JP3945922B2 - 透明被覆ポリカーボネート樹脂板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明材料により被覆されたポリカーボネート樹脂板に関するものであり、更に詳しくは三波長形蛍光灯型下で干渉縞が観察されない透明被覆ポリカーボネート樹脂板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、耐湿熱性、加工性及び機械的強度等に優れており電気部品、建材部品、自動車部品等に広く利用されているが、反面、表面が軟らかく傷が付きやすいため、その解決方法として一般的にポリカーボネート樹脂板の表面に透明な被覆層を施す方法が用いられている。かかる透明な被覆層を有するポリカーボネート樹脂板はヘルメットシールド等の風防用途、道路側壁板や建物のフェンス等に多量に使用されており、更にはフッ素化合物からなる無反射コーティング剤、赤外線カット剤、電磁波シールド剤、防汚染加工剤等の被覆材料への添加が容易になされるといった特徴から各種窓材や側壁板、メガネレンズやディスプレイ分野等に多く使用されている。近年では、プロジェクションテレビやプラズマディスプレイの前面板の分野においても使用され始めている。
【0003】
しかしながら、被覆したポリカーボネート樹脂板は、太陽光や室内の蛍光灯の光で膜表面と基材表面の反射光が干渉を起こし、リング状や筋状の虹色の干渉縞が見えることがあり、レンズやディスプレー用途では重大な障害となっていた。
【0004】
特に、最近省電力に有効な三波長形蛍光灯が普及してきており、かかる三波長形蛍光灯の光で透明被覆ポリカーボネート樹脂板の反射光を見ると青、緑、赤の干渉縞がよりはっきりと認識され易く、三波長形蛍光灯でも干渉縞が観察されない透明被覆ポリカーボネート樹脂板が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、三波長形蛍光灯で光を反射させても干渉縞が観察されない透明被覆ポリカーボネート樹脂板を提供することを目的として、鋭意研究を重ねた結果、干渉縞の発生が透明被覆膜の膜厚と膜厚差に依存しており、特定の膜厚のものについて、特定の膜厚差の範囲の被覆材料を該ポリカーボネート樹脂板に被覆することにより、上記目的を達成することを見出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、透明ポリカーボネート樹脂板の少なくとも一面に、該透明ポリカーボネート樹脂板の屈折率と屈折率の差が0.01以上である被覆材料を、1層または多層積層した透明被覆ポリカーボネート樹脂板であって、それぞれの被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚d(μm)とその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差Δd(μm/cm)が、下記式(1)および下記式(2)を満足することを特徴とする透明被覆ポリカーボネート樹脂板が提供される。
Δd≦0.22/n・・・(1)
(0.11/n≦d<7.55/nの膜厚の場合)
Δd≦0.92/n・・・(2)
(7.55/n≦d≦20の膜厚の場合)
d:被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚(μm)
Δd:被覆材料の被覆層のその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜
厚差(μm/cm)
n:被覆材料の被覆層における屈折率
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法または溶融法で反応させて得られるポリカーボネート樹脂である。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0008】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0009】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を溶液法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0010】
ホスゲンを使用する溶液法は、酸結合剤及び有機溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物又はピリジン等のアミン化合物が用いられ、溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミン又は第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもできる。反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
【0011】
また、ジフェニルカーボネートを用いる溶融法は、不活性ガス雰囲気下所定割合の二価フェノール成分とジフェニルカーボネートとを加熱しながら攪拌して、生成するアルコール又はフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコール又はフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコール又はフェノール類を留出させながら完結させる。また、反応を促進するために通常のエステル交換反応用触媒を使用することもできる。
【0012】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜50,000が好ましく、15,000〜35,000がより好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
かかるポリカーボネート樹脂を製造する際に、必要に応じて亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホスホン酸エステル等の安定剤、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェノール等の難燃剤、着色剤、滑剤等を添加することができる。
【0013】
本発明においては、干渉縞の発生し易い三波長形蛍光灯(青色の430nm付近、緑色の540nm付近および赤色の605nm付近に波長範囲を持ったピークを有する蛍光灯)において、干渉縞が観察されないことを目的としている。干渉縞は反射光の色の連続的な変化によって生じ、この干渉縞が観察されなくするためには、透明ポリカーボネート樹脂板に被覆された被覆材料の任意の位置における膜厚d(μm)とその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差Δd(μm/cm)が下記式(1)および下記式(2)を満足する必要のあることがわかった。
Δd≦0.22/n・・・(1)
(0.11/n≦d<7.55/nの膜厚の場合)
Δd≦0.92/n・・・(2)
(7.55/n≦d≦20の膜厚の場合)
【0014】
すなわち、被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚dがd≧7.55/n(μm)の場合には、その位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差Δdが0.92/n(μm/cm)以下を満足する時に干渉縞が観察されなくなる。これは、膜厚dが7.55/n以上の厚みでは、三波長形蛍光灯の青、緑、赤の三波長域に反射光の干渉による明部が存在し、反射光の色が無色になり、色の変化(干渉縞)が観察され難くなるものと考えられるが、ただし、極端な膜厚差があると(膜厚差Δdが0.92/n以上になると)、色の変化が目視で観察されることになるものと考えられる。
【0015】
また、被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚dがd<7.55/n(μm)の場合には、その位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差Δdが0.22/n(μm/cm)以下を満足する時に干渉縞が観察されなくなる。これは、膜厚dが7.55/n未満の厚みになると、三波長形蛍光灯の青、緑、赤の三波長域のいずれかに暗部が存在し、干渉縞が観察され易くなるものと考えられるが、ただし、膜厚に関係なく膜厚差Δdが一定以下(膜厚差Δdが0.22/n以下)であれば、干渉縞の幅が広くなり、目視で観察されなくなるものと考えられる。
【0016】
さらに、被覆層の膜厚が20μmを越えると、レベリング不足による外観の悪化や密着力の低下等が起こり易くなり好ましくない。また、被覆層の膜厚が0.11/n(μm)未満になると、膜厚差に関係なく、干渉縞が観察されなくなる。
【0017】
被覆材料を多層積層したポリカーボネート樹脂板の場合も、それぞれの被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚およびその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差が、上記式(1)および上記式(2)を満足するように調整すればよい。
【0018】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂板は、前記ポリカーボネート樹脂を用いて、通常溶融押出法で製造される。本発明において使用されるポリカーボネート樹脂板の厚さは1〜10mmの範囲が好ましい。かかる範囲内では、撓みの発生がなく、強度が十分であり好ましい。
【0019】
本発明で使用される被覆材料は、ポリカーボネート樹脂の屈折率と屈折率の差が0.01以上であり、好ましくは屈折率の差が0.01〜0.5の範囲である。ポリカーボネート樹脂の屈折率と屈折率の差が0.01未満の被覆材料を被覆したポリカーボネート樹脂板は干渉縞が観察されない。被覆材料として、具体的にはメラミン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂およびフッ素系樹脂が好ましく、なかでもメラミン系樹脂、シリコン系樹脂およびアクリル系樹脂が好ましく採用される。メラミン系樹脂としては、例えばメチルエーテル化メチロールメラミンにジオールを架橋させたものが挙げられる。シリコン系樹脂としては、例えばアルコキシシランを加水分解縮合させたものが挙げられる。アクリル系樹脂としては、例えばポリアルキルアクリレートを溶剤に溶解し、加熱乾燥させたものが挙げられる。フッ素系樹脂としては、例えば各種フルオロオレフィンを共重合させたものが挙げられる。
【0020】
これらの被覆材料の被覆方法としては、ディッピング法、フローコート法、スピンコート法、蒸着法等通常用いられている各種の被覆方法が採用でき、なかでもディッピング法が好ましい。かかる被覆方法の被覆条件は、被覆材料や溶剤の種類、塗料の固形分濃度、粘度、表面張力、溶剤の蒸発速度、塗料とポリカーボネート樹脂板との濡れ性等により異なり、一概には決められないが、例えば、メラミン樹脂塗料としてメチルエーテル化メチロールメラミンにジオール成分を架橋させる塗料を用いる場合、フローコート法においては、塗料の固形分濃度が10〜30重量%のものを使用することが好ましく、また、ディッピング法においては、塗料の固形分濃度が20〜40重量%のものを使用して、ポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度が10〜250mm/minの範囲とすることが好ましく、さらに、塗布後の乾燥温度が80〜140℃、乾燥時間が30〜120分の範囲で被覆する方法が膜厚差を制御し易く好ましく採用される。
【0021】
また、被覆材料に各種の添加剤、例えば紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、無機粒子等が配合されたものを使用してもよい。
【0022】
本発明において得られる透明被覆ポリカーボネート樹脂板は、干渉縞が観察されず、プロジェクションテレビやプラズマディスプレイなどのディスプレイ前面板およびメガネレンズに好適に使用される。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。また、干渉縞の有無、膜厚および膜厚差、屈折率は下記の方法に従い測定した。
【0024】
(1)干渉縞の有無:外光を遮断し、天井に三波長形蛍光灯を6本取りつけた部屋で、天井から2m下の場所で、三波長形蛍光灯の光を透明被覆ポリカーボネート樹脂板に反射させ、干渉縞の有無を目視にて判定した。
【0025】
(2)膜厚および膜厚差の測定:被覆材料を被覆した厚さ2mm、幅200mm、長さ200mmの表面が正方形のポリカーボネート樹脂板を用いて、この正方形の対角線の交点から、1cmおきに両側の幅方向に向かって5点ずつ、同様に1cmおきに両側の長さ方向に向かって5点ずつ、光干渉式膜厚計[大塚電子(株)製MCPD−1000]を用いて被覆層の膜厚を測定した。測定した膜厚のなかで、その膜厚を測定した位置から1cm離れた位置の膜厚との差の最大値を最大膜厚差とした。なお、2層膜の場合、1層目の膜厚は、被覆なしのポリカーボネート樹脂板をブランクとして測定し、2層目の膜厚は、1層目を被覆したポリカーボネート樹脂板をブランクとして測定した。
【0026】
(3)屈折率:得られた樹脂板をアタゴ(株)製アッベ屈折計を用い、α−ブロモナフタレンを接触液として25℃で測定した。
【0027】
[実施例1]
メラミン樹脂塗料を以下の組成で調整した。
(イ)メチルエーテル化メチロールメラミン 100重量部
(三井サイアミド(株)製サイメル350)
(ロ)1,6−ヘキサンジオール 70重量部
(ハ)マレイン酸 5重量部
(ニ)イソプロピルアルコール 150重量部
(ホ)イソブチルアルコール 320重量部
(ヘ)エチレングリコールモノブチルエーテル 25重量部
【0028】
このメラミン樹脂塗料(塗料の固形分濃度25重量%)を、厚さ2mm、幅200mm、長さ200mmの屈折率nが1.58のポリカーボネート樹脂板(帝人化成(株)製パンライトシートPC−1111、平均分子量25,000)にフローコート法で塗布し、10分間室温に放置した後、120℃の熱風循環乾燥機中で60分間加熱乾燥して、屈折率nが1.55のメラミン硬化層を被覆した透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。得られた透明被覆ポリカーボネート樹脂板の被覆層の膜厚は5.21〜8.03μmで、最大膜厚差は0.52μm/cmであった。また、三波長形蛍光灯の下で干渉縞は観察されなかった。該メラミン樹脂硬化層を被覆した場合に上記式(1)および上記式(2)によって計算して求めた干渉縞が観察されない膜厚および膜厚差の範囲を表1に、また、被覆層の膜厚および最大膜厚差の測定値、干渉縞の有無の観察結果を表2に示した。
【0029】
[実施例2]
実施例1において、メラミン樹脂塗料の被覆方法をディッピング法とし、ポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を200mm/minとして被覆した以外は実施例1と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0030】
[実施例3]
アクリル樹脂塗料(東芝シリコン(株)製PH−91;固形分濃度4.0重量%)を、厚さ2mm、幅200mm、長さ200mmの屈折率nが1.58のポリカーボネート樹脂板(帝人化成(株)パンライト板PC−1111)にフローコート法で塗布し、10分間室温に放置した後、100℃の熱風循環乾燥機中で30分間加熱乾燥して屈折率nが1.48のアクリル樹脂層を1層目として被覆したポリカーボネート樹脂板を得た。更に、この被覆ポリカーボネート樹脂板にシリコン樹脂塗料(東芝シリコン(株)製トスガード510、固形分濃度20.5重量%)をフローコート法で塗布し、10分間室温に放置した後、120℃の熱風循環乾燥機中で60分間加熱乾燥して屈折率nが1.43のシリコン樹脂層を2層目として被覆したポリカーボネート樹脂板を得た。該アクリル樹脂層および該シリコン樹脂層を被覆した場合に上記式(1)および上記式(2)によって計算して求めた干渉縞が観察されない膜厚および膜厚差の範囲を表1に、また、得られた透明被覆ポリカーボネート樹脂板の各被覆層の膜厚および最大膜厚差の測定値、干渉縞の有無の観察結果を表2に示した。
【0031】
[実施例4]
実施例3において、アクリル樹脂塗料およびシリコン樹脂塗料の被覆方法をディッピング法とし、各被覆方法におけるポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度をそれぞれ200mm/minとして被覆した以外は実施例3と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0032】
[比較例1]
実施例1において、メラミン樹脂塗料のイソブチルアルコール量を160部に変更した(塗料の固形分濃度33重量%)以外は実施例1と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0033】
[比較例2]
実施例1において、メラミン樹脂塗料の被覆方法をディッピング法とし、ポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を300mm/minとして被覆した以外は実施例1と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0034】
[比較例3]
実施例3において、シリコン樹脂塗料の溶剤を熱風乾燥炉で10%蒸発させ濃縮させたもの(塗料の固形分濃度23.0重量%)を使用した以外は実施例3と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0035】
[比較例4]
実施例3において、アクリル樹脂塗料およびシリコン樹脂塗料の被覆方法をディッピング法とし、アクリル樹脂塗料の被覆方法におけるポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を200mm/min、シリコン樹脂塗料の被覆方法におけるポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を300mm/minとして被覆した以外は実施例3と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0036】
[比較例5]
実施例3において、アクリル樹脂塗料の溶剤を熱風乾燥炉で10%蒸発させ濃縮させたもの(塗料の固形分濃度4.4重量%)を使用した以外は実施例3と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0037】
[比較例6]
実施例3において、アクリル樹脂塗料およびシリコン樹脂塗料の被覆方法をディッピング法とし、アクリル樹脂塗料の被覆方法におけるポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を300mm/min、シリコン樹脂塗料の被覆方法におけるポリカーボネート樹脂板の引き上げ速度を200mm/minとして被覆した以外は実施例3と同様の方法で行い透明被覆ポリカーボネート樹脂板を得た。その評価結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、三波長形蛍光灯の反射光でも干渉縞が観察されず、プロジェクションテレビ、プラズマディスプレイ、パソコンなどのディスプレイの前面板およびメガネレンズ等の分野に有用な外観の優れた透明被覆ポリカーボネート樹脂板の提供が可能になり、その奏する工業的効果は格別なものである。
Claims (2)
- 透明ポリカーボネート樹脂板の少なくとも一面に、該透明ポリカーボネート樹脂板の屈折率と屈折率の差が0.01以上である被覆材料を、1層または多層積層した透明被覆ポリカーボネート樹脂板であって、それぞれの被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚d(μm)とその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜厚差Δd(μm/cm)が、下記式(1)および下記式(2)を満足することを特徴とする透明被覆ポリカーボネート樹脂板。
Δd≦0.22/n・・・(1)
(0.11/n≦d<7.55/nの膜厚の場合)
Δd≦0.92/n・・・(2)
(7.55/n≦d≦20の膜厚の場合)
d:被覆材料の被覆層の任意の位置における膜厚(μm)
Δd:被覆材料の被覆層のその位置から1cm離れた位置の膜厚との膜
厚差(μm/cm)
n:被覆材料の被覆層における屈折率 - 被覆材料がメラミン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の被覆材料である請求項1記載の透明被覆ポリカーボネート樹脂板。
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