JP3954135B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端にリング状の光出射部が形成されたライトガイドに装着される照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無人化された工場などでは、CCDカメラを用いたイメージセンシングによるパターン認識を行うことにより、コンベアで送られてきた製品の種類を自動的に識別したり、製品の品質管理を行ったりしている。この場合に、製品の外観を正しく捉えるためにはなるべく影のない照明を行うことが好ましい。
【0003】
このため、従来はCCDカメラで撮影しようとする製品に対して、当該CCDカメラの周囲に電球などの点光源や蛍光灯等の線光源を多数配置して、全方向から万遍なく光が照射されるようにしているが、例えば、多数の点光電を用いた場合にはその点光源の数だけ影ができてしまいかえってパターン認識が行ないにくくなる場合があり、また、点光源,線光源のいずれも各光源ごとにソケット及びその配線を設けなければならず、照明設備が大掛かりで複雑になるだけでなく、光源自体の発熱によりCCDカメラなどの電子機器に悪影響を与えるという問題があった。
【0004】
そこで、図5に示すように、平板状の導光体40からなる4枚の平面状発光体41を製品の周囲に斜め上方に配置して照明することが提案されている。
この平面状発光体41は、ライトガイド42の先端に形成された直線状の光出射部43に装着される光入射面44がその一端縁に形成され、表面が光照射面46に形成されている。これによれば、4本のバンドルファイバ42の光出射部43の夫々に平面状発光体41を装着して配置するだけでよく、設備自体が比較的簡素化されると共に、光源自体はCCDカメラから離れたところに設置できるので、光源が発熱してもCCDカメラに悪影響を及ぼすことがないというメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、4枚の平面状発光体41を用いて照明する場合は4方向からしか照明することができないため、例えば、球状の製品を照明する場合は、平面状発光体41に対向する4方向が明るくなってしまい、製品形状によっては明暗の分布を生じてパターン認識を行ないにくくなる場合があるという問題が残る。
これを解消するためには、平面状発光体41の数を増やして正多角形となるように配置すればよいが、この場合は、平板状発光体41の数分だけライトガイド42が必要になるので、多数の点光源,線光源を配する場合にその数分だけソケットが必要になるのと同様に照明設備が大掛かりになってしまう。
【0006】
すなわち、照明設備を簡素化しようとすればパターン認識を正確に行うことができず、パターン認識を正確に行えるように無影照明にしようとすれば照明設備が大掛かりになってしまうという。そこで、本発明は、大掛かりな照明設備を用いることなく、極めて簡素化された照明設備で無影照明を行うことを技術的課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、ライトガイドの先端に形成されたリング状の光出射部に装着されてその出射光を内部に導入するリング状光入射部が一端側に形成されると共に、その光を内周面から照射させる曲面状導光体を備えた照明装置であって、前記曲面状導光体は、リング状光入射部が形成された一端側から他端側に向って拡径して形成され、前記リング状光入射部には、前記ライトガイドの光出射部と対向する端面から導入された光を、前記曲面導光体の外周面に向かって反射させる反射面が形成されると共に、曲面状導光体は、外周面及び他端面がその内部を進行してきた光を内側に反射させる反射面で形成され、曲面状導光体の内周面には、前記反射面で反射されて当該導光体の内部を進行してきた光を当該導光体で囲まれた空間内に拡散照射させる照射面が形成されたことを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、曲面導光体の一端側に形成されたリング状光入射部をライトガイドの先端に形成されたリング状の光出射部に装着すると、当該光出射部からリング状に出射された光が曲面導光体内に入射される。
そして、この光は、当該導光体の一端側から他端側に向かって進み、外周面及び他端面に到達した光は導光体内に反射され、内周面に到達した光は当該内周面から導光体で囲まれた空間内に出射される。
このとき曲面導光体は、一端側から他端側に向かって拡径する円錐状又はドーム状の曲面導光体で形成されているので、照明しようとする製品の位置する下方に向かって製品を囲む360度の全方向から万遍なく光が照射されることとなる。
したがって、球状の製品を照明するときでも、明暗分布を生ずることなく均一な明るさで影のない照明ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を伴って具体的に説明する。図1は本発明に係る照明装置を示す断面図、図2は導光体内部の光の進行状態を示す説明図、図3及び図4は他の実施の形態を示す断面図である。
【0010】
図中1は、先端にリング状の光出射部2が形成されたライトガイド3に装着して使用される照明装置であって、一端側から他端側に向かって拡径する曲面状導光体4で形成され、前記一端側には前記ライトガイド3の光出射部2に装着されてその出射光を導入するリング状光入射部5が一体に形成されている。
曲面導光体4は、例えば透明なアクリル樹脂で形成され、前記光入射部5は内周面5A及び外周面5Bとも反射面に形成されると共に、内周面5A側の反射面が光出射方向に対して外側に傾斜したテーパ面で形成され、前記ライトガイド3の光出射部2から照射された光を、当該光出射部2と対向する端面5Cから導入して、拡径する曲面導光体4の外周面4Aに向かって反射させるように成されている。
【0011】
そして、曲面導光体4の外周面4A及び他端面4Bは、前記光入射部2から入射されて当該導光体4の内部を進行する光を内周面4Cに向かって反射させる均一な面状反射面に形成されている。また、当該導光体4の内周面4Cは、その表面がブラスト加工されて粗され、当該導光体4の内部を進行する光を内周面4Cから当該導光体4で囲まれた空間内に拡散して照射するようになされている。
【0012】
なお、前記リング状光入射部5の内周面5A及び外周面5Bや、曲面導光体4の外周面4A及び他端面4Bに形成された反射面は、その表面に反射用の白色塗料の塗膜6Wとこれを保護する黒色塗料の塗膜6Bが塗布されて形成されているが、この構造は本発明の実施形態の一例であって、これに限定されるものではない。また、7は製品を撮影するためのCCDカメラであって、ライトガイド3のリング状の光出射部2の内側に配設されている。
【0013】
以上が本発明の構成例であって、次にその作用について、図2を伴って説明する。まず、ライトガイド3を光源(図示せず)に接続し、その光出射部2に曲面導光体4を装着して光源を発光させると、光はライトガイド3に導かれてその光出射部2から曲面導光体4のリング状光入射部5に入射される。そして、光入射部5に入射された光は、光出射方向に対して外側に傾斜したテーパ面に形成された内周面5A側の反射面で反射され、拡径する曲面導光体4の外周面4Aに向かって反射する。
【0014】
そして、曲面導光体4内に導かれた光は、その外周面4A及び他端面4Bで反射しながら、当該導光体4内を進み、内周面4Cに到達した光は、そのほとんどが曲面導光体4で囲まれた空間内に照射されることとなる。このとき、当該導光体4の内周面4Cは、その表面がブラスト加工されて粗されているので、当該導光体4で囲まれた空間内に拡散して照射され、したがって、内周面4Cのどの部分からも明暗のばらつきがない輝度分布が均一な照明光が得られる。
【0015】
また、曲面導光体4は、光入射部5が形成された一端側から他端側に向かって拡径する円錐面に形成されているので、導光体4の内周面4Cを下向きにしてその下方に置いた製品を照明しようとする場合、導光体4の内周面4Cから下方に向かって拡散光が照射されると共に、製品を囲む360度の全方向から万遍なく光が照射され、したがって、球状の製品を照明するときでも、明暗分布を生ずることなく明るさの均一な影のない照明ができる。これにより、CCDカメラ7で製品を撮影するときも、その製品形状を正確に把握することかでき、イメージセンシングによるパターン認識を行うときに誤動作を起こすこともない。
【0016】
図3は他の実施形態を示す断面図である。本例の曲面導光体4は、光入射部5が形成された一端側から他端側に向かって拡径するドーム状曲面に形成されている。
この場合も、円錐面で曲面導光体を形成した場合と同様に、導光体4の内周面4Cから下方に向かって拡散光が照射されると共に、製品を囲む360度の全方向から万遍なく光が照射され、したがって、球状の製品を照明するときでも、明暗分布を生ずることなく均一な明るさで影のない照明ができる。
【0017】
また、本例の照明装置1は、図4に示すようにリング状入射部5が形成された一端側から他端側に向かって延びる同一径の円筒形の曲面導光体8で形成されている場合であってもよい。
この場合は、曲面導光体8の外周面8A及び他端面8Bがその内部を進行してきた光を内側に反射させる反射面で形成され、内周面8Cにはその内部を進行してきた光を当該導光体8で囲まれた空間内に拡散して照射させる照射面が形成されている。
【0018】
そして、曲面形導光体8で囲まれた空間に照明しようとする製品をおいて、ライトガイド3を介して当該導光体8内に光を入射させれば、内周面8Cから拡散光が照射され、製品を囲む360度の全方向から万遍なく光が照射される。また、曲面導光体8の内周面8Cからは、拡散光が照射されるので、内周面8Cが製品の上面にも光が照射されることとなり、輝度分布が比較的均一な照明光が得られる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、リング状の光出射部を有するライトガイドに曲面導光体を装着するという極めて簡単な構成で、照明しようとする製品を囲む360度の全方向から万遍なく光を照射することができるという大変優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る照明装置の一例を示す断面図。
【図2】導光体内部の光の進行状態の一例を示す説明図。
【図3】他の実施形態を示す断面図。
【図4】さらに他の実施形態を示す断面図。
【図5】従来装置を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・照明装置
2・・・光出射部
3・・・ライトガイド
4・・・曲面状導光体
4A・・外周面
4B・・他端面
4C・・内周面
5・・・リング状光入射部
8・・・円筒形導光体
8A・・外周面
8B・・他端面
8C・・内周面
Claims (2)
- ライトガイド(3)の先端に形成されたリング状の光出射部(2)に装着されてその出射光を内部に導入するリング状光入射部(5)が一端側に形成されると共に、その光を内周面(4C)から照射させる曲面状導光体(4)を備えた照明装置であって、
前記曲面状導光体(4)は、リング状光入射部(5)が形成された一端側から他端側に向って拡径して形成され、
前記リング状光入射部(5)には、前記ライトガイド(3)の光出射部(2)と対向する端面(5C)から導入された光を、前記曲面導光体(4)の外周面(4A)に向かって反射させる反射面(5B)が形成されると共に、
曲面状導光体(4)は、外周面(4A)及び他端面(4B)がその内部を進行してきた光を内側に反射させる反射面で形成され、
曲面状導光体(4)の内周面(4C)には、前記反射面で反射されて当該導光体(4)の内部を進行してきた光を当該導光体(4)で囲まれた空間内に拡散照射させる照射面が形成されたことを特徴とする照明装置。 - 前記反射面は、その表面に反射用の白色塗料の塗膜(6W)とこれを保護する黒色塗料の塗膜(6B)が塗布されると共に、照射面がブラスト加工されて形成された請求項1記載の照明装置。
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