JP3944419B2 - 溶接ロボット装置の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ティーチングプレイバック式の溶接ロボットによりポジショナに保持されているワークをアーク溶接する溶接ロボット装置の制御方法に関し、教示時のワークに対する再生時におけるワークの回転ずれを検出し、検出したワーク回転ずれをポジショナの回転軸に反映させて解消するようにした、溶接ロボット装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アーク溶接を行うティーチングプレイバック方式の溶接ロボットでは、回転軸を有するポジショナのワーク取付け定盤上に取り付けられている基準となるワークについて、オペレータによる教示作業により、所定数の教示位置と、各教示位置や教示位置間における所定の動作命令とを入力して教示データ(教示プログラム)を作成する。そして、溶接ロボットは、再生時において、教示データに従って同一の動作を繰り返すことによって、供給される各ワークに対して自動溶接作業を行うようになっている。ところが、再生時において実際にアーク溶接するワークには、これをポジショナのワーク取付け定盤に取り付ける際に教示時のワークに対して取付け誤差であるワークの回転ずれが発生する。ワークの回転ずれは、ポジショナの回転軸周りに生じるワーク位置ずれである。ワークの回転ずれが生じると、溶接ロボットが教示データを正確に再生して動作しても、ワークの溶接線に対する溶接トーチの位置ずれが発生して正確な溶接を行うことができないことになる。
【0003】
そこで、溶接に際しワークの回転ずれを解消するための従来技術として、特公昭54−24708号公報、特公平3−18989号公報及び特開平7−241676号公報に開示されたものが挙げられる。
【0004】
前記特公昭54−24708号公報には、ロボット自身がワークの位置姿勢を検知し、ポジショナの回転軸を回転駆動してワークを所望の姿勢に修正するようにした自動溶接装置が示されている(第1の従来技術)。すなわち、2つの回転軸PTW,PBDを有するポジショナのワーク取付け定盤上に載置されたワークのベース鋼板Aの姿勢を検知し、ベース鋼板Aをロボットの直角座標系のX−Y平面に平行となるようにするために、まず、ベース鋼板AにおけるロボットX軸に平行な2点の座標を測定し、ベース鋼板AをロボットX軸に平行にするために必要なポジショナ回転軸PTWの回転角度θpを計算し、その角度θpにて該回転軸PTWを回転駆動する。しかる後、ベース鋼板AにおけるロボットY軸に平行な2点の座標を測定し、ベース鋼板AをロボットY軸に平行にするために必要なポジショナ回転軸PBDの回転角度ωpを計算し、その角度ωpにて該回転軸PBDを回転駆動する。このようにして、溶接に先立ち、ポジショナの回転軸を回転駆動してワークを所望の姿勢に修正するようにしている。
【0005】
また、前記特公平3−18989号公報には、ワークを搭載したポジショナ(回転体)を回転駆動させることによりロボットに搭載したセンサによってワークを検知し、検知した位置にて前記ポジショナを停止し、そのポジショナの位置を基準にして、予め教示したプログラムを実施するようにした自動溶接方法が示されている(第2の従来技術)。
【0006】
また、前記特開平7−241676号公報には、オペレータによるポジショナへのワークの取り付け***に拘らず、教示の際のワーク***に修正してから、溶接を行うようにした自動溶接装置が示されている(第3の従来技術)。すなわち、ポジショナ(保持手段)に保持されているワークの***(ワークの位置姿勢)を***検出手段によって検出し、この検出したワーク***と予め設定されているワーク***と比較し、前記予め設定されているワーク***になるように前記ポジショナを駆動制御して前記ワークの位置姿勢を修正するようにした自動溶接装置が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した第1の従来技術では、ロボットとポジショナとの位置関係が、ロボットの3軸直角座標系を構成するX軸とポジショナの回転軸PBDとが平行をなし、ロボットのZ軸とポジショナの回転軸PTWとが平行をなすように、ロボットとポジショナとの位置関係が設定されていることが必要である。また、自動溶接を行うときはポジショナのワーク取付け定盤が必ずロボットのX−Y平面に平行になる必要がある。このように、ロボットとポジショナとの位置関係、及び自動溶接を行うときのポジショナのワーク取付け定盤の姿勢に制約があった。
【0008】
また、前述した第2の従来技術は、ポジショナ(回転体)を回転駆動させることによりセンサによってワークを検知し、検知した位置にて前記ポジショナを停止し、そのポジショナの停止位置にて予め教示したプログラムを実施するようにしたものである。このため、第2の従来技術では、対象ワークが大形の場合、ワーク重量が大きいことからワーク検知時のポジショナ(回転体)の停止精度が悪く、結果としてワークの検出精度が低下し、ワークの溶接線に対する溶接トーチの位置ずれが発生することになる。
【0009】
また、前述した第3の従来技術は、ポジショナ(保持手段)に保持されているワークの***を光センサ(***検出手段)によって検出し、光センサからの検出データに基づいて解析処理を行って検出したワーク***と教示時のワーク***との差異を認識するようにしたものである。このため、第3の従来技術では、検出したワーク***と教示時のワーク***とのずれの求め方が画像認識などによる複雑なものとなっていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、1軸以上の回転軸を有し、ワークを保持するポジショナと、前記ワークのアーク溶接を行うティーチングプレイバック式の溶接ロボットとを備えた溶接ロボット装置において、教示時のワークに対する再生時におけるワークの回転ずれを、容易、かつ検出精度良く求めて解消することができ、また、溶接ロボットとポジショナとの相対的な位置関係や、ポジショナのワーク取付け定盤の姿勢に制約されることなくワークの回転ずれを求めることができる溶接ロボット装置の制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本願発明は次のような構成としている。請求項1の発明は、1軸以上の回転軸を有し、ワークを位置決め保持するポジショナと、前記ワークの位置検出を行うセンサを搭載し、前記ワークのアーク溶接を行うティーチングプレイバック式の溶接ロボットと、予め前記溶接ロボットと前記ポジショナの相対的な位置・姿勢関係が入力され、前記溶接ロボット及び前記ポジショナの動作を制御する制御装置とを備えた溶接ロボット装置において、教示時のワークに対する再生時におけるワークの回転ずれを求めて解消するための制御方法であって、教示時におけるワークについて教示された2点以上の教示時ワーク代表位置と、再生時におけるワークについて、前記各教示時ワーク代表位置に対してそれぞれ予め設定されたセンシング開始位置から前記センサを当該教示時ワーク代表位置へ向けて移動させることによって検出した該2点以上のワーク代表位置とを、前記ポジショナにおけるワーク回転ずれを反映する回転軸の軸心線に垂直に交わる平面に投影し、前記教示時ワーク代表位置の前記平面への投影点によるベクトルと、前記ワーク代表位置の前記平面への投影点によるベクトルとのなす角度を求め、この求めた該ワーク回転ずれ角度を前記ポジショナの前記ワーク回転ずれ反映回転軸に反映させて、ワークの回転ずれを解消することを特徴とする溶接ロボット装置の制御方法である。
【0012】
請求項2の発明は、前記請求項1記載の溶接ロボット装置の制御方法において、前記センサがワイヤアース法によるセンシングを行う溶接トーチ自体であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明による溶接ロボット装置の制御方法においては、教示時のワーク(教示作業による教示データ作成時のワーク)Wに対する再生時におけるワークW’の回転ずれを求めて解消するに際し、教示時におけるワークWについて教示された2点以上の教示時ワーク代表位置P3,P6と、再生時におけるワークW’について、前記各教示時ワーク代表位置P3,P6に対してそれぞれ予め設定されたセンシング開始位置P2,P5から溶接ロボットに搭載されたセンサを当該教示時ワーク代表位置P3,P6へ向けて移動させることによって検出した該2点以上のワーク代表位置P3’,P6’とを、ポジショナにおけるワーク回転ずれを反映する回転軸の軸心線に垂直に交わる平面Xp−Ypに投影する。この平面Xp−Ypはポジショナ座標系Σpにおける平面である。しかる後、前記教示時ワーク代表位置P3,P6の前記平面Xp−Ypへの投影点P3XY,P6XYによるベクトルP3XYP6XYと、前記ワーク代表位置P3’,P6’の前記平面Xp−Ypへの投影点P3’XY,P6’XYによるベクトルP3’XYP6’XYとのなす角度Δθを求めることにより、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれを検出することができる。よって、この求めたワーク回転ずれ角度Δθをポジショナの前記ワーク回転ずれ反映回転軸に反映させることにより、例えば、求めたワーク回転ずれ角度Δθの分だけポジショナの前記ワーク回転ずれ反映回転軸を駆動することにより、ワークの回転ずれΔθを解消することができる。このようにして、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれΔθを求めて解消することにより、先の教示作業によって得られた教示データを補正することなくそのまま用いて再生時におけるワークを位置ずれなく正確に溶接することができる。
【0014】
このように、本発明による溶接ロボット装置の制御方法によれば、前記第3の従来技術とは違って、前記2つのベクトルP3XYP6XY,P3’XYP6’XYの計算を行うだけで、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれΔθを容易に求めることができる。また、前記第2の従来技術とは違って、ポジショナを回転駆動するのではなく溶接ロボットを移動動作させて、該溶接ロボットに搭載されたセンサによるセンシングによってワークWの位置P3’,P6’を検出するようにしたので、その結果、ワークW’の回転ずれΔθを精度良く求めることができる。また、前記第1の従来技術とは違って、予め溶接ロボットとポジショナの相対的な位置・姿勢関係が制御装置に入力されているので、溶接ロボットとポジショナとの相対的な位置関係や、ポジショナのワーク取付け定盤の姿勢に制約されることなく、ワークWの回転ずれΔθを求めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の制御方法を採用した溶接ロボット装置の全体構成を示す図である。
【0016】
この溶接ロボット装置は、図1に示すように、回転2自由度を有し、ワークW’を位置決め保持するポジショナ20と、6自由度を有し、ワークW’のアーク溶接を行うティーチングプレイバック式の溶接ロボット10と、溶接ロボット10及びポジショナ20の動作を制御する制御装置30と、教示作業に用いられる教示ペンダント(教示装置)40と、溶接電源50とにより構成されている。溶接ロボット10、ポジショナ20、教示ペンダント40及び溶接電源50は、制御装置30に接続されている。ワークW’は、この実施形態では、水平すみ肉溶接用T継手をなすものである。
【0017】
溶接ロボット10の手首部には溶接ワイヤ12を支持する溶接トーチ11が取り付けられている。溶接ワイヤ12は図示しないワイヤ送給装置により溶接トーチ11に送給されるようになっている。溶接電源50は、前記ワイヤ送給装置を介して溶接ワイヤ12とワークW’との間に電圧を印加してアークを発生させるようになっている。溶接ロボット10に搭載された溶接トーチ11は、ポジショナ20に保持されているワークW’の位置検出を行うセンサとしての機能をも有している。そのため、溶接電源50は、溶接トーチ11によるセンシングを行うために溶接トーチ11に印加するセンシング用電源を内蔵している。
【0018】
前記ポジショナ20は、この実施形態では2軸傾動型ポジショナである。このポジショナ20は、L字型アーム22上に回転自在に取り付けられ、ワークW’が取り付けられるワーク取付け定盤21と、L字型アーム22に回転自在に取り付けられ、ワーク取付け定盤21を図示しないモータにより回転駆動するための回転軸23と、L字型支持架台25に回転自在に取り付けられ、L字型アーム22と一体にワーク取付け定盤21を水平姿勢(水平位置)から垂直姿勢(垂直位置)まで傾動可能(図2参照)に図示しないモータにより駆動するための傾動用回転軸24とにより構成されている。回転軸23と傾動用回転軸24とは垂直をなしている。
【0019】
この実施形態では、図1に示すように、ワークW’は水平姿勢をなす状態のワーク取付け定盤21上に取り付けられている。なお、ワークW’は、その回転中心が回転ずれを反映した軸23の軸心線上に位置するように取り付けられている。また、この実施形態では、ポジショナ20の座標系Σpは、Xp軸,Yp軸,Zp軸よりなる直角座標系をなしており、ポジショナ座標系ΣpのZp軸をワーク取付け定盤21を回転させる回転軸23と平行をなすように定義し、ワーク取付け定盤21面はポジショナ座標系Σpの平面Xp−Ypと平行になっている。なお、溶接ロボット10の座標系Σrは、Xr軸,Yr軸,Zr軸よりなる直角座標系をなしている。
【0020】
前記制御装置30は、I/Oインターフェース31、CPU32、メモリ33及び図示しない溶接ロボット10用のサーボ制御器を有しており、溶接ロボット10及びポジショナ20の動作を制御する装置である。
【0021】
前記制御装置30のメモリ33は、プログラム記憶部33aと、溶接ロボットとポジショナの相対的な位置・姿勢関係記憶部33bとを有している。プログラム記憶部33aには、教示ペンダント40を用いての教示作業により作成される教示プログラムや、ワークW’の回転ずれを検出し解消するためのプログラムなどが格納される。教示プログラムには、所定数の教示位置と、各教示位置や教示位置間における所定の動作命令とが、溶接ロボット10とポジショナ20の位置・姿勢を対応させた状態で入力(記憶)されている。教示位置としては、例えば、センシング開始位置P2,P5、教示時ワーク代表位置P3,P6、溶接開始位置及び溶接終了位置などである。また、前記の所定の動作命令としては、移動命令、ワークのセンシング命令、ワーク回転ずれ計算命令、アークオン命令及びアークオフ命令などがある。前記相対的な位置・姿勢関係記憶部33bには、溶接ロボット10とポジショナ20との同期・協調動作が可能なように、溶接ロボット10の座標系Σrとポジショナ20の座標系Σpの相対的な位置・姿勢関係が予め作成されて記憶されている。
【0022】
図3は教示プログラムに入力されているワークセンシング動作の説明図である。図3において、Wは教示作業に供されるワークで、図示省略しているが、ポジショナ20のワーク取付け定盤21上に取り付けられている。P1〜P7は、溶接ロボット10を動作させながら行う教示作業により作成された教示プログラムの教示位置である。各々について説明すると、P1:出発位置、P2:溶接開始位置側でのセンシング開始位置、P3:溶接開始位置側での教示時ワーク代表位置、P4:退避位置、P5:溶接終了位置側でのセンシング開始位置、P6:溶接終了位置側での教示時ワーク代表位置、P7:退避位置、である。なお、位置P3下方のコーナー部に教示される溶接開始位置と、位置P6下方のコーナー部に教示される溶接終了位置については図示省略している。
【0023】
前記の各教示位置P1〜P7は、オペレータが教示ペンダント40に入力する移動命令により教示されるようになっている。また、センシング開始位置P2が教示されるとともに、この位置P2から教示時ワーク代表位置P3の方向に向かってセンシング動作を再生時に行うためのセンシング命令が入力される。同様に、センシング開始位置P5が教示されるとともに、この位置P5から教示時ワーク代表位置P6の方向に向かってセンシング動作を再生時に行うためのセンシング命令とが入力されるようになっている。また、退避位置P7が教示されるとともに、退避位置P7到達後に再生時のワークW’の回転ずれを求める回転ずれ命令が入力されるようになっている。この回転ずれ命令を入力するとき、オペレータにより、ワーク回転ずれ反映回転軸23の軸心線に垂直に交わる平面(平面Xp−Yp)が指定されて入力される(教示される)ようになされている。
【0024】
次に、このように構成される溶接ロボット装置において、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれを求め、この回転ずれを解消する制御について、前記図1と前記図3、及び図4〜図6を参照して説明する。図4はワイヤアース法によるワークの位置検出の説明図、図5は本発明の制御方法を説明するための図、図6は図5における各位置の座標値を示す図である。
【0025】
再生時において、まず、ポジショナ20のワーク取付け定盤21上に取り付けられているワークW’について、溶接トーチ11をセンサとするワイヤアース法によるセンシングを行って、ワーク代表位置P3’,P6’を検出する。溶接トーチ11自体をセンサとするワイヤアース法(ワイヤタッチセンシング法)は、公知技術であり、溶接トーチ11のチップ先端から溶接ワイヤ12を所定長さ突き出させ、該溶接ワイヤ12とワークW’との間にセンシング電圧を印加し、所定位置から溶接トーチ11をワークW’に向けて移動させる。そして、溶接ワイヤ12とワークW’との接触による電圧低下に基づく溶接ワイヤ12のワークW’への接触を検出する動作を所定順序で行うことにより、ワーク位置を検出するようにしたものである。
【0026】
すなわち、まず、溶接ロボット10の溶接トーチ11先端(溶接ワイヤ12先端)が予め教示されている溶接開始位置側でのセンシング開始位置P2に到達すると、溶接電源50に内蔵されているセンシング用電源からの電圧が溶接トーチ11とワークW’間に印加される。次いで、予め教示されているセンシング開始位置P2及び教示時ワーク代表位置P3からワーク検出方向101が計算により求められて、溶接トーチ11がセンシング開始位置P2からワーク検出方向101へ前進移動される。そして、図4に示すように、教示時のワークWに対して再生時のワークW’に回転ずれが生じていると、溶接トーチ11の溶接ワイヤ12とワークW’との接触によって電圧が低下することにより、ワークW’のワーク代表位置P3’を検出することができる。同様にして、溶接トーチ11がセンシング開始位置P5からワーク検出方向102へ前進移動されることで、ワークW’のワーク代表位置P6’を検出することができる。
【0027】
次に、前記位置P3,P3’,P6,P6’について、溶接ロボット座標系Σrからみたポジショナ座標系Σpでの位置をそれぞれ求める。これは、予め作成されている溶接ロボット10の座標系Σrとポジショナ20の座標系Σpの相対的な位置・姿勢関係を用いて座標変換を行うという一般的なやり方により求めることができる。図5には、ポジショナ座標系Σpにおける位置P3,P3’,P6,P6’について示している。
【0028】
次に、図5に示すように、ポジショナ座標系Σpにおいて、位置P3,P3’,P6,P6’について、平面Xp−Yp上にそれぞれ投影し、位置P3の投影点P3XYと、位置P3’の投影点P3’XYと、位置P6の投影点P6XYと、位置P6’の投影点P6’XYとを求める。ここで、これらの位置P3,P3’,P6,P6’を投影する面は、回転ずれを反映する軸23に垂直な平面であればいずれの平面であっても差し支えない。
【0029】
次いで、ポジショナ座標系Σpの座標値に座標変換された教示時ワーク代表位置P3,P6の平面Xp−Ypへの投影点P3XY,P6XYから、平面Xp−Yp上において投影点P3XYから投影点P6XYに向かうベクトルP3XYP6XY(図5では符号103で示し、式1,式3では「→」付きで表す)を求めることができる。このベクトルP3XYP6XYは、下記の式1により表される。また、ポジショナ座標系Σpの座標値に座標変換されたワーク代表位置P3’,P6’の平面Xp−Ypへの投影点P3’XY,P6’XYから、平面Xp−Yp上において投影点P3’XYから投影点P6’XYに向かうベクトルP3’XYP6’XY(図5では符号104で示し、式2,式3では「→」付きで表す)を求めることができる。このベクトルP3’XYP6’XYは、下記の式2により表される。また、ベクトルP3XYP6XYとベクトルP3’XYP6’XYとのなす角度Δθは、下記の式3により求めることができる。
【0030】
【数1】
Figure 0003944419
【0031】
このようにして、ベクトルP3XYP6XYとベクトルP3’XYP6’XYとのなす角度Δθであるワーク回転ずれ角度Δθ、すなわち、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれΔθを検出することができる。よって、ワーク回転ずれ角度Δθの分だけポジショナのワーク回転ずれ反映回転軸23を回転駆動することにより、ワークの回転ずれΔθを解消することができる。このように、教示時のワークWに対する再生時におけるワークW’の回転ずれΔθを求めて解消することにより、先の教示作業によって得られた教示データを補正することなくそのまま用いて再生時におけるワークW’を位置ずれなく正確に溶接することができる。
【0032】
なお、溶接ロボット10に搭載され、ワークの位置検出を行うセンサとして、本実施形態ではワイヤアース法によるセンシングを行う溶接トーチ11を用いたが、これに限定されず、公知の接触式,非接触式センサを用いることも可能である。また、ワークWの教示時ワーク代表位置を3点以上教示する場合や、ワークW’のワーク代表位置を3点以上検出する場合は、最小二乗法によって直線回帰して、ベクトルを求めるようにすればよい。
【0033】
また、本実施形態では、ポジショナ20の回転軸23まわりのワーク回転ずれを求めて解消する方法について述べたが、本発明方法は、ポジショナ20の傾動用回転軸24まわりのワーク回転ずれについても適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による溶接ロボット装置の制御方法によれば、ポジショナに保持されているワークをティーチングプレイバック式の溶接ロボットによりアーク溶接するに際し、教示時のワークに対する再生時におけるワークの回転ずれを、溶接ロボットとポジショナとの相対的な位置関係や、ポジショナのワーク取付け定盤の姿勢に制約されることなく、容易、かつ検出精度良く求めて解消することができ、再生時におけるワークを位置ずれなく正確に溶接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法を採用した溶接ロボット装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1におけるポジショナの傾斜軸を回転駆動してワーク取付け定盤を傾斜させた様子を示す図である。
【図3】教示プログラムに入力されているワークセンシング動作の説明図である。
【図4】ワイヤアース法によるワークの位置検出の説明図である。
【図5】本発明の制御方法を説明するための図である。
【図6】図5における各位置の座標値を示す図である。
【符号の説明】
10…溶接ロボット 11…溶接トーチ 12…溶接ワイヤ 20…ポジショナ 21…ワーク取付け定盤 22…L字型アーム 23…回転軸 24…傾動用回転軸 25…L字型支持架台 30…制御装置 31…I/Oインターフェース 32…CPU 33…メモリ 33a…プログラム記憶部 33b…溶接ロボットとポジショナの相対的な位置・姿勢関係記憶部 40…教示ペンダント
50…溶接電源

Claims (2)

  1. 1軸以上の回転軸を有し、ワークを位置決め保持するポジショナと、前記ワークの位置検出を行うセンサを搭載し、前記ワークのアーク溶接を行うティーチングプレイバック式の溶接ロボットと、予め前記溶接ロボットと前記ポジショナの相対的な位置・姿勢関係が入力され、前記溶接ロボット及び前記ポジショナの動作を制御する制御装置とを備えた溶接ロボット装置において、教示時のワークに対する再生時におけるワークの回転ずれを求めて解消するための制御方法であって、
    教示時におけるワークについて教示された2点以上の教示時ワーク代表位置と、再生時におけるワークについて、前記各教示時ワーク代表位置に対してそれぞれ予め設定されたセンシング開始位置から前記センサを当該教示時ワーク代表位置へ向けて移動させることによって検出した該2点以上のワーク代表位置とを、前記ポジショナにおけるワーク回転ずれを反映する回転軸の軸心線に垂直に交わる平面に投影し、前記教示時ワーク代表位置の前記平面への投影点によるベクトルと、前記ワーク代表位置の前記平面への投影点によるベクトルとのなす角度を求め、この求めた該ワーク回転ずれ角度を前記ポジショナの前記ワーク回転ずれ反映回転軸に反映させて、ワークの回転ずれを解消することを特徴とする溶接ロボット装置の制御方法。
  2. 前記センサがワイヤアース法によるセンシングを行う溶接トーチ自体であることを特徴とする請求項1記載の溶接ロボット装置の制御方法。
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