JP3946633B2 - 硫酸中の塩化物補助酸化加圧浸出による硫化浮選精鉱からの有価ニッケルおよび有価コバルトの回収 - Google Patents

硫酸中の塩化物補助酸化加圧浸出による硫化浮選精鉱からの有価ニッケルおよび有価コバルトの回収 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は硫化浮選精鉱からニッケル及びコバルトを分離し、抽出し、回収する精錬方法に関する。より具体的には、酸性条件下で大気塩素侵出を行い、次いで、酸化酸加圧侵出を行い、電解採取によりニッケルの回収を行う工程を含む製錬方法に関する。
【0002】
【背景技術】
製錬業において、従来の精錬方法に替わる硫化浮選精鉱から卑金属を回収するための経済的かつ現実的な精錬方法の開発が、従来から所望されている。環境排出規制がより厳しくなり、そのため、精錬所を構築し操業するにはコストの上昇を招くようになってきている。50年以上に渡り研究されてきた多くの精錬方法は、硫化浮選精鉱の水溶性スラリーを、空気雰囲気または酸素雰囲気において加圧オートクレーブ内で浸出を行うものであり、鉄、硫黄および脈石の精鉱から有価金属を主として分離することができる。これらの精錬方法は商業的にはほとんど成功していない。
【0003】
大気圧95℃条件下、アンモニア化合物である硫酸アンモニウム溶液中でニッケル‐銅の硫化浮選精鉱を加圧浸出する精錬方法は、1950年代初期にカナダのSherritt Gordon Mines Limitedにより商業化され(J. R. Boldt, Jr. and P. E. Queneau, The Winning of Nickel, Longmans Canada Limitd, Toronto, 1967, PP 299-314)、40年間操業に成功してきた。上記の精錬方法は、相対的にエネルギー消費が大きく、かつ副生成物である硫酸アンモニウム肥料を市場供給する必要があるため、特に、一般地域にあり供給物の貯蔵が可能なSherritt Gordonプラントには採用されたが、他のニッケル製造業者には広く普及しなかった。
【0004】
硫化亜鉛の浮選精鉱の加圧浸出方法により生成される硫酸もまた、1981年以来商業的操業に成功しており、その後、従来の焙焼技術に代わるものとしていくつかの亜鉛製造業者に利用されてきた。この浸出方法では、硫化亜鉛浮選精鉱が150℃の硫酸溶液中で酸化加圧浸出され、硫酸亜鉛溶液と、硫黄単体と、酸化鉄を含有する残留物とが生成する。硫酸亜鉛溶液を精製することにより、微量含有物である金属不純物が除去され、金属亜鉛は、古くから確立された方法である電解採取方法より、精製抽出溶液から回収される。加圧浸出により硫酸塩に酸化される硫化物は、精鉱中通常10%以下であり、残りの硫化物は販売用または貯蔵用の固体の硫黄単体として回収される。当該方法における硫黄の形態は、従来の焙焼方法によるものに比べて優れ、従来方法では、硫黄はすべて硫酸か石膏等の固体廃棄物となるため、原価以下の市販を余儀なくされ、あるいは埋め立て処分されたりする。
【0005】
この酸化酸加圧浸出技術を拡張して、銅やニッケル-銅の硫化浮選精鉱を直接処理する試みが数多くなさているが、未だ商業的には成功していない。黄銅鉱を含有する浮選精鉱の処理の際に、硫黄の融点以上の温度で酸化加圧浸出を適用すると多くの障害を生じ、この障害は、溶融硫黄が金属硫化物粒子の表面を覆う傾向にあることによるものである。このことが金属硫化物と酸性溶液の反応を抑制し妨げる。従って、120℃以上の温度で硫酸中の銅精鉱を酸化加圧浸出すると、一般的に反応速度が遅く金属抽出量が少ない。亜鉛およびニッケルの硫化物粒子は、硫化銅よりも溶融硫黄に対する親和性が低く、そのため上述の亜鉛の酸化加圧浸出では、リグノスルホン酸(lignosulfonate)塩やケブラチョ(quebracho)のような有機物を添加することにより、浸出工程中に硫化物粒子がコーティングされるのを防ぎ、成功をおさめている。当該添加は、硫化銅精鉱に対しては効果が無いが、最近、150℃で硫酸溶液中で酸化加圧浸出することにより、低品質の石炭が、亜鉛硫化物と銅硫化物両方のコーティングを防止することが見いだされた(Collins等の米国特許第5、730、776号参照)。
【0006】
Stanleyらの米国特許第4,039,406号には、溶解硫黄によって硫化物の粒子表面が閉塞される問題を解決するための異なる手法が記載されている。当該特許は、120℃以上の温度で硫酸溶液中の黄銅精鉱の酸化加圧侵出時に、侵出溶液に低濃度の塩化物イオンを添加することを開示している。塩化物の添加により、黄銅の侵出速度が大幅に増加し、硫化物が硫酸塩に変化するのを大幅に減少させる効果がありことが見いだされ、その結果、塩化物の添加は、精鉱中の鉄分を実質的にすべて固体残留物中に赤鉄鉱として回収できる。塩化物イオンの添加が無ければ、150℃の硫酸中の黄銅の酸化加圧侵出は通常酸性が強く、溶解鉄を含有する侵出溶液を生成する。塩化物添加により、侵出溶液は通常pH値が2.5〜3となり、鉄分濃度は1g/リットル以下となる。さらに硫黄の酸化度を低くすると、塩化物を含有する侵出溶液の酸性度が低くなり、侵出した大半の銅を塩基性の硫酸銅として再度沈殿させることができる。適当な量の酸を侵出物に添加することにより、この効果を拡大することができる。溶液および侵出残留物中の銅の状態を制御できれば、かなり柔軟な銅回収方法の設計が可能となる。
【0007】
ニッケル含有硫化浮選精鉱の加圧侵出時に、硫酸溶液に塩化物を添加する酸化加圧侵出の応用例が“110℃におけるFe−Ni−Co硫化浮選精鉱の酸素加圧抽出 - 少量の塩化物添加の効果”と題されたSubramanian等の文献に開示されている( Hydrometallurgy 2、1976年 117〜125頁)。
【0008】
より最近では、D.L.Jonesの米国特許第5,431,788号、第5,645,708号、第5,650,057号、第5,855,858号、第5,874,055号、および第5,902,474号に、通常の溶媒抽出および電解採取に基づいた種々の製法フローシートにより、硫化銅精鉱の塩化イオン補助硫酸酸化加圧抽出と銅の回収との組み合わせが開示されている。
【0009】
Jonesの公開した米国特許第5,657,057号には、鉱石または精鉱から銅を抽出するための精錬方法が記載されている。当該方法は概ね、原石あるいは精鉱を、ハロゲンイオンや重硫酸塩または硫酸塩源のイオンを含有する酸性溶液中で酸化加圧侵出する工程からなる。当該方法は、亜鉛、ニッケルおよびコバルト等の非銅金属の抽出に拡張できる。重要なことは、酸化加圧侵出中に当該金属が、塩基性硫化銅のような不溶性塩基性塩として沈殿し、または、実質的に完全に溶解した後に塩基性銅の塩として沈殿しうることである。硫化物を含有するニッケル-コバルト精鉱の処理する当該方法の特定の応用例もまた、Jonesの有する米国特許第5,855,858号に詳細に開示されている。
【0010】
米国特許第5,855,858号の図1に図示された方法は、本発明とって重要である。当該方法は、銅−ニッケルの浮選精鉱を酸化加圧侵出する工程を含む。次いで、侵出溶液と侵出残留物との分離を行い、当該侵出溶液は銅溶媒抽出回路に流れる。次に、銅抽出工程で得られるラフィネート(raffinate)は、石灰を用いる一般的な水酸化ニッケル沈殿工程に流れる。次に固体/液体分離が行われ、実質的に全ての有価ニッケルおよび有価コバルト分を含む残留物は、アンモニア侵出され、そこで得られる侵出溶液は、コバルト除去のため最初に溶媒抽出回路に移される。当該ラフィネートは、コバルト抽出工程から最終的にニッケル溶媒抽出および電解採取に流れ、ニッケルカソードが製造される。
【0011】
原鉱及び精鉱からのニッケル回収方法には、塩化物添加の酸化加圧侵出を含むことに注意する必要がある。精製された高純度のニッケル硫酸塩溶は、電解採取により有価ニッケルを回収するのに適しており、これまでは、高純度の当該ニッケル硫酸塩溶を生成するために、銅分を含まないニッケル含有侵出流を溶媒抽出工程で処理する必要があった。
【0012】
酸化加圧侵出前に卑金属硫化浮選精鉱を微粉末化する利点は、1970年代Gerlachら(“希硫酸中の黄銅精鉱の活性化および侵出”、International Symposi um on Hydrometallurgy、1973年、401〜406頁)および、Pawlek(“銅精鉱の浸出における粒子サイズと鉱物成分の影響”International Symposium on Copper Extraction and Refining、1976年、690〜705頁)により、最初に確認された。当時は、浮選精鉱を約30μm以下の粒子サイズに微粉砕すると、現行の紛砕技術ではエネルギー消費が大きくなり不経済であると考えられていた。粉砕技術が30年間で大きく発達し、卑金属浮選精鉱の粒子サイズを20μm以下にするために、極端に高いエネルギー消費もなく商業的に利用できる紛砕器が種々利用できるようになっている。金属溶解工程前に微粉砕を行う多くの精錬方法が近年提案され、従来の標準サイズの浮選精鉱が必要とした条件よりはかなり緩和された侵出条件の下で、高濃度の金属が抽出できるようになっている。この製法タイプの例として、Corransらの米国特許第5,232,491号や、Johnsonらの米国特許第5,917,116号がある。米国特許第5,232,491号には、酸化精錬方法による工程前に、鉱物類を微細または超微細粉砕することにより活性化する方法が開示されている。米国特許第5,917,116号には銅鉱石を最初に2〜20μmの粒子サイズに粉砕する方法が開示されている。鉱物はその後、硫黄単体の融点以下の温度条件で塩化物イオンの存在下で酸化加圧侵出される。
【0013】
塩化物−硫酸塩混合溶液を用いる酸化加圧侵出方法は有利ではあるが、ニッケル含有原鉱または精鉱の処理に関する上記のJonesの一連の米国特許で提案されてる製法フローシートでは、非常に多くの個々の分離工程を有し、相対的に複雑である。当該方法は、未だ市場に受け入れられてない。それゆえ、塩化物−硫酸塩混合溶液中における酸化加圧侵出の有利性と組み合わされる、硫化ニッケル精鉱の処理方法が必要とされ、単純でより直接的な溶液精製工程と金属回収工程とを有する処理方法が必要とされている。
【0014】
【発明の開示】
本発明の主目的は、硫化浮選精鉱から有価ニッケルおよび有価コバルトを回収できる新規な精錬方法を提供することであり、当該方法は、大気酸塩素浸出を行い、次いで酸化加圧浸出を行う工程含む。ここで得られた精製されたニッケル侵出溶液を直接電解採取回路に流し、電気採取によりニッケルカソードを製造する工程を含んでもよい。さらに、有価金属の急速な溶解と、硫黄単体として硫黄を高濃度で回収することは重要な要件である。
【0015】
本発明の第二の目的は、大気酸塩素浸出から、酸化加圧浸出の利用に適した塩化物含有原料溶液を提供することであり、上記の本発明の主発明の目的が達成されることにより提供され得る。
【0016】
本発明のさらなる目的は、ニッケル電解採取工程で製造される塩素を、硫化浮選精鉱浸出時に酸化剤として利用することである。
【0017】
さらに本発明の目的は、最小限の製法工程と最小限の反応物コストで精錬できる方法を提供することである。
【0018】
最後に、最小限の資本と運転コストでかつ有価金属の回収が最大である一方で、あらゆる商業的に実行可能なポテンシャルを有する精錬方法が常に求められている。
【0019】
本発明に従い、ニッケル‐コバルト‐銅‐硫化物含有浮選精鉱からニッケル、コバルおよび銅を抽出し、分離し、回収するための方法を提供する。本発明の方法には、硫化浮選精鉱を含有するスラリーを調整する工程と、大気酸浸出段階においてそのスラリーを酸素および塩素を含むガス流に接触させ、それにより所定の塩化物イオン濃度の加圧浸出原料スラリーを生成する工程を含んでなる。次に、加圧浸出原料スラリーに対して昇温下における酸性条件のもとで酸化加圧浸出を実施することにより、大部分のニッケル、コバルトおよび銅を選択的に浸出し、ニッケルと、コバルトと銅とを含有する浸出溶液及び浸出残留物を生成させる。浸出残留物が分離されたニッケル‐コバルト‐銅含有浸出溶液に対し、銅とコバルトとを別々に回収するための処理をし、不純物を除去し、精製されたニッケル含有酸化加圧浸出溶液を生成させる。前述の精製されたニッケル浸出溶液からニッケルを電解採取し、それによりニッケルカソード、酸素、塩素および硫酸が製造される。硫化浮選精鉱を大気酸塩化物浸出の前に微粉砕することが望ましく、最も望ましいのはその粒子サイズを約10〜30μmの範囲にすることである。
【0020】
本発明の好ましい態様は、ニッケル‐コバルト‐銅の硫化物含有浮選精鉱から有価のニッケル、コバルトおよび銅を抽出し、分離し、回収のための方法を拡張して提供する。当該方法には、浮選精鉱を含有するスラリーを調整する工程と、前記スラリーを大気酸浸出において酸素および塩素を含むガス流に接触させ、それにより所定の塩化物イオン濃度の酸化加圧浸出原料スラリーを生成させる工程を含んでなる。加圧浸出原料スラリーに対し、昇温下における酸性条件のもとで酸化加圧浸出を実施することにより、大部分のニッケル、コバルト及び銅を選択的に浸出し、それによりニッケル‐コバルト‐銅含有浸出溶液および浸出残留物を生成させる。次いで、ニッケル‐コバルト‐銅含有浸出溶液を、前記浸出残留物から分離する。銅分を前記のニッケルおよびコバルトを含有する浸出溶液から除去し、銅を除去したニッケルおよびコバルト含有浸出溶液を中和し、そしてそこから鉄を除去する。前記ニッケルおよびコバルト含有浸出溶液に対して精製を行い、その精製により浸出溶液に含まれる不純物、通常はカルシウム、亜鉛、および鉛を除去する。溶媒抽出を利用して、コバルトを前記ニッケルおよびコバルト含有浸出溶液から除去し、ニッケルを前記精製されたニッケル含有溶液から電解採取により抽出する。また、微粉砕した硫化浮選精鉱の好ましい粒子サイズは加圧浸出原料溶液中の塩化イオン濃度と同様であり、上記のとおりである。
【0021】
本発明は、さらに、ニッケル‐コバルト‐銅を含有する硫化浮選精鉱から加圧浸出原料溶液を調整する方法に拡大し、前述の浮選精鉱を所定の粒子サイズに微粉砕する工程と、酸性溶液中における前記微粉砕した浮選精鉱を含むスラリーを調整し、前記スラリーと酸素および塩素を含有するガス流とを接触し、所定の塩化物イオン濃度のスラリーを生成させる工程を含んでなる。
【0022】
さらに、本発明は、ニッケル電解採取工程により生成する酸素/塩素混合物を、大気酸性塩素浸出へリサイクルすることを考慮している。また、硫酸を含むニッケルアノード溶液流を、大気酸塩素浸出工程へリサイクルすることは特に有益である。
【0023】
硫化浮選精鉱に対し酸化加圧浸出の前に、最初に大気酸性塩素浸出を実施することにより、硫化鉱物の酸化速度が増し、それにより酸化加圧浸出工程で必要とされるオートクレーブのサイズとコストとが大幅に減少することは有益である。
【0024】
前記の本発明の方法を実施により、酸化加圧浸出から得られた精製された塩化物を含む高濃度のニッケル硫酸塩浸出溶液から、直接ニッケルを電解採取することが可能となり、その結果、中間沈殿、再溶解および溶媒抽出を含むニッケルの高品位化および精製の工程を当然必要とせずにニッケルを生成することができる。さらに、アノードで発生するガス流のリサイクルと大気圧浸出との組み合わせにより塩化物を含有するニッケル硫酸塩からニッケルの電解採取を実施すると、塩素が、所望の形態である溶解した塩化物イオンの形で回収され、それにより、回収したガスと、塩酸を再生するための水素との反応を必要としなくなる。
【0025】
本発明の方法は、硫化浮選精鉱に対し酸化加圧浸出前に大気酸性塩素浸出を実施することが本質的に必要である。
【0026】
本発明の方法は、先行技術により教示されたものよりも少ない工程で、商業的に実施することが可能であり、ニッケル回収量が向上し、酸化加圧浸出での反応時間は著しく短縮される。
【0027】
従来技術に縛られず、酸化加圧浸出の前に、酸化剤としての塩素が存在する大気酸浸出工程を新たに取り入れることは、上述の目的の達成に貢献するものと考える。
【0028】
さらに有益なことは、大気酸塩素浸出工程の前に硫化浮選精鉱を微粉砕する工程を設けることが、金属回収量の増加に貢献することである。
【0029】
【発明を実施するための最良の形態】
図1は、本発明の精錬方法のフローシート10を示し、また、図2は、本発明の実施態様を示したものである。図2の説明をすると、本発明の方法は、ニッケル−銅-コバルトを含有する硫化物浮選精鉱を微粉砕する工程12と、次に、大気酸塩素浸出する工程14とを含んでなる。酸性塩化物含有溶液中の大気酸塩素浸出残留物スラリー(以下、加圧浸出原料スラリーという)は、酸化加圧浸出する工程16に移される。次の固体/液体分離工程18を経て、ニッケル-コバルト-銅を含有する酸化加圧浸出溶液は、銅を除去する工程20に移される。次に、銅が除去された、ニッケル−コバルトを含有する浸出溶液は、中和と鉄除去を組み合わせた工程22を経て、溶液精製工程24へ移される。工程26で、当該溶液からコバルトが除去された後、ニッケル電解採取工程28で、当該ニッケルは、前記の精製されたニッケル硫酸塩‐塩化物溶出溶液から電解採取され、硫酸の生成と、酸素ガスおよび塩素ガスの発生に伴って、ニッケルカソードが製造される。ニッケル-コバルト‐銅を含有する硫化物浮選精鉱の水溶性スラリーは、通常5〜25%のニッケル、1〜1.0%の銅、および0.2〜1.0%のCOを含有し、d粒径が40〜80μmに対応しており、当該スラリーは、微粉砕工程12のアトリターミル(attritor mill)に供給され、d80が10〜30μmの粒子サイズになる。この微粉砕された硫化浮選精鉱を、ニッケルアノード溶液30と混合し、ニッケル電解採取工程28からリサイクルされる。当該溶液は、通常45〜55g/リットルのNiと10〜50g/リットルのHSOを含み、また、大気酸塩素浸出工程14で抽出される。当該工程で、COとOとの混合ガスとともに噴射され、ニッケル電解浸出工程28からもリサイクルされる。当該浸出は、連続して配置された2またはそれ以上の攪拌反応タンク内で、約40〜90℃の温度で、少なくとも30分間保持して行われる。塩素、酸素および酸は、ニッケル含有鉱物、磁硫鉄鉱およびペントランド鉱(pentlandite)と、以下の反応式により反応する。
FeS+Cl→FeCl+S (1)
2FeS+O+2HSO
→2FeSO+2HO+2S (2)
NiFeS+2Cl
→NiCl+FeCl+2S (3)
NiFeS+O+2HSO
→NiSO+FeSO+2HO+2S (4)
+1.5O+HO→HSO (5)
【0030】
通常、次の大気酸塩素浸出14の、前記浸出溶液中の塩化物精鉱は2〜40g/リットルの範囲であり、最も好ましくは、2〜20g/リットルである。
【0031】
一連の数値の前につく「約」という用語は、特に示した場合を除いて、各数値に適用されるように解釈されるものである。
【0032】
塩素と硫化鉱物とは急速かつ完全に反応するので、本質的にニッケル電解採取工程28のアノードで製造される塩素は、すべてが回収され、かつ大気酸塩素浸出の生成溶液、すなわち加圧浸出原料スラリー中の塩化物に転化される。それ故、大気浸出タンクからのベントガスには、塩素が含まれていない。酸素および硫酸は硫化鉱物とゆっくり反応し、酸素必要量は、大気酸塩素浸出の条件下では、相対的に少ないので、硫酸と硫化鉱物との反応を最大にするには、空気または酸素を付加的に供給することが有効である。塩素および酸は、硫化ニッケル鉱よりも磁硫鉄鉱と選択的に反応するため、鉄抽出割合は、通常ニッケル抽出割合よりも高い。一般的に、精鉱中の15%以上の鉄分と5〜10%のニッケル分が、大気酸塩素浸出において溶解する。大気圧酸塩素浸出における主な可溶性生成物は、このように塩化鉄と、それより少量の塩化ニッケルとである。しかしながら、重要なことは、硫化浮選精鉱に含有される15〜20%の硫化物は、大気酸塩素浸出での反応により、硫黄単体または硫酸塩を生成することである。
【0033】
大気酸塩素浸出において、ニッケル−コバルト−銅の硫化浮選精鉱を最初に処理することにより、酸化加圧浸出の実施をする上で重要な2つの利点がある。驚くべきことに、硫化浮選精鉱を最初に大気圧酸性塩素浸出工程で処理すると、酸化加圧浸出での硫化鉱物酸化速度が、より速くなるという知見を得た。この有益な結果は、硫化浮選精鉱中の鉄分の大部分が、大気酸塩素浸出中に溶解するという事実に基づくものと考えられ、それ故、酸化加圧浸出原料溶液中の溶解した鉄濃度は増加する。溶解した鉄が、酸化加圧浸出において硫化鉱物の酸化を促進することはよく知られている。通常、酸化加圧浸出において98%のニッケル浸出に要する時間は、約33%、すなわち、30分から20分へ短縮し、それは、オートクレーブの生産能力が実質的に向上することに相当する。
【0034】
高発熱反応である硫化物の酸化反応の約20%以上が、スラリーが酸化加圧浸出用オートクレーブに供給される前に起こるため、オートクレーブから放出される熱量はかなり減少する。工業的な実施では、酸化加圧浸出でのオートクレーブの生産能力は、反応で発生した熱を、いかに除去できるかに大きく依存する。その結果、大部分の酸化反応を大気酸塩素浸出で実施することにより、オートクレーブの生産能力がかなり増加する。
【0035】
大気酸塩素浸出の生成スラリー、すなわち加圧浸出原料スラリーは、酸化加圧浸出のオートクレーブ工程16に直接ポンプ供給され、あらかじめ選択された酸全体(酸素分圧0.1〜1.0MPaの条件下で、通常、硫化浮選精鉱中のHSOの濃度が150〜250kg/ton、温度が100〜150℃である)で処理される。98%のニッケルとコバルトを抽出するには、通常、150℃で20〜30分、105℃で約1.5〜3時間保持する必要がある。酸化加圧抽出工程における主な化学反応は以下の式で表される。。
【0036】
2FeS+O+2HSO
→2FeSO+2HO+2S (6)
NiFeS+O+2HSO
→NiSO+FeSO+2HO+2S (7)
CuFeS+O+2HSO
→CuSO+FeSO+2HO+2S (8)
2FeSO+0.5O+HSO
→Fe(SO+HO (9)
Fe(SO+3H
→Fe+3HSO (10)
+1.5O+HO→HSO (11)
【0037】
この反応機構における塩化物イオンの正確な役割は解明されていなが、塩化物が約2g/リットル以上の濃度で存在することにより、塩基金属の溶解および硫化物の硫黄単体への酸化の速度が、かなり増加することがよく完全に証明されている。それと同時に、塩化物イオンが、硫化物および/または硫黄単体の硫酸塩への酸化を抑制する。それゆえ、酸化加圧浸出中に消費される酸素の大部分が除去され、その後の酸化加圧浸出溶液の処理コストを増やすことなく、中和および鉄分除去要求を最小にすることができる。通常、硫化浮選精鉱のせいぜい10%以下の硫化物しか、溶解した硫酸塩として酸化加圧浸出溶液中に残らず,その大半が浸出残留物中に固体硫黄単体として残る。
【0038】
酸化加圧浸出の排出溶液中のニッケル濃度は、オートクレーブを通過する全溶液量に対する固体量の比の調整により、70〜80g/リットルの範囲に維持されている。酸化加圧浸出の生成液は、通常、2〜10g/リットルのCu、0.5〜3g/リットルのCoを含有し、pH値は1.8〜3.0である。加圧浸出の排出溶液中に溶解した鉄分の量は、pHに依存し、pH2.5の時で0.5以下からpH1.8の時でほぼ5g/リットルの範囲である。最終的なpHは、浸出工程14及び16で加えられるアノード液中の硫酸量と、硫化物が硫酸に酸化される度合いに依存する。酸化加圧浸出溶液は、亜鉛や鉛等の他の不純物も僅かに含むため、硫酸カルシウムで飽和することもできる。酸化加圧浸出残留物は、硫黄単体(20〜25%)、および赤鉄鉱(40〜45%のFe)を主成分とし、それに加えて、硫化浮選精鉱からの不溶性原鉱も含む。
【0039】
オートクレーブから排出されるスラリーは、固体−液体離工程18に流れ、ここで、金属分の少ない固体残留物が、ニッケルを多量に含む溶液から分離される。酸化加圧浸出溶液はニッケル濃度が高く、同伴する酸化加圧浸出溶液を除去すべき固体と分離するため、本質的に残留物を十分に洗浄すべきである。酸化加圧残留物の洗浄工程19は、シッケンナー(thickener)を用いる並流デカンテーション回路、もしくはベルトフィルター上での並流洗浄の利用のいずれかを含んでもよい。洗浄後、不要な酸化加圧浸出残留物は、適当な収集システムへ廃棄される。所望により、一般的な精炭の浮選や溶融硫黄のろ過により、硫黄単体を、酸化加圧浸出残留物の赤鉄鉱および脈石成分から分離することができる。経済的に可能であれば、貴金属やプラチナ族の有価金属を回収するため、酸化加圧浸出残留物さらに処理することもできる。
【0040】
通常、pH2.0〜3.0で銅含有量が5g/リットル以下である酸化加圧浸出溶液は、銅を除去する工程20で処理される。当該工程では、銅は、硫化物の反応物を用いて硫化銅中間生成物として沈殿するか、一般的な溶媒抽出や電解採取により銅カソードが製造されることにより除去される。いずれの工程においても硫酸を生成し、ニッケル及びコバルト含有溶液のpHは減少する。例えば、
CuSO+HS→CuS+HSO (12)
である。
【0041】
銅の除去工程20の次に、銅が除去されたニッケルおよびコバルトの硫酸塩化物溶液は、通常、約10g/リットルの遊離した硫酸と、約1g/リットルのFeとを含有し、次に酸化条件下において中和され、中和および鉄除去の工程22での加水分解により、pHが3.5〜4.0に上昇して鉄が沈殿する。当該工程22は、一連に配置された攪拌容器中で、一般的に60〜80℃において実施される。微粉砕された石灰岩および消石灰は、中性化に好ましく用いられる反応物であり、当該スラリーが、空気または塩素とともに投入され、溶解した2価の鉄を3価に酸化し、加水分解されて水酸化鉄および石膏が沈殿する。
【0042】
2FeSO+0.5O+HSO
→Fe(SO+HO (13)
Fe(SO+6H
→2Fe(OH)+3HSO (14)
SO+Ca(OH)→CaSO・2HO (15)
【0043】
沈殿した石膏および水酸化鉄は、ろ過(図に示していない)によって、鉄分を含まないニッケル硫化塩化物溶液とに分離され、同伴するニッケル含有溶液を回収するため、当該固体は水で洗浄された後、収集システムへ廃棄される。
【0044】
中和および鉄除去の工程22に続き、部分的に精製された高濃度のニッケル-コバルト溶液は、残留した微量の銅や鉄と同様に、まだ亜鉛や鉛等の不純物を含み、また、硫酸カルシウムを多量に含んでいる。コバルトおよびニッケルを純粋な生成物として溶液から回収するためには、卑金属不純物を除去すべきことが重要であり、処理前のカルシウム除去が不十分であると、硫酸カルシウムが後の処理工程において様々な問題を引き起こし得るため望ましくない。卑金属は、一般的な沈殿法により、ナトリウム水硫化物のような可溶性硫化物として除去できる。卑金属およびカルシウムは、溶液精製工程24でジ-2-エチルヘキセルリン酸(D2EHPA)のような有機リン酸溶媒抽出試薬を用いて除去することができる。両者の精製工程では、ともに精製ニッケル-コバルト溶液中に遊離硫酸を生成するため、工程中で中和しなければならない。当該工程24での好ましい中和試薬は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは水酸化アンモニウムであり、カルシウム試薬は使用しない方がよい。D2EHPA溶媒抽出工程は、pH3.5〜4.0、55℃で、一般的な混合−沈殿槽または並流抽出カラムのいずれかを用いて実施できる。ニッケルおよびコバルト含有溶液中のカルシウム量は、500mg/リットル以上から100mg/リットル以下までに減少し、亜鉛と鉄とは定量的に除去される。銅および鉛の量もかなり減少する。金属分を多量に含んだ有機溶液は、塩酸等の酸性の塩化物水溶液との接触により金属分が除去され、塩化カルシウムを含有する当該金属分が除去された溶液は、さらなる工程を経て分離され、有価金属分が除去される。
【0045】
精製されたニッケルおよびコバルト含有溶液は、コバルト除去工程26に進み、当該工程で、溶媒抽出(例えばCytec Canada製の有機リン酸抽出溶媒CyanexRが用いられる)により、コバルトの99%以上が当該溶液から選択的に除かれる。コバルトは、pH4で有機抽出溶媒に充填され、その後、コバルトが充填された有機溶液の一般的な洗浄により、同伴され、そして/または共抽出されてニッケルが除去され、コバルトは、酸性のストリップ溶液(strip solution)と接触して有機液から再抽出される。当該工程は、好ましくは、50〜55℃で行われる。高濃度のコバルトのストリプ溶液は、さらなる工程を経て、所望の生成物の形態、すなわち金属カソード、酸化コバルト、炭酸コバルト、またはコバルト塩でコバルトを回収することができる。ニッケル電解採取工程28の前に、コバルト除去工程26で得られたニッケル含有ラフィネート液は、一般的な処理により、有機溶液が除去される。当該溶液は、通常約、80g/リットルのニッケルを含有し、pHは約4.0である。ニッケル電解採取工程28で、工程26で得られた精製ニッケル硫酸塩化物溶液は電解採取され、カソード上に金属ニッケルが析出し、アノードに塩素、酸素および硫酸が生成する。
NiCl→Ni+Cl (16)
NiSO+HO→Ni+HSO+0.5O (17)
【0046】
精製された高濃度のニッケル硫酸塩-塩化物溶液は、複数の不溶性アノードおよびアノードと仕切られた複数のカソード(当該カソードは、ニッケル起動板もしくはチタンまたはステンレス鋼製の永久カソード支持体である)からなる一般的な電解採取セルに供給される。ニッケルは、ニッケル起動板の全面を覆うようにニッケルカソードとして、または部分的にマスキングされたステンレス鋼に平板状に覆うことによりROUNDSTM(ROUNDSはInco社の商標である)等の小片として製造され得る。不溶性アノードは、メッシュ状または完全な平板状いずれかの金属チタンからなり、好ましくは酸化タンタル、酸化ルチニウム、酸化イリジウムから選択される遷移金属酸化物で1層もしくはそれ以上のコーティングがされている。各アノードは、隔膜でできた鞘状の(sheath)または袋状のもので封鎖されており、酸素ガス、塩素ガスおよびアノード液を除去するためのフード(hood)手段を有している。当該アノードは、O'Neillらの米国特許第4,201,653号およびGarritsenらの米国特許第4,288,305号、(両者ともInco Limiedに所属)に記載されている。
【0047】
ニッケル電解採取工程28は、電流密度200〜350amp/m、温度55〜60℃において行われる。注意すべきは、ニッケル電解採取回路の原料溶液の塩化物濃度は、本質的に約2〜20g/リットルの範囲を維持することに注意しなければならない。通常70〜80g/リットルのNiを含有する精製ニッケル硫酸塩−塩化物溶液がカソード室に加えられ、カソード室では、金属ニッケルがカソードに平板状に析出し、水素イオンが生成する。このニッケルが除去された酸性溶液は、アノード室を包囲する隔膜を通じてアノード表面に浸透し、当該アノード表面に塩素および酸素を生成する。ニッケルアノード液流30は、塩素および酸素ガスとともにアノード室から回収され、一般的に50g/リットルのNi、1g/リットル以下のClおよび20〜50g/リットルのHSOを含む。
【0048】
塩素および酸素のガス流32は、アノード液30のさらに一部は、酸化加圧侵出工程16へリサイクルされる。洗浄液のような残留アノード液30は、必要とされる水と硫酸塩とのバランスを工程中で保つため、当該回路から除去され、溶液排出34へ供給される。この排出溶液34は、石灰石及び石灰を用いて処理され、酸を中和し、ニッケルを水酸化ニッケル(当該水酸化ニッケルは回路に戻される(図示していない))として沈殿させる。本発明の方法を、以下の実施例により説明するが、本発明が、当該実施例により限定されるものではない。
【0049】
【実施例】
実施例1
実施例1は、酸化加圧浸出する前に、酸化剤として塩素と酸素との混合ガスを用いて、硫化物を含有するNi−Cu−Co浮選精鉱を、硫酸溶液中にて大気酸浸出することの有効性を示す。微粉砕した(d80がほぼ24μm)し、分析によりNiが10.5%、Cuが2.5%、Feが44%、およびSが33%である、Ni−Cu−Co硫化浮選精鉱を試料として、大気浸出試験を行った。種々の硫酸濃度の水溶性酸溶液中で硫化浮選精鉱の55%が固形状スラリーである硫化浮選精鉱を用いて大気温度でバッチ式の大気圧抽出試験を実施した。表1は、各試験において、塩素、酸素またはそれらの混合ガスからなるガス流とともに硫化浮選精鉱のスラリーを噴射したときの各濃度を示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003946633
試験データは、酸の添加量を増加すると鉄の溶解が促進される効果、および硫黄単体と硫酸塩に酸化される硫化物の相対的度合いを示している。
【0051】
試験4および5において生成した大気酸浸出スラリーを、その後、水および/または硫酸溶液で希釈し、当該溶液中の塩化物イオン濃度を5g/リットルに調整し、かつ、両浸出段階で加えた酸の全体量が、160kgHSO/tの濃度となるよう調節した。硫黄を均一に溶解させるために、少量の水溶性リグノスルフォン酸(lignosulfonate)塩を、各酸化加圧抽出(OPL)原料スラリーに添加した。バッチ式オートクレーブにおいて150℃、酸素分圧700kPaの条件下で30分間、各スラリーの酸化加圧浸出を行った。両OPL試験において、30分後98%以上のニッケルが抽出された。比較のため、同様に微粉砕したNi−Cu−Co硫化浮選精鉱を試料として、同条件下において大気酸塩素浸出を行わずに直接酸化加圧浸出を行った。その結果、30分間で抽出したニッケルは97%であった。三つの試験すべてにおいて、硫黄単体(S)に酸化された硫化物の量は75%以上であり、硫黄に75%以上の硫化物が硫黄単体に酸化され、硫酸塩に酸化された硫化物の量は、約15%であった。
【0052】
図3は、上記三つのOPL試験における、累積酸素消費量をプロットしたものである。バッチ式酸化加圧浸出中の酸素消費速度を、ガス質量流量計を用いて測定することにより、簡単かつ確実に硫化物の酸化度合いが測定でき、卑金属の抽出度合いを知るための良い指標となる。図3に示したプロットは、試験4および試験5で得られた大気浸出残留物において、OPL試験中、約20分で硫化物の酸化反応により酸素が完全に消費されてしまうことを示す。対照的に、硫化物含有Ni−Cu−Co浮選精鉱を直接OPL試験した場合では、酸素消費速度が30分以上であった。これらのデータは、酸化加圧浸出において目標とする98%のニッケル抽出を達成するのに必要な保持時間が、最初に硫化浮選精鉱を大気圧酸性塩素抽出処理を行うよりも実質的に短縮されることを示している。
【0053】
実施例2
実施例2は、5g/リットルの塩化物および35g/リットルの硫酸を含む硫酸塩‐塩化物溶液中、Niを10%、Cuを2.6%、Sを29%含有する、硫化物含有Ni−Cu−Co浮選選鉱侵出おける粒子サイズの効果を示すものである。当該浮選精鉱(d80がほぼ48μm)は、アトリターミル(attritor mill)を用いて、d80値がそれぞれ約13μm、6μmになるよう微粉砕を行った。各硫化物浮選精鉱の試料を大気酸塩素浸出溶液中に鉱泥化させ、250g/リットルの固体を含むスラリーを生成し、150℃において酸化加圧浸出を実施した。酸素分圧がおおよそ700kPaの条件の下で、20〜60分間の範囲の保持時間でバッチ試験を実施した。少量の水溶性リグノスルフォン酸塩を、酸化加圧浸出原料スラリーに添加し、溶融硫黄を均一に分散させた。得られた結果を以下の表2に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0003946633
これらの試験は、超微粉砕された硫化物含有Ni−Cu−Co浮選精鉱では、酸化加圧浸出において目標とする98%のニッケル抽出を実現するするのに要する時間を、十分に短縮できることを示している。より細かく粉砕することにより、より困難である黄銅鉱からの銅の抽出量を増加させることもできる。しかし、硫化浮選精鉱の粒子サイズが小さくなるにつれ、酸化加圧浸出残留物を沈静ろ過することがより困難となる。実際は、最適な粒子サイズは15〜30μmと考えられる。
【0055】
実施例3
次の実施例は、酸化加圧浸出性能における、塩化物添加の効果および浸出温度の効果を示す。100℃および150℃両方の温度条件下での酸化浸出性能を比較するため、超微粉砕した硫化浮選精鉱(d80がほぼ7μm)で、一連のバッ式加圧浸出試験を実施した。硫化物含有Ni−Cu−Co浮選精鉱は15%のNi、2.6%のCu、34%のSを含有するものであった。塩化物‐硫酸塩溶液中の酸化加圧浸出試験用に、合成した塩化物−硫酸塩溶液(5g/リットルのCu、5g/リットルのCl、10〜40g/リットルのHSO)を用いた。塩化物を含まない硫酸溶液中の酸化加圧浸出試験では、5g/リットルのCuおよび40g/リットルのHSOを含む溶液を用いた。150℃条件下の酸化加圧浸出試験を実施するため、水溶性リグノスルフォン酸塩を浸出スラリーに添加した。結果を以下の表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003946633
【0057】
実施例4
実施例4では、電流密度300A/m、セル電圧3.0Vで行ったニッケル電解採取における、低濃度塩化物−高濃度硫酸塩を含有するニッケル溶液の挙動を示す。電解採取セルは、1つのステンレス鋼カソードと、タンタル、ルテニウムおよびイリジウムの酸化物が混合したもので覆われたチタン支持体からなる2つのをアノードを内蔵するものであった。原料溶液は、75g/リットルのNiを含有し、pH2.5で、温度が60℃であり、塩化物濃度が2.5〜10g/リットルの範囲である。生成アノード液の組成を表4に示す。
【0058】
【表4】
Figure 0003946633
各試験において、約90%の塩化物イオンが、溶液から塩素ガスとして除去され、一方で、原料溶液中のニッケル約35%が、カソードに金属として析出した。生成溶液中の硫酸の量は、原料溶液中の塩化物の量の増加に逆比例して減少した。
【0059】
法律の規定にしたがって、本発明の具体的な実施態様を例示し、説明したが、当業者に明らかなように、請求項により規定される本発明の形態内で変形が可能であり、本発明のある特徴は、他の特徴と対応して使用せずに有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概要フローシートである。
【図2】 図1の精錬方法を具体的に示すフローシートである。
【図3】 バッチ式酸化加圧浸出試験における酸素消費速度の比較プロットを示したものであり、当該試験は本発明の方法により調整された大気酸塩素浸出の残留物、および先行技術の酸化加圧浸出で直接処理されたニッケル‐コバルト‐銅の硫化浮選精鉱とで実施した。

Claims (14)

  1. ニッケル−コバルト−銅含有硫化浮選精鉱からニッケル、コバルトおよび銅を抽出し、分離し、回収する方法であって、
    前記浮遊精鉱を含んでなるスラリーを調製し、前記スラリーを、大気酸浸出で酸素および塩素を含むガス流と接触させ、前記ガス流との接触により、所定濃度の塩化物イオンを含む加圧浸出原料スラリーを生成する工程と、
    前記加圧浸出原料スラリーに対して、昇温下における酸性条件のもとで酸化加圧浸出を実施することにより、大部分のニッケル、コバルトおよび銅を選択的に浸出し、ニッケル−コバルト−銅含有浸出溶液と浸出残留物とを生成する工程と、
    前記浸出残留物を分離した後に、前記ニッケル−コバルト−銅含有浸出溶液を処理し、処理された前記浸出溶液から銅およびコバルトを別々に回収し、不純物を除去し、銅およびコバルトの回収および不純物の除去により、精製されたニッケル含有酸化加圧浸出溶液を生成する工程と、
    精製された前記ニッケル含有酸化加圧浸出溶液から、ニッケルを電解採取し、前記電解採取により、前記酸化加圧浸出溶液から、ニッケルカソード、塩素、酸素、および硫酸を製造する工程、
    とを含んでなる方法。
  2. 前記酸化加圧浸出原料溶液の塩化物濃度が、約2〜40g/リットルの範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記大気酸塩素浸出する前に、前記硫化浮遊選鉱物を微粉砕し、所定の粒子サイズにする工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記硫化浮選精鉱が、10〜30μmのd80に粉砕されている、請求項3に記載の方法。
  5. 前記のニッケル電解採取工程において生成した硫酸の少なくとも一部を、大気酸浸出にリサイクルする工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記のニッケル電解採取工程において生成した塩素および酸素の少なくとも一部を、大気酸浸出にリサイクルする工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記加圧浸出原料スラリーの塩化物イオンの所定濃度が、約5〜10g/リットルの範囲である、請求項1に記載の方法。
  8. ニッケル−コバルト−銅含有硫化浮選精鉱からニッケル、コバルトおよび銅を抽出し、分離し、回収する方法であって、
    前記浮遊精鉱を含んでなるスラリーを調製し、前記スラリーを、大気酸浸出で酸素および塩素を含むガス流と接触させ、前記ガス流との接触により、所定濃度の塩化物イオンを含む加圧浸出原料スラリーを生成する工程と、
    前記加圧浸出原料スラリーに対して、昇温下における酸性条件のもとで酸化加圧浸出を実施することにより、大部分のニッケル、コバルトおよび銅を選択的に浸出し、ニッケル−コバルト−銅含有浸出溶液と浸出残留物とを生成する工程と、
    前記ニッケル−コバルト−銅含有酸化加圧浸出溶液を、前記酸化浸出残留物から分離する工程と、
    前記ニッケルおよびコバルト含有酸化加圧浸出溶液から銅含有物を除去し、銅が除去された前記ニッケルおよびコバルト含有酸化加圧浸出溶液を中和して、中和された前記酸化浸出溶液から鉄を除去する工程と
    前記ニッケルおよびコバルト含有酸化加圧浸出溶液を精製して、前記酸化加圧浸出溶液から不純物を除去する工程と
    溶液抽出を利用して、前記ニッケルおよびコバルト含有酸化加圧浸出溶液から、コバルトを除去する工程と、
    前記ニッケル含有酸化加圧浸出溶液を電解採取し、前記電解採取により、前記酸化加圧浸出溶液から、ニッケルカソード、塩素、酸素、および硫酸を製造する工程、
    とを含んでなる方法。
  9. 前記浮遊選鉱を、所定の粒子サイズに微粉砕する工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記浮遊選鉱が、約10〜30μmの範囲の粒子サイズに粉砕されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記酸化加圧浸出原料溶液の塩化物濃度が、約2〜40g/リットルの範囲である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記のニッケル電解採取工程において生成した硫酸の少なくとも一部を、大気酸浸出にリサイクルする工程を含む、請求項8に記載の方法。
  13. 前記のニッケル電解採取工程において生成した塩素および酸素の少なくとも一部を、大気酸浸出にリサイクルする工程を含む、請求項8に記載の方法。
  14. 前記加圧浸出原料スラリーにおける前記所定濃度の塩化物イオンが、5〜10g/リットルの範囲である請求項8に記載の方法。
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