JP3954269B2 - 医療器具収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、医療器具収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血液透析、人工肺等における血液体外循環回路は、主にチューブのような長尺の医療器具で構成され、使用の都度、現場(透析室、手術室等)において開封され、例えば、ローラーポンプ、遠心ポンプ等の血液循環装置に装着して使用される。
【0003】
このチューブは、その内部に、患者の血液を循環させるため、病原菌が通過しない材料で構成された密封容器に収納され、高圧蒸気滅菌やエチレンオキサイドガスによって滅菌処理が施されている。
【0004】
ところが、このようなチューブは、血液循環装置と接続する際に、密封容器を開封し、血液体外循環回路を接続・準備するため、技師等の手が触れたチューブ表面は、病原菌が付着している恐れのある状態(不潔域)となってしまう。
【0005】
特に、患者の血管に直接挿入されている血液導出入用嘴管(カニューレ、カテーテルと呼ばれる)に接続されるチューブ末端付近、すなわち、術野側に配置されるチューブの末端付近は、その表面が直接患者の術創や術者の手等に触れるため、病原菌が付着した場合、病原菌が患者の体内に侵入し、患者に重篤な感染症等を引き起こす恐れがある。
【0006】
このようなことから、チューブには、例えば内袋や不織布等の包装体で包装し、さらに、密封容器に収納されているものがある。このような構成にすることにより、密封容器の開封後においても、術野側に配置されるチューブの末端付近の表面が不潔にならないようにしている。しかし、このような密封容器では、チューブの取り出し操作の煩雑さや、チューブ内部に充填液を満たして気泡を除去する操作の際の外部からの視認性等に問題がある。
【0007】
これらの問題を改善するために、透明なフタと、チューブを収納するトレーとで構成される医療器具収納容器が用いられるようになっている。
【0008】
しかしながら、この従来の医療器具収納容器においても、次のような問題点がある。
【0009】
医療器具収納容器のトレーは、板状の底部と、底部から立設された外周を囲む壁部とで構成され、チューブは、トレーの底部に接して収納されている。このため、チューブのトレーからの取り出し操作に際し、術者は、壁部越しにチューブを把持しなければならず、この操作を容易に行うことが困難な場合がある。
【0010】
また、トレーには、収納されたチューブを固定するために、固定部材が用いられている。この固定部材は、そのほぼ中央部に、チューブが挿通可能な孔を設け、この孔と固定部材外とをスリットで連結する構成となっている。チューブは、固定部材にスリットを介して挿入され、この状態でトレーに固定される。したがって、チューブをトレーから取り出した場合、チューブは、固定部材に挿通された状態でトレーから取り出される。このため、改めて、固定部材をチューブから取り除く操作を行う必要があり、チューブのトレーからの取り出し操作を容易に行うことが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、医療器具の取り出しを、衛生的かつ容易に行える医療器具収納容器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0013】
(1) 長尺の医療器具を収納する収納空間を有するトレーと、
前記トレーに被せられるフタとを備える医療器具収納容器であって、
前記トレーは、その一部が回動して、前記収納空間内に収納された前記医療器具の一部を前記収納空間外に露出させることができる回動部を有し、
前記トレーの外周壁には、前記医療器具が通過可能な少なくとも1つの切欠部が形成され、
前記医療器具の一部を挟持し、かつ、前記切欠部を封止するよう設置される少なくとも1つの挟持部材を有することを特徴とする医療器具収納容器。
【0014】
(2) 前記回動部を回動操作する操作部材を有する上記(1)に記載の医療器具収納容器。
【0015】
(3) 前記トレーは、底部と該底部から立設された外周壁とで構成され、前記回動部は、前記底部に設けられている上記(1)または(2)に記載の医療器具収納容器。
【0016】
(4) 前記外周壁は、前記回動部の両端が位置する付近に欠損部を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療器具収納容器。
【0017】
(5) 前記トレーと前記挟持部材を連結する連結部材を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療器具収納容器。
【0018】
(6) 前記フタは、前記トレーの前記切欠部に対応する位置に、前記医療器具が通過可能な通過部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療器具収納容器。
【0019】
(7) 前記医療器具は、血液体外循環回路を構成するチューブである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療器具収納容器。
【0025】
また、前記回動部は、回動角度が90°以上で回動するのが好ましい。
また、前記操作部材は、少なくとも前記トレーの内面に手を触れることなく、前記回動部を回動させることができるものであるのが好ましい。
【0026】
また、前記操作部材は、医療器具収納容器を懸吊する吊り具としても機能するのが好ましい。
【0027】
また、前記トレーおよび/または前記フタに、前記収納空間内での前記医療器具の移動を規制する規制部材が設けられているのが好ましい。
また、前記挟持部材は、弾性材料で構成されるのが好ましい。
【0028】
また、前記切欠部は、その縁部に沿って溝が形成され、前記挟持部材は、前記溝に嵌合することにより、前記切欠部に保持されているのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の医療器具収納容器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1〜図3は、それぞれ、本発明の医療器具収納容器の第1実施形態を示す全体斜視図である。このうち、図1は、トレーにフタを被せた状態を示し、図2は、トレーからフタを外した状態を示し、図3は、トレーを折り曲げた状態を示す。また、図4〜6は、本発明の医療器具収納容器の第1実施形態の後方の構成を示す拡大図である。このうち、図4は、トレーに挟持部材を設置する前の状態を示し、図5は、トレーに挟持部材を設置した後の状態を示し、図6は、挟持部材にチューブを挟持させた状態を示す。以下の説明では、図1〜図3中の右手前側を「前」または「前方」、左手奥側を「後」または「後方」と言う。
【0031】
図1〜図3に示す本発明の医療器具収納容器1は、トレー2と、このトレー2に被せられるフタ3と、トレー2に対して着脱自在に設置された挟持部材5とを備えている。以下、各構成要素について説明する。
【0032】
トレー2は、例えば、血液体外循環回路の1部を構成する長尺の医療器具であるチューブ4を収納するものである。このトレー2は、板状の底部22と底部22から立設して外周を囲む壁部23とで構成されている。これら底部22と壁部23とで収納空間21が画成され、この収納空間21内に、前記のチューブ4が収納されている。
【0033】
ところで、チューブ4は、例えば、患者の血管等に直接接続される部分であるため、病原菌が付着するようなことが有ってはならない。このため、医療器具収納容器1は、図1に示すような状態、すなわち、トレー2(収納空間21)内にチューブ4を収納し、フタ3が被せられた状態で滅菌処理が施されている。そして、トレー2には、チューブ4を患者の血管等に接続される直前まで、フタ3が被せられている。したがって、トレー2のフタ3で覆われる部分は、トレー2からフタ3が取り外されるまで無菌状態が維持される部分(以下、「清潔部」と言う。)である。
【0034】
一方、チューブ4の端部41a、41b、トレー2の底部22の外周部(壁部23より外側に突出した部分)および下面は、チューブ4を、例えば、患者の血管等に接続するのに先立ち、血液循環装置とチューブ4とを接続操作するために、技師等が手等を触れる部分である。このため、このような部分には、前記の病原菌が付着している恐れがある。以下、このような部分、すなわち、フタ3で覆われていないトレー2の部分を、「不潔部」と言う。
【0035】
底部22の前方側には、その長手方向の軸とほぼ直交する方向(図2中ほぼ上下方向)に折り曲げ部24が形成されている。この折り曲げ部24は、トレー2の前方側を回動させ、収納空間21内に収納されたチューブ4の一部を、収納空間21外に露出させることができる回動部である。
【0036】
仮に、折り曲げ部24が設けられていない医療器具収納容器1では、チューブ4と患者の血管等とを接続する操作の際に、術者に向かって、前記の不潔部が差し出される。このため、例えば、術者の手等が不潔部に接触し、病原菌が付着する恐れがある。これに気付いた場合には、再度手洗いの実施、手袋の交換等が行なわれる。しかし、これに気付かず手術に臨んだ場合には、患者に病原菌が侵入(感染)し、重篤な感染症等を招く恐れがある。また、このような医療器具収納容器1では、トレー2の外周壁が邪魔となり、チューブ4を容易に取り出すことが困難である。
【0037】
これに対し、本発明の医療器具収納容器1では、チューブ4を患者の血管等に接続する操作の際に、図3に示すように、折り曲げ部24において、トレー2の前方側を回動させることにより、清潔部、すなわち、底部22の上面および壁部23の内面を、術者に向かって差し出すことができる。このため、術者の手等が、不潔部に接触することを確実に防止できる。また、このような医療器具収納容器1では、チューブ4の一部が収納空間21内から露出しているため、チューブ4を容易に収納空間21内から取り出すことができ、誤って、掴み損ねることもない。
【0038】
折り曲げ(回動)角度としては、特に限定されないが、例えば、図3に示す角度θが90°以上であるのが好ましい。これにより、不潔部(特に、底部22のの外周部の前方側)を、術者から遠ざけることができるため、術者の手等に病原菌が付着するのをより確実に防止できる。
【0039】
底部22の前方の端部付近には、一対の孔25、25が形成され、これらの孔25、25には、ヒモ(またはベルト)26が固定されている。このヒモ26は、折り曲げ部24を回動操作する操作部材である。ヒモ26を、トレー2の下方、さらに後方に向かって引くと、トレー2の前方側は、折り曲げ部24を中心として回動する。このとき、チューブ4の一部は、収納空間21内から露出する。また、この操作は、術者以外の者(例えば、技師等)が壁部23の内面に手を触れることなく行うことができる。このため、収納空間21内に病原菌が付着するのを、より確実に防止することができる。
【0040】
さらに、このようなヒモ26は、操作部材として使用できるだけでなく、例えば、図1に示す状態で、すなわち、チューブ4を収納空間21内に収納し、トレー2にフタ3を被せた状態で、例えば血液循環装置に設けられたポール、ハンガー等に懸吊しておくための吊り具としても使用することができる。
【0041】
また、底部22には、そのほぼ中央部に、4つの板状の凸部27が立設されている。これらの凸部27は、チューブ4の収納空間21内での移動を規制する規制部材である。これらの凸部27は、ループ状に巻いて収納されるチューブ4のループ内側に係止し、チューブ4を収納空間21内に固定している。
【0042】
なお、凸部27の構成は、図示のものに限定されず、例えば、円筒状や円柱状に形成されてもよい。また、図示の構成では、凸部27は、トレー2のみに形成されているが、トレー2には形成せず、フタ3のみに形成されたものであってもよい。また、凸部27は、トレー2およびフタ3の双方に形成され、トレー2にフタ3を被せた状態で、これらの対向する面同士が当接するような構成であってもよい。
【0043】
また、壁部23は、前面23a、2つの側面23b、23bおよび後面23cで構成され、これらの側面23bには、それぞれ、折り曲げ部24の両端が位置する付近に欠損部28、28が形成されている。これにより、折り曲げ部24の回動操作をより確実に行うことができる。
【0044】
また、後面23cには、図2および図3中上から下に向かって切り欠かれた二つの切欠部29、29が形成されている。これらの切欠部29には、それぞれ、後に詳述する挟持部材5、5が着脱自在に設置されている。
【0045】
フタ3は、トレー2に被せられるものである。このフタ3を、チューブ4を使用する直前まで、トレー2に被せておくことにより、収納空間21内(清潔部)は、病原菌の付着をより確実に防止することができる。
【0046】
フタ3は、板状の被せ部31と、被せ部31の外周を囲む外周壁32とを備え、内部の視認性を確保するために、好ましくは透明(無色透明または着色透明)の部材で構成されている。
【0047】
また、外周壁32には、前記トレー2の2つの切欠部29、29に対応する位置に、それぞれ、図2中下から上に向かって、通過部33、33が形成されている。トレー2にフタ3を被せたとき、チューブ4は、通過部33と前記切欠部29で囲まれる部分を、通過するようにトレー2に収納されている。
【0048】
このようなトレー2およびフタ3の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0049】
収納空間21内に収納されるチューブ4は、血液体外循環回路の一部を構成するものである。このチューブ4は、可撓性を有する管体で構成されている。
【0050】
チューブ4は、ループ状に巻かれて凸部27に係止し、その端部41a、41bが収納空間21外に位置するように、トレー2に収納されている。これらの端部41a、41bは、チューブ4を血液循環装置に接続操作する際に、技師等が手等で把持する部分である。
【0051】
また、これらの端部41a、41bの末端は、それぞれ、栓体42、42により封止され、チューブ4の内腔部は、無菌状態が維持されている。
【0052】
なお、端部41a、41bには、それぞれ、これらを区別するため、例えば、色違いのシール等のマーカが施されているのが好ましい。これにより、例えば、血液循環装置との接続ミスを、より確実に回避することができる。
【0053】
挟持部材5は、チューブ4の一部を挟持し、かつ、前記トレー2の切欠部29を封止するものであり、板状(帯状)の弾性部材で構成されている。
【0054】
一方、切欠部29には、図4に示すように、その縁部291に沿って、溝292が形成されている。
【0055】
この挟持部材5は、そのほぼ中央部でV字状またはU字状に折り曲げられ、溝292に嵌合している(図5参照)。これにより、挟持部材5は、切欠部29に保持されている。なお、このとき、挟持部材5は、自らの弾性力により切欠部29を封止するとともに、その上面51同士が当接しスリット52を形成する。
【0056】
チューブ4は、このスリット52に挿入され、挟持部材5に挟持、固定されている(図6参照)。このとき、挟持部材5は、弾性力を有するため、チューブ4の外周面とスリット52の内面、すなわち、上面51とは密着している。
【0057】
このような挟持部材5を設けることにより、チューブ4の収納空間21内での移動をより確実に防止することができるとともに、収納空間21内(清潔部)への病原菌の付着をより確実に防止することができる。
【0058】
また、挟持部材5をこのような構成とすると、例えば、次のようにチューブ4を収納空間21内から取り出す操作を、より容易かつ円滑に行うことができる。
【0059】
まず、チューブ4をトレー2に対し、図6中上方向に引き上げると、チューブ4の外周面とスリット52の内面の摩擦力により、挟持部材5は、チューブ4とともに上方向へ移動し、溝292との嵌合が解除され、トレー2から離脱する。これとほぼ同時に、挟持部材5は、自らの弾性力により、ほぼ元の形状に戻り、チューブ4の挟持を解除する。
【0060】
このような挟持部材5の構成材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の樹脂材料が挙げられる。また、その形態としては、スポンジ、多孔質ポリウレタンのような発泡体(多孔体)が好ましい。
【0061】
次に、医療器具収納容器1の使用方法の一例について、図1〜図6に基づき、詳細に説明する。
【0062】
[1] まず、血液体外循環回路を接続・準備する技師は、図1に示す状態で、医療器具収納容器1を把持し、チューブ4の端部41a、41bを、血液循環装置側のチューブ(図示せず)に接続する。
【0063】
[2] 次に、技師が血液循環装置を作動させると、チューブ4の内腔部は、例えば、生食や乳酸加リンゲル液等のプライミング液で満たされる。このようにして、チューブ4に対してプライミング処理を実施する。このとき、透明なフタ3を介して、チューブ4の内腔部に、気泡が残存していないことを確認する。
【0064】
[3] 術者が患者側の準備(例えば、開胸手術等)を終えた後、技師がフタ3をトレー2から取り外して、ヒモ26を把持し、トレー2の下方、さらに後方へ向かって引くと、トレー2の前方側は、折り曲げ部24を中心として回動する。これにより、チューブ4の一部は、収納空間21内から露出する(図3参照)。
【0065】
[4] 次に、技師は、前記工程[3]の状態を保持しつつ、トレー2の前方側を、術者に向かって差し出す。そして、術者は、収納空間21内から露出したチューブ4を把持し、トレー2に対して、図3中上方向へ持ち上げる。これにより、チューブ4をトレー2(収納空間21)内から容易かつ円滑に取り出すことができる。このとき、不潔部である底部22の折り曲げ部24より前方側の外周部は、底部22の下面より下側へ入り込み、術者から遠ざけられているため、術者の手等がこの不潔部に触れ、術者の手等に病原菌が付着するのをより確実に防止できる。
【0066】
また、術者がチューブ4をトレー2内から取り出すとき、チューブ4の端部41a、41bは、トレー2に対して、図6中上方向へ引っ張られ、移動する。このとき、挟持部材5は、チューブ4の外周面とスリット52の内面との摩擦により、トレー2(溝292)から離脱するとともに、自らの弾性力により、それまでV字状(またはU字状)だったものが開いて、ほぼ元の形状に戻り、チューブ4の挟持を解除する。
【0067】
[5] 次に、術者は、チューブ4の途中を切断し、患者の血管(動脈および静脈)に接続する。これにより、患者と血液循環装置が接続され、血液体外循環の準備が完了する。そして、血液循環装置を作動させ、血液の体外循環を開始する。
【0068】
図7は、本発明の医療器具収納容器の第2実施形態の後方の構成を示す拡大図である。以下、図7に示す本発明の医療器具収納容器1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0069】
第2実施形態の医療器具収納容器1では、挟持部材5と溝292の底部が連結部材であるヒモ(またはベルト)6で連結されている。
【0070】
このような構成にすると、チューブ4をトレー2から取り出す操作にともなって、チューブ4の挟持を解除した後の挟持部材5が、勢いよく飛び出し、誤って、例えば、チューブ4の外周部に接触したり、患者の切開部に接触したりするのをより確実に防止でき、また、廃棄に際しても便利である。
【0071】
なお、挟持部材5は、トレー2に連結されていれば、図示の構成のものに限定されない。
【0072】
以上、本発明の医療器具収納容器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0073】
なお、図示の実施形態では、本発明の医療器具収納容器に収納される長尺の医療器具として、血液体外循環回路の一部を構成するチューブを代表に説明したが、長尺の医療器具としては、これに限定されず、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0074】
・ 胃管カテーテル、栄養カテーテル、経管栄養用チューブ、酸素カテーテル、酸素カヌラ、気管内チューブのチューブやカフ、気管切開チューブのチューブやカフ、気管内吸引カテーテル等の経口または経鼻的に挿入、留置されるカテーテル類。
・ 吸引カテーテル、排液カテーテル、腹腔カテーテル、直腸カテーテル、トロッカー等の各種体腔、臓器、組織内に挿入、留置されるカテーテル類。
【0075】
・ 血管造影用カテーテル、PTCA用バルーンカテーテル、IABP用バルーンカテーテル、静脈留置カテーテル、動注用カテーテル等の血管内に挿入、留置されるカテーテル類。
・ 単独で、または、前記各カテーテル類とともに使用される各種ガイドワイヤー。
【0076】
・ 人工血管、ステント、人工肛門、人工骨、人工関節、補綴物、義眼。
・ 注射針、留置針、シース、カテーテルイントロデューサ。
・ 内視鏡、心拍出量測定器具、超音波測定・診断器具、超音波破砕プローブ、ペースメーカー、体温計。
・ 縫合用または結紮用の糸。
【0077】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、収納された医療器具を、衛生的かつ容易に、しかも円滑、確実に取り出すことができる医療器具収納容器を提供することができる。
回動部を回動操作する操作部材を設けた場合には、前記の効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態を示す全体斜視図(トレーにフタを被せた状態)である。
【図2】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態を示す全体斜視図(トレーからフタを外した状態)である。
【図3】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態を示す全体斜視図(トレーを折り曲げた状態)である。
【図4】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態の後方の構成を示す拡大図(トレーに挟持部材を設置する前の状態)である。
【図5】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態の後方の構成を示す拡大図(トレーに挟持部材を設置した後の状態)である。
【図6】本発明の医療器具収納容器の第1実施形態の後方の構成を示す拡大図(挟持部材にチューブを挟持させた状態)である。
【図7】本発明の医療器具収納容器の第2実施形態の後方の構成を示す拡大図(トレーに挟持部材を設置する前の状態)である。
【符号の説明】
1 医療器具収納容器
2 トレー
21 収納空間
22 底部
23 壁部
23a 前面
23b 側面
23c 後面
24 折り曲げ部
25 孔
26 ヒモ
27 凸部
28 欠損部
29 切欠部
291 縁部
292 溝
3 フタ
31 被せ部
32 外周壁
33 通過部
4 チューブ
41a、41b 端部
5 挟持部材
51 上面
52 スリット
6 ヒモ

Claims (7)

  1. 長尺の医療器具を収納する収納空間を有するトレーと、
    前記トレーに被せられるフタとを備える医療器具収納容器であって、
    前記トレーは、その一部が回動して、前記収納空間内に収納された前記医療器具の一部を前記収納空間外に露出させることができる回動部を有し、
    前記トレーの外周壁には、前記医療器具が通過可能な少なくとも1つの切欠部が形成され、
    前記医療器具の一部を挟持し、かつ、前記切欠部を封止するよう設置される少なくとも1つの挟持部材を有することを特徴とする医療器具収納容器。
  2. 前記回動部を回動操作する操作部材を有する請求項1に記載の医療器具収納容器。
  3. 前記トレーは、底部と該底部から立設された外周壁とで構成され、前記回動部は、前記底部に設けられている請求項1または2に記載の医療器具収納容器。
  4. 前記外周壁は、前記回動部の両端が位置する付近に欠損部を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の医療器具収納容器。
  5. 前記トレーと前記挟持部材を連結する連結部材を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の医療器具収納容器。
  6. 前記フタは、前記トレーの前記切欠部に対応する位置に、前記医療器具が通過可能な通過部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の医療器具収納容器。
  7. 前記医療器具は、血液体外循環回路を構成するチューブである請求項1ないし6のいずれかに記載の医療器具収納容器。
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