JP3951647B2 - チューブポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性を有するチューブをしごくことにより、チューブ内の液体を送液するチューブポンプが知られており、例えば医療機器、プリンタ等において広く用いられている。
【0003】
このチューブポンプは、通常、ロータと、ロータを回転駆動するモータと、ロータに設置された複数のローラとを有し、このローラがロータの外周に沿って配置されたチューブ(ポンプチューブ)を圧閉しつつロータが回転して、送液を行うようになっている。
【0004】
しかしながら、従来のチューブポンプでは、ロータを駆動するモータが大きいために、小型化、特に薄型化が困難である、という問題がある。また、モータの電磁ノイズが他の機器に影響を及ぼすおそれがある、という問題もある。
【0005】
また、従来のチューブポンプでは、ローラに繰り返し圧閉されるチューブの劣化が速く、チューブの寿命が短い、という問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、小型化、特に薄型化に有利であり、またポンプチューブの長寿命化が図れるチューブポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(28)の本発明により達成される。
【0008】
弾性を有するチューブを装着する装着部を有する本体と、
前記装着部に装着された前記チューブの近傍に設けられた可撓性を有する板状体と、
前記本体に対し回転可能に設置されたロータと、
前記ロータに複数設けられ、前記チューブの一部を前記板状体を介して圧閉する圧閉部と、
前記ロータに一体化または固着されている被駆動体と、
前記被駆動体に当接して設けられ、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体とを有し、
前記振動体は、長い方向と短い方向とを有する形状をなし、前記ロータの半径方向から前記被駆動体に当接し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記ロータを回転させることを特徴とするチューブポンプ。
【0009】
(2) 前記板状体は、前記装着部に装着された前記チューブの前記圧閉部に圧閉される部分のほぼ全域に渡って設けられている上記(1)に記載のチューブポンプ。
【0010】
(3) 前記板状体は、その厚さ方向に変位可能に設けられている上記(1)または(2)に記載のチューブポンプ。
【0011】
(4) 前記板状体は、その面内方向に変位しないように設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0012】
(5) 前記板状体は、前記本体に対し着脱可能に設置されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0013】
(6) 前記板状体が一定の限度を超えて変位しないように規制する変位量規制手段を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0016】
(9) 前記振動体は、前記ロータの外周側から前記被駆動体に当接するように設置されている上記(8)に記載のチューブポンプ。
【0017】
(10) 前記振動体は、前記ロータの内周側から前記被駆動体に当接するように設置されている上記(8)に記載のチューブポンプ。
【0018】
(11) 前記振動体のほぼ全体は、前記ロータの最外周より内側に位置する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0019】
(12) 前記振動体のほぼ全体は、前記ロータの回転軸方向について前記ロータの厚さ分の空間内に位置している上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0020】
(13) 前記被駆動体に溝が設けられており、前記振動体は、前記溝の内面に当接する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0022】
(15) 前記振動体の長手方向の端部付近が前記被駆動体に当接する上記(14)に記載のチューブポンプ。
【0023】
(16) 前記振動体は、板状をなしている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0024】
(17) 前記振動体は、略長方形状をなしている上記(16)に記載のチューブポンプ。
【0025】
(18) 前記振動体は、前記ロータと略平行な姿勢で設置されている上記(16)または(17)に記載のチューブポンプ。
【0026】
(19) 前記振動体から突出して設けられた腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0027】
(20) 前記振動体は、複数設けられている上記(1)ないし(19)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0028】
(21) 前記圧閉部は、前記ロータに対し固定的に設けられている上記(1)ないし(20)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0029】
(22) 前記圧閉部は、前記ロータに対し回転可能に設けられている上記(1)ないし(21)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0030】
(23) 前記圧閉部は、前記ロータの回転軸とほぼ同じ方向の回転軸周りに回転可能に支持されたローラである上記(22)に記載のチューブポンプ。
【0031】
(24) 前記圧閉部は、任意の方向に回転可能に支持されたボールである上記(22)に記載のチューブポンプ。
【0032】
(25) 前記圧閉部は、前記ロータの半径方向から前記チューブを圧閉する上記(1)ないし(24)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0033】
(26) 前記圧閉部は、前記ロータの回転軸方向から前記チューブを圧閉する上記(1)ないし(24)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0034】
(27) 前記装着部に装着された前記チューブの円弧状の部分は、前記ロータの最外周より内側に位置する上記(1)ないし(26)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0035】
(28) 前記本体は、前記ロータを片側から支持する上記(1)ないし(27)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のチューブポンプを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0037】
<第1実施形態>
図1は、本発明のチューブポンプの第1実施形態を示す一部切欠き平面図、図2は、図1中のX−X線での断面側面図、図3は、図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体の斜視図、図4は、図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体が屈曲振動する様子を示す平面図、図5は、図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0038】
図1および図2に示すチューブポンプ1Aは、弾性を有するチューブ100を装着する装着部70を有する本体7と、装着部70に装着されたチューブ100の近傍に設けられた薄板15と、本体7に対し回転可能に設置されたロータ8と、本体7に設置された振動体6と、ロータ8に複数設けられたローラ10とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0039】
図2に示すように、本体7は、基板71と、基板71の中心部から上方に向かって突設されたロータ回転軸72と、基板71の周囲から上方に向かって立設された壁部73とを有している。
【0040】
図1に示すように、壁部73の内面の少なくとも一部は、円弧状(円柱面状)をなしている。すなわち、図1中のほぼ右半分側における壁部73の内周面74は、ロータ回転軸72を中心とする円弧状をなしている。
【0041】
このような本体7には、基板71と壁部73とで囲まれて、ほぼ円盤状の空間75が形成されており、この空間75には、後述するロータ8が収納される。
【0042】
図1中の左側の壁部73には、空間75から本体7の外部に通じる溝(切欠き)76、77がそれぞれ設けられている。溝76は、図1中の上側に位置し、溝77は、図1中の下側に位置している。また、溝76、77は、図1中の左側に向かって互いに近づくように、ほぼハ字状に形成されている。
【0043】
本実施形態では、溝76と溝77との間における壁部73の内周面78も円弧状をなしているが、この内周面78は、円弧状でなくともよく、例えば直線状(平面状)であってもよい。
【0044】
このような本体7に対し、チューブ(ポンプチューブ)100は、溝76、内周面74および溝77に沿って、ほぼC字状に装着されている。換言すれば、チューブ100は、内周面74に沿って円弧状に配置された円弧部103と、円弧部103の一端から溝76を通って本体7の外部に延びる下流部102と、円弧部103の他端部から溝77を通って本体7の外部に延びる上流部101とを有している。
【0045】
このように、内周面74の近傍と、溝76、77とで、チューブ100の装着部70が構成されている。
【0046】
チューブ100は、弾性(復元性)を有している。チューブ100の円弧部103は、後述するローラ10に押圧されることにより閉塞した状態(図2中の左側に示す状態)になり、この押圧が解除されると、元の状態(図2中の右側に示す状態)に戻る。
【0047】
本体7に形成された空間75には、ロータ8が収納、設置されている。ロータ8は、ロータ本体81と、円環状のリング82とを有している。
【0048】
図2に示すように、ロータ本体81は、中心部に孔813を有する円板状の基部811と、孔813の縁部から下方に向かって円筒状に突出する軸受設置部812と、軸受設置部812より外周側において同心的に基部811から下方に向かって円筒状(円環状)に突出するリング設置部814とを有している。
【0049】
このようなロータ本体81は、軸受設置部812の内側(孔813)にロータ回転軸72が挿入され、軸受設置部812の内側にそれぞれ設置された軸受11、12を介して、本体7(ロータ回転軸72)に対し回転可能に設置されている。
【0050】
このように、本実施形態では、本体7は、後述する第3実施形態のチューブポンプ1Cにおけるカバー4に相当するものがなく、ロータ8を片側から(下側から)支持している。すなわち、本体7は、ロータ8を上側から覆っていない。これにより、チューブポンプ1Aは、薄型化に特に有利である。
【0051】
リング設置部812より外周側における基部811には、2つのローラ回転軸83が下方向に突出するように設置されている。すなわち、ローラ回転軸83は、ロータ回転軸72と平行に設置されている。
【0052】
各ローラ回転軸83には、それぞれ、チューブ100を圧閉(押圧閉塞)する圧閉部としてのローラ10が図示しない軸受を介して設置されている。すなわち、ローラ10は、基部811の下側に位置し、ローラ回転軸83周りに回転(自転)可能に設置されている。また、ローラ10は、ロータ8が回転することにより、ロータ回転軸72周りに回転(公転)する。
【0053】
ローラ10は、略円柱状をなし、その外径(直径)は、比較的小型(小径)なものになっている。また、ローラ10は、略C字状に配置されたチューブ100の内側に位置し、上下方向については、チューブ100とほぼ同じ高さに位置している。
【0054】
また、本実施形態では、ローラ10のほぼ全体は、上下方向について、ロータ8の厚さ分の空間に位置している。これにより、チューブポンプ1Aは、薄型化に特に有利である。
【0055】
図1に示すように、本実施形態では、2つのローラ10は、ロータ8の周方向に沿って等間隔で、すなわち180°間隔で設置されている。なお、本発明では、ローラ10のような圧閉部が3個以上ロータ8に設置されていてもよい。この場合も、ローラ10のような圧閉部は、ロータ8の周方向に沿って等間隔で設置されているのが好ましい。
【0056】
このようなローラ10は、内周面74との間でチューブ100(円弧部103)を圧閉する。すなわち、本実施形態では、ローラ10は、チューブ100をロータ8の半径方向から(ロータ8の内周側から外周側に向かって)圧閉する。これにより、ロータ8がチューブ100(円弧部103)から受ける反力の方向がロータ回転軸72にほぼ垂直になるため、ロータ8は、傾斜したりするようなことなく、より円滑かつ確実に回転する。
【0057】
また、本実施形態では、ローラ10は、自転しながら後述する薄板15を介してチューブ100をしごくので、薄板15との摩擦がなく、よって、ロータ8を駆動するのに必要なトルクを低減することができる。
【0058】
本発明のチューブポンプ1Aでは、装着部70にほぼC字状に装着されたチューブ100の内周に沿って、可撓性を有する薄板(板状体)15が設置されており、ローラ10は、この薄板15を介してチューブ100の円弧部103の一部を圧閉する。
【0059】
薄板15は、帯状をなし、装着部70に装着されたチューブ100の内周に接触して設置されている。薄板15は、その厚さ方向には、変位(移動)可能になっており、ローラ10に押圧された部分は、外側(外周側)に変位する。
【0060】
また、薄板15は、その一端側の固定部151にて溝76の近傍における本体7に固定(固着)され、その他端側の固定部152にて溝77の近傍における本体7に固定(固着)されている。これにより、薄板15は、その面内方向(ロータ8の回転方向)には、固定部151、152における固定により変位(移動)しないようになっている。
【0061】
本発明では、このような薄板15を用いることにより、ローラ10のような圧閉部とチューブ100とが直接擦れあうことがなく、チューブ100は、押し潰される方向(チューブ100の軸方向と直交する方向)の力のみをローラ10のような圧閉部から受け、引きずられるような力(チューブ100の軸方向の力)を受けない。よって、チューブ100の移動やねじれが防止され、円滑な送液が可能となる。また、チューブ100の劣化が防止され、チューブ100の長寿命化が図れる。
【0062】
固定部151、152は、好ましくは、図示しないネジ止め機構や、図示しないクリップのような任意の挟持機構等によって本体7に固定されており、これにより、薄板15が本体7に対し着脱可能になっているのが好ましい。薄板15が着脱可能に設置されていることにより、薄板15を交換することができ、薄板15が劣化、損傷した場合に新しいものに交換することができる。また、送液速度(ロータ8の回転速度)や、ローラ10の径、チューブ100の径、材質、硬さ等に合わせて、厚さ、材質、硬さ等が異なる同様の薄板15に交換することができ、最適な薄板15を適宜選択して使用することができる。
【0063】
本実施形態では、薄板15は、溝76の近傍から溝77の近傍まで設置されており、チューブ100のローラ10に圧閉される部分(円弧部103)の全域に渡って設けられている。これにより、この全域に渡って前述した効果が得られる。このように、薄板15は、チューブ100のローラ10に圧閉される部分(円弧部103)のほぼ全域に渡って設けられているのが好ましい。
【0064】
薄板15の構成材料としては、特に限定されないが、低摩擦材料であるのが好ましく、その例として、各種金属材料や、例えばポリテトラフルオロエチレン等の各種合成樹脂材料等を用いることができる。
【0065】
また、薄板15は、変形後に元の形状に復帰する復元性(弾性)を有するものであるのが好ましい。
【0066】
また、薄板15の厚さは、特に限定されないが、0.005〜0.1mm程度であるのが好ましい。薄板15の厚さが厚すぎると、薄板15の構成材料等によっては、変形しにくいものとなって、チューブ100を好適に圧閉することができない場合がある。また、薄板15の厚さが薄すぎると、薄板15の構成材料等によっては、破損しやすくなる場合がある。
【0067】
また、本発明では、薄板15を用いることにより、ローラ10のような圧閉部の小型化が図れる。
【0068】
通常、ローラ10のような圧閉部を小型にすると、押圧面積が小さくなって圧閉するときにチューブ100に食い込むような状態となり、チューブ100の劣化が速まったり、ロータ8が円滑に回転できなくなったりする不都合を生じる。
【0069】
これに対し、本発明では、薄板15を介して圧閉することによって、チューブ100を押圧する面積が拡大し、押圧力を薄板15の面内に分散することができる。すなわち、ローラ10のような圧閉部を小径化しても、薄板15の剛性によって大きな曲率で圧閉するので、チューブ100の局部的な変形を妨げることができる。よって、ローラ10のような圧閉部を小型にした場合や、圧接点が小さい場合(後述するボール14を用いるような場合)であっても、前記のような不都合を生じない。このようなことから、本発明では、ローラ10のような圧閉部の小型化を図ることができ、これにより、チューブポンプ1A全体としてもより小型化を図ることができる。
【0070】
ロータ本体81のリング設置部812の内周には、リング82が例えば圧入により固着されている。リング82の内周面には、後述する振動体6が当接しており、振動体6が振動すると、振動体6から摩擦力(押圧力)を繰り返し受けてリング82(ロータ8)が図1中の反時計回りに駆動(回転)される。すなわち、リング82は、振動体6に駆動される被駆動体となるものである。
【0071】
また、本実施形態では、リング82の内周には、周方向に沿って溝821が形成されており、振動体6(凸部66)は、溝821の内面(凹面)822に当接している。これにより、振動体6のリング82に対する当接位置が上下にずれるのを防止することができる。また、溝821(内面822)の断面は、円弧状をなしており、これにより、振動体6のリング82に対する当接位置が上下に多少ずれた場合であっても、振動体6とリング82との接触状態が維持され、駆動力をロスすることがない。
【0072】
ロータ8を回転駆動する振動体6は、通常のモータ等と比べ、小型(薄型)である。本発明では、この振動体6を用いてロータ8を回転駆動することにより、チューブポンプ1A全体の小型化、特に薄型化(ロータ回転軸72方向の小型化)を図ることができる。以下、振動体6について説明する。
【0073】
図3に示すように、振動体6は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体6は、図3中の上側から板状の電極61と、板状の圧電素子62と、補強板63と、板状の圧電素子64と、板状の電極65とをこの順に積層して構成されている。なお、図3では、厚さ方向を誇張して示している。
【0074】
圧電素子62、64は、それぞれ、長方形状をなし、電圧を印加することにより、その長手方向に伸長・収縮する。圧電素子62、64の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
【0075】
これらの圧電素子62、64は、補強板63の両面にそれぞれ固着されている。補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有しており、振動体6が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板63の構成材料としては、弾性材料(弾性を有するもの)であれば特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
【0076】
この補強板63は、圧電素子62、64よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体6を高い効率で振動させることができる。
【0077】
補強板63は、圧電素子62、64に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子62には、電極61と補強板63とによって交流電圧が印加され、圧電素子64には、電極65と補強板63とによって交流電圧が印加される。
【0078】
圧電素子62、64は、交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、振動板63も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧電素子62、64に交流電圧を印加すると、振動体6は、図3中の矢印で示すように、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。
【0079】
補強板63の図3中の右端部には、凸部66が一体的に形成されている。図1および図2に示すように、振動体6は、凸部66がロータ8(リング82)に当接するように設置されている。
【0080】
この凸部66は、補強板63の幅方向中央(中心線69)からずれた位置(図示の構成では角部)に設けられている。また、図示の構成では、反対側の(対角線上にある)角部には、凸部66と対称的に同様の凸部67が設けられている。この凸部67は、図示の構成では使用されていない。
【0081】
また、補強板63の長手方向ほぼ中央からは、腕部68が長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。腕部68の先端部には、ボルト13が挿入する孔681が形成されている。
【0082】
図1に示すように、このような振動体6は、リング82の内周側における本体7に設置されており、リング82にロータ8の半径方向内周側から当接している。すなわち、リング82の内周側における基板71からは、ネジ孔791を有する振動体取付部79が上方に向かって突設されており、振動体6は、腕部68の孔681に挿入されたボルト13によって、この振動体取付部79に固定されている。
【0083】
なお、図示の構成と異なり、振動体6は、ロータ回転軸72方向からロータ8に当接するように設置されていてもよい。
【0084】
このように、振動体6は、腕部68によって支持されている。これにより、振動体6は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。また、振動体6は、腕部68の弾性によって、凸部66がリング82(内面822)に圧接された状態で設置されている。
【0085】
前述したように、本実施形態では、振動体6は、リング82の内周側に位置している。すなわち、振動体6の全体は、ロータ8の最外周より内側に位置している。これにより、チューブポンプ1Aは、小型化(図1中における占有面積の低減)に特に有利である。
【0086】
また、振動体6は、ロータ8とほぼ平行な姿勢で設置されている。これにより、チューブポンプ1A全体の薄型化に特に有利である。
【0087】
また、本実施形態では、振動体6の厚さは、ロータ8の厚さよりも薄く、振動体6の全体は、上下方向についてロータ8の厚さ分の空間内に位置している。これにより、チューブポンプ1A全体の薄型化に特に有利である。
【0088】
凸部66がリング82に当接した状態で、圧電素子62、64に交流電圧を印加して振動体6を振動させると、リング82は、振動体6が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、ロータ8が図1中の反時計方向に回転する。
【0089】
ロータ8が図1中の反時計回りに回転すると、1個または2個のローラ10が薄板15を介してチューブ100(円弧部103)を圧閉しつつ図1中の反時計回りにしごくように作動する。その結果、チューブ10内において、図1中の反時計回りの流れが生じ、送液がなされる。すなわち、液体は、チューブ100の上流部101から吸入され、チューブ100の下流部102から吐出される。
【0090】
前述したように、本実施形態では、被駆動体としてのリング82がロータ本体81のリング設置部812の内周に例えば圧入により固着されており、ロータ8が振動体6によって直接に回転駆動されることとなる。これにより、ロータ8は、チューブポンプ1Aのロータと、モータ(超音波モータ)のロータとを兼ねるものして機能することから、チューブポンプ1Aは、小型化(薄型化)に特に有利である。また、構造を極めて簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
【0091】
なお、リング82と、ロータ本体81とは、一体的に(一部材で)形成されていてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、振動体6の面内振動をロータ8の回転(面内回転)に直接変換するので、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、ロータ8を高い効率で回転駆動することができる。
【0093】
また、本実施形態では、凸部66がリング82に及ぼす摩擦力(押圧力)の方向は、ロータ回転軸72に対しほぼ垂直な方向であるため、ロータ8が傾斜するようなことがなく、ロータ8がより円滑かつ確実に回転する。
【0094】
また、振動体6は、通常のモータのように磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押圧力)によってリング82を駆動することから、駆動力が高い。このため、本実施形態のように、変速機構(減速機構)を介さなくてもロータ8を十分なトルクで回転することができる。
【0095】
なお、本発明では、ロータ8と回転力伝達機構を介して連動する被駆動体(ホイール)を別個に設け、この被駆動体を振動体6で回転駆動し、その回転力を前記回転力伝達機構によってロータ8に伝達するようなものであってもよい。その場合、回転力伝達機構としては、例えば、歯車列(歯車伝動機構)や、プーリー、ベルト、チェーン等を用いる巻き掛け伝動機構等、いかなるものでもよい。
【0096】
圧電素子62、64に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率でロータ8を回転駆動することができる。
【0097】
本実施形態では、このような振動体6は、2つ設けられており、これら2つの振動体6でロータ8を駆動する。これにより、1つの振動体6が発生する駆動力は小さくて済むので、各振動体6を小型化することができ、本実施形態のように、ロータ8の最外周より内側に設置するのに適する。また、複数の振動体6をロータ8の外周側に設置した場合にも、チューブポンプ1Aの小型化(図1中における占有面積の低減)に寄与する。
【0098】
また、2つの振動体6は、ロータ8の周方向に沿ってほぼ等間隔(180°間隔で)設置されている。これにより、軸受11、12に作用する軸方向に垂直な力が相殺され、軸受11、12の負担を軽減することができる。
【0099】
なお、本発明では、振動体6は、3つ以上設けられていてもよい。その場合、これらの振動体6は、ロータ8の周方向に沿ってほぼ等間隔で設置されているのが好ましい。
【0100】
前述したように、振動体6は、主に、その長手方向に縦振動するが、縦振動と屈曲振動とを共振させ、凸部66を楕円振動させることがより好ましい。これにより、より高い効率でロータ8を回転駆動することができる。以下、この点について説明する。
【0101】
図4に示すように、振動体6がロータ8を回転駆動するとき、凸部66は、ロータ8(リング82)から図4中の矢印で示すような反力を受ける。本実施形態では、凸部66が振動体6の中心線69からずれた位置に設けられていることから、振動体6は、この反力によって、図4に示すように面内方向に屈曲するように変形、振動する。なお、図4では、振動体6の変形を誇張して示している。
【0102】
印加電圧の周波数、振動板6の形状・大きさ、凸部66の位置などを適宜選択することにより、この屈曲振動の周波数を縦振動の周波数と同程度にすることができる。このようにすると、振動体6の縦振動と屈曲振動とが共振し、振幅がより大きくなるとともに、凸部66は、図5中の一点鎖線で示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)する。
【0103】
これにより、振動体6の1回の振幅において、凸部66がリング82を回転方向に送るときには、凸部66がリング82により強い力で圧接され、凸部66が戻るときには、リング82との摩擦力を低減または消滅させることができるため、振動体6の振動をロータ8の回転により高い効率で変換することができる。
【0104】
本発明では、装置の小型化(薄型化)、およびチューブ100の長寿命化を図ることができる利点の他に、ロータ8を回転するのに通常のモータを用いないことから、通常のモータのような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがない、という利点もある。
【0105】
また、ロータ8を回転駆動していないとき(ロータ8の停止状態)には、凸部66とリング82との摩擦力により、ロータ8が回転するのが防止される(ロータ8の保持トルクが高い)。よって、チューブ100内の液体の圧力等により、ロータ8が不本意に逆回転するようなことがなく、チューブ100内の液体の逆流を防止することもできる。
【0106】
また、本実施形態では、図2に示すように、組み立て時、本体7に下側から組み付ける部品がなく、一方向(図2中の上側)から部品を組み付けて組み立てることができ、組み立てを容易に行うことができる利点もある。
【0107】
<第2実施形態>
図6は、本発明のチューブポンプの第2実施形態を示す平面図、図7は、図6中のY−Y線での断面側面図である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0108】
以下、これらの図を参照して本発明のチューブポンプの第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0109】
本実施形態のチューブポンプ1Bは、弾性を有するチューブ100を装着するチューブ装着溝(装着部)93を有する本体9と、本体9に対し回転可能に設置されたロータ5と、本体9に設置され、ロータ5に半径方向外周側から当接する振動体6と、ロータ5に複数設けられた圧閉部としてのボール14と、ロータ5とチューブ100との間に設けられた薄板16とを備えている。
【0110】
図7に示すように、本体9は、基板91と、基板91の中心部から上方に向かって突設されたロータ回転軸92とを有している。
【0111】
基板91の上面には、薄板挿入溝94がロータ回転軸92を中心とする円環状に形成されている。
【0112】
基板91の上面には、さらに、図6に示す平面視でほぼU字状をなすチューブ装着溝93が形成されている。
【0113】
チューブ装着溝93は、ロータ回転軸92を中心とする円弧状をなす円弧部931と、円弧部931の図6中の左端部から図6中の下方へ延びる直線部932と、円弧部931の図6中の右端部から図6中の下方へ延びる直線部933とで構成されている。
【0114】
円弧部931は、図7に示すように、薄板挿入溝94の底部941に形成されている。すなわち、チューブ装着溝93の幅は、薄板挿入溝94の幅より小さくなっており、円弧部931は、薄板挿入溝94の底部941にさらに凹部(溝)を形成するようにして設けられている。
【0115】
チューブ100は、このようなチューブ装着溝93に沿って、本体9に対し、ほぼU字状に装着されており、円弧部931に位置する円弧部103と、直線部932に位置する上流部101と、直線部933に位置する下流部102とを有している。
【0116】
ロータ5は、ほぼ円盤状をなすロータ本体51と、ロータ本体51の外周部に例えば圧入により固着された円環状のリング(被駆動体)53とを有している。
【0117】
このロータ5は、ロータ本体51の中心部に設置された軸受11、12を介して本体9のロータ回転軸92に対し回転可能に設置されている。
【0118】
本体9は、前記第1実施形態と同様に、ロータ5を片側から支持している。よって、チューブポンプ1Bは、薄型化に特に有利である。
【0119】
ロータ本体51には、圧閉部として、2つのボール14がロータ5の周方向に沿ってほぼ等間隔(180°間隔)で設置されている。このボール14は、ロータ本体51の下面に形成された凹部511内にその上側が挿入するように設置されており、ロータ本体51に対し、任意の方向に回転可能になっている。
【0120】
このようなボール14は、後述する薄板16を介して、チューブ100の円弧部103の一部を上側から圧閉する。
【0121】
本実施形態では、圧閉部がボール14で構成されていることにより、保持の方向性がないため凹部511内にボール14を単に収納(挿入)すればよいので、ローラ回転軸が不要であり、構造をより簡素化・小型化することができる。
【0122】
また、本実施形態では、チューブ100をロータ回転軸92方向から(図示の構成では上側から)圧閉することにより、チューブ100とロータ5とがロータ5の厚さ方向(ロータ回転軸92方向)に重ねて配置される。よって、チューブポンプ1B全体の小型化(図6中における占有面積の低減)に特に有利である。
【0123】
ロータ5の外周側には、1つの振動体6が設置されている。図7に示すように、ロータ5の外周側における基板91からは、ネジ穴951を有する振動体取付部95が突設されており、振動体6は、腕部68の穴681に挿入されたボルト13によって、この振動体取付部95に固定されている。この振動体6は、ロータ5を図6中の時計方向に回転駆動する。
【0124】
振動体6は、その凸部66がロータ5(リング53)の外周に当接するように設置されている。すなわち、本実施形態では、振動体6は、ロータ5に対しロータ5の半径方向外周側から当接して設置されている。
【0125】
リング53の外周には、周方向に沿って溝531が形成されており、振動体6の凸部66は、溝531の内面532に当接している。これにより、前記第1実施形態における溝821を設けたのと同様の効果が得られる。
【0126】
また、本実施形態では、チューブ100の円弧部103は、ロータ5の最外周より内側に位置している。これにより、ロータ5を回転させるのに必要なトルクが比較的小さく、よって、振動体6をより小型化することができ、その結果、チューブポンプ1B全体をより小型化することができる。
【0127】
チューブ100と、ロータ5との間には、薄板16が設けられており、チューブ100は、薄板16を介してボール14により圧閉される。
【0128】
薄板16は、ロータ回転軸92を中心とする円環状をなすリング部161と、リング部161から外周側に向かって突出するように形成された固定部162とで構成されている。薄板16は、固定部162においてボルト17、17により本体9に対し着脱自在に固定されており、図6における面内方向に変位(移動)しないようになっている。
【0129】
リング部161は、薄板挿入溝94に沿って設けられており、チューブ100の円弧部103を上側から覆っている。リング部161の幅は、薄板挿入溝94の幅よりもやや小さくなっている。
【0130】
図7中の右側に示すように、ボール14に押圧された部分のリング部161は、その厚さ方向(下方向)に変位(移動)して薄板挿入溝94内に挿入し、これによりチューブ100が圧閉される。
【0131】
このとき、リング部161の縁部が薄板挿入溝94の底部941に当接し、それ以上、下方向に変位することが禁止される。これにより、ボール14に押圧されて厚さ方向に変位した部分のリング部161の位置決めがなされ、リング部161が傾くことを防ぐとともに、チューブ100が常に一定のつぶし量で圧閉される。よって、チューブ100を過剰に圧閉することが防止され、チューブ100の劣化をさらに低減し、より長寿命化を図ることができる。
【0132】
このように、本実施形態では、底部941(円弧部931)は、薄板16が一定の限度を超えて変位しないように規制する変位量規制手段として機能する。なお、チューブ装着溝93の円弧部931の形状(深さ)は、チューブ100のつぶし量が最適になるように設定されている。
【0133】
ロータ5が図1中の時計回りに回転すると、1個または2個のボール14が薄板16を介してチューブ100(円弧部103)を圧閉しつつ図1中の時計回りにしごくように作動する。その結果、チューブ10内において、図1中の時計回りの流れが生じ、送液がなされる。すなわち、液体は、チューブ100の上流部101から吸入され、チューブ100の下流部102から吐出される。
【0134】
なお、本実施形態では、振動体6は、1つ設置されているが、本発明では、複数の振動体6を設けてもよい。
【0135】
<第3実施形態>
図8は、本発明のチューブポンプの第3実施形態を示す断面側面図である。なお、以下の説明では、図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0136】
以下、この図を参照して本発明のチューブポンプの第3実施形態について説明するが、前記第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0137】
本実施形態のチューブポンプ1Cにおける本体2は、ベース3と、ベース3の上側を覆うカバー4とで構成されている。ベース3とカバー4との間には、ロータ5を収納する空間21が形成されている。本実施形態では、ベース3とカバー4とで筐体を構成している。
【0138】
ベース3は、下板31と、下板31から上方に向かって立設された壁部32とを有している。下板31には、後述するロータ回転軸52が挿入する軸孔311が形成されている。
【0139】
カバー4は、ほぼ板状をなし、ベース3の上側に固着されている。カバー4には、ロータ回転軸52が挿入する軸孔41が形成されている。
【0140】
ロータ5は、ほぼ円盤状のロータ本体51と、ロータ本体51の中心部から上下方向に延びるように設けられたロータ回転軸52と、ロータ本体51の外周部に例えば圧入により固着された円環状のリング53とで構成されている。
【0141】
ロータ回転軸52の上端部は、軸孔41に挿入され、軸受11を介してカバー4に対し回転可能に支持されている。また、ロータ回転軸52の下端部は、軸孔311に挿入され、軸受12を介してベース3に対し回転可能に支持されている。このように、本実施形態における本体2は、ロータ5を上・下の両側から支持している。
【0142】
ベース3の下板31の上面には、前記薄板挿入溝94とほぼ同様の薄板挿入溝34と、前記チューブ装着溝93とほぼ同様のチューブ装着溝(装着部)33とがそれぞれ設けられている。チューブ100は、チューブ装着溝33に沿って装着されている。
【0143】
ロータ本体51の下面には、圧閉部として、凸部512が複数形成されており、この凸部512が薄板16を介してチューブ100の円弧部103を上側から圧閉する。すなわち、凸部512は、薄板16に対し摺動する。
【0144】
本発明では、圧閉部は、この凸部512のようにロータ5に固定的に設けられているようなものであってもよい。これにより、圧閉部を極めて簡素な構造とすることができ、チューブポンプ1C全体の小型化に特に有利となる。
【0145】
本発明では、薄板16を介してチューブ100を圧閉することから、圧閉部がチューブ100と直接接触しないため、圧閉部が凸部512のようにロータ5に固定的に設けられているようなものであっても、チューブ100を劣化・損傷するようなことを防止することができる。
【0146】
なお、本実施形態では、薄板16と、凸部512との両方または一方の少なく
とも表面を比較的摩擦係数の低い材料で構成することにより、薄板16と凸部512との摩擦を低減することが好ましい。前記低摩擦材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂等が挙げられる。
【0147】
また、潤滑剤を用いて、薄板16と凸部512との摩擦を低減してもよい。この潤滑剤としては、例えば、グリス、シリコンオイル等が挙げられる。
【0148】
凸部512に押圧された部分の薄板16は、薄板挿入溝34内に挿入し、その縁部が薄板挿入溝34の底部341に当接する。これにより、前記第2実施形態と同様に、チューブ100を常に一定のつぶし量で圧閉することができる。
【0149】
なお、本実施形態では、振動体6は、1つ設置されているが、本発明では、複数の振動体6を設けてもよい。
【0150】
以上、本発明のチューブポンプを図示の第1〜第3実施形態について説明したが、本発明では、第1〜第3実施形態のうちの任意の2以上の特徴を組み合せることもできる。
【0151】
また、本発明では、チューブ100の内径は、細いものから太いものまでいかなるものでもよく、例えば内径0.1〜20mm程度のものを使用することができ、特に、内径0.2〜2mm程度の細径のチューブを使用するチューブポンプに好適である。
【0152】
また、本発明のチューブポンプの吐出量(流量)は、特に限定されず、例えば、0.01〜600mL/分程度のものとすることができるが、本発明は、特に、吐出量が30mL/分以下程度の微量の送液ポンプに好適である。
【0153】
また、本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、チューブポンプを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0154】
例えば、本発明では、振動体の形状、構造は、図示の構成に限らず、被駆動体を駆動することができるものであればいかなるものでもよい。例えば、圧電素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、被駆動体と当接する部分に向かって幅が漸減するような形状のものなどであってもよい。
【0155】
また、振動体への通電状態(振動体の振動形態)を変更することなどにより、ロータを正・逆両方向に回転させることができるようなもの(送液方向を切り換えられるもの)であってもよい。
【0156】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動体を用いてロータを回転させることにより、チューブポンプ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。
また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
【0157】
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0158】
また、チューブの近傍に板状体を設け、この板状体を介してチューブを圧閉することとしたことにより、チューブの劣化や損傷を防止し、長寿命化を図ることができる。
また、チューブ内の液体が不本意に逆流するのを防止することができる。
【0159】
また、被駆動体をロータに一体化または固着した場合には、さらに小型化、薄型化を図ることができるとともに、極めて簡素な構造にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブポンプの第1実施形態を示す一部切欠き平面図である。
【図2】図1中のX−X線での断面側面図である。
【図3】図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体の斜視図である。
【図4】図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体が屈曲振動する様子を示す平面図である。
【図5】図1および図2に示すチューブポンプにおける振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。
【図6】本発明のチューブポンプの第2実施形態を示す平面図である。
【図7】図1中のY−Y線での断面側面図である。
【図8】本発明のチューブポンプの第3実施形態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C チューブポンプ
2 本体
21 空間
3 ベース
31 下板
311 軸孔
32 壁部
33 チューブ装着溝
34 薄板挿入溝
341 底部
4 カバー
41 軸孔
5 ロータ
51 ロータ本体
511 凹部
512 凸部
52 ロータ回転軸
53 リング
531 溝
532 内面
6 振動体
61、65 電極
62、64 圧電素子
63 補強板
66、67 凸部
68 腕部
681 孔
69 中心線
7 本体
70 装着部
71 基板
72 ロータ回転軸
73 壁部
74 内周面
75 空間
76、77 溝
78 内周面
79 振動体取付部
791 ネジ孔
8 ロータ
81 ロータ本体
811 基部
812 軸受設置部
813 孔
814 リング設置部
82 リング
821 溝
822 内面
83 ローラ回転軸
9 本体
91 基板
92 ロータ回転軸
93 チューブ装着溝
931 円弧部
932、933 直線部
94 薄板挿入溝
941 底部
95 振動体取付部
951 ネジ穴
10 ローラ
11、12 軸受
13 ボルト
14 ボール
15 薄板
151、152 固定部
16 薄板
161 リング部
162 固定部
17 ボルト
100 チューブ
101 上流部
102 下流部
103 円弧部

Claims (25)

  1. 弾性を有するチューブを装着する装着部を有する本体と、
    前記装着部に装着された前記チューブの近傍に設けられた可撓性を有する板状体と、
    前記本体に対し回転可能に設置されたロータと、
    前記ロータに複数設けられ、前記チューブの一部を前記板状体を介して圧閉する圧閉部と、
    前記ロータに一体化または固着されている被駆動体と、
    前記被駆動体に当接して設けられ、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体とを有し、
    前記振動体は、長い方向と短い方向とを有する形状をなし、前記ロータの半径方向から前記被駆動体に当接し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記ロータを回転させることを特徴とするチューブポンプ。
  2. 前記板状体は、前記装着部に装着された前記チューブの前記圧閉部に圧閉される部分のほぼ全域に渡って設けられている請求項1に記載のチューブポンプ。
  3. 前記板状体は、その厚さ方向に変位可能に設けられている請求項1または2に記載のチューブポンプ。
  4. 前記板状体は、その面内方向に変位しないように設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のチューブポンプ。
  5. 前記板状体は、前記本体に対し着脱可能に設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載のチューブポンプ。
  6. 前記板状体が一定の限度を超えて変位しないように規制する変位量規制手段を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のチューブポンプ。
  7. 前記振動体は、前記ロータの外周側から前記被駆動体に当接するように設置されている請求項1ないし6に記載のチューブポンプ。
  8. 前記振動体は、前記ロータの内周側から前記被駆動体に当接するように設置されている請求項1ないし6に記載のチューブポンプ。
  9. 前記振動体のほぼ全体は、前記ロータの最外周より内側に位置する請求項1ないし6または8のいずれかに記載のチューブポンプ。
  10. 前記振動体のほぼ全体は、前記ロータの回転軸方向について前記ロータの厚さ分の空間内に位置している請求項1ないし9のいずれかに記載のチューブポンプ。
  11. 前記被駆動体に溝が設けられており、前記振動体は、前記溝に当接する請求項1ないし10のいずれかに記載のチューブポンプ。
  12. 前記振動体の長手方向の端部付近が前記被駆動体に当接する請求項1ないし11に記載のチューブポンプ。
  13. 前記振動体は、板状をなしている請求項1ないし12のいずれかに記載のチューブポンプ。
  14. 前記振動体は、略長方形状をなしている請求項1ないし13に記載のチューブポンプ。
  15. 前記振動体は、前記ロータと略平行な姿勢で設置されている請求項1ないし14に記載のチューブポンプ。
  16. 前記振動体から突出して設けられた腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されている請求項1ないし15のいずれかに記載のチューブポンプ。
  17. 前記振動体は、複数設けられている請求項1ないし16のいずれかに記載のチューブポンプ。
  18. 前記圧閉部は、前記ロータに対し固定的に設けられている請求項1ないし17のいずれかに記載のチューブポンプ。
  19. 前記圧閉部は、前記ロータに対し回転可能に設けられている請求項1ないし17のいずれかに記載のチューブポンプ。
  20. 前記圧閉部は、前記ロータの回転軸とほぼ同じ方向の回転軸周りに回転可能に支持されたローラである請求項19に記載のチューブポンプ。
  21. 前記圧閉部は、任意の方向に回転可能に支持されたボールである請求項19に記載のチューブポンプ。
  22. 前記圧閉部は、前記ロータの半径方向から前記チューブを圧閉する請求項1ないし21のいずれかに記載のチューブポンプ。
  23. 前記圧閉部は、前記ロータの回転軸方向から前記チューブを圧閉する請求項1ないし19または21のいずれかに記載のチューブポンプ。
  24. 前記装着部に装着された前記チューブの円弧状の部分は、前記ロータの最外周より内側に位置する請求項1ないし23のいずれかに記載のチューブポンプ。
  25. 前記本体は、前記ロータを片側から支持する請求項1ないし24のいずれかに記載のチューブポンプ。
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