JP3943286B2 - 画像記録媒体及び画像記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録媒体、特に画質と膜質とを改良したインクジェット方式に好適に用いられる画像記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式に使用する画像記録媒体では、普通の紙やインクジェット記録用紙と称される紙が用いられていた。一般のインクジェット記録用紙は、紙(支持体)の上にインク受容層が設けられている。ところが、最近のインクジェット方式のプリンターの著しい改良によって、従来の画像記録媒体では、プリンターの性能を充分に発揮できない状況になっている。従来の画像記録媒体にはインクのにじみがあり、最近のインクジェット方式のプリンターの高解像度に対応できない。
【0003】
また、画質の改善に伴って画像に写真のような光沢性が求められるようになったが、従来の画像記録媒体は光沢性が低い。従って、インクジェット方式の改良に対応する程度に、画像記録媒体の方も改良が必要になっている。
【0004】
画像記録媒体の改良について、例えば特開昭57−89954号、同60−224578号、同61−12388号、特開平4−216990号、同6−64306号、同7−179032号、同8−24436号の各公報等に記載されている。
上記特開昭57−89954号公報には、支持体上に、液体吸収性下層及び液体透過性表面層が順次設けられている記録材料(液体吸収性シート)が開示されている。上記特開昭60−224578号公報には、支持体(合成樹脂からなる透明な基材フイルム)上に水溶性高分子物質からなる透明な親水性皮膜設けられている記録材料(オーバーヘッドプロジェクター用フイルム)が開示されている。上記特開昭61−12388号公報には、インク保持層とインク透過層とを有する記録材料が開示されている。
上記特開平4−216990号公報には、支持体上に、ポリオレフィン層及びゼラチンと澱粉を含むインク吸収層が順次設けられている記録材料が開示されている。上記特開平6−64306号公報には、支持体上に、ポリオレフィン層及びゼラチンを含むインク受容層が順次設けられている記録材料が開示されている。上記特開平7−179032号公報には、支持体上に、ポリオレフィン層及び合成親水性樹脂を含むインク受容層が順次設けられている記録材料が開示されている。上記特開平8−24436号公報には、支持体上に、ゼラチンと塩基性ラテックスを含むインク受容層が設けられている記録材料が開示されている。
【0005】
これらの画像記録媒体の改良方法のうち、特に支持体上にポリオレフィン層を設ける方法は、従来のインクジェット記録用紙よりも写真に近い光沢がある画像が得られる点で優れている。しかし、画像の解像度や粒状性を得るために、インク受容層に多くの吸インク性の高いポリマーを多く使用し、膜の強度が低下するため、画質と膜質との両立は十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、最近の改良されたインクジェット方式のプリンターに適用され、好適に使用される画像記録媒体を提供することにある。
本発明の他の目的は、高い画質と強い膜質の得られる画像記録媒体を提供することにある。
本発明のさらなる他の目的は、上記画像記録媒体を用いた画像記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記(1)〜(3)の画像記録媒体及び(4)の画像記録方法が提供されて、上記目的が達成される。
(1)支持体上のインク固定層に、(イ)一般式(1)で表される変性ポリビニールアルコール、(ロ)鹸化度が60から85の未変性ポリビニールアルコールが含有されているインクジェット方式用画像記録媒体であって、支持体上に2層以上のインク固定層が形成され、支持体に最も近いインク固定層にのみ、一般式(1)で表される変性ポリビニールアルコールが10mg/m2〜2g/m2含有されていることを特徴とするインクジェット方式用画像記録媒体。
【0008】
【化3】
Figure 0003943286
【0009】
(2)支持体上のインク固定層に、(ハ)一般式(2)で表される変性ポリビニールアルコール、(ニ)鹸化度が60から85の未変性ポリビニールアルコールが含有されているインクジェット方式用画像記録媒体であって、支持体上に2層以上のインク固定層が形成され、支持体に最も近いインク固定層にのみ、一般式(2)で表される変性ポリビニールアルコールが10mg/m2〜2g/m2含有されていることを特徴とするインクジェット方式用画像記録媒体。
【0010】
【化4】
Figure 0003943286
【0011】
(3)支持体がポリオレフィンでラミネートされた紙であることを特徴とする上記(1)〜(2)のいずれかに記載のインクジェット方式用画像記録媒体。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット方式用画像記録媒体に、像様に水性インクを付着、固定化して、画像を記録することを特徴とするインクジェット方式画像記録方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
[画像記録媒体に用いられる変性ポリビニルアルコール(変性PVA)]
一般式(1)で表される変性PVA及び一般式(2)で表される変性PVAは、本発明の画像記録媒体のインク固定層に含有される。以下、一般式(1)で表される変性PVAを変性PVA(1)、一般式(2)で表される変性PVAを変性PVA(2)とそれぞれ言う。
【0013】
本発明の一つの態様(以下、「態様(1)」とも言う)では、インク固定層に変性PVA(1)と未変性PVAが含有される。この未変性PVAの鹸化度は、60〜85、好ましくは65〜80である。
本発明の別の態様(以下、「態様(2)」とも言う)では、インク固定層に変性PVA(2)が含有される。
【0014】
変性PVA(1)を表す上記一般式(1)において、lは0.1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%であり、mとnの合計割合は80〜99.9モル%、好ましくは90〜99モル%であり、mとnの合計のうちnが占める割合、即ち、n/(m+n)は0.85を越え1未満、好ましくは0.85〜0.9である。従って、変性PVA(1)の鹸化度は85を越え、1未満、好ましくは85〜90である。
変性PVA(2)を表す上記一般式(2)において、lは0.1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%であり、mとnの合計割合は80〜99.9モル%、好ましくは90〜99モル%である。mとnの合計のうちnが占める割合、即ち、n/(m+n)は0.6〜0.85、好ましくは0.7〜0.83である。従って、変性PVA(2)の鹸化度は60〜85、好ましくは70〜83である。
【0015】
変性PVA(1)、(2)は容易に合成することができるが、市販されており使用することができる。変性PVA(1)の市販品としては、例えば、日本合成化学工業(株)製のゴーセファイマーZ100、Z200(n:90モル%、m:4モル%、l:6モル%)、Z210等が挙げられる。
変性PVA(1)及び変性PVA(2)は、態様(1)、態様(2)においてそれぞれ1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
上記態様(1)では、変性PVA(1)は未変性PVAと併用され、その使用量は、好ましくは0.01〜2g/m2、より好ましくは0.1〜0.5g/m2である。未変性PVAの使用量は、好ましくは1〜20g/m2、より好ましくは5〜10g/m2である。
この態様(1)では、変性PVAとして、鹸化度が高い(水酸基が多い)ものを用い、これと鹸化度の低い未変性PVAとを組み合わせることにより、インク吸収性が高く、かつ膜質性に優れたインク固定層を得ることができ、良好な結果をもたらす。
未変性PVAは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
また上記態様(2)では、インク固定層に変性PVA(2)が含有される。変性PVAの使用量は、好ましくは1〜20g/m2、より好ましくは2〜10g/m2である。
本態様(2)においては、鹸化度60〜85と適度に鹸化された変性PVAを用いているので、未変性PVAを併用せずとも、インク吸収性を維持できることとなり、良好な結果をもたらす。勿論、所望により、上記の利点を損なわない範囲で未変性PVAを少量含有させてもよい。
【0018】
なお、変性PVA(1)及び(2)に共重合されているアセトアセチル基を含有する構造単位は、活性メチレン基を持つので、他の基を求核置換反応により結合を作ることができる。
【0019】
膜質の強度の観点から、上記変性PVAや未変性PVAが有する水酸基、カルボニル基およびアセトアセチル基等の反応基と反応することにより、これらPVAを架橋することが可能な基を分子内に2個以上もつ化合物をインク固定層に併用することが好ましい。 このような化合物としては、下記する硬膜剤に該当する化合物が挙げられる。この反応可能な基としては、アミノ基、カルボニルヒドラジン基、イソシアネート基、メトキシメチルアミノ基、アルデヒド基(ホルマリンを含む)、金属塩、エポキシ基が挙げられる。なかでも、イソシアネート基及びエポキシ基が好ましい。特にエポキシ基を分子内に2個以上含む下記一般式(3)で表される化合物を硬膜剤として併用することが好ましい。
【0020】
【化5】
Figure 0003943286
【0021】
式中、R1は、2価の基である。好ましくは、アルキル基もしくはエーテル基およびこれらを組み合わせた基である。
本発明に用いる好ましい上記の硬膜剤の具体例としては、下記の化合物H−1、H−2を挙げることができる。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
【0022】
【化6】
Figure 0003943286
【0023】
[画像記録媒体の層構成]
本発明の画像記録媒体は、インク固定層と表面保護層よりなる。インク固定層は、表面保護層と支持体との間に設けるのが好ましい。インク固定層は、複数の層で構成されていてもよく、この場合、最も支持体側に近い層に一般式(1)、(2)で表される変性PVA(1)や変性PVA(2)を用いることが好ましい。 また表面保護層も必要により複数の層により構成されることがある。
【0024】
支持体上に設けられるインク固定層の厚さ(複数存在するときは、合計の厚さ)は、5〜27μmであることが好ましく、8〜20μmであることがさらに好ましい。
支持体上に設けられる層は全体として、インクによる膨潤率が100〜300%であることが好ましく、150〜250%であることがさらに好ましい。膨潤率は、画像記録媒体を25℃の対象とするインクに1分間浸漬した後に測定した塗布層の厚さから乾燥膜厚を引いた値(膨潤値)を、乾燥膜厚で割った値(%)である。
膨潤率の調整は、インクのしみ込みや広がりを制御するため、あるいはプリンター内での傷を防止するために重要である。
支持体上に設けられる親インク性層は、同時塗布により形成することが好ましいが、多数回塗布により形成しても良い。
以下、各層、それらの成分及び画像記録方法について、順次説明する。
【0025】
[表面保護層]
表面保護層は、ゼラチン、糖類、水溶性合成高分子等の親水性のポリマーをバインダーとするインク透過層(保護層)である。親水性ポリマーは層の50重量%以上含まれている。親水性ポリマーは層の55重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。表面保護層は、さらに平均粒径が3〜100μmの固体粒子をマット剤として含む。表面保護層は、界面活性剤を含むことが好ましい。
表面保護層は、インクの広がりやしみ込みを制御する機能を有する。さらに、表面保護層は、インク吸収層に固定された色素画像を、物理的又は化学的に保護する機能も有する。
表面保護層は、0.2〜2μmの厚さを有する。厚さは、0.3〜1μmであることが好ましい。
表面保護層には、必要に応じ、滑り剤、防腐剤、ラテックス、褪色防止剤、色味付け染料、顔料、蛍光増泊剤等を用いることができる。
【0026】
[インク固定層]
インク固定層は、主にインクを受容できるポリマーから構成されるインク受容、画像固定層である。インク受容ポリマーは、通常層の50重量%以上含まれている。
インク受容ポリマーはPVA系ポリマーであることが好ましい。PVA系ポリマーは、インク固定層の好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上を占める。インク固定層のPVA系ポリマーは、比較的高分子量(300以上の重合度)であることが好ましい。
またインク固定層は、PVA系ポリマーに加えて、ポリマー媒染剤を含むことが好ましい。
インク固定層の厚みは、好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは5〜15μm、最も好ましくは7〜15μmである。
インク固定層には、ポリマー媒染剤を併用することが好ましい。また、必要に応じ、防腐剤、ラテックス、褪色防止剤、色味付け染料、顔料、蛍光増泊剤等を用いることができる。
インク固定層は必要に応じ、複数の層により構成される。変性PVA(1)及び(2)は、複数の層の内、支持体に最も近い層に、インク受容ポリマーとして用いることが好ましい。
【0027】
[下塗り層]
支持体上に設けられる下記ポリオレフィン層とインク固定層との間に下塗り層を設けることができる。下塗り層は、膨潤率やカールバランスを調整する機能を有する。
下塗り層は、好ましくはゼラチンをバインダーとする下塗り層である。ゼラチンは、好ましくは層の50重量%以上、より好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上を占める。
下塗り層には、ゼラチンに加えて、蛍光増白剤を含むことが好ましい。
下塗りゼラチン層の厚みは、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.7〜3μmである。
【0028】
[ポリオレフィン層]
ポリオレフィン層は、紙支持体上に設けられる、ポリオレフィンをバインダーとする層である。ポリオレフィンは、好ましくは層の50重量%以上、より好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上を占める。
ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン、ポリスチレン及びポリブテン等を挙げることができる。またポリオレフィンがオレフィン共重合体であってもよい。なかでも、ポリエチレンが特に好ましい。
ポリオレフィン層は、塗布又はラミネートにより支持体上に設けられる。
ポリオレフィン層は、白色顔料又は色味付け染料又は顔料を含有することが好ましい。
白色顔料としては、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましく、アナターゼ型酸化チタンが特に好ましい。アナターゼ型酸化チタンの分散性を改善するため、酸化亜鉛を併用してもよい。併用する場合、酸化亜鉛の割合は顔料全体に対して50重量%以下であることが好ましい。ポリオレフィン層中の白色顔料の含有量は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。
【0029】
染料又は顔料は、ポリオレフィン層を着色して、その表面反射率を調整するために用いられる。染料又は顔料は、ポリオレフィン層の塗布温度(一般に300℃以上)において耐熱性を有することが好ましい。好ましい染料又は顔料の例には、コバルトブルー、群青及び酸化ネオジムが含まれる。色味付け染料又は顔料は、白色顔料の0.1〜3重量%の範囲で使用することが好ましい。色味づけ染料又は顔料の種類を選択し、使用量を調整することで、支持体の表面反射特性を調節することができる。
ポリオレフィン層厚さは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは20〜35μmである。
ポリオレフィン層の表面は、鏡面状に仕上げておくことが好ましい。
ポリオレフィン層の表面に、表面活性化処理(例、コロナ放電処理、火炎処理)を実施してから、前述した各層を設けてもよい。
【0030】
[支持体]
支持体としては、紙又はプラスチックフイルムが好ましく用いられる。紙がプラスチックフイルムよりも好ましい。なお、プラスチックフィルムの場合、ポリオレフィン層はなくてもよい。
支持体の厚さは、50〜300μmであることが好ましく、80〜200μmであることがさらに好ましい。
【0031】
[その他の任意に設けられる層]
紙支持体の場合、支持体の裏側にも、バック層として、ポリオレフィン層を設けることが好ましい。ポリオレフィンバック層の詳細については、表側に設けるポリオレフィン層と同様である。
バック層は、帯電防止機能を有することが好ましい。具体的には、バック層の表面抵抗率は、1×1012Ω・cm以下であることが好ましい。
【0032】
[ゼラチン]
本発明において、「ゼラチン」には、通常のゼラチンに加えて、ゼラチン誘導体が含まれる。
ゼラチンは、下記の硬膜剤を用いることで、架橋(硬化)させておくことが好ましい。
【0033】
[ゼラチン用硬膜剤]
硬膜剤は、低分子硬膜剤と高分子硬膜剤とに分類される。
低分子硬膜剤の例には、アルデヒド化合物(例、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアルデヒド)、アジリジン化合物、イソオキサゾール化合物、エポキシ化合物、ビニルスルホン化合物(例、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン、N,N’−トリメチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド))、アクリロイル化合物、カルボジイミド化合物、トリアジン化合物(例、2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジン)、N−メチロール化合物(例、ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、ムコハロゲン酸(例、ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸)、ジアルデヒド澱粉、1−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチン、マレイミド化合物、アセチレン化合物及びメタンスルホン酸エステルが含まれる。
【0034】
アジリジン化合物については、PBレポート19921号、米国特許2950197号、同2964404号、同2983611号、同3271175号の各明細書、特公昭46−40898号、特開昭50−91315号の各公報に記載がある。イソオキサゾール化合物については、米国特許331609号明細書に記載がある。エポキシ化合物については、米国特許3047394号、***特許1035663号、英国特許1033518号の各明細書、特公昭48−35495号公報に記載がある。ビニルスルホン化合物については、PBレポート19920号、***特許1100942号、同2337412号、同2545722号、同2635518号、同2742308号、同2749260号、英国特許1251091号、米国特許3539644号、同3490911号の各明細書に記載がある。アクリロイル化合物については、米国特許3640720号明細書に記載がある。カルボジイミド化合物については、米国特許2938892号、同4043818号、同4061499号の各明細書、特公昭46−38715号公報に記載がある。トリアジン化合物については、***特許2410973号、同2553915号、米国特許3325287号の各明細書、特開昭52−12722号公報に記載がある。
【0035】
高分子硬膜剤の例には、アクロレインのコポリマーのようなアルデヒド基を有するポリマー(米国特許3396029号明細書に記載)、ジクロロトリアジン基を有するポリマー(米国特許3362827号明細書、リサーチ・ディスクロージャー17333号(1978)に記載)、エポキシ基を有するポリマー(米国特許3623878号明細書に記載)、活性ビニル基又はその前駆体となる基を有するポリマー(リサーチ・ディスクロージャー16725号(1978)、米国特許4161407号明細書、特開昭54−65033号、同56−142524号の各公報に記載)及び活性エステル基を有するポリマー(特開昭56−66841号公報に記載)が含まれる。
硬膜剤の使用量は、ゼラチンの0.1〜30重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。なお、低分子硬膜剤は、拡散性があるため、いずれか一層のゼラチン層の塗布液に添加するだけで、他のゼラチン層も硬膜することができる。
これらの硬膜剤は現実にはゼラチンだけでなく、それ以外のポリマーとも硬膜反応している。
【0036】
[PVA系ポリマー]
PVA系ポリマーは、ビニルアルコール単位を50モル%以上含む。従って、PVA系ポリマーのケン化度は、50モル%以上である。ケン化度(ビニルアルコール単位の割合)は、60〜90モル%であることが好ましく、65〜80モル%であることがさらに好ましい。インクジェット用記録紙に用いられているポリビニルアルコールのケン化度は、90モル%を越える値である。本発明者の研究により、ケン化度が90モル%以下のポリビニルアルコールを用いることで、画像中のインクの粒状ムラを解消できることが判明した。
PVA系ポリマーは、ビニルアルコール単位以外に、エチレン性不飽和モノマーから誘導されるの繰り返し単位を含むことができる。エチレン性不飽和モノマーの例には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和脂肪酸(例、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸)及びビニルエステル(例、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル)が含まれる。PVA系ポリマーの末端には、アルキルチオ基又はアリールチオ基が結合していてもよい。アルキルチオ基及びアリールチオ基の炭素原子数は、8以上であることが好ましい。
【0037】
PVA系ポリマーは、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位のみからなる通常のポリビニルアルコールであることが特に好ましい。
インク固定層に用いるPVA系ポリマーの重合度は、300以上であることが好ましく、500〜5000であることがさらに好ましく、500〜2000であることが最も好ましい。
【0038】
[ポリマー媒染剤]
インク固定層は、ポリマー媒染剤を含むことが好ましい。
ポリマー媒染剤としては、三級アミノ基を有するビニルポリマー及び含窒素複素環基を有するビニルポリマーが代表的である。三級アミノ基及び含窒素複素環基は、四級アンモニウムの状態であってもよい。
含窒素複素環基を有するビニルポリマーが好ましく用いられる。含窒素複素環基は、三級イミダゾール基であることが好ましい。三級イミダゾール基を有する繰り返し単位を、下記式(4)で示す。
【0039】
【化7】
Figure 0003943286
【0040】
式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立に、水素原子、あるいは炭素原子数が1〜6のアルキル基であり;そして、Lは、単結合、あるいはアルキレン基、アリーレン基、−CO−、−O−、−NH−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立に、水素原子、メチル又はエチルであることが好ましく、水素原子又はメチルであることがさらに好ましい。
Lのアルキレン基は、1〜6の炭素原子数を有することが好ましい。Lのアリーレン基は、フェニレンであることが好ましい。
Lについて、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−O−及び−NH−の組み合わせの例を以下に示す。以下の例L1 〜L5 の左側が主鎖に、右側がイミダゾール環に、それぞれ結合する。
L1 :−アリーレン基−アルキレン基−
L2 :−CO−O−
L3 :−CO−NH−
L4 :−CO−O−アルキレン基−
L5 :−CO−NH−アルキレン基−
以下に、上記式(4)で表わされる三級イミダゾール基を有する繰り返し単位の具体例を示す。
【0041】
【化8】
Figure 0003943286
【0042】
【化9】
Figure 0003943286
【0043】
【化10】
Figure 0003943286
【0044】
三級イミダゾール基を有する繰り返し単位のみからなるホモポリマーを、ポリマー媒染剤として用いることができる。また、三級イミダゾール基を有する繰り返し単位を二種類以上組み合わせたコポリマーを、ポリマー媒染剤として用てもよい。さらに、三級イミダゾール基を有する繰り返し単位と他の繰り返し単位を組み合わせたコポリマーも、ポリマー媒染剤として用いることができる。コポリマー中の三級イミダゾール基を有する繰り返し単位の割合は、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。他の繰り返し単位の具体例を、以下に示す。
【0045】
【化11】
Figure 0003943286
【0046】
【化12】
Figure 0003943286
【0047】
【化13】
Figure 0003943286
【0048】
【化14】
Figure 0003943286
【0049】
【化15】
Figure 0003943286
【0050】
【化16】
Figure 0003943286
【0051】
【化17】
Figure 0003943286
【0052】
【化18】
Figure 0003943286
【0053】
【化19】
Figure 0003943286
【0054】
【化20】
Figure 0003943286
【0055】
三級イミダゾール基を有する繰り返し単位と他の繰り返し単位を組み合わせたコポリマーの例を以下に示す。なお、以下の例で、括弧内の数字は前記の繰り返し単位の番号を意味する。また、括弧の右側の数字は、繰り返し単位のモル%である。
【0056】
Figure 0003943286
【0057】
Figure 0003943286
【0058】
二種類以上のポリマー媒染剤を併用してもよい。
ポリマー媒染剤の分子量は,1000〜1000000であることが好ましく、10000〜200000であることがさらに好ましい。
ポリマー媒染剤の使用量は、0.2〜30g/m2 であることが好ましく、0.5〜15g/m2 であることがさらに好ましい。
【0059】
[平均粒径が3〜100μmの固体粒子]
平均粒径が3〜100μmの固体粒子は、マット剤として表面保護層に添加される。なお、表面保護層の厚さは、0.2〜2μmであって、固体粒子の平均粒径よりも薄い。そのため、固体粒子は、表面保護層からその下の層(第1のインク固定層から、ポリオレフィン層より上の層まで)にまたがって存在していてもよい。言い換えると、表面保護層と第1のインク固定層との界面を横切るように、固体粒子が存在していてもよい。ポリオレフィン層よりも上に設けられる塗布層は、一般に同時塗布で形成するため、固体粒子をポリオレフィン層よりも上に設けられるいずれかの層の塗布液に添加することで、固体粒子を表面保護層中に存在させることができる。ただし、表面保護層の塗布液に固体粒子を添加することが特に好ましい。
固体粒子の平均粒径は、10〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。
【0060】
マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
無機マット剤の材料には、酸化物(例、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例、塩化銀、臭化銀)及びガラスが含まれる。
無機マット剤については、***特許2529321号、英国特許760775号、同1260772号、米国特許1201905号、同2192241号、同3053662号、同3062649号、同3257206号、同3322555号、同3353958号、同3370951号、同3411907号、同3437484号、同3523022号、同3615554号、同3635714号、同3769020号、同4021245号、同4029504号の各明細書に記載がある。
【0061】
有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれる。以上のポリマーの繰り返し単位を組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
【0062】
コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
有機マット剤については、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号、同57−14835号の各公報に記載がある。
二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m2であることが好ましく、0.02〜0.3g/m2であることがさらに好ましい。
【0063】
[平均粒径が3μm未満の固体粒子]
ゼラチン層及びポリビニルアルコール層には、インクの吸収速度の調整、接着の防止、強度の改良あるいはカールバランスの改良の目的で、平均粒径が3μm未満の固体粒子を添加することができる。
平均粒径が3μm未満の固体粒子としては、無機顔料が好ましく用いられる。無機顔料の例には、シリカ顔料、アルミナ顔料、二酸化チタン顔料、酸化亜鉛顔料、酸化ジルコニウム顔料、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛顔料、酸化コバルト顔料、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム顔料、酸化カルシウム顔料、炭酸カルシウム顔料及びムライトが含まれる。シリカ顔料及びアルミナ顔料が好ましい。二種類以上の固体粒子を併用してもよい。
シリカ顔料には、球状シリカと無定形シリカが含まれる。シリカ顔料は、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。コロイド状シリカが特に好ましい。シリカ顔料の平均粒径は、4〜120nmであることが好ましく、4〜90nmであることがさらに好ましい。シリカ顔料は、多孔質であることが好ましい。多孔質シリカ顔料の平均孔径は、50〜500nmであることが好ましい。また多孔質シリカ顔料の重量当りの平均孔容積は、0.5〜3ml/gであることが好ましい。
【0064】
アルミナ顔料には、無水アルミナとアルミナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。アルミナ顔料の平均粒径は、4〜300nmであることが好ましく、4〜200nmであることがさらに好ましい。アルミナ顔料は、多孔質であることが好ましい。多孔質アルミナ顔料の平均孔径は、50〜500nmであることが好ましい。多孔質アルミナ顔料の重量当りの平均孔容積は、0.3〜3ml/gであることが好ましい。
アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
無機顔料の使用量は、添加する層のバインダー(ゼラチン又はPVA系ポリマー)に対する乾燥重量比で、5〜100重量%であることが好ましく、20〜70重量%であることがさらに好ましい。
【0065】
[界面活性剤]
ゼラチン層又はポリビニルアルコール層に、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、塗布助剤、帯電防止剤、スベリ性改良剤、乳化分散剤あるいは接着防止剤として機能する。非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を用いることができる。
非イオン界面活性剤の例には、ステロイド(例、サポニン)、アルキレンオキサイド誘導体(例、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコールアルキルアミン、ポリアルキレングリコールアルキルアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物)、グリシドール誘導体(例、アルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)及びアルキルエステル(例、多価アルコールの脂肪酸エステル)が含まれる。
【0066】
アニオン界面活性剤の例には、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン酸、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエイコサン酸エステルが含まれる。
カチオン界面活性剤の例には、アルキルアミン塩、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩が含まれる。
両性界面活性剤の例には、アミノ酸、アミノアルキルスルホン酸、アミノアルキル硫酸、アミノアルキルリン酸、アルキルベタイン及びアミンオキシドが含まれる。
界面活性剤の使用量は、0.005〜0.5g/m2であることが好ましく、0.01〜0.1g/m2であることがさらに好ましい。
【0067】
[スベリ剤]
画像記録媒体にスベリ剤を添加してもよい。
スベリ剤の例には、高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エステル及びシリコーン化合物が含まれる。
用いることができるスベリ剤については、米国特許2882157号、同3121060号、同3850640号、フランス特許2180465号、英国特許955061号、同1143118号、同1263722号、同1270578号、同1320564号、同1320757号、同2588765号、同2739891号、同3018178号、同3042522号、同3080317号、同3082087号、同3121060号、同3222178号、同3295979号、同3489567号、同3516832号、同3658573号、同3679411号、同3870521号の各明細書、特開昭49−5017号、同51−141623号、同54−159221号、同56−81841号の各公報、及びリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure) 13969号に記載されている。
スベリ剤の使用量は、5〜200mg/m2であることが好ましい。
【0068】
[防腐剤]
画像記録媒体の塗布層、特にゼラチン層には、防腐剤(防菌剤あるいは防バイ剤)を添加することが好ましい。
防腐剤は、水溶性であることが好ましい。水溶性防腐剤の例には、チアゾリルベンズイミダゾール化合物、イソチアゾロン化合物、クロロフェノール化合物、ブロモフェノール化合物、チオシアン酸化合物、イソチオシアン酸化合物、酸アジド化合物、ダイアジン化合物、トリアジン化合物、チオ尿素化合物、アルキルグアニジン化合物、4級アンモニウム塩、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、シクロヘキシルフェノール化合物、イミダゾール化合物、ベンズイミダゾール系化合物、スルファミド化合物、活性ハロゲン化合物(例、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム)、キレート剤、亜硫酸化合物及び抗生物質(例、ペニシリン)が含まれる。防腐剤については、L.E.ウエスト(L.E.West)、ウォーター・クォリティ・クライテリア(“Water Quality Criteria”)Phot. Sci. and Eng., Vol9、No. 6(1965)、特開昭55−111942号、同57−8542号、同57−157244号、同58−105145号、同59−126533号の各公報及び堀口博著「防菌防黴の化学」(昭和57年三共出版)に記載されている。
【0069】
[高沸点有機溶媒]
画像記録媒体の塗布層には、高沸点有機溶媒を添加してもよい。高沸点有機溶媒は、可塑剤、スベリ剤あるいはカール防止剤として機能する。用いることができる高沸点有機溶媒については、特開昭62−245253号公報に記載されている。
高沸点有機溶媒として、シリコーンオイル(例、ジメチルシリコーンオイル、ジメチルシロキサンに各種の有機基を導入した変性シリコーンオイル)を使用してもよい。シリコーンオイルについては、特開昭62−215953号、同63−46449号の各公報に記載がある。
【0070】
[ポリマーラテックス]
画像記録媒体の塗布層(バック層を含む層)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスを添加すると、寸度安定化、カール防止、接着防止あるいはひび割れ防止の効果が得られる。ガラス転移温度の低い(40℃未満)ポリマーは、カール防止あるいはひび割れ防止の作用が優れている。また、ガラス転移温度が高いポリマーをバック層に添加しても、カール防止効果が得られる。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1100668号、同62−131664号の各公報に記載がある。
【0071】
[褪色防止剤]
画像記録媒体に褪色防止剤を添加してもよい。褪色防止剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤あるいは金属錯体を用いることができる。
酸化防止剤の例には、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が含まれる。酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報に記載されている。
紫外線吸収剤の例には、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許3533794号明細書記載)、4−チアゾリドン化合物(米国特許3352681号明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報記載)が含まれる。
金属錯体については、米国特許4241155号、同4245018号、同4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、同62−174741号、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74272号の各公報に記載されている。
【0072】
[蛍光増白剤]
画像記録媒体に、蛍光増白剤を添加してもよい。
蛍光増白剤の例には、スチルベン化合物、クマリン化合物、ビフェニル化合物、ベンゾオキサゾリル化合物、ナフタルイミド化合物、ピラゾリン化合物及びカルボスチリル化合物が含まれる。蛍光増白剤については、K. Veenkataraman編「The Chemistry of Synthetic Dyes 」第5巻、第8章及び特開昭61−143752号公報に記載されている。
【0073】
[画像記録方法]
画像記録媒体は、表面保護層側に像様に水性インクを付着させ、これにより水性インクが表面保護層とポリビニルアルコール層中に浸透しポリビニルアルコール層中に固定されることにより画像を記録することができる。具体的には、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、色素拡散転写方式のような、色素の放出と受容からなる画像記録方法に用いる。インクジェット方式において、本発明の画像記録媒体を用いると、効果が顕著である。
インクジェット方式には、連続式とオンデマンド式がある。インクジェットのヘッドは、ピエゾ方式、バブルジェット方式、サーマルジェット方式及び超音波を用いる方式に分類される。
最近のインクジェット方式の画像記録方法では、フォトインクと称する濃度の薄いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が提案されている。本発明は、プリント速度が速いインクジェットプリンターを用いるに画像記録方法おいて、顕著な画質改良効果が得られる。
また、本発明は、濃度が低いインクを多量に噴射する(インクの噴射量:10ml/m2以上の)インクジェットプリンターを用いる画像記録方法においても、顕著な画質改良効果が得られる。
【0074】
また、最近のカラーインクジェットプリンターは、画質を改善するため、イエロー、マゼンタ、シアンの三色から、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの四色、さらにイエロー、濃いマゼンタ、薄いマゼンタ、濃いシアン、薄いシアン、ブラックの六色と、徐々にインクの種類を増加させている。本発明は、多くの種類(特に六色以上)のインクを用いてカラー画像を記録する方法においても、顕著な画質改良効果が得られる。
【0075】
【実施例】
以下に実施例を持って本発明を説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(支持体)
パルプ混合比がLBKP/NBSP=6/4の上質紙(密度:1.053、厚さ:152μm)を支持体として使用した。
【0076】
(ポリオレフィン層の形成)
支持体の両面に、押し出しコーティング法により300℃でポリエチレンをラミネートし、ポリオレフィン層を形成し下記支持体(1)を得た。
Figure 0003943286
【0077】
(インク固定層及び表面保護層の形成)
上記支持体(1)の上に、下記の組成からなる各層を同時塗布し、受像紙101を作成した。なお、インク固定層(2)が支持体(1)の表面下塗り層上に設けられている。
【0078】
Figure 0003943286
【0079】
【化21】
Figure 0003943286
【0080】
Figure 0003943286
【0081】
Figure 0003943286
【0082】
【化22】
Figure 0003943286
【0083】
受像紙101のポリビニールアルコールを鹸化度92%、平均重合度500のものに置き換えた以外は、受像紙101と同様にして受像紙102を作成した。次に、表1に示したように、変性PVA(1)又は(2)(組成、鹸化度は表1に記載、重合度は約500)を添加し、添加量と等重量分のポリビニルアルコール(鹸化度:82%、平均重合度:500)を減量した以外、受像紙101と同様にして、受像紙103〜124を作成した。受像紙101〜124を作成後、一週間、25℃−相対湿度50%の環境下放置した。
【0084】
【表1】
Figure 0003943286
【0085】
各受像紙をを縦29.5cm、横21.0cmのA4シートサイズに裁断した。インクジェットカラープリンター(PM750C、セイコーエプソン(株)製、黒インクMJIC7及びカラーインクPMIC1C使用)を用いて、写真画像をそれぞれの試料にプリントした。写真画像は、カメラ(EOS−10、キャノン(株)製)で、カラーリバーサルフイルム(プロビア100、富士写真フイルム(株)製)に撮影した写真を、スキャナーで読取り、デジタル信号化した。また、一部デジタルスチルカメラ(FinePix700、富士写真フイルム(株)製)にて撮影した画像も用いた。絵柄は、一般の写真ユーザーの被写体分布に基づいて選んだ風景、自然、人物、被服、静物等20種類を用いた。
【0086】
プリントしたサンプルの解像度、粒状ムラ(インク滴の混じり合いにより生じる数珠状のムラ)、色相(オリジナルとの類似性)、及び写真近似感を、×(劣っている)、△(普通)、○(優れている)、◎(大変優れている)の4段階で評価した。評価は、10名で行ない、その平均を求めた。なお、評価を行なった5名は、富士写真フイルム(株)足柄研究所で写真の評価を専門とする者であり、残りの5名は同じ足柄研究所でカラー写真感光材料の商品化研究に従事し、比較的写真評価に長けた者である。結果を第1表に示す。
【0087】
次に、全面青色の画像をプリントし、表面を一定の加重で押さえた鉄筆で擦り、膜質を評価した。評価は画質同様、目視で傷の付き安さを4段階にて評価した。結果を第1表に示す。
【0088】
表1より明らかなように、本発明または参考例103−104,106−108,110,112−114,11 ,120−124の受像紙は、画質、膜質ともに良好である。
【0089】
本発明の変性PVAを用いない比較例(101,102)はいずれも膜質が問題である。アセトアセチル基を含有する変性PVAを用いても、アセトアセチル基の割合が本発明の範囲外の20%を越えるもの(比較例118)は粒状が問題であり、0.1%を切るもの(比較例119)は、本発明の変性PVAを用いない比較例(101,102)同様、膜質に問題がある。また、添加量が2gを越える比較例105や111は、2g以下の場合(106−108、112−114)に比べ画質が劣る。添加量が10mg未満の比較例109や115は、10mg以上の場合(106−108、112−114)に比べ膜質が劣る。
【0090】
さらに、鹸化度が85%未満の104(参考例)(鹸化度84%)と鹸化度が85%超の103(参考例)(鹸化度88%)との比較、鹸化度が85%未満の113(本発明)(鹸化度81%)と鹸化度が85%超の116(本発明)(鹸化度92%)との比較、鹸化度が85%未満の122(参考例)(鹸化度81%)と鹸化度が85%超の121(参考例)(鹸化度92%)との比較より、画質の点で鹸化度が85%未満の104、113、122の方が優れている。また、鹸化度が60%以上の107(参考例)(鹸化度81%)と鹸化度が60%未満の117(比較例)(鹸化度57%)とを比較すると、画質の点で鹸化度が60%以上の107の方が優れている。
【0091】
また、変性PVAを全層に均一に用いた103(参考例)と下層に集中して用いた116(本発明)との比較、同様に全層に均一に用いた104(参考例)と下層に集中して用いた110(本発明)との比較、全層に均一に用いた106−108(参考例)と下層に集中して用いた112−114(本発明)との比較より、下層に集中して用いた116、110、112−114(本発明)の方が画質、膜質ともに優れている。
【0092】
併用する、未変性のPVAの鹸化度88%、重合度約500のものに置き換えた以外同様にして受像紙201〜224を作製し同様に評価したが、画質膜質ともに101〜124に対し劣っていた。
【0093】
また、表1には記載しなかったが、本発明の構成の受像紙は、画像保存性(特に熱に対する耐性が)優れている結果が得られた。
また、支持体を白色のPET支持体にした以外は、受像紙101から124と同様にして、受像紙301から324を作製し、同様にテストした結果、表1に示した結果と同様の傾向が見られた。
【0094】
【発明の効果】
本発明の画像記録媒体は、そのインク固定層にアセトアセチル基を有する構造単位を有する変性PVAを配合して、さらに変性PVAの鹸化度に応じて未変性PVAを配合して構成されている。その結果、本発明の画像記録媒体は最近の改良されたインクジェット方式のプリンターに好ましく使用され、優れた画質(解像度、粒状性、色相)と強い膜質が得られる。

Claims (4)

  1. 支持体上のインク固定層に、(イ)一般式(1)で表される変性ポリビニールアルコール、(ロ)鹸化度が60から85の未変性ポリビニールアルコールが含有されているインクジェット方式用画像記録媒体であって、支持体上に2層以上のインク固定層が形成され、支持体に最も近いインク固定層にのみ、一般式(1)で表される変性ポリビニールアルコールが10mg/m2〜2g/m2含有されていることを特徴とするインクジェット方式用画像記録媒体。
    Figure 0003943286
  2. 支持体上のインク固定層に、(ハ)一般式(2)で表される変性ポリビニールアルコール、(ニ)鹸化度が60から85の未変性ポリビニールアルコールが含有されているインクジェット方式用画像記録媒体であって、支持体上に2層以上のインク固定層が形成され、支持体に最も近いインク固定層にのみ、一般式(2)で表される変性ポリビニールアルコールが10mg/m2〜2g/m2含有されていることを特徴とするインクジェット方式用画像記録媒体。
    Figure 0003943286
  3. 支持体がポリオレフィンでラミネートされた紙であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のインクジェット方式用画像記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット方式用画像記録媒体に、像様に水性インクを付着、固定化して、画像を記録することを特徴とするインクジェット方式画像記録方法。
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