JP3956618B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、静電荷像現像用トナーとその製造方法に関し、さらに詳しくは、正帯電安定性に優れ、流動性、及び保存性に優れ、さらには、温度や湿度などの環境の変化や連続印字による帯電量の変動が小さく、モノクロやカラーの高画質を維持することができる静電荷像現像用トナーとその製造方法に関する。
背景技術
一般に、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置においては、均一かつ一様に帯電させた感光体上に像露光を行って静電潜像を形成し、この静電潜像に現像剤(トナー)を付着させてトナー像(可視像)とし、このトナー像を紙、OHPフィルムなどの転写材上に転写し、次いで、未定着のトナー像を加熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により、転写材上に定着させている。定着工程では、多くの場合、加熱ロール(定着ロール)と加圧ロールとの間に、トナー像を転写した転写材を通し、トナーを加熱圧着して、転写材上に融着させている。
トナーの製造方法には、大別すると、粉砕法と重合法とがある。近年、粒径制御が容易で、分級などの煩雑な製造工程を経る必要のない重合トナーが注目されるようになってきている。重合法によれば、粉砕や分級を行うことなく、所望の粒径と粒径分布を有する重合トナーを得ることができる。
ところで、感光体上の静電潜像を静電吸引力により可視像化する現像剤としては、負帯電性の現像剤と正帯電性の現像剤とがあり、現像方式あるいは感光体の種類によって使い分けられている。現像剤の帯電性を制御するには、通常、各種の帯電制御剤が使用されている。正帯電性の現像剤を用いる正帯電現像方式は、負帯電性の現像剤を用いる負帯電現像方式に比べて、一般に、感光体を帯電する時にオゾンを発生することが少なく、使用者に対して安全で、かつ、不快感を与えないので好ましい。さらに、正帯電現像方式は、小粒径でかつ粒径の揃った重合トナーと組み合わせることにより、高解像度の画像形成が可能になると期待されている。
従来より、正帯電性のトナーとしてニグロシン染料を帯電制御剤として含有したものが知られている。しかし、ニグロシン染料は、黒色であるため、カラートナーの発色に悪影響がある。
特開昭59−123852号公報には、重合性単量体とカチオン性重合体を含有するモノマー系をアニオン性分散剤を含有する分散媒中に懸濁して重合するトナーの製造方法が開示されている。しかしながら、この方法により得られる重合トナーは、カチオン性重合体が表面に集まって殻を形成するため、耐ブロッキング性に優れているものの、スリーブやブレードからの摩擦帯電によりトナーに電荷を付与する非磁性一成分現像方式等に使用すると、充分な帯電能力が得られず、カブリが発生するという欠点があった。
特開平3−15858号公報には、少なくとも極性物質と離型剤を含有する重合性単量体系を懸濁重合して得られる重合トナーにおいて、極性物質として、重量平均分子量2,000〜15,000のスチレン及び/またはα−メチルスチレンと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体を使用することにより、安定な帯電性を有する重合トナーの得られることが開示されている。しかしながら、極性物質として使用される前記共重合体を用いて得られる重合トナーは、その流動性が不充分であるために、画像がかすれたり、画像濃度が低下する。また、該重合トナーは、ブロッキングを起しやすいため、保存安定性が低い。
特開平3−175456号公報には、特定の式で表される第4級アンモニウム塩基含有共重合体の存在下に重合性単量体に着色剤を分散し、次いで、無機質系分散剤を含有する懸濁媒体中で懸濁重合する静電荷現像用トナーの製造方法が開示されている。この公報には、前記第4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量が2,000〜20,000の範囲にあることが好ましいと記載されている。また、該公報には、無機質系分散剤として、第3リン酸カルシウムを使用して重合トナーを製造した実験例が示されている。しかし、前記の第4級アンモニウム塩基含有共重合体を用いて得られる重合トナーは、流動性や保存安定性が不充分なものであり、さらに、画質の環境依存性があり、画質の耐久性も充分ではない。
このように、従来、正帯電安定性に優れるとともに、帯電量の環境安定性、流動性、保存性などに優れ、画質の環境依存性が小さく、しかもカラートナーに適した重合トナーを得ることは極めて困難であった。
発明の開示
本発明の目的は、正帯電安定性に優れ、流動性、及び保存性に優れ、さらには、温度や湿度などの環境の変化や連続印字による帯電量の変動が小さく、モノクロやカラーの高画質を維持することができる静電荷像現像用トナーとその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、重合時における水系媒体中での重合性単量体組成物の液滴の安定性に優れ、画質の環境依存性が小さく、かつ、耐久性に優れた静電荷像現像用トナーとその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、正帯電性を有し、カラー化が可能な静電荷像現像用トナーとその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、分散剤としてカチオン性無機質分散剤を使用し、かつ、帯電制御剤として特定の4級アンモニウム塩基含有共重合体を使用することにより、前記の如き諸特性に優れた重合トナーの得られることを見いだした。
本発明によれば、分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、
(a)分散剤が、カチオン性無機質分散剤であり、かつ、
(b)帯電制御剤が、ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位とを含有し、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000〜40,000で、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が1〜15重量%の4級アンモニウム塩基含有共重合体である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
さらに、本発明によれば、分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、
(1)分散剤として、カチオン性の無機質分散剤を使用し、かつ、
(2)帯電制御剤として、ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位とを含有し、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000〜40,000で、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が1〜15重量%の4級アンモニウム塩基含有共重合体を使用する
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
1.4級アンモニウム塩基含有共重合体
本発明では、静電荷像現像用トナーに正帯電性を付与するために、特定の4級アンモニウム塩基含有共重合体を使用する。この4級アンモニウム塩基含有共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位とを有する共重合体であって、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が25,000〜40,000の範囲であり、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が1〜15重量%である。
(1)ビニル芳香族炭化水素単位
本発明で使用する4級アンモニウム塩基含有共重合体中のビニル芳香族炭化水素単位は、ビニル芳香族炭化水素単量体を他の単量体と共重合させることにより、共重合体中に導入することができる。
ビニル芳香族炭化水素単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、2−イソプロピルスチレン、2−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2−メチル−α−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレン、3−エチル−α−メチルスチレン、4−エチル−α−メチルスチレン、2−プロピル−α−メチルスチレン、4−プロピル−α−メチルスチレン、2−イソプロピル−α−メチルスチレン、4−イソプロピル−α−メチルスチレン、3−クロロ−α−メチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,3−ジエチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、2−メチル−3−エチルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメチル−α−メチルスチレン、3,4−ジエチル−α−メチルスチレン、2,6−ジエチル−α−メチルスチレン、2−エチル−3−メチル−α−メチルスチレン、2−メチル−4−プロピル−α−メチルスチレン、2−クロロ−4−エチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらのビニル芳香族炭化水素単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(2)(メタ)アクリレート単位
本発明で使用する4級アンモニウム塩基含有共重合体中の(メタ)アクリレート単位は、(メタ)アクリレート単量体を共重合させることによって、共重合体中に導入することができる。
(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸エステル類;など挙げられる。これらの(メタ)アクリレート単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(3)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位
本発明で使用する4級アンモニウム塩基含有共重合体中の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位は、式(A)
〔式中、R1は、水素原子若しくはメチル基であり、R2は、下記式(a1)で表される基であり、R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子若しくは下記式(a2)で表される原子団である。〕
で表される繰り返し単位である。
式(a1)
(式中、R6及びR7は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。)
式(a2)
〔式中、R8は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、若しくはハロゲン原子であり、Aは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基またはハロゲン原子を有していてもよいフェニレン基、または炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基またはハロゲン原子を有していてもよいナフチレン基であり、Mは、SO3 −、PO3 −またはBO3 −である。〕
式(A)中、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であることが好ましい。R5は、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。Xは、ハロゲン原子、または下記式(a3)であることが好ましい。
式(a3)
(式中、R9〜R11は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、またはハロゲン原子であり、M1は、SO3 −である。)
4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位を共重合体中に導入する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
(i)ビニル芳香族炭化水素単量体と(メタ)アクリレート単量体とN,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート単量体とを重合開始剤の存在下で共重合させた後、ハロゲン化有機化合物や酸エステル化合物などの4級化剤を用いて、アミノ基を4級化する方法。
(ii)ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体、及びN,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート単量体をハロゲン化有機化合物で4級アンモニウム塩基化した単量体(以下、「ハロゲン化4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体」という)を重合開始剤の存在下で共重合させた後、有機酸またはその誘導体と反応させて塩にする方法(特開平3−175456号公報)。
(iii)ビニル芳香族炭化水素単量体単量体、(メタ)アクリレート単量体、及び4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤の存在下で共重合させて得る方法。
前記式(A)で表される4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位中、Xがハロゲンである場合には、上記(ii)の方法において、有機酸またはその誘導体との反応を必要としない。また、上記(ii)の方法により、N,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート単量体をハロゲン化有機化合物で4級アンモニウム塩基化した単量体〔ハロゲン化4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体〕を調製する方法以外に、市販のハロゲン化4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート化合物、例えば、N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド(DMC)、N−ベンジル−N,N−ジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド(DML)などを用いることができる。これらの硫酸塩、ジメチル硫酸塩、ジエチル硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩化した市販の化合物を用いることにより、有機酸またはその誘導体によるエステル化を省略することも可能である。
(4)重合開始剤
前述の方法で4級アンモニウム塩基含有共重合体を得る際に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタノイック酸)等のアゾ化合物;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等のジアミン化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸化物類;などを例示することができる。これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤も使用することができる。
重合開始剤の使用量は、目的とする共重合体の重量平均分子量に合わせて、任意に選択することができる。具体的には、重合開始剤の使用量は、単量体総重量100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。また、重合開始剤の量が、水系媒体基準で0.01重量%未満では、重合速度が遅く、10重量%超過では、分子量が低下し、トナーの保存性を下げる傾向がある。さらに、アルカリ金属、ブチルリチウム、アルカリ金属とナフタレンの反応物等のアニオン重合の開始剤による溶液重合は、分子量制御が容易なので好ましい。
(5)重合法
上述した方法において、共重合させるための重合法としては、乳化重合、分散重合、懸濁重合、溶液重合などいずれの方法であってもよいが、目的とする重量平均分子量を得やすいことから、溶液重合が特に好ましい。
各重合法で用いる溶剤または分散剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素化合物;ニトリル類、アミン類、アミド類、複素環化合物などの含窒素有機化合物;アルコール類、ケトン類、カルボン酸エステル類、エーテル類、カルボン酸類などの含酸素有機化合物;脂肪族炭化水素の塩素置換体などの含塩素有機化合物;含硫黄有機化合物などが挙げられ、これらの中から1種または2種以上を適宜選択することができる。
重合温度及び重合時間は、重合法や使用する重合開始剤の種類などにより任意に選択できる。重合温度は、通常、50〜200℃程度であり、重合時間は、通常、0.5〜20時間程度である。重合に際して、一般に知られている各種添加剤、例えば、アミンなどの重合助剤を併用することができる。重合後の反応系から共重合体を回収する方法としては、貧溶媒を加えて沈殿させる方法、スチームで溶剤を除去する方法、減圧で溶剤を除去する方法などが挙げられる。高濃度で重合して、反応混合物をそのままトナー重合系で使用する方法もある。
(6)重量平均分子量
4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量(Mw)は、25,000〜40,000、好ましくは26,000〜40,000、より好ましくは26,000〜39,000である。4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量が大きすぎると、得られる重合トナーの帯電量分布が広くなり、高温高湿で帯電が低下して、かぶりが発生しやすくなる。逆に、この重量平均分子量が小さすぎると、得られる重合トナーの流動性が不充分となり、保存性も低下する。Mwは、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
(7)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合
本発明で用いる4級アンモニウム塩基含有共重合体中の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合(以下、単に「官能基比率」ということがある)は、1〜15重量%、好ましくは3〜13重量%である。4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が大きすぎると、4級アンモニウム塩基含有共重合体を重合性単量体と混合して水系媒体中で液滴に造粒しても液滴の親水性が強いために、水系媒体中で液滴が不安定となる。その結果、得られる重合トナー粒径の分布が広くなるので、最終製品にする前に分級が必要となり、収率が低下する。
4級アンモニウム塩基含有共重合体中にビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位を導入することにより、重合トナーの重合体成分との相溶性を向上させることができる。また、これら両単位の割合を調整することにより、4級アンモニウム塩基含有共重合体のガラス転移温度を所望の範囲に制御することができ、それによって、得られる重合トナーの保存性を損なうことなく、定着温度を低くすることができるなどの利点が得られる。ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位との重量比は、通常、99:1〜50:50、好ましくは98:2〜30:70である。
各繰り返し単位(構造単位)の割合は、各単量体の仕込み比を調整することによって、任意に設定することができる。
4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量をA、4級アンモニウム塩基含有共重合体中の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートの重量%をB、そして、4級アンモニウム塩基含有共重合体の使用割合(重合性単量体100重量部に対する重量部)をCとした場合、これらの関係が、通常、2,500≦A×B×C≦1,800,000、好ましくは5,000≦A×B×C≦1,600,000、より好ましくは10,000≦A×B×C≦1,400,000であると、特に、正帯電安定性に優れ、かつ、耐久印刷時の帯電量変動による画質低下が少ない優れたトナーが得られやすい。
(8)4級アンモニウム塩基含有共重合体の配合割合
4級アンモニウム塩基含有共重合体を帯電制御剤として重合トナー中に含有させるには、懸濁重合による重合トナーの製造の際に、重合性単量体組成物中に含有させればよい。4級アンモニウム塩基含有共重合体は、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部の割合で添加する。この割合が低すぎると充分な正帯電性を得ることが難しく、高すぎると重合性単量体組成物からなる液滴の造粒安定性を低下させるので、いずれも好ましくない。
2.静電荷像現像用トナーの製造方法
本発明の静電荷像現像用トナーは、カチオン性の無機質分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤として前記4級アンモニウム塩基含有共重合体を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合することにより製造することができる。
(1)重合性単量体
本発明では、重合性単量体として、通常、モノビニル系単量体を使用する。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等が挙げられる。これらのモノビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量体または(メタ)アクリル酸の誘導体が好適に用いられる。
(2)架橋性単量体
前記ビニル系単量体とともに、架橋性単量体を併用することが、重合トナーの保存性及びホットオフセット性の改善の観点から好ましい。架橋性単量体は、2以上の重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体である。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートなどのジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテルなどのジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明では、架橋性単量体を、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
(3)マクロモノマー
本発明では、重合性単量体と共に、マクロモノマーを用いることが、低温定着性と保存性とのバランスを向上させる上で好ましい。本発明に用いるマクロモノマー(マクロマーともいう)は、分子鎖末端に重合可能な官能基(例えば、炭素−炭素二重結合のような不飽和基)を有する比較的長い線状分子である。マクロモノマーとしては、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーが好ましい。
マクロモノマーの分子鎖末端に結合するビニル重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができる。共重合のしやすさの観点から、メタクリロイル基が好適である。
本発明に用いるマクロモノマーは、重合性単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(Tg)よりも高いガラス転移温度を有するものが好適である。本発明において、Tgとは、通常の示差走査熱量計(DSC)などの測定機器で測定される値である。
マクロモノマーとしては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独で、あるいは2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー;特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に開示されているものなどを挙げることができる。これらのマクロモノマーのうち、親水性のもの、特にメタクリル酸エステル若しくはアクリル酸エステルを単独で、またはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が好適である。
マクロモノマーの使用割合は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
(4)着色剤
本発明に係るトナーの着色剤としては、特に制限されるものではなく、この用途に用いることが知られている任意の適当な顔料または染料が使用できる。具体的には、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ドーダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン系染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料、磁性粒子などを挙げることができる。
本発明では、着色剤として、カーボンブラックなどの黒色の着色剤を使用することができるが、黒色以外のカラー着色剤、例えば、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤などを好適に用いることができる。イエロー着色剤としては、ナフトールイエローSなどのニトロ顔料;ハンザイエローG、ベンジジンイエローGR、バルカンファストイエロー56、C.I.ピグメントイエロー180などのアゾ顔料;黄色酸化鉄黄土などの無機顔料;C.I.ソルベントイエロー2などの油溶性染料;等が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、C.I.ピグメントレッド122などのキナクリドン顔料;ローダミンBなどのローダミン顔料;C.I.ピグメントレッド87などのチオインジゴ顔料;ブリリアントカーミン6Bなどのアゾ顔料;C.I.ソルベントレッド49などの油溶性染料;などが挙げられる。シアン着色剤としては、ピグメントブルー15:3、フタロシアニンブルーなどのフタロシアニン顔料;C.I.ソルベントブルー25などの油溶性染料;などが挙げられる。
これらの着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。着色剤のうち、染顔料類は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の割合で用いられる。磁性粒子は、重合性単量体100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の割合で用いられる。
(5)カチオン性無機質分散剤
本発明で用いる分散剤は、カチオン性無機質分散剤である。この分散剤を使用して前記4級アンモニウム塩基含有共重合体を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合することによって、粒子形状が整い、高画質で耐久性に優れた重合トナーを得ることができる。
本発明で使用するカチオン性無機質分散剤の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物を挙げることができる。本発明では、カチオン性無機質分散剤として難水溶性金属水酸化物のコロイドが好適に用いられる。難水溶性金属水酸化化合物としては、前記の水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物などを挙げることができる。難水溶性金属水酸化物のコロイドは、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。
難水溶性金属水酸化物のコロイドは、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属との水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。コロイド粒子の粒径が大きくなると、重合の安定性が崩れ、また、重合トナーの保存性が低下する。
カチオン性無機質分散剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が0.1重量部より少ないと、重合時に充分な分散安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成しやすくなる。逆に、20重量部を超えると、水系分散媒体の粘度が上昇し、重合トナー粒径の分布が広くなるので好ましくない。
(6)ラジカル重合開始剤
本発明では、重合性単量体を重合するために、通常、ラジカル重合開始剤を使用する。ラジカル重合開始剤は、重合性単量体組成物中に添加するか、あるいは水系分散媒体中に投入して使用する。
ラジカル重合開始剤としては、前述の4級アンモニウム塩基含有共重合体を得る際に使用した開始剤と同様のものが使用できる。
これらのラジカル重合開始剤の中でも、油溶性ラジカル開始剤が好ましく、特に、10時間半減期の温度が60〜80℃、好ましくは65〜80℃で、かつ、分子量が250以下の有機過酸化物から選択される油溶性ラジカル開始剤が好ましい。油溶性ラジカル開始剤の中で、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートは、重合トナーの印字時の臭気が少ないこと、臭気などの揮発成分による環境破壊が少ないことから、特に好適である。
重合開始剤の使用量は、水系媒体基準で、通常0.001〜3重量%である。重合開始剤の使用量が0.001重量%未満では、重合速度が遅く、3重量%超過では、重量平均分子量が低下するので好ましくない。
(7)分子量調整剤
本発明においては、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
(8)離型剤
本発明では、重合性単量体組成物中に離型剤を含有させることができる。離型剤の具体例としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス;分子鎖末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子鎖末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン及びこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子鎖末端酸化低分子量ポリエチレン、分子鎖末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトリラクタムなどの石油系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラステアラート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、合成ワックス(特にフィッシャートロプシュワックス)、ポリオレフィンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスやマイクロクリスタリンワックスなどが好ましい。
離型剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜40重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で使用される。離型剤の使用量が少なすぎると、低温定着性の改善効果が小さく、多すぎると、保存性や流動性が低下する。
(9)その他の添加剤
本発明では、着色剤の均一分散などを目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを使用してもよい。このような滑剤や分散剤は、着色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
(10)懸濁重合
懸濁重合は、カチオン性無機質分散剤を含有する水系媒体中にて行う。具体的には、先ず、着色剤、重合性単量体、4級アンモニウム塩基含有共重合体、及び必要に応じて選択されるマクロモノマー、架橋性単量体、ラジカル重合開始剤、その他の添加剤を混合し、ポールミル等により均一に分散させて混合液(以下、重合性単量体組成物または原料液ということがある。)を調製する。次いで、この原料液をカチオン性無機質分散剤を含有する水系媒体中に投入して、高剪断力を有する混合装置を用いて分散することにより、微小な液滴に造粒する。しかる後、通常30〜200℃の温度で懸濁重合を行う。高剪断力を有する混合装置としては、高速回転する回転子と、それを取り囲みかつ小孔または櫛歯を有する固定子とを備えた混合装置を用い、高速回転する回転子と固定子との間隙に、原料液を含む水系分散媒体を流通させて、原料液を微小な液滴(油滴)に造粒する方法が好適である。
原料液中に予めラジカル重合開始剤を含有させなかった場合は、原料液を分散剤を含有する水系媒体中に投入した後であって、微小液滴の造粒が完了する前に、攪拌しながらラジカル重合開始剤を投入して、水系媒体中で原料液中に含有させることができる。
ラジカル重合開始剤の添加時からその後の造粒工程までの水系媒体の温度は、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲内に調整する。この温度が高すぎると、水系媒体中で部分的に早すぎる重合反応が生じてしまう。一方、この温度が低すぎると、原料液を含有する水系媒体の流動性が低下して攪拌による造粒に支障を来すおそれが生じる。
重合性単量体組成物の液滴の粒径が大きすぎると、重合トナーの粒径が大きくなりすぎて、画像の解像度が低下するようになる。該液滴の粒径分布が広いと、定着温度のバラツキが生じ、カブリ、フィルミングなどの不具合が生じるようになる。
本発明の製造方法において、重合性単量体の重合転化率が、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上となるまで懸濁重合を行う。一般に、重合転化率は、高いほど好ましく、多くの場合98%以上、特に好ましくはほぼ100%に達するまで重合反応を行う。重合転化率が低すぎると、重合トナーを熱定着したときに、残存する未反応の重合性単量体が揮発して、画像形成装置周辺の環境を悪化させる。また、重合転化率が低すぎると、4級アンモニウム塩基含有共重合体と、重合トナーを構成する重合体成分との量比が、好ましい範囲から外れるおそれが生じる。ただし、重合転化率を低くする必要がある場合は、4級アンモニウム塩基含有共重合体の添加量が、実質的に重合反応に関与する重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部の範囲になるように調整する。
本発明の製造方法においては、分散液調製用の容器で重合性単量体組成物を水系媒体に添加し、造粒して、重合性単量体組成物の微小な液滴を含む分散液を調製し、次いで、この分散液を別の容器(重合反応用容器)に移送し、該容器内で重合することが好ましい。従来の懸濁重合法のように、分散液を重合反応器で調製し、そのまま重合反応をさせる方法では、重合反応器内にスケールが生起したり、粗大粒子が多量に生成しやすくなる。
本発明では、重合トナーの保存性(耐ブロッキング性)、低温定着性、定着時での溶融性などを改善するために、上記重合によって得られた着色重合体粒子の上にシェルを形成して、コア・シェル型重合トナーとしてもよい。シェルを形成するには、前記着色重合体粒子をコア粒子とし、該コア粒子の存在下に、シェル用重合性単量体を重合して、コア粒子の表面に重合体層(シェル)を形成する。シェル用重合性単量体として、コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有する重合体を形成するものを使用すると、重合トナーの保存性を改善することができる。また、コア粒子を構成する重合体成分のTgを低く設定することにより、重合トナーの定着温度を下げたり、均一溶融性を高めたりすることができ、それによって、複写・印刷の高速化やフルカラー化、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)透過性などに良好に対応することができる。シェル用重合性単量体としては、通常、スチレンやメチルメタクリレートなどのTgが80℃を超える重合体を形成する単量体を、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用する。コア粒子を構成する重合体成分とシェル用重合性単量体からなる重合体との間のTgの差は、通常10℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。
このコア・シェル型重合トナーにおいて、コア用重合性単量体とシェル用重合性単量体との重量比は、通常40/60〜99.9/0.1、好ましくは60/40〜99.5/0.5、より好ましくは80/20〜99/1である。シェル用重合性単量体の割合が過小であると、保存性の改善効果が小さく、逆に、過大であると、定着温度の低減やOHP透過性の改善効果が小さくなる。
3.静電荷像現像用トナー
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積平均粒径が通常0.5〜20μm、好ましくは1〜15、より好ましくは3〜10μmである。重合トナーの分子量分布、すなわち体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は、通常2.0以下、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.4以下である。
本発明の重合トナーは、そのままで現像剤として使用してもよいが、通常は、流動化剤や研磨剤などの外添剤と組み合わせて現像剤とされる。外添剤を重合トナーに添加・混合すると、外添剤は、重合トナーの表面に付着する。外添剤は、重合トナーの流動性を高めたり、あるいは研磨作用により感光体上などへのトナーフィルムの形成を抑制する作用を担う。
外添削としては、無機粒子と有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどの粒子が挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル重合体でシェルがスチレン重合体で形成されたコア・シェル型粒子などが挙げられる。
これらの中でも、無機酸化物粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。外添剤を重合トナーに付着させるには、通常、外添剤と重合トナーとをヘンシェルミキサーなどの混合器に仕込み、攪拌して行う。外添剤の量は、特に限定されないが、重合トナー100重量部に対して、通常、0.2〜6重量部程度である。外添剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像剤として好適に用いられ、非磁性一成分現像方式において、正帯電安定性に優れ、かつ、温度や湿度などの環境の変化や連続印字による帯電量の変動が小さく、流動性、及び保存性に優れ、さらには、モノクロやカラーの高画質を維持することができる。また、着色剤として磁性粒子を用いることにより得られた静電荷像現像用トナーは、磁性一成分現像剤として使用することができる。本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じて、キャリア粒子を併用して、二成分現像剤として使用することも可能である。
実施例
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
以下に、物性及びトナー特性の評価方法を示す。
(1)重量平均分子量(Mw)
4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算値として求めた。具体的には、以下の方法に従った。
試料調製
試料約10mgを5mlのテトラヒドロフラン溶媒に溶解し、25℃、16時間放置後、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試料とした。
測定条件
温度:35℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
濃度:0.2重量%
試料注入量:100μl
カラム:昭和電工(株)製、ショウデックス GPC KF806M(30cm×2本)
(2)トナー粒径
重合トナーの体積平均粒径(dv)は、マルチサイザー(コールター社製)により測定した。マルチサイザーでの測定は、アパーチャー径:50μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:50,000個の条件で行った。
(3)流動性
目開きが各々150μm、75μm、及び45μmの3種の篩をこの順に上から重ね、一番上の篩上に測定する現像剤を4g精秤して載せる。次いで、この重ねた3種の篩を粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「REOSTAT」)を用いて、振動強度目盛4の条件で、15秒間振動した後、各篩上に残った現像剤の重量を測定する。各測定値を以下の式▲1▼、▲2▼及び▲3▼に入れて、a、b及びc値を算出し、次いで、これらの値を式▲4▼に入れて流動性の値を算出する。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を求めた。
算出式:
▲1▼a=〔150μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100
▲2▼b=〔75μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100×0.6
▲3▼c=〔45μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100×0.2
▲4▼流動性(%)=100−(a+b+c)
(4)保存性
現像剤を密閉可能な容器に入れて密閉した後、該容器を55℃の温度にした恒温水槽の中に沈める。一定時間経過した後、恒温水槽から容器を取り出し、容器内の現像剤を42メッシュの篩上に移す。この際、容器内での現像剤の凝集構造を破壊しないように、容器内から現像剤を静かに取り出し、かつ、注意深く篩上に移す。この篩を粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「REOSTAT」)を用いて、振動強度目盛4.5の条件で30秒間振動した後、篩上に残った現像剤の重量を測定し、凝集現像剤の重量とした。全現像剤に対する凝集現像剤の重量の割合(重量%)を算出した。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を保存性の指標とした。
(5)帯電量の環境依存性
L/L(温度10℃、相対湿度20%)及びH/H(温度35℃、相対湿度80%)の各環境下で、非磁性一成分現像方式のプリンター(4枚機)に現像剤を入れ、1昼夜放置後、ハーフトーンの印字パターンを5枚印字し、その後、現像ロール上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量と吸引量から単位重量当たりの帯電量を測定した。各環境下における帯電量の変化から、現像剤の環境変動の状況を評価した。
(6)画質の環境依存性
前述のプリンターを用いて、L/L(温度10℃、相対湿度15%)及びH/H(温度35℃、相対湿度85%)の各環境下で初期から連続印字を行い、反射濃度計(マクベス製)で印字濃度が1.3以上、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した非画像部のカブリが10%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、以下の基準で現像剤による画質の環境依存性を評価した。
○:上記画質を維持できる連続印字枚数が10,000以上、
△:上記画質を維持できる連続印字枚数が5,000以上10,000未満、
×:上記画質を維持できる連続印字枚数が5,000未満。
(7)画質の耐久性
前述のプリンターで、常温常湿(温度23℃、相対湿度50%)の環境下で初期から連続印字を行い、反射濃度計(マクベス製)で測定した印字濃度が1.3以上、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した非画像部のカブリが10%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べて、以下の基準で現像剤による画質の耐久性を評価した。
○:上記画質を維持できる連続印字枚数が10,000以上、
△:上記画質を維持できる連続印字枚数が5,000以上10,000未満、
×:上記画質を維持できる連続印字枚数が5,000未満。
[実施例1]
(1)離型剤分散液の調製
スチレン90部及び離型剤(シェル・MDS社製;商品名「FT−100」;フィッシャートロプシュワックス)10部、メディヤ型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、離型剤が均一に分散されたスチレン単量体・離型剤分散液を調製した。この分散液中の離型剤の体積平均粒径は、D50が3.3μmで、D90が7.1μmであった。この分散液の固形分濃度は、10.2%であった。
(2)4級アンモニウム塩基含有共重合体の調製
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン88部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド8部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込み、攪拌下に80℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去して、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=30,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0重量%)を得た。
(3)重合性単量体組成物の調製
前記で調製した離型剤分散液20部(離型剤2部、スチレン18部含有)、スチレン65部、n−ブチルアクリレート17部、マゼンタ顔料(ピグメントレッド122)5部、4級アンモニウム塩基含有共重合体1部、及びジビニルベンゼン0.3部を、通常の攪拌装置で攪拌、混合した後、メディア型分散機により均一に分散し、重合性単量体組成物を得た。
(4)分散剤含有水系分散媒体の調製
イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。生成したコロイドの粒径分布をSALD−2000J粒径分布測定器(島津製作所社製)を用いて測定したところ、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.37μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.81μmであった。
(5)懸濁重合
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入し、通常の攪拌機で重合性単量体組成物の液滴が均一になるまで数分間攪拌した。そこに重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日本油脂社製)4部を溶解させ、次いで、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間継続した後、反応を停止して、重合体粒子の水分散液(pH=11)を得た。
上記により得た重合体粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により水分散液のpHを約5.5にして酸洗浄(25℃、10分間)を行った。次いで、濾過及び脱水をした後、洗浄水を振りかけて水洗浄を行った。その後、乾燥器(45℃)にて2昼夜乾燥を行い、重合体粒子を得た。
(6)現像剤(トナー)
上記により得られた重合体粒子100部に疎水化処理した平均粒子径8nmのシリカ(WACKER CHEMIE 社製;商品名”HVK 2150”)1.2部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分現像剤(以下、単にトナーという)を製造した。重合体粒子(重合トナー)の体積平均粒径(dv)は7.1μmであった。
画像評価では、高温高湿(H/H)及び低温低湿(L/L)のいずれの環境下においても、色調が良く、画像濃度が高く、カブリの無い、極めて良好な画像が得られた。結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、水酸化マグネシウムコロイド分散液に代えて、負帯電のアエロジル#200をイオン交換水300部に2部分散させた分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして重合トナー及び現像剤を得た。結果を表1に示した。
(脚注)
(1)帯電制御樹脂:スチレン/ブチルアクリレート/メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド三元共重合体(4級アンモニウム塩基含有共重合体)
(2)官能基比率:4級アンモニウム塩基含有共重合体中の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の重量割合
(3)帯電制御樹脂の添加量:重合トナー形成用重合性単量体100重量部に対する4級アンモニウム塩基含有共重合体の重量部数
上記は、以下の表2〜4においても同様である。
[実施例2]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン88部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド8部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル3部を仕込み、攪拌下に85℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去して、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=26,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=26,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表2に示した。
[実施例3]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン88部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド8部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.5部を仕込み、攪拌下に78℃で10時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=38,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=38,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表2に示した。
[比較例2]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン88部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド8部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル8部を仕込み、攪拌下に78℃で10時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=16,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=16,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表2に示した。
重量平均分子量(Mw)が小さい帯電制御樹脂を用いることにより、トナーの流動性と保存性が低下し、高温高湿でかぶりが多く、また、耐久試験でも印字枚数と共にかぶりが多くなって、画像に不具合が起きていた。
[比較例3]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン88部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド8部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.3部を仕込み、攪拌下に78℃で10時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=42,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=42,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表2に示した。
重量平均分子量(Mw)が大きい帯電制御樹脂を用いることにより、帯電量が低くなり、高温高湿でかぶりが多く、また、耐久試験でも印字枚数と共にかぶりが多くなって、画像に不具合が起きていた。
[実施例4]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン90部、ブチルアクリレート7部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド3部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込み、攪拌下に80℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=31,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=3重量%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=31,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=3重量%)に代え、帯電制御樹脂の使用量も1.0部から4.0部に変え、さらにマゼンタ顔料(ピグメントレッド122)を黄色ベンズイミダゾロン顔料(ピグメントイエロー180)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表3に示した。
[実施例5]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン84部、ブチルアクリレート3部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド13部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込み、攪拌下に80℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=32,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=13重量%)を得た。
実施例4において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=32,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=13重量%)に代え、帯電制御樹脂の使用量も4.0部から1.0部に変えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表3に示した。
[比較例4]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン98部、ブチルアクリレート1.5部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド0.5部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込み、攪拌下に80℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=30,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=0.5重量%)を得た。
実施例4において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=30,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=0.5重量%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表3に示した。
[比較例5]
3リットルフラスコに、トルエン900部、スチレン80部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド16部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込み、攪拌下に80℃で8時間反応後、減圧蒸留により溶剤を除去し、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=32,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=16重量%)を得た。
実施例5において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=32,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=16重量%)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表3に示した。
[実施例6]
実施例1と同様にして、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=31,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.1重量%)を得た。
実施例1において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=31,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.1重量%)に代え、帯電制御樹脂の使用量も1.0部から0.3部に代え、さらにマゼンタ顔料をシアン顔料(ピグメントブルー15:3)に代えたこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表4に示した。
[実施例7]
実施例1と同様にして、4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=30,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0重量%)を得た。
実施例6において、帯電制御樹脂を上記4級アンモニウム塩基含有共重合体(Mw=30,000、4級アンモニウム塩基含有単量体単位=8.0重量%)に代え、帯電制御樹脂の使用量も0.3部から3.0部に代えこと以外は、同様にして重合トナー及び現像剤を得た。評価結果を表4に示した。
産業上の利用可能性
本発明によれば、正帯電安定性に優れ、かつ、帯電量の環境安定性、流動性、及び保存性に優れ、さらには、温度や湿度などの環境の変化や連続印字による帯電量の変動が小さく、モノクロやカラーの高画質を維持することができる静電荷像現像用トナーが提供される。本発明の静電荷像現像用トナーは、低温低湿下及び高温高湿下のいずれの環境においても、帯電量があまり変化せず、画質の低下が殆ど見られない。本発明の静電荷像現像用トナーは、特にカラートナーとして非常に優れた諸特性を示す。
したがって、本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像方式の複写機やプリンター、フルカラー複写機などに好適に使用することができる。
Claims (11)
- 分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、
(a)分散剤が、カチオン性無機質分散剤であり、かつ、
(b)帯電制御剤が、ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位とを含有し、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000〜40,000で、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が1〜15重量%の4級アンモニウム塩基含有共重合体である
ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 4級アンモニウム塩基含有共重合体の含有割合が、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 4級アンモニウム塩基含有共重合体中のビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位との重量比が、99:1〜50:50である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- カチオン性無機質分散剤が、難水溶性金属水酸化物のコロイドである請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤が、黒色以外のカラー着色剤である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 分散剤を含有する水系媒体中で、少なくとも着色剤、重合性単量体、及び帯電制御剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、
(1)分散剤として、カチオン性無機質分散剤を使用し、かつ、
(2)帯電制御剤として、ビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位とを含有し、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000〜40,000で、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が1〜15重量%の4級アンモニウム塩基含有共重合体を使用する
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 4級アンモニウム塩基含有共重合体の含有割合が、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部である請求項6記載の製造方法。
- 4級アンモニウム塩基含有共重合体中のビニル芳香族炭化水素単位と(メタ)アクリレート単位との重量比が、99:1〜50:50である請求項6記載の製造方法。
- カチオン性無機質分散剤が、難水溶性金属水酸化物のコロイドである請求項6記載の製造方法。
- 難水溶性金属水酸化物のコロイドが、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下のコロイド粒子として水系媒体中に分散しているものである請求項9記載の製造方法。
- 着色剤が、黒色以外のカラー着色剤である請求項6記載の製造方法。
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