を有し、陰極体は、少なくとも1つの耐熱金属及び/または耐熱合金からなるマトリックスと、このマトリックス材料と接触したバリウム化合物であって、当該マトリックス材料との化学反応により放出面にバリウムを供給するバリウム化合物とを有し、前記被覆は、タングステン及び/またはタングステン合金の下層と、レニウム及び/またはレニウム合金からなる中間層と、酸化スカンジウム、酸化スカンジウム及び酸化希土類金属の混合物、スカンデート及び/又はスカンジウム合金からなる上層とを含む1つまたはそれ以上の多重層を有するものである。
【0011】
このような放電管または放電ランプは、数1019イオン/mm2 迄のドーズ量のイオン衝撃によく耐えるので、長い有効寿命を有する。このような放電管または放電ランプは、陰極ホルダーのモリブデンキャップの測定された放出温度、965℃でi0 ≧25A/cm2 の飽和電子放出電流密度に達するので、例えば、高解像度コンピュータモニター(CMT)として、アスペクト比16:9の表示スクリーンを有する高解像度テレビジョン受像機に、また高性能X線管として用いることができる。
【0012】
本発明の別の観点は、陰極体と放出面を有する被覆とより成るスカンデート−ディスペンサ陰極であって、陰極体は、少なくとも1つの耐熱金属及び/または耐熱合金からなるマトリックスと、このマトリックスの材料と接触したバリウム化合物であって当該マトリックス材料と化学反応により放出面にバリウムを供給するバリウム化合物とを有し、前記被覆は、タングステン及び/またはタングステン合金からなる下層と、レニウム及び/またはレニウム合金からなる中間層と、酸化スカンジウム、酸化スカンジウム及び酸化希土類金属の混合物、スカンデート及び/又はスカンジウム合金からなる上層とを含む1つまたはそれ以上の多重層を有するスカンデート−ディスペンサ陰極に関するものである。
【0013】
本発明のスカンデート−ディスペンサ陰極は低いタングステン損失を示し、放出面におけるスカンジウム付与は陰極の動作中不活性化されることがない。層の構造が、タングステンに向う酸素の拡散を阻止する。
【0014】
陰極体が、放出面にスカンジウムを付与するためのスカンジウム化合物またはスカンジウム合金を有する本発明のスカンデート−ディスペンサ陰極は、非常に長い有効寿命を有する。
【0015】
多重層は超微粒子でつくられるのが好ましい。超微粒子の被覆を有するスカンデート−ディスペンサ陰極は、その直径が1から100nmの範囲の粒子の表面構造と表面モジュレーション、したがって密な粒子内に比較的小さな曲率半径と微視的な表面にマイクロチップ分布を有する。
スカンデート−ディスペンサ陰極は、巨視的表面上に高密粒子及びマイクロチップ(microtip)分布している粒子の表面構造又は表面変形体(surface modulation)を有する超微粒子の被覆を有しており、これら粒子の直径は1から100nmの範囲にあり、したがって曲率半径が小さい。
【0016】
本発明のスカンデート−ディスペンサ陰極の多重層は、レーザ−アブレーションデポジションによりつくられるのが好ましい。周知の湿式化学法とちがって、レーザーアブレーションデポジョシンの反応時間は短い。その上、周知の蒸着法とちがって、超微粒子の粒度分布を容易に制御することができる。
下層、中間層及び上層は夫々5 から150nm の範囲内の厚さを有するのが更に好ましい。このような層を有するスカンデート−ディスペンサ陰極は優れた放出特性を有する。
【0017】
本発明のスカンデート−ディスペンサ陰極の被覆は、50から1000nm、好ましくは400から600nmの範囲内の厚さを有するのが特に好ましい。このようにすることにより、10,000時間の有効寿命を有する陰極が得られる。
【0018】
本発明の以上述べた観点及びその他の観点は以下に述べる実施の態様より明らかであろう。
【0019】
【実施の態様】
放電管または放電ランプは4つの機能グループすなわち電子ビーム発生、ビーム集束、ビーム偏向及びけい光スクリーンより成る。
【0020】
本発明の放電管または放電ランプは、1つまたはそれ以上のディスペンサ陰極より成る装置を有する。例えば、前記の電子ビーム発生システムは、1つまたはそれ以上の点状陰極とするか、或いはワイヤ陰極、扁平ストリップ陰極またはプレーナ陰極より成るシステムとすることができる。ワイヤ陰極、扁平ストリップ陰極及びプレーナ陰極ではそれ等の表面領域全体にわたって放出させる必要はなく、代りに、これ等の陰極は個々の表面の一部にだけディスペンサ陰極装置を有していればよい。
【0021】
本発明のディスペンサ陰極は陰極体と被覆を有する。この陰極体は、少なくとも1つの高い融点を有する金属及び/または高い融点を有する合金のマトリックスと、このマトリックス材料との化学反応によって放出面にバリウムを供給するようになっているマトリックス材料と接触したバリウム化合物とを有する。
【0022】
本発明に好適に用いることのできる陰極体は、L陰極、M陰極、I陰極並びに混合マトリックス陰極である。
【0023】
本発明に特に好適に用いることのできる陰極体はI陰極及び混合マトリックス陰極である。
本発明の陰極の被覆は、タングステン及び/またはタングステン合金からなる下層、レニウム及び/またはレニウム合金からなる中間層、酸化スカンジウム、酸化スカンジウムと酸化希土類金属の混合物、スカンデート及び/またはスカンデート合金からなる上層より成る。この被覆全体の厚さは、陰極が適当な有効寿命を有するように選択する。ディスペンサ陰極の有効寿命は、特に、陰極面におけるスパッター反応による腐食の結果制限を受ける。このスパッター反応には、放電管または放電ランプの真空中の残留ガスから電子ビームにより形成されたイオンが関与する。印加された電圧によりこれ等のイオンが加速されてこれ等イオンが陰極に衝突するため、その表面の腐食を引き起こす。イオン衝撃の結果としてのこの腐食プロセスは、イオン銃によりシミュレートすることができ、腐食速度を測定することができる。この腐食速度は、被覆の全体厚を見積もるのに使用される。一般に、被覆の全体厚は600から1000nmの範囲内にある。
【0024】
多重層のそれぞれの層、すなわち、タングステンを有する下層、レニウムを有する中間層及び酸化スカンジウムまたはスカンジウム合金を有する上層は、非常に薄くするのが好ましい。スカンジウムの質量等価(mass-equivalent) 厚は5と20nmの間のナノメータ範囲にあるべきことが好ましく、タングステン含有層とレニウム含有層の質量等価厚は20と200nmの間の範囲内にあるべきことが好ましい。これ等の質量等価層厚は、設けられる被覆材料の単位面積当たりの重量(basic weight) と、理論上の密度とにより決定される。これ等の非常に薄い個々の層は個々の相間の改良された結合を生じ、動作中の焼結の結果としての粒子成長を妨げる。層はこの場合ナノ構造を有する、すなわち、これ等の層は、大きな、主として開放気孔で分離された粒子の個々の堆積より成る。その結果、被覆は、径方向及び側方に構成された僅かばかり不連続な表面を有する。下層、中間層及び上層の粒子が続けて付着されると、それ等のナノ構造が互いに結合し、これにより、優れた放射特性を有する材料の結合が被膜内に生じる。
【0025】
本発明のディスペンサ陰極が唯1つの多重層を有する場合には、タングステンを有する下層は、代りに陰極体のタングステン含有マトリックスで形成することができる。
【0026】
スカンジウムを含有する上層は、酸化スカンジウムSc2 3 、またはユーロピウム、サマリウム及びセリウムのような他の希土類金属の酸化物と混合された酸化スカンジウムから、或いはアルカリ土類金属スカンデートのようなスカンデートからつくることができる。代りに、Re24Sc5 、Re2 Sc、Ru2 Sc、Co2 Sc、Pd2 Sc及びNi2 Scのような金属間化合物及び/又はスカンジウム含有合金を用いることも可能である。けれども、これ等化合物、化合物の混合物或いは合金はタングステンを含んではならない。
【0027】
金属レニウムは、レニウム含有中間層のための材料として用いられる。
下層の材料として、タングステン、或いはオスミウム、イリジウム、ルテニウム、タンタル及び/またはモリブデンを含むタングステン合金が用いられる。
【0028】
本発明のディスペンサ陰極の製造方法は2つの工程より成る。最初の工程では陰極体がつくられ、第2の工程では放出被覆が前記の陰極体上に設けられる。通常のI陰極或いは混合マトリックス陰極が陰極体として用いられるのが好ましい。
【0029】
I陰極は含浸ディペンサ陰極である。この陰極は、タングステン粉末から粉末冶金でつくられた多孔性タングステンマトリックスより成る。この多孔性マトリックスはBaO、CaO及びAl2 3 の混合物で含浸される。この目的で、BaCO3 、CaCO3 及びAl2 3 の混合物が溶融され、この溶融物の浸透によって多孔性マトリックスが前記の混合物で充填される。次いで、陰極体の外表面に付着しているすべての酸化物の混合物が超音波と水で除かれる。
【0030】
混合マトリックス陰極は、タングステンと酸化スカンジウムの共有マトリックス内にスカンジウムを有する。このマトリックスは、タングステンと酸化スカンジウムの粉末混合物を焼結することによりつくられ、この場合焼結は、多孔体が形成されるように行われる。この多孔性の焼結体は、I陰極と同様にBaO、CaO及びAl2 3 の混合物で含浸される。浄化及び付活方法も同様である。
【0031】
被覆は通常の被着方法で設けることができる。この方法は、CVD、PCVD及びスパッタリングを含む。けれども、本発明の要旨の範囲内において、超微粒子より成る被覆の個々の層がレーザ−アブレーションデポジションによりつくられるのが好ましい。
【0032】
この目的で、陰極体はレーザ−アブレーションデポジション装置の堆積チャンバ内に入れられる。良好な結果は、CO2 レーザとちがってタングステンも何等の問題なしにアブレートすることのできるエキシマーレーザを使用すると得られる。順次に、タングステン含有層、レニウム含有層及びスカンジウム含有層が堆積される。1つのターゲット配置部に3つの成分が全て含まれた多重ターゲットを用いることにより有利な結果が得られる。アブレーション工程の間、ガスふん囲気が極めて純粋なアルゴン或いはアルゴン/水素より成ると、出来上ったスカンデート−ディスペンサ陰極の放出特性に好ましい影響を与える。アブレーション工程の間、被覆のために基体(陰極体)を加熱するのも有利であろう。レーザ−アブレーションデポジション工程に対する条件は、超微粒子の粒度が平均から高い範囲内にある超微粒子が得られるように設定されることである。
【0033】
一般には、陰極の放出面は以後の工程において付活される。
【実施例】
例 1
I陰極体は、タングステン粉末を水素ふん囲気内において1500℃で直径1.8mm及び高さ0.5mmの円筒体を形成するように焼結してこれに4BaO−CaO−Al2 3 の組成の7重量%のバリウム−カルシウム−アルミネート粉末を含浸することによって、多孔性のペレットの形でつくられる。このペレットはモリブデンカップ内に置かれ、レーザ−アブレーションデポジション装置のアブレーション室内に入れられる。ターゲットとして、Sc2 3 、レニウム及びタングステンを含む円筒状複数ターゲットが使用される。レーザは、248nmの波長と100Wの平均電力を有するUV−エキシマーレーザであり、回転ターゲットに冷間アブレーションを生じる。キャリヤガスとして極めて純粋なアルゴンと水素の混合物が用いられる。アブレーションチャンバの全体圧力は1mbar(103 Pa)である。前記のアブレーションの間、多重ターゲットは移動され、ターゲットの3つの副次的な領域は次の順序すなわちタングステン、レニウム、酸化スカンジウムの順序で連続して走査される。被覆を固定するために、タングステンのペレットは、被覆工程の間800℃に加熱される。
アブレーション−デポジション工程は、600nmの質量等価全体層厚になる迄続けられる。
【0034】
本発明の被覆を有するペレットは、らせん状ヒータを有する陰極シャフトに溶接される。この間接的に加熱し得る陰極と、放出シリンダ及びセラミック絶縁体のような他の構成要素とを組立て、陰極ユニットを形成する。これらユニットの3つが夫々のカラーテレビジョン受像管内に入れられる。
この陰極の測定された放出電子流密度は、950℃の陰極温度で120A/cm2 であった。
【0035】
例 2
I陰極体は、タングステン粉末を水素ふん囲気内において1500℃で直径1.8mm及び高さ0.5mmの円筒体を形成するように焼結してこれに4BaO−CaO−Al2 3 の組成の7重量%のバリウム−カルシウム−アルミネート粉末を含浸することによって、多孔性のペレットの形でつくられる。このペレットはモリブデンカップ内に置かれ、レーザ−アブレーションデポジション装置のアブレーションチャンバ内に入れられる。ターゲットとして、Sc2 3 とレニウムを含む円筒状複数ターゲットが用いられる。レーザは、248nmの波長と100Wの平均電力を有するUV−エキシマーレーザであり、回転ターゲットに冷間アブレーションを生じる。キャリヤガスとして、極めて純粋なアルゴンと水素の混合物が用いられる。アブレーション室内の全体圧力は1mbar(103 Pa)である。120nmの質量等価層厚を有するRe層と20nmの質量等価層厚を有する酸化スカンジウム層がその都度堆積される。この層の順序は5回繰返される。被覆を固定するために、タングステンのペレットは、被覆工程中に800℃に加熱される。
【0036】
本発明の被覆を有するペレットは、らせん状ヒータを有する陰極シャフトに溶接される。この間接的に加熱し得る陰極と、放出シリンダ及びセラミック絶縁体のような他の構成要素を組立てて、陰極ユニットを形成する。これらユニットの3つがカラーテレビジョン受像管に入れられる。
この陰極の測定された放出電子流密度は、980℃の陰極温度で25A/cm2 であった。

Claims (7)

  1. 陰極体と放出面を有する被覆とより成るスカンデート−ディスペンサ陰極であって、陰極体は、少なくとも1つの耐熱金属及び/又は耐熱合金からなるマトリックスと、このマトリックス材料と接触したバリウム化合物であって当該マトリックス材料との化学反応により放出面にバリウムを供給するバリウム化合物とを有し、前記被覆は、タングステン及び/又はタングステン合金からなる下層と、レニウム及び/またはレニウム合金からなる中間層と、酸化スカンジウム、酸化スカンジウムと酸化希土類金属との混合物、スカンデート及び/又はスカンジウム合金からなる上層とを含む1つまたはそれ以上の多重層を有するスカンデート−ディスペンサ陰極を有する放電管または放電ランプ。
  2. 陰極体と放出面を有する被覆とより成るスカンデート−ディスペンサ陰極であって、陰極体は、少なくとも1つの耐熱金属及び/または耐熱合金からなるマトリックスと、このマトリックス材料と接触したバリウム化合物であって当該マトリックス材料との化学反応により放出面にバリウムを供給するバリウム化合物とを有し、前記被覆は、タングステン及び/またはタングステン合金からなる下層と、レニウム及び/またはレニウム合金からなる中間層と、酸化スカンジウム、酸化スカンジウムと酸化希土類金属との混合物、スカンデート及び/又はスカンジウム合金からなる上層とを含む1つまたはそれ以上の多重層を有するスカンデート−ディスペンサ陰極。
  3. 陰極体は、スカンジウムを放出面に付与するためにスカンジウムまたはスカンジウム合金を有することを特徴とする請求項2記載のスカンデート−ディスペンサ陰極。
  4. 多重層は超微粒子より成ることを特徴とする請求項2または3記載のスカンデート−ディスペンサ陰極。
  5. 多重層はレーザ−アブレーション付着によりつくられた請求項3または4記載のスカンデート−ディスペンサ陰極。
  6. 下層、中間層及び上層は夫々5から150nmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載のスカンデート−ディスペンサ陰極。
  7. 前記被覆は、50から1000nm範囲の厚さを有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載のスカンデート−ディスペンサ陰極。
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