JP3950497B2 - 触媒充填方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒充填方法および触媒充填装置に関し、石油化学プラント等で使用される反応塔の内部に粒状の触媒を充填する際に利用される。
【0002】
【背景技術】
石油化学プラント等で使用される反応塔には、反応液の反応促進のために必要に応じて適宜な触媒が充填使用される。触媒は、反応液との接触性を高めるために通常は顆粒状とされ、反応塔内に所定の密度で均一に充填される。
触媒の充填にあたっては、従来、外部のホッパから触媒を供給されるホースを反応塔の上部開口を通して導入し、塔内の作業員が適宜ホースを操作して触媒を散布し、表面を均す等の作業を行っていた。
しかし、このような従来方法では、作業員が反応塔内に入って人手による作業を行うため、作業効率が低いうえ、作業員に踏み固められて触媒の充填密度が不均一になる等の不都合があった。
【0003】
このような不都合を解消するために、本願出願人により、回転散布式の触媒放出器を用いる充填装置が開発されている(特公平1−22807 号および特公平6−44987 号公報参照)。
特公平1−22807 号に示される充填装置では、下部の回転式放出板から触媒を回転散布する触媒放出器を反応塔の上部開口から吊り下ろし、この触媒放出器の吊り下げ高さや放出板の回転速度などを適宜制御することで、触媒が反応塔内の中心部から周辺部まで散布され、これにより適切かつ均一な散布密度および表面の平坦さを確保しようとしている。
また、特公平6−44987 号公報に示される触媒充填装置では、触媒を回転散布するための分配板を複数設けるとともに、分配板の寸法や形状をそれぞれ適宜設定し、これにより、各分配板から放出される触媒が広い範囲にわたって一様に散布されるようにし、触媒の散布密度の均一性を向上するとともに、充填された触媒表面がさらに平坦となるようにしている。
【0004】
なお、触媒の充填密度は(触媒充填量/充填体積)で表され、充填状態としては反応塔内で触媒が横に整列して並び最大の密度となる「最密充填」のほか、反応塔内で触媒どうしが互いに絡み合って密度が粗となる「ソック充填」が用いられる。
これらの状態は、密度の値とともに、充填対象の反応塔の形態や反応液の性質等により適宜選択される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特公平1−22807 号に示される充填装置では、散布中の触媒の着弾(着地)後の触媒挙動については十分に解析されていなかったため、必ずしも所望の充填密度を得られておらず、堆積触媒表面を平らに行うことが難しいという問題があった。
また、特公平6−44987 号公報に示される触媒充填装置では、分配板の寸法や形状の設定により、各分配板から放出される触媒が広い範囲にわたって一様に散布されるようにするので、一様に分散可能な触媒の放出量が限定され、触媒の充填速度に限界があるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、回転式の触媒放出器を用いて反応塔内に触媒を散布する際に、触媒の充填を平らに行なえるうえ、触媒の充填速度の高速化が可能となる触媒充填方法および触媒充填装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の触媒充填方法は、触媒の着弾後、触媒が反応塔の半径方向に転がってから停止すると触媒がほぼ同一姿勢で充填されること、ならびに、充填時の触媒放出器の回転数を周期的に変化させることにより、より半径方向に均一に充填されることに着目してなされたものである。
すなわち、従来の触媒充填装置による触媒の充填は、触媒の表面あるいは反応塔底面から比較的高い位置から行われていたため、触媒充填装置から反応塔の半径方向に放出された触媒はある程度半径方向に飛んだ後、半径方向の速度成分がゼロとなって、この後は自由落下すなわち鉛直に落下して着弾する。このため、着弾後の触媒の向きは必ずしも一定とはならず、触媒充填面の平らな充填は困難となり、充填触媒の表面が山谷となりやすかった。
【0008】
一方、本発明方法においては、触媒の着弾時においても触媒は、反応塔の半径方向速度成分Ux(Ux>0)が存在するため、触媒は着弾後に反応塔の半径方向に転がって整列されることとなり、表面が平らの充填も可能となる。
また、本発明方法においては、反応塔の半径方向の充填を均一にするため、触媒放出器の回転数を周期的に変化させる必要がある。
【0009】
より具体的には、本発明方法は、反応塔の上部に固定された触媒放出器における分散ロータを回転させながら、当該触媒放出器から触媒を散布することで反応塔内に触媒を充填する触媒充填方法であって、触媒放出器から放出される触媒の反応塔半径方向速度成分をUxとするとき、着弾時の触媒がUx>0となるように、触媒放出器の反応塔内の触媒表面からの散布高さおよび回転数を設定するとともに、この触媒放出器の回転数を周期的に変化させたことを特徴とする。
【0010】
本発明方法において、前記反応塔に充填された触媒の充填高さに応じて、前記周期的に変化する前記触媒放出器の回転数を全体的にシフトさせることが望ましい。
また、触媒放出器の極大回転数Nmax は、触媒放出器から放出される触媒が反応塔の側壁に直接所定の速度以上で当たる値より小さく設定されることが好ましい。回転数がNmax 以上では触媒が反応塔の側壁に当たり、触媒を損傷する可能性があるからである。
さらに、本発明方法において使用される触媒放出器は、多段ロータ型であることが好ましい。多段にすれば、反応塔の同一平面内の充填を短時間で行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明の触媒充填装置は、回転軸心に対し放射方向となる方向に互いに所定間隔を置いて延びる複数の仕切材を有する円板状の分散ロータを上下方向に所定間隔を置いて多段に備え、かつ、これらの分散ロータを回転駆動する回転駆動機構を備えるとともに反応塔の所定高さ位置に固定される触媒放出器と、この触媒放出器により当該反応塔内に放出された触媒の充填高さを検出する高さ検出手段と、前記触媒放出器の回転数を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記触媒放出器の分散ロータが所定の極大回転数Nmax と極小回転数Nmin との間の回転数を周期的に変化するように前記触媒放出器の回転駆動機構を制御するとともに、前記反応塔に充填された触媒の充填高さに応じて、前記極大回転数Nmax および前記極小回転数Nmin を全体的にシフトさせるように構成され、前記極大回転数Nmax は、触媒放出器の複数の分散ロータのうち、最上段の分散ロータから放出される触媒が反応塔のほぼ内周位置に着弾するような回転数とされ、極小回転数Nmin は、極大回転数Nmax で回転されるときに最上段の直下である第2段の分散ロータから放出される触媒の着弾位置とほぼ等しい位置に最上段の分散ロータから放出される触媒が着弾するような回転数とされ、かつ、各分散ロータの直径は、互いに隣接する分散ロータのうち下段の分散ロータが極大回転数Nmax で回転しているとき当該下段分散ロータから放出される触媒が着弾する位置に、上段の分散ロータが極小回転数Nmin で回転されているとき当該上段分散ロータから放出される触媒が着弾する位置がほぼ等しくなるような寸法に設定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明装置において、前記制御手段は、各分散ロータにおける極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る各回転数で、各分散ロータから放出される触媒の分布が均一になるように、極大回転数Nmax から前記回転数の変化領域における中心回転数に到る時間と、前記中心回転数から極小回転数Nmin に到る時間とは、長さが互い異なっていることが望ましい。
例えば、触媒がころがりにくく、触媒の分布が内側に偏るおそれがある場合には、極大回転数Nmax での充填時間に比べ、極小回転数Nmin 側の充填時間が極小回転数Nmin 側に行くに従い順次長くなるように設定し、これにより、各分散ロータから放出された触媒の分布をより均一にする。
一方、触媒がころがりやすく、触媒の分布が外側に偏るおそれがある場合には、着地後の触媒のころがり効果も考慮にいれて、極大回転数Nmax での充填時間に比べ、極小回転数Nmin 側の充填時間が極小回転数Nmin 側に行くに従い順次短くなるように設定し、これにより、各分散ロータから放出された触媒の分布をより均一にする。
【0013】
このような本発明においては、触媒放出器から放出される触媒は、反応塔の半径方向の速度成分Uxが0になる前に着弾し、この半径方向速度成分Uxにより半径方向に転がって次々に停止する。従って、各触媒はその向きが揃った状態で充填され、均一かつ高密度の充填が行われる。
しかも、充填中、触媒放出器の回転は、極大回転数Nmax から極小回転数Nmin まで周期的に変化するので、この回転数の変化に伴い触媒の放出初速度が変化する。従って、触媒の着弾位置も変化し、反応塔の半径方向の触媒分布がより均一になる。
【0014】
また、触媒放出器として多段の分散ロータを備えたものを用いれば、各段の分散ロータから反応塔内に所定の間隔ごとに充填される。この際、各分散ロータの大きさは、互いに隣接する分散ロータから放出される触媒どうしが半径方向位置が連続して着弾するように設定されているため、より均一に充填される。すなわち、隣接する分散ロータの上段側の分散ロータによりその極小回転数Nmin で放出される触媒の着弾位置が、下段側の分散ロータによりその極大回転数Nmax で放出される触媒の着弾位置とがほぼ等しい位置とされているから、互いに隣接する上下の分散ロータから充填される触媒の表面高さに段差が生じることがなく、ほぼ平面状態となる。しかも、触媒は前述の反応塔半径方向速度成分Uxを有しているため、その転がりとも相俟って、より均一な充填がなされる。また、この転がり力により、通常の自然落下であれば形成されるであろう、触媒堆積時の安息角に基づく山盛り状態も解消されることとなる。
さらに、各分散ロータの寸法等を設定するにあたり、互いに隣接する分散ロータから放出される触媒どうしが、半径方向に互いに連続する範囲に着弾するように設定できれば、分散ロータの数や各分散ロータから放出される触媒の放出量が限定されないので、従来(特公平6−44987 号公報)と異なり、触媒の充填速度の高速化が容易に可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る触媒充填方法および装置の適用状況を示す概略図である。この図1において、反応塔10は、内部に触媒11が充填される有底円筒状の大型反応塔であり、その上面中央には開口12が設けられ、底部は基礎13に固定支持されている。
反応塔10の上部には、図示しない架台が組まれ、この架台には本発明に基づく触媒充填装置20が配置されている。
【0016】
触媒充填装置20は、反応塔10内に設けられたデストリビュータ14のほぼ中心位置に設けられた触媒放出器30と、この触媒放出器30を支持する支持部21と、触媒放出器30を駆動するための流体駆動式のモータ22と、散布すべき触媒11を収納したホッパ23と、このホッパ23からの触媒11を触媒放出器30へ導くパイプ24とを備えている。
ここで、触媒放出器30は、後に詳述するように、ホッパ23から供給された触媒11を所定の初速度で放出して回転散布する分散ロータ機構40を備えている。
モータ22は、反応塔10内に配置された触媒放出器30の分散ロータ機構40を正、逆回転駆動するものである。そして、触媒充填装置20には、モータ22の回転数を変動可能に制御する制御手段70が備えられている。
この制御手段70には、反応塔10内に充填された触媒11の充填高さTを検出する高さ検出手段としての超音波センサ25が電気的に接続されている。
【0017】
制御手段70は、外部入力される指令や充填条件設定等に基づいて、触媒放出器30のモータ35の回転速度の制御を行うことにより、触媒放出器30による触媒11の充填作業が所望の状態で行われるように制御するものである。
このため、制御手段70は、コンピュータ等から構成され、図示しないが、触媒11の充填条件等を入力するためのキーボードや、各種表示を行うディスプレイ等を有する操作部と、操作部での設定条件や触媒11の充填触媒面11A の高さTに応じて触媒放出器30から放出される触媒11の量および放出時の回転数等を所定の式により演算するとともに制御する放出制御部とを含んで構成されている。
【0018】
触媒放出器30の分散ロータ機構40は、反応塔10の大きさや触媒11の性状により用いられる構造が異なるが、例えば、図2,3,4に示されるように、複数枚、具体的には、5,4,3枚の円盤状分散ロータ41を所定間隔を置いて多段に積み重ねて構成されている。
また、図2,3,4示される各々異なる実施の形態である分散ロータ機構40は、適応にあたって変更される細部の形状等を除き、分散ロータ41の枚数の相違のみであるため、以下、図2に示される5段の分散ロータ41の実施の形態につき、図5〜12の部品図をも参照して説明し、図3,4の実施の形態の説明は省略する。ここで、図3,4の実施の形態における図2の実施の形態と同一もしくは相当構成部分には、図2と同一の符号を付す。
【0019】
図2,5〜12において、触媒放出器30の支持部21は、その下部に触媒11を案内する筒状のガイド筒21A が設けられている。このガイド筒21A の下方に分散ロータ機構40が設けられている。
ガイド筒21A の中心位置には、アームおよびベアリング38を介して駆動軸39が回転自在に支持されている。この駆動軸39の下端には、分散ロータ機構40の支持リブ42の中央円錐部材(中心軸部材)43が一体に連結されている。
支持リブ42は、図5の底面図からも分るように、リング部材44を備えるとともに、このリング部材44と中央円錐部材43とをつなぐ断面三角形状(図6参照)の複数本の腕部45を備えている。
図2において、リング部材44には複数の分散ロータ41のうちの最上段の分散ロータ41Aがボルト等の固定具により取付けられている。この際、複数の分散ロータを一括して呼称する時、あるいは各別に呼称する必要のない時は符号41で示し、各分散ロータを各別に呼称する必要のある時は、符号41に最上段から順次記号A,B,C,D,Eを付して示す。
最上段の分散ロータ41Aには、スペーサ46を介して2段目の分散ロータ41Bがボルト等の固定具により取付けられ、以下同様に2段目と3段目、3段目と4段目、4段目と5段目(本実施形態における最下段)の分散ロータ41Bと41C、41Cと41D、41Dと41Eとがそれぞれスペーサ46を介して固定具で取付けられている。
【0020】
各分散ロータ41A〜41Eは、それぞれ図7,8,9,10,11の(A),(B)に示されるように、中心部に触媒11の流通用の孔47を有するとともに、上面に複数枚の仕切材48(図では板厚を省略して示してある)を有し、かつ、必要な取付孔等を有している。この際、最下段を除く上から4段目迄の分散ロータ41A〜41Dの孔47は円形とされ、最下段の分散ロータ41Eの孔47は長円とされている。また、各仕切材48は、それぞれの分散ロータ41A〜41Eの上面の等配位置に設けられ、その数は、直径4mの反応塔10への適用を考慮している本実施形態では、最上段で24枚、2段目で18枚、3段目で12枚、4 段目で9枚、最下段で5 枚とされている。これらの枚数は、充填しようとする反応塔10の直径、触媒11の性状、ロータ段数、外形寸法等により異なるものである。
【0021】
最下段の分散ロータ41Eの下面には、図12に示されるように、当該分散ロータ41Eに設けられた長孔47の開口面積を調整可能な3枚の調整板49がねじ51により、矢印方向Pに位置調整されて固定されている。これにより孔47から下方に落下する触媒11の流量が調整できるようになっている。
また、最下段の分散ロータ41Eの下面には、案内部材52が長孔53とボルト54との作用により位置調整されて固定されている。この案内部材52は、長孔53が形成された取付面の一側縁から下方に延びる案内面55を有し、その下端縁には受け面56が形成されている。この受け面56は、2枚の仕切板57A、57Bにより中央部56Aおよび両側の端部56B、56Cに仕切られている。このうち、一方の端部56Bは斜め下方に延長され、その側縁には案内面55および案内面55とは反対側に設けられた溢れ止め58が設けられ、触媒11が溢れ止めされている。また、他方の端部56Cは直線的に延長され、その案内面55とは反対側の側縁には端部56Bと同様に仕切板57Bに連続する溢れ止め59が設けられている。さらに、中央部56Aにおける案内面55とは反対側は、導流口61として解放されている。
【0022】
このような案内部材52を用いた場合、孔47からの触媒11は案内面55に沿って落下し、一旦受け面56に受けられた後傾斜により、あるいは、回転に伴って同心円状に均一に散布される。すなわち、受け面56に落下した触媒11のうち中央部56Aに落下した分は、案内面55と反対側縁の導流口61から直接落下し、反応塔10の略中心に散布される。一方、端部56B、56Cに落下した分は、それぞれ案内面55および溢れ止め58、59に沿って先端部まで送られて飛散され、前述の導流口61からの散布分の外側およびそのさらに外側に同心円状に散布されるようになっている。
【0023】
なお、駆動軸39に取付けられる中央円錐部材43のテーパ面43Aのテーパ角度、このテーパ面43Aと各分散ロータ41の孔47との間隔および各分散ロータ41間の間隔は、分散ロータ機構40からの触媒11の散布状況に影響が大きいため、計算により求めた後、実験により確認の上、最終的な形状を決定する。
【0024】
ここで、分散ロータ機構40の各部の寸法の決定方法を図13を参照して説明する。
図13において、分散ロータ機構40の触媒流入部すなわちスロート部の開口形状は、ガイド筒21A の内径すなわち半径r1 から、この半径r1 の位置における中央円錐部材43の半径a1 を引いた値とされ、この(r1 −a1 )が最上段(第1段)の分散ロータ41Aの開口とされる。また、この第1段の分散ロータ41Aの高さは、h1 とされ、これらのr1 ,a1 ,h1 とロータ半径R1 とにより触媒11の流出(散布)状態が変化することとなる。
【0025】
第2段の分散ロータ41Bにおける開口は、第1段分散ロータ41Aの孔47の寸法と当該位置における中央円錐部材43の寸法との差に等しく、半径r2 −半径a2 とされ、高さはh2 とされる。以下、同様に、第3段以後の分散ロータ41C,41D,41Eの開口形状は、寸法r3 ,a3 ,h3 、寸法r4 ,a4 ,h4 および寸法r5 ,a5 ,h5 により決定される。
【0026】
この開口部(スロート部)における寸法決定の考え方は、次の通りである。
スロート部は、触媒投入量をそれぞれの分散ロータ41に受け渡す役割を持っている。従って、均一分散を実現するため、各段の分散ロータ41が触媒をばらまく(充填する)面積がスロート面積比と合致していなければならない。そこで、第i段(Noi)の分散ロータで考えると、
[Noi-1の分散ロータからの流入量]
=[Noiの分散ロータでの分散量]+[Noi+1の分散ロータへの流出量]
となる。
これを図13の各r,a,hを用いて基礎式として表現する。
各分散ロータ41から供給された触媒11の反応塔10の中心からの距離(着弾位置Li 、中心軸径ai 、開口径ri の間に以下の関係が成立しなければならない。
【0027】
【数1】
【0028】
各ロータ41の開口高さ(hi )は、各ロータ41から供給される触媒11の着弾面積に比例するため、以下の関係が成立しなければならない。
【0029】
【数2】
【0030】
ここで、充填する触媒11を単一粒子と考えると、次の式が成立する。
【0031】
【数3】
【0032】
従って、これらの式から各部寸法を決定する。
【0033】
このような本実施形態においては、次のような手順で反応塔10内に触媒11の散布を行う。
まず、触媒放出器30をデストリビュータ14のほぼ中心位置にセットし、モータ22を起動し、触媒11の放出を開始する。
この状態で、制御装置70の放出制御部は、触媒放出器30から放出された触媒11が反応塔10の底部の周縁部まで達するとともに、反応塔10の半径方向速度成分Uxがゼロよりも大きくなるように、所定の回転数で触媒放出器30の分散ロータ機構40を回転させる。これにより、触媒放出器30は、触媒11を反応塔10の内部に多重同心円状に散布する。
ここで、触媒放出器から放出された触媒は、半径方向速度成分Uxがある程度の値、すなわち、Ux>0に設定されているため、着弾後に触媒11は、半径方向に転がってから停止し、堆積表面は平らになる。
【0034】
そして、触媒11の散布が進むと、反応塔10の内部に充填された触媒11が堆積し、堆積した触媒11の上面である充填触媒面の高さレベルが上昇する。すると、触媒11が放出されてから着弾するまでの時間が短くなるので、そのままの回転数で触媒放出器30の分散ロータ機構40を回転させていたのでは、触媒放出器30から放出された触媒11が反応塔10の底部の周縁部まで到達できなくなる。
このため、制御装置70の放出制御部は、超音波センサ25で充填触媒面の高さTを検出し、この高さTに応じて触媒放出器30の分散ロータ機構40の回転速度を調節する。これにより、触媒11の充填触媒面の高さTが上昇するにしたがって、分散ロータ機構40の回転速度を増加させながら、触媒11の充填が行われる。
このように、分散ロータ機構40の回転速度を増加させながら触媒11を放出してゆき、触媒11が反応塔10内の上限高さレベルまで充填されたら、触媒放出器30による散布作業を完了する。
【0035】
この散布作業時に、反応塔10内に、配管、その他の障害物がある場合には、モータ22を所定のインターバルで正転、逆転にきりかえる。これにより、障害物の周囲にも均等に触媒11が散布されることとなる。
【0036】
また、この散布にあたり、ある一定回転数における触媒11の反応塔10内での堆積状態は、図14に模式的に示されるように、多数の同心円状で所定の安息角を有する断面山形となる。
このため、本発明では、各山間の谷を埋めて触媒11の堆積表面をより平らにするため、触媒放出器30の回転の最大値(極大回転数Nmax )から、最小値(極小回転数 Nmin )までを周期的に変化させる。この回転数の最大値Nmax は、触媒放出器30の分散ロータ41を当該極大回転数Nmax で回転させたとき、最上段の分散ロータ41Aから放出される触媒11が丁度、反応塔10の内壁の位置に着弾する値とされる。一方、最小値Nmin は、分散ロータ41が極大回転数Nmax で回転されたとき、上から2段目の分散ロータ41Bから放出される触媒11が着弾する位置に、最上段の分散ロータ41Aから放出される触媒11が着弾するような回転数である。すなわち、Nmin の回転数の時の遠心力で最上段の分散ロータ41Aから放出される触媒11の着弾位置と、Nmax の回転数の時の遠心力で2段目の分散ロータ41Bから放出される触媒11の着弾位置とが等しいこととなる。
従って、触媒放出器30の回転数がNmax からNmin まで周期的に変化するようにすると、最上段の分散ロータ41Aから放出される触媒11は、反応塔10の内周壁から2段目ロータ41BからNmax 時に放出される触媒11の着弾位置まで順次連続して反応塔10内に供給されるため、その間の触媒11の堆積表面は均一な高さに(平らに)充填されることとなる。
【0037】
また、3段目以降の各分散ロータ41C,41D,41Eの直径は、上述の考え方と同様に、互いに上下に隣接する各分散ロータ41Bと41C、41Cと41D、41Dと41Eにおいて、触媒放出器30の極小回転数Nmin での運転時における上段の分散ロータ41B,41Cまたは41Dから放出される触媒11の着弾位置と、極大回転数Nmax での運転時における下段の分散ロータ41C,41Dまたは41Eから放出される触媒11の着弾位置とがそれぞれほぼ一致するような寸法に設定されている。
【0038】
次に、本実施形態において、触媒放出器30の極大回転数Nmax 、極小回転数Nmin および各分散ロータ41のロータ長(半径)Rの求め方を説明する。
ここで、充填触媒面が上限高さレベルの近傍に達した状態では、触媒11が放出されてから着弾するまでの時間が最短となるので、放出される触媒11の半径方向速度成分Uxを最も速くする必要があり、触媒放出器30の分散ロータ41に要求される回転数は、散布作業の全工程における最大回転数となる。
従って、この状態における分散ロータ41の最大回転数を基準として、極大回転数Nmax 、極小回転数Nmin および各ロータ長Rを設定すれば、充填途中においても、触媒放出器30から放出された触媒11が反応塔10の周縁部まで到達しない等の不具合が防止される。
換言すれば、充填触媒面が上限高さレベルの近傍に達した状態において、極大回転数Nmax 、極小回転数Nmin および各ロータ長Rを設定するとともに、充填途中における充填触媒面の高さTに応じて極大回転数Nmax および極小回転数Nmin を設定する。
ここでは、充填触媒面が上限高さレベルの近傍に達した状態における、極大回転数Nmax および極小回転数Nmin を求め、これらの極大回転数Nmax および極小回転数Nmin から各ロータ長Rを設定する。
すなわち、一般に、
L:触媒を着弾させたい位置までの水平方向距離(m)
(充填面すなわち触媒着弾位置の塔中心からの距離)
H:充填したい面から分散ロータまでの高さ (m)
R:ロータ半径 (m)
とすると、充填触媒粒子の充填面到達に要する時間Θ(sec) は、次の式で表される。
【0039】
【数4】
【0040】
但し、A,Bは粒子の物理物性、充填雰囲気によって決定される定数である。
一方、充填触媒粒子の初速度Uo(m/sec) は、次の式で決定される。
【0041】
【数5】
【0042】
但し、Cは粒子の物理物性、充填雰囲気によって決定される定数である。
また、反応塔中心からの距離L(m) は、次の式で求められる。
【0043】
【数6】
【0044】
さらに、分散ロータの回転数N(rpm) は、次の式で求められる。
【0045】
【数7】
【0046】
ここで、長径4mm,短径1mmの三葉形の触媒粒子について大気雰囲気での前記定数A,B,Cの値を示すと、以下のようになる。
A=0.24、B=6.35、C=4.17
これらの数値を用いるとともに、反応塔中心からの距離Lすなわち反応塔10の半径D/2,充填高さHを仮に設定し、初速度Uoを求めると、表1になる。
【0047】
【表1】
【0048】
すなわち、反応塔10の直径が4mの時、触媒分散器30の触媒堆積面からの高さHが2mであると、初速度Uo は3.72m/sec 必要であり、高さHが0.5 mだと初速度Uo は7.89m/sec 必要であることが分る。直径2mのときも同様に表1から初速度Uo が分る。
【0049】
以上のことから、分散ロータ半径のRを決定するには、次のように行う。
A)Nmax の算出
反応塔10への充填を考える場合、径が最大の分散ロータ41Aから供給された充填触媒粒子が反応塔10の壁の直前に着弾する場合の初速度U1 から求めればよい。この際、
2L=(反応塔直径:D)/2
とし、数式4,5,7でNmax を算出する。すなわち、数式4,5からU1 を求め、このU1 を数式7に代入して求めたNがNmax である。
B)Nmin の算出
分散ロータ機構40の2段目の分散ロータ41Bあるいは分散器下部の案内部材52分から最も外方に放出される触媒粒子の極大回転数Nmax での着弾位置と、径が最大の分散ロータ41Aあるいは径が最小の分散ロータ41Eから供給される触媒粒子の着弾位置が等しくなる初速度を数式4,5で求め、さらに数式7からNmin を算出する。
すなわち、案内部材52から放出される触媒11の極大回転数Nmax での初速度U2 を数式5に代入して着弾位置L2 を求め、その次に、このL2 の時の最小分散ロータ41Eの初速度U3 を求め、このU3 を数式7に代入して得られる回転数NがNmin である。
C)分散ロータ半径の算出
分散ロータ枚数をn(図2の実施形態では5枚)とし、充填面全域にわたって触媒粒子を充填するには、n枚目のロータ半径(Rn)が以下の式を満足するよう決定する。
【0050】
【数8】
【0051】
次に、具体的計算例を示す。
解析上の制限を下記の通りとした。
▲1▼最大分散ロータ半径R; 200 mm
▲2▼開口部の最低半径r; 25 mm
▲3▼スロート入口の開口部半径;80〜120mm
▲4▼中央円錐部材(中心軸)部分;実際の製作を考え、円錐型になるよう設定。
この制限の下、算出した分散ロータ機構40における各分散ロータ半径R、各段の入口部の開口部半径r、中央円錐部材半径のa、開口高さhについて解析結果を表2〜4に示す。また、形状は前述の図13に5段の例が示されている。図13中のr,a,hにおける添字(1〜5)は各段数を示している。
段数は充填面に描く同心円の個数となるため多い方がよいが、現在の制限すなわち最大分散ロータ半径および開口部の最低半径の制限のもとでは、段数は5段が限度となる。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
また、回転数の周期的変化を以下のように仮定し、計算を行った。
平均触媒長径/短径;4/1mm
第1段(最上段)分散ロータの堆積触媒面からの高さ;200cm
その結果を表5〜7に示す。なお、表中、平均長径触媒粒子とは、触媒11の長さ寸法にある程度のバラツキがあるが、その平均の寸法における触媒粒子の意味である。
また、触媒は、ころがりにくい形状のため、着弾後のころがり効果が期待できない。このため、充填時間は、極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る全ての回転数で、放出された触媒の分布を均一にするため、極小回転数側に至るに従い、充填時間を長く設定した。
表5〜7では、極大回転数Nmax における充填時間を1とした時の他の回転数における充填時間をその比として示してある。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
なお、充填途中における極大回転数Nmax および極小回転数Nmin は、充填触媒面の高さTを変数とするとともに、充填触媒面の高さTが最大値となった時に、上述のように求めた極大回転数Nmax から極小回転数Nmin の値となる適宜な関数、例えば、変数Tの一次関数等を適当に設定し、この関数と充填触媒面の高さTから算出する。
【0060】
このような本実施形態によれば、次に示すような効果がある。
すなわち、本実施形態の方法では、充填触媒面に着弾した触媒11の半径方向速度成分UxがUx>0となるように、触媒11を放出する触媒放出器30の回転数を設定したので、着弾後の各触媒11は反応塔10の半径方向に転がり、一定の姿勢、換言すると、各触媒11の長径方向がほぼ円周方向を向くような姿勢で散布されるようになり、充填密度を向上できるうえ、充填された触媒11の充填触媒面を平らにすることができる。
【0061】
また、触媒11の充填触媒面の高さTを超音波センサ25で検出し、触媒11の充填触媒面の高さTが上昇するにしたがって、分散ロータ機構40の回転速度を増加させながら、触媒11の充填を行うようにしたので、充填触媒面の高さTが異なっていても各高さレベルにおいて最適の回転速度で触媒11の散布が可能となり、この点からも、充填された触媒11の充填触媒面を平らにすることができる。
しかも、触媒放出器30は、その回転数が周期的に変化されるため、一定の1つの回転数では生じる山谷を均すことができ、この点でも充填された触媒11の充填触媒面を平らにすることができる。
【0062】
従って、反応塔10内を平均に気液が流れるため、触媒11が均等に使用されることとなり、触媒11の寿命を延長することができるという効果がある。
また、均等な充填に伴い、一部の触媒11の異常反応が防止でき、それによるいわゆるホットスポットを防止することもできる。
ここで、各分散ロータ41の寸法等を設定するにあたり、互いに隣接する分散ロータ41から放出される触媒11どうしが、半径方向に互いに連続する範囲に着弾するように設定できれば、分散ロータ41の数や各分散ロータ41から放出される触媒11の放出量が限定されないので、触媒11の充填速度を容易に高速化することができる。例えば、同規模の装置であれば、従来の特公平6−44987 号公報に示される充填装置に比べて、約2倍の充填速度を達成するこができる。
【0063】
さらに、周期的に回転数を変動させながら触媒11を散布する触媒放出器30は、回転数が小さいほど、触媒11の散布時間が長くなるように設定し、触媒がころがり効果により外側に偏る傾向を有していても、内側の充填時間を長くすることで補正されるので、径方向の触媒充填量がほぼ一定とされ、これによっても均一な充填を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態の触媒放出器30は、同心円状分散ロータ41を多段に組合せた構造とし、隣接した各段の分散ロータ41の径は、上段すなわち大径の分散ロータ41の極小回転数運転時の触媒11の着段距離と、下段すなわち小径の分散ロータ41の極大回転数運転時の触媒11の着段距離とがほぼ一致する寸法としたから、各段による触媒11の散布が半径方向に連続した状態で行なわれることとなり、均一な(平らな)充填を行うことができる。
さらに、このような触媒放出器30の構造は円板等の単純な形状の部品により構成されているから、構造が簡単となり、安価かつ容易に製造でき、性能も安定したものにできる。
【0065】
また、分散ロータ機構40の各段の分散ロータ半径R、開口部半径r、中央円錐部半径a、開口部高さh等の各部の寸法は、前述の所定の式で計算され、適正に決定されているから、各段の分散ロータ41からの触媒11の散布量を均一とすることができる。
【0066】
さらに、触媒放出器30を所定のインターバルで正、逆回転させれば、反応塔10内に配管等の障害物があっても、その周囲にも均一に触媒11を充填できる。
【0067】
図15には、本発明の第2実施形態が示されている。本実施形態は、前記第1実施形態における分散ロータ機構40に、各段の分散ロータ41に送られる触媒11の流路を絞る絞り板60を付加したものである。
すなわち、図15において、分散ロータ41A〜41Dの中央の孔47の周囲には、下方に延びる側壁を備えたリング状の絞り板60が設けられている。各絞り板60は、その下段の分散ロータ41に送られる触媒11の流路を絞るものとなっている。
また、最上段の分散ロータ41Aの上方には、ドーナツ状の上部押さえ板61が設けられている。この上部押さえ板61の中央には、触媒放出器30に備えられたガイド筒21A の下端が嵌合される孔62が設けられている。そして、上部押さえ板61には、分散ロータ41Aに送られる触媒11の流路を絞る絞り板60が孔62の周囲に設けられている。
なお、最下段の分散ロータ41Eの下方には、分散ロータ41が存在しないので、分散ロータ41Eには、絞り板60を設ける必要がない。
【0068】
ここで、本実施形態では、ころがりやすい形状の触媒が採用される。このため、着弾後のころがり効果を考慮した上で、極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る全ての回転数において放出された触媒の分布が均一となるようにするため、極小回転数側に至るに従い、充填時間を短く設定した。
表8には、極小回転数Nmin における充填時間を1とした時の他の回転数における充填時間をその比として示してある。
【0069】
【表8】
【0070】
このような本実施形態においても前記第1実施形態と同様な作用、効果を奏することができる他、着地後の触媒のころがり効果も考慮にいれて、極大回転数Nmax での充填時間に比べ、極小回転数Nmin 側の充填時間が極小回転数Nmin 側に行くに従い順次短くなるように設定したので、触媒11がころがりやすくとも、触媒11の分布が外側に偏ることがなく、各分散ロータ41から放出された触媒の分布をより均一にすることができるという効果が得られる。
【0071】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成する範囲において、以下に示すような変形等をも含むものである。
すなわち、触媒放出器30、特に分散ロータ機構40の各部の寸法および段数は、前記実施形態の寸法・段数に限らず、反応塔の形状、触媒の種類や粒度、散布回転数や散布量などの他の条件に応じて変化するものであり、他の条件毎に適宜決定すべきものである。
また、回転数の変化の巾は、各種条件に応じて変化させるものであり、しかも、必ずしも極小回転数側の充填時間と極大回転数側の充填時間とを異ならせる必要はないが、異ならせれば、前記各実施形態で示した効果が得られる。
【0072】
さらに、高さ検出手段としては、超音波センサ等の充填触媒面の高さレベルを直接検出するものに限らず、反応塔の底に設けられた重量センサ、または、触媒を収納するホッパや触媒を導くパイプに設けられて触媒の放出量を検出する流量センサ等、充填触媒面の高さレベルを間接的に検出するものでもよく、高さ検出手段は、実施にあたり適宜選択することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、触媒の充填を平らかつ均一にでき、塔内の流体の流れを均一にできて触媒寿命を延長できるばかりでなく、ホットスポット等を有効に防止できるうえ、触媒の充填速度を容易に高速化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示す概略断面図。
【図2】図1の実施形態に用いられる5段の分散ロータの実施形態を示す概略断面図である。
【図3】図1の実施形態に用いられる4段の分散ロータの実施形態を示す概略断面図である。
【図4】図1の実施形態に用いられる3段の分散ロータの実施形態を示す概略断面図である。
【図5】図2の実施形態の支持リブの底面図である。
【図6】図2のVI−VI線に沿う端面図である。
【図7】図2の実施形態の第1段分散ロータの平面図および断面図である。
【図8】図2の実施形態の第2段分散ロータの平面図および断面図である。
【図9】図2の実施形態の第3段分散ロータの平面図および断面図である。
【図10】図2の実施形態の第4段分散ロータの平面図および断面図である。
【図11】図2の実施形態の第5段分散ロータの平面図および断面図である。
【図12】図2の実施形態の第5段分散ロータと案内部材の分解斜視図である。
【図13】本実施形態の5段分散ロータにおける各部の寸法を示す概略図である。
【図14】本実施形態の触媒分散状態を示す模式図である。
【図15】
本発明の第2実施形態を示す図2に相当する図である。
【符号の説明】
10 反応塔
11 触媒
20 触媒充填装置
22 回転駆動機構としてのモータ
25 高さ検出手段としての超音波センサ
30 触媒放出器
41 分散ロータ
70 制御手段
Claims (7)
- 反応塔の上部に固定された触媒放出器の分散ロータを回転させながら、当該触媒放出器から触媒を散布することで前記反応塔内に触媒を充填する触媒充填方法であって、
前記触媒放出器から放出される触媒の前記反応塔半径方向速度成分をUxとするとき、着弾時の触媒がUx>0となるように、前記触媒放出器の前記反応塔内の触媒表面からの散布高さおよび回転数を設定するとともに、この触媒放出器の回転数を周期的に変化させたことを特徴とする触媒充填方法。 - 請求項1に記載の触媒充填方法において、前記反応塔に充填された触媒の充填高さに応じて、前記周期的に変化する前記触媒放出器の回転数を全体的にシフトさせることを特徴とする触媒充填方法。
- 請求項1または請求項2に記載の触媒充填方法において、前記触媒放出器は、触媒放出器の回転軸心から放射方向に延びる複数の仕切材を有する円板状の分散ロータを上下方向に所定間隔をおいて一体回転可能に多段に備えるとともに、これらの分散ロータは下方にいくに従い小径とされ、かつ、前記分散ロータの周期的に変化する回転数の変化領域における極大値および極小値は、上下に隣接する各分散ロータからそれぞれ放出される触媒が反応塔の半径方向に連続して供給されるように、極小回転数運転時における互いに隣接する上下の分散ロータのうち上段の分散ロータにより放出される触媒の着弾位置と、極大回転数運転時における下段の分散ロータにより放出される触媒の着弾位置とがほぼ一致するようにしたことを特徴とする触媒充填方法。
- 回転軸心に対し放射方向となる方向に互いに所定間隔を置いて延びる複数の仕切材を有する円板状の分散ロータを上下方向に所定間隔を置いて多段に備え、かつ、これらの分散ロータを回転駆動する回転駆動機構を備えるとともに反応塔の所定高さ位置に固定される触媒放出器と、この触媒放出器により当該反応塔内に放出された触媒の充填高さを検出する高さ検出手段と、前記触媒放出器の回転数を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記触媒放出器の分散ロータが所定の極大回転数Nmax と極小回転数Nmin との間の回転数を周期的に変化するように前記触媒放出器の回転駆動機構を制御するとともに、前記反応塔に充填された触媒の充填高さに応じて、前記極大回転数Nmax および前記極小回転数Nmin を全体的にシフトさせるように構成され、前記極大回転数Nmax は、前記触媒放出器の複数の分散ロータのうち、最上段の分散ロータから放出される触媒が前記反応塔のほぼ内周位置に着弾するような回転数とされ、極小回転数Nmin は、前記極大回転数Nmax で回転されるときに最上段の直下である第2段の分散ロータから放出される触媒の着弾位置とほぼ等しい位置に最上段の分散ロータから放出される触媒が着弾するような回転数とされ、かつ、各分散ロータの直径は、互いに隣接する分散ロータのうち下段の分散ロータが前記極大回転数Nmax で回転しているときに、当該下段分散ロータから放出される触媒が着弾する位置に、上段の分散ロータが前記極小回転数Nmin で回転されているときに、当該上段分散ロータから放出される触媒が着弾する位置がほぼ等しくなるような寸法に設定されていることを特徴とする触媒充填装置。
- 請求項4に記載の触媒充填装置において、前記制御手段は、各分散ロータにおける極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る各回転数で、各分散ロータから放出される触媒の分布が均一になるように、極大回転数Nmax から前記回転数の変化領域における中心回転数に到る時間と、前記中心回転数から極小回転数Nmin に到る時間とは、長さが互い異なっていることを特徴とする触媒充填装置。
- 請求項5に記載の触媒充填装置において、前記制御手段は、各分散ロータにおける極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る各回転数で、各分散ロータから放出された触媒の分布が均一になるように、極大回転数Nmax での充填時間に比べ、極小回転数Nmin 側の充填時間が極小回転数Nmin 側に行くに従い順次長くなるように設定されていることを特徴とする触媒充填装置。
- 請求項5に記載の触媒充填装置において、前記制御手段は、各分散ロータにおける極大回転数Nmax から極小回転数Nmin に至る各回転数で、各分散ロータから放出された触媒の分布が均一になるように、また、着地後の触媒のころがり効果も考慮にいれて、極大回転数Nmax での充填時間に比べ、極小回転数Nmin 側の充填時間が極小回転数Nmin 側に行くに従い順次短くなるように設定されていることを特徴とする触媒充填装置。
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