JP3941213B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像現像用トナーに関する。さらに本発明はこのトナーを用いた現像剤、特にトナー担体から、記録体上に直接トナーを飛着させてトナー像を形成させる直接記録装置に使用する現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーを現像スリーブ上に供給し、スリーブに圧着して配置された規制部材との間を通過させることによりトナーを摩擦帯電させ、形成されたトナー薄層を用いて静電潜像を現像する一成分現像装置が知られている。
一方、現像に使用されるトナーは、その分布は製品によって様々であるが、粒径分布を持っており、小粒径のトナーも存在すれば、大粒径のトナーも存在する。
【0003】
上述の装置において幅広い分布を有するトナーを用いた場合、現像スリーブに対して鏡像力の高い小径トナーが優先的に現像スリーブに付着して取り込まれ、使用するに連れて大粒径のトナーが残ると言う、いわゆる粒径選別が発生するという問題があった。
また、トナー中の大径トナーに比べ小径トナーの方が帯電量が高くなり、現像スリーブに対する静電付着力が高くなるためにスリーブ上に溜りがちになり、何度も現像スリーブと規制部材との間を通過する際のストレスによって割れ、フィルミングが発生し画質が悪化するという問題もあった。特に、近年、画像形成速度の高速化が望まれており、現像スピードをアップさせる程、上述の問題は顕著になってくる。
【0004】
このような問題に対し、トナーの粒径分布をシャープにすることによって小径成分を少なくし、上述の問題発生を軽減しようとする試みがなされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題を考慮し、長期間にわたって良好な画像が得られるトナーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱処理領域が2秒以下の瞬間的熱処理よって得られるトナー薄層を用いて静電潜像を現像する静電荷像現像に用いられる一成分トナーであって、該トナーの体積平均粒径Dmが4〜9μm、平均円形度Emが0.96〜1.00、Dm/2以下のトナー成分の平均円形度をEsとした時、Es>1.001Emなる関係にあることを特徴とする静電荷像現像用一成分トナーに関する。さらに本発明はこのトナーを用いた現像剤、特にトナー担体から、記録体上に直接トナーを飛着させてトナー像を形成させる直接記録装置に使用する現像剤に関する。この様なトナーを工業的採算性をもって簡単に製造する技術もまた新規である。
【0007】
本発明トナーは小粒径トナーの帯電量が下がり、現像スリーブ上への優先的な取り込みが軽減でき、また、小径トナーは従来に比べ現像スリーブから離れ易くなって粒径に係わりなく均一な現像を達成でき、更には小径トナーの円形度を上げることによって、現像スリーブと規制部材との間を通過する際のストレスに耐え得るだけの強度を持たせることが出来た。これらの総合作用により、長期にわたって安定した画質を維持することが可能となった。
【0008】
本発明において体積平均粒径Dm、平均円形度Em、およびDm/2以下の粒径を有するトナー成分の平均円形度Esはフロー式粒子像分析装置(EPIA−2000:東亜医用電子株式会 社製)を用いて水分散系で測定した値である。この測定装置によれば個々の粒子の体積粒径、その領域別平均値およびそれに対応する個々の粒子の円形度およびその平均値を測定および換算出来、これを積算し、或いは解析できるのでDm、Dm/2およびEmを求める事ができる。またこの装置を使用すれば円形度の標準偏差(円形度分布の標準偏差)は平均円形度と同時に測定できる。この値が小さいほどトナー粒径が揃っていることを示す。
【0009】
本発明においてトナーの体積平均粒径Dmは2〜10μm、より好ましくは4〜9μmのものである。これらの範囲はトナーの使用対象や装置とのからみで選定されるため、限定的ではない。しかしながら、上記体積平均粒径を有するトナーはいずれも本発明の目的を達成する上で有用である。
【0010】
本発明において円形度とは:
円形度 = 粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
で表される値である。即ち、1に近いほど円形に近い。このように円形度は「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」および「粒子投影像の周囲長」から求められるため、この値はトナーの形状、特に粒子表面の凹凸状態を反映する指標となる。
【0011】
平均円形度Emは、測定トナー全体の(即ち、体積平均粒径Dmのトナー)円形度の平均値をいう。好ましい平均円形度Emは0.94から1.0、より好ましくは0.95から1.0、特に0.96〜1.0である。また、平均円形度Emのトナーの標準偏差値は、好ましくは0.045以下、より好ましくは、0.040以下、特に好ましくは0.035以下である。
【0012】
平均円形度Esは体積粒径がDm/2以下の粒子の平均円形度であり、この値もEmと同様好ましくは0.94から1.0、より好ましくは0.95から1.0、特に0.96〜1.0であり、平均円形度Esのトナーの標準偏差値は好ましくは0.045以下、より好ましくは、0.040以下、特に好ましくは0.035以下である。
【0013】
本発明においては、Esは1.001Emより大きい事が必要であり、Esがそれより小さいと本発明の目的を十分に果たす事が出来ない。より好ましくはEs>1.002Emである。
【0014】
トナーの円形度の標準偏差値が上記範囲より大きいことは、トナー形状が不均一であることを意味している。したがって、トナーの円形度の標準偏差値を上記範囲に設定することにより、トナーの流動性が向上し、トナーの表面電荷密度が均一となり、帯電量にばらつきが少なくなることより、帯電量の比較的高い小径成分が先に、トナー坦持体に供給され、かつ、消費されていく現象が押さえられ、初期から長期にわたって安定した品質を確保することが可能となる。
【0015】
表面の均質性ならびに1個1個の粒子における、ばらつきを低減することにより、例えば、トナーにおいては、帯電の立ち上がり特性が向上し、また、帯電量分布のシャープ化が達成できる為、カブリ等のノイズが少なく、画像品位の向上が図れる。さらにこのことにより、選択現像等の現象(特定の粒径・帯電量のトナーから先に消費されていく現象)等が発生せず、耐刷時においても安定的なトナー品質が確保できる。従って、特に初期において、帯電量の高い小径成分が多くなるという現象を押さえることが可能となる為、移動性(現像性、転写性)等の効率についても向上させることが可能となる為、マシンの設定条件のウィンドウが広がる。
【0016】
この様な効果は特に、小粒径のトナーの上記特数を調整する事によって顕著な効果が得られる。即ち、Dm/2以下のトナーの平均円形度Esを0.95以上でかつEsの標準偏差値が0.040以下であるトナーにおいて好結果が得られる。
本発明においてはさらにトナー表面の凹凸や割れ目、細孔などを有しないものが好ましく、従ってD/d50(式中、D=6(ρ・S)(式中、Dはトナーの形状を球としたときの、比表面積からの換算値(μm)、d50は粒径別相対重量分布の50%相当粒径(μm)、ρは密度(g/cm2)、SはBET比表面積(m2/g)をそれぞれ表す)において、D/d50が0.50以上、磁性トナーの場合は0.20以上、好ましくは0.25以上のものが好ましい。このD/d50はトナーの粒子表面または内部に細孔のあることを示す指標であり、上記値を有するトナーであれば細孔部を中心にしてトナーが割れたり、凹部に外添剤などが埋め込まれたり、凸部が削られて微粉が発生するのが抑制できる。従ってトナー特性は長期にわたって維持する事が出来る。
【0017】
従来、熱によるトナーの表面改質法は知られているが(例えば特開平4−226476号公報、特開平6−317928〜317933号公報など)、いずれの方法も凝集あるいは合一粒子を発生し易いため、本発明の特数を有するトナーを得るには適していない。
本発明トナーは予め常法により得られたトナーを熱風により表面処理し、次いで分級することにより容易に得ることができる。
熱風による表面処理は熱風中にトナーを圧縮空気により分散噴霧することにより行うのが好ましい。
熱風気流中に現像剤粒子を分散供給させることにより、現像剤粒子の表面を溶融させ、瞬時に現像剤粒子を球状化処理する方法が知られている。さらに、現像剤粒子の熱風中での分散状態を向上させる目的で予め、疎水性シリカ等で表面処理しておくことも知られている。しかしながら、これらの方法を持ってしても、現像剤特性を飛躍的に向上させるべく、球形度とその均一性を達成できなかった。
【0018】
本発明において使用する瞬間的加熱処理は、熱風中にトナー粒子を圧縮空気により分散噴霧することにより、現像剤が熱により表面改質され、従来の方法をもっても達成できなかった球形度とその均一性を達成するものである。
【0019】
瞬間的加熱処理を行なう装置の概略構成図を図1および図2を用いて説明する。
図1に示す如く、熱風発生装置101にて調製された高温高圧エアー(熱風)は導入管102を経て熱風噴射ノズル106より噴射される。一方、トナー粒子105は定量供給器104から所定量の加圧エアーによって導入管102'を経て搬送され、前記熱風噴射ノズル106の周囲に設けられた試料噴射室107へ送り込まれる。
【0020】
試料噴射室107は、図2に示す如く、中空のドーナツ形状をしており、その内壁には複数の試料噴射ノズル103が等間隔に配置されている。試料噴射室107へ送り込まれたトナー粒子は、噴射室107で拡散して均等に分散した状態となり、引き続き送り込まれてくるエアーの圧力によって複数の試料噴射ノズル103から熱風気流中へ噴射される。
【0021】
また、試料噴射ノズル103の噴出流が熱風気流を横切ることがないように試料噴射ノズル103に所要の傾きを設けておくことが好ましい。具体的には、トナー噴出流が熱風気流にある程度沿うように噴射することが好ましく、トナー噴出流と熱風気流の中心領域の流れ方向なす角度が20〜40°、好ましくは25〜35°が好ましい。40°よりも広いとトナー噴出流が熱風気流を横切るように噴射されることになり、他のノズルから噴射されたトナー粒子と衝突してトナー粒子の凝集が発生し、一方、20°よりも狭いと熱風中に取り込まれないトナー粒子が発生し、トナー粒子の形状が不均一となる。
【0022】
また、試料噴射ノズル103は複数本必要であり、少なくとも3本以上、4本以上が好ましい。複数本の試料噴射ノズルを使用することによって熱風気流中へのトナー粒子の均一な分散が可能となり、トナー粒子1つ1つの加熱処理を確実に行うことができる。試料噴射ノズルから噴出された状態としては、噴出時点で広く拡散し、他のトナー粒子と衝突することなく熱風気流全体へ分散されることが望ましい。
【0023】
このようにして噴射されたトナー粒子は高温の熱風と瞬間的に接触して均質に加熱処理される。ここで瞬間的とは、処理温度並びにトナー粒子の熱風気流中での濃度により異なるが、必要なトナー粒子の改質(加熱処理)が達成され、かつトナー粒子同士の凝集が発生しない時間であり、通常2秒以下、好ましくは1秒以下がよい。この瞬間的時間は、トナー粒子が試料噴射ノズルから噴射され、導入管102"に導入されるまでのトナー粒子の滞留時間として表わされる。この滞留時間が2秒を越えると合一粒子が発生しやすくなる。
【0024】
次いで、瞬間加熱されたトナー粒子は直ちに冷却風導入部108から導入される冷風によって冷却され、装置器壁へ付着したり粒子同士凝集したりすることなく導入管102"を経てサイクロン109により捕集され、製品タンク111に貯まる。トナー粒子が捕集された後の搬送エアーはさらにバグフィルター112を通過して微粉が除去された後、ブロアー113を経て大気中へ放出される。なお、サイクロン109は、冷却水が流れている冷却ジャケットを設け、トナー粒子の凝集を防止することが好ましい。
【0025】
その他、瞬間的加熱処理を行うに重要な条件としては、熱風風量、分散風量、分散濃度、処理温度、冷却風温度、吸引風量、冷却水温度である。
【0026】
熱風風量とは、熱風発生装置101により供給される熱風の風量である。この熱風風量は、多くする方が熱処理の均一性、処理能力を向上させる意味で好ましい。
【0027】
分散風量とは、加圧エアーによって、導入管102'に送り込まれる風量のことである。その他の条件にもよるが、この分散風量は、押さえて熱処理した方が、トナー粒子の分散状態が向上、安定する為好ましい。
【0028】
分散濃度とは、熱処理領域(具体的にはノズル吐出領域)でのトナー粒子の分散濃度をいう。好適な分散濃度はトナー粒子の比重によって異なり、分級濃度を各トナー粒子の比重で割った値が、50〜300g/m3、好ましくは50〜200g/m3で処理することが好ましい。
【0029】
処理温度とは、熱処理領域での温度をいう。熱処理領域では中心から外側に向け温度勾配が実状存在するが、この温度分布を低減して処理することが好ましい。装置面からは、スタビライザー等により風を安定化層流状態で供給する事が好ましい。分子量分布のシャープなバインダ樹脂、例えば重量平均分子量/数平均分子量が2〜20を有するバインダー樹脂を使用してなる非磁性トナーにおいては、バインダー樹脂のガラス転移点+100℃以上〜ガラス転移点+300℃のピーク温度範囲で処理することが好ましい。より好ましくはバインダー樹脂のガラス転移点+120℃以上〜ガラス転移点+250℃のピーク温度範囲で処理する。なお、ピーク温度範囲とはトナーが熱風と接触する領域での最高温度をいう。
【0030】
分子量分布の比較的広いタイプのバインダー樹脂、例えば重量平均分子量/数平均分子量が30〜100を有するバインダー樹脂を使用してなる非磁性トナーにおいては、バインダー樹脂のガラス転移点+100℃以上〜ガラス転移点+300℃のピーク温度範囲で処理することが好ましい。さらに好ましくはバインダー樹脂のガラス転移点+150℃以上〜ガラス転移点+280℃のピーク温度範囲で処理する。これは、トナーの形状並びに表面の均一性を向上させる為には、バインダー樹脂の高分子量領域の改質をも達成できるよう高めの処理温度に設定する必要が生じる為である。しかしながら、処理温度を高めに設定すると逆に合一粒子が発生しやすくなる為、熱処理前の流動化処理を多めに設定する、処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが必要となる。
【0031】
トナー粒子にワックスを添加すると合一粒子が発生しやすくなる。そのため、熱処理前の流動化処理(特に大粒径成分の流動化剤)を多めに設定する。処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが形状並びに形状のバラツキを押さえた均一なトナー粒子を得る上で重要となる。この操作は分子量分布の比較的広いタイプのバインダー樹脂を使用しているときや、球形度を高めようとして、処理温度を高めに設定するときにより重要となる。
【0032】
冷却風温度とは、冷却風導入部108から導入される冷風の温度である。トナー粒子は瞬間的加熱処理後、トナー粒子の凝集あるいは合一が発生しない温度領域まで瞬時に冷却すべく、冷却風によりガラス転移点以下の雰囲気下に戻すことが好ましい。この為、冷却風の温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、必要以上に温度を下げると条件によっては結露が発生する可能性があり、逆に副作用が生じるので注意が必要である。かかる瞬間的加熱処理では、次に示す装置内の冷却水による冷却と併せて、バインダ樹脂が溶融状態にある時間が非常に短い為、粒子相互および熱処理装置の器壁への粒子付着がなくなる。この結果、連続性生産時の安定性に優れ、製造装置の清掃頻度も極端に少なくでき、また、収率を高く安定的に制御できる。
【0033】
吸引風量はブロアー113により、処理されたトナー粒子をサイクロンに搬送する為のエアーをいう。この吸引風量は、多くする方が、トナー粒子の凝集性を低減させる意味で好ましい。
【0034】
冷却水温度とは、サイクロン109、114ならびに導入管102”に設けられている冷却ジャケット内の冷却水の温度をいう。冷却水温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。
【0035】
本発明における円形度が高く、かつ、形状のバラツキを小さく押さえる為の具体的方策の例として以下のものが挙げられる。
▲1▼熱風中に供給するトナー量を一定に制御し、脈動等を発生させないこと。そのためには、従来のテーブルフィーダーおよび振動フィーダー等を複数種組み合わせて使用し、定量供給性を高める; トナーを圧縮空気で供給した後、熱風中に供給される前に、トナー粒子を再分散させ、均一性を高める(例えば、二次エアーにより再分散させる、バッファ部を設けてトナーの分散状態を均一化する、同軸二重管ノズル等で再分散させる等);
【0036】
▲2▼熱風中に噴霧供給する際のトナーの分散濃度を最適化かつ均一に制御すること、そのためには、熱風中への供給を全周方向から均一、かつ高分散状態で投入する(分散ノズルから供給する場合には、スタビライザ等を有するノズルを使用し、個々のノズルから分散されるトナーの分散均一性を向上させる); 熱風中のトナーの分散濃度を均一化する為、ノズル本数は、少なくとも3本以上、好ましくは、4本以上とできる限り多くし、かつ、全周方向に対して、対称形で配置し、好ましくは、360度全周領域に設けられたスリット部から均一にトナーを供給する。
【0037】
▲3▼どの粒子に対しても、均一なエネルギーがかかる様、トナーを処理する領域での熱風の温度分布を均一に制御し、かつ、熱風の流れを層流に制御すること、そのためには、熱風を供給する熱源の温度のばらつきを減らす;トナー粒子の熱風状態を均一・安定化する為、熱風供給前の直管部分をできる限り長くする;また、好ましくは熱風供給口付近に熱風を安定化させる為のスタビライザを設ける;さらに、本発明の例示装置の構成においては、開放状態に、熱風と分散されたトナーが供給される為、外気と接する方向に熱風が拡散する傾向にある為、熱風の供給口を必要に応じて絞る;好ましくは、トナー粒子は熱風温度が安定(温度分布が小さい)した熱風の中心部付近を通過させるように、ノズルの噴霧角度を、熱風の流れ方向に対して鋭角の方向(例えば、25〜35度)に設定する。
【0038】
▲4▼トナー粒子が熱処理中に均一分散状態が保持できるだけの流動化処理ができていること、そのためには、トナーの分散・流動性を確保する為、処理トナーの粒径の1/20以下、好ましくは、1/50以下の各種有機/無機微粒子流動助剤を使用する(特に、一次粒子の平均径が20nm以下(BET比表面積が100m2/g以上)の疎水化処理されてなる無機微粒子(特に疎水性シリカ微粒子)が好ましい。添加量はトナー粒子100重量部に対して、0.1〜6重量部、特に、0.5〜3重量部添加するのが好ましい);分散・流動性を向上させる為の混合処理は、好ましくは、トナー表面に均一かつ強く固定化されない付着した状態で存在させる。
【0039】
▲5▼トナー表面が熱を受けた時点でもトナー表面に各トナー粒子間のスペーサ効果が保持できるよう、処理温度で軟化しない粒子をトナー表面に存在させる、そのためには、好ましくは▲4▼で示した各種有機/無機微粒子と比較して大き目の粒径を有し、かつ、処理温度で軟化しない微粒子を添加する(これによって、トナー粒子表面の本粒子の存在により、熱を受け始めた後においても、トナー粒子表面が完全な樹脂成分のみの表面とはならず、トナー粒子間においてスペーサ効果をもたらし、トナー粒子同士の凝集・合一を防止する。▲4▼で示した流動化剤の内、大径粒子の添加量はトナー粒子100重量部に対して、0.3〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重量部が好ましい)。
【0040】
▲6▼熱処理は、必要最低限の瞬間加熱により行えばよく、その後、すぐにトナー粒子は、凝集ならびに合一が発生しない温度領域まで瞬時に冷却する。そのためには、通常は、熱処理された後、処理装置内に外気を導入させることにより、瞬時にトナー粒子を常温レベルまで冷却させる。しかしながら、トナーの物性によっては、外気温度の影響により、凝集・合一粒子の発生が起こりやすくなる為、導入する冷却風の温度を制御することが好ましく、その温度としては、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、必要以上に温度を下げると条件によっては結露が発生する可能性があり、逆に望ましくない結果を生じる。
【0041】
▲7▼熱処理したトナーの捕収は、熱が発生しない条件で制御すること。そのためには、熱処理ならびに冷却されたトナーは、配管系(特にアール部分)ならびに通常トナーの捕収で使用されているサイクロンで発生する熱を押さえる為、チラ―での冷却をすることが好ましい。
【0042】
表面処理改質の条件は以下のごとくするのが好ましい。
トナー供給部にはテーブルフィーダーと振動フィーダーを設ける。フィーダーは精度の高い定量性の高い供給を行うことが重要である。微粉砕あるいは分級工程での分散状態でそのままオンラインで熱処理工程にトナー粒子を多く供給できるのが好ましい。
【0043】
噴出角度は約30度にし、できる限り、熱風温度ならびに熱風の均一性が高い中心領域の流れに沿った角度でトナー粒子を導入、処理することが好ましい。
熱風風量は800L/min以上が好ましい。熱風風量は、多くする方が、熱処理の均一性、処理能力を向上させる意味で好ましい。
分散風量はその他の条件にもよるが約55L/minが適当である。分散風量は、押さえて熱処理した方が、トナーの分散状態が向上・安定する為、好ましい。 吸引風量は通常約1200L/min以上にするのか好ましい。吸引風量は、多くする方が、トナー粒子の凝集性を低減させる意味で好ましい。
【0044】
分散濃度はトナーの比重によって異なり、各トナーの比重で割った値が、50〜300g/m3、好ましくは、50〜200g/m3で処理することが好ましい。
【0045】
処理温度は、熱処理領域での温度範囲を云う。熱処理領域では中心から外側に向け温度勾配が実在するが、この温度分布を低減して処理することが好ましい。装置面からは、スタビライザー等により風を安定化層流状態で供給することが好ましい。本発明、特に非磁性トナーの場合には、使用するバインダー樹脂がシャープな溶融温度を有するのが好ましいので、分子量分布のシャープな樹脂を使用し、使用樹脂のガラス転移温度の100℃〜300℃以上のピーク温度範囲で処理することが好ましく、特にガラス転移温度の120℃〜250℃以上のピーク温度範囲で処理するのが好ましい。オイルレス用で使用される分子量分布の比較的広いタイプのバインダ樹脂を使用する非磁性トナーにおいては、バインダ樹脂のガラス転移温度の100℃〜300℃以上のピーク温度範囲で処理することが好ましく、特にガラス転移温度の150℃〜280℃以上のピーク温度範囲で処理するのが好ましい。これは、トナーの形状並びに表面の均一性を向上させる為には、バインダ樹脂の高分子量領域の改質をも達成できるよう高めの処理温度に設定する必要が生じる為である。しかしながら、処理温度を高めに設定すると逆に合一粒子が発生しやすくなる為、熱処理前の流動化処理を多めに設定する、処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが必要となる。なおピーク温度範囲とはトナーが熱風と接触する領域での最高温度を云う。
【0046】
定着性・耐久性等を向上させる目的でワックスを添加すると合一粒子が発生しやすくなる為、球形度を高める為、処理温度を高めに設定すると合一粒子が発生しやすくなる為、熱処理前の流動化処理(特に大粒径成分の流動化剤)を多めに設定する、処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが、形状並びに形状のバラツキを押さえた均一なトナーを得る上で重要となる。
トナーの熱処理領域内の滞留時間は、2秒以下、好ましくは1秒以下に設定する。滞留時間が2秒を超えると合一粒子が発生しやすくなる。また、均一性を向上させるため複数回処理するのも好ましい。
【0047】
冷却風温度:瞬間熱処理してなるトナーは、使用しているバインダ樹脂のガラス転移温度以上の温度条件下に2秒間以上滞留することは好ましくないので、処理された後、冷却風により、該ガラス転移温度以下の雰囲気下に戻すことが好ましい。この為、冷却風の温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、必要以上に温度を下げると条件によっては結露が発生する可能性があり、逆に好ましくない結果を生じる。従って、瞬間加熱処理と装置内の冷却水による冷却とを併用すると、バインダ樹脂の溶融時間を非常に短くできる為、粒子相互および熱処理装置の器壁への粒子付着がなくなる。この結果、連続生産時の安定性に優れ、製造装置の清掃頻度も極端に少なくでき、また、収率を高く安定的に制御できる。
冷却水温度は、好ましくは25℃以下、より好ましくは15℃以下、さらに好ましくは、10℃以下である。
【0048】
本発明で示してなる物性を有するトナーを得るためには、上記に示した方策を単独または組み合わせて実施することが好ましい。
【0049】
トナーは、混練粉砕法では、原料混合工程、溶融混練工程、粉砕工程、分級工程を経て製造されるが、分級工程は、本発明での瞬間加熱処理を施した後、行っても良い。この際、粉砕工程で使用する粉砕装置として被粉砕粒子を球形化できる粉砕装置を用いることにより、この後で処理する瞬間的熱処理の制御が行いやすくなる為好ましい。このような装置として、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を挙げることができる。また、分級工程で使用する分級装置として被処理粒子を球形化できる分級装置を用いることにより、円形度等の制御が容易になる。このような分級装置としてティープレックス型分級機(ホソカワ社製)等を挙げることができる。
【0050】
また、瞬間加熱処理と組み合わせて各種トナーの表面改質装置における各種処理と組み合わせても良い。これら表面改質装置としては、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンコスモスシリーズ(川崎重工業社製)イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)等の高速気流中衝撃法を応用した表面改質装置、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等の乾式メカノケミカル法を応用した表面改質装置、ディスパーコート(日清エンジニアリング社製)コートマイザー(フロイント産業社製)の湿式コーティング法を応用した表面改質装置を適宜、組み合わせて使用できる。
熱により表面処理されたトナー微粒子は分級により粒径を整えるのが好ましい。
【0051】
以上のようにトナー粒子を熱風中に分散噴霧し、瞬間的加熱処理すると、カラートナーおよびオイルレス定着トナーは表面性状が下記式[I]:
D/d50≧0.40 但し D=6/(ρ・S) [I]
(式中、Dはトナーの形状を球と仮定した時のBET比表面積からの換算粒径(μ);d50は粒径別相対重量分布の50%相当粒径(μm);ρは真密度(g/cm3);SはBET比表面積(m2/g)をそれぞれ表す。)
を満たすものが得られる。好ましくはD/d50は0.50以上である。
【0052】
磁性トナーの場合は、粒子内部に磁性粉を含有するので、磁性粉を含まないものに比べてD/d50の下限値は小さくなり、D/d50≧0.20のものが得られる。好ましくはD/d50は0.25以上のものである。
【0053】
このD/d50は、トナー粒子表面あるいは内部に細孔の存否を示す指標であり、上記値を有するトナーであれば、細孔部を中心にしてトナーが割れたり、凹部に外添剤として加えられる流動化剤であるシリカ等が埋め込まれたり、また凸部が削られて微粉が発生するなどの不都合が生じない。
【0054】
BET比表面積は、フローソーブ2300型(島津製作所社製)で測定された値を用いているが、同様の測定原理、方法で測定されるのであれば前記装置で測定されなければならないということを意味しない。
【0055】
粒径別相対重量分布(d50)は、コールタマルチサイザII;コールタカウンタ社製により測定された値を用いているが、同様の測定原理、方法で測定されるのであれば前記装置で測定されなければならないということを意味しない。
【0056】
真密度(ρ)は、シリカ等の外添剤を添加する前の粒子の真密度をいい、空気比較式比重計;ベックマン社製により測定された値を用いているが、同様の測定原理、方法で測定されるのであれば前記装置で測定されなければならないということを意味しない。
【0057】
以上のようにして得られたトナーはシリカ等の流動化剤を外添して、現像剤として供される。
【0058】
本発明に使用されるバインダー樹脂としては、特に限定的ではなく、トナーに使用されるあらゆる樹脂を適宜組み合わせて使用することが出来る。具体的にはポリエステル樹脂、ビニル樹脂(スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂など)、ジエン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ウレタン樹脂など、合成樹脂および天然樹脂いずれでも使用できる。特に本発明方法により均一な粒径分布を有する実質上球形のトナーを得るためには、カラートナー(黒を含む)の場合は、例えば、少なくともガラス転移温度50〜75℃、軟化点80〜120℃、数平均分子量2500〜30000および重量平均分子量/数平均分子量が2〜20、オイルレス定着用トナーの場合は、少なくともガラス転移温度50〜75℃、軟化点80〜150℃、数平均分子量1000〜10000および重量平均分子量/数平均分子量が30〜100であるバインダ樹脂をしようするのが好ましい。
【0059】
ポリエステル樹脂としては、酸価が2〜50KOHmg/g、好ましくは3〜40KOHmg/gのポリエステル系樹脂がこのましい。このような酸価を有するポリエステル系樹脂を用いることによって、カーボンブラックを含む各種顔料や荷電制御剤の分散性を向上させるとともに、十分な帯電量を有するトナーとすることができる。酸価が2KOHmg/gより小さくなると上述した効果が小さくなり、また酸価が50KOHmg/gより大きくなると環境変動、特に湿度変動に対するトナー帯電量の安定性が損なわれる。
本発明において、ポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。
【0060】
多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0061】
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0062】
また、多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、nードデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、nードデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、nーオクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、nーオクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステルが挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサンントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0063】
また、本発明においてはポリエステル系樹脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびスチレン系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られた樹脂も好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原料モノマーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合反応およびラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノマーである。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジカル重合反応し得るビニル基を有するモノマーであり、例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分が挙げられる。
【0064】
またビニル系樹脂の原料モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレンまたはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際の重合開始剤としては、例えば、2,2’ーアゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル、2,2’ーアゾビスイソブチロニトリル、1,1’ーアゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’ーアゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
【0065】
本発明において、特にオイルレス定着用トナーとしての定着性を向上させ且つ耐オフセット性を向上させるため、あるいは、透光性を必要とするフルカラートナーにおいて画像の光沢性を制御する為にポリエステル系樹脂として軟化点の異なる2種類のポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。オイルレス定着用トナーにおいて定着性を向上させるために軟化点が95〜120℃の第1ポリエステル系樹脂を使用し、耐オフセット性を向上させるために軟化点が130〜160℃の第2ポリエステル系樹脂を使用する。この場合に第1ポリエステル樹脂の軟化点が95℃より低くなると耐オフセット性が低下したりドットの再現性が低下し、120℃より高いと定着性向上の効果が不十分となる。また第2ポリエステル系樹脂の軟化点が130℃より低いと耐オフセット性向上の効果が不十分となり、160℃より高くなると定着性が低下する。このような観点からより好ましい第1ポリエステル系樹脂の軟化点は100〜115℃で、第2ポリエステル系樹脂の軟化点は135〜155℃である。また第1および第2ポリエステル系樹脂のガラス転移点は50〜75℃、好ましくは55〜70℃とすること望ましい。これはガラス転移点が低いとトナーの耐熱性が不十分となり、また高すぎると製造時の粉砕性が低下し生産効率が低くなるためである。
【0066】
第1ポリエステル系樹脂としては、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸、ベンセントリカルボン酸のみからなる群より選択される少なくとも1種を主成分として用いて得られたポリエステル樹脂が好ましい。
【0067】
また、第2ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応する両反応性モノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られたポリエステル系樹脂がワックスの分散性、トナーの強靭性、定着性、耐オフセット性を向上させる観点から好ましい。第2ポリエステル系樹脂中のビニル系樹脂の含有量は5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%とする。これはビニル系樹脂の含有量が5重量%より低いとトナーの定着強度が低下し、40重量%を超えると耐オフセット性やトナーの強靭性の低下、負の帯電レベルの低下等が生じ易くなる。また、トナーにワックスを含有させた場合にはビニル系樹脂の含有量が5重量%より低いとポリエチレンワックスの分散性が低下し、40重量%を超えるとポリプロピレンワックスの分散性が低下する傾向がある。
【0068】
第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステル系樹脂との重量比は7:3〜2:8、好ましくは6:4〜3:7とすることが好ましい。第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステル系樹脂とをこのような範囲で使用することにより、トナーとして定着時のつぶれによる広がりが小さくドット再現性に優れており、さらに低温定着性に優れ低速および高速の画像形成装置においても優れた定着性を確保することができる。また、両面画像形成時(定着機を2度通過時)にも優れたドット再現性を維持することができる。第1ポリエステル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、低温定着性が不十分となり幅広い定着性を確保できなくなる。また、第2ポリエステル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、耐オフセット性が低下するとともに定着時のトナーのつぶれが大きくなりドット再現性が低下する傾向がある。
【0069】
透光性が要求されるフルカラーは従来、分子量分布のシャープなシャープメルトタイプの樹脂が使用され、このような樹脂を使用することにより、光沢のあるピクトリアル画像が再現された。しかしながら、近年、通常のオフィスカラー等においては、光沢度を落とした画像が要求されるケースも出ている。このような要求に対しては、例えば、樹脂の分子量分布を高分子側に広げることにより達成できる。マタ、その具体的方策の一つトシテ分子量の異なる2種以上の樹脂を組み合わせて用いることにより達成でき、最終的に組み合わせてなる樹脂物性が、ガラス転移温度50〜75℃、軟化点80〜120℃、数平均分子量2500〜30000℃および重量平均分子量/数平均分子量が2〜20であれば好適に使用できる。光沢度を落として使用する場合には、重量平均分子量/数平均分子量の値を4以上に設定し、熔融粘度曲線を傾かせることにより、定着温度に対する光沢度制御領域を広げることが可能になる。
【0070】
その他、特にフルカラートナーにおいては、エポキシ系樹脂も好適に使用できる。本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物などが好適に使用できる。例えば、エポミックR362、R364、R365、R367、R369(以上 三井石油化学工業社製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017(以上 東都化成社製)、エピコート1002、1004、1007(以上 シエル化学社製)等、市販のものも使用できる。
【0071】
なお、本発明において樹脂の軟化点はフローテスター(CFT−500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。また分子量(数平均分子量、重量平均分子量)はゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いてスチレン換算により算出した値を示している。
【0072】
さらに、本発明のトナーには耐オフセット性等の特性を向上させるためにワックスを含有させてもよい。このようなワックスとしてはポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げることができる。このようにトナーにワックスを含有させる場合は、その含有量をバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。
【0073】
なお、耐オフセット性向上の観点からポリプロピレンワックスを含有させることが好ましく、またスミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象)を向上させる観点からはポリエチレンワックスを含有させることが好ましい。上述した観点から特に好ましいポリプロピレンワックスは160℃における溶融粘度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃および酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレンワックスであり、また特に好ましいポリエチレンワックスは、160℃における溶融粘度が1000〜8000cpsおよび軟化点が130〜150℃であるポリエチレンワックスである。即ち、上記溶融粘度、軟化点および酸価を有するポリプロピレンワックスは上記バインダー樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成することができる。特にポリエステル樹脂をバインダ樹脂として使用する場合には、酸化型ワックスを使用することが好ましい。
【0074】
酸化型ワックスとしては、ポリオレフィン系の酸化型ワックス、カルナバワックス、モンタワックス、ライスワックス、フィッシャー・トロプシュワックスが挙げられる。
【0075】
ポリオレフィン系ワックスであるポリプロピレン系ワックスとしては、低分子量のポリプロピレンは硬度が小さい為、トナーの流動性を低下させる欠点を持っており、この欠点を改良する為に、カルボン酸または酸無水物で変性したものが好ましい。特に、低分子量ポリプロピレン系樹脂を(メタ)アクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸モノマーで変成した変成ポリプロピレン樹脂が好適に使用できる。該変性ポリプロピレンは、例えばポリプロピレン系樹脂に(メタ)アクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸モノマーを過酸化物触媒存在下もしくは無触媒下でグラフトあるいは付加反応することにより得られる。変性ポリプロピレンを使用する場合には、酸価が0.5〜30KOHmg/g好ましくは1〜20KOHmg/gである。
【0076】
上記酸化型ポリプロピレンワックスとしては、市販されているものでは、三洋化成工業社製のビスコール200TS(軟化点140℃,酸価3.5),ビスコール100TS(軟化点140℃,酸価3.5),ビスコール110TS(軟化点140℃,酸価3.5)等が使用できる。
【0077】
酸化型ポリエチレンとして市販されているものでは、三洋化成工業社製のサンワックスE300(軟化点103.5℃,酸価22),サンワックスE250P(軟化点103.5℃,酸価19.5),三井石油化学工業社製のハイワックス4053E(軟化点145℃,酸価25),405MP(軟化点128℃,酸価1.0),310MP(軟化点122℃,酸価1.0),320MP(軟化点114℃,酸価1.0),210MP(軟化点118℃,酸価1.0),220MP(軟化点113℃,酸価1.0),220MP(軟化点113℃,酸価1.0),4051E(軟化点120℃,酸価12),4052E(軟化点115℃,酸価20),4202E(軟化点107℃,酸価17),2203A(軟化点111℃,酸価30)等が使用できる。
【0078】
カルナバワックスを使用する場合は、微結晶のものが良く、酸価が0.5〜10KOHmg/g好ましくは1〜6KOHmg/gのものである。
【0079】
モンタンワックスは、一般的に鉱物より精製されたモンタン系エステルワックスを指しカルナバワックス同様微結晶であり、酸価が1〜20好ましくは3〜15である。
【0080】
ライスワックスは米ぬかワックスを空気酸化したものであり、酸価が5〜30KOHmg/gであることが好ましい。
【0081】
フィッャー・トロプシュワックスは、石炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際、副生するワックスで例えばサゾール社製の商品名「サゾールワックス」として市販されているものである。またこれとは別に天然ガスを出発原料とするフィッシャー・トロプシュワックスも低分子量成分が少なくトナーに用いた場合の耐熱性に優れる為、好適に使用できる。
【0082】
フィッシャー・トロプシュワックスの酸価としては、0.5〜30KOHmg/gの物が使用でき、サゾールワックスの中では、特に酸価が3〜30KOHmg/gを有する酸化タイプのもの(商品名、サゾールワックスA1、A2等)が好適に使用できる。また、上記溶融粘度および軟化点を有するポリエチレンワックスも上記バインダー樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成することができる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度計により測定した。
【0083】
また、フルカラートナー用の着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレツド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。また、黒トナーには、各種カーボンブラック、活性炭、チタンブラックに加えて、着色剤の一部または全部を磁性体と置き換えることができる。このような磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄等、公知の磁性体微粒子が使用可能である。磁性粒子の平均粒径は製造時における分散性を得る意味において、好ましくは1μm以下特に0.5μm以下が好ましい。非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止等のの観点で添加する場合は、その添加量はバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部である。添加量が10重量部を超えるとトナーに対する現像剤担持体(マグネットローラ内蔵)の磁気的拘束力が強くなって現像性が低下する。
【0084】
また、磁性トナーとして使用する場合は、バインダー樹脂100重量部に対して磁性体を20重量部から60重量部が好ましい。添加量が20重量部以下では、トナー飛散が増加する傾向にあり、60重量部を超えるとトナー帯電量が安定的に確保できず、画像品質の低下を引き起こす。
【0085】
本発明のトナーには、目的に応じて帯電制御剤や離型剤等の添加剤を結着樹脂中に添加して用いることができる。例えば、帯電制御剤としては、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、第4級アクモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加することができる。本発明のトナーには、必要に応じて磁性粉等を添加するようにしてもよい
【0086】
さらに、本発明のトナーは、表面改質前および/またはトナー粒子を調整した後の流動性調整剤として各種有機/無機微粒子を添加することが好ましい。無機の微粒子としては、炭化けい素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独であるいは組み合わせて用いることができる。特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子においては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、さらにはフッ素系シランカップリング剤、またはフッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基や第4級アルミニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤で公知の方法で表面処理されていることが好ましい。
【0087】
有機微粒子としては乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることもできる。この有機微粒子はクリーニング助剤としての機能も有する。
【0088】
チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒子ならびに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなくても良い。これら流動化剤の添加量は、熱処理前の添加量として、現像剤粒子100重量部に対して、0.1〜6重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加される。また、熱処理後の外添処理は、現像剤粒子100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加されるが、熱処理前と熱処理後で適宜添加量を調整して使用することが好ましい。
【0089】
本発明のトナーは、上記したバインダー樹脂、着色剤、その他所望の添加剤を、従来の方法で混合、混練、粉砕、分級し、所望の粒径を有する粒子を得、本発明においては、以上のようにして得られた粒子を瞬間加熱処理する。
【0090】
粒径としては4〜10μm、好ましくは5〜9μmである。この段階で得られる粒子は瞬間加熱処理された後でも、その粒径分布はほとんど変わらない。
【0091】
分級工程は、本発明での瞬間加熱処理を施した後、行っても良い。この際、粉砕工程で使用する粉砕装置として被粉砕粒子を球形化できる粉砕装置を用いることにより、この後で処理する瞬間的熱処理の制御が行いやすくなる為好ましい。このような装置として、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を挙げることができる。また、分級工程で使用する分級装置として被処理粒子を球形化できる分級装置を用いることにより、円形度等の制御が容易になる。このような分級装置としてティープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を挙げることができる。
【0092】
また、本発明で示してなる瞬間加熱処理と組み合わせて各種現像剤の表面改質装置における各種処理と組み合わせても良い。これら表面改質装置としては、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンコスモスシステム(川崎重工業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)等の高速気流中衝撃法を応用した表面改質装置、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等の乾式メカノケミカル法を応用した表面改質装置、ディスパーコート(日清エンジニアリング社製)、コートマイザー(フロイント産業社製)の湿式コーティング法を応用した表面改質装置を適宜、組み合わせて使用できる。
【0093】
本発明により、瞬間的加熱処理を施すことにより、混練−粉砕法で得られたトナー粒子の形状を球状でかつ均一な形状に制御し、さらには、トナーの表面に有する細孔を低減し、平滑性を上げることができる。このことにより帯電の均一性ならびに画像性能に優れ、また、現像剤中の特定の粒径・形状成分、また、特定の帯電量を有するトナーから先に消費されるといった選択現像が発生せず、長期にわって安定した画像性能を達成するトナーを提供できる。
【0094】
また、本発明においてなるトナーは、近年要求の高い、高画質、低消費(色材高充填型)、省エネルギー定着方式に適した低軟化点のバインダ樹脂を主成分とし、色材部数を高充填した小粒径トナーにおいても、トナー担持体(キャリア,現像スリーブ,現像ローラー等)、感光体、転写部材に対する付着性が適正化され移動性に優れる。さらに、流動性に優れ、帯電の均一性が向上され、長期に渡って安定した耐久特性を有する。また、磁性トナーにおいてはこのような瞬間加熱処理を施すことにより、磁性粒子のバインダ樹脂が溶融されて球状化されてなり、表面に露出している磁性粉がなくなると共に遊離の微粉が磁性粒子表面に固定化される。
【0095】
【実施例】
樹脂の製造例
ポリエステル樹脂Aの製造例
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン( 以下「PO」という)4.0モル、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「EO」という)6.0モル、テレフタル酸(以下「TPA」という)9.0モルおよび触媒としてジブチル錫オキシドをガラス製の4つ口フラスコ内に入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、および窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中において窒素気流下で攪拌加熱しながら、反応させるようにした。そして、この反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂Aを得た。得られた各ポリエステル樹脂1mm以下に粗砕したものを以下のトナーの製造で用いた。
なお、ここで得られたポリエステル樹脂の物性は、数平均分子量(Mn):3300、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):4.2、ガラス転移温度(Tg):4.2℃、軟化点(Tm):110.3℃、酸価:3.3、水酸価:28.1を有する。
【0096】
ポリエステル系樹脂H(L体)の製造例
温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸およびフマル酸を重量比82:77:16:32:30に調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、220℃で撹拌しつつ反応させた。得られたポリエステル系樹脂Lの軟化点は110℃、ガラス転移点は60℃、酸価は17.5KOHmg/gであった。
【0097】
ポリエステル系樹脂I(H体)の製造例
スチレンおよび2ーエチルヘキシルアクリレートを重量比17:3.2に調整し、重合開始剤であるジグミルパーオキサイドとともに滴下ロートに入れた。一方、温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸、無水1,2,4ーベンゼントリカルボン酸およびアクリル酸を重量比42:11:11:11:8:1に調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、135℃で撹拌しつつ、滴下ロートよりスチレン等を滴下した後、昇温して230℃で反応させた。得られたポリエステル系樹脂Hの軟化点は150℃、ガラス転移点は62℃、酸価は24.5KOHmg/gであった。
【0098】
顔料マスターバッチの製造
以下フルカラートナーの製造に使用する顔料は、それぞれ、実施例で使用する熱可塑性樹脂とC.I.Pigment Yellow180(クラリアント社製)、C.I.Pigment Blue15−3(大日本インキ化学工業社製)、C.I.Pigment Red184(大日本インキ化学工業社製)とを重量比で7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、顔料含有率30wt%のイエロー、シアン、マゼンタの各顔料マスターバッチを得た。
【0099】
トナーの製造例
フルカラートナー
製造例 Y−1〜Y−2
樹脂製造例で得られたポリエステル樹脂A 90.7重量部に対して、イエローのマスターバッチ13.3重量部と荷電制御剤としてサリチル酸の亜鉛錯体(E−84:オリエント化学工業社製)2.0重量部、酸化型低分子量ポリプロピレン(100TS:三洋化成社製;軟化点140℃、酸価3.5)をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練した後冷却した。得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチック工業社製)で平均粒径6.8μmまで粉砕粗粉分級した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して体積平均粒径7.2μm、体積平均粒径(D)の2倍(2D)以上の重量%が、0.1%、かつ体積平均粒径の1/3(D/3)以下の個数%が、12.1%のイエロートナー粒子(Y−1)を得た。また、本トナー粒子(Y−1)の平均円形度は、0.946,円形度の標準偏差が、0.043であった。
このトナー粒子(Y−1)100重量部に対して、疎水性シリカ(TS−500:キャボジル社製)0.5重量部と、疎水性シリカ(AEROSIL 90G;日本アエロジル社製)のヘキサメチレンジシラザン処理品;BET比表面積 65m2/g,pH6.0,疎水化度95%)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec,60秒間)混合処理した後、図1および図2に示す装置により、以下の条件で熱による表面改質を行い、イエロートナー粒子(Y−2)を得た。
【0100】
表面改質処理の条件
現像剤供給部;テーブルフィーダー+振動フィーダー
分散ノズル;4本(全周に対して、各90度の対称形配置)
噴出角度;30度
熱風風量;800L/min
分散風量;55L/min
吸引風量;−1200L/min
分散濃度;100g/m3
処理温度;250℃
滞留時間;0.5秒
冷却風温度;15℃
冷却水温度;10℃
【0101】
製造例 C−1〜2ならびにM−1〜2
顔料マスターバッチをそれぞれシアンならびにマゼンタ顔料のものに変更する以外はY−1および2とそれぞれ同様の組成方法により、トナー粒子C−1〜2ならびにM−1〜2を得た。
【0102】
製造例 Y−3〜Y−5
トナーの製造例Y−2において、熱処理の温度条件を150、200℃、300℃に変更する以外は同様の方法・組成により、イエロートナー粒子(Y−3〜Y−5)を得た。
【0103】
製造例 C−〜5,M−〜5
トナー粒子(Y−3〜5)の製造において、顔料のマスターバッチをイエローのものからそれぞれシアンならびにマゼンタに変更する以外は、同様の組成・方法によりトナー粒子(C−3〜5,M−3〜5)を得た。
【0104】
製造例 Y−6
このトナー粒子(Y−1)100重量部に対して、疎水性シリカ(RX200;日本アエロジル社製;BET比表面積 140m2/g,pH7.0)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec,180秒間)混合処理した後、図1および図2に示す装置により、以下の条件で熱による表面改質を行い、イエロートナー粒子(Y−6)を得た。
表面改質処理の条件
現像剤供給部;テーブルフィーダー
分散ノズル;2本(全周に対して、対称形配置)
噴出角度;45度
熱風風量;620L/min
分散風量;68L/min
吸引風量;−900L/min
分散濃度;150g/m3
処理温度;250℃
滞留時間;0.5秒
冷却風温度;30℃
冷却水温度;20℃
【0105】
製造例 Y−7〜Y−9
トナーの製造例Y−6において、熱処理の温度条件を150、200℃、300℃に変更する以外は同様の方法・組成により、イエロートナー粒子(Y−7〜Y−9)を得た。
【0106】
製造例 Y−10
樹脂A100重量部に対し、顔料部数が15重量部並びに化合物化1で示されるホウ素化合物1重量部およびトルエン400重量部を超音波ホモジナイザー(出力400μA)を用いて30分間混合して溶解・分散させることにより着色樹脂溶液を調整した。
一方、分散安定剤として4重量%の水酸化りん酸カルシウムを含有する水溶液1000重量部にラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬社製)0.1重量部を溶解させることにより水性分散液を調整した。上記水性分散液100重量部をTKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)により、4200rpmで攪拌している中に上記着色樹脂溶液50重量部を滴下し、着色樹脂溶液の液滴を水性分散液中に懸濁させた。この懸濁液を60℃、100mmHgの条件下で5時間放置することにより、液滴からトルエンを除去し、着色樹脂粒子を析出させた。次いで濃硫酸により、水酸化リン酸カルシウムを溶解した後、濾過と水洗を繰り返し行った。この後、スラリー乾燥装置(ディスパーコート:日清エンジニアリング社製)により、80℃で着色剤粒子の乾燥を行い、イエロートナー(Y−10)を得た。
【0107】
製造例 C−6およびM−6
Y−6のトナーにおいて顔料のマスターバッチをイエローからそれぞれシアンおよびマゼンタに変更する以外はY−6トナーの製法と同様にしてC−6およびM−6のトナーを得た。
製造例 C−7〜9ならびにM−7〜9
顔料マスターバッチをそれぞれシアンならびにマゼンタ顔料のものに変更する以外はトナーの製造例Y−7〜9と同様の組成方法により、トナー粒子C−7〜9ならびにM−7〜9を得た。
製造例 C−10およびM−10
ピグメント・イエロー180に代えてシアンおよびマゼンタをそれぞれ使用する以外、Y−10の製法と同様にしてC−10およびM−10を得た。
【0108】
オイルレス定着用黒トナー
製造例 Bk−1
ポリエステル系樹脂H(L体)を40重量部、ポリエステル系樹脂I(H体)を60重量部、ポリエチレンワックス(800P;三井石油化学工業社製;160℃における溶融粘度5400cps;軟化点140℃)2重量部、ポリプロピレンワックス(TS−200;三洋化成工業社製;160℃における溶融粘度120cps;軟化点145℃;酸価3.5KOHmg/g)2重量部、酸性カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)8重量部および下記式で示される負荷電制御剤2重量部;
【化1】
Figure 0003941213
をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸押出混練機で溶融混練後、冷却しその後、ハンマーミルで粗粉砕しジェット粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径7.0μmのトナー粒子Bk−1を得た。
【0109】
製造例 Bk−2〜9
トナーの製造例Bk−1で得られたトナー粒子を用い、Y−2〜5と同様の熱処理前の流動化処理とし、熱処理の温度水準として、270,170、220,320℃と変更する以外は同様の条件で熱処理条件によりトナー粒子Bk−2〜5を得た。また、Y−6〜9の製法に準じ、熱処理温度をそれぞれ、270、170、220、320℃として、となー粒子Bk−6〜9を得た。
【0110】
製造例 Bk−10
スチレン60重量部、n−ブチルメタクリレート35重量部、メタクリル酸5重量部、2−2アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部、低分子量ポリプロピレン(ビスコール660P;三洋化成工業社製)3重量部、カーボンブラック(MA#8;三菱化学社製)8重量部およびクロム錯体(アイゼンスピロンブラックTRH;保土ヶ谷化学工業社製)をサンドスターラーにより混合して重合組成物を調整した。この重合組成物を濃度3重量%のアラビアゴム水溶液中で攪拌機TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて回転数4300rpmで攪拌しながら、60℃で6時間重合反応させ、平均粒径6.0μmの球状粒子を得た。球状粒子の濾過/水洗を3回繰り返した後、濾過物を35℃、30%RHの環境下にて風乾し、トナー粒子Bk−10を得た。
これらトナー粒子にBET比表面積140m2/gの疎水性シリカ微粒子(R−972;日本アエロジル社製)0.5重量%およびチタン酸ストロンチウム微粒子の中径(粒径:350nm、BET比表面積:9m2/g)0.5重量%を加えてヘンシェルミキサーにて周速40m/secの条件で3min混合した後、目開き106μmの篩で篩って評価に用いるトナーを調整した。
【0111】
各種物性評価方法
・樹脂のガラス転移点Tgの測定法
示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
【0112】
・樹脂の軟化点Tmの測定法
フローテスター(CFT−500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm2の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
・分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(807−IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算により分子量を求めた。
【0113】
酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定されたN/10水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
【0114】
水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmgで表した。
【0115】
疎水化度は、200mlのビーカーに純水50mlを入れ、0.2gのシリカ等の無機微粒子を添加する。ビーカーを攪拌しながら、ビューレットから無水硫酸ナトリウムで脱水したメタノールを加え、液面上にシリカ等がほぼ認められなくなった点を終点として要したメタノール量から下記式により疎水化度を算出する。
疎水化度(%)=C/(50+C)×100
式中 Cは、メタノール使用量(ml)を表す
【0116】
体積平均粒径と円形度は(相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長)で表され、フロー式粒子像解析装置(FPIA−2000:東亞医用電子社製)を用いて水分散系で測定した。
【0117】
スリーブ上トナー粒径の評価は、ホッパー中トナー粒径(平均粒径&微粉成分の個数%)の違いについて、評価した。
○:10%以内の差で収まっている
△:10〜20%の差が認められる
×:20%以上の粒径選別を引き起こしている
【0118】
トナー性能の評価
上記の実施例および比較例で選択されたフルカラー現像用トナーを、以下に示す項目について評価した。なお、評価はH/H環境下(30℃/85%RH)およびL/L環境下(10℃/15%RH)で行った。なお、実施例5および比較例3においては、所定のプリントパターンで、他の実施例1〜4および比較例1および2同様にH/HならびにL/L環境下で初期評価を行った後、さらにN/N環境下(25℃/50%RH)でB/W比が各色6%のプリントパターンを用いて3000枚連続複写後に評価を行った。実施例5および比較例3での3000枚連続複写後の評価方法は、N/N環境下で評価を行ったこと、3000枚複写後に評価を行ったこと、各色6%のプリントパターンを用いたこと以外、以下の評価方法と同様である。評価はカラー・ページ・プロTMPS(ミノルタ株式会社製)を使用した(ただし、クリーニング方式をブラシクリーニング方式に変更した)。
【0119】
中抜け
上記フルカラートナー現像用ドナーを、フルカラー画像形成装置(ミノルタ株式会社製)に装填し、4色重ね刷りによりフルカラー画像(ジェネラルパターン)を複写し、10枚複写後におけるフルカラー複写画像を、以下のランク付けに従って評価した。なお、4種類のトナーは、4つの現像装置に、中間転写ベルト上の層形成順序が下からY、M、C、Bkとなるように装填されている。
○:複写画像上に中抜けは発生しなかった。
△:複写画像上に中抜けが若干発生しているものの、実用上問題無かった。
×:複写画像上に中抜けが多数発生しており、実用上問題があった。
【0120】
飛び散り
上記フルカラー現像用トナーを、上記フルカラー画像形成装置に装填し、4色重ね刷りによりフルカラー画像(ジェネラルパターン)を複写し、10枚複写後における複写画像を、以下のランク付けに従って評価した。なお、4種類のトナーは、4つの現像装置に、中間転写ベルト上の層形成順序が下からY、M、C、Bkとなるように装填されている。
○:ライン複写画像のまわりにトナーの飛び散りは認められなかった。
△:ライン複写画像のまわりにトナーの飛び散りは認められるものの、実用上問題無かった。
×:複写画像のまわりにトナーの飛び散りが多く認められ、にじみとして認識され、実用上問題があった。
【0121】
カブリ
上記フルカラー現像用トナーを、上記フルカラー画像形成装置に装填し、4色重ね刷りによりB/W比30%の文字パターン画像を連続して10枚複写した際の複写画像を目視により観察し、以下のランク付けに従って評価した。なお、4種類のトナーは、4つの現像装置に、中間転写ベルト上の層形成順序が下からY、M、C、Bkとなるように装填されている。
○:ほとんどカブリは認められなかった。
△:若干のカブリは認められるが、実用上問題無かった。
×:カブリが全面にわたって存在し、実用上問題があった。
【0122】
転写性
上記フルカラー現像用トナーを、上記フルカラー画像形成装置に装填し、単色画像のソリッドパターンを複写し、10回目の複写工程における感光体ドラム上のトナー付着量に対する紙上の付着量の割合から、以下のランク付けに従って評価した。
○:80%以上、
△:70〜80%未満
×:70%未満
【0123】
ドット再現性
600dpiで2ドット網点の画像を画出し、ルーペ(50倍)でドットを観察し、ドットが一つづつ再現されており、ドットのばらつきの小さいものものを○、ドットとドットは分離されており、欠損は無いが、ドットの大きさにばらつきの多いものを△、2ドットの一つ一つが欠損していたり、くっついていたりし、十分にドットとして再現されていないものを×として評価した。
【0124】
ライン再現性
600dpiで2ドットラインの画像を画出し、ルーペ(50倍)で線幅の変動とライン画像周りの飛び散りトナーを観察した。
○:線幅のばらつき、飛び散りトナー共に少ないもの、
△:どちらか一方が劣るもの、
×:両方劣るもの。
【0125】
画像スジ:
B/W30%で10枚、通紙後、B/W100%の画像をプリントアウトし、スジ状のノイズの有無を評価した。
○:画像スジなし、
△:若干の画像スジは発生したが、実用上問題ない程度のもの、
×:画像スジ発生、実用上問題あり。
【0126】
追随性
B/W30%で10枚、通紙後、B/W100%の画像をプリントアウトし、その濃度むらを評価した
○:濃度むらなし、
△:若干の濃度むらは発生したが、実用上問題ない程度のもの、
×:濃度むら発生、実用上問題あり。
【0127】
スリーブ上トナー粒径:
ホッパー中のトナー粒径(平均粒径と微粉成分の個数%)の差で評価した。
○:10%以内の差で収まっている。
△:10〜20%の差が認められる。
×:20%以上の粒径選別を起こしている。
【0128】
トナーの特数を表1および表2に、評価結果を表3および表4に示す。
【表1】
Figure 0003941213
【0129】
【表2】
Figure 0003941213
【0130】
【表3】
Figure 0003941213
【0131】
【表4】
Figure 0003941213
【0132】
【発明の効果】
本発明トナーにおいては、トナー中の小径トナーの帯電量が下がり、現像スリーブ上への優先的な取り込みが軽減でき、また、小径トナーは従来に比べ現像スリーブから離れ易くなって粒径に係わりなく均一な現像を達成でき、更には、現像スリーブと規制部材との間を通過する際のストレスに耐え得るだけの強度を持たせることが出来た。これらの総合作用により、長期にわたって安定した画質を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱風による表面改質処理用装置の概略図。
【図2】 図1の装置の試料噴射室の水平断面模式図。
【符号の説明】
101 熱風発生装置
102、102’、102” 導入管
103 試料噴射ノズル
104 定量供給機
105 トナー粒子
106 熱風噴射ノズル
107 試料噴射室
108 冷却風導入部
109 サイクロン
111 製品タンク
112 バグフィルター
113 ブロアー

Claims (2)

  1. 熱処理領域が2秒以下の瞬間的熱処理よって得られるトナー薄層を用いて静電潜像を現像する静電荷像現像に用いられる一成分トナーであって、該トナーの体積平均粒径Dmが4〜9μm、平均円形度Emが0.96〜1.00、Dm/2以下のトナー成分の平均円形度をEsとした時、Es>1.001Emなる関係にあることを特徴とする静電荷像現像用一成分トナー。
  2. 標準偏差が0.040以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
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