JP3951641B2 - スピーカシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飾り柱や梁等、家屋の一部を構成する長尺状部材を利用したスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、室内の空間を有効に利用するために、大型のスピーカを室内の床等に置かずに、天井から吊して使用している例が知られている(これを、「天井吊し型」と称する)。また、スピーカ本体を壁や天井に埋め込んだものも知られている(これを壁埋め込み型」と称する)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の天井吊し型および壁埋め込み型の各タイプのスピーカでは、低音の再生が十分とは言えない。すなわち、従来の天井吊し型のスピーカの場合、天井の高さによってはスピーカが邪魔になるので、大型のスピーカを吊せない。また、天井の強度が弱い場合も同様に、大型のスピーカは吊せない。このため、低音の再生に適さない小型のスピーカを天井から吊さなければならず、低音の再生を効率よく行うことが出来ない。
【0004】
また、従来の壁埋め込み型のスピーカの場合、その埋め込まれた空間内でキャビティがきちんと構成されていない。そのため、やはり低音の再生が効率よくできない。加えて、図8に示すように、出力される音の方向が壁の前方(図8中の複数の矢印は音の出力される方向を示している)のみとなっている。したがって、室内20におけるスピーカ21の前方以外の領域(例えば、部屋の隅の方)には、音が行き届きにくい。
【0005】
そこで、本発明は、家屋の一部を形成する長尺状部材を有効活用し、十分な強度とし大型のスピーカにも適用できるようにしたスピーカシステムを提供することを目的とする。また、他の発明は、音が室内に万遍なく行き届くようなスピーカシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、飾り柱等の家屋の一部を形成する長尺状部材の内部に空間部を形成し、この空間部内にスピーカユニットを組み込んだスピーカシステムであって、トラック型の中高音出力用のスピーカユニットと、反発磁気回路型の低音出力用のスピーカユニットとからなり、中高音出力用のスピーカユニットは、木材または木材感を有する長尺状部材の側面部分に設けられた開放部位からその一部が露出するように取り付けられて、長尺状部材の側方に配置された壁面に沿う方向に音を出力するように構成されていると共に、低音出力用のスピーカユニットは、壁面に対してその正面が平行となるように内蔵されていることを特徴としている。
【0007】
また、他の発明は、壁面に対して突出するように取り付けられた長尺状部材の側面部分に音を出力する出力部を設け、スピーカユニットから出力される音を上記壁面に沿う方向に出力するようにしたスピーカシステムであって、トラック型の中高音出力用のスピーカユニットと、反発磁気回路型の低音出力用のスピーカユニットとからなり、中高音出力用のスピーカユニットは、木材または木材感を有する長尺状部材の側面部分に設けられた開放部位からその一部が露出するように取り付けられて、長尺状部材の側方に配置された壁面に沿う方向に音を出力するように構成されていると共に、低音出力用のスピーカユニットは、壁面に対してその正面が平行となるように内蔵されていることを特徴としている。
【0008】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、スピーカユニットからの音が少なくとも2方向以上の木口部から出力されるように構成されたことを特徴としている。
【0009】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、スピーカユニットを1つまたは複数設け、スピーカユニットの少なくとも1つが、壁面に対してその正面が平行となるように内蔵された低音出力用のスピーカユニットであることを特徴としている。
【0011】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、中高音出力用のスピーカユニットの一部を露出させた開放部位に、この開放部位から出力される音を長尺状部材の突出方向へ導くガイドを設けたことを特徴としている。
【0012】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、低音出力用のスピーカユニットから側面部分に設けた出力ポートに音が伝わるルートを複数設け、当該低音出力用のスピーカユニットの正面または背面から出力された低音が、その複数のルートのうちの一方を伝わり、その反対の面から出力された低音と所望する低音の中心周波数で半波長ずれて位相が合うように合成されて、その合成音が出力ポートから出力されるように複数のルートの長さを設定したことを特徴としている。
【0013】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、中高音出力用のスピーカユニットが長尺状部材の長手方向における中央近傍に取り付けらると共に、低音出力用のスピーカユニットが長尺状部材の長手方向における両端もしくは一端に取り付けられることを特徴としている。
【0014】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、長尺状部材の空間部内に配置されたスピーカユニットにより、ステレオ信号による再生ができるように構成されたことを特徴としている。
【0015】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、長尺状部材の空間部内に、スピーカユニットに電気的に接続されたパワーアンプおよび音楽信号を受信または再生するための装置のうちの少なくともいずれか一つを組み込んだことを特徴としている。
【0016】
また、他の発明は、上述の各スピーカシステムにおいて、長尺状部材の空間部内に、スピーカユニットの電源となる発電装置または蓄電装置を組み込んだことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピーカシステムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、壁に対して突出するように取り付けられる長尺状部材となる飾り柱1を示す斜視図である。本実施の形態では、飾り柱1は、長手方向の長さ(=高さ(図1における上下方向の寸法))L1が2400mm、幅L2が202mm、奥行きL3が55mmの長方体のリサイクル材で構成されている。飾り柱1の内部には、空間部(空洞)1a(図2参照)が形成されている。図1における紙面奥側の面が、室内20の壁面(図3参照)10に固定されることにより、飾り柱1は、壁面10から前方へ突出するように壁面10に取り付けられる。
【0019】
この壁面10への取り付け状態において、壁面10の一方の側面部分、すなわち壁面10に直交する第1の木口部(図1における右側の側面部)2aには、長手方向における両端近傍にそれぞれ1つ、および中央近傍に2つ、計4つの当該飾り柱1の内部の空間部1aへ通じる孔が設けられている。また、壁面10の他方の側面部分となる壁面10に直交する第2の木口部2b(図1における左側の側面部)には、長手方向における中央近傍に2つの当該飾り柱1の内部の空間部1aへ通じる孔が設けられている(図示省略)。
【0020】
本実施の形態では、飾り柱1の第1の木口部2aの長手方向両端近傍に設けられた2つの孔が、後述する低音出力用のスピーカユニット4から出力される音を、空間部1aから外部へ放出するための出力ポート5となっている。また、本実施の形態では、飾り柱1の第1及び第2の木口部2a,2bにそれぞれ2つずつ設けられた計4つの孔が、後述する各中高音出力用のスピーカユニット3の一部を外部に露出させ、この露出部分から音を出力させるための開放部位である開口部6となっている。
【0021】
図2は、スピーカユニットが組み込まれた長尺状部材となる飾り柱1の内部構造の一部(図1に示した飾り柱1のの下半分)を、裏側(壁面10と当接している側)から示した平面断面図である。なお、図2における上端近傍部分は、図1の長手方向(図1における上下方向)における中央近傍である。図2に示すように、飾り柱1の空間部1aの長手方向における中央近傍には、中高音出力用のスピーカユニット3,3が取り付けられている。
【0022】
各中高音出力用のスピーカユニット3は、それぞれ上述の開口部6から表面が外部に向かって露出するように配置され、当該開口部6に空間部1a側からネジ止め固定されている。なお、各中高音出力用のスピーカユニット3は、空間部1a内で枠によってさらに仕切られた小さな空間内に配置され、その小さな空間内でキャビティを含めて構成されている。
【0023】
中高音出力用のスピーカユニットに関して、この図2においては、当該図2の上端近傍に取り付けられた2つの中高音出力用のスピーカユニット3,3のみを示しているが、これらの中高音出力用のスピーカユニット3,3の上部にさらに図示しない2つの中高音出力用のスピーカユニットが取り付けられている。すなわち、両木口部2a,2bの長手方向の中央近傍にそれぞれ2つずつ設けられた孔からそれぞれ表面が露出するように計4つの中高音出力用のスピーカユニット3が取り付けられている。
【0024】
各中高音出力用のスピーカユニット3は、細長い、いわゆるトラック型のスピーカで構成されており、幅(露出している部分における上下の幅)が110mm、奥行き(露出している部位から最内(奥)部までの距離(=図2においては左右方向の幅)が40mm、高さ(露出している部分における高さ(=図2においては紙面奥行き方向))が30mmとなっている。また、各中高音出力用のスピーカユニット3は、横方向に隣接する2つのスピーカユニット3の一方がL信号、他がR信号を出力することでステレオのLR信号が再生できるように取り付けられており、壁面10と平行方向(図2の矢示X方向参照)に音を出力するようになっている。
【0025】
このため、図3に示すように、両木口部2a,2bからの音は、当該木口2a,2bと直交する壁面10に沿って出力されることになる。このため、この実施の形態のスピーカシステムは、従来の壁埋め込み型のスピーカと異なり、音が飾り柱1の側方に壁面10に沿って出力されることとなる(図3参照)。さらに、後述するように、各中高音出力用のスピーカユニット3は、指向性が広いため、前方、すなわち壁面10から部屋内部に向かう方向にも音を出力する。この結果、室内のどこに対しても、ほぼ均一かつ確実に音を再生することが可能となる。
【0026】
次に、中高音出力用のスピーカユニット3の構成について説明する。中高音出力用のスピーカ3は、上下方向においては振動板(図示省略)の幅が比較的長く指向性は狭くなる。しかしながら、本実施の形態では、各中高音出力用のスピーカユニット3は、部屋の高さの中央付近に配置されている。このため、周波数特性上、高さ(上下)方向においては室内のどの場所でも通常の耳の高さで問題のない範囲で中高域の音を聴取することができる。
【0027】
また、各中高音出力用のスピーカユニット3は、図2における紙面手前および奥行き方向においては振動板の幅(高さ)が比較的短いため指向性が広い。そのため、上述したように、壁面10に沿う方向(水平方向)だけでなく、壁面10の前方(飾り柱1の突出方向=図3における下方向)へも音が拡がることとなる。
【0028】
また、図2に示すように、飾り柱1の空間部1aの長手方向における両端近傍には、それぞれ低音出力用のスピーカユニット4が取り付けられている。この図2においては、当該図2の下端近傍に取り付けられた1つの低音出力用のスピーカユニット4のみが示されているが、図示しない上端近傍にも同様に低音出力用のスピーカユニット4が取り付けられている。
【0029】
この低音出力用のスピーカユニット4は、反発磁気回路を用いた、いわゆるダイレクトドライブ方式(ボイスコイルにボビンを介さずに直接振動板が接着されている方式)のもので、直径約160mm、厚さは約25mmのスピーカ本体4gを備えている。
【0030】
図4は、図2のIV−IV断面図である。図4に示すように、この低音出力用のスピーカユニット4は、飾り柱1の突出方向における厚さ(図4における上下の幅)の中に、スピーカ本体4gの正面が壁面10と反対方向を向くように内蔵されている。
【0031】
低音出力用のスピーカユニット4は、中央部分に2つのマグネット4a,4aを上下方向に重ねて配置している。これらのマグネット4a,4aは、磁性材であるセンタープレート4cを挟んで互いに同極(例えば、N極)が向かい合うようにして、フレーム4dに接着固定されている。
【0032】
センタープレート4cの外側には、ボビンレスのボイスコイル4bが配置されている。このボイスコイル4bの外周部中央には、当該ボイスコイル4bの巻き幅(図4における上下方向の幅)内の範囲におさまる厚みの振動板4eの内周部分が固着されている。さらに、この振動板4eの外周部には、サスペンションとして作用するエッジ4fの内周部分が接合され、このエッジ4fの外周部分が絶縁部材を介してフレーム4dのフランジ(最外周部)に固定されている。
【0033】
このように構成された低音出力用のスピーカユニット4の最外周部分、すなわちフレーム4dのフランジ部分が、飾り柱1の内側に固定された水平面枠体11に保持されている。この低音出力用のスピーカユニット4は、その構成上、水平面枠体11の表裏双方(図4における上下両方向)に音が出力されるようになっている。
【0034】
図5は、図2のB−B’−B”断面図である。水平面枠体11の図2における上端部分には、低音出力用のスピーカユニット4の図2における紙面手前側(スピーカユニット4の背面側)に出力された低音をキャビティ内のルートとなる第1の音響迷路8aに導く(図2において音の出力方向を矢印C1で示す)ための第1のガイド壁9aと、低音出力用のスピーカユニット4の図2における紙面奥側(スピーカユニット4の正面側)に出力された低音をキャビティ内の第2の音響迷路8に導く(第2において音の出力方向を矢印C2で示す)ための第2のガイド壁9bが設けられている。
【0035】
すなわち、低音出力用のスピーカユニット4は、空間部1a内を枠で仕切られた小さな空間に分割されている。大別すると、低音出力用のスピーカユニット4の内部は、スピーカ本体4gを保持する本体保持部7と、スピーカ本体4gから出力された音を出力ポート5へ導くための音響迷路8a,8bに分けられている。
【0036】
音響迷路8a,8bは、キャビティ(空洞)の内壁と、仕切り板12と、ガイド壁9a,9bによって形成された音の伝わるルートである。スピーカ本体4gの前面(図2においては紙面奥側の面)側へ出力された低音は、スピーカ本体4gから出力ポート5まで直線的に伝播する。図2中の矢印C2は、スピーカ本体4gの前面側へ出力された低音の伝播経路を示している。
【0037】
一方、スピーカ本体4gの裏面(図2においては紙面手前側の面)側へ出力された低音は、スピーカ本体4gから出力ポート5まで音響迷路8aを通り、次に音響迷路8bを通りほぼ1周するように周回して伝播する。図2中の矢印C1は、スピーカ本体4gの裏面側へ出力された低音の伝播経路を示している。
【0038】
すなわち、スピーカ本体4gの前面側へ出力された低音と、スピーカ本体4gの裏面側へ出力された低音とは、音響迷路8a,8bの別の経路(C1,C2)を通って出力ポート5に到達し、出力ポート5の近傍で合成される。なお、音響迷路8a,8bの長さは、上述の両経路を通ってきた各低音が、所望する低音の中心周波数で半波長ずれて位相が合うように設定されている。すなわち、両経路C1,C2を通る各低音の周波数の位相を合わせることにより、音波を打ち消し合わず互いに増幅するように設定されている。本実施の形態では、約130Hzを所望の中心周波数とするように、経路C1と経路C2との差が約130cmに設定されている。
【0039】
より具体的には、スピーカ本体4の裏面側に出力され経路C1を通る長さ(経路C1におけるスピーカ本体4gから出力ポート5までの長さ)は、約160cmに設定されている。また、スピーカ本体4gの前面側に出力され経路C2を通る長さ(経路C2におけるスピーカ本体4gから出力ポート5までの長さ)は、約30cmに設定されている。したがって、両経路C1,C2の長さの実質的な差は約130cmとなる。
【0040】
これによって、両経路C1,C2をそれぞれ通って出力ポート5から出力される低音は、設定された周波数の前後の音を有効に使ったものとなる。加えて、合成された低音は、出力ポート5を経てから外部へ出力されるので、出力ポート5とキャビティによる共振周波数を、上述の中心周波数(約130Hz)に合わせることにより、出力としてロス無く取り出すことができる。それと同時に、その前後の周波数も付随して出力される。さらに迷路による共振(長さの4倍の周波数)も加えられるため、狭いキャビティでも有効に低音が再生できる。
【0041】
ここで、低音については指向性が広いので、飾り柱1のどこから出ても周波数特性上問題なく聴取できる。すなわち、低音出力用のスピーカユニット4からの低音は、出力ポート5から第1の木口部2aの外側に向けて出力されるが、指向性が広いため室内全域に音が行き渡り、室内のどこでも周波数特性上問題なく聴取できるようになっている。本実施の形態では、出力ポート5を飾り柱1の第1の木口部2aの長手方向(上下方向)両端に設けたが、その長手方向正面に設けても良い。また、スピーカ本体4gの配置位置を変えることにより、出力ポート5の上下方向における位置を変更しても良い。
【0042】
上述のスピーカシステムにおいて、スピーカユニットからの音が少なくとも2方向以上の木口部から出力されるように構成すると、1方向の場合に比して音の広がりがさらに向上する。
【0043】
上述のスピーカシステムにおいて、複数のスピーカユニットのうちの少なくとも1つを、壁面10に対してその正面が平行となるように内蔵された低音出力用のスピーカユニット4とすると、家屋の一部を利用したスピーカシステムにおいて、従来にはない低音再生に適したものとなる。
【0044】
上述のスピーカシステムにおいて、トラック型の中高音出力用のスピーカユニット3と、反発磁気回路型の低音出力用のスピーカユニット4とを備え、中高音出力用のスピーカユニット3を、木材または木材感を有する長尺状部材の側面部分に設けられた開放部位からその一部が露出するように取り付け、長尺状部材の側方に配置された壁面10に沿う方向に音を出力するように構成されていると共に、低音出力用のスピーカユニット4を、壁面10に対してその正面が平行となるように内蔵すると、両タイプのスピーカユニット3,4のそれぞれの特徴をより良く活かしたスピーカシステムとなる。
【0045】
上述の各スピーカシステムにおいて、中高音出力用のスピーカユニット3の一部を露出させた開放部位に、この開放部位から出力される音を長尺状部材の突出方向へ導くガイドを設けると、長尺状部材となる飾り柱1の前方における音の広がりがさらに向上する。
【0046】
上述のスピーカシステムにおいて、低音出力用のスピーカユニット4から側面部分に設けた出力ポート5に音が伝わるルートを複数設け、その複数のルートのうちの一方を伝わる低音が、他方を伝わる低音と所望する低音の中心周波数で半波長ずれて位相が合うように合成されて、その合成音が出力ポート5から出力されるように複数のルートの長さを設定すると、より効率よく低音の出力を行うことができる。なお、前記複数のルートにおいて、中心周波数が異なる2つのルートを設けて、これを合成するようにしても良い。
【0047】
上述のスピーカシステムにおいて、中高音出力用のスピーカユニット3が長尺状部材の長手方向における中央近傍に取り付けらると共に、低音出力用のスピーカユニット4が長尺状部材の長手方向における両端もしくは一端に取り付けられると、それらの配置のバランスが良く、中高音・低音共に効率よく出力させることができる。
【0048】
上述のスピーカシステムにおいて、長尺状部材の空間部内に配置されたスピーカユニットにより、ステレオ信号による再生ができるように構成されると、音の広がりがさらに良好なものとなる。
【0049】
上述のスピーカシステムにおいて、長尺状部材の空間部内に、スピーカユニットに電気的に接続されたパワーアンプおよび音楽信号を受信または再生するための装置等やスピーカユニットの電源となる発電装置等を組み込むと、電気的な配線の引き回し等が不要となり、スピーカ回りがすっきりとする。
【0050】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、各スピーカユニット3,4を組み込む長尺状部材として、室内の壁面10から突出するように取り付けられた飾り柱1を採用したが、室内の壁面10から突出して取り付けられる長尺状部材であれば、梁や間仕切りのようなものでも良い。また、強度の面で言えば、長尺状部材の中の空間部にスピーカユニットを設ければ良いので、長尺状部材を壁面10から必ずしも突出させる必要はない。
【0051】
また、上述の実施の形態では、中高音出力用のスピーカユニット3を計4つ、低音出力用のスピーカユニット4を計2つ飾り柱1の空間部1aに組み込んだが、これらの数に限定されるものではない。中高音出力用のスピーカユニット3の数を3つ以下、あるいは5つ以上としても良いし、低音出力用のスピーカユニット4の数を1つあるいは3つ以上としても良い。また、いずれか一方の種類のスピーカユニット、すなわち中高音出力用のスピーカユニット3のみもしくは低音出力用のスピーカユニット4のみが飾り柱1の空間部1aに組み込まれるように構成されていても良い。
【0052】
また、上述の実施の形態では、中高音出力用のスピーカユニット3は、飾り柱1の両側面となる両木口部2a,2bの所定位置に設けられた孔にそれぞれ一部が露出するように設けられ、音が飾り柱1の両側に壁面10に沿うように出力されるように構成されている。しかし、中高音出力用のスピーカユニット3からの音を、いずれか一方の木口部(2aもしくは2b)から外部に出力させるように構成しても良い。
【0053】
また、上述の実施の形態では、低音出力用のスピーカユニット3からの音を外部へ出力させるための出力ポート5を一方の木口部2aのみに設けたが、出力ポート5を飾り柱1の前面および他方の木口部2bに設けても良い。さらに、2つ設けられた低音出力用のスピーカユニット4のうちの一方からの低音を、木口部2aから出力し、他方からの低音を木口部2bから出力させるようにしても良い。
【0054】
さらに、上述の実施の形態では、飾り柱1の空間部1a内にスピーカユニット3,4のみを配置するように構成したが、空間部1aの空いているスペースにスピーカユニット3,4に電気的に接続されたパワーアンプ、音楽信号を受信または再生するための装置あるいはCDプレーヤー等のスピーカユニット3,4に関連する機器を組み込んでも良い。また、さらには、空間部1aの空いているスペースに、スピーカユニット3,4の電源となる発電装置もしくは太陽電池等の蓄電装置を組み込むようにしても良い。このように、パワーアンプ等の関連機器や発電装置等の電源装置を飾り柱1の空間部1a内に備え、スピーカユニット3,4と電気的に接続するようにすると、飾り柱1の外部からの電線コードやスピーカコードの配線の引き回し等が不要となる。
【0055】
また、上述の実施の形態では、図2及び図3に示すように、各中高音出力用のスピーカユニット3からの音は、水平方向に出力される。すなわち、中高音は、飾り柱1の両側に壁面10に沿うように出力され、加えて指向性が広いため前方へも音が拡がる。しかし、図6に示すように、各中高音出力用のスピーカユニット3を露出させ、当該スピーカユニット3からの音を出力するための開口部6に、フィン状のガイド15を設け、このガイドにより当該スピーカユニット3から出力される音をより前方へ誘導するように構成しても良い。このようにすると、飾り柱1の前方における音の広がりがさらに向上する。
【0056】
上述した実施の形態のスピーカシステムによれば、長尺状部材である飾り柱1の両木口部2a,2bから壁面10に沿う方向に音が出力されるように構成されている。そのため、音が壁や天井に沿って室内全体に拡がり、室内のどこにいても一様に音を聞くことができる。
【0057】
また、上述した実施の形態のスピーカシステムによれば、長尺状部材となる飾り柱1の側方部分となる両木口2a,2bから各中高音出力用のスピーカユニット3の音を出力させるようにしている。しかし、図7(A)に示すように、長尺状部材となる飾り柱1Aの断面形状を半円柱とし、その外周面に各中高音出力用のスピーカユニット3を配置するようにしても良い。
【0058】
また、上述した実施の形態のスピーカシステムによれば、長尺状部材となる飾り柱1の全体が壁面10から前方へ突出するように取り付けられている。すなわち、飾り柱1の奥側の面が壁面10と当接するように壁面10に取り付けられている。しかし、図7(B)に示すように、飾り柱1Bの一部を前方へ突出させ、その残りの部分を壁面10の奥側に埋め込んでも良い。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、家屋の一部を形成する長尺状部材を有効活用し、十分な強度とし大型のスピーカにも適用できるようにしたスピーカシステムを得ることができる。また、音が室内に万遍なく行き届くようなスピーカシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のスピーカシステムの一部を構成する長尺状部材の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の長尺状部材の内部構造の一部を示す図で、図1の裏側からその内部構造の一部を示した平面図である。
【図3】図1のスピーカシステムから出力される音の経路(広がり)を、当該スピーカシステムが配置された室内の上方から示した模式図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図2のB−B’−B”断面図である。
【図6】本発明の実施の形態のスピーカシステムの変形例の要部を示した断面図である。
【図7】(A)は、本発明の実施の形態のスピーカシステムの他の変形例、(B)はさらに他の変形例の各要部をそれぞれ示した断面図である。
【図8】従来の壁埋め込み式のスピーカにおける室内での音の経路(広がり)を、当該スピーカシステムが配置された室内の上方から示した模式図である。
【符号の説明】
1 飾り柱(長尺状部材)
1a 空間部
2a,2b 木口部(側面部分)
3 中高音出力用のスピーカユニット
4 低音出力用のスピーカユニット
5 出力ポート
6 開口部(開放部位)
8a,8b 音響迷路(ルート)
10 壁面
15 ガイド

Claims (10)

  1. 飾り柱等の家屋の一部を形成する長尺状部材の内部に空間部を形成し、この空間部内にスピーカユニットを組み込んだスピーカシステムであって、
    上記スピーカユニットは、トラック型の中高音出力用のスピーカユニットと、反発磁気回路型の低音出力用のスピーカユニットとからなり、
    上記中高音出力用のスピーカユニットは、木材または木材感を有する上記長尺状部材の側面部分に設けられた開放部位からその一部が露出するように取り付けられて、上記長尺状部材の側方に配置された壁面に沿う方向に音を出力するように構成されていると共に、
    上記低音出力用のスピーカユニットは、上記壁面に対してその正面が平行となるように内蔵されていることを特徴とするスピーカシステム。
  2. 壁面に対して突出するように取り付けられた長尺状部材の側面部分に音を出力する出力部を設け、スピーカユニットから出力される音を上記壁面に沿う方向に出力するようにしたスピーカシステムであって、
    上記スピーカユニットは、トラック型の中高音出力用のスピーカユニットと、反発磁気回路型の低音出力用のスピーカユニットとからなり、
    上記中高音出力用のスピーカユニットは、木材または木材感を有する上記長尺状部材の側面部分に設けられた開放部位からその一部が露出するように取り付けられて、上記長尺状部材の側方に配置された壁面に沿う方向に音を出力するように構成されていると共に、
    上記低音出力用のスピーカユニットは、上記壁面に対してその正面が平行となるように内蔵されていることを特徴とするスピーカシステム。
  3. 前記スピーカユニットからの音が少なくとも2方向以上の木口部から出力されるように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のスピーカシステム。
  4. 前記スピーカユニットを1つまたは複数設け、前記スピーカユニットの少なくとも1つが、前記壁面に対してその正面が平行となるように内蔵された低音出力用のスピーカユニットであることを特徴とする請求項1,2または3記載のスピーカシステム。
  5. 前記中高音出力用のスピーカユニットの一部を露出させた開放部位に、この開放部位から出力される音を前記長尺状部材の突出方向へ導くガイドを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のスピーカシステム。
  6. 前記低音出力用のスピーカユニットから前記側面部分に設けた出力ポートに音が伝わるルートを複数設け、当該低音出力用のスピーカユニットの正面または背面から出力された低音が、その複数のルートのうちの一方を伝わり、その反対の面から出力された低音と所望する低音の中心周波数で半波長ずれて位相が合うように合成されて、その合成音が上記出力ポートから出力されるように上記複数のルートの長さを設定したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のスピーカシステム。
  7. 前記中高音出力用のスピーカユニットが前記長尺状部材の長手方向における中央近傍に取り付けらると共に、前記低音出力用のスピーカユニットが前記長尺状部材の長手方向における両端もしくは一端に取り付けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のスピーカシステム。
  8. 前記長尺状部材の空間部内に配置された前記スピーカユニットにより、ステレオ信号による再生ができるように構成されたことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載のスピーカシステム。
  9. 前記長尺状部材の空間部内に、前記スピーカユニットに電気的に接続されたパワーアンプおよび音楽信号を受信または再生するための装置のうちの少なくともいずれか一つを組み込んだことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載のスピーカシステム。
  10. 前記長尺状部材の空間部内に、前記スピーカユニットの電源となる発電装置または蓄電装置を組み込んだことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載のスピーカシステム。
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