JP3942527B2 - クランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熱コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン用のクランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒状外周面を高周波焼入(平焼入)するために用いられる高周波誘導加熱コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、4気筒ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン用のクランクシャフト1を示している。このクランクシャフト1にあっては、図5に示すように、鍛造加工によりピン部12,14,16,18及びジャーナル部11,13,15,17,19が一体成形されている。
【0003】
ここで、上述のピン部12,14,16,18及びジャーナル部11,13,15,17,19の形状につき、ピン部12及びジャーナル部13を例にとって説明すると、次の通りである。すなわち、ピン部12は、図6に示すように、円柱部12aと、この円柱部12aに続くフィレットR部(隅部)12bと、このフィレットR部12bに続き、かつ、クランクシャフト1に中心軸Xに対して直角に形成されたフィレット部(スラスト部)12cとから成っている。また、ジャーナル部13は、図6に示すように、円柱部13aと、この円柱部13aに続くフィレットR部(隅部)13bと、このフィレットR部13bに続き、かつ、クランクシャフト1に中心軸Xに対して直角に形成されたフィレット部(スラスト部)13cとから成っている。
【0004】
図7及び図8は、このようなクランクシャフト1のピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19を高周波焼入(平焼入)するために従来より用いられている半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル20を示している。この従来の高周波誘導加熱コイル20は、図7及び図8に示すように、第1及び第2リード部21,22と、この第1及び第2リード部21,22に直角にそれぞれ接続されると共に、互いに平行に対向配置され、かつ、第1及び第2リード部21,22から互いに同一方向に沿ってそれぞれ延びる直線形状の第1及び第2加熱導体部23,24と、この第1及び第2加熱導体部23,24に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第3及び第4加熱導体部25,26と、この第3及び第4加熱導体部25,26に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって平行に対向配置された直線形状の第5及び第6加熱導体部27,28と、この第5及び第6加熱導体部27,28に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第7及び第8加熱導体部29,30と、この第7及び第8加熱導体部29,30に対してそれぞれ直角に接続されると共に、第7及び第8加熱導体部29,30から前記第1及び第2加熱導体部23,24の側に向けて延びかつ互いに平行に対向配置された直線形状の第9及び第10加熱導体部31,32と、この第9及び第10加熱導体部31,32に対してそれぞれ直負に接続されると共に、図外の連結部を介して互いに連結された接続導体部33,34とから成る直列接続構造体である。
【0005】
従来の高周波誘導加熱コイル20を用いて、クランクシャフト1のピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19の円筒状外周面を高周波焼入するに際しては、ピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19の上に図6に示すような半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル20を所定の僅かな隙間を隔てて載置すると共に、この高周波誘導加熱コイル20に図8において矢印A,Bで示すように互いに同一の巡回方向に沿って高周波電流を流し、この状態の下で、クランクシャフト1をその中心軸Xのまわりに回転させながら、ピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19の回転に高周波誘導加熱コイル20を追従させてこれらの円筒状外周面を高周波誘導加熱し、しかる後に冷却液を噴射して冷却することにより高周波焼入を施行するようにしている。
【0006】
なお、図6に示す焼入硬化層Sは、ピン部12又はジャーナル部13の円柱部12a又は13aの外周面のみの焼入処理によって形成されたものである。このような焼入の仕方を、一般に、「平焼入」と称している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような構成の従来の高周波誘導加熱コイル20を用いて平焼入を行なった場合には、図9に明示するように、クランクシャラト1を平焼入した後の焼入硬化層パターンSが曲線となり、特に、ピン部又はジャーナル部の円筒状外周面の中央箇所(軸方向における中央部分)αにおける焼入硬化層の深さがその中央箇所の両側箇所(軸方向の左右両側部分)β,γにおける焼入硬化層の深さよりも浅くなる。この原因は、被加熱部(ピン部又はジャーナル部)の円周方向及び軸方向に沿って対向配置される加熱導体部の長さの相違に関係がある。更に具体的に述べると、従来の高周波誘導加熱コイル20では、直線形状の加熱導体部(第1,第2,第5,第6,第9,及び第10加熱導体部)と円弧形状の加熱導体部(第3,第4,第7,及び第8加熱導体部)では、円弧形状の加熱導体部の方が直線形状の加熱導体部よりも相対的に長いため、このような加熱導体部の長さの相違により、平焼入により得られる焼入硬化層パターンの深さが被加熱部の各箇所において違いを生じる。その結果、焼入硬化層パターンSの両側は相対的に深く、その中央部は相対的に浅くなる(図9参照)。
【0008】
上述のような不具合を解消するための対策としては、高周波誘導加熱コイル20の各加熱導体部に取付ける珪素鋼板の量に違いを生じさせる(具体的には、直線形状の加熱導体部により多くの珪素鋼板を装着する)ことや、加熱導体部と被加熱部との隙間に違いを生じさせる(具体的には、直線形状の加熱導体部と被加熱部との間の隙間を円弧形状の加熱導体部と被加熱部との間の隙間よりも狭くする)ことによって、加熱効率を変えるような方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、焼入硬化層パターンSの中央部(中央箇所α)の凹み深さを少なくすることができるだけであり、焼入硬化層パターンSをストレート形状(すなわち、均一な深さの形状)にするまでには至っていないのが実状である。
【0009】
また、別法としては、図10に示すように、従来の高周波誘導加熱コイル20において第1及び第2リード部21,22の位置を変更して、互いに隣接して平行状に配置される直線形状の加熱導体部(例えば、第9加熱導体31及び第10加熱導体部32)を若干長くすることも考えられるが、このような方法も根本的な対策となっていないのが実状である。
【0010】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、焼入硬化層パターンの中央部が浅くならず、均一深さのストレートな焼入硬化層パターンを得ることができるクランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熟コイルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒状外周面を平焼入するための高周波誘導加熱コイルにおいて、
(a) 高周波電源に接続された第1及び第2リード部と、
(b) 前記第1及び第2リード部にそれぞれ接続されると共に、互いに平行に対向配置され、かつ、前記第1及び第2リード部から互いに反対方向に沿ってそれぞれ延びる直線形状の第1及び第2加熱導体部と、
(c) 前記第1及び第2加熱導体部に対して平面視で直角にそれぞれ接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第3及び第4加熱導体部と、
(d) 前記第3及び第4加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行に対向配置された直線形状の第5及び第6加熱導体部と、
(e) 前記第5及び第6加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第7及び第8加熱導体部と、
(f) 前記第7及び第8加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行にかつ前記第1及び第2加熱導体部に対しても平行に対向配置された直線形状の第9及び第10加熱導体部と、
(g) 前記第9及び第10加熱導体部に対してそれぞれ直角に接続されると共に、連結導体を介して互いに連結された第1及び第2接続導体部と、
をそれぞれ有する直列接続構造体から成り、
同一平面上において互いに平行に配置された前記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部の4つの加熱導体部の全てにそれぞれ同一方向の高周波電流が流れるように構成し、
記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒状外周面の中央箇所に対向配置して平焼入のための高周波誘導加熱を施すようにしている。
た、本発明は、前記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部に磁束集中のための磁性材を取付けるようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るクランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熟コイル50を備えた高周波焼入装置51を示すものであって、この高周波焼入装置51は、図5に示すようなクランクシャフト1のピン部12,14,16,18又はジャーナル部11,13,15,17,19の円柱部を平焼入するための装置である。
【0014】
上述の高周波焼入装置51は、図1に示すように、黄銅製の一対の側板(保持板)52と、これらの側板52の間に挟持状態で取付けられた半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル50と、この高周波誘導加熱コイル50にリード53を介して電力を供給する高周波電源54と、側板52の下端に取付られて高周波誘導加熱コイル50の下方位置に配置された焼入冷却用の一対の冷却液噴射ジャケット55と、高周波電源54とリード53を接続するための一対の接続端子56と、接続端子56及びリード53を保持するために側板52の上端に取付けられた絶縁性材料から成るブロック57と、被加熱部(例えば、ピン部12)と高周波誘導加熱コイル50との間の間隔を僅かな隙間で保つための複数のセラミック製若しくは超硬製の接触子(チップ部材)58とをそれぞれ具備している。
【0015】
上述の高周波誘導加熱コイル50は、図2及び図3に示すように、高周波電源(図示せず)に接続された第1及び第2リード部60,61と、これらの第1及び第2リード部60,61にそれぞれ接続されると共に、互いに平行に対向配置され、かつ、第1及び第2リード部60,61から互いに反対方向に沿ってそれぞれ延びる直線形状の第1及び第2加熱導体部62,63と、この第1及び第2加熱導体部62,63に対して平面視で直角にそれぞれ接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第3及び第4加熱導体部64,65と、この第3及び第4加熱導体部64,65に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行に対向配置された直線形状の第5及び第6加熱導体部66,67と、この第5及び第6加熱導体部66,67に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第7及び第8加熱導体部68,69と、この第7及び第8加熱導体部68,69に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行にかつ上述の第1及び第2加熱導体部62,63に対しても平行に対向配置された直線形状の第9及び第10加熱導体部70,71と、この第9及び第10加熱導体部70,71に対してそれぞれ直角に接続されると共に、図外の連結導体を介して互いに連結された第1及び第2接続導体部72,73とをそれぞれ有する直列接続構造体として構成されている。そして、上述の第1及び第2加熱導体62,63、並びに、第9及び第10加熱導体部70,71は、互いに同一の平面上に配置されている。かくして、誘導加熱に際しては、同一平面上において互いに平行状に配置された直線形状の第1,第2,第9,及び第10加熱導体部62,63,70,71、並びに、これらに平行な直線形状の第5及び第6加熱導体部66,67が円柱状の被加熱部(ピン部又はジャーナル部)の軸方向(クランクシャフト1の中心軸Xに平行な方向)に対して平行に配置されると共に被加熱部の外周面に対して僅かな間隔を隔てた位置で対向配置され、かつ、円弧形状の第3,第4,第7,及び第8加熱導体部64,65,68,69が被加熱部の上半分部分の円周面に対して僅かな間隔を隔てて対向配置されるようになっている。
【0016】
また、図1の高周波焼入装置51は、図外の支持機構によって垂直に吊り下げられた状態で保持されており、高周波誘導加熱コイル50は、クランクシャフト1の被加熱部(ピン部又はジャーナル部)の半円弧形状上面部に対応するように配置されている。かくして、高周波誘導加熱時には、クランクシャフト1の被加熱部の円柱部外周面(例えば、ピン部12aの外周面の上半分部分)に例えば3つの接触子58が当接され、これにより高周波誘導加熱コィル50と被加熱部の上半分部分の外周面とが僅かな所定間隔を隔てて被加熱部の円筒状外周面上に載置されると共に、クランクシャフト1がその中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、図外のワーク追従機構により、高周波誘導加熱コイル50がクランクシャフト1の被加熱部の上に載置された状態のまま、被加熱部の回転動作に追従して移動し得るように構成されている。さらに、本実施形態の高周波誘導加熱コイル50では、被加熱部へ磁束を集中させるために各加熱導体部62〜71に珪素鋼板等の磁性材75が取付けられている(図1参照)。
【0017】
また、図1に示すように、上述の一対の冷却液噴射ジャケット55には、冷却液供給用パイプ80がそれぞれ接続されており、図外の冷却液供給源からこれらのパイプ80を通して冷却液が冷却液噴射ジャケット55に供給され、冷却液噴射ジャケット55から所定のタイミングで冷却液が所要の焼入温度に高周波誘導加熱された被加熱部に向けて噴射されるように構成されている。
【0018】
上述の如き構成の本発明の高周波誘導加熱コイル50にあっては、図2に示す如く、第9及び第10加熱導体部70,71のそれぞれの内側に直線形状の加熱導体部である第1及び第2加熱導体部62,63を配置する構造にしているため、直線形状の加熱導体部分を増大させた構造(直線形状の加熱導体部のダブル構造すなわち2重巻き構造)となる。それに加えて、これら4つの直線形状の加熱導体部(第1,第2,第9,及び第10加熱導体部62,63,70,71)に流れる高周波電流の方向は、互いに隣接する加熱導体部に流れる高周波電流の方向と同一の方向(図3において矢印a及びbで示す方向)である。すなわち、図3において矢印a及びbで示すように、同一平面上において互いに平行に配置された前記第1及び第2加熱導体部62,63、並びに、前記第9及び第10加熱導体部70,71の4つの加熱導体部の全てにそれぞれ同一方向の高周波電流が流れるようになっている。そのため、これら2つの構成による相乗作用にて、誘導加熱時の誘導磁束を増幅する効果を得ることができる。また、上述の直線形状の加熱導体部62,63,70,71は直線形状であるから、これらの加熱導体部に珪素鋼板等から成る磁束集中用の磁性材をより多く装着することが可能となり、ひいてはピン部又はジャーナル部の軸方向の誘導電流を増加することが可能となる。その結果、本発明の高周波誘導加熱コイル50によれば、ピン部又はジャーナル部の円周方向の誘導電流と、軸方向の誘導電流とのバランスを保つことにより、加熱温度を所定の加熱範囲において均一にすることができ、図4に示すように均一深さのストレート形状の焼入硬化層パターンPを得ることができる。
【0019】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、第1加熱導体部62と第9加熱導体部70との相対的位置関係(内側及び外側の位置関係)を逆にしてもよく、第2加熱導体部63と第10加熱導体部71との相対的位置関係を逆にしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、同一平面上において互いに平行に配置された直線形状の4つの加熱導体部(例えば、実施形態で示した第1及び第2加熱導体部62,63、並びに、第9及び第10加熱導体部70,71)の全てにそれぞれ同一方向の高周波電流が流れるように構成し、これら4つの加熱導体部をクランクシャフトのピン部又はジャーナル部(被加熱部)の円筒状外周面の中央箇所に対向配置して平焼入のための高周波誘導加熱を施すようにしたものであるから、従来の高周波誘導加熱コイルの場合よりも直線形状の加熱導体部を増やした特殊な構成の高周波誘導加熱コイルとなるので、被加熱部の中央箇所における焼入硬化層の深さがその両側箇所に比べて浅くならないような均一深さのストレート状の焼入硬化層パターンを得ることができる。
【0021】
さらに、本発明によれば、上述の直線形状の4つの加熱導体部の全てにそれぞれ同一方向の高周波電流が流れるように構成したので、互いに隣接する直線形状の加熱導体部に流れる高周波電流は同一方向となって互いに平行な4つの電流通路が形成されることとなるため、誘導加熱時の誘導磁束を増幅することができ、効率良く被加熱部を高周波誘導加熱することができる。
【0022】
また、本発明によれば、上述の直線形状の加熱導体部に磁束集中のための磁性材を取付けるようにしているので、磁性材により磁束集中効果により被加熱部をさらに効率良く高周波誘導加熱することが可能となる。また、磁性材が取付けられる加熱導体部は直線形状であることから、珪素鋼板等の磁性材をより多く装着することが可能となり、円柱状の被加熱部の軸方向の誘導磁束をより一層増加させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波誘導加熱コイルを備えた高周波焼入装置の側面図である。
【図2】本発明の高周波誘導加熱コイルの斜視図である。
【図3】本発明の高周波誘導加熱コイルの平面図である。
【図4】本発明の高周波誘導加熱コイルを用いてクランクシャフトのピン部を焼入処理した場合に形成される焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図5】クランクシャフトの正面図である。
【図6】クランクシャフトのピン部及びジャーナル部を拡大して示す正面図である。
【図7】従来の高周波誘導加熱コイルの斜視図である。
【図8】従来の高周波誘導加熱コイルの平面図である。
【図9】従来の高周波誘導加熱コイルを用いてクランクシャフトのピン部を焼入処理した場合に形成される焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図10】従来の別の高周波誘導加熱コイルの平面図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
11,13,15,17,19 ジャーナル部
12,14,16,18 ピン部
50 高周波誘導加熱コイル
51 高周波焼入装置
55 冷却液噴射ジャケット
60 第1リード部
61 第2リード部
62 第1加熱導体部
63 第2加熱導体部
64 第3加熱導体部
65 第4加熱導体部
66 第5加熱導体部
67 第6加熱導体部
68 第7加熱導体部
69 第8加熱導体部
70 第9加熱導体部
71 第10加熱導体部
72 第1接続導体部
73 第2接続導体部
P 焼入硬化層パターン

Claims (2)

  1. クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒状外周面を平焼入するための高周波誘導加熱コイルにおいて、
    (a) 高周波電源に接続された第1及び第2リード部と、
    (b) 前記第1及び第2リード部にそれぞれ接続されると共に、互いに平行に対向配置され、かつ、前記第1及び第2リード部から互いに反対方向に沿ってそれぞれ延びる直線形状の第1及び第2加熱導体部と、
    (c) 前記第1及び第2加熱導体部に対して平面視で直角にそれぞれ接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第3及び第4加熱導体部と、
    (d) 前記第3及び第4加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行に対向配置された直線形状の第5及び第6加熱導体部と、
    (e) 前記第5及び第6加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに対称の関係をもって対向配置された円弧形状の第7及び第8加熱導体部と、
    (f) 前記第7及び第8加熱導体部に対して平面視でそれぞれ直角に接続されると共に、互いに平行にかつ前記第1及び第2加熱導体部に対しても平行に対向配置された直線形状の第9及び第10加熱導体部と、
    (g) 前記第9及び第10加熱導体部に対してそれぞれ直角に接続されると共に、連結導体を介して互いに連結された第1及び第2接続導体部と、
    をそれぞれ有する直列接続構造体から成り、
    同一平面上において互いに平行に配置された前記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部の4つの加熱導体部の全てにそれぞれ同一方向の高周波電流が流れるように構成し、
    記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部を前記クランクシャフトのピン部又はジャーナル部の円筒状外周面の中央箇所に対向配置して平焼入のための高周波誘導加熱を施すようにしたことを特徴とするクランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熱コイル。
  2. 前記第1及び第2加熱導体部、並びに、前記第9及び第10加熱導体部に磁束集中のための磁性材を取付けたことを特徴とする請求項に記載のクランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熱コイル。
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