JP3941427B2 - 加熱装置及び加熱方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄板状加熱対象物を加熱する加熱装置及び加熱方法に関し、特に、半導体ウェーハの面内温度分布を常に一定に保つように加熱処理する半導体処理装置及び方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェーハ(以下、単にウェーハと呼ぶ)の処理工程の中には、ウェーハに対する熱処理(加熱)を要する工程も多く、そのような工程用の半導体処理装置は加熱装置を有している。
【0003】
例えば、エピタキシャル成長装置(成長炉)では、赤外線ランプ等を用いたウェーハの加熱装置(熱処理装置)を有し、ウェーハ膜厚分布及び比抵抗分布の適正化や、ウェーハの温度分布に起因するスリップ等の結晶欠陥制御のために、ウェーハの面内温度分布をコントロールする必要がある。
【0004】
従来、ウェーハの面内温度分布をコントロールするために、複数の温度測定手段(以下、適宜、測温手段と呼ぶ)と複数の加熱手段を有する半導体製造装置(特開平5−291169号公報)が開発され、それぞれの測温手段で測定された温度に基づき、それぞれの加熱手段をそれぞれの専用の温度制御手段によってコントロールする方法が用いられてきた。
【0005】
図1は、熱処理装置を有する代表的な装置(例えばエピタキシャル成長装置)における測温点の例を模式的に示した説明図である。
【0006】
図1において、ウェーハ1は円盤状のサセプタ2に保持され、このサセプタ2は円環状のサセプタリング3に保持され、その結果、加熱対象のウェーハ1がチャンバ4内の所定位置に位置するようになされている。例えばエピタキシャル成長装置であれば、反応ガス5がチャンバ4内に導入、導出され、反応ガス5は導入口から導出口へほぼ直線的な流路で流れる。
【0007】
図1の例では、ウェーハ1の中心を通る法線方向が、サセプタ2の裏面と交わっている位置が中心部測温手段5Cによる測温点となっている。また、反応ガスの導入口に近いサセプタリング3の位置が前部測温手段5Fによる測温点となっており、反応ガスの導出口に近いサセプタリング3の位置が後部測温手段5Bによる測温点となっており、位置5F及び5Bは、ウェーハ1の中心から見て角度的に180度だけ隔たっている。位置5F及び5Bからそれぞれ角度的に±90度だけ隔たっているサセプタリング3の位置が側部測温手段5Sによる測温点となっている。
【0008】
各測温手段5C、5F、5B、5Sからの出力は、図2に示すように、対応する温度制御手段6C、6F、6B、6Sに与えられ、各温度制御手段6C、6F、6B、6Sは、温度測定出力に基づいて、対応する加熱手段としてのランプ7C、7F、7B、7Sを制御する。すなわち、このような熱処理装置では、予めウェーハ各部に対して、望ましい温度プロフィール(指令温度変化)に従う値を与え、それぞれの部位が指令された温度プロフィールとなるように、加熱手段としてのランプ7C、7F、7B、7Sを制御する。
【0009】
なお、図1及び図2は、各測温手段5C、5F、5B、5Sが熱電対の場合を意図して記載している。
【0010】
また、特開平6−260426号公報に開示されているように、代表部位の温度プロフィールに対して、他の部位の温度差が一定になるように制御する手法も既に提案されている。
【0011】
上述した制御方法は、いずれも複数の測温手段の出力に基づき、個別に加熱手段を制御するものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数ある温度測定手段毎に独立した制御系をもつ熱処理装置において、その温度測定手段の1個が何らかの原因で測定を正確に行わなくなった場合、ウェーハの面内温度分布が大きく変化するという問題が生じていた。
【0013】
このような温度測定手段が正確に測定しなくなる現象は、次のように日常的に発生し得る。
【0014】
1. 温度測定手段5に熱電対式の温度計を使用した場合
熱電対式の温度計は、接触式温度計であるため、熱電対の先端と被測定物(温度測定対象物)の接触状態がわずかに変化すると、図3で示すように、計測温度が大きく変化する。
【0015】
2. 温度測定手段5に放射温度計を使用した場合
放射温度計でウェーハ温度を測定する場合は、チャンバ4を構成している石英ガラスなどを通しての測温となる。このとき、熱処理中にチャンバ4に導入する反応ガスによっては、石英ガラス面に分子が付着し、結果として温度測定用波長の放射光に対する透過率が低下し、測定温度が変化する。
【0016】
このように、複数個の温度計の一つでも不正確な温度を測定すると、その測定点の実際の温度でなく、測定温度を設定値(指令値)に維持しようと温度制御手段が働き、ウェーハ面内の一部が設定値以上に加熱され始める。この加熱は、加熱対象部位だけでなく、他の部位へも影響を及ぼし、結果として、ウェーハの面内温度分布が所望するものと異なり、比抵抗分布や膜厚分布の悪化、更には、スリップなどの品質欠陥を生じる原因の一つとなっていた。
【0017】
ここで、温度測定手段による温度計測が正常に行われるように調整し、上記問題を回避することも可能であるが、一般的には、加熱装置を含む装置(例えばエピタキシャル成長装置)の操業開始の早い時期から、温度測定に誤差が生じるため、その調整のために、加熱装置を停止することは、生産性の観点から現実的ではない。
【0018】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、複数ある温度測定手段の測定誤差を吸収することができる加熱装置及び加熱方法を提供しようとしたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、薄板状加熱対象物の所定部位、又は、上記薄板状加熱対象物の保持体の所定部位の温度を測定する複数の温度測定手段と、上記各温度測定手段のそれぞれに対応付けて設けられ、上記薄板状加熱対象物の担当領域を加熱する複数の加熱手段と、対応する上記温度測定手段の出力に基づいて、対応する上記加熱手段による加熱を制御する複数の温度制御手段とを備えた加熱装置において、上記各加熱手段に供給される電力を検出する供給電力検出手段と、少なくとも一部の上記温度制御手段の温度制御に、上記供給電力検出手段の検出結果を反映させる制御動作修正手段とを有することを特徴とする。
【0020】
ここで、上記制御動作修正手段が、少なくとも一部の上記温度制御手段に入力される、その温度制御手段に対応した上記温度測定手段からの測定温度を、上記供給電力検出手段の検出結果に基づき、修正して入力させることが好ましい。
【0021】
また、第2の本発明は、所定部位用の加熱手段によって加熱されている、薄板状加熱対象物の所定部位、又は、上記薄板状加熱対象物の保持体の所定部位の温度を複数の温度測定手段がそれぞれ測定し、その測定出力に基づいて、所定部位用の複数の温度制御手段がそれぞれ温度制御する加熱方法において、上記各加熱手段に供給される電力を検出し、この検出結果を、少なくとも一部の上記温度制御手段の温度制御に反映させることを特徴とする。
【0022】
ここで、少なくとも一部の上記温度制御手段に入力される、その温度制御手段に対応した上記温度測定手段からの測定温度を、検出された供給電力に応じて修正して温度制御に反映させることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(A)各実施形態に共通する温度制御の考え方
本発明による加熱装置及び加熱方法に係る後述する各実施形態は、薄板状加熱対象物を加熱する少なくとも一部の加熱手段への電力供給量を、各加熱手段による加熱温度の制御に利用しようとしたものである。
【0024】
以下ではまず、少なくとも一部の加熱手段への電力供給量を、各加熱手段による加熱温度の制御に利用できることを説明する。なお、以下では、熱電対でなる測温手段が図2に示すように配置されており、薄板状加熱対象物としてのウェーハを加熱するとして説明を行う。また、ウェーハの温度を直接測定している訳ではないが、間接的にウェーハの温度を測定しており、測定の意図はウェーハであるので、測定した温度をウェーハ温度と表現する。
【0025】
まず、被測定物(2、3)と熱電対(5C、5F、5B、5S)とが熱的に十分結合し、正確なウェーハ中心部温度t、ウェーハ前部温度t、ウェーハ後部温度t、ウェーハ側部温度tが測定されているとする(以下同様に、C、F、B、Sはそれぞれ、ウェーハ中心部、前部、後部、側部を表す)。このときの目標温度がT、T、T、Tであるとすれば、各制御手段(ここではPI制御を行う制御手段とする)6C、6F、6B、6Sはそれぞれ、(1)式〜(4)式に従う電力変更指令ΔP、ΔP、ΔP、ΔPを、対応する加熱手段7C、7F、7B、7Sに指令する。
【0026】
【数1】
Figure 0003941427
その結果、制御後のウェーハ各部の温度tCn、tFn、tBn、tSnは、加熱手段7C、7F、7B、7Sに供給される電力から温度の変換関数をgとした場合に、次の(5)式〜(8)式で表される温度になる。
【0027】
【数2】
Figure 0003941427
ここで、比例ゲインや積分ゲインなどの制御ゲインが適切であれば、時間の経過と共に、各部の温度tCn、tFn、tBn、tSnは、目標温度T、T、T、Tに収束していくことになる。
【0028】
しかしながら、熱電対の接触状態などが悪化し、例えば、前部の温度がΔεだけ低く計測されると、上述した(2)式より、電力指令値ΔPFεが、温度が正しく計測された場合での本来の電力指令値ΔPより、(9)式に示すように、誤差温度Δεに対して制御ゲインが反映された値ΔΔPFεだけ高く出力される。
【0029】
【数3】
Figure 0003941427
その結果、前部の温度がこの電力分ΔΔPFεだけ余分に温度が上昇するのみならず、上述した(5)式〜(8)式から明らかなように、この誤差電力指令値ΔΔPFεが各部位に対しても影響を及ぼし、各部位の温度も、その影響程度に応じて上昇しようとする。
【0030】
しかしながら、各部位はそれぞれ温度制御をしているため、結果として、前部以外の加熱手段への供給電力は、前部からの影響分に応じて電力供給量を下げることになる。
【0031】
このように、見かけ上の温度測定値には、何の変化もないにもかかわらず、加熱手段7C、7F、7B、7Sへの供給電力が変化し、ウェーハ面内の温度分布が異なっていることが、従来大きな問題となっていた。
【0032】
図4(A)は、全ての操業条件を等しくして熱処理(エピタキシャル成長)した場合の加熱手段7C、7F、7B、7Sへの供給電力(中心部供給電力との差で表示)の変化を示している。このように、全く同じ条件の操業で、かつ、図4(B)に示すように、各部位の見かけの計測温度(温度が高いため、中心部温度との差で表示)が一定であるにも拘わらず、ウェーハ前部を加熱する加熱手段(ランプ)7Cへの供給電力が上昇していることが分かる。なお、図4においては、ウェーハワンカセットの処理を1バッチと定義しており、以下、同様である。
【0033】
これは、図1のウェーハ前部を測定する熱電対(5F)と被測定点との接触状態が、操業を繰り返しているうちに悪化し、温度を低く計測した結果、上述したように、前部温度制御手段6Fが設定値通りの温度になるように加熱するために、加熱手段7Fへの供給電力を増加したためである。この前部の加熱手段7Fへの供給電力の増加は、側部などの温度上昇も伴うため、側部の温度制御手段6Sなどが、設定温度を維持しようとするために、側部加熱手段7Sなどへの電力供給量を低下することにつながっている。
【0034】
図5は、エピタキシャル成長後のウェーハ1における中央部膜厚に対する外周部膜厚の差を示した図である。図5の▲1▼、▲2▼、▲3▼は、図4の▲1▼、▲2▼、▲3▼の矢印部分で製造されたウェーハであり、図4(B)に示すように、測温手段5C、5F、5B、5Sの出力が一定であっても、図5で示すように外周部膜厚が厚くなっていることを示している。なお、測温手段(熱電対)5Fによる測定温度は、熱電対5Fと被測定物との接触が不十分なため、見かけ上の測定温度となっている。
【0035】
このような膜厚分布は、反応ガスの供給部近傍(前部)の温度が、前部の加熱手段7Fへの供給電力の増加により上昇したために、エピタキシャル成長が外周部でより促進された結果と考えられる。
【0036】
以上のような現象を抑制するために発明者らは研究を続け、同一品種(同一ウェーハ)、同一操業中の定常状態では、加熱手段への供給電力は、大きく変化しないことに注目し、後述する各実施形態に至った。
【0037】
すなわち、各加熱手段への定常状態の平均電力供給量と、基準となる加熱手段への定常状態の平均電力供給量との差が常に一定になるように、平均電力差を学習し、この学習結果を、各加熱手段への温度制御に反映させることとした。
【0038】
(B)第1の実施形態
以下、本発明による加熱装置及び加熱方法の第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0039】
第1の実施形態の加熱装置及び加熱方法は、各加熱手段への定常状態の平均電力供給量と、基準となる加熱手段への定常状態の平均電力供給量との差が常に一定になるように、平均電力差を学習し、この学習結果に基づき、各温度測定手段の出力を修正して温度制御に反映させるものである。
【0040】
以下、エピタキシャル成長装置(エピタキシャル成長炉)に適用された加熱装置及び加熱方法として、第1の実施形態を説明する。
【0041】
図6は、第1の実施形態の加熱装置の機能的構成を示すブロック図であり、上述した図1、図2との同一、対応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0042】
図6において、第1の実施形態の加熱装置10は、各部位の温度測定手段(測温手段)5C、5F、5B、5S、各部位の温度制御手段6C、6F、6B、6S、各部位の加熱手段7C、7F、7B、7Sなどの従来と同様な構成に加えて、供給電力検出手段11C、11F、11B、11S、温度補正手段8及び学習手段9を有している。
【0043】
なお、図6では示していないが、薄板状加熱対象物(ウェーハ)が存在している。また、側部加熱手段7Sは、図2に示したように、2個存在している。
【0044】
新たに設けられた学習手段9は、各加熱手段へ供給される電力を検出する供給電力検出手段11C、11F、11B、11Sを介して供給電力量が入力されており、定常状態の平均電力供給量と、基準となる加熱手段への定常状態の平均電力供給量との差が常に一定になるように平均電力差を学習するものである。
【0045】
また、新たに設けられた温度補正手段8は、学習手段9による学習結果に応じて、各温度測定手段からの測定温度を補正して、各温度制御手段に与えるものである。
【0046】
次に、学習手段9の学習処理は、図7のフローチャートをも参照しながら説明する。なお、以下では、ウェーハ中心部を基準部位としている。また、図7は、操業1回での処理を示しており、パラメータIは操業毎に1インクメントするものである。
【0047】
まず、加熱手段(赤外線ランプ)7C、7F、7B、7Sを交換した後のN回の操業における定常状態の各部平均電力差を記憶、保持する(ステップS1、S2)。
【0048】
ここでは、中心部電力との差ΔPF−Cini、ΔPB−Cini、ΔPS−Ciniを、(10)式〜(12)式を用いて計算する。
【0049】
【数4】
Figure 0003941427
Nバッチ後、Kバッチ中の定常状態の平均電力差ΔPF−C、ΔPB−C、ΔPS−Cを(13)式〜(15)式を用いて計算する(S1、S3、S4)。
【0050】
【数5】
Figure 0003941427
その後、(10)式〜(15)式で計算した平均電力差を用い、(17)式、(19)式、(21)式を用いて、電力学習量を、Nバッチ後、Kバッチ終了毎に計算する(S1、S3、S5)。この電力学習量が、温度測定手段の測定誤差に起因する影響分となるため、この電力学習量に基づいて、基準となる温度測定手段以外(ここでは、中央部温度測定手段5C以外)の温度の補正温度を求める(S6)。
【0051】
以上のようにして学習手段9が得た補正温度分だけ、温度補正手段8が、(16)式、(18)式、(20)式に示すように、温度測定手段5F、5B、5Sからの測定温度t、t、tを補正し、補正して得た温度tFin、tBin、tSinを温度制御手段7F、7B、7Sに与える。なお、基準となる中央部温度測定手段5Cの測定温度tはそのまま温度制御手段7Cに与えられる。
【0052】
【数6】
Figure 0003941427
以上のように計算された温度を制御入力とすることにより、温度測定手段の測定誤差を吸収しながら各部位を所定の温度プロフィールに制御することが可能となるため、常に一定のウェーハ温度分布を維持することが可能となる。
【0053】
以下、具体例で実際の制御内容などを説明する。温度測定手段として熱電対を用いて、サセプタ中央部(中央部)、ガス入り側のサセプタリング温度(前部)、ガス排気側のサセプタリングの温度(後部)、ウェーハ中心から見てガス入り側のサセプタリング温度測定位置と90度異なる位置(側部)の温度を測定し、それぞれの測定値に基づきそれぞれの汎用温度コントローラを用いてそれぞれの部位周辺を加熱する加熱手段を制御する気層エピタキシャル成長炉における熱処理装置(加熱装置)の例で説明する(図2参照)。
【0054】
この熱処理装置の前部測定用の熱電対は、ガス出側より熱電対を挿入するため、熱電対と被測定点との接触状態が悪化しやすい。このため、操業を継続するにしたがって、熱電対が被測定点から離れていき、測定温度が低くなることが懸念されていた。これを裏付けるように、一定温度に制御しようとすると、前部に供給される電力が増加していくことがわかった(図4参照)。
【0055】
そこで、このようなエピタキシャル成長炉に、第1の実施形態を適用した結果を図8に示す。ここでは、中央部温度測定手段を基準とし、前部温度測定手段の出力のみを学習した。
【0056】
ここで、初期平均電力差は、熱電対交換後10バッチ((10)式のN=10)で計算し、学習は、20バッチ((13)式のK=20)毎に実施した。また、学習係数((17)式のα)は0.3とした。この結果、(17)式で示す前部電力の学習量は、図8(B)のように変化し、この学習量に応じて、(16)式を適用することで、図8(A)で示すように、定常部の電力変化がほとんどない操業が実現できた。この結果の膜厚分布の変化を調査したところ、図9に示すように、長期にわたりほぼ一定のウェーハを製造することができた。
【0057】
以上のように、第1の実施形態によれば、加熱手段への供給電力を利用して、測定温度を補正して温度制御に供するようにしたので、複数ある温度測定手段の測定誤差を吸収することができる加熱装置及び加熱方法を提供することができる。
【0058】
(C)第2の実施形態
次に、本発明による加熱装置及び加熱方法の第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0059】
第2の実施形態の加熱装置及び加熱方法は、各加熱手段への定常状態の平均電力供給量と、基準となる加熱手段への定常状態の平均電力供給量との差が常に一定になるように、平均電力差を学習し、この学習結果に基づき、指令温度を修正して温度制御に反映させるものである。
【0060】
図10は、第2の実施形態の加熱装置の機能的構成を示すブロック図であり、上述した図6との同一、対応部分には、同一、対応符号を付して示している。
【0061】
図10において、第2の実施形態の加熱装置10Aは、各部位の温度測定手段(測温手段)5C、5F、5B、5S、各部位の温度制御手段6C、6F、6B、6S、各部位の加熱手段7C、7F、7B、7Sなどの従来と同様な構成に加えて、供給電力検出手段11C、11F、11B、11S、指令温度補正手段8A及び学習手段9Aを有している。
【0062】
学習手段9Aは、第1の実施形態の学習手段9と同様に、加熱手段7C、7F、7B、7Sへの供給電力量の関係を学習するものである。
【0063】
この第2の実施形態の場合、学習結果は、指令温度補正手段8Aに与えられる。指令温度補正手段8Aは、この学習結果に応じ、温度制御手段6C、6F、6B、6Sへ与える指令温度を補正し、温度制御に供給電力量の関係を反映させる。
【0064】
第2の実施形態によれば、加熱手段への供給電力を利用して、指令温度を補正して温度制御に供するようにしたので、複数ある温度測定手段の測定誤差を吸収することができる加熱装置及び加熱方法を提供することができる。
【0065】
(D)他の実施形態
上記各実施形態では、加熱手段の数が5個のものを示したが、これに限定されるものではなく、また、加熱手段に対応付けて温度測定点を決定すれば良い。なお、図2とは異なり、2個の側部用加熱手段(ランプ)毎に、温度測定手段や温度制御手段を設けても良い。
【0066】
さらに、上記各実施形態では、中央部の供給電力量を基準に、各部の供給電力量の関係を捉えたものを示したが、基準部位は中央部に限定されず、任意の位置に選定しても良い。また、基準部位が複数存在していても良い。
【0067】
さらにまた、加熱対象は半導体ウェーハに限定されず、薄板状のものであれば良い。また、温度制御方法も、PI制御に限定されるものではなく、PID制御などであっても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、実操業中に起こりうる温度測定のわずかな誤差を吸収することにより、継続して薄板状加熱対象物の面内温度分布を一定に維持することができる。その結果、熱処理後の薄板状加熱対象物の品質を良好なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱装置の温度測定手段(測温手段)の設置位置例の説明図である。
【図2】加熱装置の一般的な独立制御構成例を示す説明図である。
【図3】熱電対設置間隔(測定点からずれ長さ)と温度差との関係を示す説明図である。
【図4】各部加熱手段への供給電力の変化と各部の実績温度を示す説明図である。
【図5】膜厚分布の経時変化(熱電対交換からの経時変化)を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態の加熱装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施形態の学習手段の処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の電力学習値の推移と加熱手段への供給電力推移を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態の適用後の膜厚分布推移を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態の加熱装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…半導体ウェーハ、
2…サセプタ、
3…サセプタリング、
5C、5F、5B、5S…温度測定手段(測温手段)、
6C、6F、6B、6S…温度制御手段、
7C、7F、7B、7S…加熱手段(赤外線ランプ)、
8…温度補正手段、
8A…指令温度補正手段、
9、9A…学習手段、
10、10A…加熱装置、
11C、11F、11B、11S…供給電力検出手段。

Claims (4)

  1. 薄板状加熱対象物の所定部位、又は、上記薄板状加熱対象物の保持体の所定部位の温度を測定する複数の温度測定手段と、上記各温度測定手段のそれぞれに対応付けて設けられ、上記薄板状加熱対象物の担当領域を加熱する複数の加熱手段と、対応する上記温度測定手段の出力に基づいて、対応する上記加熱手段による加熱を制御する複数の温度制御手段とを備えた加熱装置において、
    上記各加熱手段に供給される電力を検出する供給電力検出手段と、
    少なくとも一部の上記温度制御手段の温度制御に、上記供給電力検出手段の検出結果を反映させる制御動作修正手段と
    を有することを特徴とする加熱装置。
  2. 上記制御動作修正手段は、少なくとも一部の上記温度制御手段に入力される、その温度制御手段に対応した上記温度測定手段からの測定温度を、上記供給電力検出手段の検出結果に基づき、修正して入力させることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 所定部位用の加熱手段によって加熱されている、薄板状加熱対象物の所定部位、又は、上記薄板状加熱対象物の保持体の所定部位の温度を複数の温度測定手段がそれぞれ測定し、その測定出力に基づいて、所定部位用の複数の温度制御手段がそれぞれ温度制御する加熱方法において、
    上記各加熱手段に供給される電力を検出し、この検出結果を、少なくとも一部の上記温度制御手段の温度制御に反映させることを特徴とする加熱方法。
  4. 少なくとも一部の上記温度制御手段に入力される、その温度制御手段に対応した上記温度測定手段からの測定温度を、検出された供給電力の関係に応じて修正して温度制御に反映させることを特徴とする請求項3に記載の加熱方法。
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