JP3956422B2 - 3−5族化合物半導体チップの製造方法 - Google Patents

3−5族化合物半導体チップの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は青色から赤色の発光ダイオード、紫外線もしくは青色領域の波長を有する半導体レーザー等の発光素子、紫外線から青色領域の波長に高い感度を有する受光素子等に利用される窒化物系3−5族化合物半導体の積層構造よりなるエピタキシャル基板を半導体チップに分割する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、窒化物系3−5族化合物半導体は、バルク基板が利用できないため、やむをえず格子定数や熱膨張係数の異なる種々の材料を基板に用いていわゆるヘテロエピタキシャル成長を行って作製されている。なかでも大面積の良好な結晶品質のものが得られるサファイア基板が主に用いられている。しかし、サファイア基板は、劈開性が乏しいため、従来のホモエピタキシャル成長で劈開しやすい同一の結晶上に作製していたGaP、GaAs系半導体の分割に通常用いられるダイシング法やスクライビング法によるチップへの分割が困難である。
【0003】
ダイシング法は、刃先をダイヤモンドとするブレードの回転運動によりエピタキシャル基板に溝を切り込む(ハーフカット)かまたは直接切断する方法である。この方法では、ダイシング部分のサファイア基板にクラック、チッピングが入ったり、半導体結晶が基板から剥がれる等の不具合が生じやすく、また機械的な力により半導体結晶に損傷が発生するという問題があった。
【0004】
スクライビング法は、ダイヤモンド針の直線運動によりエピタキシャル基板上に細いスクライブラインを引き、外力でエピタキシャル基板を割る方法である。この方法は、ダイシング法よりも素子間隔を小さくできるため、エピタキシャル基板から作製できるチップの数が多くなるため、素子製造の効率が優れている。しかし、スクライビング法を、劈開性の乏しいサファイア基板に適用すると、基板が斜めに割れやすくなるという欠点があり、またダイシングと同様に機械的な力による半導体結晶の損傷が発生するため、素子作製の歩留まりが低下するという問題があった。
【0005】
そこで、スクライビング法による基板分割の歩留まりを上げるために、サファイア基板を研磨して200μm程度の薄さにすることによって、スクライビングの後の分割時に基板が表面に直角に割れるようにするという方法が開示されている(特開平5−315646号公報)。しかしながら、この方法によっても、スクライビングによる機械的な力によって生じる、半導体結晶の損傷は回避できないため依然として、歩留まりが低かった。
【0006】
これを避けるため、ドライエッチングにより半導体結晶の一部を除去してサファイア基板を露出させた第1の割り溝を形成し、この露出したサファイア基板の中に第2の割り溝をスクライビングによって形成し、しかる後に分割するという方法が開示されている(特開平7−142763号公報)。この方法によれば、スクライビングの際にかかる機械的な力がサファイア基板だけに加わるために半導体結晶の損傷を回避できる。しかしながら、この方法では第1の割り溝を形成するときに、ドライエッチングによる損傷が発生するため、依然として素子歩留まりが低下するという問題があった。また、一般にドライエッチング損傷を軽減させるようなエッチング条件では、ドライエッチング速度が低くなるために、半導体結晶を除去するのに要する時間が極端に長くなるという欠点があり実用的ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基板分割工程における半導体結晶の損傷の発生を抑え、歩留まりを向上させることのできる3−5族化合物半導体チップの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような事情をみて鋭意検討した結果、特定の湿式エッチャントを用いることにより、エッチングによるダメージを発生させることなく窒化物系3−5族化合物半導体を短時間で容易に除去することが可能であり、この除去部分をスクライビングすることにより、半導体結晶に損傷を与えることなく歩留まり良くチップに分割できることを見出し本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、サファイア基板上に作製された一般式InxGayAlzN(x+y+z=1,0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族化合物半導体の積層構造を有するエピタキシャル基板を分割して、半導体チップを製造する方法において、ウェットエッチング法を用いて該化合物半導体の一部を除去しサファイア基板が露出した割り溝を形成し、該割り溝をスクライビングする工程を有する3−5族化合物半導体チップの製造方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明における窒化物系3−5族化合物半導体とは、一般式InxGayAlzN(x+y+z=1,0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)で表される半導体である。
本発明は、窒化物系3−5族化合物半導体の一部を除去し、基板を露出させた割り溝を形成させるために行なうウェットエッチングに、以下に述べる2種類の物質群の中のものから選ばれたエッチング剤を用いることを特徴とする。
【0011】
第1の物質群は、PO4、PO3、PO2、P27、P26もしくはP413を分子式中に含む化合物の溶融塩である。第2の物質群はSO4、SO3、S24、S23、S27、S28もしくはSO8を分子式中に含む化合物の溶融塩である。第1の物質群の中の化合物と第2の物質群の中の化合物との混合物の溶融塩を用いてもよい。
【0012】
第1の物質群の例として、リン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)、リン酸水素2アンモニウム(NH42HPO4)、リン酸アンモニウム3水和物(( NH43PO4・3H2O)、メタリン酸((HPO3n)、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、2リン酸(H427)、次リン酸(H426)、ポクリン酸(H6413)などを好ましく用いることができる。なかでもリン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)、メタリン酸(HPO3nが好ましい。
【0013】
また、第2の物質群の例として、硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)、亜硫酸アンモニウム((NH42SO3)、亜硫酸水素アンモニウム(NH4HSO3)、アミド硫酸アンモニウム((NH4SO3NH2)などを好ましく用いることができる。なかでも硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)が好ましい。
【0014】
以上のエッチング剤を用いると、GaNだけでなくGaN以外の窒化物系3−5族化合物半導体をウェットエッチングすることができる。このエッチング剤の特徴は、窒化物系3−5族化合物半導体に特有の高密度の転位等の結晶欠陥を介してエッチングが進行してゆくことである。このためエッチングの初期にはエッチピットが形成され、これがエッチングの進行に伴い、横方向に拡大してゆく。拡大したエッチピット同士がつながり結晶表面がなくなると、実質的に表面全体を掘り下げエッチングしたのと同じ状態になる。
【0015】
エッチピット形状は、結晶の対称性を反映したものになる。六方晶系の対称性を有する窒化物系3−5族化合物半導体は通常、[0001]方向に成長するので、エッチピットは、六角形の形状になる。
六角形のエッチピットの立体形状は、用いるエッチング剤の組成によって六角錐型の孔または六角柱型の孔にすることができるが、中でも六角柱型の孔を利用するのが好ましい。
【0016】
六角柱型のエッチピットでは、孔の径をエッチング条件によりある程度制御できる。孔の径は、0.01μm〜10μm程度の範囲で調整できる。六角柱型のエッチピットは、半導体薄膜内部のある深さで深さ方向のエッチング速度が小さくなり、主に横方向のエッチングによって拡大するために、半導体結晶を貫通しない場合が多い。このため基板表面に平行な底面ができる場合が多い。このため六角柱型のエッチピットを横方向に拡大させ互いにつながるようにすると、実質的なエッチングが可能となり、広い面積にわたって内部の層が露出できる。一般に、六角柱型のエッチピットの深さは、エッチピットによってまちまちであるため、エッチピットのつながった部分に段差が生じ、エッチング面には凹凸が残った状態となる。しかし、このようにしてできた内部の層の露出部には、ドライエッチング等で生じるダメージがなく、通常の方法で良好な注入特性をもつ電極を形成することができる。したがってエッチング面の凹凸は素子作製上問題にはならない。
【0017】
エッチピットの立体形状は、エッチャント組成、窒化物系3−5族化合物半導体の結晶品質、伝導性等によって主に影響を受ける。
【0018】
窒化物系3−5族化合物半導体結晶の伝導性に関しては、n型不純物またはp型不純物をドーピングして高い伝導性を有する結晶の方が、不純物ドーピングを行わず高抵抗の結晶よりも、六角柱型エッチピットができやすい傾向がある。
高抵抗の結晶では、六角錐型のエッチピットができやすく、エッチピットの横方向の拡大速度も導電性の高い結晶に比べて遅いため、広い面積にわたって実質的なエッチングを行うことが難しい。
【0019】
通常、LEDや半導体レーザーなどの発光素子や受光素子は、電極からの電荷の注入をよくするため、また電流経路を発光面(受光面)に均一に広げるために、活性層や特殊な機能をもたせるために導入した一部の層を除けば、ほとんどの層は高い導電性を有する層で占められる。このため、本発明におけるウェットエッチング法は、実用的な発光素子や受光素子の構造に対して有効に作用し、六角柱型のエッチピットを形成してエッチングを行うことができる。
【0020】
六角柱型エッチピットは、第1の物質群を用いた場合の方が、第2の物質群を用いる場合よりもできやすい。第2の物質群は、エッチング速度を早める働きがあり、特に深さ方向のエッチング速度を速める働きがある。このため、窒化物系3−5族化合物半導体を完全に除去し、基板を露出させる目的に用いる場合には、第2の物質群を第1の物質群と混合して用いることが好ましい。
【0021】
六角柱型のエッチピットを形成させるための好ましい条件は、第1の物質群のリン(P)と第2の物質群のイオウ(S)の合計モル数に対するリンのモル分率が20%以上100%以下の範囲である。さらに好ましくは50%以上100%以下の範囲である。リン(P)とイオウ(S)の合計モル数に対するリン(P)のモル分率が20%未満の場合には、六角錐型のエッチピットが形成されやすいので好ましくない。
【0022】
ウェットエッチングの好ましい温度は、180℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは200℃以上350℃以下である。エッチング温度が180℃より低いと、エッチング剤が溶融せずエッチングできない場合があるので好ましくない。また、エッチング温度が400℃より高いとエッチングが進行しすぎてマスクでカバーされた領域までオーバーエッチングが進む場合があるため好ましくない。
【0023】
ウェットエッチングの好ましい時間は、エッチング温度に依存するが、10秒以上3時間以下である。10秒未満では、エッチングの制御が難しいので好ましくない。また、3時間より長いとプロセス時間が長くなるので実用的でなく好ましくない。
【0024】
所望の場所だけエッチングするためには、マスクが必要となる。好ましいマスク材料としては、エッチング剤によって溶解されない金(Au)、白金(Pt)等の貴金属単体、またはこれらを主として含む金属積層膜または合金、あるいはSiO2、Si34などを好適に用いることができる。これらの中で、金(Au)、白金(Pt)等の貴金属を主として含む金属積層膜または合金は、窒化物系3−5族化合物半導体のp電極に利用できるものが含まれる。窒化物系3−5族化合物半導体に形成されたp電極パターンをそのままエッチングの際のマスクとして利用することも可能である。p電極パターンをマスクとして利用することにより、半導体素子作製プロセスの一部を簡素化することができる。
【0025】
マスクとして利用できるp電極材料の例としては、仕事関数が比較的大きな金属と貴金属との積層構造、または合金が挙げられる。具体的にはNi、Co、Ge、Pdの少なくとも1つと、AuもしくはPtとの積層構造または合金が挙げられる。また別の例としてはGaN結晶中でアクセプタ準位を形成する金属と貴金属との積層構造または合金が挙げられる。具体的にはMg、Ca、Zn、Cd、Beの少なくとも1つの金属と貴金属との積層構造または合金が挙げられる。
【0026】
本発明は、以上述べたウェットエッチング法を利用して、窒化物系3−5族化合物半導体エピタキシャル基板の一部を除去して、基板の露出した割り溝を形成し、つぎに基板の露出した割り溝の内部に、スクライビングを行う工程を有することを特徴とする。
例えば、LED用エピタキシャル基板の場合、ウェットエッチングによって、図1に示す、幅20μmの直線状の割り溝が基板のx、y方向に繰り返し作製されたパターンを形成する。次に、この割り溝の中心線を通るように、スクライバーによってx、y方向にスクライブラインを入れる。次にエピタキシャル基板をローラー等で機械的に分割することによって、チップサイズ350μm×350μmのチップが得られる。
【0027】
本発明におけるウェットエッチングによれば、短時間で割り溝を形成することができる。しかも、従来のドライエッチングを利用した場合に問題となっていた半導体結晶の損傷が生じることがない。また、ウェットエッチングによって、基板の露出した割り溝を形成するので、次のスクライビング工程においてダイヤモンド針は、基板に直接あたり、半導体結晶に機械的圧力が及ばないため半導体結晶に損傷を発生させることがない。このため、従来の基板分割工程で問題となっていた歩留まり低下を回避することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例によりさらに本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
図1に示すLED構造をサファイア(0001)基板1上にMOCVD法で作製した(工程1)。サファイア基板側から、n型層2、活性領域3、p型層4と順次積層した構造である。図には示してないが、n型層2は基板側から、500Åのバッファ層、3μmのSiドープn型GaN層、2000ÅのアンドープGaN層からなる。また、活性領域3は、50ÅのIn0.3Ga0.7N発光層、300ÅのAl0.2Ga0.8N保護層からなる。p型層は、2000ÅのMgドープGaN層からなる構造である。
【0029】
まずトリメチルガリウム((CH48Ga、以下TMGと略記する場合がある。)とアンモニアを原料とし、キャリアガスとして水素を用いて、550℃でGaNバッファ層を500Å成長した。次に1100℃に昇温した後、TMG、アンモニアおよびドーパントとしてシラン(SiH4)を用いてn型GaN層を3μm成長した。引き続いて、シランの供給を止めてアンドープGaN層を2000Å成長した。
【0030】
次に785℃に降温し、キャリアガスを窒素とし、トリエチルガリウム((C253Ga、以下TEGと略記する場合がある。)、トリメチルインジウム((CH43In、以下TMIと略記する場合がある。)、アンモニアを用いて量子井戸発光層である厚さ50ÅのIn0.3Ga0.7N層を成長した。引き続いてTEG、トリエチルアルミニウム((C253Al、以下TEAと略記する場合がある。)、アンモニアを用いてAl0.2Ga0.8N層を300Å成長した。
次に再び1100℃に昇温した後、TMG、アンモニア、p型ドーパント原料としてビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((C25542Mg、以下EtCp2Mgと記することがある。)を用いて、p型GaN層を2000Å成長した。
成長終了後、基板を取り出し、窒素中800℃で熱処理を行ない、p型GaN層4を低抵抗のp型層とした。
【0031】
エピタキシャル基板表面を水酸化ナトリウムと過酸化水素水の混合溶液で洗浄、乾燥した後、真空蒸着法によりMg、Auをそれぞれ200Å、1000Å形成した。次にMg−Au上にフォトリソグラフィー技術により碁盤目状のレジストパターンを形成し、王水を3倍に希釈した溶液によるエッチングでMg−Auの一部を除去しMg−Auマスクパターン(工程2。図5(断面図)に示す。)を形成した。
次に、エピタキシャル基板を、あらかじめ電気炉中で280℃に加熱溶融しておいた、リン酸2水素アンモニウムと硫酸水素アンモニウムの混合塩の入ったPt皿のなかに15分間浸積し、ウェットエッチングを行った。リン酸2水素アンモニウムと硫酸水素アンモニウムのモル混合比は9:1である。
【0032】
エッチング終了後、溶融塩から取り出したエピタキシャル基板を純水で洗浄、乾燥した後光学顕微鏡でパターンを確認し、触針式の段差測定装置でサファイア基板までエッチングされていることを確認した。こうしてサファイア基板が碁盤目状に露出した割り溝6を形成した(工程3。図3(断面図)、図9(平面図)に示す。)
【0033】
次に、フォトリソグラフィー技術により、先にウェットエッチングのマスクとして用いたMg−Au5の上に、LEDのp電極パターンをレジストで形成し、王水を3倍に希釈した溶液によるエッチングでMg−Auの一部を除去しMg−Auからなるp電極パターンを作製した(工程4。図4(断面図)に示す。)。次に、このp電極をマスクとして、リン酸2水素アンモニウムの溶融塩によるウェットエッチングをおこない、n型層を一部露出させた。エッチング条件は280℃、15分である。エッチング終了後、エピタキシャル基板を純水で洗浄、乾燥した後、光学顕微鏡でパターンを確認したところ、多数の六角柱型エッチピットのつながった凹凸の多い特有のエッチング面のパターンがみられ、n型層の途中までエッチングされた状態であった(工程5。図5(断面図)、図10(平面図)に示す。)。
【0034】
次に、フォトリソグラフィー技術により、露出させたn型層の表面にn電極を形成するためのレジストパターンを形成した。真空蒸着によりAlを3000Å形成した後、リフトオフにより不要部分のAlを除去し、Alからなるn電極8を形成した(工程6。図6(断面図)、図11(平面図)に示す。)。
【0035】
こうしてLEDを作製したエピタキシャル基板の裏面(サファイア基板側)を研磨して薄くし、約200μmの厚さにした。次にこのエピタキシャル基板を、粘着シートに張り付け、スクライバーによって最初のウェットエッチングで形成した碁盤目状の割り溝6の中心線にそって、x方向、y方向に繰り返しスクライビングを行いスクライブライン9を入れた(工程7。図7(断面図)、図12(平面図)に示す。)。次に、スクライビングの終わったエピタキシャル基板をゴムローラーに通し分割し、多数の半導体チップを得た(工程8。図8(断面図)に示す。)。
【0036】
マイクロプローバーによりp電極側に正、n電極側に負のバイアスをかけ、20mAの順方向電流を流し、半導体チップの点灯試験を行ったところ、エピタキシャル基板周辺の1mm程度の領域を除いて、チップが明瞭な青色の発光を示した歩留まりは95%であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の3−5族化合物半導体チップの製造方法によれば、窒化物系3−5族化合物半導体結晶に損傷を生じさせることなく、短時間にエッチングができて、基板の一部が露出した割り溝を形成することができる。このため、ダイヤモンド針を直接基板にあててスクライビングできるので、チップに分割する際にも、半導体結晶に機械的損傷を生じさせないことが可能である。本発明の方法によれば、エピタキシャル基板を半導体チップに分割する工程で結晶に損傷が入らないため、この工程の歩留まりを飛躍的に高めることが可能であり、工業的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の工程1における試料の断面図
【図2】実施例1の工程2における試料の断面図
【図3】実施例1の工程3における試料の断面図
【図4】実施例1の工程4における試料の断面図
【図5】実施例1の工程5における試料の断面図
【図6】実施例1の工程6における試料の断面図
【図7】実施例1の工程7における試料の断面図
【図8】実施例1の工程8における試料の断面図
【図9】実施例1の工程3における試料の平面図
【図10】実施例1の工程5における試料の平面図
【図11】実施例1の工程6における試料の平面図
【図12】実施例1の工程7における試料の平面図
【符号の説明】
1...基板
2...n型層
3...活性領域
4...p型層
5...マスク(p電極)
6...ウェットエッチングにより形成した割り溝
7...ウェットエッチングにより露出させたn層
8...n電極
9...スクライブライン
10...基板切断面

Claims (2)

  1. サファイア基板上に作製された一般式InxGayAlzN(x+y+z=1,0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族化合物半導体の積層構造を有するエピタキシャル基板を分割して、半導体チップを製造する方法において、ウェットエッチング法を用いて該化合物半導体の一部を除去しサファイア基板が露出した割り溝を形成し、該割り溝をスクライビングする工程を有し、
    かつ該ウェットエッチングに用いるエッチング剤が、(1)PO 4 、PO 3 、PO 2 、P 2 7 、P 2 6 もしくはP 4 13 を分子式中に含む化合物の溶融塩、
    または(2)前記の(1)の化合物群中の化合物とSO 4 、SO 3 、S 2 4 、S 2 3 、S 2 7 、S 2 8 もしくはSO 8 を分子式中に含む化合物との混合物の溶融塩である
    ことを特徴とする3−5族化合物半導体チップの製造方法。
  2. PO 4 、PO 3 、PO 2 、P 2 7 、P 2 6 もしくはP 4 13 を分子式中に含む化合物のリン(P)とSO 4 、SO 3 、S 2 4 、S 2 3 、S 2 7 、S 2 8 もしくはSO 8 を分子式中に含む化合物のイオウ(S)の合計モル数に対するリンのモル分率が20%以上100%以下の範囲である請求項1記載の3−5族化合物半導体チップの製造方法。
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