JP3943233B2 - 光半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光半導体装置に関し、特に幹線系光通信の光源等に使用する光半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の変調器とブラッグ反射型レーザ(distributed Bragg-reflector laser diode: 以下、DBR−LDと称す) とを集積した光半導体装置の構造を示す斜視図で、その内部構造を説明するためにレーザ光の導波方向に沿った断面も同時に示している。図において、301はn型(以下、n−と称す)InPからなる基板、302はn−InPからなるバッファ層、303はn−InGaAsPからなる光閉じ込め層、304はInGaAs層とInGaAsP層とを交互に積層してなる多層構造を有するMQW(多重量子井戸)活性層、305はp型(以下、p−と称す)InGaAsPからなる光閉じ込め層、306はp−InPからなるクラッド層、307はp−InGaAsPからなる光ガイド層、308はp−InGaAsからなるコンタクト層、309はSiO2 からなる絶縁膜、310はCr/Auからなる蒸着電極、311はAuメッキ層、312はCr/Auからなる変調器部電極、313はAuメッキ層、314は半絶縁性InPからなる埋込層、315はn−InPからなる埋込層である。基板301の裏面側には、図示していないが、AuGe/Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/Auからなる蒸着電極、Auメッキ層が設けられている。300aは入射される光を変調する変調器部で、そのレーザ光を出射する光出射端面に窓部320を有する。300bは光を発生するための活性領域、300cはブラッグ反射器となるDBR領域である。
【0003】
次に動作について説明する。電極310と基板の裏面側の電極との間に電圧を印加すると、ホールと電子の発光再結合が活性領域300bの活性層304で起こり、光が発生する。この光が活性層304の上下の光閉じ込め層303,光閉じ込め層305との間で閉じ込められて活性層304近傍を導波される。この導波された光は周期構造を有するDBR領域300cにおいてブラッグ反射されて、再び活性領域300bに導波される。そして、活性領域を導波される光は、変調器部300aを経て光出射端面318から出力される。この光半導体装置においては、ブラッグ反射で光を分布的に帰還させており、出射光の発振波長はDBR領域300cの回折格子の格子間隔、即ち回折格子ピッチdと屈折率nより、λ=2nd
で定まる。また、窓部320は、活性層304近傍を導波される光を吸収しない材料からなっており、この部分では光を高さ方向や横方向において閉じ込めないようにして、光出射端面において装置内部方向に反射される光が活性層304近傍に戻るのを防いで実効的な反射率を下げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光半導体装置は上記のような構造であり、その発振波長λは、回折格子ピッチdにより決まっていたため、ウエハプロセス終了後に必要に応じて波長を変えることができないという問題があった。
【0005】
また、変調器部300aの消光比は変調器部300aの光導波路の伸びる方向の長さ(以下、変調器長と称す)で決まるが、窓部320を設けているため、窓部320を除去することなくウエハプロセス終了後に変調器長を変えて消光特性を調節することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、発振波長を容易に変化させることができる光半導体装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、消光特性を容易に変化させることができる光半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光半導体装置は、半導体基板上に設けられた、光を発生し、この発生した光を導波する活性領域と、上記半導体基板上に設けられ、格子の配列方向が、上記活性領域に導波される光の光軸と一致しないように配置された回折格子を備えたブラッグ反射領域と、上記活性領域を導波される光を内部で反射して、上記回折格子に入射させる反射面を備えるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係る光半導体装置は、上記回折格子が、格子の配列方向が互いに平行である格子ピッチの異なる複数の回折格子で構成され、上記反射面は、この複数の回折格子のいずれか一つに光を入射させるよう構成されてなるようにしたものである。
【0009】
また、この発明に係る光半導体装置は、上記反射面が光半導体装置の端面で構成されてなるようにしたものである。
【0010】
また、この発明に係る光半導体装置は、活性領域を導波される光の光軸に対して垂直な光出射端面を、上記活性領域を挟んで、上記反射面と向かい合う位置に設けるようにしたものである。
【0011】
また、この発明に係る光半導体装置は、上記光出射端面と活性領域との間に、上記活性領域から導波される光を変調する光変調部を備えるようにしたものである。
【0012】
また、この発明に係る光半導体装置は、内部に入力される光を変調して導波する変調器部と、該変調器部を導波される光の光軸に沿って平行に配置された光出射端面と、上記変調器部に設けられた、上記変調器部に導波される光を反射して、上記光出射端面に入射させる反射端面とを備えるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る光半導体装置の構造を示す斜視図(図1(a))、及び図1(a) のIb-Ib 線による断面図(図1(b))、図1(a) のIc-Ic 線による断面図(図1(c))、図1(a) のId-Id 線による断面図(図1(d))、図1(a) のIe-Ie 線による断面図(図1(e))であり、本発明の実施の形態1に係る光半導体装置は、光を発生し、導波する活性領域100bと、それぞれの格子の配列方向が、上記活性領域に導波される光の光軸方向と一致しないように配置された、格子の配列方向が互いに平行である格子ピッチの異なる複数の回折格子32a〜32dを備えたブラッグ反射領域100cと、上記活性領域100bを導波される光を装置内部において反射して、上記複数の回折格子32a〜32dのいずれか一つに入射させる反射端面22とを備えたものであり、反射端面22を形成する位置をこの反射端面に垂直な方向に移動させることにより、活性領域100bを導波された光が入射されるブラッグ反射領域100cの回折格子32a〜32dを選択することが可能となり、複数の回折格子32a〜32dのうちから所望の発振波長が得られる回折格子を選択できるので、ウエハプロセス終了後にも出射光の波長選択が可能な光半導体装置が得られるようにしたものである。
【0014】
図において、光半導体装置100は、入射される光を変調する変調器部100aと、光を発生し、これを導波する活性領域100bと、ブラッグ反射器となるブラッグ反射領域(以下、DBR領域と称す)100cと、光を出射する光出射端面21と、光を内部において反射する反射端面22とを備えている。光出射端面21には無反射コーティングがなされており、反射端面22には、高反射コーティングがなされている。n−InPからなる基板1上に、n−InPからなるバッファ層2、n−InGaAsPからなる光閉じ込め層3、InGaAs層とInGaAsP層とを交互に積層してなる多層構造を有するMQW(多重量子井戸)活性層4、p−InGaAsPからなる光閉じ込め層5、p−InPからなる第1クラッド層6a、及びp−InPからなる第2クラッド層6bが順次積層された半導体積層構造が配置されている。変調器部100aのMQW活性層4を構成する各層の厚さは、活性領域100bの各層の厚さよりもそれぞれ薄くなっており、変調器部100aのMQW活性層4の実効的なバンドギャップエネルギーが活性領域100bよりも大きくなっている。この半導体積層構造は、変調器部100aと、活性領域100bとにおいては、これらの領域を貫くような1.3μm程度の幅のストライプ状のメサ形状を有している。このメサ形状となっているメサ形状部30は、基板1上において反射端面に対して0度より大きく90度より小さい角度をなすように傾斜して配置されている。このメサ形状部30の光出射端面21側の端部は光出射端面21から所定の間隔を隔てた部分に位置している。また、DBR領域100cにおいては、メサ形状部30の内を導波される光の光軸方向、ここでは特にメサ形状部30のストライプ方向と一致しない方向にストライプ状に伸びる4本のメサ形状部31a〜31dが互いに平行に配置されており、各メサ形状部31a〜31dの第1クラッド層6aと第2クラッド層6bとの間に複数のp−InGaAsPからなるストライプ状の光ガイド層7が、メサ形状部31a〜31dのストライプ方向に向かって配列されている。この光ガイド層7が第1のp−InPクラッド層6aと第2のp−InPクラッド層6bとにより埋め込まれることにより、各メサ形状部31a〜31dのこの光ガイド層7が設けられている部分がそれぞれ回折格子32a〜32dとなる。なお、この回折格子32a〜32dは屈折率型または利得導波型のいずれであってもよい。各メサ形状部31a〜31dにおける光ガイド層7の配列間隔、即ち回折格子ピッチは互いに異なる値とする。このメサ形状部31a〜31dのストライプ方向は、メサ形状部30を導波路として導波される光が、反射端面22において反射される方向と同じ方向となるようにする。即ち、メサ形状部30を導波される光の光軸方向と光ガイド層7の配列方向が、反射端面に垂直な軸に対して対称な方向となるようにする。また、メサ形状部30を導波された光が反射されることにより、少なくともメサ形状部31a〜31dの一つに入射されるような位置に反射端面22を設けておく。メサ形状部30及びメサ形状部31a〜31dの両脇の基板1上には、これらを埋め込むように半絶縁性InPからなる埋込層14、n−InPからなる埋込層15が配置されている。第2クラッド層6b上、及び埋込層15上にはp−InPからなる第3クラッド層6c及び不純物濃度が高濃度であるp−InGaAsからなるコンタクト層8が順次配置されている。コンタクト層8上には、変調器部100aのメサ形状部30上の領域近傍、活性領域100bのメサ形状部30上の領域近傍に開口部をそれぞれ備えたSiO2 等の絶縁膜9が設けられている。活性領域100bの,絶縁膜9の開口部を覆う領域にCr膜とAu膜とを順次蒸着したCr/Auからなる蒸着電極10と、Auメッキ層11とが設けられ、変調器部100aの,絶縁膜9の開口部を覆う領域にCr/Au蒸着電極12と、Auメッキ層13とが設けられている。基板1の裏面側には、AuGe/Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/Auからなる蒸着電極16、Auメッキ層17が設けられている。
【0015】
また、図2は図1に示した光半導体装置の一部切り欠き斜視図(図2(a))、及び図1に示した光半導体装置を基板上面から見た内部構造を説明するための模式図(図2(b))であり、図1と同一符号は同一または相当する部分を示している。
【0016】
図3は本発明の実施の形態1に係る光半導体装置の製造方法を示す斜視図であり、図において、図1,2と同一符号は同一又は相当する部分を示している。以下、図3に基づいて製造方法について説明する。
【0017】
まず、図3(a) に示すように、ウエハ状態の基板1上に、その一端が結合された、異なる方向に伸びる2つのストライプ状の開口部を備えた絶縁膜25を形成する。このストライプ状の開口部の一方は活性領域100b上及び変調器部100a上に伸びており、他方は、DBR領域100c上に伸びているようにする。また、変調器部100a上に伸びる開口部の端部が、光出射端面を形成する位置に達しないようにする。開口部の活性領域100bにおけるストライプ幅は約5μmで、変調器部100aのストライプ幅はそれよりも少し狭くなっている。また、DBR領域100cのストライプ幅は約50μmである。
【0018】
そして、図3(b) に示すように、この絶縁膜25をマスクとしてn−InP基板1上にMOCVD(metal-organic chemical vapor deposition) 法、LPE(liquid phase epitaxy)法等を用いて、バッファ層2,光閉じ込め層3,MQW活性層4,光閉じ込め層5,第1クラッド層6a、光ガイド層7を順次結晶成長する。このとき、絶縁膜25の開口部の変調器部100aのストライプ幅が活性領域100bよりも少し狭くなっているため、変調器部100aにおける選択成長速度が遅くなり、変調器部100bのMQW活性層4の各層の厚さは、活性領域100bに対して薄くなる。
【0019】
続いて、図3(c) に示すように、干渉露光法を用いて形成したマスクを用いて、光ガイド層7をエッチングして、DBR領域100c上にのみ絶縁膜25のストライプ方向に向かってそれぞれ配列された、格子ピッチの異なる4つの回折格子パターンとした光ガイド層7を設ける。
【0020】
次に、図3(d) に示すように、MOCVD法、LPE法等を用いて、第2クラッド層6bを形成する。
続いて、絶縁膜25を除去した後、図においては省略しているが、変調器部100a及び活性領域100bの第2クラッド層6b上にストライプ状に伸びるSiO2 膜を、また、第2クラッド層6b上の上記各4つの回折格子上にそれぞれストライプ状に伸びるSiO2 膜を形成し、このSiO2 膜をマスクとして、図3(e) に示すように、HBrによるウェットエッチングを行い、光導波路となるメサ形状部30,及び31a〜31dを形成する。メサ形状部31a〜31dのそれぞれの幅は約1μm程度となるようにする。
【0021】
さらに、図3(f) に示すように、上記メサエッチングに用いたSiO2 膜を選択成長用のマスクとして、MOCVD法、LPE法等を用いて、メサ形状部30,及び31a〜31dを埋め込むように、基板1上に埋込層14及び埋込層15を形成する。
【0022】
続いて、図3(g) に示すように、上記マスクとして用いたSiO2 膜を除去した後、第3クラッド層6c、コンタクト層8をMOCVD法、LPE法等を用いて順次成長させる。
【0023】
次に、コンタクト層8の上面にSiO2 等の絶縁膜9をスパッタにより形成した後、この絶縁膜9の、変調器部100a及び活性領域100bの、電極とコンタクトをとる部分を、フッ酸(HF)等でウェットエッチングすることにより除去して開口部を設け、その後、この開口部を覆うように、蒸着電極10,12,Auメッキ層11,13を形成する。さらに、基板1の下面に蒸着電極16,Auメッキ層17をパターン形成する。以上でウエハプロセスが終了する。
【0024】
その後、素子をへき開して、光出射端面21と反射端面22とを形成し、チップ分離して個々の光半導体装置を取り出す。このとき、上述したように反射端面22のへき開位置は所望の発振波長を得ることのできる回折格子32a〜32dを備えたメサ形状部31a〜31dのうちの一つに、反射端面22からの反射光が入射するように決める。なお、光出射端面21では光を反射させずに出射させるため、特に、導波光の光軸に対してどのような角度をなしていてもよい。そして、光出射端面21を無反射コーティングし、反射端面22を高反射コーティングして、図1に示すような光半導体装置を得る。
【0025】
次に動作について説明する。活性領域100bの電極10と電極16との間に電圧を印加すると、ホールと電子とがメサ形状部30の上下から活性層4に注入され、発光再結合が活性領域100bの活性層4で起こり、光が発生する。この光が基板1の高さ方向においては、活性層4の上下の光閉じ込め層3,p型光閉じ込め層5との間で閉じ込められて活性層4近傍を導波される。導波された光は、反射端面22により反射され、その反射光が、反射端面22により決められる回折格子32a〜32dを備えたメサ形状部31a〜31dのうちの一つに入射される。この反射光はDBR領域100cの周期構造を有するメサ形状部31a〜31dのうちの一つにおいてブラッグ反射され、反射端面22で反射され、再びメサ形状部30を導波される。そして、メサ形状部30を動作される光は光変調器部100aによって変調され、光出射端面21から出力される。光変調器部100aにおいては、活性層4のバンドギャップエネルギーが活性領域100bのバンドギャップエネルギーよりも大きくしてあるため、光変調器部100aに電圧を印加しない状態では、メサ形状部30を導波される光の吸収は起らないが、電圧を印加すると活性層4において吸収波長の長波長側へのシフトが起り、導波光を吸収し、光を出射しないようになる。これにより光変調動作が可能となる。光変調器部100aの光出射端面21近傍にはメサ形状部30が設けられておらず、埋込層14、及び埋込層15が配置されている。そしてこの部分が窓部20となって、活性層4近傍を導波される光を吸収せずに、光を高さ方向や横方向において閉じ込めず、広がって導波されるようにして、光出射端面21において装置内部方向に反射される光が活性層4近傍に戻るのを防いで、実効的な反射率を下げている。
【0026】
ここで、この実施の形態1においては、反射端面22を形成する位置を、この反射端面22に対して垂直な方向において移動させることにより、メサ形状部30に導波された光が、反射端面22で反射されて入射されるDBR領域100cのメサ形状部31a〜31dを取り替えることができる。この光半導体装置においては、ブラッグ反射で光を分布的に帰還させており、出射光の発振波長はDBR領域100cの回折格子の格子間隔、即ち回折格子ピッチで定まることから、このように反射光が入射されるメサ形状部31a〜31dを取り替えることにより、出射光の発振波長を変化させることが可能となる。
【0027】
例えば、ウエハプロセスを終了した後、へき開により反射端面22を形成する際に、図2(b) に示すように、へき開位置を端面形成位置40aとすると、反射光はDBR領域100cのメサ形状部31aに入射され、このメサ形状部31aの回折格子32aのピッチに応じた発振波長の出射光が得られることとなる。また、へき開位置を端面形成位置40bとすると、反射光はDBR領域100cのメサ形状部31bに入射され、このメサ形状部31bの回折格子32bのピッチに応じた、へき開位置を端面形成位置40aとした場合とは異なる発振波長の出射光が得られることとなる。また、一旦へき開位置を端面形成位置40dとした後、必要に応じてドライエッチング等により反射端面22を端面形成位置40cとして発振波長を変化させることも可能である。
【0028】
したがって、本実施の形態1においては、メサ形状部30を導波される光の光軸方向と一致しないように配置された、格子の配列方向が互いに平行である格子ピッチの異なる複数の回折格子32a〜32dを備えたメサ形状部31a〜31dと、メサ形状部30を導波される光を内部において反射して、上記異なる回折格子32a〜32dを備えたメサ形状部31a〜31dのいずれか一つに入射させる反射端面22とを備えたから、反射端面22を形成する位置をこの反射端面22に垂直な方向において調整することにより、活性領域100bにおいて発生し、メサ形状部30を導波された光が入射されるブラッグ反射領域100cのメサ形状部31a〜31dのうちの一つを選択することが可能となり、DBR領域100cにおいて所望の発振波長が得られる回折格子を備えたメサ形状部を選択できるので、ウエハプロセス終了後にも出射光の発振波長選択が容易に可能な光半導体装置が得られる効果がある。
【0029】
なお、上記実施の形態1においては、変調器付DBR−LDについて説明したが、本発明は変調器を有しないDBR−LD等の他の光半導体装置であっても同様の効果を奏する。
【0030】
また、本実施の形態1においては、DBR領域100cが格子ピッチの異なる4つの回折格子を有しているようにしたが、本発明においては回折格子が複数であれば同様の効果を奏する。ただし、複数ではなく、回折格子が単一の場合であっても格子の配列方向が活性領域の導波光軸と異なる方向に配列されているため、従来構成のように活性領域の導波光軸と同じ方向に延在して配列されている場合に比して、活性領域の光軸方向の長さがより短い領域に光半導体素子エレメントを作り込むことが可能となり、それにより、光半導体装置として更に省スペース化、小型化を図ることができる。したがって、かかる観点から、単一の回折格子を用いた形態も、本発明の実施態様に包含されると理解されるべきである。
【0031】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る光半導体装置の構造を示す斜視図(図5(a))、及びVb-Vb 線による断面図(図5(b))であり、本発明の実施の形態2に係る光半導体装置は、光を変調して導波する変調器部200aと、変調器部200aを導波される光の光軸に沿って平行に配置された光出射端面54と、変調器部200aに設けられた、変調器部200aに導波される光を反射して、上記光出射端面54に入射させる反射端面53とを備えるようにしたものであり、変調器部200aの光が導波される方向の長さLmod を反射端面53を設ける位置により調整することにより、窓部55の光が導波される方向の長さLw を一定に保ったまま、変調器部200aの消光特性を調整することができるものである。
【0032】
図において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示しており、光半導体装置200は特に変調器部と窓部とを備えたもので、n−InPからなる基板1上に、n−InPからなるバッファ層2、n−InGaAsPからなる光閉じ込め層3、InGaAs層とInGaAsP層とを交互に積層してなる多層構造を有するMQW活性層4、p−InGaAsPからなる光閉じ込め層5、及びp−InPからなる第1クラッド層6dが順次積層された所定幅のメサ形状部52と、これの両側を埋め込む半絶縁性InPからなる埋込層14及びn−InPからなる埋込層15と、これらの上部に配置されたp−InPからなる第2クラッド層6e ,p−InGaAsからなるコンタクト層8,及び絶縁膜9と、Cr/Auからなる蒸着電極12及びAuメッキ層13と、基板1の裏面側に設けられたAuGe/Ni/Ti/Pt/Ti/Pt/Auからなる蒸着電極16及びAuメッキ層17からなる変調器部200aを備えている。変調器部200aの外部から光が入射される光入射端面51はメサ形状部52のストライプ方向に対してほぼ垂直となるように設けられ、その表面には無反射コーティングがなされている。変調器部200aの光入射端面51に対して対向する位置に形成された反射端面53は、基板1表面に対して垂直であるとともに、メサ形状部52内を導波される光の光軸、ここでは特にメサ形状部52のストライプ方向に対して約45度の角度をなしている。その表面には高反射コーティングがなされている。光出射端面54は、変調器部200aの光入射端面51とは反対側の端部近傍に、基板1表面に対して垂直となるとともに、メサ形状部52内を導波される光の光軸に対して平行に設けられており、その表面には無反射コーティングがなされている。この光出射端面54と反射端面53との間の領域の半絶縁性InP埋込層14及びn−InP埋込層15が窓部55となる。
【0033】
この光半導体装置は、上記実施の形態1において図3(a) 〜図3(g) を用いて示した光半導体装置の製造方法における、変調器部100aの部分の製造方法と同様に形成され、ウエハから各半導体装置を切り離す前にマスクを用いてドライエッチング等により半絶縁性InP埋込層14及びn−InP埋込層15を活性層4よりも深い深さまで除去して光出射端面54を形成するようにし、ウエハプロセス後に各半導体装置を切り出す際に、反射端面53をメサ形状部52のストライプ方向に対して所定の角度となるようにへき開することにより得られる。
【0034】
次に動作について説明する。光入射端面51から入射された光は、変調器部200aで変調されるとともに、メサ形状部52のストライプ方向に沿って導波される。そして、反射端面53において光出射端面54に向かって反射され、変調された光が窓部55を経て光出射端面54から出力される。
【0035】
ここで、本実施の形態2においては、ウエハプロセス後、反射端面53の導波光の光軸とのなす角度を約45度で保ちつつ、へき開位置を調整する等によって反射端面53を設ける位置を変化させることにより、窓部55を除去することなく、変調器部200aの光が導波される方向の長さ即ち、変調器長を変化させることができる。変調器の消光比は変調器部200aの光が導波される方向の長さLmod が長いと大きくなることから、必要に応じて変調器長を変化させて、消光特性を調整することが可能となる。なお、通常、消光特性は、伝送システム上は13dB前後が最適とされている。また、Lmod は好ましくは、100〜250μmの間で調整するようにする。
【0036】
さらに、本実施の形態2においては光導波路となるストライプ状のメサ形状部52と光出射端面54との距離は常に一定であり、反射端面53は変調器部200aの導波光の光軸と約45度の角度をなしているため、この反射端面53で反射される導波光の光軸と、反射前の導波光の光軸とは約90度の角度をなす。したがって、反射端面53の導波光の光軸とのなす角度を約45度に保つことにより、ウエハプロセス後、反射端面53を設ける位置を調整することにより変調器長を変化させた場合においても、光出射端面54と、反射端部53の導波光が反射される部分との距離、即ち窓部55の距離Lw は常に一定とすることができる。通常、窓部55の距離Lw は出射光の放射角、および出射面からの変調器への戻り光を制御するために一定に保つ必要があり、通常Lw =20μm程度で設定するが、このように構成することにより、窓部55の距離Lw の長さを一定に保ったままLmod の長さを調整することができるため、窓部の特性を劣化させることがない。
【0037】
このように、本発明の実施の形態2においては、変調器部を導波される光の光軸に沿って平行に配置された光出射端面54と、変調器部200aに設けられた、変調器部に導波される光を反射して、上記光出射端面54に入射させる反射端面53とを備えるようにしたから、変調器長Lmod を反射端面53を設ける位置を、導波光の光軸に対する角度が変わらないように変更して調整することにより、窓部の距離Lw を一定に保ったまま、変調器部の消光特性を調整することができ、窓部の特性を劣化させることなく、ウエハプロセス後に変調器部の消光特性を調整することができる効果がある。
【0038】
なお、本発明においては、上記実施の形態2に係る光半導体装置において変調器部の光入射端面側にDBRレーザ等を集積するようにしてもよく、上記実施の形態2と同様の効果を奏する。
【0039】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、半導体基板上に設けられた、光を発生し、この発生した光を導波する活性領域と、上記半導体基板上に設けられた、それぞれの格子の配列方向が、上記活性領域に導波される光の光軸方向と一致しないように配置された、格子の配列方向が互いに平行である格子ピッチの異なる複数の回折格子を備えたブラッグ反射領域と、上記活性領域を導波される光を内部で反射して、上記複数の回折格子のいずれか一つに入射させる反射面とを備えるようにしたから、反射面を形成する位置をこの反射面に垂直な方向において調整することにより、活性領域から導波された光が入射されるブラッグ反射領域において所望の発振波長が得られる回折格子を選択でき、ウエハプロセス終了後にも出射光の発振波長選択が容易に可能な光半導体装置を提供できる効果がある。
【0040】
また、この発明によれば、上記複数の回折格子の代わりに、単一の回折格子を用いた場合であっても、かかる回折格子を導波光軸と異なる方向に設けているため、光半導体装置としての省スペース化、小型化を図ることができる効果がある。
【0041】
また、この発明によれば、活性領域を導波される光の光軸に対して垂直な光出射端面を、上記活性領域を挟んで、上記反射面と向かい合う位置に設けるようにしたから、ウエハプロセス終了後にも出射光の発振波長選択が容易に可能な光半導体装置を提供できる効果がある。
【0042】
また、この発明によれば、上記光出射端面と活性領域との間に、上記活性領域から導波される光を変調する光変調部を備えるようにしたから、ウエハプロセス終了後にも出射光の発振波長選択が容易に可能な光半導体装置を提供できる効果がある。
【0043】
また、この発明によれば、内部に入力される光を変調して導波する変調器部と、該変調器部を導波される光の光軸に沿って平行に配置された光出射端面と、上記変調器部に設けられた、上記変調器部に導波される光を反射して、上記光出射端面に入射させる反射端面とを備えるようにしたから、反射端面を設ける位置を、導波光の光軸に対する角度が変わらないように変更して変調器長を調整することにより、窓部の距離を一定に保ったまま、窓部の特性を劣化させることなく、ウエハプロセス後に変調器部の消光特性を調整することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る光半導体装置の構造を示す斜視図及び断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る光半導体装置の構造を示す一部切り欠き斜視図及び基板上方から見た模式図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る光半導体装置の製造方法を示す斜視図である。
【図4】 従来の光半導体装置の構造を示す一部切り欠き斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る光半導体装置の構造を示す斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板、2 n−InPバッファ層、3 n−InGaAsP光閉じ込め層、4 MQW活性層、5 p−InGaAsP光閉じ込め層、6a〜6c p−InP第1〜第3クラッド層、6d 第1クラッド層、6e 第2クラッド層、7 p−InGaAsP光ガイド層、8 p−InGaAsコンタクト層、9−絶縁膜、10,12 蒸着電極、11,13,17 Auメッキ層、14 半絶縁性InP埋込層、15 n−InP埋込層、16 蒸着電極、21、54 光出射端面、22,53 反射端面、25 絶縁膜、30、52 メサ形状部、31a〜31dメサ形状部、32a〜32d 回折格子、40a〜40d 端面へき開位置、51 光入射端面、55 窓部、56 光、100,200 光半導体装置、100a,200a 変調器部、100b 活性領域、100c DBR領域。

Claims (4)

  1. 半導体基板上に設けられた、光を発生し、この発生した光を導波する活性領域と、
    上記半導体基板上に設けられ、格子の配列方向が、上記活性領域に導波される光の光軸と一致しないように配置された回折格子を備えたブラッグ反射領域と、
    上記活性領域を導波される光を内部で反射して、上記回折格子に入射させる反射面を備え、
    上記回折格子が、格子の配列方向が互いに平行である格子ピッチの異なる複数の回折格子で構成され、
    上記反射面は、この複数の回折格子のいずれか一つに光を入射させるよう構成されてなることを特徴とする光半導体装置。
  2. 請求項1に記載の光半導体装置において、
    上記反射面が光半導体装置の端面で構成されてなることを特徴とする光半導体装置。
  3. 請求項1に記載の光半導体装置において、
    上記活性領域を導波される光の光軸に対して垂直な光出射端面を、上記活性領域を挟んで、上記反射面と向かい合う位置に設けたことを特徴とする光半導体装置。
  4. 請求項3に記載の光半導体装置において、
    上記光出射端面と活性領域との間に、上記活性領域から導波される光を変調する光変調部を備えたことを特徴とする光半導体装置。
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