JP3941717B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、後席側暖房感を向上できる車両用空調装置に関するものであり、より具体的には回転軸を中心として回転可能な円周壁面を有するロータリドアにより複数の吹出開口部を開閉する吹出モード切替部を備える車両用空調装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においてこの種のロータリドアにより複数の吹出開口部を開閉する吹出モード切替部は知られれている(特許文献1参照)。また、本件出願人においては、特願2002−376991号において、この種のロータリドアにより車両用空調装置の複数の吹出開口部を開閉する吹出モード切替部を提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−72525号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の従来技術および上記先願においては、後席側フットダクト構成について記載していないが、後席側フットダクトを設定する場合は、前席側フット開口部の開口位置近傍に後席側フットダクトを接続する構成を採用するのが通常である。
【0005】
車両用空調装置の室内ユニット部は通常、車室内前部の計器盤内側に搭載されるので、後席側フットダクトは、車室内前部から後席側乗員足元部に至る長い距離にわたって配置される。このため、後席側フットダクト表面からの熱損失がどうしても多くなる。その結果、後席側フットダクトを通過する間に温風温度が10〜20℃も低下し、後席側乗員の暖房感(快適性)を悪化させている。
【0006】
なお、高級車用の空調装置においては、暖房用熱交換器直後の温風を前席側および後席側フット開口部に直接導入する温風バイパス通路と、この温風バイパス通路を開閉する温風バイパスドアとを設け、最大暖房時にはこの温風バイパスドアにより温風バイパス通路を開口することが実施されている。
【0007】
これによると、最大暖房時には、暖房用熱交換器から前席側および後席側フット開口部に至る温風通路の通風抵抗を減少して前席側および後席側への温風風量を増加できるので、前席側および後席側乗員の暖房感(快適性)を向上できる。
【0008】
しかし、この対策によると、最大暖房時に温風バイパス通路を開口するために専用の温風バイパスドアを追加設置しなければならず、コストアップを招くので、軽自動車等の廉価車では上記対策を採用できない。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、吹出モードドア構成を一部変更するだけの簡便な構成にて後席側乗員の暖房感を向上できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、暖房用熱交換器(15)の下流側に、少なくともフット開口部(24)、フェイス開口部(25)およびデフロスタ開口部(26)を含む複数の吹出開口部(24〜26)を設け、
フット開口部(24)に前席側フット吹出口(24b)および後席側フットダクト(36)を連通し、吹出モードドア(27)によりフット開口部(24)を開口するフットモード時に、暖房用熱交換器(15)で加熱された温風を前席側フット吹出口(24b)から前席側乗員足元部に吹き出すとともに、温風を後席側フットダクト(36)を通して後席側乗員足元部に吹き出す車両用空調装置において、
吹出モードドア(27)は回転軸(28)を中心として回転操作される構成になっており、回転軸(28)を暖房用熱交換器(15)直後の温風が流れる温風通路(20a)に隣接配置し、温風通路(20a)からの温風を後席側フットダクト(36)に直接導く後席側温風バイパス通路(31)をケース(11)に形成し、回転軸(28)に回転軸(28)と一体に回転操作される後席側温風バイパスドア手段(34)を設け、吹出モードドア(27)がフットモード位置に回転操作されると、後席側温風バイパスドア手段(34)により後席側温風バイパス通路(31)を開口することを特徴とする。
【0011】
これによると、フットモード時にフット開口部(24)を通過する温風の一部を後席側フットダクト(36)に流入させるとともに、後席側温風バイパス通路(31)を開口して、後席側温風バイパス通路(31)からも温風を後席側フットダクト(36)に流入させることができる。
【0012】
そのため、後席側フットダクト(36)からの吹出温風の風量を増加できる。しかも、後席側温風バイパス通路(31)はフットモード時に常に暖房用熱交換器(15)直後の温風通路(20a)の温風の一部を直接取り込むことができるので、後席側フットダクト(36)内への流入温風の温度を前席側フット吹出口(24b)への流入温風の温度より高くすることができる。
【0013】
そのため、温風バイパス通路(31)を通過する温風経路を持たないものに比較して、フットモード時における後席側乗員の足元暖房性能を大幅に向上できる。その結果、後席側フットダクト(36)表面からの熱損失があっても、後席側乗員の暖房感(快適性)を著しく向上できる。
【0014】
更に、吹出モードドア(27)の回転軸(28)を温風通路(20a)に隣接配置し、この回転軸(28)に一体に回転する温風バイパスドア(34)を設け、この温風バイパスドア(34)により後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようにしているから、独立の温風バイパスドアを追加設置する場合に比して、吹出モードドア(27)の回転軸(28)に直結した簡単なドア構成にて温風バイパスドア(34)を構成できる。
【0015】
従って、吹出モードドア(27)の構成を一部変更するだけで温風バイパスドア(34)を簡便に構成でき、後席側暖房性能の向上を低コストにて実現できる。
【0016】
さらに、請求項1に記載の発明では、吹出モードドア(27)によりフェイス開口部(25)を開口するフェイスモード時には、吹出モードドア(27)によりフット開口部(24)およびデフロスタ開口部(26)を閉塞するとともに、後席側温風バイパスドア手段(34)により後席側温風バイパス通路(31)を閉塞し、
吹出モードドア(27)によりデフロスタ開口部(26)を開口するデフロスタモード時には、吹出モードドア(27)によりフット開口部(24)およびフェイス開口部(25)を閉塞するとともに、後席側温風バイパスドア手段(34)により後席側温風バイパス通路(31)を開口することを特徴とする。
【0017】
これにより、フットモードの他に、フェイスモードおよびデフロスタモードを何ら支障なく実行できる。特に、デフロスタモード時には後席側温風バイパス通路(31)を開口することより後席側乗員の足元部に温風を吹き出して後席側乗員の快適性を確保できる。
【0018】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、具体的には、吹出モードドア(27)は、回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(27a)を有するロータリドア(27)により構成され、ロータリドア(27)には、円周壁面(27a)と一体に回転する板ドア部(27f、27g)を設け、
複数の吹出開口部のうち、フェイス開口部(25)およびデフロスタ開口部(26)を円周壁面(27a)の回転変位により開閉し、また、複数の吹出開口部のうち、フット開口部(24)を板ドア部(27f、27g)の回転変位により開閉するようにしてよい。
【0019】
これによると、フット開口部(24)を円周壁面(27a)でなく板ドア部(27f、27g)により開閉するから、フェイス開口部(25)およびデフロスタ開口部(26)に対するフット開口部(24)の配設位置の自由度が増加する。
【0020】
請求項3に記載の発明のように、請求項1または2において、後席側温風バイパスドア手段(34)は回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(34a)を有するサブロータリドアとして構成され、サブロータリドアの円周壁面(34a)の回転変位により後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようにしてよい。
【0021】
これによると、回転軸(28)の半径方向において円周壁面(34a)の外方側に後席側温風バイパス通路(31)の開口部(33)を配置し、この開口部(33)を円周壁面(34a)の回転変位により開閉できる。従って、回転軸(28)を車両幅方向に配置する場合に、回転軸(28)の下方側に後席側温風バイパス通路(31)を配置できるので、回転軸(28)付近の温風を後席側温風バイパス通路(31)を通してスムースに車両下方部の後席側フットダクト(36)に向けて流すことができる。
【0022】
請求項4に記載の発明では、フット開口部(24)に前席側フット吹出口(24b)および後席側フットダクト(36)を連通し、吹出モードドア(27)によりフット開口部(24)を開口するフットモード時に、暖房用熱交換器(15)で加熱された温風を前席側フット吹出口(24b)から前席側乗員足元部に吹き出すとともに、温風を後席側フットダクト(36)を通して後席側乗員足元部に吹き出す車両用空調装置において、
吹出モードドア(27)は回転軸(28)を中心として回転操作される構成になっており、回転軸(28)を暖房用熱交換器(15)直後の温風が流れる温風通路(20a)に隣接配置し、温風通路(20a)からの温風を後席側フットダクト(36)に直接導く後席側温風バイパス通路(31)をケース(11)に形成し、回転軸(28)に回転軸(28)と一体に回転操作される後席側温風バイパスドア手段(34)を設け、吹出モードドア(27)がフットモード位置に回転操作されると、後席側温風バイパスドア手段(34)により後席側温風バイパス通路(31)を開口することを特徴とする。
これによると、請求項1と同様に、フットモード時にフット開口部(24)を通過する温風の一部および後席側温風バイパス通路(31)からの温風を後席側フットダクト(36)に流入させることができる。
そのため、後席側フットダクト(36)からの吹出温風の風量を増加できるとともに、フットモード時に常に暖房用熱交換器(15)直後の温風通路(20a)の温風の一部を後席側温風バイパス通路(31)に直接取り込むことができる。これにより、フットモード時における後席側乗員の足元暖房性能を大幅に向上できるので、後席側乗員の暖房感(快適性)を著しく向上できる。
更に、吹出モードドア(27)の回転軸(28)に一体に回転する温風バイパスドア手段(34)を設けて、後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようにしているから、独立の温風バイパスドアを追加設置する場合に比して、簡単なドア構成にて温風バイパスドア手段(34)を構成できる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項3と同様に、後席側温風バイパスドア手段(34)は回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(34a)を有するサブロータリドアとして構成されており、
このサブロータリドアの円周壁面(34a)の回転変位により後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようになっていることを特徴とする。
これにより、請求項3と同様の作用効果を発揮できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図4は第1実施形態による車両用空調装置の室内ユニット部のうち、空調ユニット部10の概略断面図であり、空調ユニット部10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において車両幅(左右)方向の略中央部に配置される。その際、空調ユニット部10は車両の上下前後方向に対して図1〜図3の矢印のように搭載される。図1はフットモード時、図2はフェイスモード時、図3はデフロスタモード時をそれぞれ示す。図4はロータリドア単体の斜視図である。
【0024】
なお、室内ユニット部のうち、空調ユニット部10に空気を送風する送風機ユニット(図示せず)は、計器盤内側において空調ユニット部10から助手席側にオフセット配置されている。この送風機ユニットは周知の構成でよく、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替部と、この内外気切替部から導入した空気を空調ユニット部10へ向けて送風する送風機部とを有している。この送風機部には遠心式の送風ファンが備えられている。
【0025】
空調ユニット部10は樹脂製のケース11を有し、このケース11は複数の分割ケースを一体に結合して構成される縦長の形状であり、その内部に下方側から上方側へと送風空気が流れる空気通路を構成する。ケース11の左右の側壁のうち、助手席側側壁の最下部に空気導入口12を開口し、この空気導入口12からケース11内の最下部の空間13に上記送風機ユニットの送風空気が流入するようになっている。
【0026】
この空気導入口12の上方側に、冷房用熱交換器をなす蒸発器14と暖房用熱交換器をなすヒータコア15が配置されている。蒸発器14は空気導入口12の直ぐ上方に配置され、ヒータコア15は蒸発器14の更に上方に配置されている。
【0027】
より具体的には、蒸発器14はケース11の底面部より所定高さだけ上方部位において、水平面から所定の傾斜角度(例えば、20°程度)だけ車両前方側に向かって斜め下方に傾斜配置されている。
【0028】
このように蒸発器14を傾斜配置することにより、ケース11の車両前後方向の寸法を縮小化できる。更に、蒸発器14の傾斜配置により、蒸発器14に発生する凝縮水を車両前方側の傾斜下端部に集め、この傾斜下端部より凝縮水を下方へスムースに排出できる。
【0029】
また、蒸発器14は、周知のように空調用冷凍サイクルの減圧手段(図示せず)にて減圧された低圧冷媒が導入され、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却するようになっている。
【0030】
なお、蒸発器14は、周知のようにタンク部14a、14bの間に熱交換コア部14cを配置した構成になっている。この熱交換コア部14cは複数の偏平チューブ(図示せず)と複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に積層して接合した構成である。空気導入口12から最下部の空間13内に流入した空気は蒸発器14の熱交換コア部14cを矢印aのように下方から上方へ通過するようになっている。
【0031】
そして、ケース11内において、蒸発器14の空気流れ下流側、すなわち、蒸発器14の上方側で、かつ、車両後方寄りの部位にヒータコア15が配置されている。このヒータコア15は、車両エンジン(図示せず)からの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する温水式暖房用熱交換器である。
【0032】
ヒータコア15は、所定間隔を隔てて対向配置した下側の温水入口タンク部15aと上側の温水出口タンク部15bとの間に熱交換コア部15cを配置した構成になっている。この熱交換コア部15cは、複数の偏平チューブ(図示せず)と複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に積層して接合した構成である。
【0033】
このヒータコア15は、いわゆる全パスタイプ(一方向流れタイプ)のヒータコアであり、温水入口タンク部15aから温水を複数の偏平チューブの全部を通して、温水出口タンク部15bに向かって下方から上方への一方向に流す構成となっている。
【0034】
ここで、ヒータコア15は温水入口タンク部15aが車両後方側で下側となり、温水出口タンク部15bが車両前方側で上側となるように、ヒータコア15を車両前後方向に傾斜配置している。ところで、ヒータコア15を蒸発器14の上方側で、かつ、車両後方寄りの部位に配置しているため、ヒータコア15よりも車両前方側の部位に、ヒータコア15をバイパスして冷風を矢印bのように流す冷風バイパス通路16が形成されている。
【0035】
また、ヒータコア15の車両前方側の部位近傍にエアミックスドア17の回転軸18が配置されている。この回転軸18は図1の紙面垂直方向(車両幅方向)に延びるように配置され、回転軸18の両端部はケース11の左右の側壁面の軸受孔(図示せず)により回転可能に保持される。回転軸18には板状のエアミックスドア17の上端部が一体に連結され、エアミックスドア17は回転軸18を中心として図1の破線位置17aと2点鎖線位置17bとの間で回転可能になっている。
【0036】
ここで、エアミックスドア17の破線位置17aはヒータコア15の熱交換コア部15cの通風路を全開して冷風バイパス通路16を全閉する最大暖房位置である。これに対し、2点鎖線位置17bはヒータコア15の熱交換コア部15cの通風路を全閉して冷風バイパス通路16を全開する最大冷房位置である。
【0037】
エアミックスドア17がヒータコア15の熱交換コア部15cの通風路を開けると、蒸発器14通過後の空気は矢印cのように熱交換コア部15cを通過してヒータコア15の上方へ流れる。
【0038】
エアミックスドア17は周知のごとくヒータコア15の熱交換コア部15cを通過する温風(矢印c)とヒータコア15をバイパスして冷風バイパス通路16を通過する冷風(矢印b)との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段である。
【0039】
ケース11内においてヒータコア15の上方側に空気混合部19が形成されている。そして、ケース11内においてヒータコア15の下端部近傍から上方側へ向かって温風ガイド壁20が湾曲状に延びるように形成されている。この温風ガイド壁20はケース11に一体成形される。この温風ガイド壁20によってヒータコア15の上方側部位に温風通路20aが形成されている。従って、温風通路20aは冷風バイパス通路16の車両後方側に位置している。この温風通路20aを通して温風が空気混合部19へ向かって矢印cのように流れる。
【0040】
また、冷風バイパス通路16の冷風を矢印bのように空気混合部19へガイドする湾曲状の冷風ガイド壁21がケース11の車両前方側の壁面に形成されている。空気混合部19では上記温風と上記冷風が混合され、この冷温風の混合により所望温度の空気が得られる。
【0041】
この空気混合部19の上方側(空気流れ下流側)、すなわち、ケース11の上面部に吹出モード切替部22が配置されている。この吹出モード切替部22は、ケース11の上面部に半円筒状の開口シール面23を形成している。この開口シール面23はその円周面が車両前後方向に延びるようにケース11に形成されている。
【0042】
この開口シール面23のうち、車両後方側の部位にフェイス開口部25を配置し、このフェイス開口部25よりも車両前方側の部位にデフロスタ開口部26を配置している。なお、フット開口部24は後述するように開口シール面23下方のケース内部空間に配置してある。
【0043】
フェイス開口部25は図示しないフェイスダクトを介して乗員の顔部に向けて空気を吹出すものである。デフロスタ開口部26は図示しないデフロスタダクトを介して車両前面窓ガラスの内面に向けて空気を吹出すものである。
【0044】
半円筒状の開口シール面23の内側には、吹出モード切替用ロータリドア27が回転軸28により車両前後方向に回転可能に配置されている。このロータリドア27には、回転軸28を中心とする所定の曲率半径の円周壁面27aが設けられ、この円周壁面27aの軸方向(車両幅方向)の両端部を図4に示すように左右の2枚の側面板部27bにより回転軸28に連結する構造になっている。
【0045】
ここで、側面板部27bのうち円周壁面27aに隣接する部分は略扇形状に拡大しているが、回転軸28に連結される部分27cは車両前後方向の幅寸法が回転軸28の外径と同程度の寸法に狭めてある。また、回転軸28は図4に例示するように2枚の側面板部27bからそれぞれ車両幅方向の左右外側へ突き出すように形成されている。
【0046】
この回転軸28はヒータコア15の上方側、すなわち、温風通路20aの出口部に隣接配置されている。従って、回転軸28の配置部位周辺には、冷風バイパス通路16の冷風と温風通路20aの温風のうち、温風が主に流れるようになっている。この回転軸28はケース11の車両幅方向の左右の側壁面に設けられた軸受穴(図示せず)に回転可能に支持される。
【0047】
また、円周壁面27aの外周側には弾性材27dを介して樹脂製の薄膜材からなるフィルム部材27eが装着され、このフィルム部材27eが円周壁面27aと一体に回転するようになっている。このフィルム部材27eには円周壁面27aに設けられた開口部(図示せず)および弾性材27d相互間の開口部(図示せず)を通してロータリドア27内部の風圧が加わるようになっている。そのため、この風圧および弾性材27dの弾性押圧力によってフィルム部材27eがケース11側の開口シール面23の内周面に圧着して両吹出開口部25、26を確実に閉塞するようになっている。
【0048】
また、ケース11の上面部の半円筒状の開口シール面23の内側には、ロータリドア27の回転を可能とする半円筒状のドア回転作動空間29が形成されている。この回転作動空間29はケース11内上部において、冷風ガイド壁21の上方部(車両前方部)からフェイス開口部25よりも車両後方側の下方に至る範囲にわたって形成されている。
【0049】
一方、ケース11内の空間において、温風ガイド壁20の上端部に仕切り壁30を接続して、仕切り壁30の上部付近にフット開口部24を開口している。また、温風ガイド壁20よりも車両後方側の部位に仕切り壁30によりフット吹出通路24aを区画形成している。仕切り壁30は上方へ山状に突き出す形状になっており、この山状の突出形状によりドア回転作動空間29を仕切り壁30の車両後方側部位に至るまで形成している。従って、フット吹出通路24aはドア回転作動空間29の内側領域に配置されることとなる。
【0050】
フット開口部24はフット吹出通路24aを介して前席側フット吹出口24bに連通している。この前席側フット吹出口24bはケース11の車両幅方向の左右両側の壁面に開口しており、ここから前席側乗員の足元部に向けて空気を吹出すようになっている。
【0051】
また、仕切り壁30の下部壁面30aは前席側フット吹出口24bの車両前方側部位に沿って下方へ垂下しており、そして、この仕切り壁30の下部壁面30aと温風ガイド壁20との間に後席側温風バイパス通路31を形成している。この後席側温風バイパス通路31の上部に、温風ガイド壁20の上端部を仕切り壁30に結合する壁面32が形成されている。この壁面32には温風バイパス開口33が開口しており、この温風バイパス開口33によって後席側温風バイパス通路31の上部が回転軸28の下側部位、すなわち、温風通路20aの出口部に直接連通するようにしてある。
【0052】
そして、ロータリドア27には温風バイパス開口33を開閉する温風バイパスドア34が一体に構成されている。この温風バイパスドア34はロータリドア27と一体に回転作動するサブロータリドアを構成するものであって、図4に示すように、前述の円周壁面27aに対応する円周壁面34aを備えている。この円周壁面34aは前述の円周壁面27aと略180°反対側の位置に配置されている。この円周壁面34aは前述の円周壁面27aと同様に回転軸28を中心とした所定の曲率半径により円弧状に形成され、且つ、回転軸28の軸方向に延びる形状になっている。
【0053】
そして、この円周壁面34aの軸方向の両端部に前述の左右の側面板部27bに対応する側面板部34bを形成し、この左右の側面板部34bにより円周壁面34aの軸方向の両端部を左右の回転軸28に一体に連結している。更に、この温風バイパスドア34においても、前述の弾性材27dに対応する弾性材34dおよび前述のフィルム部材27eに対応するフィルム部材34eを備えている。
【0054】
壁面32は回転軸28を中心とした所定の曲率半径により円弧状に形成され、温風バイパスドア34のフィルム部材34eが圧着する円弧状のシール面を構成する。従って、この円弧状の壁面(シール面)32は前述した半円筒状の開口シール面23に対応するものである。
【0055】
なお、温風バイパスドア34においても、円周壁面34aに設けられた開口部(図示せず)および弾性材34d相互間の開口部(図示せず)を通してフィルム部材34eに風圧が加わるようになっている。そのため、この風圧および弾性材34dの弾性押圧力によってフィルム部材34eがケース11側の円弧状壁面32に圧着して温風バイパス開口33を閉じるようになっている。
【0056】
前述したフット吹出通路24aおよび後席側温風バイパス通路31は車両前後方向に隣接して並列に形成され、ケース11のうち、この両通路24a、31の下端部に後席側フット接続口35を開けて、この後席側フット接続口35に後席側フットダクト36の入口部を接続している。従って、後席側フットダクト36には上記両通路24a、31から空気(温風)を流入させることができる。
【0057】
この後席側フットダクト36は、空調ユニット10の搭載位置である計器盤内側部から車両床面に沿って後席側乗員の足元部に至る位置まで配置され、その先端部の後席側フット吹出口36aから後席側乗員の足元部に向けて空気を吹出すようになっている。
【0058】
一方、フット開口部24は、ロータリドア27の回転方向においてロータリドア27の第1板ドア部27fおよび第2板ドア部27gに対向するように配置され、これにより、第1、第2板ドア部27f、27gの回転変位によりフット開口部24を開閉するようになっている。
【0059】
ここで、第1、第2板ドア部27f、27gをより具体的に説明すると、第1板ドア部27fはドア回転方向に対して円周壁面27aに近接する側に位置している。第2板ドア部27gはドア回転方向に対して第1板ドア部27fに比べて所定量だけ円周壁面27aから遠ざかる側に位置している。
【0060】
第1板ドア部27fは、ロータリドア27において軸方向の両端部に位置する左右の側面板部27bの間に一体成形で設けている。この第1板ドア部27fはロータリドア27の回転軸28の軸方向に延びてフット開口部24の開口面積より大きい長方形の板形状になっている。第1板ドア部27fのうち、フット開口部24に対向する側の面(下面)には、その周縁部に沿って弾性シール材(パッキン材)27hが長方形の口形状(図4参照)にて接着等により固定されている。
【0061】
第2板ドア部27gも第1板ドア部27fと同様の板形状であり、第2板ドア部27gの車両幅方向の左右両端部付近は2本の円弧状の連結アーム部27iを介して第1板ドア部27fに一体に連結してある。
【0062】
第2板ドア部27gのうち、フット開口部24に対向する側の面(上面)には、その周縁部に沿って弾性シール材(パッキン材)27jが長方形の口形状(図4参照)にて接着等により固定されている。なお、弾性シール材27h、27jをエラストマゴムのようなゴム系弾性体で構成して第1、第2板ドア部27f、27gに一体成形してもよい。同様に、円周壁面27a、34aの弾性材27d、34dもゴム系弾性体で構成して円周壁面27a、34aに一体成形してもよい。
【0063】
本実施形態では、ロータリドア27の各部、すなわち、円周壁面27a、34a、側面板部27b、34b、第1、第2板ドア部27f、27g、連結アーム部27iおよび回転軸28が樹脂により一体成形されている。
【0064】
なお、ロータリドア27の樹脂成形を容易にするために、第2板ドア部27gおよび連結アーム部27iの部分をロータリドア27とは別体にて樹脂により成形しておき、2本の連結アーム部27iの先端部を第1板ドア部27fに、はめ込み、ねじ止め等の手段にて固定するようにしてもよい。
【0065】
同様に、温風バイパスドア34の円周壁面34aおよび側面板部34bをロータリドア27とは別体にて樹脂により成形しておき、側面板部34bを回転軸28に一体に連結するようにしてもよい。
【0066】
ロータリドア27の左右の回転軸28の一方は、ケース11の外部に突出して図示しないリンク機構を介して吹出モード操作機構に連結されて、この吹出モード操作機構によりロータリドア27が回転操作される。同様に、エアミックスドア17の回転軸18の一端部もケース11の外部にてリンク機構を介して温度調整操作機構に連結されて、この温度調整操作機構によりエアミックスドア17が回転操作される。これらの吹出モード操作機構および温度調整操作機構は、サーボモータを用いたオート操作機構で構成されるが、乗員の手動操作力により直接操作されるマニュアル操作機構で構成してもよい。
【0067】
次に、上記構成に基づいて本実施形態の作動を説明する。図示しない送風機ユニットの送風機を作動させると、図示しない内外気切替部から内気または外気が吸入され、この吸入空気は送風機により送風されて空調ユニット部10のケース11に設けた空気導入口12からケース11内の最下部空間13に流入する。
【0068】
その後、蒸発器14を矢印aのごとく下方から上方へ通過して冷却され、冷風となる。この冷風は、次に、エアミックスドア17の開度により冷風バイパス通路16を通過する冷風bとヒータコア15を通過する温風cとに振り分けられ、温風cはヒータコア15下流側の温風通路20aを通過して温風ガイド壁20によりガイドされて空気混合部19に導かれる。また、冷風バイパス通路16の冷風bは冷風ガイド壁21によりガイドされて空気混合部19に導かれる。
【0069】
空気混合部19において温風cと冷風bが混合されて所定温度の空気となる。従って、エアミックスドア17の開度により冷風bと温風cの風量割合を調整することにより、空気混合部19付近で混合される空気の温度を所望の温度に調整できる。
【0070】
そして、吹出モード切替用のロータリドア27を操作して、フット開口部24とフェイス開口部25とデフロスタ開口部26の開閉を選択することにより、所定の1つの開口部または複数の開口部から車室内へ空気を吹き出すことができ、吹出モードの切替を行うことができる。
【0071】
図1はフットモード時の状態を示し、ロータリドア27が図1の位置に回転操作されることにより円周壁面27aのフィルム部材27eがフェイス開口部25およびデフロスタ開口部26の開口位置に重合して両開口部25、26をともに閉塞している。一方、第1、第2板ドア部27f、27gはともにフット開口部24から開離した位置に移動して、フット開口部24を開口する。このとき、温風バイパスドア34は温風バイパス開口33よりも車両前方側の位置に回転操作され、温風バイパス開口33を開口する。
【0072】
フットモードは通常、冬期の暖房時に使用されるから、エアミックスドア17の開度調整により吹出空気温度を高温側に調整する。この温度調整された温風が空気混合部19から矢印dのようにフット開口部24を通過してフット吹出通路24aに至る。更に、この温風はフット吹出通路24aを通過して前席側フット吹出口24bから前席側乗員の足元部に向けて矢印fのように吹き出す。
【0073】
また、フット吹出通路24aの温風の一部は矢印gのように後席側フットダクト36内に流入する。このとき、温風バイパス開口33が開口(全開)状態にあるので、ヒータコア15直後の温風通路20aの温風cの一部が矢印hのように温風バイパス開口33へ向けて分岐され、この分岐温風hは温風バイパス通路31を通過して矢印iのように後席側フットダクト36内に流入する。
【0074】
従って、後席側フットダクト36内にフット開口部24を通過する温風経路と温風バイパス通路31を通過する温風経路との両方から温風を流入させることができる。これにより、後席側への吹出温風風量を増加できる。
【0075】
しかも、温風バイパス開口33はヒータコア15直後の温風通路20aの温風cの一部を直接取り込むことができ、この温風cは、空気混合部19で冷風bと混合される前の温度の高い温風であるから、後席側フットダクト36内への流入温風の温度を前席側フット吹出口24bへの流入温風の温度より高くすることができる。
【0076】
そのため、温風バイパス通路31を通過する温風経路を持たないものに比較して、フットモード時における後席側乗員の足元暖房性能を大幅に向上できる。その結果、後席側フットダクト36表面からの熱損失があっても、後席側乗員の暖房感(快適性)を著しく向上できる。
【0077】
しかも、ロータリドア27の回転軸28が温風通路20aの出口部に隣接配置されている点に着目して、回転軸28と一体に回転する温風バイパスドア34を設け、この温風バイパスドア34により温風バイパス開口33をフットモード時に開口することができる。この温風バイパスドア34はロータリドア27の回転軸28に直結した簡単なサブロータリドア構成であるから、吹出モードドアをなすロータリドア27の構成を一部変更するだけで、簡便に構成できる。従って、後席側暖房性能の向上を低コストにて実現できる。
【0078】
次に、図2はフェイスモードの状態を示し、ロータリドア27が図1よりも所定角度だけ時計方向に回転した状態であり、図2のドア回転位置はロータリドア27の回転操作範囲のうちロータリドア27が最も時計方向に回転した状態を示している。この回転状態では、ロータリドア27の円周壁面27aがフェイス開口部25に対向しない位置に移動するので、フェイス開口部25が開口する。これと同時に、ロータリドア27の円周壁面27aのフィルム部材27eによりデフロスタ開口部26を閉塞している。
【0079】
そして、このとき、第2板ドア部27g上面の弾性シール材27jがフット開口部24の周辺部に圧着して、フット開口部24を閉塞する。また、このとき温風バイパスドア34は図1の位置よりも時計方向に回転して温風バイパス開口33を閉塞(全閉)している。従って、エアミックスドア17の開度調整により温度調整された空気が矢印jのようにフェイス開口部25を通過して乗員の顔部側へ吹き出す。
【0080】
次に、図3はデフロスタモード時の状態を示し、図1の状態からロータリドア27が反時計方向に所定角度回転している。すなわち、図3はロータリドア27を反時計方向に最大に回転した状態を示す。この場合は、ロータリドア27の円周壁面27aがデフロスタ開口部26に対向しない位置へ回転することにより、デフロスタ開口部26が全開状態となる。
【0081】
また、フェイス開口部25は円周壁面27aのフィルム部材27eにより閉塞される。そして、フット開口部24は第1板ドア部27fの弾性シール材27hにより閉塞される。従って、温度調整された空気をデフロスタ開口部26から矢印kのように車両窓ガラス側へ吹き出して、車両窓ガラスの防曇性能を発揮できる。
【0082】
このとき、温風バイパスドア34は図1の位置よりも反時計方向に回転して温風バイパス開口33を開口(全開)状態に維持する。そのため、温風通路20aの温風の一部が矢印hのように温風バイパス開口33および温風バイパス通路31を通過して後席側フットダクト36へと流れる。
【0083】
すなわち、デフロスタモード時には、車両窓ガラス側への吹出風量の増加(防曇性能の向上)のために、フット開口部24は閉塞するが、温風バイパス開口33を開口することにより、後席側乗員の足元部に少量の温風を吹き出して後席側乗員の足元の寒さを解消し、後席側乗員の快適性を向上できる。
【0084】
以上、吹出モードとしてフットモード、フェイスモードおよびデフロスタモードを図1〜図3に基づいて作動説明したが、その他に、周知のバイレベルモードおよびフットデフロスタモードを設定することができる。
【0085】
バイレベルモード時には、図1のフットモード位置と図2のフェイスモード位置との中間位置にロータリドア27を回転操作して、フット開口部24およびフェイス開口部25の両方を同時に開口すればよい。なお、バイレベルモード時には温風バイパス開口33が半開状態となる。
【0086】
また、フットデフロスタモード時には、図3のデフロスタモード位置と図1のフットモード位置との中間位置にロータリドア27を回転操作して、デフロスタ開口部26とフェイス開口部25の両方を同時に開口すればよい。なお、フットデフロスタモード時には温風バイパス開口33が全開状態となる。
【0087】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、ヒータコア15の熱交換コア部15cを通過する温風とヒータコア15をバイパスして冷風バイパス通路16を通過する冷風との風量割合をエアミックスドア17により調整して車室内への吹出空気温度を調整するエアミックス方式の車両用空調装置について説明したが、ヒータコア15を通過する温水の流量または温水の温度を調整する温水弁を温度調整手段として設け、この温水流量または温水温度の調整により車室内への吹出空気温度を調整する温水制御方式の車両用空調装置に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車両用空調装置の空調ユニット部の概略断面図で、フットモード時を示す。
【図2】本発明の一実施形態による空調ユニット部の要部の概略断面図で、フェイスモード時を示す。
【図3】本発明の一実施形態による空調ユニット部の概略断面図で、デフロスタモード時を示す。
【図4】本発明の一実施形態によるロータリドア単体の斜視図である。
【符号の説明】
11…ケース、14…蒸発器(冷房用熱交換器)、
15…ヒータコア(暖房用熱交換器)、16…冷風バイパス通路、
17…エアミックスドア、20a…温風通路、24…フット開口部、
25…フェイス開口部、26…デフロスタ開口部、
27…ロータリドア(吹出モードドア)、27a…円周壁面、
27f、27g…板ドア部、28…回転軸、31…後席側温風バイパス通路、
33…温風バイパス開口、34…後席側温風バイパスドア。
Claims (4)
- 車室内へ向かって空気が流れるケース(11)と、
前記ケース(11)内に設けられ、前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
前記暖房用熱交換器(15)の下流側に設けられ、少なくともフット開口部(24)、フェイス開口部(25)およびデフロスタ開口部(26)を含む複数の吹出開口部(24〜26)と、
前記複数の吹出開口部(24〜26)を開閉して前記暖房用熱交換器(15)下流側の温度調整された空気を前記複数の吹出開口部(24〜26)に配分する吹出モードドア(27)とを備え、
前記フット開口部(24)に前席側フット吹出口(24b)および後席側フットダクト(36)を連通し、
前記吹出モードドア(27)により前記フット開口部(24)を開口するフットモード時に、前記暖房用熱交換器(15)で加熱された温風を前記前席側フット吹出口(24b)から前席側乗員足元部に吹き出すとともに、前記温風を前記後席側フットダクト(36)を通して後席側乗員足元部に吹き出す車両用空調装置において、
前記吹出モードドア(27)は回転軸(28)を中心として回転操作される構成になっており、
前記回転軸(28)を前記暖房用熱交換器(15)直後の温風が流れる温風通路(20a)に隣接配置し、
前記温風通路(20a)からの温風を前記後席側フットダクト(36)に直接導く後席側温風バイパス通路(31)を前記ケース(11)に形成し、
前記回転軸(28)に前記回転軸(28)と一体に回転操作される後席側温風バイパスドア手段(34)を設け、
前記吹出モードドア(27)が前記フットモード位置に回転操作されると、前記後席側温風バイパスドア手段(34)により前記後席側温風バイパス通路(31)を開口し、
前記吹出モードドア(27)により前記フェイス開口部(25)を開口するフェイスモード時には、前記吹出モードドア(27)により前記フット開口部(24)および前記デフロスタ開口部(26)を閉塞するとともに、前記後席側温風バイパスドア手段(34)により前記後席側温風バイパス通路(31)を閉塞し、
前記吹出モードドア(27)により前記デフロスタ開口部(26)を開口するデフロスタモード時には、前記吹出モードドア(27)により前記フット開口部(24)および前記フェイス開口部(25)を閉塞するとともに、前記後席側温風バイパスドア手段(34)により前記後席側温風バイパス通路(31)を開口することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記吹出モードドア(27)は、前記回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(27a)を有するロータリドア(27)により構成され、
前記ロータリドア(27)には、前記円周壁面(27a)と一体に回転する板ドア部(27f、27g)を設け、
前記複数の吹出開口部のうち、前記フェイス開口部(25)および前記デフロスタ開口部(26)を前記円周壁面(27a)の回転変位により開閉し、
また、前記複数の吹出開口部のうち、前記フット開口部(24)を前記板ドア部(27f、27g)の回転変位により開閉するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記後席側温風バイパスドア手段(34)は前記回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(34a)を有するサブロータリドアとして構成されており、
前記サブロータリドアの前記円周壁面(34a)の回転変位により前記後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 - 車室内へ向かって空気が流れるケース(11)と、
前記ケース(11)内に設けられ、前記空気を加熱する暖房用熱交換器(15)と、
前記暖房用熱交換器(15)の下流側に設けられ、少なくともフット開口部(24)を含む複数の吹出開口部(24〜26)と、
前記複数の吹出開口部(24〜26)を開閉して前記暖房用熱交換器(15)下流側の温度調整された空気を前記複数の吹出開口部(24〜26)に配分する吹出モードドア(27)とを備え、
前記フット開口部(24)に前席側フット吹出口(24b)および後席側フットダクト(36)を連通し、
前記吹出モードドア(27)により前記フット開口部(24)を開口するフットモード時に、前記暖房用熱交換器(15)で加熱された温風を前記前席側フット吹出口(24b)から前席側乗員足元部に吹き出すとともに、前記温風を前記後席側フットダクト(36)を通して後席側乗員足元部に吹き出す車両用空調装置において、
前記吹出モードドア(27)は回転軸(28)を中心として回転操作される構成になっており、
前記回転軸(28)を前記暖房用熱交換器(15)直後の温風が流れる温風通路(20a)に隣接配置し、
前記温風通路(20a)からの温風を前記後席側フットダクト(36)に直接導く後席側温風バイパス通路(31)を前記ケース(11)に形成し、
前記回転軸(28)に前記回転軸(28)と一体に回転操作される後席側温風バイパスドア手段(34)を設け、
前記吹出モードドア(27)が前記フットモード位置に回転操作されると、前記後席側温風バイパスドア手段(34)により前記後席側温風バイパス通路(31)を開口するようになっており、
前記後席側温風バイパスドア手段(34)は前記回転軸(28)を中心として回転する円周壁面(34a)を有するサブロータリドアとして構成されており、
前記サブロータリドアの前記円周壁面(34a)の回転変位により前記後席側温風バイパス通路(31)を開閉するようになっていることを特徴とする車両用空調装置。
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